JP2000160031A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000160031A
JP2000160031A JP10341384A JP34138498A JP2000160031A JP 2000160031 A JP2000160031 A JP 2000160031A JP 10341384 A JP10341384 A JP 10341384A JP 34138498 A JP34138498 A JP 34138498A JP 2000160031 A JP2000160031 A JP 2000160031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
resin composition
thermoplastic resin
flame
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10341384A
Other languages
English (en)
Inventor
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
Masami Watanabe
雅美 渡邉
Takashi Takebayashi
貴史 竹林
Kensho Narita
憲昭 成田
Hiroteru Watabe
大輝 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP10341384A priority Critical patent/JP2000160031A/ja
Publication of JP2000160031A publication Critical patent/JP2000160031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】塩素や臭素を含有せず、優れた難燃性と分散性
更には温湿環境下での耐水性を有する成形品が得られる
樹脂組成物と各種成形品。 【解決手段】(1)ポリアミドを1〜70重量%含有す
る熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、ポリリン
酸アンモニウム、下記式1等で表される非ハロゲン系有
機リン酸エステルおよび被覆赤燐から選ばれる1種以上
のリン系難燃剤を3〜100重量部、シアヌル酸メラミ
ンを0.5〜50重量部、硼酸亜鉛を0.5〜50重量
部およびシランカップリング剤を0.1〜5重量部の割
合で含有させて組成物とし、およびさらにフッ素樹脂を
0.001重量部〜10重量部含有させる。 (式中、xは0〜2を表し、R1及びR2は水素原子ま
たは炭素数1〜9のアルキル基を示し、R3,R4及び
R5は水素原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性熱可塑性樹脂
組成物に関する。さらに詳しくは、ポリアミドを特定量
含有する熱可塑性樹脂組成物に、リン系難燃剤、シアヌ
ル酸メラミン、硼酸亜鉛およびシランカップリング剤を
特定量配合した難燃性熱可塑性樹脂組成物および該難燃
性熱可塑性樹脂組成物に、更にフッ素系樹脂を特定量配
合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は家電製品部品、OA機器
部品、自動車部品等をはじめあらゆる分野で幅広く使わ
れている。近年、これらの用途分野での部品の製造に使
用される熱可塑性樹脂の難燃化の要請は高く、種々の検
討がおこなわれてきた。従来、易焼性の樹脂に難燃性を
付与する方法としては、難燃効果の高い臭素系化合物も
しくは塩素系化合物と三酸化アンチモン等の酸化アンチ
モンとを組合せた難燃剤を樹脂に配合する方法が採られ
てきた。これらの臭素系もしくは塩素系難燃剤は優れた
難燃性が得られるものの、成形加工や樹脂組成物を廃棄
焼却したときに該難燃剤が熱分解を起こし、人体に有毒
な臭化水素ガスや塩化水素ガスを発生する。また、近年
ではダイオキシン類の発生も懸念されている。このこと
から臭素系化合物もしくは塩素系化合物を使用しない難
燃性の樹脂組成物が強く求められるようになった。
【0003】これらの問題を解決する為に今までに様々
な技術が提案されてきた。特に、ポリリン酸アンモニウ
ムを難燃剤として熱可塑性樹脂に添加して難燃化する方
法としては、特公昭60−35947号公報、特開昭5
3−108140号公報、特開平1−203468号公
報、特開平5−247342号公報、特開平7−621
43号公報に、熱可塑性樹脂もしくはゴム変性スチレン
系樹脂にポリリン酸アンモニウムとポリアミドを配合し
てなる難燃性樹脂組成物が提案されている。しかしなが
ら、かかる難燃性樹脂組成物は、種々の成形品用途に適
用した場合に、成形品の薄肉の部分では燃焼してしまっ
たり、シートやフィルムに加工した場合に難燃剤の分散
性不良に起因して外観が著しく損なわれるといった問題
を抱えていた。更に、前記公知技術に開示の難燃性樹脂
組成物は、ポリアミドの吸水性とポリリン酸アンモニウ
ムの水溶性の大きさが原因で、成形品にしたときに得ら
れる成形品の電気抵抗が低下し、電化製品用部材やOA
機器用部材へは使用できないといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような問題点がなく、成形品にしたときに、優れた難燃
性、分散性および電気特性を有する成形品が得られる難
燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するべく鋭意検討を重ね
た。その結果、ポリアミドを特定量含有する熱可塑性樹
脂組成物に、リン系難燃剤、シアヌル酸メラミン、硼酸
亜鉛およびシランカップリング剤、場合により更にフッ
素系樹脂を特定量配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成
物が、優れた難燃性、分散性、更には温湿環境下におい
ても長期にわたり電気抵抗値を維持する成形品を与える
ことを見いだし、この知見に基づき本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は優れた難
燃性、分散性および電気特性を有した成形品の得られる
難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の1)〜
5)で構成される。 1)ポリアミドを1〜70重量%含有する熱可塑性樹脂
組成物100重量部に対して、ポリリン酸アンモニウ
ム、下記化3もしくは化4で表される非ハロゲン系有機
リン酸エステルおよび被覆赤燐から選ばれる1種以上の
リン系難燃剤を3〜100重量部、シアヌル酸メラミン
を0.5〜50重量部、硼酸亜鉛を0.5〜50重量部
およびシランカップリング剤を0.1〜5重量部の割合
で含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物。
【化3】 (式中、xは0,1または2を表し、R1及びR2は水
素原子または炭素数1〜9のアルキル基を示し、同一又
は異なっても良い。R3,R4及びR5は水素原子又は
炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、同一もしくは異
なっても良い)。
【化4】 (式中R6,R7,R8,R9はそれぞれが独立して水
素原子または有機基を表すが、R6=R7=R8=R9
=Hの場合を除く。X’は2価以上の有機基を表し、p
は0または1であり、q,rは共に1以上の整数を示
す)。 2)請求項1記載の難燃性樹脂組成物に、さらにフッ素
系樹脂を、ポリアミドを1〜70重量%含有する熱可塑
性樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜10
重量部の割合で含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物。 3)ポリアミドを1〜70重量%含有する熱可塑性樹脂
が、ポリアミドと、オレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン
樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂およびポリフェニレンエ
ーテル系樹脂から選ばれる1種以上とのブレンド樹脂も
しくはポリマーアロイである前記第1項もしくは第2項
のいずれか1項記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。 4)硼酸亜鉛が熱分解温度200℃以上、550℃以下
の硼酸亜鉛である前記第1項〜第3項のいずれか1項記
載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。 5)前記第1項〜第4項のいずれか1項記載の難燃性熱
可塑性樹脂組成物を成形加工して得られる成形品。
【0006】
【発明実施の形態】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
を構成する熱可塑性樹脂組成物は、該熱可塑性樹脂組成
物基準でポリアミドを1〜70重量%、好ましくは2〜
60重量%含有する熱可塑性樹脂組成物であり、残り
は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン樹脂、熱可塑性
ウレタン系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂か
ら選ばれる1種以上から構成される熱可塑性樹脂組成物
である。該ポリアミドの配合量が1重量%未満の場合に
は、難燃性を維持するためには多量の難燃剤の添加が必
要となり、70重量%を超えて添加しても更なる難燃性
の向上は望めない。該ポリアミドと他の熱可塑性樹脂
は、単に混合あるいは溶融混練して得られるブレンド物
であっても、公知の技術で相溶化させて得られるポリマ
ーアロイであっても本発明に使用できる。
【0007】該ポリアミドとしては、ポリマー鎖にアミ
ド基を持つポリマーである。該ポリアミドは、脂肪酸ポ
リアミドおよび芳香族ポリアミドという分類と、結晶性
ポリアミドおよび非結晶性(アモルファス)ポリアミド
という分類ができるが、いずれも本発明に使用できる。
具体的には次のものが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0008】脂肪族ポリアミドとは、1種以上の飽和脂
肪族ジカルボン酸と1種以上の脂肪族ジアミンとの結合
により、もしくはラクタムの開環重合により製造される
ポリアミドであり、例えばナイロン−6、ナイロン−6
6、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−1
2、ナイロン−6/66等を挙げることができる。これ
らは2種以上組み合わせても良い。
【0009】芳香族ポリアミドとは芳香族成分を含有す
るポリアミド樹脂であり、かかる芳香族成分を含有する
ポリアミドは、1種以上の芳香族アミノ酸または芳香族
ジアミン及び/または1種以上の芳香族ジカルボン酸を
構成成分とするポリアミド樹脂であり、例えばパラアミ
ノメチル安息香酸とε−カプロラクタムとの共重合ポリ
アミド(ナイロンAHBA/6)やテレフタル酸とトリ
メチルヘキサメチレンジアミンとの共重合ポリアミド
(ナイロンTHDT)等であり、市販品としてはトロガ
ミド(商標、ヒュルス社製)を挙げることができる。
【0010】更に芳香族ポリアミドの原料である芳香族
モノマーの芳香環の一部もしくは全部に対して水添を施
した芳香族核水添ポリアミドも使用できる。本発明に用
いるポリアミドとしては、好ましくはナイロン−および
ナイロン−66であり、さらに好ましくはナイロン−6
である。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポ
リアミド以外の熱可塑性樹脂の1つであるオレフィン系
樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸エチル共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、メチルペンテン樹脂、ノルボルネ
ン樹脂、オレフィン系ゴム、オレフィン系エラストマー
およびそれらの組成物が挙げることができる。
【0012】ポリプロピレンとしては、結晶性プロピレ
ン単独重合体、プロピレンを主成分としてプロピレン
と、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、デセン−1の群から選ばれた1以上のα−オレフ
ィンとの結晶性共重合体もしくはこれらの2種以上の混
合物を挙げることができる。特に、プロピレン単独重合
体、エチレン−プロピレン共重合体が望ましい。さら
に、該ポリプロピレンを酸無水物、好適には無水マレイ
ン酸で変性したものを併用することは、本発明にかかわ
る熱可塑性樹脂組成物の構成成分であるオレフィン系樹
脂とポリアミドとの相溶性を向上させるために好適であ
る。
【0013】ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレ
ン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低
密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)を挙げることができるが、好ましくは
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を挙げるこ
とができる。
【0014】オレフィン系合成ゴムもしくはオレフィン
系エラストマーの例としては、エチレン−プロピレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−1
−ブテンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等の合成ゴム
を、エチレン−ノルボルネンエラストマーなどのオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを挙げることできる。特
に、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴムを使用すると、燃焼時の耐ドリップ性(燃
焼時に、溶融した樹脂が滴下するのを抑える性質)およ
び耐ブリード性の観点から好ましい。さらに、該オレフ
ィン系ゴムもしくはオレフィン系熱可塑性エラストマー
を酸無水物、好適には無水マレイン酸で変性したものを
併用することは、本発明にかかわる熱可塑性樹脂組成物
の構成成分であるポリオレフィン系樹脂とポリアミドと
の相溶性を向上させる上で好適である。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポ
リアミド以外の熱可塑性樹脂の1つであるスチレン系樹
脂としては、芳香族ビニル単量体を含有する熱可塑性重
合体であり、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、高耐衝撃性
ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニト
リル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレン・プロピレンゴム−
スチレン共重合体(AES樹脂)、メチルメタクリレー
ト−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メ
チルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)、
メチルメタクリレート−アクリロニトリル−スチレン共
重合体(MAS樹脂)、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(SBS樹脂)、該SBS樹脂の水添物、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS樹
脂)、該SIS樹脂の水添物、スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体(SEBS樹脂)、該SEB
S樹脂の水添物、ポリパラメチルスチレン及びこれらの
酸無水物変性体等が挙げられる。
【0016】好ましいスチレン系樹脂としては、PS、
HIPS、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂ならびに
AES樹脂である。該HIPSは、PSよりなるマトリ
ックス中に、ゴム状重合体が粒子状に分散してなる樹脂
であり、通常該PSとゴム状重合体とをブレンドして得
られるが、場合によっては、ゴム状重合体の存在下に芳
香族ビニル単量体、例えばスチレンモノマー、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、およ
びp−ターシャリーブチルスチレンなどのアルキル置換
スチレンから選ばれる1種を単独で重合して、もしくは
これらの2種以上を共重合して得られる樹脂である。
【0017】更には、ゴム状重合体の存在下に、該芳香
族ビニル単量体の1種以上と他のビニル単量体、例え
ば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、イソ−ブチルアクリレート、メチルメタクリレー
トなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、メタクリ
ル酸、アクリル酸などのα,β不飽和カルボン酸、無水
マレイン酸に代表されるα,β−不飽和ジカルボン酸無
水物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロ
ニトリルなどの不飽和ニトリル単量体、およびN−フェ
ニルマレイミドに代表されるマレイミド系単量体とを共
重合して得られる樹脂でもある。
【0018】該ゴム状重合体の例としては、ポリブタジ
エン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロ
ニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び該ジエン
系ゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴ
ム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重
合体(EPDM)等を挙げることができる。
【0019】本発明にかかわるスチレン系樹脂において
は、酸もしくは酸無水物で変性されたスチレン系エラス
トマーを使用することもできる。酸や酸無水物で変性さ
れたスチレン系エラストマーは、公知の方法、例えば酸
や酸無水物を該スチレン系エラストマーにグラフト重合
させて得ることができる。例えば、グラフト重合の場合
はまず、スチレン系エラストマーと酸もしくは酸無水
物、及び必要に応じて通常使用される過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウリル、ペルオキシ安息香酸及びペルオキ
シ酢酸等のラジカル重合触媒を、二軸混練機などに投入
し、150〜350℃程度で溶融しながら混練する。こ
の際、酸もしくは酸無水物の添加量は特に限定されない
が、本発明の効果を充分引き出すためには、スチレン系
エラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜7重量部の割合で配合すること
が好ましい。
【0020】使用可能な酸もしくは酸無水物としては、
不飽和カルボン酸もしくはその無水物、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、エンド−ビシクロ−5−ヘプテ
ン−2,3−ジカルボン酸等のジカルボン酸、無水マレ
イン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、エンド−ビシ
クロ−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等が
挙げられ、特に無水マレイン酸が好ましい。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポ
リアミド以外の熱可塑性樹脂の1つであるビニル系樹脂
は、炭素−炭素二重結合を有する単量体を重合して得ら
れる樹脂のうち、上述のオレフィン系樹脂とスチレン系
樹脂を除いた樹脂を指し、具体的には酢酸ビニル樹脂、
ビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、メタクリル樹脂を挙げることができ
る。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポ
リアミド以外の熱可塑性樹脂の1つであるポリエステル
系樹脂としては、半芳香族ポリエステルもしくは全芳香
族ポリエステルであり、具体的にはポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブ
チレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリエチ
レンテレフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート/デカジカルボキシレート、およびポリシクロヘ
キサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなど
が挙げられる。機械的性質、成形性、入手の容易さなど
からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタ
レート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレ
フタレート等が好ましい。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポ
リアミド以外の熱可塑性樹脂の1つである熱可塑性ウレ
タン系樹脂としては、単量体の反応性基が活性水素であ
る化合物(以下、活性水素含有単量体という)とポリイ
ソシアネートとのウレタン化反応により得られる重合体
のうち、可塑性を有する樹脂が使用できる。活性水素含
有単量体としては、例えば低分子量ジオールとしてエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げることが
でき、高分子量ジオールとしては該低分子量ジオールの
アルキレンオキシド付加物、該アルキレンオキシド付加
物の開環重合物が挙げられる。そのほかの高分子量ジオ
ールとしては、脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボ
ン酸と該低分子量ジオールとの縮合ポリエステルジオー
ル、カプロラクトンの開環重合によって得られるポリラ
クトンジオール等が挙げられる。
【0024】ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイ
ソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよび脂肪族ジ
イソシアネートとのいずれでもよく、該芳香族ジイソシ
アネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソ
シアネート等が挙げられる。該脂環式ジイソシアネート
としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソ
シアネート等が挙げられる。該脂肪族ジイソシアネート
としてはヘキサメチレンジイソシアネートを挙げること
ができる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂を構成するポリアミ
ド以外の熱可塑性樹脂の1つであるポリフェニレンエー
テル系樹脂としては、下記化5で示されるフェノール化
合物の1種もしくは2種以上を、酸化カップリング触媒
等を用い、酸素もしくは酸素含有ガスで酸化重合や酸化
共重合させて得られる重合体の単体や複合体であるが、
該重合方法については特に限定されない。
【0026】
【化5】 但し、化5中、R10、R11、R12、R13及びR
14は、それぞれ水素、フッ素、メチル、エチル、n−
もしくはiso−プロピル、pri−、sec−、もし
くはt−ブチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキ
シメチル、カルボキシルエチル、メトキシカルボニルエ
チル、シアノエチル、フェニル、メチルフェニル、ジメ
チルフェニル、エチルフェニル、アリル等の炭化水素基
もしくは置換炭化水素基からなる群から選択されるもの
であり、互いに同一でも、異なっても良い)。
【0027】かかるポリフェニレンエーテルの具体例と
しては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル
−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテルと(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテルとの共重合体、(2,6−ジエチル−1,
4−フェニレン)エーテル、(2,3,6−トリメチル
−1,4−フェニレン)エーテルとの共重合体等が挙げ
られる。
【0028】さらに、一般式化5以外のフェノール化合
物、例えば、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック
フェノル樹脂、及びビスフェノールA、テトラフルオロ
フェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF
等のビスフェノール類のような多価ヒドロキシ芳香族化
合物と、前記一般式化5とを共重合もしくは混合して得
られる変性ポリフェニレンエーテルも使用できる。しか
しこの場合、該多価ヒドロキシ芳香族化合物の使用量
は、ポリフェニレンエーテル系樹脂全量に対して20重
量%以下である。該多価ヒドロキシ芳香族化合物の量が
20重量%より大きい場合、ポリフェニレンエーテル系
樹脂が本来有する硬度、引張強度などの物性を損ねる場
合がある。該フェノール化合物中で、好ましいものとし
ては、2,6−ジメチルフェノール又は2,6−ジフェ
ニルフェノールの単独重合体、及び2,6−キシレノー
ルと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、
2,6−ジメチルフェノールとビスフェノールA(10
%)共重合体である。
【0029】本発明にかかわるポリフェニレンエーテル
は、好適には前記スチレン系樹脂との混合物、ブレンド
物もしくはポリマーアロイの形態を有する樹脂組成物と
して使用することが好ましい。該樹脂組成物中における
ポリフェニレンエーテルの配合割合は、スチレン系樹脂
とポリフェニレンエーテルの合計量を100重量%とし
たときに、1〜99重量%、好ましくは20〜80重量
%である。
【0030】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分の一つであるリン系難燃剤は、ポリリン酸アンモニ
ウム、前記化3もしくは化4で表される非ハロゲン系有
機リン酸エステル、および被覆赤燐から選ばれる1種以
上である。該ポリリン酸アンモニウムは、ポリリン酸ア
ンモニウム、メラミン変成ポリリン酸アンモニウム、カ
ルバミルポリリン酸アンモニウム、および被覆ポリリン
酸アンモニウムを挙げることができ、特に被覆ポリリン
酸アンモニウムは、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
から得られる成形品の温湿環境下における電気特性の低
下を防止するためには好適である。ここで被覆ポリリン
酸アンモニウムとは、ポリリン酸アンモニウムを合成樹
脂で被覆もしくはマイクロカプセル化したものであり、
該被覆ポリリン酸アンモニウムの水溶性は、10重量%
の水懸濁スラリーを1時間攪拌、振盪した時に、水へ溶
出する割合が、25℃において0.5重量%以下、50
℃においても1重量%以下であるものが好ましい。
【0031】被覆もしくはマイクロカプセル化に使用で
きる樹脂としては水が透過しにくく耐水性に優れた被膜
を形成する熱硬化性樹脂が好適であり、例えばアルキド
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂等の熱硬
化性樹脂もしくはそれらの変成タイプであり、アニオン
カチオン等でイオン変成したものや、高縮合タイプ等の
特殊変成したもの、及びその他のもので変成したものの
少なくとも1種以上を選ぶことができる。これらの樹脂
の中で特に樹脂の耐水性、被膜の強度、より緻密な被膜
が可能などの観点から、メラミン樹脂、尿素樹脂、ユリ
ア樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂が好ましく用
いられる。
【0032】さらに、該被覆ポリリン酸アンモニウムの
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐イオン性、及び耐有
機溶剤性を向上させるために、該被覆ポリリン酸アンモ
ニウムを更に熱可塑性樹脂で被覆したポリリン酸アンモ
ニウムを使用することもできる。該熱可塑性樹脂で被覆
したポリリン酸アンモニウムは例えば次のような方法で
得ることができる。
【0033】加熱攪拌もしくは加熱混練機能を備えた反
応容器に、熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセ
ル化されたポリリン酸アンモニウム100重量部に対し
て、重合可能な官能基を1分子内に2〜5個有するモノ
マー、例えばジビニルベンゼンを0.1〜40重量部、
場合により重合可能な官能基を1分子内に1個有するモ
ノマー、例えばスチレンを0.1〜39.9重量部およ
び触媒0.1〜10重量部の割合で装入し、混合する。
この時、溶媒を10〜500重量部の割合で使用しても
良く、該溶媒としては水、有機溶媒、または水と有機溶
剤の混合溶媒などを使用することができる。
【0034】また、該触媒は重合開始剤であり一般的に
は、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ア
セチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド、過酸化−ジ−t−ブチル、過酸化ラウロ
イル、α,α'−アゾジイソ酪酸ジメチル、コハク酸過
酸化物、ジクメン過酸化物、ジクロル過酸化ベンゾイル
等や、無機過酸化物、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、過硼酸ナトリウム等や、アゾ
化合物例えば、α,α'−アゾジイソブチロニトリル、
アゾジシクロヘキシルカルボニトリル、フェニルアゾト
リフェニルメタン等が挙げられ、すべて市販売品を使用
することができる。次に、該反応容器中の混合物を温度
20〜150℃、好ましく50〜100℃に加熱攪拌
し、反応が充分に終了する時間、例えば0.5〜50時
間反応させることより、熱可塑性樹脂で被覆されたポリ
リン酸アンモニウムを得ることができる。
【0035】本発明で好適に使用できる前記被覆ポリリ
ン酸アンモニウムに用いられる芯物質のポリリン酸アン
モニウムは、結晶型がII型であることが好ましい。結晶
型の判別は、通常知られているX線回折装置で粉末X線
回折法により得られた回折ピークが、JCPDSカード
のNo.220062に合致するか否かで容易に可能で
ある。
【0036】該ポリリン酸アンモニウムとしては、市販
品として、スミセーフP(商品名、住友化学工業(株)
製)、スミセーフPM(商品名、住友化学工業(株)
製)、ホスチェックP/30(商品名、モンサント社
製)、ホスチェックP/40(商品名、モンサント社
製)、ノンネンW−3(商品名、丸菱油化工業(株)
製)、テラージュC60(商品名、チッソ(株)製)、
テラージュC70(商品名、チッソ(株)製)、テラー
ジュC80(商品名、チッソ(株)製)、テラージュC
30(商品名、チッソ(株)製)、ホスタフラムAP4
62(商品名、クラリアント社製)等が知られている
が、前記に述べた観点からテラージュC60、テラージ
ュC70、テラージュC80、ホスタフラムAP462
が好適に使用できる。
【0037】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分であるリン系難燃剤の一つである被覆赤燐は以下に
挙げる公知のものを使用することができる。すなわち、
無機物および/または有機物で被覆処理したものであ
り、該無機物で被覆処理したものは、特開昭59−17
0176号公報に開示されているように水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機充填剤を赤燐表面に
被覆処理したものを挙げることができる。該有機物で被
覆処理したものは、特開昭52−125489号公報に
開示されているように、赤燐表面を熱硬化性樹脂で表面
被覆されたものを挙げることができる。また、市販品と
してはノーバレッド120、(商標、燐化学工業(株)
製)、ノーバエクセル140(商標、燐化学工業(株)
製)等を挙げることができる。
【0038】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分であるリン系難燃剤の一つである非ハロゲン系有機
リン酸エステルは、前記化3及び/又は化4で表される
化合物であり、本発明においては該リン酸エステルの1
種以上を任意に選択して用いることができる。
【0039】前記化3における有機基としては、例えば
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基等が挙げられ
る。また、該有機基は、置換されていてもよく、その場
合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、
アリールチオ基等が挙げられ、またこれらの置換基を組
み合わせた基(例えば、アリールアルコキシアルキル基
等)もしくはこれらの置換基を酸素原子、イオウ原子、
窒素原子等により結合して組み合わせた基(例えば、ア
リールホスホニルアリール基等)を置換基として用いて
も良い。また、該有機基としてアルキレン基、フェニレ
ン基、多核フェノール類例えば、ビスフェノール類から
誘導するものが挙げられる。特に好ましい該有機基とし
てはヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノール
F、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、p,
p’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシ
ナフタレン等が挙げられる。
【0040】該非ハロゲン系有機リン酸エステルの例と
しては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフ
ェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェー
ト、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、ト
リス(o−フェニルフェニル)ホスフェート、トリス
(p−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチル
ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニウホ
スフェート、o−フェニルフェニルジクレジルホスフェ
ート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェー
ト、ビス(2,6−ジメチルフェニル)フェニルホスフ
ェート、ビス(2,6−ジメチルフェニル)4−ターシ
ャリーブチルフェニルホスフェート、ビス(2,6−ジ
メチルフェニル)4−メチルフェニルホスフェート、ビ
ス(2,6−ジメチルフェニル)3−メチルフェニルホ
スフェート、ビス(2,6−ジメチルフェニル)4−イ
ソプロピルフェニルホスフェート、ビス(2,6−ジメ
チルフェニル)2−イソプロピルフェニルホスフェート
及びこれらの縮合物が挙げられる。これらは市販品とし
て市販されているものを使用すればよい。
【0041】リン系難燃剤の添加量は、ポリアミドを1
〜70重量%含有する熱可塑性樹脂組成物100重量部
に対して、3〜100重量部、好ましくは10〜50重
量部の割合である。該リン系難燃剤組成物の含有量が3
重量部を下回る場合は難燃性が不十分となり、100重
量部を越えても更なる難燃性の向上効果は期待できな
い。
【0042】本発明におけるリン系難燃剤は、ポリリン
酸アンモニウム、非ハロゲン系有機リン酸エステルおよ
び被覆赤燐から選ばれた1種以上からなるが、ポリリン
酸アンモニウムを該難燃剤の主成分として含有すること
が好ましい。
【0043】該リン系難燃剤が、ポリリン酸アンモニウ
ム、非ハロゲン系有機リン酸エステルおよび被覆赤燐の
3種の化合物なかから選ばれた2種の化合物よりなる場
合には、ポリリン酸アンモニウムと非ハロゲン系有機リ
ン酸エステル、ポリリン酸アンモニウムと被覆赤燐およ
び非ハロゲン系有機リン酸エステルと被覆赤燐のそれぞ
れの重量比が1/0.05〜1/20の範囲であるのが
好ましい。
【0044】該リン系難燃剤が上記の3種の化合物のす
べてよりなる場合にはポリリン酸アンモニウム/被覆赤
燐の重量比が1/0.05〜1/20であり、(ポリリ
ン酸アンモニウム)+(被覆赤燐))/(非ハロゲン系
有機リン酸エステル)の重量比が1/0.05〜1/2
0の範囲であるのが好ましい。この範囲であれば良好な
難燃効果が得られると共に外観が良好な成形品が得られ
る組成物となる。
【0045】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分の一つであるシアヌル酸メラミンは、同時に配合さ
れるリン系難燃剤の難燃助剤として難燃性を向上させる
のに効果がある。該シアヌル酸メラミンはシアヌル酸も
しくはイソシアヌル酸とメラミンとの付加物であり、通
常はモル比1:1、場合によってはモル比1:2の組成
を有する塩である。
【0046】該シアヌル酸メラミンは、メラミンとシア
ヌル酸もしくはイソシアヌル酸とを水中でスラリー化
し、よく混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、
このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単
なるメラミンとシアヌル酸との混合物とは異なる。この
塩は完全に純粋である必要はなく、多少未反応のメラミ
ンやシアヌル酸やイソシアヌル酸が残存していても良
い。このシアヌル酸メラミンは出来る限り微細な粉末を
用いるが、好ましくは平均粒子径が50μm以下のもの
がよい。また、熱可塑性樹脂組成物に配合したときにそ
の分散性を向上させる目的で非イオン性界面活性剤や粉
末状シリカ(コロイダルシリカ)で表面処理されたものが
好ましく、特に粉末状シリカで表面処理されたシアヌル
酸メラミンが好ましい。
【0047】該シアヌル酸メラミンは、前記方法で得ら
れたものを使用できるほか、市販品として、例えばMC
−400(商品名、日産化学(株)製)、MC−410
(商品名、日産化学(株)製)、MC−440(商品
名、日産化学(株)製)、MC−600(商品名、日産
化学(株)製)、MC−610(商品名、日産化学
(株)製)、MC−640(商品名、日産化学(株)
製)、MCA−C0(商品名、三菱化学(株)製)、M
CA−C1(商品名、三菱化学(株)製)等が使用でき
る。
【0048】該シアヌル酸メラミンの添加量は、ポリア
ミドを1〜70重量%含有する熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して、0.5〜50重量部、好ましくは1
〜20重量部の割合である。該シアヌル酸メラミンの添
加量が0.5重量部を下回る場合は難燃性が不十分とな
り、50重量部を越えても更なる難燃性の向上効果は期
待できない。
【0049】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分の一つである硼酸亜鉛は、従来塩素系や臭素系難燃
剤の相乗効果剤として使われているものであるが、本発
明の難燃性熱可塑性樹脂組成物においても、リン系難燃
剤の相乗効果剤として難燃性を向上させるのに効果があ
る。化学的には酸化亜鉛と硼酸の複塩であり、様々な脱
水温度をもつものが市販されている。該硼酸亜鉛の脱水
温度は200℃以上のものが好ましく、更に好ましくは
250℃以上、550℃以下である。
【0050】該硼酸亜鉛の市販品としては脱水温度が2
90℃であるファイアーブレイク290(化学式:2Z
nO・3B23・3.5H2O、商品名、ボラックスジ
ャパン社製)、脱水温度が415℃であるファイアーブ
レイク415(化学式:4ZnO・B23・H2O、商
品名、ボラックスジャパン社製)、脱水温度が500℃
であるファイアーブレイク500(化学式:2ZnO・
3B23、商品名、ボラックスジャパン社製)等を挙げ
ることができる。
【0051】硼酸亜鉛の添加量は、ポリアミドを1〜7
0重量%含有する熱可塑性樹脂組成物100重量部に対
して、0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜20重
量部の割合である。該硼酸亜鉛の添加量が0.5重量部
を下回る場合は難燃性が不十分となり、50重量部を越
えても更なる難燃性の向上効果は期待できない。
【0052】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の構成
成分の一つであるシランカップリング剤は、本発明の熱
可塑性樹脂組成物へ配合される粉末状添加物の分散性を
向上させるのに効果があり、一般式XqSiY4-qで表さ
る(但しqは1ないし2であり、Xは加水分解性基例え
ば、CH3O−、C25O−、CH3OCH2CH2O−、
Cl−であり、Yは炭素数1〜20のアルキル基、ビニ
ル基、炭素数3〜6のアミノアルキル基、炭素数5〜9
のグリシドキシアルキル基、炭素数5〜10のメタクリ
ロキシアルキル基、ビニルベンジル基含有基、炭素数2
〜6のクロロアルキル基、エポキシシクロヘキシルエチ
ル基、及びそれらの基の組み合わせなどである)。
【0053】該シランカップリング剤としては、S21
0(ビニルトリメトキシシラン、商品名、チッソ(株)
製)、S220(ビニルトリエトキシシラン、商品名、
チッソ(株)製)、S330(3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、商品名、チッソ(株)製)、S510
(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品
名、チッソ(株)製)、S710(3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、商品名、チッソ(株)
製)などを挙げることができる。リン系難燃剤の樹脂組
成物中での分散性の向上にはS210、S510を使用
することが特に好ましい。
【0054】該シランカップリング剤の添加量は、ポリ
アミドを1〜70重量%含有する熱可塑性樹脂組成物1
00重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは
0.2〜3重量部の割合である。該シランカップリング
剤の添加量が0.1重量部を下回る場合は分散性が不十
分となり、5重量部を越えても更なる分散性の向上効果
は期待できない。
【0055】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物に配合
されるフッ素系樹脂は、樹脂中にフッ素原子を含有する
樹脂である。該フッ素系樹脂は難燃性樹脂組成物が燃焼
したときに樹脂が溶融し、滴下するいわゆるドリッピン
グを抑えるために添加されることが既に公知であるが、
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物に配合された場合に
は、燃焼時のドリッピング抑制効果のみならず、難燃性
熱可塑性樹脂組成物の耐水性を向上させる効果がある。
【0056】即ち、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
から得られた成形品を、温湿環境下に長期間曝露させた
場合でも材料の電気特性が低下しないという特徴を備え
ている。該フッ素系樹脂の具体例としては、ポリモノフ
ルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフ
ルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合
体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体等を挙げることができる。これらは1種のみ
で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良
い。該フッ素樹脂の形態はエマルジョン状、ミクロフィ
ブリル状、若しくは粉末状等如何なるものであっても良
い。好ましくはポリテトラフルオロエチレンを用いるこ
とができる。
【0057】該フッ素系樹脂は、市販品を使用すること
ができ、該市販品としてはアフロンPFA、(商標、旭
硝子(株)製)、フルオンPTFE(商標、旭硝子
(株)製)、ポリフロンTFE(商標、ダイキン工業
(株)製)ネフロンCTFE(商標、ダイキン工業
(株)製)、ホスタフロンTF(商標、ヘキスト社
製)、テフロンTFE(商標、三井ジュポンフロロケミ
カル(株)製)、アルゴフロンPTFE(商標、モンテ
カチーニ(株)製)等を挙げることができる。
【0058】該フッ素系樹脂の添加量はポリアミドを1
〜70重量%含有する熱可塑性樹脂組成物100重量部
に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.0
1〜3重量部の割合である。該フッ素系樹脂の添加量が
0.001重量部未満では十分なドリップ抑制効果や耐
水性効果が得られず、10重量部を越えると、該組成物
を成形したときの得られる成形品に外観不良が生じるこ
とがある。
【0059】本発明においては、ポリアミドとポリアミ
ド以外の熱可塑性樹脂の相溶性を向上させる目的で相溶
化剤を添加するのが好ましい。該相溶化剤としては無水
マレイン酸単位、グルタル酸無水物単位、カルボン酸単
位、カルボン酸アミド単位をもつ反応型相溶化剤、例え
ばポリプロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、無水マレイン酸グラフトポ
リプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリスチレン等
を挙げることができる。
【0060】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物におい
ては、成形品としたときの得られる成形品の物性改善を
目的としてゴム成分を添加することができる。該ゴム成
分は、オレフィン系、スチレン系などの合成ゴムをベー
ス樹脂との相溶性を考慮して選択する。該ゴム成分とし
ては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム、エチレン−1−ブテンゴム、エチレン
−酢酸ビニルゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマ−
などのオレフィン系ゴム、ポリブタジエン、ポリ(スチ
レン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジ
エン)等のジエン系ゴム及び前記ジエンゴムを水素添加
した飽和ゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレン
−スチレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブ
チル等のアクリル系ゴムを挙げることができる。これら
の合成ゴムは、マレイン酸などで変性されているものも
使用できる。
【0061】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物におい
ては、難燃性の更なる向上を目的として必要に応じて本
発明にかかわる構成成分以外の難燃性付与剤、例えばメ
ラミンやメラミン縮合物、2−ピペラジニレン−4−モ
ルホリノ−1,3,5トリアジン等の1,3,5−トリ
アジン骨格を有する化合物、水酸化アルミニウムや水酸
化マグネシウム等の金属水和物、酸化マグネシウム、酸
化マグネシウム等の金属酸化物、硫酸アンモニウム、硫
酸グアニジン等の硫酸塩、熱膨張性黒鉛等の膨張性物質
などの公知の難燃性付与剤を加えることができる。
【0062】また、本発明においては、機械的強度向上
を目的として、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物に補
強剤を加えることができる。補強剤としてはタルクやワ
ラストナイト等の粉末状物質、マイカ等のフレーク状物
質、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状物質を挙げること
ができる。
【0063】また、本発明の難燃性熱可塑性組成物に
は、熱可塑性樹脂に通常添加される各種安定剤として、
ヒンダードフェノール等の酸化防止剤、銅害防止剤、紫
外線吸収剤、錫系熱安定剤、ステアリンやステアリン酸
亜鉛等の滑剤、充填剤、染料や顔料等の着色剤等を添加
することができる。
【0064】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は例え
ば次のような方法によって製造することができる。即
ち、ポリアミド、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂、ポリ
リン酸アンモニウム、非ハロゲン系有機リン酸エステ
ル、被覆赤燐、シアヌル酸メラミン、硼酸亜鉛、および
シランカップリング剤、場合によりフッ素系樹脂の特定
量を各種の攪拌混合装置、例えばヘンシェルミキサーま
たはスーパーミキサー等に装入し、次いで、1〜5分高
速攪拌混合することにより得られる。更には得られた混
合物をロール混練機またはスクリュー押出機等、必要に
応じてベント付き押出機等を用いて溶融混練温度200
℃〜280℃で溶融混練しペレット化する事によっても
得ることができる。
【0065】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが本発明はこれによって限定さ
れるものではない。実施例及び比較例でおこなった評価
は次の方法によった。
【0066】(1)難燃性評価(UL−94V) ULサブジェクト94(アンダーライター・ラボラトリ
ーズインコーポレーテッド)の「機器の部品用プラスチ
ック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準
拠。試験片の肉厚は1.6mm(1/16インチ)と
1.2mm(1/21インチ)。
【0067】(2)耐衝撃性試験(IZOD) ASTM D256に準拠して行った。
【0068】(3)分散性評価 幅100mm×長さ100mm×厚み0.3mmのシー
トを温度230℃でプレス成形し、該シート中に幅10
mm×長さ10mmの領域を任意に3個所設定し、該領
域中にある凝集物を目視にて数え、各領域中に存在する
凝集物の数平均を求めた。評価は、A:凝集物の平均値
が0〜2、B:凝集物の平均値が3〜10、C:凝集物
の平均値が11以上。
【0069】(4)電気特性(体積固有抵抗値) 射出成形によって得られた試験片(縦100mm、横1
00mm、厚さ2mm)を、80℃、80RH%の恒温
恒湿機に7日間放置し、取り出した後、試験片表面の水
滴をワイパー紙で軽くふき取り、体積固有抵抗を測定し
た。比較として射出成形によって得られた試験片を60
℃の乾燥機で12時間乾燥させ絶乾状態とした試験片の
体積固有抵抗の測定を行った。
【0070】本発明に使用した材料および表中における
記号の説明は以下の通り。 ◇熱可塑性樹脂 ・PP:ポリプロピレン(チッソポリプロK1008
(商品名、チッソ(株)製)) ・HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(R63(商品名、
ダイセル化学工業(株)製)) ・ABS:ABS樹脂(クララスチック GA−704
(商品名 住化A&L(株) 製)) ・PPE:ポリフェニレンエーテル(ノリル534(商
品名、日本ジーイープラスチックス(株)製)) ・PA−6:ポリアミド−6(ウベナイロン1013B
(商品名、宇部興産株式会社製)) ・EP−02P:エチレン−プロピレンゴム(EP−0
2P(商品名、日本合成ゴム(株)製))
【0071】◇リン系難燃剤 ・ポリリン酸アンモニウム:被覆ポリリン酸アンモニウ
ム(テラジュ−C60(チッソ株式会社製)) ・非ハロゲン系燐酸エステル:TPP(トリフェニルホ
スフェート(チッソ株式会社製)) ・非ハロゲン系燐酸エステル:CR733S(縮合リン
酸エステル(大八化学工業株式会社製)) ・被覆赤燐:ノーバエクセル140(燐化学工業株式会
社製)
【0072】◇シアヌル酸メラミン ・MC−440(商品名、日産化学工業(株)製)
【0073】◇硼酸亜鉛 ・FB500:ファイヤーブレイク500(商品名、ボ
ラックス社製) ・FB290:ファイヤーブレイク290(商品名、ボ
ラックス社製)
【0074】◇シランカップリング剤 ・S510:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(サイラエースS510(商品名、チッソ(株)
製)) ・S210:ビニルトリメトキシシラン(サイラエース
S210(商品名、チッソ(株)製))
【0075】◇フッ素系樹脂 ・PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(テフロン6
J(商品名、三井ジュポンフロロケミカル(株)製))
【0076】◇相溶化剤 ・XKP707W:マレイン酸変性PP(チッソポリプ
ロXKP707W(商品名、チッソ(株)製)) ・M1911:マレイン酸変性水添SBR(タフテック
M1911(商品名、旭化成工業(株)製))
【0077】実施例1〜5、比較例1〜3 後述の表1記載の配合割合の、リン系難燃剤、シアヌル
酸メラミン及び硼酸亜鉛とシランカップリング剤のそれ
ぞれをヘンシェルミキサー(商品名)に投入し、1分間
混合攪拌して、リン系難燃剤組成物等にシランカップリ
ング剤を十分に分散させた。次いで後述の表1に記載の
残りの成分を投入し、3分間攪拌混合した。得られた混
合物を二軸押出機(池貝鉄工所株式会社PCM−30)
を用いて溶融混練温度230℃で混練した後にストラン
ド状に押し出し、該ストランド状物を切断してペレット
化することにより、ペレット状の難燃性熱可塑性樹脂組
成物を得た。得られたペレットを60℃で8時間乾燥し
たのち、該ペレットを射出成型機(日本製鋼株式会社製
J28SC)を用いて成形温度230℃で所定の試験片
を作製した。得られた試験片を用いて難燃性評価、耐衝
撃性試験、電気特性試験を行った。また、上記で得られ
たペレットを230℃で熱プレスを行い、厚さ0.3m
mのシートを作製し、分散性を目視で観察した。それら
の結果を後述の表1に示した。
【0078】実施例6〜8 後述の表1に記載の配合割合で、ポリアミドとポリアミ
ド以外の熱可塑性樹脂、及びフッ素系樹脂をヘンシェル
ミキサー(商品名)に投入し、1分間混合攪拌した。得
られた混合物を二軸押出機(池貝鉄工所株式会社PCM
−30)を用いて溶融混練温度250℃で混練した後に
ストランド状に押し出し、ストランド状物を切断してペ
レット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。次いで後述の表
1に記載の配合割合で、リン系難燃剤、シアヌル酸メラ
ミン及び硼酸亜鉛とシランカップリング剤をヘンシェル
ミキサー(商品名)に投入し、1分間混合攪拌しリン系
難燃剤等にシランカップリング剤を十分に分散させた。
次いで後述の表1記載の残りの成分と上記で得られたペ
レット状の熱可塑性樹脂組成物をヘンシェルミキサ−に
投入し、3分間攪拌混合した。得られた混合物を二軸押
出機(池貝鉄工所株式会社PCM−30)を用いて溶融
混練温度230℃で混練した後にストランド状に押し出
したものを切断してペレット状の難燃性熱可塑性樹脂組
成物を得た。得られたペレットの難燃性熱可塑性樹脂組
成物を60℃で8時間乾燥し、射出成型機(日本製鋼株
式会社製J28SC)を用いて成形温度230℃で所定
の試験片を作製した。得られた試験片を用いて難燃性評
価、耐衝撃性試験、電気特性試験をおこなった。また、
上述で得られたペレットを230℃で熱プレスし、厚さ
0.3mmのシートを作製し、分散性を目視で観察し
た。それらの結果を後述の表1に示した。
【0079】
【表1】
【0080】実施例9〜14 後述の表2に記載の配合成分および配合割合にする以外
は実施例1〜5に準拠して、ペレット状の難燃性熱可塑
性樹脂組成物を得、該組成物を用いて実施例1〜5に準
拠して、各種評価用の試験片およびシ−トを作製し、難
燃性評価、耐衝撃性試験、電気特性試験の評価および分
散性を目視で観察した。それらの結果を後述の表2に示
した。
【0081】実施例15、16、比較例4〜6 後述の表2に記載の配合成分および配合割合にする以外
は実施例6〜8に準拠して、ペレット状の難燃性熱可塑
性樹脂組成物を得、該組成物を用いて実施例6〜8に準
拠して、各種評価用の試験片およびシ−トを作製し、難
燃性評価、耐衝撃性試験、電気特性試験の評価および分
散性を目視で観察した。それらの結果を後述の表2に示
した。
【0082】
【表2】
【0083】実施例17〜21、比較例7、8 後述の表3に記載の配合成分および配合割合にする以外
は実施例1〜5に準拠して、ペレット状の難燃性熱可塑
性樹脂組成物を得、該組成物を用いて実施例1〜5に準
拠して、各種評価用の試験片およびシ−トを作製し、難
燃性評価、耐衝撃性試験、電気特性試験の評価および分
散性を目視で観察した。それらの結果を後述の表3に示
した。
【0084】実施例22〜24 後述の表3に記載の配合成分および配合割合にする以外
は実施例6〜8に準拠して、ペレット状の難燃性熱可塑
性樹脂組成物を得、該組成物を用いて実施例6〜8に準
拠して、各種評価用の試験片およびシ−トを作製し、難
燃性評価、耐衝撃性試験、電気特性試験の評価および分
散性を目視で観察した。それらの結果を後述の表3に示
した。
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は塩
素や臭素を含有せず、優れた難燃性と分散性更には温湿
環境下での耐水性を有する成形品が得られる樹脂組成物
であり、家電製品、OA機器、電線ケーブル、自動車、
鉄道車両、シート、ボード、パイプ等の難燃素材として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/521 C08K 5/521 5/5419 5/54 C 9/04 9/04 C08L 27/12 C08L 27/12 77/00 77/00 Fターム(参考) 4J002 AC08X AC11X BB03X BB05X BB06X BB08X BB10X BB12X BB14X BB15X BB22X BC03X BC04X BC06X BE02X BE06X BF02X BG05X BN07X BN12X BN15X BN16X CF05X CF06X CF07X CF08X CF16X CH07X CK02X CL00W CL01W CL03W CN03X DA056 DH056 DK008 EU187 EW046 EX009 EX019 EX069 EX079 FB266 FD136 FD137 FD138 FD209 GN00 GQ00 GQ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドを1〜70重量%含有する熱可
    塑性樹脂組成物100重量部に対して、ポリリン酸アン
    モニウム、下記化1もしくは化2で表される非ハロゲン
    系有機リン酸エステルおよび被覆赤燐から選ばれる1種
    以上のリン系難燃剤を3〜100重量部、シアヌル酸メ
    ラミンを0.5〜50重量部、硼酸亜鉛を0.5〜50
    重量部およびシランカップリング剤を0.1〜5重量部
    の割合で含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (式中、xは0,1もしくは2を表し、R1及びR2は
    水素原子または炭素数1〜9のアルキル基を示し、同一
    又は異なっても良い。R3,R4及びR5は水素原子又
    は炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、同一もしくは
    異なっても良い。) 【化2】 (式中R6,R7,R8,R9はそれぞれが独立して水
    素原子または有機基を表すが、R6=R7=R8=R9
    =Hの場合を除く。X’は2価以上の有機基を表し、p
    は0または1であり、q,rは共に1以上の整数を示
    す)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物
    に、さらに、フッ素系樹脂を、ポリアミドを1〜70重
    量%含有する熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し
    て、0.001〜10重量部の割合で含有する難燃性熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアミドを1〜70重量%含有する熱可
    塑性樹脂組成物が、ポリアミドと、オレフィン系樹脂、
    スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
    ポリスルホン樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂およびポリ
    フェニレンエーテル系樹脂から選ばれる1種以上との混
    合樹脂もしくはポリマーアロイである請求項1もしくは
    請求項2のいずれか1項記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】硼酸亜鉛が、熱分解温度200℃以上、5
    50℃以下の硼酸亜鉛である請求項1〜3のいずれか1
    項記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の難燃性
    熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品。
JP10341384A 1998-12-01 1998-12-01 難燃性熱可塑性樹脂組成物 Pending JP2000160031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10341384A JP2000160031A (ja) 1998-12-01 1998-12-01 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10341384A JP2000160031A (ja) 1998-12-01 1998-12-01 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000160031A true JP2000160031A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18345652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10341384A Pending JP2000160031A (ja) 1998-12-01 1998-12-01 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000160031A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506048A (ja) * 1999-05-28 2004-02-26 ディーエスエム エヌ.ブイ. ハロゲンを含まない難燃剤組成物
JP2006176731A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Shin Etsu Chem Co Ltd 難燃樹脂組成物
CN1294235C (zh) * 2004-11-09 2007-01-10 四川大学 三聚氰胺氰尿酸盐微胶囊红磷及其制备方法和用途
CN1294236C (zh) * 2004-11-09 2007-01-10 四川大学 三聚氰胺氰尿酸微胶囊无机阻燃剂及其制备方法
KR101042933B1 (ko) 2011-03-11 2011-06-20 박진우 폴리우레탄 합성피혁 코팅용 친환경 복합 난연제 조성물
JP2013189512A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Ube Industries Ltd ポリアミド樹脂組成物
US8859652B2 (en) 2012-12-21 2014-10-14 Ems-Patent Ag Flame-retardant polyamide molding material and the use thereof
JP2014527549A (ja) * 2011-07-22 2014-10-16 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリ(アリーレンエーテル)組成物とその物品
CN107163292A (zh) * 2017-06-21 2017-09-15 广西壮族自治区化工研究院 一种改性聚磷酸铵的制备方法
CN109844003A (zh) * 2016-07-28 2019-06-04 Sabic环球技术有限责任公司 阻燃剂丙烯组合物

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506048A (ja) * 1999-05-28 2004-02-26 ディーエスエム エヌ.ブイ. ハロゲンを含まない難燃剤組成物
CN1294235C (zh) * 2004-11-09 2007-01-10 四川大学 三聚氰胺氰尿酸盐微胶囊红磷及其制备方法和用途
CN1294236C (zh) * 2004-11-09 2007-01-10 四川大学 三聚氰胺氰尿酸微胶囊无机阻燃剂及其制备方法
JP2006176731A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Shin Etsu Chem Co Ltd 難燃樹脂組成物
JP4548591B2 (ja) * 2004-12-24 2010-09-22 信越化学工業株式会社 難燃樹脂組成物
KR101042933B1 (ko) 2011-03-11 2011-06-20 박진우 폴리우레탄 합성피혁 코팅용 친환경 복합 난연제 조성물
JP2014527549A (ja) * 2011-07-22 2014-10-16 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリ(アリーレンエーテル)組成物とその物品
JP2013189512A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Ube Industries Ltd ポリアミド樹脂組成物
US8859652B2 (en) 2012-12-21 2014-10-14 Ems-Patent Ag Flame-retardant polyamide molding material and the use thereof
CN109844003A (zh) * 2016-07-28 2019-06-04 Sabic环球技术有限责任公司 阻燃剂丙烯组合物
CN109844003B (zh) * 2016-07-28 2021-05-11 Sabic环球技术有限责任公司 阻燃剂丙烯组合物
US11008440B2 (en) 2016-07-28 2021-05-18 Sabic Global Technologies B.V. Flame retardant propylene composition
CN107163292A (zh) * 2017-06-21 2017-09-15 广西壮族自治区化工研究院 一种改性聚磷酸铵的制备方法
CN107163292B (zh) * 2017-06-21 2019-04-02 广西壮族自治区化工研究院 一种改性聚磷酸铵的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8906273B2 (en) Method of making poly(arylene ether) compositions
WO2004029154A1 (ja) 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物および成形品
JP2001342357A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2672932B2 (ja) 樹脂組成物
JPH05339417A (ja) 低揮発性難燃耐熱耐衝撃性樹脂組成物
JP2000160031A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2003226819A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2004176071A (ja) 熱可塑性樹脂用添加剤及び難燃性樹脂組成物
JP4810743B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP5264790B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び成形品
JP4700852B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
EP1036815A1 (en) Flame retardant for styrene resins and flame-retardant styrene resin composition
JPH11106646A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP4497562B2 (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP3565593B2 (ja) 高剛性難燃性樹脂組成物
JP2002105335A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH1171488A (ja) 耐光変色性の優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JPH05287119A (ja) 外観の優れた難燃性樹脂組成物
JP2002226684A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3464712B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2000119497A (ja) 強化難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP3257841B2 (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP3871800B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3315292B2 (ja) 難燃剤の濃度分布を有する難燃性樹脂組成物成形体
JP2004123864A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物