JP2000162380A - 使用済み原子燃料の再処理方法 - Google Patents

使用済み原子燃料の再処理方法

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JP2000162380A
JP2000162380A JP33526998A JP33526998A JP2000162380A JP 2000162380 A JP2000162380 A JP 2000162380A JP 33526998 A JP33526998 A JP 33526998A JP 33526998 A JP33526998 A JP 33526998A JP 2000162380 A JP2000162380 A JP 2000162380A
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nuclear fuel
molten salt
spent nuclear
plutonium
uranium
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JP33526998A
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Akira Sasahira
朗 笹平
Tetsuo Fukazawa
哲生 深澤
Hiroto Yokoi
浩人 横井
Fumio Kawamura
文雄 河村
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済み原子燃料からアルカリ元素およびアル
カリ土類元素を除去する。 【解決手段】燃料溶解液を濃縮してウランおよびプルト
ニウムを析出させ、アルカリ元素およびアルカリ土類元
素を濃縮液に残すことにより、溶融塩へのアルカリ元素
およびアルカリ土類元素の溶解量を低減し、溶解塩の寿
命を延長することで、廃棄物量を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用済み原子燃料の
再処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】使用済み原子燃料を溶融塩に溶解させな
がら、または溶解させた後、ウランとプルトニウムを回
収する使用済み原子燃料の再処理方法には、大きく分け
て以下の五方法がある。
【0003】第1は“Proceedings of the Internation
al Conference on Future NuclearSystems GLOBAL '9
7 p906−911(Yokohama, October 5−1
0, 1997)”および特開平10−111388号公報に紹
介されている方法である。使用済み酸化物燃料を陽極と
し、陰極との間に電圧をかける。陽極では使用済み燃料
が溶融塩中に溶解し、陰極では溶融塩からUがU酸化物
として析出し回収される。Uの回収後、溶融塩に酸素と
塩素の混合ガスを吹き込み、電解または沈殿法により残
ったウラン,プルトニウムおよびネプツニウムを回収す
る。
【0004】第2は特開平9−80193号公報に示されてい
る方法である。使用済みの酸化物燃料または金属燃料ま
たは窒化物燃料を溶融塩に溶解した後、溶融塩に酸素を
供給する。溶融塩中からはプルトニウム,マイナーアク
チニド,ウランが、この順番で逐次沈殿するのでこれら
の元素を分離できる。
【0005】第3は金属燃料に対する再処理方法で、特
開平9−257986 号かよび“Proceedings of the Embedde
d Topical Meeting on DOE Spent Nuclear Fuel& Fissi
le Material Management p137−143(Reno, Neva
da June16−20,1996)”に示されている。こ
の方法では使用済み燃料は陽極バスケットからカドミウ
ムプール電極または固体電極に電気化学的に輸送され、
ウランおよびプルトニウムから核分裂生成物が除かれ
る。
【0006】この方法の変形として、使用済み酸化物燃
料をLiによって金属に還元した後、前述の電気化学的
輸送によりウランおよびプルトニウムから核分裂生成物
を除く方法が、特開平9−257985 号公報に示されてい
る。
【0007】第4の方法は特開平10−73693 号公報に記
載の方法である。この方法では、使用済み酸化物燃料を
陽極に置き、陽極と陰極との間に電圧をかけて電解す
る。このとき、気相酸素分圧を1万分の1気圧以上、好
ましくは大気開放状態で電解を行うことで、プルトニウ
ムが陽極に残留し、ウランが陰極に析出するので、それ
ぞれを単離回収する。
【0008】第5の方法は特開昭55−122198号公報に記
載の方法である。酸化物または炭化物の使用済み燃料を
溶融硫酸塩に溶解し、電解によりウランおよびまたはプ
ルトニウムの酸化物を電解析出させて回収する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法のうち、
第1から第4までは溶融塩としてカルカリまたはアルカ
ル土類元素の塩化物を混合した塩を用いている。このた
め、使用済み燃料に含まれているCsやSrが溶融塩に
溶解した場合、これらを溶融塩から分離することが難し
い。このため、溶融塩を繰り返し使用していくとCsと
Srが溶融塩に蓄積し、放射能による発熱と、塩の融点
の上昇,粘性の増加が生じ、使用済み溶融液を廃棄物と
しなくてはならない。
【0010】本発明の目的は、CsやSrが溶融塩に混
入することを制限し、溶融塩の繰り返し使用数を増やし
て廃棄物量を低減する方法を与える使用済み原子燃料の
再処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】CsやSrが溶融塩に混
入することを制限するためには、使用済み燃料からあら
かじめこれらの元素の大部分を除去すればよい。分離に
は、アルカリまたはアルカリ土類は塩基酸化物であるた
め、ウラン,プルトニウムの酸化物に比べて酸溶液への
溶解度が非常に高いことを利用する。
【0012】即ち、使用済み原子燃料を酸性溶液に溶解
し、この溶液を蒸発濃縮するとウラン,プルトニウムお
よび酸への溶解度が低い希土類元素が沈殿し、Cs,S
r等のアルカリまたはアルカリ土類濃度の高い濃縮液が
得られる。沈殿を回収し、前記の溶融塩を用いた再処理
法によりウランとプルトニウムを回収することで、溶融
塩へのアルカリまたはアルカリ土類の混入を抑制でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の一実施例で
ある使用済み原子燃料の再処理法につき図1を用いて説
明する。塩素ガスにより使用済み燃料を溶解させるか、
陽極溶解で使用済み燃料を溶融塩中に溶解させ、陰極に
ウラン酸化物または窒化物を析出させて回収し、Uの回
収後、溶融塩に酸素と塩素の混合ガスを吹き込み、電解
または沈殿法により残ったウラン,プルトニウムおよび
ネプツニウムを回収する再処理方法において、使用済み
原子燃料を溶融塩に陽極で溶解させる前に、使用済み原
子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除去
する構成の例を示す。
【0014】使用済み原子燃料1は溶解槽2において酸
溶液によって溶解される。このとき酸溶液は好ましくは
硝酸または塩酸である。以下硝酸で溶解する場合を述べ
る。溶解塩3は蒸発濃縮装置4に送られる。蒸発濃縮装
置で溶液を加熱し余分な水および酸を蒸気させると、ウ
ランおよびプルトニウムおよび酸への溶解度の低い核分
裂生成物が、硝酸塩、または酸化物になって沈殿する。
Na,Cs等のアルカリ元素およびSr等のアルカリ土
類元素は酸への溶解度が高く、濃縮溶液に溶解してい
る。沈殿5はばい焼装置12へ送られる。
【0015】濃縮溶液7のCs,Sr濃度が低い場合
は、濃縮溶液は一旦貯槽9にためられ、リサイクル溶解
液10として、溶解槽に送られる。濃縮溶液7のCs,
Sr濃度が高く、これ以上の濃縮を行うとCs,Sr等
の沈殿が生じる場合は、濃縮溶液は高レベル廃液貯槽1
1に送られる。
【0016】蒸発装置から発生した蒸気6はコンデンサ
ー8により濃縮され、貯槽9に送られ、濃縮液を希釈す
る。希釈された濃縮液リサイクル溶解液10として溶解
槽2に送られ再利用される。溶解液に硝酸を用いた場合
は、沈殿5は主として硝酸液である。この場合、ばい焼
装置では硝酸塩を加熱して酸化物に転換する。
【0017】転換された固体13は溶融塩電解装置14
に送られる。溶融塩電解装置では塩素ガス供給装置15
から塩素ガスを溶融塩に吹き込んで固体13を溶解し、
電気分解により陰極にウラン酸化物を析出させて回収す
る。その後、塩素と酸素ガス供給装置16からの酸素を
同時に溶融塩に吹き込み電解または沈殿により、プルト
ニウムを回収する。固体13を溶解する際には塩素ガス
の吹き込みに代えて陽極溶解を行ってもよく、塩素の吹
き込みと陽極溶解を併用してもよい。
【0018】高レベル廃液貯槽11にためられた溶液
は、必要があれば溶媒抽出法またはイオン交換法等の適
当な方法を用いて、ウランおよびプルトニウムを回収し
てもよい。
【0019】溶融塩電解装置14で酸化物燃料を直接処
理する場合に比べて、本実施例では使用済み原子燃料か
らアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除去されてい
るため、溶融塩へのCs,Sr等の溶解がほとんど起こ
らず、溶融塩への放射能蓄積がないので、溶融塩の繰り
返し使用回数が増加し、放射性の塩廃棄物の発生量が減
少するという効果がある。
【0020】(実施例2)実施例1の溶解液として、硝
酸の代わりに塩酸を用いた場合を示す。構成は図1と同
じであるが、固体13は酸化物ではなく塩化物である。
塩化物は塩化物溶融塩に溶解しやすいため、ばい焼装置
では脱水を行うだけで、酸化物には転換しない。溶融塩
電解装置での固体13の溶解には塩素ガスを必要としな
い。固体13の溶解後または溶解中に電気分解を行い陰
極にウラン酸化物を析出させて回収する。その後、酸素
16と塩素15を同時に溶融塩に吹き込み電解または沈
殿により、プルトニウムを回収する。
【0021】溶融塩電解装置での固体13の溶解には塩
素ガスを必要としないが、溶解反応を促進するため、塩
素ガスを併用してもよい。
【0022】本実施例では溶融塩電解装置14で酸化物
燃料を直接処理する場合に比べて、本実施例では使用済
み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を
除去されているため、溶融塩へのCs,Sr等の溶解が
ほとんど起こらず、溶融塩への放射能蓄積がないので、
溶融塩の繰り返し使用回収が増加し、放射性の塩廃棄物
の発生量が減少するという実施例1と同じ効果がある。
また、実施例1の効果に加え、塩化物の溶融塩への溶解
には塩素ガスを必要としないので、溶融塩電解装置およ
び排ガス処理系の腐食が軽減される、実施例特有の効果
がある。
【0023】(実施例3)実施例1,溶解液として硝酸
を行う場合において、ばい焼装置において脱水を行うだ
けで、硝酸塩を酸化物には転換しない例を示す。構成は
図1と同じであるが、固体13は酸化物ではなく硝酸塩
である。硝酸塩は塩化物溶融塩に溶解しやすいため、溶
融塩電解装置での固体13の溶解には塩素ガスを必要と
しない。固体13の溶解後または溶解中に電気分解を行
い陰極にウラン酸化物を析出させて回収する。その後、
酸素と塩素を同時に溶融塩に吹き込み電解または沈殿に
より、プルトニウムを回収する。
【0024】溶融塩電解装置での固体13の溶解には塩
素ガスを必要としないが、溶解反応を促進するため、塩
素ガスを併用してもよい。
【0025】本実施例では溶融塩電解装置14で酸化物
燃料を直接処理する場合に比べて、本実施例では使用済
み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を
除去されているため、溶融塩へのCs,Sr等の溶解が
ほとんど起こらず、溶融塩への放射能蓄積がないので、
溶融塩の繰り返し使用回数が増加し、放射性の塩廃棄物
の発生量が減少するという実施例1と同じ効果がある。
また、実施例1の効果に加え、硝酸塩の溶融塩への溶解
には塩素ガスを必要としないので、溶融塩電解装置およ
び排ガス処理系の腐食が軽減される、実施例特有の効果
がある。
【0026】(実施例4)本発明の一実施例である使用
済み原子燃料の別の再処理法につき図2を用いて説明す
る。本実施例は使用済み原子燃料を溶融塩中に溶解させ
た後、該溶融塩に酸素または酸素を放出する物質を供給
し、前記使用済み原子燃料に含まれていたウランおよび
プルトニウムを逐次的に沈殿させ、ウランおよびプルト
ニウムを別個に、または同時に回収する方法において、
使用済み原子燃料を溶融塩に溶解させる前に、使用済み
原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除
去する場合を説明する。
【0027】本実施例の構成は図1の溶融塩電解装置1
4を逐次沈殿槽19にかえた構成である。溶解液として
硝酸を用い、ばい焼により固体13をウランおよびプル
トニウムを含む酸化物に転換する。この酸化物は逐次沈
殿槽19において塩素ガスにより溶融塩に溶解される。
塩素ガスの吹き込みを停止し、酸素ガスを少しずつ溶融
塩に吹き込んでいくと、プルトニウムが固体として沈殿
を開始する。
【0028】さらに酸素ガスを吹き込んでいくと、プル
トニウムの沈殿生成が終了し、アメリシウム,ネプツニ
ウム等のマイナーアクチニド元素の沈殿が始まるので、
これらが沈殿する前にプルトニウムの沈殿物を回収す
る。さらに酸素ガスを吹き込んでいくとアメリシウム,
ネプツニウム等のマイナーアクチニド元素の沈殿生成が
終了し、ウランの沈殿生成が始まるので、ウランの沈殿
開始直前にマイナーアクチニド元素の沈殿を回収する。
さらに酸素ガスを吹き込んでいくと、ウランの沈殿生成
が終了するので、ウラン沈殿を回収する。
【0029】このようにして、逐次沈殿槽でプルトニウ
ム,マイナーアクチニドおよびウランを分離して回収す
る。またはプルトニウムとマイナーアクチニドの適当な
比の混合物や、プルトニウムとマイナーアクチニドの全
量に好む量のウランを含む混合物として回収することも
できる。
【0030】逐次沈殿槽19で酸化物燃料を直接処理す
る場合に比べて、本実施例では使用済み原子燃料からア
ルカリ元素およびアリカリ土類元素を除去されているた
め、溶融塩へのCs,Sr等の溶解がほとんど起こら
ず、溶融塩への放射能蓄積がないので、溶融塩の繰り返
し使用回数が増加し、放射性の塩廃棄物の発生量が減少
するという効果がある。
【0031】(実施例5)実施例4の溶解液として、硝
酸の代わりに塩素を用いた場合を示す。構成は図2と同
じであるが、固体13は硝酸塩ではなく塩化物である。
塩化物は塩化物溶融塩に溶解しやすいため、ばい焼装置
では脱水を行うだけで酸化物には転換しない。逐次沈殿
槽での固体13の溶解には塩素ガスを必要としない。逐
次沈殿槽に酸素ガスを供給することで、実施例4と同じ
く、プルトニウム,マイナーアクチニドおよびウランを
分離して回収できる。またはプルトニウムとマイナーア
クチニドの適当な比の混合物や、プルトニウムとマイナ
ーアクチニドの全量に好む量のウランを含む混合物とし
て回収することもできる。
【0032】逐次沈殿槽での固体13の溶解には塩素ガ
スを必要としないが、溶解反応を促進するため、塩素ガ
スを併用してもよい。
【0033】本実施例では実施例4と同じ効果が得られ
る。また、実施例4の効果に加え、塩化物の溶融塩への
溶解には塩素ガスを必要としないので、逐次沈殿槽およ
び排ガス処理系の腐食が軽減される、実施例特有の効果
がある。
【0034】(実施例6)実施例4のばい焼装置におい
て脱水を行うだけで、硝酸塩を酸化物には転換しない例
を示す。硝酸塩は塩化物溶融塩に溶解できるため、逐次
沈殿槽での固体13の溶解には塩素ガスを必要としな
い。逐次沈殿槽に酸素ガスを供給することで、実施例4
と同じく、プルトニウム,マイナーアクチニドおよびウ
ランを分離して回収できる。またはプルトニウムとマイ
ナーアクチニドの適当な比の混合物や、プルトニウムと
マイナーアクチニドの全量に好む量のウランを含む混合
物として回収することもできる。
【0035】逐次沈殿槽での固体13の溶解には塩素ガ
スを必要としないが、溶解反応を促進するため、塩素ガ
スを併用してもよい。
【0036】本実施例では実施例4と同じ効果が得られ
る。また、実施例4の効果に加え、硝酸塩の溶融塩への
溶解には塩素ガスを必要としないので、逐次沈殿槽およ
び排ガス処理系の腐食が軽減される、実施例特有の効果
がある。
【0037】(実施例7)本発明の一実施例である使用
済み原子燃料の別の再処理法につき図3を用いて説明す
る。本実施例は、使用済み原子燃料を溶融塩中でリチウ
ム,マグネシウム等の還元性金属または電気分解により
還元し、得られたウラン,プルトニウム,マイナーアク
チニド、及び核分裂生成物の金属を溶融塩中で電解精製
してウラン,プルトニウムおよびマイナーアクチニドを
別個にまたは適当な割合で混合して回収する再処理方法
において、使用済み原子燃料を溶融塩中で還元する前
に、使用済み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ
土類元素を除去する場合について述べる。
【0038】図3の構成は図1の構成の溶融電解装置を
還元槽20と電解精製装置23にかえた構成である。溶
解液として硝酸を用い、ばい焼装置により硝酸塩を酸化
物に転換する。固体13はウランおよびプルトニウムを
含む酸化物である。この固体13は塩化物溶融塩を満た
した還元槽20に送られ、酸化物還元用金属21を添加
することにより、溶融塩中で還元され、酸化物から金属
に転換される。ウランとプルトニウムを含む還元された
金属22は電解精製装置23に送られる。電解精製装置
では還元された金属は陽極溶解され、固体陰極または溶
体カドミウム陰極にウランおよびまたはプルトニウムが
回収される。
【0039】還元槽20で酸化物燃料を直接処理する場
合に比べて、本実施例では使用済み原子燃料からアルカ
リ元素およびアルカリ土類元素を除去されているため、
還元槽の溶融塩へのCs,Sr等の溶解がほとんど起こ
らず、溶融塩への放射能蓄積がないので、溶融塩の繰り
返し使用回数が増加し、放射性の塩廃棄物の発生量が減
少するという効果がある。
【0040】(実施例8)本発明の一実施例である使用
済み原子燃料の別の再処理法につき図4を用いて説明す
る。本実施例は使用済み原子燃料の溶融塩への溶解を一
万分の一気圧以上の酸素分圧下で行うことで、ウランを
選択的に溶解させ、上記溶融塩を電解して陰極でウラン
を選択的に回収する再処理方法、およびこの再処理方法
を実施後、核分裂生成物と、マイナーアクチニド元素を
溶解し、プルトニウムを残留させてプルトニウムを回収
する再処理方法において、使用済み原子燃料を溶融塩中
に溶解する前に、使用済み原子燃料からアルカリ元素お
よびアルカリ土類元素を除去する場合について示す。
【0041】図4は図1の構成から塩素ガス供給部15
および酸素ガス供給部16を除いた構成である。固体1
3はウランおよびプルトニウムを含む酸化物である。こ
の酸化物は溶融塩電解装置14の陽極において印加電圧
を与えられる。
【0042】溶融塩電解装置14の気相が1万分の1気
圧以上の分圧の酸素を含む場合、固体13からウランが
最初に溶解する。溶解と同時に陰極でウランの析出が生
じるので、このウラン17を回収する。固体13中のウ
ランが枯渇すると、固体13に含まれていた、希土類元
素の酸化物および、アメリシウム,ネプツニウム,キュ
リウムの酸化物が溶解し、プルトニウム酸化物が陽極に
残るので、このプルトニウム18を回収する。
【0043】溶融塩電解装置14で酸化物燃料を直接処
理する場合に比べて、本実施例では使用済み原子燃料か
らアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除去されてい
るため、溶融塩電解装置の溶融塩へのCs,Sr等の溶
解がほとんど起こらず、溶融塩への放射能蓄積がないの
で、溶融塩の繰り返し使用回数が増加し、放射性の塩廃
棄物の発生量が減少するという効果がある。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶融塩を
用いた再処理法において溶融塩へのアルカリまたはアル
カリ土類の混入を抑制でき、溶融塩の繰り返し使用回数
を増加させ、廃棄物の発生量を低減できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例である使用済み原子燃料
の再処理法を説明する図。
【図2】本発明の好適な実施例である使用済み原子燃料
の再処理法を説明する図。
【図3】本発明の好適な実施例である使用済み原子燃料
の再処理法を説明する図。
【図4】本発明の好適な実施例である使用済み原子燃料
の再処理法を説明する図。
【符号の説明】
1…使用済み原子燃料、2…溶解槽、3…溶解液、4…
蒸発濃縮装置、5…沈殿、6…蒸発装置から発生した蒸
気、7…濃縮溶液、8…コンデンサー、9…貯槽、10
…リサイクル溶解液、11…高レベル廃液貯槽、12…
ばい焼装置、13…転換された固体、14…溶融塩電解
装置、15…塩素ガス供給装置、16…酸素ガス供給装
置、17…回収ウラン、18…回収プルトニウム、19
…逐次沈殿槽、20…還元槽、21…酸化物還元用金
属、22…還元された金属、23…電解精製装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 浩人 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 河村 文雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用済み原子燃料を溶融塩に溶解させなが
    ら、または溶解させた後、ウランとプルトニウムを回収
    する使用済み原子燃料の再処理方法において、使用済み
    原子燃料を溶融塩に溶解させる前に、使用済み原子燃料
    からアルカリ元素(アルカリ元素とはLi,Na,K,
    Rb,Cs,Frを指す)およびアルカリ土類元素(ア
    ルカリ土類元素とはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,R
    aを指す)を除去することで、溶融塩へのこれらの元素
    の溶解を防止し、溶融塩の寿命を延長することを特徴と
    する使用済み原子燃料の再処理方法。
  2. 【請求項2】使用済み原子燃料を溶融塩に溶解させなが
    ら、または溶解させた後、ウランとプルトニウムを回収
    する使用済み原子燃料の再処理方法において、使用済み
    原子燃料を溶融塩に溶解させる前に、使用済み原子燃料
    からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除去するこ
    とで、溶融塩へのこれらの元素の溶解を防止し、溶融塩
    の寿命を延長する使用済み原子燃料の再処理方法におい
    て、使用済み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ
    土類元素を除去する方法として、使用済み原子燃料を水
    溶液に溶解した後、蒸発濃縮し、ウランおよびプルトニ
    ウムを析出させ、アルカリ元素およびアルカリ土類元素
    を水溶液に残すことを特徴とする、使用済み原子燃料か
    らのアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除去するこ
    とを特徴とする請求項1の使用済み原子燃料の再処理方
    法。
  3. 【請求項3】塩素ガスにより使用済み燃料を溶解させる
    か、陽極溶解で使用済み燃料を溶融塩中に溶解させ、陰
    極にウラン酸化物または窒化物を析出させて回収し、U
    の回収後、溶融塩に酸素と塩素の混合ガスを吹き込み、
    電解または沈殿法により残ったウラン,プルトニウムお
    よびネプツニウムを回収する使用済み燃料の再処理方法
    において、使用済み原子燃料を溶融塩に陽極で溶解させ
    る前に、使用済み原子燃料からアルカリ元素およびアル
    カリ土類元素を除去することで、溶融塩へのこれらの元
    素の溶解を防止し、溶融塩の寿命を延長することを特徴
    とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  4. 【請求項4】請求項3の再処理方法において、使用済み
    原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除
    去する方法として、使用済み原子燃料を水溶液に溶解し
    た後、蒸発濃縮し、ウランおよびプルトニウムを析出さ
    せ、アルカリ元素およびアルカリ土類元素を水溶液に残
    すことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  5. 【請求項5】使用済み原子燃料を溶融塩中に溶解させた
    後、該溶融塩に酸素または酸素を放出する物質を供給
    し、前記使用済み原子燃料に含まれていたウランおよび
    プルトニウムを逐次的に沈殿させ、ウランおよびプルト
    ニウムを別個に、または同時に回収する方法において、
    使用済み原子燃料を溶融塩に溶解させる前に、使用済み
    原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除
    去することで、溶融塩へのこれらの元素の溶解を防止
    し、溶融塩の寿命を延長することを特徴とする使用済み
    原子燃料の再処理方法。
  6. 【請求項6】請求項5の再処理方法において、使用済み
    原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除
    去する方法として、使用済み原子燃料を水溶液に溶解し
    た後、蒸発濃縮し、ウランおよびプルトニウムを析出さ
    せ、アルカリ元素およびアルカリ土類元素を水溶液に残
    すことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  7. 【請求項7】使用済み原子燃料を溶融塩中でリチウム,
    マグネシウム等の還元性金属または電気分解により還元
    し、得られたウラン,プルトニウム,マイナーアクチニ
    ド、及び核分裂生成物の鑑属を溶融塩中で電解精製して
    ウラン,プルトニウムおよびマイナーアクチニドを別個
    にまたは適当な割合で混合して回収する再処理方法にお
    いて、使用済み原子燃料を溶融塩中で還元する前に、使
    用済み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元
    素を除去することで、溶融塩へのこれらの元素の溶解を
    防止し、溶融塩の寿命を延長することを特徴とする使用
    済み原子燃料の再処理方法。
  8. 【請求項8】請求項7の再処理方法において、使用済み
    原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を除
    去する方法として、使用済み原子燃料を水溶液に溶解し
    た後、蒸発濃縮し、ウランおよびプルトニウムを析出さ
    せ、アルカリ元素およびアルカリ土類元素を水溶液に残
    すことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  9. 【請求項9】使用済み原子燃料の溶融塩への溶解を一万
    分の一気圧以上の酸素分圧下で行うことで、ウランを選
    択的に溶解させ、上記溶融塩を電解して陰極でウランを
    選択的に回収する再処理方法、およびこの再処理方法を
    実施後、核分裂生成物と、マイナーアクチニド元素を溶
    解し、プルトニウムを残留させてプルトニウムを回収す
    る再処理方法において、使用済み原子燃料を溶融塩中に
    溶解する前に、使用済み原子燃料からアルカリ元素およ
    びアルカリ土類元素を除去することで、溶融塩へのこれ
    らの元素の溶解を防止し、溶融塩の寿命を延長すること
    を特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  10. 【請求項10】請求項9の再処理方法において、使用済
    み原子燃料からアルカリ元素およびアルカリ土類元素を
    除去する方法として、使用済み原子燃料を水溶液に溶解
    した後、蒸発濃縮し、ウランおよびプルトニウムを析出
    させ、アルカリ元素およびアルカリ土類元素を水溶液に
    残すことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
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