JP2000159275A - 2重構造即席焼きそば容器 - Google Patents

2重構造即席焼きそば容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱湯を注いで規定の時間経過後、その残湯を切
って食する即席焼きそばの容器において、いかなる場所
でも衛生的で容易に湯切りが可能な即席焼きそば容器の
提供にある。 【解決手段】外側容器10と内側容器20と蓋部材50
とで構成され、前記外側容器10の底部12と内側容器
の底部22の間にに高分子吸水体40を納置し、前記内
側容器の底部22に複数の湯切り用穴もしくはスリット
30を設け、内側容器の底部外面22aに前記湯切り用
穴もしくはスリット30を覆うようにイージーピール性
を有するテープ部材60を貼設してなる2重構造即席焼
きそば容器1としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱湯を注いで後、
その湯を切って食する即席焼きそばの容器に関するもの
であり、さらに詳しくは、衛生的で効率的な湯切り機能
を有する容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カップ麺などのように熱湯を
注いで、規定の時間が経過した後に食する即席食品類が
知られ、その中で、即席焼きそばの場合は、即席カップ
ラーメンや即席カップうどんなどのように注いだ湯を汁
として残すのと異なり、注いだ湯を残湯として容器の蓋
をしっかり抑えながら容器を傾け、容器のフランジ部コ
ーナーあるいは蓋のコーナーの湯切り穴より捨てる所謂
湯切りしてから食するものであり、例えば、残湯の捨て
場のない事務所等では流し場等まで捨てにゆく煩わしさ
があった。また、自販機の傍や野外などの排水設備のな
いところで残湯を捨てることは非常に不衛生的で問題の
あるものであった。
【0003】上記問題点を解消するものとして、例えば
実開平2−105887号公報に開示されている即席食
品用容器は、図5に示すように、蓋部材(50)と、合
成樹脂製の内容器(2)と外容器(3)よりなる容器本
体とより構成され、前記両容器(2、3)の間に高吸水
性物質(5)を介在させ、内容器の底の適宜な位置に突
出部(7)を設けてその体部の回りに肉薄部分(7s)
を形成したもので、この突出部(7)を動かすことによ
って、前記肉薄部分(7s)に亀裂が出来、前記突出部
(7)を取り去ることで、液体すなわち残湯を排出する
貫通孔が設けられ、残湯が高吸水性物質(5)に吸収保
持されるようになっている。
【0004】しかしながら、上記考案の即席食品用容器
では、突出部(7)と適性な厚さの肉薄部分(7s)を
形成する技術が必要であり、特に、肉薄部分(7s)の
厚さのバラツキで突出部(7)が取り去り得なかった
り、不意の力で肉薄部分(7s)が破れたりするという
問題があった。
【0005】また、上記同公報に、図6に示すように、
内容器(2)の周囲の1側部に溝条(8)を設け、該溝
条(8)の底部を内容器(2)の底より低くし、その底
部に貫通孔が容易に作成し得るように肉薄部(9)を形
成したものが事例として開示されていて、前記肉薄部
(9)を例えば尖鋭な突部を有するフォークなどによっ
て突き刺し穴をあける仕組みとなっている。
【0006】しかしながら、上記事例の即席食品用容器
では、適性な厚さの肉薄部(9)を形成する技術を要す
ることと、フォーク等を付帯道具として用意する必要が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、熱湯を注いで規定の時間経過後、その残湯を切
って食する即席焼きそばの容器において、いかなる場所
でも衛生的で容易に湯切りが可能な即席焼きそば容器を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、外側容器
と内側容器とでなる容器本体と、蓋部材とで構成される
2重構造即席焼きそば容器であって、前記外側容器の底
部と内側容器の底部の間に空隙を設け、該空隙に高分子
吸水体を納置し、前記内側容器の底部に複数の湯切り用
穴もしくはスリットを設け、内側容器の底部外面に前記
湯切り用穴もしくはスリットを覆うようにテープ部材を
貼設し、該テープ部材の先端は引出し可能に配設してな
ることを特徴とする2重構造即席焼きそば容器としたも
のである。
【0009】また、請求項2の発明では、前記テープ部
材は、内側容器の底端部近傍から相対するたの他の底端
部近傍まで貼設され、さらに該他の底端部近傍で下方に
折り曲げ反転され前記内側容器の底端部を通り、外部に
引出すように配設され、引き出された部分を引出し用摘
まみ片とすることを特徴とする請求項1記載の2重構造
即席焼きそば容器としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の2重構造即席焼きそば容器は、図1に示す
ように、外側容器(10)と内側容器(20)とでなる
容器本体と、蓋部材(50)とで構成される2重構造即
席焼きそば容器(1)であって、前記外側容器(10)
の底部(12)と内側容器の底部(22)の間に空隙
(70)を設け、該空隙(70)に高分子吸水体(4
0)を納置し、前記内側容器の底部(22)に複数の湯
切り用穴もしくはスリット(30)を設け、内側容器の
底部外面(22a)に前記湯切り用穴もしくはスリット
(30)を覆うようにテープ部材(60)を貼設し、そ
のテープ部材(60)の先端を引出し可能なように配設
してなることを特徴とするものである。
【0011】上記テープ部材(60)を引出し可能にす
るため、例えば図1に示すように、内側容器(20)の
フランジ部(26)に引出し用スリット(32)を設け
ることもできる。
【0012】また、図1に示すように、上記テープ部材
(60)は、フィルム引出し用スリット(32)側にあ
る内側容器の底端部(28)から相対するたの他の底端
部(28b)まで湯切り用穴もしくはスリット(30)
を覆うように貼設され、さらに該他の底端部(28b)
で下方に折り曲げ反転され前記内側容器の底端部(2
8)を通り、内側容器(20)のフランジ部(26)に
設けられたフィルム引出し用スリット(32)を通過す
るように配設され、フィルム引出し用スリット(32)
より先の先端部を引出し用摘まみ片(62)とするもの
である。
【0013】以上のような構成の2重構造即席焼きそば
容器(1)とすることによって、即席焼きそばを食する
にあたり、残湯の湯切りは、図2に示すように、テープ
部材(60)の先端にある引出し用摘まみ片(62)を
摘んでフィルム引出し用スリット(32)より引出す
と、内側容器の底部外面(22a)に貼設されているテ
ープ部材(60)が、図1に示す内側容器の他の底端部
(28b)より剥離されはじめ、内側容器の底端部(2
8)まで剥離されると、内側容器の底部(22)に穿設
された湯切り用穴もしくはスリット(30)より残湯が
空隙(70)に落下し、空隙(70)に納設された高分
子吸水体(40)に吸収されてなされるもので、いかな
る場所でも衛生的でかつ容易に湯切りが可能な2重構造
即席焼きそば容器(1)とすることができる。
【0014】上記のように残湯を吸収した高分子吸水体
(40)は、内容物である焼きそば(80)を保温する
効果もあり、使用後は容器とともに、所定の場所(廃棄
物置場)に衛生的に、安全に廃棄することができる。
【0015】上記内側容器の底部(22)の湯切り用穴
もしくはスリット(30)の部分をそれ以外の底より低
くするとより、より早く確実に湯切りを完了することも
できる。
【0016】また、上記フィルム引出し用スリット(3
2)の位置は、図2に示すように、四角状容器の場合は
フランジ部(26)コーナーでも良く、そのいずれか一
辺に設けてもよく特に限定するものではない。また、図
3に示すように、楕円形状容器の場合は、長手方向の円
周フランジ部に設けると湯切り用穴もしくはスリットの
数を多くできる等のメリットがあり好ましいが、この場
合も特に限定するものではない。
【0017】また、外側容器(10)と内側容器(2
0)の一体化は、図1に示すように、外側容器(10)
のフランジ部(16)と内側容器(20)のフランジ部
(26)を全周にわたって接着してなされるものであ
る。
【0018】本発明の2重構造即席焼きそば容器(1)
を構成る内側容器(20)の材料としては、ポリプロピ
レンやポリスチレンを用いることができ、また、外側容
器(10)の材料としては、断熱を考慮したPSP(汎
用ポリスチレンを脂肪族炭化水素で発泡させたシート)
を用いるもので、両容器(20、10)とも真空成形も
しくは圧空成形法により得ることができる。
【0019】また、テープ部材(60)としては、例え
ば厚さ12μm程度のポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムに、厚さ30μmのCMPS(ポリエチ
レン系のイージーピールフィルム(東セロ社製))をラ
ミネートしたものが好適に用いられ、このCMPS面を
内側容器の底部外面(22a)に貼設するものである
が、特にこれら材料や構成に限定するものではなく、イ
ージーピール性を有するものであればいかなるものでも
使用可能である。
【0020】また、高分子吸水体(40)としては、ポ
リウレタンを発泡させたポリウレタンフォーム、特に軟
質フォームのシートが良好な吸水性を持つことから好ん
で使用できる。また、図4に示すように、不織布製の袋
(72)に上記高分子吸水体(40)を入れたものを使
用することもできる。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、外側容器と内側容器と蓋部
材とで構成される2重構造即席焼きそば容器であって、
前記外側容器の底部と内側容器の底部の間に空隙を設
け、該空隙に高分子吸水体を納置し、前記内側容器の底
部に複数の湯切り用穴もしくはスリットを設け、内側容
器の底部外面に前記湯切り用穴もしくはスリットを覆う
ようにイージーピール性を有するテープ部材を貼設して
なる容器とし、前記テープ部材は、フィルム引出し用ス
リット側にある内側容器の底端部から相対するたの他の
底端部まで湯切り用穴もしくはスリットを覆うように貼
設され、さらに該他の底端部で下方に折り曲げ反転され
前記内側容器の底端部を通り、フィルム引出し用スリッ
トを通過するように配設され、フィルム引出し用スリッ
トより先の先端部を引出し用摘まみ片とすることによっ
て、即席焼きそばを食するにあたり、残湯の湯切りは、
テープ部材の先端にある引出し用摘まみ片を摘んでフィ
ルム引出し用スリットより引出すことにより、テープ部
材を容易に剥離され、湯切り用穴もしくはスリットより
残湯が高分子吸水体に吸収されるので、いかなる場所で
も衛生的で、かつ容易に湯切りが可能な2重構造即席焼
きそば容器とすることができる。
【0022】従って本発明は、即席焼きそばの如き残湯
の湯切りを要する容器として、優れた実用上の効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2重構造即席焼きそば容器の一実施の
形態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の2重構造即席焼きそば容器の一実施の
形態を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の2重構造即席焼きそば容器の他の一実
施の形態を説明する斜視図である。
【図4】本発明の2重構造即席焼きそば容器を構成する
高分子吸水体の一実施の形態を説明する斜視図である。
【図5】従来の即席食品容器の一事例の形態を側断面で
表した説明図である。
【図6】従来の即席食品容器の他の一事例の形態を側断
面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥2重構造即席焼きそば容器(1) 2‥‥内容器 3‥‥外容器 5‥‥高吸収性物質 7‥‥突出部 7s‥‥肉薄部分 8‥‥溝条 9‥‥肉薄部 10‥‥外側容器 12‥‥外側容器の底部 16‥‥外側容器のフランジ部 20‥‥内側容器 22‥‥内側容器の底部 22a‥‥内側容器の底部外面 24‥‥内側容器の側壁部 26‥‥内側容器のフランジ部 28‥‥内側容器の底端部 28b‥‥内側容器の他の底端部 30‥‥湯切り用穴もしくはスリット 32‥‥フィルム引出し用スリット 40‥‥高分子吸水体 50‥‥蓋部材 60‥‥テープ部材 62‥‥引出し用摘まみ片 70‥‥空隙 72‥‥不織布製の袋 80‥‥即席焼きそば
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 久美子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外側容器と内側容器とでなる容器本体と、
    蓋部材とで構成される2重構造即席焼きそば容器であっ
    て、前記外側容器の底部と内側容器の底部の間に空隙を
    設け、該空隙に高分子吸水体を納置し、前記内側容器の
    底部に複数の湯切り用穴もしくはスリットを設け、内側
    容器の底部外面に前記湯切り用穴もしくはスリットを覆
    うようにテープ部材を貼設し、該テープ部材の先端は引
    出し可能に配設してなることを特徴とする2重構造即席
    焼きそば容器。
  2. 【請求項2】前記テープ部材は、内側容器の底端部近傍
    から相対するたの他の底端部近傍まで貼設され、さらに
    該他の底端部近傍で下方に折り曲げ反転され前記内側容
    器の底端部を通り、外部に引出すように配設され、引き
    出された部分を引出し用摘まみ片とすることを特徴とす
    る請求項1記載の2重構造即席焼きそば容器。
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