JP2000159845A - ポリエステル樹脂、その製造法、塗料及び接着剤 - Google Patents

ポリエステル樹脂、その製造法、塗料及び接着剤

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JP2000159845A
JP2000159845A JP10339266A JP33926698A JP2000159845A JP 2000159845 A JP2000159845 A JP 2000159845A JP 10339266 A JP10339266 A JP 10339266A JP 33926698 A JP33926698 A JP 33926698A JP 2000159845 A JP2000159845 A JP 2000159845A
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polyester resin
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acid
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JP10339266A
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Yasushi Kojima
靖 小島
Kenichi Kawaguchi
健一 川口
Masaya Okawa
昌也 大川
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 PET等のポリエステル樹脂基材のみなら
ず、PP等のポリオレフィン基材、アクリル樹脂基材等
への接着性、ブロッキング性にも優れ、加工性、外観、
強度、耐水性等の各物性に優れた塗料、接着剤用材料を
得ることができる変性ポリエステル樹脂、その製造法、
塗料並びに接着剤を提供する。 【解決手段】 数平均分子量10000以上の直鎖ポリ
エステル樹脂(A)を、3価以上の多価カルボン酸成
分、3価以上の多価アルコール成分及び3価以上のヒド
ロキシ酸成分からなる少なくとも1種の化合物(B)の
存在下に解重合して得られる水酸基価2.0〜100の
ポリエステル樹脂(C)に対し、不飽和二重結合を有す
る無水多塩基酸(D)を開環付加させ(D)成分を付加
したポリエステル樹脂(E)を得、次いで、このポリエ
ステル樹脂(E)の存在下に炭素−炭素二重結合を有す
る重合性単量体成分(F)を反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプ
ラスチックへの接着性に優れ、塗料、接着剤に有用なポ
リエステル樹脂、その製造法、塗料及び接着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ダイオキシン発生源を少なくする
脱塩素化の観点から、塩化ビニルが使用されていた従来
のフィルム、成形材料等の用途において、これに代わる
樹脂材料として、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリ
エチレン等のポリオレフィンなどのプラスチックが広く
用いられている。また、これらのプラスチックのコーテ
ィング用あるいは接着材用に使用される樹脂材料として
は、プラスチック基材と組成が近い合成樹脂材料が用い
られていることが多い。例えば、PETへのコーティン
グ、接着材料としては、高分子量飽和ポリエステル樹脂
が用いられることが多い。これは、高分子量飽和ポリエ
ステル樹脂の樹脂構造がPETに近いため、他の樹脂系
に比較して接着性に優れていることによる。
【0003】しかしながら、上記のように、プラスチッ
ク基材(例えば、PET)と組成が近い合成樹脂材料
(例えば、高分子量飽和ポリエステル樹脂)を用いてコ
ーティング或いは接着した後に、さらにアクリル樹脂系
塗料などを上塗りする場合やPPフィルム等を重ねて接
着する場合などには、接着性等に関する問題が生じるこ
とが多い。
【0004】一方、ポリプロピレン(PP)などのポリ
オレフィン基材へのコーティング、接着においては、プ
ライマーとして塩素化ポリプロピレン(塩素化PP)な
どの塩素化ポリオレフィンを使用したり、また、アクリ
ル樹脂を塩素化PPで変性することにより樹脂の溶解性
パラメータをPP基材の溶解性パラメータに近づけた塩
素化ポリオレフィン変性樹脂を使用することが多い。し
かし、塩化ビニルと同様に脱塩素化が求められている社
会状況下、上記のような塩素化ポリオレフィンの使用
は、許容され難くなりつつある。また、上記のようなプ
ラスチック基材(例えば、PET)に対してその基材と
組成が近い合成樹脂材料(例えば、高分子量飽和ポリエ
ステル樹脂)を用いてコーティング或いは接着した後
に、さらに、通常のアクリル樹脂系塗料、ポリエステル
樹脂系塗料などを上塗りする場合、PETフィルムとP
ET以外の合成樹脂材料からなるフィルムなどの異種フ
ィルムを接着する場合などには、接着性あるいは接着後
の耐水性等に関する問題を生じることが多い。
【0005】以上のように、特に、PET等のポリエス
テル樹脂材料とPP等のポリオレフィン樹脂材料などと
の異材料間で、それぞれの材料に対して接着性が優れる
塗料用及び接着剤用の樹脂材料が求められている。
【0006】PETフィルムなどのポリエステルフィル
ムへの接着性に優れたコーティング用ポリエステル樹脂
組成物として、数平均分子量10,000以上の直鎖ポ
リエステル樹脂をジメチロールプロピオン酸で解重合す
ることにより、接着点となる極性基を樹脂分子鎖中に導
入し、接着性を向上させた分岐ポリエステル樹脂組成物
が提案されている(特開平3−181574号公報)。
この分岐ポリエステル樹脂は、合成初期から3価以上の
多官能モノマーを配合した場合に比べ、直鎖構造が多く
残るため可とう性に優れ、また、接着点となるカルボキ
シル基がポリエステル分子主鎖に導入されるため接着性
に優れているという特徴を有する。この分岐ポリエステ
ル樹脂は、PETフィルム等のポリエステルフィルムの
みならず、金属基材や従来のポリエステル樹脂では難接
着性であったポリプロピレン(PP)への接着性も向上
できるが、PPへの接着強度の点に限界があり、さら
に、アクリル樹脂系塗料等との接着性に劣るなどの問題
点もある。
【0007】また、接着部の強度、耐水性等の向上のた
めに、ジメチロールプロピオン酸などの3価以上の多官
能モノマーにより解重合したポリエステル樹脂をさらに
高分子量化するポリエステル樹脂及びその製造方法が提
案されている(特開平8−73579号公報)。この方
法によって、PETフィルム等への接着性が良好で、か
つ、接着部の強度、耐水性などに優れる接着剤やコーテ
ィング材料用ポリエステル樹脂が得られる。しかし、こ
の方法により得られたポリエステル樹脂は、接着剤材料
としては、ゲル化構造に近い高分子量部分が存在するた
め接着剤としては、非常に有効であるものの、コーティ
ング材料としては、塗膜外観、塗料粘性等が劣ることが
ある。また、この方法により得られたポリエステル樹脂
は、PP、アクリル塗膜との接着性を著しく高める程の
効果は有していなかった。
【0008】さらに、ポリエステル分子鎖中にジメチロ
ールプロピオン酸などのヒドロキシ酸による解重合で導
入されたカルボキシル基に、基材との接密着性、加工性
等を補う成分を反応させることにポリエステル樹脂の製
造方法が提案されている(特開平9−227668号公
報)。この方法は、カルボキシル基を反応点としてポリ
エステル分子鎖に各グラフト成分を導入する方法で有用
である。しかし、この方法は、例えば、アクリル塗料等
との接着性を向上させるために炭素−炭素二重結合を有
する重合性単量体等を導入するには、必ず、カルボキシ
ル基と反応可能なモノマーを配合中に選択すること必要
であり、しかも、基材との接着点になるポリエステル分
子中のカルボキシル基を残すように、反応させる必要が
あるため、反応中にゲル化し易く合成工程を工夫する必
要があるなどの問題点もある。
【0009】以上の如く、数多くの試みも提案されてい
るが、前記課題を解決し、満足しうる実用性のある塗
料、接着剤用樹脂は得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜4記載の発
明は、PET等のポリエステル樹脂基材のみならず、P
P等のポリオレフィン基材、アクリル樹脂基材等への接
着性、ブロッキング性にも優れ、加工性、外観、強度、
耐水性等の各物性に優れた塗料、接着剤用材料を得るこ
とができる変性ポリエステル樹脂の製造法を提供するも
のである。請求項5記載の発明は、PET等のポリエス
テル樹脂基材のみならず、PP等のポリオレフィン基
材、アクリル樹脂基材等への接着性、ブロッキング性に
も優れ、加工性、外観、強度、耐水性等の各物性に優れ
た塗料、接着剤用材料を得ることができる変性ポリエス
テル樹脂を提供するものである。
【0011】請求項6記載の発明は、PET等のポリエ
ステル樹脂基材のみならず、PP等のポリオレフィン基
材、アクリル樹脂基材等への接着性、ブロッキング性に
も優れ、加工性、外観、強度、耐水性等の各物性に優れ
た塗料を提供するものである。請求項7記載の発明は、
PET等のポリエステル樹脂基材のみならず、PP等の
ポリオレフィン基材、アクリル樹脂基材等への接着性、
ブロッキング性にも優れ、加工性、外観、強度、耐水性
等の各物性に優れた接着剤を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(6)に関する。 (1)数平均分子量10000以上の直鎖ポリエステル
樹脂(A)100重量部を、3価以上の多価カルボン酸
成分、3価以上の多価アルコール成分及び3価以上のヒ
ドロキシ酸成分からなる群より選択される少なくとも1
種の化合物(B)0.02〜10重量部の存在下に解重
合して得られる水酸基価2.0〜100のポリエステル
樹脂(C)100重量部に対し、不飽和二重結合を有す
る無水多塩基酸(D)を開環付加させ(D)成分を付加
したポリエステル樹脂(E)を得、次いで、このポリエ
ステル樹脂(E)100重量部の存在下に炭素−炭素二
重結合を有する重合性単量体成分(F)2〜400重量
部を反応させることを特徴とする変性ポリエステル樹脂
の製造法。
【0013】(2)化合物(B)の量が0.02〜6.
0重量部であることを特徴とする前記(1)記載の変性
ポリエステル樹脂の製造法。 (3)化合物(B)中の3価以上のヒドロキシ酸成分が
ジメチロールプロピオン酸である上記(1)又は(2)
記載のポリエステル樹脂の製造法。 (4)化合物(B)が、ジメチロールプロピオン酸のみ
である上記(1)又は(2)記載の変性ポリエステル樹
脂の製造法。
【0014】(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記
載の製造法により得られる変性ポリエステル樹脂。 (6)前記(5)記載の変性ポリエステル樹脂を含有し
てなる塗料。 (7)前記(5)記載の変性ポリエステル樹脂を含有し
てなる接着剤。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、直鎖ポリエステ
ル樹脂としては、ジカルボン酸成分を酸成分とし、ジア
ルコールをアルコール成分として合成されたポリエステ
ル樹脂が挙げられる。直鎖ポリエステル樹脂の合成に用
いられる酸成分であるジカルボン酸成分としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはそれらの低
級アルキルエステル、酸無水物等が挙げられ、さらに、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸、ハイミック酸、1,6−シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、あるいは
これらの低級アルキルエステル、酸無水物等が挙げられ
る。これらジカルボン酸成分の一種以上を使用すること
もできる。
【0016】なお、ポリエステル樹脂合成の当初から、
フマル酸、マレイン酸等の二重結合を有するジカルボン
酸を配合すると、最終的に炭素−炭素二重結合を有する
重合性単量体をグラフトする際に、炭素−炭素二重結合
を有する重合性単量体が、ポリエステル樹脂分子鎖に均
一に存在する二重結合を有するジカルボン酸由来の二重
結合ともグラフト反応するため、合成中にゲル化し易い
とともに、接着性等が劣ることになる。そのため、ポリ
エステル樹脂合成の当初から配合する場合、使用するジ
カルボン酸成分は、分子内に二重結合を有さないことが
好ましい。
【0017】直鎖ポリエステル樹脂の合成に用いられる
アルコール成分であるジアルコール成分としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3
−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオールキシリレングリコール、2,4−ジ
エチル−1,5−ペンタンジオールあるいは水添ビスフ
ェノールA及びビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド、あるいはプロピレンオキサイド付加物等があり、こ
れらの1種以上を用いることができる。
【0018】本発明に用いられる化合物(B)として
は、3価以上の多価カルボン酸成分、3価以上の多価ア
ルコール成分又は3価以上のヒドロキシ酸成分が挙げら
れる。3価以上の多価カルボン酸成分としては、カルボ
キシル基を3つ以上有する多価カルボン酸であり、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等、あるいはこれらの低級
アルキルエステル、酸無水物等が挙げられる。3価以上
の多価アルコール成分としては、水酸基を3つ以上有す
る多価アルコールであり、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル等が挙げられる。3価以上のヒドロキシ酸としては、
水酸基とカルボキシル基を各々少なくとも1つ、合計で
3つ以上有するものであり、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。
【0019】これら化合物(B)の少なくとも1種を選
択することが必要であり、1種以上で用いることもでき
る。これらの中では、基材との接着点として有効なカル
ボキシル基が分子鎖中に導入されるため、接着性向上の
観点から、3価以上のヒドロキシ酸であることが好まし
く、ジメチロールプロピオン酸であることがより好まし
い。
【0020】上記、化合物(B)は、先のポリエステル
樹脂100重量部に対して、0.02〜10重量部の割
合で用いられ、得られた変性ポリエステル樹脂の接着性
と加工性の観点から0.02〜6.0重量部の割合で用
いられることが好ましい。10重量部を越えると、ポリ
エステル部分の分子量が小さくなりすぎるため、この後
の工程でビニル重合体をグラフトした後の加工性の低下
が著しい傾向となる。また、解重合後に、再度高分子量
化のために重縮合を進める場合、ゲル化し易い傾向とな
る。また、0.02重量部未満では、ポリエステル部分
へ導入されるカルボキシル基が少なくなり、接着性が低
下する傾向となる。
【0021】本発明に用いられる不飽和二重結合を有す
る無水多塩基酸(D)としては、無水マレイン酸、無水
ハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸無水物などが挙げられ、これ
らの1種以上を用いることができる。不飽和二重結合を
有する無水多塩基酸(D)成分の使用量については、ポ
リエステル樹脂(C)の水酸基に(D)成分が付加する
限りにおいて、特に限定されるものではないが、ポリエ
ステル樹脂(C)の水酸基に(D)成分をポリエステル
樹脂1分子当たり1つ以上付加することが望ましい。
(D)成分の付加していないポリエステル分子が存在す
ると、炭素−炭素二重結合を有する重合性単量体成分
(F)を多くグラフトした場合に、出来上がった変性ポ
リエステル樹脂が濁ったり、分離したりし易い傾向とな
る。
【0022】本発明に用いられる炭素−炭素二重結合を
有する重合性単量体成分(F)としては、アクリル酸ア
ルキルエステル、アクリル酸シクロアルキルエステル、
メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロア
ルキルエステル、アクリル酸アミノアルキルエステル、
メタクリル酸アミノアルキルエステル、スチレン系単量
体、ビニル誘導体及び不飽和二塩基酸のジアルキルエス
テルからなる群から選択される少なくとも1種類の炭素
−炭素二重結合を有する重合性単量体が使用できる。
【0023】アクリル酸アルキルエステルとしては、例
えば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アル
キルエステルが挙げられ、その具体例としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ラウリル等が挙げられ、アクリル
酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、シクロア
ルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキ
ルが挙げられ、その具体例としては、例えば、アクリル
酸シクロヘキシル等が挙げられる。
【0024】メタクリル酸アルキルエステルとしては、
例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸
アルキルエステルが挙げられ、その具体例としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
メタクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例え
ば、シクロアルキル基の炭素数3〜20のメタクリル酸
シクロアルキルエステルが挙げられ、その具体例として
は、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ
る。アクリル酸アミノアルキルエステルとしては、例え
ば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アミノ
アルキルエステルが挙げられ、その具体例として、例え
ば、アクリル酸アミノメチル、アクリル酸N−メチルア
ミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル
等が挙げられる。
【0025】メタクリル酸アミノアルキルエステルとし
ては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のメタク
リル酸アミノアルキルエステルが挙げられ、その具体例
としては、例えば、メタクリル酸アミノメチル、メタク
リル酸N−メチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−
ジエチルアミノエチル等が挙げられる。スチレン系単量
体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等が挙げられる。ビニル誘導体として
は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メタク
リル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル
アミド、アクリルアミド、酢酸イソプロペニル等が挙げ
られる。
【0026】不飽和二塩基酸のジアルキルエステルとし
ては、例えば、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン
酸ジエチルエステル、フタル酸ジメチルエステル、フタ
ル酸ジエチルエステル等が挙げられる。また、アクリル
酸、メタクリル酸、あるいはアクリル酸スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量
体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イ
ソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フマル酸
等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメチルエ
ステル、モノメチルエステル等のモノエステル、若しく
は、そのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエ
ステルがある。
【0027】これらの炭素−炭素二重結合を有する重合
性単量体成分(F)の配合量は任意であるが、ポリエス
テル樹脂(C)に不飽和二重結合を有する無水多塩基酸
である(D)成分を付加したポリエステル樹脂(E)1
00重量部当たり、(F)成分を2〜400重量部グラ
フトすることが望ましい。(F)成分が2重量未満の場
合、アクリルへの接着性向上などの効果が低い傾向とな
り、(F)成分が400重量部を超えると得られる変性
ポリエステル樹脂中のポリエステル部分が占める割合が
小さくなり、PET等のポリエステルへの接着性が低下
する傾向となる。また(F)成分として例示した、前記
塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素系炭素−炭素二重
結合を有する重合性単量体も使用可能であるが、環境保
護の観点から使用は控えることが望ましい。
【0028】本発明のポリエステル樹脂の製造は、まず
上記の酸成分とジアルコール成分を用い、必要に応じ
て、ジブチル錫オキシド、酢酸鉛、酢酸カルシウム、N
−ブチルチタネート等の触媒の存在下に200〜300
℃にてエステル化またはエステル交換反応を行った後、
さらに、必要に応じて、三酸化アンチモン、酸化ゲルマ
ニウム、N−ブチルチタネートのような触媒の存在下
に、好ましくは1300Pa以下、特に好ましくは130
Pa以下の減圧下で、好ましくは200〜300℃、特に
好ましくは230〜280℃で重縮合反応を行うことに
より、数平均分子量10000以上の直鎖ポリエステル
樹脂(A)を調製する。この直鎖ポリエステル樹脂
(A)100重量部に対して、上記の化合物(B)を
0.02〜10重量部配合し、常圧下、200〜300
℃、好ましくは、210〜250℃で解重合し、水酸基
価2.0〜100のポリエステル樹脂(C)を得る。な
お、解重合後に、再度、重縮合反応を進めることで解重
合時に低下した分子量を再び高くすることも可能である
が、ゲル化反応を伴うため、解重合後の再重縮合による
高分子量化には、限度がある。
【0029】得られたポリエステル樹脂(C)の水酸基
と不飽和二重結合を有する無水多塩基酸成分(D)との
反応は、上記の製造工程に続けて、あるいは、(D)と
の反応を阻害しない溶媒に希釈後、任意の条件で行うこ
とができる。しかし、付加反応時の二重結合の反応、ポ
リエステル樹脂のゲル化を防止するためには、200℃
以下、好ましくは180℃以下で行うのが望ましい。ま
た、二重結合の反応を抑制するために、重合禁止剤を添
加することも可能である。
【0030】(D)成分を付加したポリエステル樹脂
(E)への炭素−炭素二重結合を有する重合性単量体成
分(F)のグラフト反応は上記の製造工程に続けて、あ
るいは、(F)成分との反応を阻害しない溶媒に希釈
後、任意の条件で行うことができる。この際、重合開始
剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物
等を使用することができる。有機過酸化物としては、例
えば、ベンゾイルパーオキサド、ジクミルパーオキサ
ド、ジブチルパーオキサド等が挙げられ、アゾビス系化
合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスバレロニトリル等が挙げられる。
【0031】重合に際して、前記各炭素−炭素二重結合
を有する重合性単量体成分(F)の(D)成分を付加し
たポリエステル樹脂(E)への添加は、炭素−炭素二重
結合を有する重合性単量体成分(F)の各々を別々に反
応系に添加しても、又は、予め混合物とした上で反応系
に添加しても、或いは、この予め混合物とした混合物を
分割して反応系に添加してもよい。また、炭素−炭素二
重結合を有する重合性単量体成分(F)の全量を(D)
成分を付加したポリエステル樹脂(E)系に添加後、重
合開始剤を滴下してもよく、炭素−炭素二重結合を有す
る重合性単量体成分(F)の一部を、(D)成分を付加
したポリエステル樹脂(E)系に添加後、重合開始剤と
共に炭素−炭素二重結合を有する重合性単量体成分
(F)の残部を適宜、滴下してもよい。
【0032】本発明において「数平均分子量」とは、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーを利用し、標準
ポリスチレンの検量線を使用して算出したものである。
【0033】本発明により得られる変性ポリエステル樹
脂は、必要に応じて、芳香族炭化水素(キシレン、トル
エン等)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ペンタン、ミネラルターペン等)、エステル類(酢
酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)
などの有機溶剤で希釈することができる。希釈割合は得
られた変性ポリエステル樹脂の用途によって適宜選択さ
れる。
【0034】本発明の変性ポリエステル樹脂は、単独で
又はメラミン、尿素、ベンゾグアナミン等のアミノ化合
物とホルムアルデヒドとを反応させて得られるアミノ樹
脂、該アミノ樹脂をメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等の低級アルコールでエーテル化して
得られるエーテル化アミノ樹脂等のアミノ系樹脂、もし
くはポリイソシアネートなどの硬化剤と組み合わせて、
使用することができる。
【0035】得られた変性ポリエステル樹脂を塗料とす
る際には、さらに必要に応じて顔料、可塑剤、着色剤及
びp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレ
ンジスルホン酸等の酸触媒あるいはそのブロック体を添
加することもできる。また、さらに必要に応じてイミダ
ゾール、アミンなどの硬化助剤を添加することもでき
る。このようにして得られた塗料は、鉄、非鉄金属等の
表面にスプレー塗装、ロール塗装等の公知方法によって
塗装することができる。
【0036】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を詳述するが、
本発明は何等これらに限定されるものではない。以下、
数平均分子量は、日立635型HLC及びカラムとして
ゲルパック(GELPACK)R440、R450、R
400M(いずれも日立化成工業株式会社の商品名)を
直列に連結して使用し、溶離剤としてテトラヒドロフラ
ンを使用し、クロマトグラムを得た後、標準ポリスチレ
ンを基準にして算出した。
【0037】実施例1 (I):テレフタル酸299重量部(1.8モル)、イ
ソフタル酸125重量部(0.75モル)、アゼライン
酸85重量部(0.45モル)、エチレングリコール1
24重量部(2.0モル)、ネオペンチルグリコール1
25重量部(1.2モル)及びジブチル錫ジオキシド
0.1重量部を不活性ガス存在下、250℃でエステル
化反応に付し、生成する水を除去し、酸価1.0、数平
均分子量4500のポリエステル樹脂中間体(a−1)
を得た。 (II):(I)で得られたポリエステル樹脂中間体(a
−1)500重量部に、三酸化アンチモン0.1重量
部、トリエチルホスフェート0.2重量部を加えて10
0Paの減圧下に、280℃で重縮合反応を行い、数平
均分子量28,000の高分子量直鎖ポリエステル樹脂
(A−1)を得た。
【0038】(III):(II)で得られた直鎖ポリエス
テル樹脂(A−1)400重量部に、ジメチロールプロ
ピオン酸2重量部を、230℃で添加後、2時間保温
し、解重合反応を行い、数平均分子量15000、水酸
基価8のポリエステル樹脂(C−1)を得た。 (IV)(III)で得られたポリエステル樹脂(C−1)
300重量部に無水マレイン酸3重量部を、200℃で
添加し、2時間保温し付加反応を行った後、トルエンで
希釈し、固形分60%、数平均分子量16000のポリ
エステル樹脂(E−1)を得た。
【0039】(V)(IV)で得られたポリエステル樹脂
(E−1)トルエン溶液400重量部を130℃まで昇
温し、これに、スチレン36重量部、メタクリル酸18
重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル6重量部、
t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブ
チルパ−オキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴
下し、更に135℃で2時間保温した。冷却後、メチル
エチルケトン85重量部で希釈し、加熱残分55%のア
クリル変性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数
平均分子量は、25000であった。
【0040】実施例2 実施例1で得られた直鎖ポリエステル樹脂(A−1)4
00重量部に対し、ジメチロールプロピオン酸8重量部
により解重合を行い、数平均分子量5000、水酸基価
20のポリエステル樹脂(C−2)を得た。さらに実施
例1の(IV)においてポリエステル樹脂(C−2)30
0重量部に対し、無水マレイン酸6重量部を使用した他
は、実施例1と同様な操作を行い、固形分60%、数平
均分子量5700のポリエステル樹脂(E−2)を得
た。さらにこのポリエステル樹脂(E−2)を実施例1
の(V)におけるポリエステル樹脂(E−2)に置換し
て同様な操作を行い、加熱残分55%のアクリル変性ポ
リエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量は
17000であった。
【0041】実施例3 実施例1の(V)において、ポリエステル樹脂(E−
1)トルエン溶液485重量部を130℃まで昇温し、
これに、スチレン3重量部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル6重量部、t−ブチルパ−オキシベンゾエート
1重量部、ジt−ブチルパ−オキサイド1重量部、トル
エン26重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更に1
35℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチルケトン
80重量部で希釈し、加熱残分50%のアクリル変性ポ
リエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量
は、19000であった。
【0042】実施例4 実施例2で得られたポリエステル樹脂(E−2)のトル
エン溶液150重量部及びトルエン100重量部を13
0℃まで昇温し、これに、スチレン100重量部、メタ
クリル酸60重量部、アクリル酸ブチル40重量部、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル10重量部、t−ブチ
ルパ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブチルパ−
オキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更
に135℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチルケ
トン85重量部で希釈し、加熱残分55%のアクリル変
性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子
量は、14000であった。
【0043】実施例5 実施例1で得られた直鎖ポリエステル樹脂(A−1)4
00重量部に対し、ジメチロールプロピオン酸20重量
部により解重合を行い、数平均分子量2500、水酸基
価45のポリエステル樹脂(C−5)を得た。さらに実
施例1の(IV)においてポリエステル樹脂(C−5)3
00重量部に対し、無水マレイン酸12重量部を使用し
た他は、実施例1と同様な操作を行い、固形分60%、
数平均分子量2800のポリエステル樹脂(E−5)を
得た。
【0044】得られたポリエステル樹脂(E−5)のト
ルエン溶液150重量部及びトルエン100重量部を1
30℃まで昇温し、これに、スチレン100重量部、メ
タクリル酸60重量部、アクリル酸ブチル40重量部、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10重量部、t−ブ
チルパ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブチルパ
−オキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、
更に135℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチル
ケトン85重量部で希釈し、加熱残分55%のアクリル
変性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分
子量は、10000であった。
【0045】実施例6 実施例1の(III)でポリエステル樹脂(C−1)得た
後、再度減圧下、260℃で重縮合反応を進め、数平均
分子量35000、水酸基価4のポリエステル樹脂(C
−6)を得た。さらに得られたポリエステル樹脂(C−
6)300重量部に無水マレイン酸1.5重量部を、2
00℃で添加し、2時間保温し付加反応を行った後、ト
ルエンで希釈し、固形分60%、数平均分子量3800
0のポリエステル樹脂(E−6)を得た。
【0046】このポリエステル樹脂(E−6)トルエン
溶液450重量部及びトルエン100重量部に対して、
スチレン16重量部、メタクリル酸8重量部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル6重量部、t−ブチルパ−オ
キシベンゾエート1重量部、ジt−ブチルパ−オキサイ
ド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更に135
℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチルケトン80
重量部で希釈し、加熱残分45%のアクリル変性ポリエ
ステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量は、4
6000であった。
【0047】比較例1 実施例1の(III)において、解重合に用いたジメチロ
ールプロピオン酸を0.05重量部とした以外は、実施
例1と同様に操作し、数平均分子量26000、水酸基
価5のポリエステル樹脂(C−11)を得た。さらに得
られたポリエステル樹脂(C−11)300重量部に無
水マレイン酸1.5重量部を、200℃で添加し、2時
間保温し付加反応を行った後、トルエンで希釈し、固形
分60%、数平均分子量28000のポリエステル樹脂
(E−11)を得た。
【0048】このポリエステル樹脂(E−11)トルエ
ン溶液400重量部に対して、スチレン36重量部、メ
タクリル酸18重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル6重量部、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト1重
量部、ジt−ブチルパ−オキサイド1重量部の混合液を
2時間かけて滴下し、更に135℃で2時間保温した。
冷却後、メチルエチルケトン85重量部で希釈し、加熱
残分55%のアクリル変性ポリエステル樹脂を得た。得
られた樹脂の数平均分子量は、30000であった。
【0049】比較例2 実施例1の(V)において、ポリエステル樹脂(E−
1)トルエン溶液495重量部を130℃まで昇温し、
これに、スチレン1重量部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル2重量部、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト
1重量部、ジt−ブチルパ−オキサイド1重量部、トル
エン27重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更に1
35℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチルケトン
75重量部で希釈し、加熱残分50%のアクリル変性ポ
リエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量
は、17000であった。
【0050】比較例3 実施例2で得られたポリエステル樹脂(E−2)のトル
エン溶液50重量部及びトルエン150重量部を130
℃まで昇温し、これに、スチレン130重量部、メタク
リル酸80重量部、アクリル酸ブチル50重量部、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル10重量部、t−ブチル
パ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブチルパ−オ
キサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更に
135℃で2時間保温した。冷却後、メチルエチルケト
ン75重量部で希釈し、加熱残分55%のアクリル変性
ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量
は、16000であった。
【0051】比較例4 実施例1で得られた直鎖ポリエステル樹脂(A−1)4
00重量部に対し、ジメチロールプロピオン酸50重量
部により解重合を行い、数平均分子量1500、水酸基
価76のポリエステル樹脂(C−14)を得た。さらに
実施例1の(IV)においてポリエステル樹脂(C−1
4)300重量部に対し、無水マレイン酸18重量部を
使用した他は、実施例1と同様な操作を行い、固形分6
0%、数平均分子量1700のポリエステル樹脂(E−
14)を得た。
【0052】得られたポリエステル樹脂(E−14)の
トルエン溶液150重量部及びトルエン100重量部を
130℃まで昇温し、これに、スチレン100重量部、
メタクリル酸60重量部、アクリル酸ブチル40重量
部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10重量部、t
−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブチ
ルパ−オキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下
し、更に135℃で2時間保温した。冷却後、メチルエ
チルケトン85重量部で希釈し、加熱残分55%のアク
リル変性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平
均分子量は、8000であった。
【0053】比較例5 実施例1の(III)において得られた、数平均分子量
15000のポリエステル樹脂(C−1)。
【0054】比較例6 実施例1の(III)において、実施例1の(I)で得ら
れた数平均分子量4500のポリエステル樹脂中間体
(a−1)400重量部に、ジメチロールプロピオン酸
12重量部を、230℃で添加後、2時間保温し、解重
合反応を行い、数平均分子量2500、水酸基価45の
ポリエステル樹脂(C−16)を得た。さらに実施例1
の(IV)においてポリエステル樹脂(C−16)300
重量部に対し、無水マレイン酸12重量部を使用した他
は、実施例1と同様な操作を行い、固形分60%、数平
均分子量2800のポリエステル樹脂(E−16)を得
た。
【0055】得られたポリエステル樹脂(E−16)の
トルエン溶液150重量部及びトルエン100重量部を
130℃まで昇温し、これに、スチレン100重量部、
メタクリル酸60重量部、アクリル酸ブチル40重量
部、メタクリル酸2ーヒドロキシエチル10重量部、t
−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト1重量部、ジt−ブチ
ルパ−オキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下
し、更に135℃で2時間保温した。冷却後、メチルエ
チルケトン85重量部で希釈し、加熱残分55%のアク
リル変性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の数平
均分子量は、9000であった。
【0056】各実施例および比較例に得られた樹脂をト
ルエン/メチルエチルケトン=50/50(重量部)混
合溶液で希釈し、加熱残分40%の樹脂液に調製した。
こうして得た樹脂液を下記の配合によりクリアエナメル
とし試験を行った。実施例または比較例のポリエステル
樹脂(加熱残分40%)100重量部、コロネートL
(日本ポリウレタン(株)製ポリイソシアネート)5重量
部を配合し、トルエン/メチルエチルケトン=50/5
0(重量比)により、希釈し、加熱残分15%(接着性
試験用)及び加熱残分30%(フィルム強度、耐水性試
験用)のクリアエナメルを得た。
【0057】得られたクリアエナメルを用いて、下記の
試験を行った。 1.接着性試験 基材:ポリエステル(PET)フィルム(12μm)、
ポリプロピレン(PP)フィルム(100μm)(10
×100mm) 塗布:固形分6g/m2、アプリケータ塗布 乾燥:80℃、20秒間 接着:上記、ポリエステルクリアエナメルを塗布したフ
ィルムに未塗布フィルムをヒートロールで80℃、5Kg
/cm2の条件で1分間転圧し接着した。 接着性試験方法:引張り試験機((株)島津製作所製オー
トグラフ)を用いて、20℃でT剥離試験(引っ張り速
度50mm/分)を行った。結果は、接着力(N/m)で示
した。
【0058】2.アクリル塗膜接着性試験 基材:アクリル焼付塗膜試験板 [アクリル樹脂(ヒタロイド2400A;日立化成工業
(株)製)/ブチル化メラミン樹脂(メラン21A;日立
化成工業(株)製)=80/20(固形分重量比)からな
る塗料を塗布、焼付硬化] 塗布:アプリケータ塗布(乾燥膜厚25μm) 乾燥:100℃で5時間。ついで150℃で12時間。 試験:上記のクリアエナメルを塗布、乾燥した後、接着
性(JISK5400に示された碁盤目テープ法で、す
きま間隔1mmで試験)を評価した。 <評価基準> ◎;異常なし ○;90/100 以上 △;50/100以上〜90/100未満 ×;50/100 未満
【0059】3.ブロッキング性試験 基材:ポリエステル(PET)フィルム(12μm)
(10×100mm) 塗布:固形分6g/m2、アプリケータ塗布 乾燥:100℃で5時間。ついで150℃で12時間。 試験:上記、ポリエステルクリアエナメルを塗布、乾燥
したフィルムの塗布面同士を合わせ、1Kg/cm2×40℃
の条件で、8時間荷重をかけた後、フィルムを引き剥が
し易さで評価した。 <評価基準> ◎;抵抗なく引き剥がせる。 ○;軽い抵抗あるが、容易に引き剥がせる △;抵抗が強く、接着剤の一部が片方のフィルムに残
る。 ×;抵抗が強く、接着剤の大部分が片方のフィルムに残
る。
【0060】上記による試験結果を表1及び表2に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】本発明により得られる分岐型ポリエステル
樹脂は、実施例1〜6からも明らかなように、PET、
PPへの接着性に優れた上にアクリル樹脂等への接着
性、ブロッキング性に優れる。
【0064】これに対して、比較例1は、ポリエステル
樹脂の分岐成分が少ない場合であるがPET、PP基材
に対する接着力に劣る。比較例2は炭素−炭素二重結合
を有する重合性単量体の変性量が少ない場合であるが、
アクリル塗膜への接着性及び耐ブロッキング性に劣る。
比較例3は逆に、炭素−炭素二重結合を有する重合性単
量体の変性量が多い場合であるが、ポリエステル樹脂に
由来するPETへの接着性等が著しく低下する。比較例
4はポリエステル樹脂の分岐成分が多く炭素−炭素二重
結合を有する重合性単量体の変性量も多い場合である
が、変性前のポリエステル樹脂部分の分子量が低いた
め、変性後の分子量も低くなり、PET、PPへの接着
性に劣る。比較例5は炭素−炭素二重結合を有する重合
性単量体を変性していない場合であるが、PET、PP
への接着性等は良好であるものの、アクリル塗膜への接
着性及び耐ブロッキング性に劣る。比較例6は低分子量
の分岐ポリエステル樹脂を使用した場合であるがPE
T、PPへの接着性などに劣る。
【0065】
【発明の効果】請求項1〜4記載のポリエステル樹脂の
製造法によれば、PET等のポリエステル樹脂基材のみ
ならず、PP等のポリオレフィン基材、アクリル樹脂基
材等への接着性、ブロッキング性にも優れ、加工性、外
観、強度、耐水性等の各物性に優れた塗料、接着剤用材
料を得ることができる。請求項5記載のポリエステル樹
脂によれば、PET等のポリエステル樹脂基材のみなら
ず、PP等のポリオレフィン基材、アクリル樹脂基材等
への接着性、ブロッキング性にも優れ、加工性、外観、
強度、耐水性等の各物性に優れた塗料、接着剤用材料を
得ることができる。
【0066】請求項6記載の塗料によれば、PET等の
ポリエステル樹脂基材のみならず、PP等のポリオレフ
ィン基材、アクリル樹脂基材等への接着性、ブロッキン
グ性にも優れ、加工性、外観、強度、耐水性等の各物性
に優れる。請求項7記載の接着剤によれば、PET等の
ポリエステル樹脂基材のみならず、PP等のポリオレフ
ィン基材、アクリル樹脂基材等への接着性、ブロッキン
グ性にも優れる。
フロントページの続き (72)発明者 大川 昌也 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内 Fターム(参考) 4J027 AB05 AB06 AB08 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 CB04 CB09 CC02 CD08 4J029 AA05 AB04 AC05 AD10 AE11 AE13 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA09 BA10 BB13A CB04A CB05A CB06A CC05A CD03 KD17 KE13 KG02 KG03 KH01 4J038 DD121 DD241 MA14 4J040 ED091 ED161

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量10000以上の直鎖ポリ
    エステル樹脂(A)100重量部を、3価以上の多価カ
    ルボン酸成分、3価以上の多価アルコール成分及び3価
    以上のヒドロキシ酸成分からなる群より選択される少な
    くとも1種の化合物(B)0.02〜10重量部の存在
    下に解重合して得られる水酸基価2.0〜100のポリ
    エステル樹脂(C)100重量部に対し、不飽和二重結
    合を有する無水多塩基酸(D)を開環付加させ(D)成
    分を付加したポリエステル樹脂(E)を得、次いで、こ
    のポリエステル樹脂(E)100重量部の存在下に炭素
    −炭素二重結合を有する重合性単量体成分(F)2〜4
    00重量部を反応させることを特徴とする変性ポリエス
    テル樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 化合物(B)の量が0.02〜6.0重
    量部であることを特徴とする請求項1記載のポリエステ
    ル樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】 化合物(B)中の3価以上のヒドロキシ
    酸成分がジメチロールプロピオン酸である請求項1又は
    2記載のポリエステル樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】 化合物(B)が、ジメチロールプロピオ
    ン酸のみである請求項1又は2記載の変性ポリエステル
    樹脂の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造法
    により得られる変性ポリエステル樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の変性ポリエステル樹脂を
    含有してなる塗料。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の変性ポリエステル樹脂を
    含有してなる接着剤。
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