JP5017069B2 - 使用済燃料の再処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済燃料を再処理する使用済燃料の再処理方法に関する。
原子力発電所から発生する使用済核燃料中には、ウラン、超ウラン元素の酸化物の他に、核分裂生成物であるアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類等の酸化物が含まれており、再処理工程を経て燃料として再利用されている。
この使用済核燃料をそのまま高温で処理する乾式再処理法の一つとして溶融塩電解法がある。この溶融塩電解法として、アクチニド酸化物の溶融塩への溶解と電解を同時に行い(同時電解法と言われている。)、貴金属元素、希土類元素等の不純物の混入を低減する除染能力及び処理速度を高めた再処理方法及び装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、ウランやプルトニウムを酸化物として回収でき、従来方法と比較して処理速度を高めることができる。
しかし、乾式再処理において、この再処理に適し、燃料を被覆する燃料被覆管を排除する脱被覆手法が未だ確立されていない。この従来の脱被覆手法について、図3を用いて説明する。
図3は、従来の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図である。
本図に示すように、被覆管1aを伴う使用済燃料である使用済酸化物燃料1が再処理施設に搬入される。この搬入された使用済酸化物燃料1は長さが約4mにも及ぶので、剪断工程2において剪断される。従って、この剪断されたものには、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとを含むことになる。この剪断された使用済酸化物燃料1は、熱脱被覆工程23に移送され、酸素28が注入されて熱脱被覆される。
上述のように、剪断工程2に後続する熱脱被覆工程23において、使用済酸化物燃料1は処理されることになる。しかし、この使用済酸化物燃料1及び被覆管1aの両者は固体であるために固体同士の分離は難しく、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの分離が困難であった。また、熱脱被覆工程23から、水素29が注入される水素還元工程24を経由してペレット化(焼結)25までの工程において使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの分離に伴う微粉末を取り扱うことになるために、この微粉末が回収されたウランやプルトニウムに混入するというハンドリング上の難点を伴っていた。
上述のように、これまでの脱被覆技術は、熱脱被覆法を代表とするように、溶解プロセスを伴わない脱被覆のみによる技術である。このために、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの完全分離が難しく、再処理に影響を及ぼす可能性があった。
また、六ヶ所再処理で用いられている硝酸による、脱被覆・溶解一体化処理を、乾式再処理への適用が望まれている。現在、この処理に用いられる候補塩としてNaMoOを始めとするMo酸溶融塩が挙げられており研究開発が鋭意進められている。この処理は、Mo酸溶融塩を用いることにより、被覆管1aを溶かさずに、使用済酸化物燃料1中の大半を占めるウランの酸化物を溶解するものである。この脱被覆・溶解一体化処理は、乾式再処理においても適用可能であり注目されている。
特開平9−90089号公報
上述した従来の乾式再処理において、この再処理に適し、使用済酸化物燃料1を被覆する被覆管1aを排除する脱被覆手法が未だ確立されていない。
従来の脱被覆手法においては、剪断工程2の後に熱脱被覆工程23を介して処理されるが、使用済酸化物燃料1及び被覆管1aの両者は固体であるため固体同士の分離は難しく、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの分離性に課題があった。また、熱脱被覆工程23からペレット化25までの工程においては、使用済酸化物燃料1及び被覆管1aとの分離に伴う微粉末を取り扱うために、この微粉末が回収されたウランやプルトニウムに混入するというハンドリング上の課題があった。
このために、六ヶ所再処理で用いられている硝酸による脱被覆・溶解一体化処理を、乾式再処理への適用が望まれている。現在、この処理に用いられる候補塩としてNaMoOを始めとするMo酸溶融塩が挙げられている。
しかし、このMo酸溶融塩による脱被覆・溶解一体化処理は、ウランの溶解性に優れているが、この溶融塩からのウラン回収の効率が低いという課題があった。すなわち、乾式再処理において、脱被覆・溶解一体化処理工程の後段のウラン及びプルトニウム回収工程が重要であり、これに適した効率の良いウラン及びプルトニウムの回収方法の確立が急務であり、この乾式再処理全体のプロセス効率の向上を必要としている点に課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、使用済酸化物燃料の溶融塩電解による再処理において脱被覆・溶解一体化処理及び効率の良いウラン回収を実現できる使用済燃料の再処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、使用済燃料から核物質及び核分裂生成物を回収し、この回収した核物質を再使用するための使用済燃料の再処理方法において、前記使用済燃料を含み被覆管を伴った燃料棒を剪断する剪断工程と、この剪断工程において剪断した燃料棒を酸化物系溶融塩に浸漬して前記被覆管を除き前記使用済燃料をこの酸化物系溶融塩に溶解させる脱被覆・溶解一体化処理工程と、この脱被覆・溶解一体化処理工程において前記使用済燃料が溶解した酸化物系溶融塩に固体陰極を浸漬して電解し前記使用済燃料に含まれるウラン及び超ウラン元素をこの固体陰極の表面で析出回収する電解還元工程と、この電解還元工程において回収された前記ウラン及び超ウラン元素を収容した陽極を固体陰極と共に塩化物系溶融塩に浸漬し電解して前記ウランをこの固体陰極の表面で精製回収し、前記精製されたウランの残部と共に前記超ウラン元素を前記塩化物系溶融塩からなる陰極化した液体で精製回収する電解精製工程と、を有することを特徴とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、使用済燃料から核物質及び核分裂生成物を回収し、この回収した核物質を再使用するための使用済燃料の再処理方法において、前記使用済燃料を含み被覆管を伴った燃料棒を剪断する剪断工程と、この剪断工程において剪断した燃料棒を酸化物系溶融塩に浸漬して前記被覆管を除き前記使用済燃料をこの酸化物系溶融塩に溶解させる脱被覆・溶解一体化処理工程と、この脱被覆・溶解一体化処理工程において前記使用済燃料が溶解した酸化物系溶融塩を電解によってウラン及び超ウラン元素を酸化物として回収する酸化物電解回収工程と、この酸化物電解回収工程において回収した酸化物を第1の塩化物系溶融塩に浸漬し電解還元してウラン及び超ウラン元素を回収する電解還元工程と、この電解還元工程において回収された前記ウラン及び超ウラン元素を収容した陽極を固体陰極と共に第2の塩化物系溶融塩に浸漬し電解して前記ウランをこの固体陰極の表面で精製回収し、前記精製されたウランの残部と共に前記超ウラン元素を前記第2の塩化物系溶融塩からなる陰極化した液体で精製回収する電解精製工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明の使用済燃料の再処理方法によれば、燃料に含まれるウラン及び超ウラン元素を析出回収する電解還元工程及び回収した金属のウラン及び超ウラン元素を塩化物系溶融塩に浸漬し電解して、ウランを固体陰極の表面で精製回収し、この精製されたウランの残部と共に超ウラン元素を塩化物系溶融塩からなる陰極化した液体で精製回収する電解精製工程を経由して、使用済酸化物燃料及び被覆管の脱被覆・溶解一体化処理及び効率の良いウラン及び超ウラン元素の回収を実現することが可能となる。
以下、本発明に係る使用済燃料の再処理方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図である。まず、使用済燃料の再処理の手順について説明する。
図1に示すように、使用済燃料である使用済酸化物燃料1を含み被覆管1aを伴った燃料棒は、再処理施設に搬入される。この再処理施設の剪断工程2においては、搬入された使用済酸化物燃料1は長さが約4mにも及ぶので、細かく剪断される。従って、この剪断されたものには、使用済酸化物燃料1及びジルコニウム合金等から作製された被覆管1aが混在することになる。
この剪断工程2において剪断された使用済酸化物燃料1は、脱被覆・溶解一体化処理工程3に移送される。この脱被覆・溶解一体化処理工程3において、剪断した使用済酸化物燃料1及び被覆管1aは、酸化物系溶融塩6に浸漬され、被覆管1aを除き使用済酸化物燃料1がこの酸化物系溶融塩6に溶解される。
すなわち、脱被覆・溶解一体化処理工程3においては、モリブデン(Mo)酸溶融塩が代表される酸化物系溶融塩6を用いることにより、脱被覆工程と溶解工程とを一体化処理することができる。この酸化物系溶融塩6とは、被覆管1a等の金属を溶かさずに、ウラン(U)9及びTRU10等のアクチニドの酸化物を溶かす性質を持つものである。このTRUとは、プルトニウム等の超ウラン元素(Transuranic Elements)をいう。
この酸化物系溶融塩6として、Mo酸溶融塩が代表され、YO塩、XYO塩、X塩、XYO及びXの混合塩、XYO及びYOの混合塩並びにYO及びXの混合塩(X=アルカリ金属又はアルカリ土類金属、Y=モリブデン(Mo)又はタングステン(W))から選択された少なくとも1種が用いられる。
この脱被覆・溶解一体化処理工程3において使用済酸化物燃料1が溶解した酸化物系溶融塩6は、電解還元工程4に移送される。溶解しない被覆管1a及び核分裂生成物(FP:Fission Products)7は、ここで除去される。
この電解還元工程4において、使用済酸化物燃料1が溶解した酸化物系溶融塩6に固体陰極を浸漬し電解される。この電解処理を介して、使用済酸化物燃料1に含まれるウラン9及びTRU10は、金属析出物である金属塊状のウラン9及びTRU10として固体陰極の表面で回収することができる。
この電解還元工程4において回収されたウラン9及びTRU10は、電解精製工程5に移送される。この電解精製工程5において、回収されたウラン9及びTRU10は、図示しない陽極バスケットに投入または収容される。このウラン9及びTRU10を投入または収容した陽極バスケットを図示しない固体陰極と共に塩化物系溶融塩8に浸漬し電解精製される。この電解精製工程5を介して、ウラン9の一部は固体陰極の表面において析出することによりに精製されて回収される。塩化物系溶融塩8からなる陰極化した液体において精製されたウラン9の残部と共に、TRU10はプルトニウム、マイナーアクチニド(Minor Actinide:MA)として回収される。
このように構成された本実施の形態において、脱被覆・溶解一体化処理工程3において酸化物系溶融塩6としてMo酸溶融塩を用いることにより、被覆管1aは固体のままの状態を維持しているのに対して、使用済酸化物燃料1は酸化物系溶融塩6に溶解して液体となるため、容易に被覆管1aと使用済酸化物燃料1とに分離することができる。
本実施の形態によれば、脱被覆・溶解一体化処理工程3において酸化物系溶融塩6としてMo酸溶融塩を用いることにより、ウラン9及びTRU10等の製品が回収されるまでに、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの分離に伴う微粉末を取り扱うことがないために、ウラン9及びTRU10に微粉末が混入する等のハンドリング状の問題が解消される。
なお、酸化物系溶融塩6としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに、725〜800℃の範囲に温度制御して短時間で溶解を実施することができる。
すなわち、酸化物系溶融塩6としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに、ウラン9のモリブデン酸化合物の遷移点である725℃とMoOの沸点である800℃との間に温度制御することにより溶解時間を短縮することができる。
また、酸化物系溶融塩6としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに、この酸化物系溶融塩6を1000〜1400℃の範囲に温度制御してもよい。この温度範囲に制御することにより、酸化物系溶融塩6の中に溶解しているウラン9及びTRU10のモリブデン酸化合物は、ほとんど酸化物として沈殿し、酸化物系溶融塩6の中に何も溶けていない状態になる。かくして、この沈殿物を除去することにより、酸化物系溶融塩6を浄化することができ、酸化物系溶融塩6を再利用することができる。
すなわち、この場合の酸化物系溶融塩6の温度範囲は、1000〜1400℃であることが望ましい。1000℃以上の温度になると酸化物系溶融塩6の中に溶解しているウラン9及びTRU10のモリブデン酸化合物は酸化物として沈殿し始め、1400℃を超えると、ほとんど酸化物として沈殿し酸化物系溶融塩6の中に何も溶けていない状態になるからである。このために、酸化物系溶融塩6は、実用的には1000〜1400℃の範囲に温度制御されることが好ましい。
また、酸化物系溶融塩6としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに、この酸化物系溶融塩6は、鉄燐酸ガラス固化して処分することができる。
この鉄燐酸ガラスはMoとNaを多く含有させることができることを特徴としているために、酸化物系溶融塩6としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに鉄燐酸ガラスによるガラス固化により処分することができる。
また、陽極と陰極との距離を離し陰極側に酸素ガスが触れない対策を講じてもよい。すなわち、陰極上の酸化物の電解還元により、酸化物が酸化物イオンを放出して金属に還元される。放出した酸化物イオンは陽極で反応して酸素ガスを発生させる。このために、陰極の金属が陽極で発生する酸素ガスによる再酸化が生じると効率が低下する。かくして、陽極と陰極との距離を離すことにより、効率の良いウラン及び超ウラン元素の回収を実現することができる。
図2は、本発明の第2の実施の形態の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図である。本図において、図1と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
本図に示すように、脱被覆・溶解一体化処理工程3の後に、電解によってウラン9及びTRU10を混合酸化物(Mixed Oxied:MOX)12として回収する酸化物電解回収工程11が設けられている。
この酸化物電解回収工程11においては、脱被覆・溶解一体化処理工程3において燃料成分が溶解した酸化物系溶融塩6に電極を浸漬して、酸素ガスを注入しながら電解処理される。つまり、酸化物の顆粒状のウラン9及びTRU10はMOX12として陰極の表面で回収することができる。この脱被覆・溶解一体化処理工程3において使用済酸化物燃料1が溶解した酸化物系溶融塩6は、電解還元工程13に移送される。溶解しない被覆管1a及び核分裂生成物(FP)7は、ここで除去される。
この酸化物電解回収工程11において回収されたMOX12は、電解還元工程13に移送される。この電解還元工程13においては、回収されたMOX12は陰極として第1の塩化物系溶融塩14に浸漬される。同時に、この第1の塩化物系溶融塩14に固体陽極が浸漬され電解することにより、MOX12は金属に還元される。
この電解還元工程13において還元されて金属状になったウラン9及びTRU10は、電解精製工程16に移送される。この電解精製工程16においては、金属状になったウラン9及びTRU10は、第1の塩化物系溶融塩14とは別の第2の塩化物系溶融塩15に陽極として浸漬される。同時に、この第2の塩化物系溶融塩15に固体陰極が浸漬され、第2の塩化物系溶融塩15は液体陰極となり電解される。この固体陰極の表面においてウラン9の一部は精製されて回収される。第2の塩化物系溶融塩15からなる陰極化した液体において精製されたウラン9の残部と共に、TRU10はプルトニウム、マイナーアクチニド(MA)として回収される。
このように構成された本実施の形態において、酸化物電解回収工程11においては、Mo酸溶融塩6を用いることによりウラン9及びTRU10をMOX(酸化物)12として回収することができるので、容易に被覆管1aと使用済酸化物燃料1とに分離することができる。
本実施の形態によれば、脱被覆・溶解一体化処理工程3において、ウラン9及びTRU10をMOX(酸化物)12として回収することにより、使用済酸化物燃料1と被覆管1aとの分離に伴う微粉末を取り扱うことがないために、回収したウラン9及びTRU10に微粉末が混入する等のハンドリング状の問題が解消される。
また、酸化物電解回収工程11において、酸化物系溶融塩6に溶解したウラン9を酸素で原子価数6価のウラニルにして電解によりウラン酸化物として回収することも可能である。
また、酸化物電解回収工程11において、酸化物系溶融塩6に溶解したウラン9を酸素で原子価数を6価のウラニルにした後にYO(Y=モリブデン(Mo)又はタングステン(W))を投入することによりウランを原子価数4価のウラニルに戻す。この4価のウラニルを1000〜1400℃の範囲に温度制御することにより、ウラン9を酸化物として沈殿除去させて酸化物系溶融塩6を浄化することも可能である。
すなわち、ウラン9は原子価数が6価で溶解しているときは、6価のウラニルであるUVIYOとして溶解している。ここで、YOを投入することにより、以下の(1)式が示すように反応して、ウラン原子価数が4価のウラニルであるUIV(MoOが生成される。
VIYO + YO → UIV(YO (1)
このような状態になった場合に、モリブデン酸溶融塩のときは、1000〜1400℃の範囲に温度制御することにより、ウランはUOとして沈殿させることができる。かくして、この沈殿物を除去することにより、酸化物系溶融塩6であるモリブデン酸溶融塩を浄化することができ、酸化物系溶融塩6を再利用することができる。
この場合の酸化物系溶融塩6であるモリブデン酸溶融塩の温度範囲は、第1の実施の形態と同様に、1000〜1400℃であることが望ましい。1000℃以上の温度になると酸化物系溶融塩6の中に溶解している4価のウラニルであるUIV(MoOは酸化物として沈殿し始め、1400℃を超えると、ほとんど酸化物として沈殿し酸化物系溶融塩6の中に何も溶けていない状態になるからである。このために、この酸化物系溶融塩6は、実用的には1000〜1400℃の範囲に温度制御されることが好ましい。
また、酸化物電解回収工程11において、電解を持続して電解還元を行い陰極のウラン9及びTRU10の酸化物を金属として回収することも可能である。
すなわち、酸化物系溶融塩6中にウラン9及びTRU10が溶解しているときは、酸化物の形状でウラン9及びTRU10が陰極の表面上に一旦生成される。酸化物系溶融塩6中のウラン9及びTRU10の濃度が低下すると、この陰極の表面上の酸化物の電解還元が始まり、酸化物は酸化物イオンを放出して金属に還元される。放出した酸化物イオンは陽極で反応し酸素ガスを発生する。かくして、電解を持続して電解還元を行い陰極のウラン9及びTRU10の酸化物を金属として回収することにより、効率の良いウラン及び超ウラン元素の回収を実現することができる。
また、陽極と陰極との距離を離し陰極側に酸素ガスが触れない対策を講じてもよい。すなわち、陰極上の酸化物の電解還元により、酸化物が酸化物イオンを放出して金属に還元される。放出した酸化物イオンは陽極で反応し酸素ガスを発生する。このために、陰極の金属が陽極で発生する酸素ガスによる再酸化が生じると効率が低下する。かくして、陽極と陰極との距離を離すことにより、効率の良いウラン及び超ウラン元素の回収を実現することができる。
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、各実施の形態の構成を組み合わせて、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の第1の実施の形態の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図。 本発明の第2の実施の形態の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図。 従来の使用済燃料の再処理方法の手順を示すフロー図。
符号の説明
1…使用済酸化物燃料、1a…被覆管、2…剪断工程、3…脱被覆・溶解一体化処理工程、4…電解還元工程、5…電解精製工程、6…酸化物系溶融塩、7…核分裂生成物(FP)、8…塩化物系溶融塩、9…ウラン、10…超ウラン元素(TRU)、11…酸化物電解回収工程、12…ウラン及びTRUの酸化物(MOX)、13…電解還元工程、14…第1の塩化物系溶融塩、15…第2の塩化物系溶融塩、16…電解精製工程、23…熱脱被覆工程、24…水素還元工程、25…ペレット化(焼結)工程、28…酸素、29…水素。

Claims (9)

  1. 使用済燃料から核物質及び核分裂生成物を回収し、この回収した核物質を再使用するための使用済燃料の再処理方法において、
    前記使用済燃料を含み被覆管を伴った燃料棒を剪断する剪断工程と、
    この剪断工程において剪断した燃料棒を酸化物系溶融塩に浸漬して前記被覆管を除き前記使用済燃料をこの酸化物系溶融塩に溶解させる脱被覆・溶解一体化処理工程と、
    この脱被覆・溶解一体化処理工程において前記使用済燃料が溶解した酸化物系溶融塩に固体陰極を浸漬して電解し前記使用済燃料に含まれるウラン及び超ウラン元素をこの固体陰極の表面で析出回収する電解還元工程と、
    この電解還元工程において回収された前記ウラン及び超ウラン元素を収容した陽極を固体陰極と共に塩化物系溶融塩に浸漬し電解して前記ウランをこの固体陰極の表面で精製回収し、前記精製されたウランの残部と共に前記超ウラン元素を前記塩化物系溶融塩からなる陰極化した液体で精製回収する電解精製工程と、
    を有することを特徴とする使用済燃料の再処理方法。
  2. 使用済燃料から核物質及び核分裂生成物を回収し、この回収した核物質を再使用するための使用済燃料の再処理方法において、
    前記使用済燃料を含み被覆管を伴った燃料棒を剪断する剪断工程と、
    この剪断工程において剪断した燃料棒を酸化物系溶融塩に浸漬して前記被覆管を除き前記使用済燃料をこの酸化物系溶融塩に溶解させる脱被覆・溶解一体化処理工程と、
    この脱被覆・溶解一体化処理工程において前記使用済燃料が溶解した酸化物系溶融塩を電解によってウラン及び超ウラン元素を酸化物として回収する酸化物電解回収工程と、
    この酸化物電解回収工程において回収した酸化物を第1の塩化物系溶融塩に浸漬し電解還元してウラン及び超ウラン元素を回収する電解還元工程と、
    この電解還元工程において回収された前記ウラン及び超ウラン元素を収容した陽極を固体陰極と共に第2の塩化物系溶融塩に浸漬し電解して前記ウランをこの固体陰極の表面で精製回収し、前記精製されたウランの残部と共に前記超ウラン元素を前記第2の塩化物系溶融塩からなる陰極化した液体で精製回収する電解精製工程と、
    を有することを特徴とする使用済燃料の再処理方法。
  3. 前記酸化物系溶融塩として、YO塩、XYO塩、X塩、XYO及びXの混合塩、XYO及びYOの混合塩、並びにYO及びXの混合塩(X=アルカリ金属又はアルカリ土類金属、Y=モリブデン(Mo)又はタングステン(W))から選択された少なくとも1種を用いること、を特徴とする請求項1又は2記載の使用済燃料の再処理方法。
  4. 前記酸化物系溶融塩としてNaMoO塩とNaMo塩との混合塩又はNaMoO塩とMoO塩との混合塩を用いたときに、この酸化物系溶融塩を725〜800℃の範囲に温度制御して溶解が実施されること、を特徴とする請求項1記載の使用済燃料の再処理方法。
  5. 前記酸化物系溶融塩を1000〜1400℃の温度範囲に制御することにより、溶解しているウラン及び超ウラン元素は酸化物として沈殿させこの酸化物系溶融塩は再使用されること、を特徴とする請求項1記載の使用済燃料の再処理方法。
  6. 前記酸化物系溶融塩は、鉄燐酸ガラスによりガラス固化して処分されること、を特徴とする請求項4又は5記載の使用済燃料の再処理方法。
  7. 前記電解還元工程において、前記酸化物系溶融塩に溶解したウランを酸素で原子価数6価のウラニルにして電解によりウラン酸化物を回収すること、を特徴とする請求項2記載の使用済燃料の再処理方法。
  8. 前記電解還元工程において、前記酸化物系溶融塩に溶解したウランを酸素で原子価数6価のウラニルにした後にYO(Y=モリブデン(Mo)又はタングステン(W))を投入することによりこのウランを原子価数4価のウラニルに戻し、1000〜1400℃の範囲に温度制御することによりこのウランを酸化物として沈殿除去させて前記酸化物系溶融塩を浄化すること、を特徴とする請求項2記載の使用済燃料の再処理方法。
  9. 前記酸化物電解回収工程において、電解を持続して電解還元を行い陰極上のウラン及び超ウラン元素の酸化物を金属として回収すること、を特徴とする請求項2記載の使用済燃料の再処理方法。
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