JP2000157278A - 新規dna分解酵素 - Google Patents

新規dna分解酵素

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JP2000157278A
JP2000157278A JP10333925A JP33392598A JP2000157278A JP 2000157278 A JP2000157278 A JP 2000157278A JP 10333925 A JP10333925 A JP 10333925A JP 33392598 A JP33392598 A JP 33392598A JP 2000157278 A JP2000157278 A JP 2000157278A
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acid sequence
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SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUSHO KK
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNA組換え過程の中間体構造であるホリデ
イ構造DNAに特異的に作用して切断し二組の2本鎖D
NAに解離させるDNA分解活性を有する耐熱性酵素を
提供する。 【解決手段】 本発明の課題は、例えば、1)配列番号
1のアミノ酸配列を有するタンパク質、又は2)配列番
号1のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸
が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する
タンパク質であって、DNA組換え過程の中間体構造で
あるホリデイ構造DNAに特異的に作用して切断し二組
の2本鎖DNAに解離させるDNA分解活性を有するタ
ンパク質によって解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遺伝子操作用試薬と
して有用なDNA分解酵素及び遺伝子工学的手法を用い
た該酵素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子である二本鎖DNAを、塩基配列
特異的に認識して切断するDNA分解酵素として最も頻
繁に用いられているのは制限酵素と呼ばれるもので、一
般に4−8塩基を認識して切断する。制限酵素は、遺伝
子操作実験にとって必須の役割を果たしてきており、日
常の遺伝子操作実験に用いられて、分子医学、分子生物
学、生化学の発展に多大の貢献を果たしてきた。
【0003】制限酵素以外に、二本鎖DNAの塩基配列
を認識して切断する酵素としては、DNA組換え過程に
関わるホーミングエンドヌクレアーゼと呼ばれる一群の
酵素がある。一般に、これらの酵素は20塩基以上もの
長い配列を認識に必要とするが、それぞれの酵素にとっ
て、認識配列は特異的であるから、部位特異的DNA切
断の目的で利用することができる。
【0004】このように、DNAの配列を認識して、切
断する酵素については、これまでに多くの実用例がある
が、DNAの特異的な立体構造を認識して切断する酵素
については、大腸菌のRuvCタンパク質を中心に僅かの研
究例があるのみで、基質特異性などの生化学的性質は、
ある程度明らかになっているものの、実際に実用化され
たものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在までに、ホリディ
構造などの特異的な立体構造を認識して切断する酵素
は、いくつか知られてはいるが、いずれも常温生物由来
のもので、熱安定性や試験管内での切断効率は低い。本
発明の目的は、DNA組換え中間体である、ホリディ構
造DNAを特異的に認識して切断し、二組の二本鎖DN
Aに解離する酵素として、実用的な酵素を開発し、遺伝
子操作用試薬として提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、超好熱性古細菌 ピロコッカス フリオサス(Py
rococcus furiosus) からDNA分解酵素活性を有する
新規タンパク質を発見し、該タンパク質をコードする遺
伝子をクローニングすることに成功した。さらに、この
遺伝子を導入した形質転換体を作製し、該タンパク質を
大量生産することに成功した。
【0007】すなわち本発明は、耐熱性である、DNA
組換え過程の中間体構造であるホリデイ構造DNAに特
異的に作用して切断し二組の2本鎖DNAに解離させる
DNA分解活性を有するタンパク質に関する。該タンパ
ク質は、例えば、図1または図2に示されるような四分
岐のホリディ構造のDNAを認識して、二組の2本鎖D
NAが、分離、生成されるように切断する酵素活性を有
する(図8を参照)。該タンパク質は耐熱性であり、少
なくとも95℃に1時間または90℃に16時間置いて
も上記活性を有している。
【0008】一態様によれば本発明のタンパク質は、
1)配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質、又
は2)配列番号1のアミノ酸配列において1若しくは数
個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸
配列を有するタンパク質である。
【0009】本発明者らは、古細菌より、DNA組換え
過程における中間体であるホリディ構造(十字架構造)
DNAを特異的に認識して切断するリゾルベースの単離
を目指して、人工的に合成したホリディ構造DNAを特
異的に切断し、二組の二本鎖DNAに解離する活性を有
するタンパク質を探索したところ、超好熱性古細菌の一
種である、ピロコッカス フリオサスから目的の性質を
有するタンパク質を発見した。
【0010】そのタンパク質をコードする遺伝子領域を
クローニングし、得られた遺伝子の塩基配列を調べたと
ころ、123個のアミノ酸からなる小さなオープンリー
ディングフレーム(ORF)が見つかった。そこで、該ORF
のみをサブクローニングして、該タンパク質を大腸菌で
産生させた。得られたタンパク質を、電気泳動的に単一
バンドにまで精製した後、詳細に基質特異性を調べたと
ころ、該酵素は、図1または図2のような四分岐 (four
-way junction)のホリディ構造のみを特異的に認識、切
断するという目的の活性を有していた。それ以外の構造
では三分岐(three-way junction) 構造は、極少量の切
断産物がみられることがあるが、一本鎖、二本鎖、ルー
プアウト構造、一塩基ミスマッチなどは切断されなかっ
た。大過剰(10倍等量)の酵素を反応に加えた場合
は、三分岐構造の切断効率は良くなり、また、ループア
ウト構造をも僅かに切断した。
【0011】ホリディ構造の切断様式については、切断
されたDNA鎖が、DNAリガーゼ反応により、再結合
されることより、リン酸ジエステル結合が、5'−リン
酸、3'-OHの形で切断されていることを確認した。
【0012】以上の結果より、該タンパク質を、DNA
立体構造特異的な新規DNA分解酵素と結論し、Pfu-HJ
Cエンドヌクレアーゼと命名した。アミノ酸配列につい
て、データベース検索をした結果、有意な相同性を示
す、機能既知のタンパク質(あるいは、それをコードす
る遺伝子)は登録されていないことがわかった。しか
し、高い相同配列を有するORFが、これまでに全ゲノム
配列が解読されている4種の古細菌(Methanococcus ja
nnaschii, Archaeoglobus fulgidus, Methanobacterium
thermoautotrophicum, Pyrococcus horikoshii)の全
てから発見され、該酵素が、少なくとも古細菌の中では
保存されており、重要な酵素であることが強く示唆され
た。
【0013】本発明はまた、1)配列番号1のアミノ酸
配列を有するタンパク質、又は2)配列番号1のアミノ
酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質で
あって、DNA組換え過程の中間体構造であるホリデイ
構造DNAに特異的に作用して切断し二組の2本鎖DN
Aに解離させるDNA分解活性を有するタンパク質をコ
ードする遺伝子にも関する。該遺伝子は、好ましくは好
熱性細菌に由来するものであり、好ましくは配列番号2
の塩基配列を有する。
【0014】本発明はさらに、配列番号2に記載の遺伝
子とストリンジェントな条件下にハイブリダイズ可能
で、かつDNA組換え過程の中間体構造であるホリデイ
構造DNAに特異的に作用して切断し二組の2本鎖DN
Aに解離させるDNA分解活性を有するタンパク質をコ
ードする遺伝子に関する。ストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズ可能か否かは以下のようにして調べるこ
とができる。先ず、ナイロン膜にハイブリダイズの対象
となるDNAを固定化する。次にこの膜を、6×SS
C、0.01M EDTA、5×Denhardt's溶液、0.5
%SDS、100μg/ml変性サケDNAを含むプレハ
イブリダイゼーション溶液に68℃で2時間浸漬する。
上記組成のプレハイブリダイゼーション溶液に、標識し
た配列番号2に記載の遺伝子または該遺伝子の転写産物
である対応するRNAを加えた溶液(ハイブリダイゼー
ション溶液)を調製する。この溶液に上で得られたナイ
ロン膜を浸漬し、68℃で3〜16時間ハイブリダイズ
させる。その後、2×SSC、0.5%SDSを含む溶
液中に一度浸して洗浄し、さらに2×SSC、0.1%
SDS溶液中で室温で約15分洗浄する。そしてさらに
0.5%または0.1%SDS溶液中で68℃で2時間洗
浄する。その後標識に応じ適宜な手段で検出操作を行
う。
【0015】このような遺伝子の例としては図9に示す
アミノ酸配列をコードするDNAを挙げることができ
る。
【0016】本発明のタンパク質は、周知のDNA組換
え技術(例えばモレキュラー・クローニング・ア・ラボ
ラトリー・マニュアル(Molecular Cloning A Laborato
ry Manual)第2版、第15章(1989)、コールド
スプリングハーバーラボラトリー発行、マニアティス他
著参照)を用いて、以下のような手順で製造することが
できる。 1)配列番号1で表されるアミノ酸配列、または配列番
号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個の
アミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子を調製す
る。アミノ酸を欠失、置換、付加させる技術は当業者に
よく知られている。当該方法の詳細は上記文献に記載さ
れている。 2)該遺伝子を適当なベクターに挿入し、発現ベクター
を作製する。 3)該発現ベクターで宿主細胞を形質転換する。 4)形質転換された宿主細胞を培養する。 5)該培養物から本願発明のタンパク質を単離する。
【0017】本発明のタンパク質をコードする遺伝子を
大腸菌での発現ベクターpET21a(Novagenn社)に組み込
んだプラスミドpPFHJC1を大腸菌BL21(DE3) に導入して
得られた組み換え体は、Escherichia coli BL21(DE3)/p
PFHJC1と命名、表示され、工業技術院生命工学工業技術
研究所に受託番号 FERM P-17029として寄託されてい
る。Pfu‐HJCエンドヌクレアーゼは、超好熱性生物から
単離された、初めてのホリディ構造DNA解離酵素であ
り、単離精製された酵素は熱安定性を示す。高温で反応
を行うことができることの利点として、従来の常温酵素
と比べて、切断効率が良いこと、さらに、基質DNAの
塩基配列に基づく二次構造が、切断効率に及ぼす影響が
少ないということが期待される。
【0018】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 (1)ピロコッカス フリオサス ゲノムDNAの調製 P. furiosus DSM3638は、Deutsche Sammlung von Mikro
organismen und Zelkulturen GmbHより入手し、文献
(ヌクレイック アシッド リサーチ Nucleic Acids R
esearch, 第21巻、259−265ページ)の方法に
従って培養した。500mlの培養液から約1.2gの菌体
を得た。これを緩衝液L(10mM トリス−塩酸(pH
8.0), 1mM EDTA, 100mM NaCl)10mlに懸濁し、
10%SDSを1ml加えた。撹拌の後、プロテイナーゼ
K(20mg/ml)を50ml加えて、55℃で60分静置し
た。その後反応液を順次フェノール抽出、フェノール/
クロロホルム抽出、クロロホルム抽出した後、エタノー
ルを加えてDNAを不溶化した。回収したDNAを1ml
のTE液(10mM トリス−塩酸(pH 8.0), 1mM EDTA)
に溶解し、0.75mgのRNase Aを加えて37℃で60分
反応させた。その後反応液をもう一度フェノール抽出、
フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出した
後、エタノール沈殿によりDNAを回収した。0.75m
gのDNAが得られた。
【0020】(2)コスミドライブラリーの作製 ストラタジーン社製 SuperCos1 Cosmid Vector kitを用
いて、使用説明書に従ってライブラリーを作製した。実
施例(1)で得られたDNAを制限酵素Sau 3AIで部分
分解した時に、30−42キロ塩基対の断片が生じるよ
うに反応条件を決めた。切断後のDNA断片をコスミド
ベクターのBam HI部位に挿入して、組換えコスミドのラ
イブラリーとした。大腸菌を形質転換して得られたコロ
ニーから適当に10数個を選んで、コスミドを回収し、
予想される大きさのDNA断片が挿入されていることを
確認した。
【0021】(3)ライブラリーより粗抽出液の調製 (2)で作製した、組換えコスミドによる形質転換体か
ら、約500個を選んで、それぞれを2mlのLB培地で培
養し、集菌後バッファーA(10mM トリス−塩酸(pH 8.
0), 2mM 2-メルカプトエタノール, 10%グリセロ
ール)500mlに懸濁後、超音波処理により破砕した。
得られた粗抽出液を85℃で10分間熱処理して、大腸
菌由来のタンパク質の大部分を変性させ、遠心分離によ
り上清を集め、耐熱性プロテインライブラリーとした。
【0022】実施例2 (1)ホリディ構造DNAの形成反応 配列表の配列番号4に示すDNAを100pmol用いてポ
リヌクレオチドキナーゼと [γ-32P] ATPで5'末端リン
酸化した後30pmolを同量の配列番号3、5、6に示す
DNAと混合し65℃、30分間の熱処理に続いて15
時間かけて自然冷却で徐々に室温になるまで温度を下げ
て図1に示す中心部が移動する四分岐構造を形成させ
た。対照実験のため、末端標識した配列番号4に示すD
NAを同量の配列番号7に示すDNAと混合し、同様の
方法で二本鎖DNAを形成させた。基質特異性を検討す
るため、末端標識した配列番号4に示すDNAを同量の
配列番号8、9、10に示すDNAと混合して中心部が
移動しない四分岐構造を、配列番号5、11に示すDN
Aと混合して中心部が移動する三分岐構造を、配列番号
9、12に示すDNAと混合して中心部が移動する三分
岐構造を、配列番号13に示すDNAと混合してループ
アウト構造を、配列番号14に示すDNAと混合して一
塩基ミスマッチ、配列番号3あるいは5と混合して半二
本鎖・半一本鎖DNAをそれぞれ形成させた。
【0023】これらの基質の中で切断のみられたものに
ついて、切断位置を決定するために、上記と同様の方法
で、調べる各々の腕が末端で標識された、中心部が移動
する四分岐構造(図1)、中心部が移動しない四分岐構
造(図2)、中心部が移動する三分岐構造(図3)、中
心部が移動しない三分岐構造(図4)、およびループア
ウト構造(図5)をそれぞれ形成させた。また、切断様
式を調べるために、配列番号15に示すDNAを、上記
と同様に末端標識した後に、上記と同様の方法で配列番
号に示すDNA3、6、16と混合し、標識された腕が
短い四分岐構造を形成させた。
【0024】(3)ホリディ構造DNA切断反応 反応溶液として、10mM トリス−塩酸(pH 8.8), 1
0mM MgCl2, 1mM ジチオスレイトール, 200mM KCl,
10nMの中心部が移動する32P標識四分岐構造DNA,
を用意し、この溶液36μl に対してピロコッカス フ
リオサス細胞粗抽出液4μlを加え、56℃で30分間
反応させた後にフェノール/クロロホルムで反応を停止
させた。その上清 20μlに5μlのローディングバッ
ファー[0.025%キシレンシアノール, 0.025%
ブロモフェノールブルー, 40%(w/v)庶糖]を加え、5
μlをTAE バッファー[40mM トリス−酢酸(pH 8.0),
1mM エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム]中で12
%アクリルアミドゲル電気泳動し、アクリルアミドゲル
を乾燥させた後にオートラジオグラフィーを行い切断バ
ンドの有無を検出した。この結果、ピロコッカス フリ
オサス細胞粗抽出液中に四分岐構造DNAを切断する活
性が発見された(図6)。
【0025】(4)耐熱性プロティンライブラリーから
の目的の切断活性のスクリーニング 上記反応溶液36μlに対して耐熱性プロテインライブ
ラリーの各抽出液より0.8μlを5クローンずつ、即ち
4μlを1反応分として加え、56℃で30分間反応さ
せた後にフェノール/クロロホルムで反応を停止させ
た。その上清を上記と同様に電気泳動し、オートラジオ
グラフィーを行い切断バンドの有無を検出した。この結
果、クローンNo.25, 463, 465, 469, 47
3の5区ローンで四分岐構造DNAを切断する活性が発
見された。
【0026】実施例3 (1)目的遺伝子の同定と塩基配列決定 実施例2の(4)で得られたクローン中、No.463か
らコスミドを単離し、コスミド中に存在するBssHIIで分
解した後、EcoRIで部分分解してpUC118 ベクターにサブ
クローンした。得られた各クローンを実施例2の(3)
と同様にホリディ構造DNA切断活性を調べると、約6
kbのEcoRI - EcoRI断片が組み込まれたクローンが切断
活性を示すことが判明した。そこで該EcoRI - EcoRI断
片が pUC118ベクターに組み込まれたものをプラスミド
pFU100と命名した。プラスミド pFU100を用いて挿入D
NAの両端から順次欠損変異体を作製した。作製には K
ilo-Sequence用 Deletion Kit(宝酒造社製)を利用し
た。得られた種々の欠損変異体を鋳型としてDNA Seq
uencing Kit (Perkin Elmer)を用いて挿入断片の塩基配
列を決定した。プラスミド pFU100を用いて制限酵素部
位を利用した欠損変異体を作製した。得られた種々の欠
損変異体を上記と同様にホリディ構造DNA切断活性を
調べ、切断活性に由来するORFを1つに限定した。
【0027】(2)目的遺伝子の多量発現系の構築 実施例3の(1)で得られた得られた塩基配列中でホリ
ディ構造DNA切断活性に由来すると思われるORFの両
端に相当する塩基配列をもとに配列表の配列番号17、
18に示すPCR プライマーを作製し、それぞれフォワー
ドプライマー、リバースプライマー配列の中にNdeI(CAT
ATG)、EcoRV(GATATC)配列を組み入れ、NdeI 配列中のAT
Gを翻訳の開始コドンとして利用できるように調節し
た。PCR法により増幅した遺伝子をpET21a ベクターに組
み込んで四分岐構造DNAを特異的に切断する酵素を産
生するプラスミドを得、該プラスミド中のPCRで増幅さ
れた部分の塩基配列に変化がないことを確認した後、pP
FHJC1と命名した。また、該プラスミドで形質転換され
た大腸菌 BL21(DE3)を Escherichia coli BL21(DE3)/pP
FHJC1と命名した。
【0028】(3)目的酵素タンパク質の製造と精製 実施例3の(2)で得られたEscherichia coli BL21(DE
3)/pFHJC1をアンピシリンが100μg/mlの濃度で存在
するLB培地 [トリプトン10g/リットル、酵母エキス
5g/リットル、NaCl 5g/リットル、pH 7.2] 50
0mlで培養した。培養液の濁度が0.7 A600に達した
時、誘導物質であるイソプロピル−β−D−チオガラク
トシド (IPTG)を添加し、さらに3時間培養を行った。
集菌後、菌体を30mlのバッファーA に1mM フェニル
メチルスルホニルフルオリド(PMSF)を加えたものに懸濁
し、超音波破砕機にかけた。16,000rpm、20分間
の遠心分離により粗抽出液を上清として回収し、これに
80%飽和になるように硫酸アンモニウムを加えた。1
6,000rpm、20分間の遠心分離により得られた沈殿
を30mlのバッファーAに溶解し、再び80%飽和にな
るように硫酸アンモニウムを加えた。16,000rpm、
20分間の遠心分離により得られた沈殿を10mlのバッ
ファーAに溶解し、2リットルのバッファーAにて透析し
た。透析後の溶液を80℃で、15分間の熱処理をし、
16,000rpm、20分間の遠心分離により上清を回収
した。この溶液10mlをバッファーAで平衡化したHiTra
p Q カラム(ファルマシア社製)に供し、FPLC システ
ム(ファルマシア社製)を用いてクロマトグラフィーを
行った。展開は0M→1MのNaCl直線濃度勾配により行っ
た。目的の活性は0.5-0.8M NaClのところで溶出さ
れた。活性のある画分10mlを集め、2リットルのバッ
ファーB[10mM リン酸カリウム(pH6.8)、7mM 2−
メルカプトエタノール、0.05mM KCl、10%グリセ
ロール]で透析し、バッファーBで平衡化したCHT-II カ
ラム(バイオ-ラッド社製)に供した。FPLC システムを
用いて0.01M → 1Mのリン酸直線濃度勾配により展
開した結果、目的の活性は0.6−0.8M リン酸のとこ
ろに溶出された。この画分を2リットルのバッファーA
で透析した後、精製標品とし、Pfu-HJC エンドヌクレア
ーゼと命名した。500mlの培養液から、約1mgの酵素
が得られた。
【0029】実施例4 (1)基質特異性 本発明の、Pfu-HJC エンドヌクレアーゼのDNA切断に
おける基質特異性を調べるために、実施例2の(1)で
作製した中心部が移動する四分岐構造、中心部が移動し
ない四分岐構造、中心部が移動する三分岐構造、中心部
が移動しない三分岐構造、ループアウト構造、一塩基ミ
スマッチ、半二本鎖・半一本鎖DNAを基質DNAとし
て用いた。実施例2の(3)で用いた反応溶液に、アニ
ール後の基質DNAを 10nM 、実施例3の(3)で得
られたPfu-HJC エンドヌクレアーゼを10nMになるよう
に加え、実施例2の(3)と同様に反応を行った。反応
を停止させた後の溶液8μlに6μlのシークエンス用ロ
ーディングバッファー[98%ホルムアミド, 10mM エ
チレンジアミン四酢酸三ナトリウム, 0.025%キシレンシアノー
ル, 0.025%ブロモフェノールブルー] を加えて95
℃で2分間熱処理した後に2.5μlを8M 尿素を含む変
成ポリアクリルアミドゲルで電気泳動をした。アクリル
アミドゲルを乾燥させた後にオートラジオグラフィーを
行い切断バンドの有無を検出した。その結果、中心部が
移動する四分岐構造、中心部が移動しない四分岐構造に
ついて強い基質特異性がみられ、中心部が移動する三分
岐構造、中心部が移動しない三分岐構造も僅かに切断さ
れることがわかった(図7)。ループアウト構造につい
ても、さらに効率は落ちるものの、切断されていること
が確認された。
【0030】(2)切断位置の決定 本発明の HJC エンドヌクレアーゼの基質DNA内の切
断部位を調べるために、実施例2の(1)で作製した各
々の腕が末端標識された中心部が移動する四分岐構造、
中心部が移動しない四分岐構造、中心部が移動する三分
岐構造、中心部が移動しない三分岐構造、ループアウト
構造を基質DNAとして用いて、実施例4の(1)と同
様に反応、検出した。マーカーとして、同じ末端標識プ
ライマーからマキサムーギルバート法によりGAラダーを
作製し、隣のレーンで電気泳動を行って両者のバンドサ
イズを比較し、切断部位を決定した。その結果は、図1
〜5中の矢印で示したように、各基質について、複数の
位置で切断が観察されるが、主として(90%以上)切
断される一対の位置が決定された。
【0031】(3)切断様式の決定 本発明のPfu-HJC エンドヌクレアーゼの切断様式を決定
するために、実施例2の(1)で作製した標識された腕
が短い四分岐構造を基質DNAとして用いて、実施例4
の(1)と同様に反応を行った。反応停止後、エタノー
ル沈殿によりDNAを回収し、回収したDNAを用いて
T4 DNAリガーゼによるライゲーション反応を行っ
た。反応終了後、実施例4の(1)と同様にバンドを検
出した。マーカーとして、70merと59merの末端標識
プライマーを隣のレーンで電気泳動を行って両者のバン
ドサイズを比較し、ライゲーション反応によって切断部
位が結合されるか(70merのバンドが生じるか)を確
認した。その結果は図8に示すように、Pfu-HJCエンド
ヌクレアーゼによって切断されたDNA鎖がDNAリガ
ーゼによって再結合されて生じる70merの位置にバン
ドが確認された。
【0032】実施例5 (1)アミノ酸配列の相同性の検索 Pfu-HJCの構造について、実施例3の(1)で得られたO
RFをコードするDNAの塩基配列から予想されるアミノ
酸配列について、インターネット上のNationalCenter f
or Biotechnology Informationのホームページで利用で
きるBRAST 検索を使用して、有意な相同性を示すタンパ
ク質を公知のDNA、タンパク質データベース上から検
索した。その結果、図9に示すように、全ゲノム配列が
解読されている4種類の古細菌について、相同性のある
配列をコードしうる遺伝子が発見された。これらは機能
未知として登録されておりそれら以外には機能既知、未
知にかかわらず高い相同性を示す配列のタンパク質また
はオープンリーディングはデータベース上に存在しなか
った。すなわち、該発明のPfu‐HJCエンドヌクレアーゼ
と類似した配列を有するタンパク質についてこれまでの
知見は何もない。
【0033】実施例6 (1)耐熱性 本発明のPfu‐HJCエンドヌクレアーゼの耐熱性を決定す
るために、実施例3の(3)で得られたPfu‐HJCエンド
ヌクレアーゼを80℃、90℃、95℃で10、30、
60分間の熱処理を行った。90℃で一晩(約16時
間)の熱処理も試みた。熱処理後のPfu‐HJCエンドヌク
レアーゼを10nMになるように加え、実施例2の(3)
と同様に反応、電気泳動を行い、切断バンドを検出した
(図10)。この結果、Pfu‐HJCエンドヌクレアーゼは
95℃で60分間、あるいは90℃で約16時間の熱処
理を行っても四分岐構造DNAを切断する活性を保持し
ていることが発見された。
【0034】
【配列表】 Sequence Listing <110> Biomolecular Engineering Research Institute <120> New DNA decomposition enzyme <130> 163281 <160> 18
【0035】 <210> 1 <211> 123 <212> PRT <213> Pyrococcus furiosus <400> Met Tyr Arg Lys Gly Ala Gln Ala Glu Arg Glu Leu Ile Lys Leu 1 5 10 15 Leu Glu Lys His Gly Phe Ala Val Val Arg Ser Ala Gly Ser Lys 20 25 30 Lys Val Asp Leu Val Ala Gly Asn Gly Lys Lys Tyr Leu Cys Ile 35 40 45 Glu Val Lys Val Thr Lys Lys Asp His Leu Tyr Val Gly Lys Arg 50 55 60 Asp Met Gly Arg Leu Ile Glu Phe Ser Arg Arg Phe Gly Gly Ile 65 70 75 Pro Val Leu Ala Val Lys Phe Leu Asn Val Gly Trp Arg Phe Ile 80 85 90 Glu Val Ser Pro Lys Ile Glu Lys Phe Val Phe Thr Pro Ser Ser 95 100 105 Gly Val Ser Leu Glu Val Leu Leu Gly Ile Gln Lys Thr Leu Glu 110 115 120 Gly Lys Ser 123
【0036】 <210> 2 <211> 369 <212> DNA <213> Pyrococcus furiosus <400> atg tat aga aaa ggg gcc cag gca gag aga gaa ttg att aag ctc 45 Met Tyr Arg Lys Gly Ala Gln Ala Glu Arg Glu Leu Ile Lys Leu 1 5 10 15 ttg gaa aag cat gga ttt gct gtg gtg agg tcg gca ggg agc aag 90 Leu Glu Lys His Gly Phe Ala Val Val Arg Ser Ala Gly Ser Lys 20 25 30 aaa gtt gac tta gtt gca ggt aat gga aag aag tat ttg tgc ata 135 Lys Val Asp Leu Val Ala Gly Asn Gly Lys Lys Tyr Leu Cys Ile 35 40 45 gaa gtt aag gtt aca aag aaa gat cat ttg tac gtg gga aag aga 180 Glu Val Lys Val Thr Lys Lys Asp His Leu Tyr Val Gly Lys Arg 50 55 60 gac atg ggc aga tta ata gaa ttt tca aga agg ttt gga ggg atc 225 Asp Met Gly Arg Leu Ile Glu Phe Ser Arg Arg Phe Gly Gly Ile 65 70 75 cca gtg ttg gct gtg aag ttc tta aat gtt ggg tgg agg ttt att 270 Pro Val Leu Ala Val Lys Phe Leu Asn Val Gly Trp Arg Phe Ile 80 85 90 gag gta agc cca aaa att gag aag ttt gtc ttc acg cct tct agc 315 Glu Val Ser Pro Lys Ile Glu Lys Phe Val Phe Thr Pro Ser Ser 95 100 105 gga gta tct ctt gag gta ttg ttg gga ata caa aaa acg ttg gag 360 Gly Val Ser Leu Glu Val Leu Leu Gly Ile Gln Lys Thr Leu Glu 110 115 120 ggg aaa tca 369 Gly Lys Ser 123
【0037】 <210> 3 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> cctgcaggat ggtaggacgg cctcgcaatc ccgattgacc gagcacgcga gatgtcaacg 60 atcgaattgc 70
【0038】 <210> 4 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gcaattcgat cgttgacatc tcgcgtgctc ggtcaatcgg cagatgcgga gtgaagttcc 60 aacgttcggc 70
【0039】 <210> 5 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gccgaacgtt ggaacttcac tccgcatctg ccgattgacc gagtggcgtg tttctggtgg 60 ttcctaggtc 70
【0040】 <210> 6 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gacctaggaa ccaccagaaa cacgccactc ggtcaatcgg gattgcgagg ccgtcctacc 60 atcctgcagg 70
【0041】 <210> 7 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gccgaacgtt ggaacttcac tccgcatctg ccgattgacc gagcacgcga gatgtcaacg 60 atcgaattgc 70
【0042】 <210> 8 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> cctgcaggat ggtaggacgg cctcgcaatc ggcttcgacc gagcacgcga gatgtcaacg 60 atcgaattgc 70
【0043】 <210> 9 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gccgaacgtt ggaacttcac tccgcatctg ccgattctgg ctgtggcgtg tttctggtgg 60 ttcctaggtc 70
【0044】 <210> 10 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gacctaggaa ccaccagaaa cacgccacag ccaggaagcc gattgcgagg ccgtcctacc 60 atcctgcagg 70
【0045】 <210> 11 <211> 68 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gacctaggaa ccaccagaaa cacgccactc ggtcgaccga gcacgcgaga tgtcaacgat 60 cgaattgc 68
【0046】 <210> 12 <211> 68 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gacctaggaa ccaccagaaa cacgccacag cca
ggaccga gcacgcgaga tgtcaacgat 60 cgaattgc
68
【0047】 <210> 13 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gccgaacgtt ggaacttcac tccgcatctg gag
cacgcga gatgtcaacg atcgaattgc 60
【0048】 <210> 14 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gccgaacgtt ggaacttcac tccgcatctg ccgatggacc gagcacgcga gatgtcaacg 60 atcgaattgc 70
【0049】 <210> 15 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gcaattcgat cgttgacatc tcgcgtgctc ggtcaatcgg cagatgcgga gtgaagttc 59
【0050】 <210> 16 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> gaacttcact ccgcatctgc cgattgaccg agt
ggcgtgt ttctggtggt tcctaggtc 59
【0051】 <210> 17 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> cgtcgcacga gcatatgtat agaaaagggg ccc
33
【0052】 <210> 18 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> cgcacgagga tatcttatca tgatttcccc tcc
aac 36
【図面の簡単な説明】
【図1】 Pfu−HJCエンドヌクレアーゼのスクリ
ーニングに用いた、中心部が移動する人工ホリディ構造
DNA。図中の枠内は分岐点の移動可能な配列を示す。
矢印で示した位置は、実施例4の(2)で示した、切断
点を示し、矢印の大きさは切断の度合いを表す。
【図2】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼのスクリーニン
グに用いた、中心部が移動しない人工ホリディ構造DN
A。図中の矢印で示した位置は、実施例4の(2)で示
した、切断点を示し、矢印の大きさは切断の度合いを表
す。
【図3】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼの基質特異性を
調べるために調製した、中心部が移動する三分岐DN
A。図中の枠内は分岐点の移動可能な配列を示す。矢印
で示した位置は、実施例4の(2)で示した、各基質の
切断点を示し、矢印の大きさは切断の度合いを表す。
【図4】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼの基質特異性を
調べるために調製した、中心部が移動しない三分岐DN
A。図中の矢印で示した位置は、実施例4の(2)で示
した、各基質の切断点を示し、矢印の大きさは切断の度
合いを表す。
【図5】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼの基質特異性を
調べるために調製した、ループアウト構造をとるDN
A。図中の矢印で示した位置は、実施例4の(2)で示
した、各基質の切断点を示し、矢印の大きさは切断の度
合いを表す。
【図6】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼ活性の検出。図
1および図2に示した、二種類の人工ホリディ構造DN
A(放射性標識したもの)を用いて切断反応を行った
後、反応物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より分離し、オートラジオグラフィーにより検出した。
Pfu: ピロポッカス フリオサス細胞抽出液、RuvC: 大
腸菌RuvC蛋白質(ホリディ構造切断酵素活性を有するこ
とが知られている)。対照として、通常の二本鎖DNA
(70鎖長)を基質とした場合の反応を調べた。
【図7】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼの基質特異性を
調べた例。図中に模式的に示した、各種構造をとるDN
Aを基質として、 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼによる切
断反応を行い、反応物を、8M尿素を含む変性ポリアク
リルアミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグ
ラフィーにより検出した。マーカーと対比することによ
り、切断位置をも決定した。
【図8】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼによる切断様式
の解析。左図に示したように、鎖長の異なるDNAを組
合わせて調製したホリディ構造を基質にして、 Pfu-HJC
エンドヌクレアーゼ反応を行った後、その産物にDNA
リガーゼを加えて、切断点での結合が見られることを確
かめた。反応物を、8M尿素を含む変性ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグラフィ
ーにより検出した。左図のように切断点での再結合がお
こると、70鎖長のDNAが生成されることになるが、
実際DNAリガーゼ反応によって70鎖長のバンドが確
認された。
【図9】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼのアミノ酸配列
と相同性を有する古細菌由来の遺伝子産物。ピロコッカ
ス フリオサス以外に、4種類の古細菌で相同性を有す
るオープンリーディングフレームがみつかった。Pfu:
ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、Ph
o: ピロコッカス ホリコシイ(Pyrococcus horikoshi
i)、Mja:メタノコッカス ジャナシイ(Methanococcus j
annaschii)、Afu: アーキオグロバス フルギダス(Arch
aeoglobus fulgidus)、Mth: メタノバクテリウム サー
モオートトロフィカム(Methanobacterium thermoautotr
ophicum)。5種全てで保存されている位置のうち、同一
アミノ酸を星印で、同族アミノ酸を2点で、さらに3種
以上で保存されている位置を1点で表している。
【図10】 Pfu-HJCエンドヌクレアーゼの耐熱性の解
析。図中の温度と時間で熱処理をしたPfu-HJCエンドヌ
クレアーゼを図1に示した人工ホリディ構造DNA(放
射性標識したもの)を用いて切断反応を行った後、反応
物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離
し、オートラジオグラフィーにより検出した。(バッフ
ァー:バッファーA、未処理:熱処理を行っていないPf
u-HJCエンドヌクレアーゼ)
【手続補正書】
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成11年10月22日
【旧寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所
【旧受託番号】 FERM P−17029
【新寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所
【新受託番号】 FERM BP− 6915

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性である、DNA組換え過程の中間
    体構造であるホリディ機造DNAに特異的に作用して切
    断し二組の2本鎖DNAに解離させるDNA分解活性を
    有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 少なくとも95℃に1時間または90℃
    に16時間おいても活性を有する請求項1のタンパク
    質。
  3. 【請求項3】 1)配列番号1のアミノ酸配列を有する
    タンパク質、又は2)配列番号1のアミノ酸配列におい
    て1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加
    されたアミノ酸配列を有する、請求項1又は2に記載の
    タンパク質。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のタン
    パク質をコードする遺伝子。
  5. 【請求項5】 遺伝子が好熱性細菌に由来する請求項4
    に記載の遺伝子。
  6. 【請求項6】 配列番号2の塩基配列を有する請求項4
    又は5に記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の遺伝子とストリンジェ
    ントな条件下にハイブリダイズ可能な遺伝子。
  8. 【請求項8】 DNA組換え過程の中間体構造であるホ
    リディ構造DNAに特異的に作用して切断し二組の2本
    鎖DNAに解離させるDNA分解活性を有するタンパク
    質をコードする請求項7に記載の遺伝子。
  9. 【請求項9】 請求項1から3のいずれかに記載のタン
    パク質の製造方法であって、 1)請求項4から8のいずれかに記載の遺伝子を調製
    し、 2)該遺伝子をベクターに挿入して発現ベクターを作製
    し、 3)該ベクターで宿主細胞を形質転換し、 4)該形質転換体を培養し、 5)該培養物から請求項1から3のいずれかに記載のタ
    ンパク質を単離する、ことを含んでなる方法。
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