JP2000164082A - 真空遮断器用接点材料および真空遮断器 - Google Patents
真空遮断器用接点材料および真空遮断器Info
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Abstract
を防止し、耐溶着性と耐電圧特性の双方の向上が図られ
た接点材料を提供すること。 【課題を解決するための手段】 高導電性成分としての
銅相と耐弧成分としてのクロム相とを含んでなる真空遮
断器用接点材料であって、前記銅相のビッカース硬度が
前記クロム相のビッカース硬度の0.8〜1.2倍であ
ることを特徴とするものである。
Description
材料に関し、特に耐電圧特性ならびに耐溶着性が改善さ
れたCu−Cr系真空遮断器用接点材料ならびにこの接
点材料を具備する真空遮断器に関するものである。
り、接地事故や短絡事故などの異常時に、故障状態を検
知する過電流継電器などを組み合わせて、自動的に瞬時
に電路を遮断するために、電力設備、変電所内機器、高
速鉄道車両等に広く使用されている。特に、真空遮断器
は、10-4Pa程度の高真空に維持した容器(真空バル
ブ)内に対向配置した1対の接点部材を開閉することに
より、電路の開閉を行うものである。
す断面図である。図1において真空遮断器は接点の開閉
動作が行われる遮断室1と、絶縁材料からなり、ほぼ円
筒状に形成された絶縁容器2と、この絶縁容器2の上下
端に封止金属3a、3bを介して設けた金属製の蓋体4
a、4bとによって区画形成された真空気密に構成され
ている。遮断室1内には軸方向に対向するように一対の
導電棒5、6が配置され、その各導電棒5、6の対向す
る端部に、一対の電極7、8が取り付けられている。こ
の図においては上部側の電極7を固定電極とする一方、
下部側の電極8を可動電極としている。また、可動電極
8の導電棒6には、伸縮自在のベローズ9が装着されて
おり、遮断室1内を真空気密に保持した状態で、可動電
極8の軸方向における往復動を可能にしている。このベ
ローズ9の上部には金属製のアークシールド10が設け
られており、このアークシールド10によってベローズ
9がアーク蒸気によって覆われることを防止している。
極7、8を覆うように金属製のアークシールド11が配
設されており、このアークシールド11によって絶縁容
器2がアーク蒸気によって覆われることが防止される。
は導電棒6の端部に形成されるろう付け部12に加熱接
合により固定されるか、または、かしめ加工によって圧
着接続される。接点材料13aは電極8の端面中央部に
ろう材14を介して一体に固着されている。なお、図2
に示す固定側接点材料13bも同様に、固定電極7の端
面にろう材を介して一体に接合されている。
における高い絶縁耐力を利用できるため、対向する接点
部材の開閉ストロークを短くできるという特徴を有して
いる。
わたる接点の開閉時に発生するアークによって溶着しな
いよう耐アーク性(耐弧性)や耐溶着性が必須の条件と
なる一方、低接触抵抗を維持するために高い導電特性を
有することが必須の要件とされる。このような耐弧性と
高導電性とを共に具備する具体的な接点構成材料として
は、たとえば、Ag系材料、Ag−Cu系材料、Ag−
Cd系材料、30%Cu−W系材料、50%Cu−Cr
系材料などが使用されている。
としては、Cr粉末と銅粉末の混合物を成形し、この成
形物を焼結することによって製造する技術が知られてい
る。
ば、Cu−Cr系材料からなる接点材料を従来の粉末焼
結により製造する場合、これら両金属の硬度の相違に起
因して、加工後の接点材料の特性に特定の影響が現れる
ことが判明している。
材料のCu相とCr相の硬度は、接点とした場合の耐溶
着性および耐電圧特性と密接な関係を有しており、Cu
相の硬度が低いと加工時に表面からのCr相の脱落等に
より凹凸が生じやすくなり、接点の接触抵抗が増大し、
ジュール熱が発生することになり、このため電流遮断特
性が劣化する。また、上記のような凹凸が発生した部分
は電力集中が起こり易く、このため耐電圧特性もいきお
い低下することとなる。さらに、本発明者らの知見によ
れば、このような硬度差に起因する欠陥部位においては
局部的な溶融が生じやすくなり、このため耐溶着特性に
も影響を与えることが判明している。
を考慮することは、近年の接点の小型化に伴う単位面積
当たりの負荷電流の増大が要請される接点材料において
は特に重要である。
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、構成成分
の硬度差に起因する接点特性の低下を防止し、耐溶着性
と耐電圧特性の双方の向上が図られた接点材料を提供す
ることを目的とするものである。
めに、本発明による真空遮断器用接点材料は、高導電性
成分としての銅相と耐弧成分としてのクロム相とを含ん
でなる真空遮断器用接点材料であって、前記銅相のビッ
カース硬度が前記クロム相のビッカース硬度の0.8〜
1.2倍であることを特徴とするものである。
容器内に対向して配置した1対の接触子の開閉動作によ
って電路を開閉する真空遮断器であって、前記接触子
が、上記の接点材料からなることを特徴とするものであ
る。
点材料においては、クロム相に対する銅相の硬度を特定
の範囲内に厳格に制御しているので、この接点材料を加
工して接触子を形成した場合において、銅相とクロム相
の硬度差に起因する接触子表面の凹凸等の欠陥部位の発
生を効果的に防止することができる。このため、構成成
分の硬度差に起因する接点特性の低下を防止し、耐溶着
性と耐電圧特性の双方の向上が図られた接点材料を提供
することができる。
料を製造方法とともに具体的に説明する。
導電性成分としての銅相と耐弧成分としてのクロム相と
を含んでなる真空遮断器用接点材料であって、前記銅相
のビッカース硬度が前記クロム相のビッカース硬度の
0.8〜1.2倍であることを特徴とする。ビッカース
硬度が上記範囲外であると加工後銅相、クロム相のいず
れかの相の表面に凹凸等の欠陥部位が生じる。
を混合して得られた粉末混合物を成形し焼結することに
よって得ることができる。本発明においては、構成金属
成分としてのクロム、銅の他に硬度を調整する添加成分
を特定量含み、この添加成分によって、クロム相に対す
る銅相の硬度比を上記の特定範囲に制御することができ
る。
ず、所定粒度のCr粉末およびCu粉末を用意し、さら
にこれに硬度を調整する成分としての金属粉末を添加
し、これらを混合して粉末混合体を得る。
〜80:20の範囲が好ましく、さらに好ましくは、3
5:65〜75:25である。
成分種によっても異なるが、上記の範囲の硬度比範囲を
得るためには、通常、接点材料の合計重量に対して、
0.2〜1.5重量%の範囲が好ましく、さらに好まし
くは0.3〜1.4重量%である。
るものではないが、例えばWがあげられる。
中において混合して、さらにこの原料混合体を金型プレ
ス等によって所定の圧力下で成形して所定の形状の成形
体を得る。次いで、得られた成形体を加熱炉等の加熱手
段によって、好ましくは真空雰囲気中において加熱す
る。加熱温度は、900〜1080℃の範囲で1〜4時
間が適当である。また、W等の硬度調整成分は、実質的
にCu相に固溶したりあるいはCuとの間で金属間化合
物を形成したりすることがなく、しかもCu相の硬度を
増大させることに寄与するため、導電特性を低下させる
ことなく、Cu相の硬度を上述した最適範囲に調整する
ことが可能となる。
は、下記の実施例の態様に限定されるものではない。
す重量比でそれぞれ秤量した。そして、ボールミルのポ
ット中に、上記粉末を投入して、不活性ガス雰囲気中で
回転混合して各原料混合体とした。次に、得られた各原
料混合体を金型プレス機に充填して、700MPaの加
圧条件でプレス成形してCu−Cr−W成形体とした。
さらに、このCu−Cr−W成形体を加熱炉に装填し
て、真空雰囲気中で温度1050℃で3時間焼結して実
施例1〜6に係る接点材料を作製した。
した。そして、ボールミルのポット中に、上記粉末を投
入して、不活性ガス雰囲気中で回転混合して各原料混合
体とした。次に、得られた各原料混合体を金型プレス機
に充填して、700MPaの加圧条件でプレス成形して
Cu−Cr成形体とした。さらに、このCu−Cr成形
体を加熱炉に装填して、真空雰囲気中で温度1050℃
で3時間焼結して従来例1〜3に係る接点材料を作製し
た。
す重量比でそれぞれ秤量した。そして、ボールミルのポ
ット中に、上記粉末を投入して、不活性ガス雰囲気中で
回転混合して各原料混合体とした。次に、得られた各原
料混合体を金型プレス機に充填して、700MPaの加
圧条件でプレス成形してCu−Cr−W成形体とした。
さらに、このCu−Cr−W成形体を加熱炉に装填し
て、真空雰囲気中で温度1050℃で3時間焼結して比
較例1〜3に係る接点材料を作製した。
従来例1〜3および比較例1〜3の各接点材料を加工し
て接触子とし、これを用いた真空遮断器を組み立てた。
そして、各接点材料の遮断特性を比較評価するために、
接触子の硬度をJIS規格に規定する方法で測定すると
ともに、各真空遮断器について繰り返して遮断操作を実
施し、その再点弧最低電流値および耐電圧を測定して、
表1に示す結果を得た。なお、各測定値は、従来例1〜
3の各組成比に対応する接点材料を使用した場合の値を
それぞれ基準値1.00として相対値で示している。
触子においては、添加するW量を調整することによりC
u相の硬度をCr相の硬度に対して比率で0.8〜1.
2とすることが可能となり、その結果、再点弧発生電流
最低値、耐電圧特性が共に良好であることが判明した。
に、本発明による真空遮断器用接点材料においては、ク
ロム相に対する銅相の硬度比を0.8〜1.2の範囲に
制御することによって耐電圧特性ならびに耐溶着性の双
方が改善されたCu−Cr系真空遮断器用接点材料を得
ることができる。
構造を示す断面図。
面図。
Claims (6)
- 【請求項1】高導電性成分としての銅相と耐弧成分とし
てのクロム相とを含んでなる真空遮断器用接点材料であ
って、前記銅相のビッカース硬度が前記クロム相のビッ
カース硬度の0.8〜1.2倍であることを特徴とす
る、真空遮断器用接点材料。 - 【請求項2】30〜70重量%のクロムを含有する、請
求項1に記載の真空遮断器用接点材料。 - 【請求項3】前記接点材料が、構成金属の粉末を混合し
て得られた粉末混合物を成形し焼結することによって得
られたものである、請求項1または2に記載の真空遮断
器用接点材料。 - 【請求項4】硬度を調整する添加成分によって前記硬度
範囲に調整されてなる、請求項1または2に記載の真空
遮断器用接点材料。 - 【請求項5】前記添加成分がタングステンである、請求
項4に記載の真空遮断器用接点材料。 - 【請求項6】真空容器内に対向して配置した1対の接触
子の開閉動作によって電路を開閉する真空遮断器であっ
て、前記接触子が、請求項1〜5のいずれか1項に記載
の真空遮断器用接点材料からなることを特徴とする、真
空遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10335864A JP2000164082A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 真空遮断器用接点材料および真空遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10335864A JP2000164082A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 真空遮断器用接点材料および真空遮断器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000164082A true JP2000164082A (ja) | 2000-06-16 |
Family
ID=18293244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10335864A Pending JP2000164082A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 真空遮断器用接点材料および真空遮断器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000164082A (ja) |
-
1998
- 1998-11-26 JP JP10335864A patent/JP2000164082A/ja active Pending
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