JP2002315588A - 新規dnaポリメラーゼ補助因子 - Google Patents

新規dnaポリメラーゼ補助因子

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JP2002315588A
JP2002315588A JP2001337530A JP2001337530A JP2002315588A JP 2002315588 A JP2002315588 A JP 2002315588A JP 2001337530 A JP2001337530 A JP 2001337530A JP 2001337530 A JP2001337530 A JP 2001337530A JP 2002315588 A JP2002315588 A JP 2002315588A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 遺伝子操作用試薬として有用な、DNAポリ
メラーゼ合成活性を促進し、ポージング現象を起さない
タンパク質因子を提供する。 【解決手段】 好熱性古細菌に属するアエロピルム ペ
ルニクスに由来し、熱安定性があり、DNAポリメラー
ゼのDNA合成活性を促進する活性を有すると共に、D
NA鎖の伸張反応におけるポージング現象を防止する活
性をも有する、特定のアミノ酸配列からなる新規タンパ
ク質を発見し、その遺伝子のクローニングに成功した。 【効果】DNA鎖合成反応の際、当該タンパク質を補助
因子として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遺伝子操作用試薬と
して有用な、DNA 合成酵素のDNA鎖合成活性を促進する
補助因子、及びそのタンパク質をコードする遺伝子に関
する。
【0002】
【従来の技術】鋳型DNAの塩基配列に従って、その相補
的な配列を有するDNA鎖を合成することができるDNAポリ
メラーゼは、PCR(ポリメラーゼ チェイン リアクシ
ョン)、DNA の塩基配列決定、部位特異的変異導入法な
どをはじめとする、遺伝子操作実験に必要不可欠の試薬
として、日常的に利用されている。分子医学、分子生物
学、生化学の発展のために果たしてきたこの酵素の貢献
度は、計り知れないものがある。DNAポリメラーゼと称
されるこの酵素について詳細にみると、各酵素によって
生化学的性質は異なり、現在までに多くの種類のDNAポ
リメラーゼが商品として市場に出回っている。
【0003】それぞれの酵素は、熱安定性や、合成鎖伸
長能、ミス合成の校正能、鋳型DNAの好みなどの性質が
異なり、実験目的によって使い分けられている。しかし
ながら、これらの酵素で、全ての実験目的が十分に満足
に達成されることはなく、さらに、各目的に、より優れ
た新規DNA ポリメラーゼの開発が期待されている。例え
ば、DNAポリメラーゼが伸長反応を行う際に、鋳型とな
るDNA鎖の配列条件などによって特定の配列領域で反応
が停止してしまうポージング現象というものがある(Bi
ochemistry、第34巻、第5003−5010ページ、
1995年、Molecular and Cellular Biology、第17
巻、第6367−6378ページ、1997年)。これ
が起ると必要な長さの伸長DNAが得られず、かつ不十分
な長さのDNAが蓄積され基質等が空費されてしまう。ポ
ージング現象が起る原因としては、鋳型DNA の特定の配
列、鋳型DNAとDNAポリメラーゼとの組合わせによると考
えられるが、今のところポージングを起さないような予
防手段として適当な方法はない。この解決法の一つとし
て、できるだけポージングを起しにくいDNA合成系の開
発が考えられる。より優れたDNA合成技術の発明のため
には、より優れたDNAポリメラーゼを探索する方法と共
に、既存の酵素の合成活性を促進するような新規な補助
因子を見つけだす方法も考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、DNA
ポリメラーゼのDNA合成活性を促進する新規なタンパク
質因子を特定し、新たな生化学的性質を有する新規DNA
ポリメラーゼ複合体を遺伝子操作用試薬として提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、超好熱性古細菌アエロピルム ペルニクス(Aero
pyrum pernix) から新規DNAポリメラーゼ補助活性を発
見し、該タンパク質をコードする遺伝子をクローニング
することに成功した。従って本発明は、熱安定性であ
り、DNAポリメラーゼのDNA合成活性を促進する活
性を有し、DNA鎖の伸長反応におけるポージング現象
を防止するタンパク質に関する。本発明のタンパク質
は、DNAの合成反応においてDNAポリメラーゼと共
に用いてその活性を促進させるDNAポリメラーゼの補
助因子である。「ポージング現象」とはDNAポリメラー
ゼがDNA鎖の伸長反応を行う際に、鋳型となるDNA鎖
の全領域が複製されず、特定の配列領域で伸長反応が停
止する現象を言う。本明細書で用いる「熱安定性」とは
50℃においても上記の活性を保持することを言う。
【0006】好ましい態様においては、本発明のタンパ
ク質は、配列番号1、2、3若しくは4に示されるアミ
ノ酸配列、又は配列番号1、2、3若しくは4に示され
るアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、
置換、若しくは付加されたアミノ酸配列を含む。
【0007】本発明はまたこれらのタンパク質をコード
する遺伝子にも関する。本発明は更に、これらの遺伝子
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能で、
DNAポリメラーゼのDNA合成活性を促進させるタン
パク質をコードする遺伝子にも関する。
【0008】ストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズ可能か否かは以下のようにして調べることができる。
先ず、ナイロン膜にハイブリダイズの対象となるDNA
を固定化する。次にこの膜を、6×SSC、0.01M
EDTA、5×Denhardt's溶液、0.5%SDS、10
0μg/ml変性サケDNAを含むプレハイブリダイゼー
ション溶液に68℃で2時間浸漬する。上記組成のプレ
ハイブリダイゼーション溶液に、標識した配列番号1、
2、3又は4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質を
コードする遺伝子または該遺伝子の転写産物である対応
するRNAを加えた溶液(ハイブリダイゼーション溶
液)を調製する。この溶液に上で得られたナイロン膜を
浸漬し、68℃で3〜16時間ハイブリダイズさせる。
その後、2×SSC、0.5%SDSを含む溶液中に一
度浸して洗浄し、さらに2×SSC、0.1%SDS溶
液中で室温で約15分洗浄する。そしてさらに0.5%
または0.1%SDS溶液中で68℃で2時間洗浄す
る。その後標識に応じ適宜な手段で検出操作を行う。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
らは、遺伝子工学用試薬として優れた性質を有するDNA
合成酵素の開発を目指し、特に熱安定性を期待して、超
好熱性古細菌をスクリーニングしてきた。超好熱性好気
性古細菌として単離同定された、アエロピルム ペルニ
クス(Aeropyrum pernix)細胞抽出液を陰イオン交換カ
ラムクロマトグラフィーにかけて分画し、DNA鎖合成活
性を測定したところ、2つの活性画分が検出された。さ
らに、これらのDNAポリメラーゼ活性に対応する蛋白質
をコードする遺伝子を同定すべく、Aeropyrum pernixの
ゲノムDNAから、目的の遺伝子をクローニングすること
を試みた。その結果2種類のDNA ポリメラーゼ遺伝子を
クローニングすることに成功した。その塩基配列から推
定されるアミノ酸配列は、どちらもファミリーBのDNAポ
リメラーゼらしく、いくつかの特異的なモチーフがよく
保存されていた。 これらをそれぞれDNAポリメラーゼI
(Pol-1)、DNAポリメラーゼII(Pol-2)と名付け、大
腸菌を宿主として産生させる組換え系を構築し、新規 D
NA 合成酵素として特許出願した(特願平11−956
号)。
【0010】本発明者らは、さらにこれらのDNA ポリメ
ラーゼのDNA 鎖合成活性を促進する補助因子を探索した
結果、Aeropyrum pernixゲノムDNAの中に、真核生物の
増殖細胞核抗原(Proliferating Cell Nuclear Antige
n: PCNA)に類似した配列をコードする遺伝子が3種存
在することを発見し、それらをそれぞれ独立にクローニ
ングして、大腸菌での発現ベクターに挿入して組換えタ
ンパク質として産生させた。得られたタンパク質を精製
し、それぞれApePCNA-1(配列番号1)、ApePCNA-2(配
列番号2)、ApePCNA-3(配列番号3)、 ApePCNA-2L
(配列番号4)と名付けて、生化学的性質解析を行っ
た。ApePCNA-2Lは、ApePCNA-2をアミノ末端側に16ア
ミノ酸延長したものである。ApePCNA-1、ApePCNA-2、Ap
ePCNA-3、ApePCNA-2Lは全て、Aeropyrum pernix由来のP
ol-1、Pol-2双方に対してDNA 合成活性の促進活性を有
することが分かった。これら4種のPCNAの中でも、特にP
CNA-3及びApePCNA-2LはDNAポリメラーゼのDNA合成活性
に対する促進効果が大きく、PCNAを用いない反応系と比
較して、Pol-1で約4〜8倍および約6倍、Pol-2では約
40〜200倍及び約40倍の促進活性をそれぞれ示すこと
がわかった。またPCNA-1およびPCNA-2に関しても同様の
DNA合成活性に対する効果を測定したところ、Pol-1で約
2〜3倍、Pol-2では約5〜30倍の促進活性が見られ
た。またPCNA−3とPCNA-2Lを同時に使用することによっ
てもDNAポリメラーゼの合成活性に対し、さらに強力な
促進効果が見られ、PCNAを用いない場合に比べPol-1で
約8倍、Pol-2では約110倍の促進活性があった。こ
の促進活性はPCNA−3あるいはPCNA-2Lを単独で使用した
時に比べPol-1で約2倍及び約1.5倍、Pol-2の場合に
は約3倍及び約4倍の促進活性の増強がそれぞれ見られ
た(表2)。
【0011】加えて、本PCNAを使用することにより、従
来のDNAポリメラーゼとPCNAの組み合わせでよく見られ
るポージング現象を回避できるという利点があることも
見出した。通常DNAポリメラーゼとPCNAを組み合わせる
と、DNAあるいはRNAの複製は少なくとも2,000〜3,
000ヌクレオチドの長さ、若しくはそれ以上の長さの
鋳型DNAまで途切れずに複製されるが、ポージングが生
じるとDNAあるいはRNAの複製は鋳型DNAの最後まで到達
することなく停止してしまう。本発明者らは、PCR反応
などによく使用されるPyrococcus furiosus由来のDNAポ
リメラーゼおよびPCNAを使用した場合にポージングがは
っきりと見られる、すなわち約700ヌクレオチドの長
さで複製が停止する、鋳型DNA(全長約7,000ヌクレ
オチド)を用いて実験を行い、本発明のAeropyrum pern
ix 由来のDNAポリメラーゼとApePCNAを使用した場合に
はこのような現象は起こらず、最長では7,000ヌク
レオチドの長さのDNAの複製が得られ、スムーズなポ
リメラーゼ反応の実現が可能となることを発見し、本発
明に至った。
【0012】本発明のタンパク質ApePCNA-1、ApePCNA-
2、ApePCNA-3 又はApePCNA-2Lは、次の組換えDNA法
により製造することができる。 1)タンパク質ApePCNA-1(配列番号1)、ApePCNA-2
(配列番号2)、ApePCNA-3(配列番号3)又は ApePCN
A-2L(配列番号4)をコードする核酸配列を調製し、 2)該核酸配列を発現ベクターに挿入し、 3)該ベクターで宿主細胞を形質転換し、 4)該形質転換体を培養し、 5)該培養物から所望のタンパク質を単離する。
【0013】本発明は、本発明による核酸分子を有する
ベクター、特にプラスミド、コスミド、ウイルス、バク
テリオファージ、及び遺伝子操作で従来用いられる他の
ベクターにも関する。当業者に周知の方法を用いて様々
なプラスミド及びベクターを構築することができる。例
えば、 Sambrook, Molecular Cloning A LaboratoryMan
ual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989) N.Y. 及
び Ausubel, CurrentProtocols in Molecular Biology,
Green Publishing Associates and Wiley Interscienc
e, N.Y. (1989), (1994) に記載の技術を参照。本発明
に従い好ましく用いられるプラスミド及びベクターには
当業者に周知のものが含まれる。或いは、本発明の遺伝
子及びベクターを標的細胞に運搬するリポソーム中へ再
構築することができる。
【0014】好ましい態様では、ベクター中に存在する
核酸分子を原核又は真核細胞中で遺伝子を発現させるこ
とができるコントロール配列に作動可能に結合させる。
「コントロール配列」という用語は、それらが結合する
コード配列を発現させるに必要な制御DNA配列を言
う。そのようなコントロール配列の性質は、宿主生物に
より異なる。原核生物では、コントロール配列は一般に
プロモーター、リボソーム結合部位及びターミネーター
を含む。真核生物ではコントロール配列は一般にプロモ
ーター、ターミネーター及びある場合にはトランスアク
チベーター又は転写因子を含む。「コントロール配列」
という用語は最小でもその存在が発現に必要であるすべ
ての成分を含むことを意図し、更なる有用な成分をも含
んでもよい。「作動可能に結合した」という用語は、該
成分がそれらの意図される方法で作用することを可能に
する関係にある位置を言う。コード配列に「作動可能に
結合した」コントロール配列は、コード配列の発現がコ
ントロール配列と適合する条件下で達成されるような方
法で結合される。コントロール配列がプロモーターであ
る場合には、2本鎖核酸が好ましく用いられることは当
業者に自明である。
【0015】従って本発明のベクターは好ましくは発現
ベクターである。「発現ベクター」は、選択した宿主細
胞を形質転換し、選択した宿主細胞中でコード配列を発
現させるため用いることができる構築物である。発現ベ
クターは例えばクローニング、バイナリーベクター又は
インテグレイティングベクターであり得る。発現は好ま
しくは翻訳可能なmRNAへの核酸分子の転写を含む。原
核及び/又は真核細胞中での発現を確実にする調節要素
は当業者に周知である。真核細胞の場合、それらは通常
転写の開始を確実にするプロモーター、及び場合により
転写の終了及び転写物の安定化を保証するポリAシグナ
ルを通常含む。一般的に用いられるプロモーターは、ポ
リユビキチンプロモーター、及びアクチンプロモーター
である。更なる調節要素は転写エンハンサーを含みう
る。原核宿主細胞での発現を可能にする可能な調節要素
は、例えばEscherichia coliにおけるPL、lac、t
rp又はtacプロモーターであり、真核宿主細胞での
発現を可能にする調節要素の例は、酵母におけるAOX
1又はGAL1プロモーター、哺乳動物及び他の動物細
胞におけるCMV−、SV40−,RSV−プロモータ
ー(ラウス肉腫ウイルス)、CMVエンハンサー、SV
40エンハサー又はグロビンイントロンである。Okayam
a-Bergの発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pCD
M8、pRc/CMV、pcDNA1,pcDNA3
(In-vitorogen)、pSPORT1(GIBCO BRL)等の
適当な発現ベクターが当業者に知られている。該タンパ
ク質を発現させるのに用い得る別の発現システムは昆虫
システムである。そのようなシステムの1つにおいて、
Autographa california 核ポリヘドロシスウイルス(Ac
NPV)をベクターとして用いて Spodoptera frugiperda
細胞又は Trichoplusia larvae中で外来遺伝子を発現さ
せる。本発明の遺伝子のコード配列をポリヘドリン遺伝
子等のウイルスの非必須領域にクローニングし、ポリヘ
ドリンプロモーターの調節下に置いてもよい。該コード
配列を首尾よく挿入すると、ポリヘドリン遺伝子が非活
性になり、コートタンパク質を欠いた組換えウイルスが
得られるであろう。その組換えウイルスを用いて、Spod
optera frugiperda 細胞又は Trichoplusia larvaに感
染させ、その中で本発明のタンパク質を発現させる(Sm
ith, J.Virol. 46 (1983), 584; Engelhard, Proc. Na
t. Acad. Sci. USA 91 (1994),3224-3227)。
【0016】本発明はさらに核酸配列が宿主細胞にとっ
て外来である、上記のベクター又は本発明の遺伝子を含
む宿主細胞に関する。「外来」とは核酸分子が宿主細胞
に関して異種であるか(これは異なった遺伝的背景を有
する細胞又は生物に由来することを意味する)、或いは
宿主細胞に関してはホモロガスであるが、該核酸分子の
天然に存在する対応物と異なる遺伝的環境にあることを
意味する。これは、核酸分子が宿主細胞に関してホモロ
ガスであるなら、それは該宿主細胞のゲノムの天然の位
置にはないこと、特に異なる遺伝子に取り囲まれている
ことを意味する。この場合、核酸分子はそれ自身のプロ
モーターの支配下にあるか、又はヘテロロガスなプロモ
ーターの支配下にあってもよい。宿主細胞中に存在する
本発明によるベクター又は遺伝子は宿主細胞のゲノムに
組み込まれていてもよく、染色体外にある形で保持され
ていてもよい。これに関し、本発明の遺伝子はホモロガ
スな組換えにより変異体遺伝子を回復し、又は創出する
のに用いてもよい(Paszkowski編, Homologous Recombi
nation and Gene Sllencing in Plants, Kluwer Academ
ic Publishers (1994))。
【0017】従って、本発明は本発明のベクター又は遺
伝子を含む宿主細胞に関する。宿主細胞は(古)細菌、
昆虫、菌類、植物、又は動物細胞等のいずれの原核又は
真核細胞でありうる。好ましい菌類細胞は、例えば Sac
charomyces 属の細胞、特にSaccharomyces cerevisiae
の細胞である。「原核」と言う用語は、本発明のタンパ
ク質の発現のためにDNA又はRNAで形質転換又はト
ランスフェクトされ得るすべての細菌、例えば古細菌を
含むことを意図する。原核宿主は、例えばEscherichia
coli、 S. typhimurium、 Serratia marcescens、及び
Bacillus subtilis 等のグラム陽性及びグラム陰性細菌
を含み得る。「真核」と言う用語は、酵母、高等植物、
昆虫、そして好ましくは哺乳動物細胞を含むことを意味
する。組換え製造方法に用いる宿主によって、本発明の
ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質はグリ
コシル化されるかもしれないし、グリコシル化されない
かもしれない。本発明のタンパク質は、最初のメチオニ
ンアミノ酸残基を有していても、有していなくてもよ
い。当業者に一般的に知られたいずれかの技術を用いて
本発明の遺伝子を用いて宿主を形質転換又はトランスフ
ェクトすることができる。更に、融合し、機能的に結合
した遺伝子の調製方法及びそれらを例えば哺乳動物及び
細菌中で発現させる方法は当業者に周知である(Sambro
ok, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold S
pring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1
989)。
【0018】pET21a(Novagen社)に組込んだプラスミ
ドpAPEPC-1, pAPEPC-2, pAPEPC-3を大腸菌BL21(DE3)CP
に導入して得られた組換え体はEscherichia coli BL21
(DE3)CP/pAPEPC-1, Escherichia coli BL21(DE3)CP/pAP
EPC-2, Escherichia coli BL21(DE3)CP/pAPEPC-3と命
名、表示され、独立行政法人産業技術総合研究所にFERM
P-18118、FERM P-18119、FERM P-18120として寄託され
ている。
【0019】以下に実施例をもって本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない
ことは勿論である。
【0020】
【実施例】実施例1 アエロピルム ペルニクス ゲノムDNAの調製 鹿児島県トカラ列島小宝島の硫気孔から採取した底泥よ
り単離した、好気性超好熱性古細菌アエロピルム ペル
ニクス(Aeropyrum pernix)K1株はインターナショナ
ル ジャーナル オブ システマティック バクテリオ
ロジー(International Journal of Systematic Bacter
iology)第46巻1070-1077頁(1996)に記載されてい
る。この菌を文献に記載した条件で培養した。得られた
菌体0.8 gを緩衝液L(10 mM トリスー塩酸, pH8.0, 1
mM EDTA, 100 mM NaCl) 15 mlに懸濁し、10% SDSを1.
5 ml加えた。撹拌の後、プロテイナーゼK(20 mg/ml)を
50ml 加えて、55℃で60分静置した。その後反応液を順
次フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、ク
ロロホルム抽出した後、エタノールを加えてDNAを不溶
化した。回収したDNAを15 mlのTE液(10 mM トリスー塩
酸, (pH8.0), 1 mMEDTA) に溶解し、7.5 mgのRNase Aを
加えて37℃で60 分反応させた。その後反応液をもう一
度フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、ク
ロロホルム抽出した後、エタノール沈殿によりDNAを回
収した。0.6 mgのDNAが得られた。
【0021】実施例2 PCNAタンパク質をコードする遺伝子のクローニング アエロピルム ペルニクス菌体からのゲノムDNAの調製
は、上記実施例1に記載されている方法により行った。
そしてDNAリサーチ(DNA Research)第5巻55-76頁(19
98)に記載の配列を利用し、配列番号5〜11に記載の
オリゴヌクレオチドプライマーを調製した。100ngのゲ
ノムDNAを含む50μlの反応液を、94℃ 30秒、55℃ 30
秒、72℃ 30秒の25サイクルで増幅反応を行った。その
結果、約700〜800塩基対の大きさのDNA断片が増幅され
たので、それをpT7Blueベクター(Novagen社)を用いて
クローニングし、得られた4個の独立クローンについて
塩基配列を解読した。得られた塩基配列は、上記文献に
記載の配列と相同で、4種類のPCNA遺伝子の配列を有す
るクローンが得られていることが分かった。これらをそ
れぞれ、ApePCNA-1, ApePCNA-2, ApePCNA-3,ApePCNA-2
L遺伝子 とした。
【0022】実施例3 Aeropyrum pernixのPCNAタンパク質をコードする遺伝子
の多量発現系の構築 得られた塩基配列中でPCNAホモログであると思われるOR
Fの両端に相当する塩基配列をもとにPCRプライマーを作
製し、フォワードプライマー、リバースプライマー配列
の中に、それぞれNdeI(CATATG)と、HindIII(AAGCT
T)またはBamHI(GGATCC)配列を組み入れ、NdeI配列中
のATGを翻訳の開始コドンとして利用できるように調節
した。PCR 法により増幅した遺伝子をpET21aベクターに
組み込んでPCNAを産生するプラスミドを得、該プラスミ
ド中のPCRで増幅された部分の塩基配列に変化がないこ
とを確認した後、pAPEPC1、pAPEPC2、pAPEPC3 及びpAPE
PC2Lと命名した。また、該プラスミドで形質転換された
大腸菌 BL21(DE3)CPを、それぞれEscherichia coli BL2
1(DE3CP)/pAPEPC1、 Escherichia coli BL21(DE3)CP/pA
PEPC2、Escherichia coli BL21(DE3)CP/pAPEPC3、Esche
richia coli BL21(DE3)CP/pAPEPC2Lと命名した。
【0023】実施例4 Aeropyrum pernixのPCNAタンパク質の製造 上で得られた Escherichia coli BL21(DE3)CP/pAPEPC1
を、アンピシリンが 100μg/ml、クロラムフェニコール
が20ng/mlの濃度で存在するLB培地 [トリプトン10g/リ
ットル、酵母エキス5g/リットル、NaCl 5g/リット
ル、pH7.2] 1,000mlで、37℃で培養した。培養液の濁度
が 0.5 A600 に達した時、誘導物質であるイソプロピル
−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を最終濃度が1.0mM
になるよう添加し、さらに5時間培養を行った。集菌
後、菌体を25ml のバッファーA (50mM Tris-HCl, pH
8.0、0.1mM EDTA、0.5mM ジチオスレイトール、10%グ
リセロール)に懸濁し、超音波破砕機にかけた。16,000
rpm、20分間の遠心分離により粗抽出液を上清として回
収し、この溶液を75℃で15分インキュベートし加熱処理
を行った。16,000rpmで20分遠心分離し、その上清を回
収、ここに0.5MのNaClを含む0.2%ポリエチレンイミン
溶液を加え、4℃で30分スターラーで撹拌した。この溶
液を16,000rpmで20分遠心分離し、その上清を回収、こ
こに80% 飽和になるように硫酸アンモニウムを加えた。
16,000rpm、20分間の遠心分離により得られた沈殿を10m
lの、0.1M NaClを含むバッファーAに溶解し、同様に0.1
M NaClを含む 1,000mlのバッファーAにて透析した。透
析後の溶液を、0.1M NaClを含むバッファーAで平衡化し
たHiTrap Qカラム(ファルマシア社製)に供し、FPLC
システム(ファルマシア社製)を用いてクロマトグラフ
ィーを行った。展開は0.1M→1.0MのNaCl 直線濃度勾配
により行った。目的のタンパクはSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により確認したところ、0.4-0.6M NaCl
のところで溶出された。次にこのタンパクのある画分10
ml を集め、0.1M NaClを含む 1,000mlのバッファーAに
て透析した。透析後の溶液を、0.1M NaClを含む1,000ml
のバッファーAで平衡化したHiTrap-Heparinカラム(フ
ァルマシア社製)に供した。FPLCシステムを用いて0.1M
→1.0MのNaCl 直線濃度勾配により展開した結果、目的
のタンパクは0.2-0.3M NaClのところに溶出された。こ
の画分を1,000mlのバッファーA で透析した後、ApePCNA
-1の精製標品とした。
【0024】同様に、Escherichia coli BL21(DE3)/pAP
EPC3についても、ApePCNA-1と同様の手法で精製した。
培養、粗抽出の後、硫酸アンモニウム沈澱して透析した
溶液を、HiTrap Qカラム(ファルマシア社製)に供し、
FPLC システム(ファルマシア社製)を用いてクロマト
グラフィーを行った。0.1M→1.0MのNaCl 直線濃度勾配
により展開したところ、0.4-0.6M NaCl のところで溶出
された。次にこのタンパクのある画分10ml を集め、0.1
M NaClを含む 1,000mlのバッファーAにて透析し、0.1M
NaClを含む 1,000mlのバッファーAで平衡化したHiTrap-
Heparinカラム(ファルマシア社製)に供した。0.1M→
1.0MのNaCl 直線濃度勾配により展開した結果、目的の
タンパクは0.5-0.6M NaClのところに溶出された。この
画分を1,000mlのバッファーA で透析した後、ApePCNA-3
の精製標品とした。
【0025】Escherichia coli BL21(DE3)/pAPEPC2につ
いては、ApePCNA-1と同様に培養した後、超音波破砕
し、その後加熱処理は行わずに、1.0MのNaClを含む0.2
%ポリエチレンイミン溶液を加え、4℃で30分スターラ
ーで撹拌した。この溶液を16,000rpmで20分遠心分離
し、その上清を回収、1.5M NaCl濃度の溶液とした後、
1.5MNaClを含むバッファーAで平衡化したHiTrapフェニ
ルセファロースHPカラム(ファルマシア社製)に供し、
FPLC システム(ファルマシア社製)を用いてクロマト
グラフィーを行った。展開は1.5M→0MのNaCl 濃度勾配
により行った。0.2M NaCl付近で溶出された目的のタン
パクを含む溶液を、0.1M NaClを含む 1,000mlのバッフ
ァーAにて透析した。透析後の溶液を、0.1M NaClを含む
バッファーA で平衡化したHiTrap Qカラム(ファルマシ
ア社製)に供し、クロマトグラフィーを行った。0.1M→
1.0MのNaCl 直線濃度勾配により展開し、0.4-0.6M NaCl
のところで溶出された目的のタンパクを含む画分を集
め、0.1M NaClを含む 1,000mlのバッファーAにて透析し
た。そしてこの溶液を、0.1M NaClを含む1,000mlのバッ
ファーAで平衡化したHiTrap-Heparinカラム(ファルマ
シア社製)に供した。0.1M→1.0MのNaCl 直線濃度勾配
により展開した結果、目的のタンパクは0.3M NaCl付近
で溶出された。この画分を1,000mlのバッファーA で透
析した後、ApePCNA-2の精製標品とした。
【0026】Escherichia coli BL21(DE3)/pAPEPC2Lに
ついても、ApePCNA-3と同様の手法で精製した。培養、
粗抽出の後、硫酸アンモニウム沈殿して透析した溶液
を、HiTrap Qカラム(ファルマシア社製)に供し、FPLC
システム(ファルマシア社製)を用いてクロマトグラフ
ィーを行った。0.1M→1.0MのNaCl直線濃度勾配により展
開したところ、0.4-0.6M NaClのところで溶出された。
次にこのタンパクのある画分10mlを集め、0.1M NaClを
含む1,000mlのバッファーAにて透析し、0.1M NaClを含
む1,000mlのバッファーAで平衡化したHiTrap-Heparinカ
ラム(ファルマシア社製)に供した。0.1M→1.0MのNaCl
直線濃度勾配により展開した結果、目的のタンパクは0.
5-0.8M NaClのところに溶出された。この画分を1,000ml
のバッファーAで透析した後、ApePCNA-2Lの精製標品と
した。
【0027】参考例1 Aeropyrum pernixのDNAポリメラーゼI(Pol-1)および
DNAポリメラーゼII(Pol-2)の調製 Aeropyrum pernixのPol-1およびPol-2遺伝子を含むプラ
スミドを、Cannらの方法(Journal of Bacteriology, V
ol.181, No.19, p5984-5992, 1999)により調製した。P
ol-1遺伝子をpET15bベクターに組み込んだものをpAPP-
1、Pol-2遺伝子をpET21aベクターに組み込んだものをpA
PP-2と命名した。また、該プラスミドによって形質転換
された大腸菌 BL21(DE3)を、それぞれEscherichia coli
BL21(DE3)/pAPP-1、Escherichia coli BL21(DE3)/pAPP
-2と命名した。
【0028】上で得られたEscherichia coli BL21(DE3)
/pAPP-1を、アンピシリンが 100μg/ml、クロラムフェ
ニコールが20ng/mlの濃度で存在するLB培地 [トリプト
ン10.0g/リットル、酵母エキス5g/リットル、NaCl
5g/リットル、pH7.2] 1,000mlで、37℃で培養した。
培養液の濁度が 0.5 A600 に達した時、誘導物質である
イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を最
終濃度が1.0mMになるよう添加し、さらに5時間培養を行
った。集菌後、菌体を30mlのバッファーAに懸濁し、超
音波破砕機にかけた。16,000rpm、20分間の遠心分離に
より粗抽出液を上清として回収し、この溶液を75℃で15
分インキュベートし加熱処理を行った。16,000rpmで20
分遠心分離し、その上清を回収、ここに、0.5MのNaClを
含む0.1%ポリエチレンイミン溶液を加え、4℃で30分ス
ターラーで撹拌した。この溶液を16,000rpmで20分遠心
分離し、その上清を回収、ここに80% 飽和になるように
硫酸アンモニウムを加えた。16,000rpm、20分間の遠心
分離により得られた沈殿を10mlの、0.1M NaClを含むバ
ッファーAに溶解し、同様に0.1M NaClを含む 1,000mlの
バッファーAにて透析した。透析後の溶液を、0.1M NaCl
を含むバッファーAで平衡化したHiTrap Qカラム(ファ
ルマシア社製)に供し、FPLC システム(ファルマシア
社製)を用いてクロマトグラフィーを行った。展開は0.
1M→1.0MのNaCl 直線濃度勾配により行った。目的のタ
ンパクはSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により確
認したところ、0.2-0.3MNaCl のところで溶出された。
次にこのタンパクのある画分10ml を集め、0.1M NaClを
含む1,000mlのバッファーAにて透析した。透析後の溶液
を、0.1M NaClを含む1,000mlのバッファーAで平衡化し
たHiTrap-Heparinカラム(ファルマシア社製)に供し
た。FPLCシステムを用いて0.1M→1.0MのNaCl 直線濃度
勾配により展開した結果、目的のタンパクは0.45-0.55M
NaClのところに溶出された。この画分を1,000mlのバッ
ファーA で透析した後、ApePol-1の精製標品とした。
【0029】同様に、Escherichia coli BL21(DE3)/pAP
P-2についても、ApePol-1と同様の手法で精製した。培
養、粗抽出の後、硫酸アンモニウム沈澱して透析した溶
液を、HiTrap SPカラム(ファルマシア社製)に供し、F
PLC システム(ファルマシア社製)を用いてクロマトグ
ラフィーを行った。0.1M→1.0MのNaCl 直線濃度勾配に
より展開したところ、0.2-0.25M NaCl のところで溶出
された。次にこのタンパクのある画分10ml を集め、0.1
M NaClを含む 1,000mlのバッファーAにて透析し、0.1M
NaClを含む 1,000mlのバッファーAで平衡化したHiTrap-
Heparinカラム(ファルマシア社製)に供した。0.1M→
1.0MのNaCl 直線濃度勾配により展開した結果、目的の
タンパクは0.25-0.35M NaClのところに溶出された。こ
の画分を1,000mlのバッファーAで透析した後、ApePol-2
の精製標品とした。
【0030】実施例5 DNA ポリメラーゼのDNA合成活性に及ぼすPCNAの効果 ApePCNA-1、ApePCNA-2、ApePCNA-3又はApePCNA-2Lの存
在/非存在下で、ApePol-1またはApePol-2のデオキシリ
ボヌクレオチドの取り込み活性の促進効果を調べた。DN
A鋳型としては、M13一本鎖閉環状DNA(宝酒造社製)お
よび、これを直線状にしたM13直鎖状DNAの二種類を用い
た。M13直鎖状DNAは、一本鎖閉環状DNAに切断用オリゴ
ヌクレオチド(配列番号12)(M13ファージDNAの6260
番目から6289番目のヌクレオチド配列と相補的な配列を
有する)を加えて3分間煮沸し徐冷することによりアニ
ールし、部分的に二本鎖DNA領域を生成させ、該二本鎖
部分を制限酵素PstIで切断し、引き続きエタノール沈
澱により精製することで調製した。反応溶液として、20
mM Tris-HCl(pH8.8)、5mM MgCl2、2mM 2-メルカプト
エタノール、50mM NaCl、各0.1mMのdATP、dGTP、dCTPお
よび227nMの[methyl 3H]dTTPを含む溶液を用意し、ここ
に上記いずれかのDNA鋳型0.2μgと、配列番号13に示
したオリゴヌクレオチドプライマー(M13ファージDNAの
6177番目から6206番目のヌクレオチド配列と相補的な配
列を有する)1.0pmolを加えて3分間煮沸し徐冷するこ
とによりアニールさせた。この反応溶液20μlに対し
て、0.5pmolのApePol-1またはApePol-2溶液を加え、次
いで20pmolのApePCNA-1、 ApePCNA-2、ApePCNA-3、ApeP
CNA-2Lのいずれか、若しくはそれらの混合物、または、
ブランクとしてグリセロール濃度を50%としたbuffer-A
を加えた。これを70℃で、ApePol-1の場合は5分間、Ap
ePol-2の場合には20分間反応させた後、その一部をDE
81ペーパーにスポットし、次いでこれを5%Na2HPO4
液で5回洗浄した。そして、DE81ペーパーフィルター上
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
で測定した。その結果を、以下の表1及び2に示す。
【0031】
【表1】
【表2】
【0032】表1より明らかなように、DNAポリメラー
ゼApePol-1およびApePol-2のいずれに対しても、3種類
のPCNAであるApePCNA-1、ApePCNA-2およびApePCNA-3は
すべて取り込み活性の促進効果を示した。特にApePCNA-
3は、ApePCNA-1およびApePCNA-2と比較して高い効果を
示し、既に、ジャーナル オブ バクテリオロジー(Jo
urnal of Bacteriology)第181巻6591-6599頁(1999)
に記載されているPyrococcus furiosus 由来のPCNAとも
遜色ない反応性を示した。またApePCNA-1およびApePCNA
-2についても、ApePCNA-3ほどではないが、ApePol-1に
対して約2倍、ApePol-2では5〜30倍の促進効果を示し
ていた。また閉環状のDNA鋳型と直鎖状のDNA鋳型では、
閉環状鋳型よりも直鎖状鋳型の方が、測定値が高い傾向
であった。その理由としては、直鎖状鋳型ではPCNAが鋳
型の末端部分からDNA鎖にロードできるため反応が容易
に進むが、閉環状鋳型では末端部分が存在しないためPC
NAがロードしにくいためであると推定される。ただし本
PCNAは閉環状鋳型においてもある程度のレベルで効果を
示していることから、自ら閉環状鋳型に直接ロードでき
る能力があると考えられる。
【0033】また、表2より明かなように、DNAポリ
メラーゼApePol-1およびApePol-2のいずれに対しても、
ApePCNA-2をアミノ末端側に16アミノ酸延長したApePC
NA-2Lは、他のPCNAと同様に取り込み活性の促進効果を
示した。特にこのApePCNA-2Lは、それ自身がApePCNA-2
よりも高い効果を示すのみならず、ApePCNA-3と共存さ
せた場合には、それぞれを単独で使用した場合と比較し
てより一層高い効果を示した。このことは、PCNA-2LとP
CNA-3とが複合体を形成している可能性を示唆し、それ
によって各PCNA単独での効果を上回る活性の向上をもた
らしていることが予想される。また、PCNA-2とPCNA-3を
共存させた際にはこのような相乗効果は見られないこと
から、PCNA-2Lのアミノ末端側16アミノ酸の一部あるい
は全部がPCNA-3との複合体形成に寄与していると推察さ
れる。
【0034】実施例6 ApePCNAによるApePolのプライマー伸長反応の促進効果 ApePCNA-1、 ApePCNA-2、ApePCNA-3、又はApePCNA-2Lの
存在/非存在下で、ApePol-1またはApePol-2プライマー
伸長反応の能力を調べた。DNA鋳型としては、全長7,2
49ヌクレオチドのM13一本鎖閉環状DNAおよび、実施例
5で用いた、直鎖状にしたM13直鎖状DNAの二種類を用い
た。これらのDNA鋳型0.2μgに、1.0pmolの5'末端を32P
でラベルしたオリゴヌクレオチド(配列番号13)を加
え、最終濃度20mMのTris-HCl(pH8.8)、5mMのMgCl 2
よび2mMの2-メルカプトエタノールを含む溶液中で3分
間煮沸し徐冷することによりアニールさせた。この反応
液中に0.5pmolのApePol-1またはApePol-2溶液を加え、
次いで5.0pmolのApePCNA-1、ApePCNA-2、ApePCNA-3、Ap
ePCNA-2Lのいずれか、若しくはそれらの混合物、また
は、ブランクとしてグリセロール濃度を50%としたbuff
er-Aを加えた。ここに0.2mMのdNTPを添加し、70℃で、A
pePol-1の場合は5分間、ApePol-2の場合には20分間
反応させた。反応後、3.0μlの反応停止液(98%のホル
ムアミド、1.0mMのEDTA、0.1%のキシレンシアノールお
よび0.1%のブロムフェノールブルー)を加え、3分間
煮沸して反応を完全に止めた後、アルカリアガロースゲ
ル電気泳動によるDNAポリメラーゼ活性の検出を実施し
た。即ち、1.0 %のアガロースゲル電気泳動用のゲルを
用意し、50mM-NaOHおよび1mM-EDTAを含む緩衝液中で、D
NAポリメラーゼおよびPCNAの伸長反応生成物をアルカリ
アガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後、ゲルを
中和するために、7.0%のトリクロロ酢酸溶液で20分間振
とうし、さらに滅菌水で5分間2回振とうした。その後
ゲルを乾燥して、オートラジオグラフィーをとった。そ
の結果を、図1及び2に示す。
【0035】図1より、Pol-1ではいずれのPCNAでも長
鎖のDNAができ、プライマー伸長反応が促進されてい
る。そのうち特に、PCNA-3が図の上方部分に濃いバンド
を示し、促進効果が高いことを表している。またPol-2
でも、PCNA-1および-2では伸長反応はこの図では見られ
ないが、PCNA-3ではPfu-PCNAと同様に伸長反応を促進し
ている。加えて、本PCNAの使用により、従来のDNAポリ
メラーゼとPCNAの組み合わせでよく見られるポージング
現象が回避できることがわかった。ポージングとは、DN
Aポリメラーゼが伸長反応を行う際に、鋳型となるDNA鎖
の配列条件などによって特定の配列領域で反応が停止し
てしまう現象である。図中で示した矢印部分がそれに相
当し、これにより必要な長さの伸長DNAが得られにくく
なる。今回比較のために使用した、PCR反応などによく
使用されるPyrococcus furiosus由来のDNAポリメラーゼ
およびPCNAにおいては、M13一本鎖DNAを使用した場合に
は約700ヌクレオチドの長さで複製が停止しポージン
グがはっきりと見られる。しかし本発明のAeropyrum pe
rnix 由来のDNAポリメラーゼとApePCNAを使用した場合
にはこのような現象は起こらず、最長で約7,000ヌ
クレオチドの長さまでスムーズなポリメラーゼ反応の実
現が可能となることが観察された。
【0036】また、図2より、DNAポリメラーゼApeP
ol-1およびApePol-2のいずれに対しても、ApePCNA-2を
アミノ末端側に16アミノ酸延長したApePCNA-2Lは、他
のPCNAと同様にプライマー伸長反応の促進効果を示し
た。特にこのApePCNA-2Lは、それ自身がApePCNA-2と同
等以上の効果を示すのみならず、ApePCNA-3と共存させ
た場合には、それぞれを単独で使用した場合と比較して
より一層高い促進効果を示した。このことは、実施例5
でも示したように、PCNA-2LとPCNA-3とが複合体を形成
し、それによってプライマー伸長反応においても各PCNA
単独での効果を上回る活性の向上をもたらしていること
が予想される。また、PCNA-2とPCNA-3を共存させた際に
このような相乗効果は見られないことも同様であること
から、プライマー伸長反応においてもPCNA-2Lのアミノ
末端側16アミノ酸の一部あるいは全部がPCNA-3との複
合体形成に寄与し、促進効果を向上させていると推察さ
れる。
【0037】
【配列表】 〈110〉Biomolecular Engineering Research Institute 〈120〉Novel DNA Polymerase Assisting Factor 〈130〉180971 〈160〉13
【0038】 〈210〉1 〈211〉263 〈212〉PRT 〈213〉Aeropyrum pernix 〈400〉1 Met Ser Ser Glu Ala Thr Leu Asp Ser Glu Phe Thr Asp Tyr Lys 1 5 10 15 Ala Met Phe Arg Tyr Glu Ala Lys Val Phe Lys Glu Leu Val Asp 20 25 30 Ser Val Ser Lys Ile Leu Asp Glu Gly Leu Phe Ile Ile Thr Gly 35 40 45 Glu Gly Leu Arg Leu Arg Gly Met Asp Pro Ala Arg Val Ala Leu 50 55 60 Val Asp Ile Glu Ile Pro Ser Ser Ser Phe Phe Asp Phe Tyr Met 65 70 75 Ala Gly Asp Val Glu Arg Val Glu Leu Gly Val Asn Met Glu Thr 80 85 90 Leu Lys Gly Val Val Ala Arg Ala Lys Lys Gly Asp Gln Leu Glu 95 100 105 Val Arg Val Arg Glu Asp Lys Val Leu Phe Ile Val Glu Ser Val 110 115 120 Val Leu Arg Arg Tyr Leu Leu Pro Asn Leu Glu Val Ile Val Asp 125 130 135 Val Pro Glu Asp Ile Ser Leu Glu Phe Asp Ala Thr Ala Thr Val 140 145 150 Ile Ala Asp Val Val Lys Lys Thr Leu Arg Asp Val Glu Leu Val 155 160 165 Gly Asp Ile Val Glu Phe Asp Ala Gly Glu Asp Tyr Leu Ser Ile 170 175 180 Arg Ser Val Gly Pro Glu Arg Arg Arg Val Glu Thr Arg Leu Thr 185 190 195 Arg Glu Ser Pro Ala Leu Ile Asp Leu Glu Val Lys Glu Pro Ala 200 205 210 Thr Ser Arg Tyr Asp Val Gly Tyr Leu Lys Arg Met Leu Gly Val 215 220 225 Ala Lys Ile Ala Glu Ser Ile Glu Leu Ser Phe Ser Thr Asp Lys 230 235 240 Pro Leu Lys Met Val Phe Lys Ser Pro Asp Gly Ser Arg Val Thr 245 250 255 Tyr Leu Leu Ala Pro Ser Thr Gly 260 263
【0039】 〈210〉2 〈211〉233 〈212〉PRT 〈213〉Aeropyrum pernix 〈400〉2 Met Val Ala Ser Ile Glu Lys Ile Ile Glu Glu Gly Val Phe Val 1 5 10 15 Ala Thr Gly Glu Gly Leu Ser Leu Arg Ala Leu Asp Thr Ser His 20 25 30 Val Ala Met Val Asp Leu Tyr Tyr Pro Asn Thr Ala Phe Ile Glu 35 40 45 Tyr Asp Ile Gly Gly Glu Ser Val Glu Phe Gly Val Ser Phe Asp 50 55 60 Leu Leu Ser Lys Val Leu Arg Arg Ala Arg Lys Glu Asp Glu Leu 65 70 75 Val Leu Glu Val Glu Gly Ser Arg Leu Ala Val Lys Leu Lys Ser 80 85 90 Arg Gly Glu Arg Thr Phe Arg Ile Pro Gln Val Val Met Thr Tyr 95 100 105 Glu Lys Leu Pro Glu Pro Lys Val Ser Phe Thr Val Arg Ala Arg 110 115 120 Met Leu Gly Ser Thr Phe Arg Glu Ala Val Arg Asp Leu Glu Pro 125 130 135 His Ser Glu Thr Leu Thr Leu Arg Ala Leu Glu Asp Ala Leu Leu 140 145 150 Leu Val Gly Ser Ser Glu Met Ala Thr Val Glu Ile Glu Leu Ser 155 160 165 Gln Ser Arg Gly Ser Leu Leu Asp Tyr Glu Ala Glu Ser Gln Asp 170 175 180 Arg Ala Ser Tyr Ser Ile Glu Tyr Phe Ser Glu Met Leu Ser Ala 185 190 195 Ala Gln Ala Ala Asp Ala Val Val Val Ser Phe Ser Glu Asp Ala 200 205 210 Pro Val Arg Val Asp Met Glu Tyr Leu Gly Gly Gly Arg Leu Thr 215 220 225 Phe Tyr Val Ser Pro Lys Ile Glu 230 233
【0040】 〈210〉3 〈211〉251 〈212〉PRT 〈213〉Aeropyrum pernix 〈400〉3 Met Phe Arg Leu Val Tyr Thr Ala Ser Ser Lys Phe Lys Tyr Ile 1 5 10 15 Ala Gln Thr Leu Ala Lys Ile Asn Asp Glu Gly Val Phe Glu Phe 20 25 30 Ser Leu Asp Gly Leu Arg Ala Trp Ile Met Ser Pro Asp Lys Thr 35 40 45 Ser Leu Ala Ile Leu Glu Met Pro Ser Leu Ser Phe Glu Glu Tyr 50 55 60 Met Val Glu Glu Glu Met Arg Val Val Leu Arg Thr Asp Glu Leu 65 70 75 Asn Lys Ile Ser Lys Arg Ala Thr Arg Asn Asp Asp Ile Ile Phe 80 85 90 Gln Trp Asn Ala Glu Glu Gln Ala Leu Glu Val Glu Leu Arg Asp 95 100 105 Arg Lys Leu Gly Phe Ser Arg Lys Phe Leu Val Pro Ala Thr Ser 110 115 120 Val Gly Ala Glu Glu Met Arg Arg Leu Lys Leu Glu Pro Thr Val 125 130 135 Ser Phe Thr Ile Leu Thr Asp Asp Leu Lys Ala Met Ile Gln Asp 140 145 150 Val Lys Val Val Gly Asp Phe Ala Glu Phe Glu Ala Ser Glu Gly 155 160 165 Gln Val Val Val Arg Ser Gln Ala Glu Glu Lys Glu Tyr Glu Trp 170 175 180 Val Met Lys Pro Gly Asp Val Leu Leu Ser Leu Glu Val Glu Glu 185 190 195 Asp Ala Lys Ser Ile Tyr Ser Arg Gln Val Leu Glu Ile Ala Thr 200 205 210 Lys Pro Val Gly Ala Ala Glu Ser Val Lys Val Ser Phe Ala Ser 215 220 225 Asp Tyr Pro Met Lys Ile Glu Tyr Thr Phe Pro Asn Gly Glu Arg 230 235 240 Met Glu Leu Tyr Met Ala Pro Ser Leu Ala Gly 245 250 251
【0041】 〈210〉4 〈211〉249 〈212〉PRT 〈213〉Aeropyrum pernix 〈400〉4 Met Ala Asp Ala Arg Phe Tyr Phe Ser Asp Ala Arg Thr Trp Arg 1 5 10 15 Tyr Met Val Ala Ser Ile Glu Lys Ile Ile Glu Glu Gly Val Phe 20 25 30 Val Ala Thr Gly Glu Gly Leu Ser Leu Arg Ala Leu Asp Thr Ser 35 40 45 His Val Ala Met Val Asp Leu Tyr Tyr Pro Asn Thr Ala Phe Ile 50 55 60 Glu Tyr Asp Ile Gly Gly Glu Ser Val Glu Phe Gly Val Ser Phe 65 70 75 Asp Leu Leu Ser Lys Val Leu Arg Arg Ala Arg Lys Glu Asp Glu 80 85 90 Leu Val Leu Glu Val Glu Gly Ser Arg Leu Ala Val Lys Leu Lys 95 100 105 Ser Arg Gly Glu Arg Thr Phe Arg Ile Pro Gln Val Val Met Thr 110 115 120 Tyr Glu Lys Leu Pro Glu Pro Lys Val Ser Phe Thr Val Arg Ala 125 130 135 Arg Met Leu Gly Ser Thr Phe Arg Glu Ala Val Arg Asp Leu Glu 140 145 150 Pro His Ser Glu Thr Leu Thr Leu Arg Ala Leu Glu Asp Ala Leu 155 160 165 Leu Leu Val Gly Ser Ser Glu Met Ala Thr Val Glu Ile Glu Leu 170 175 180 Ser Gln Ser Arg Gly Ser Leu Leu Asp Tyr Glu Ala Glu Ser Gln 185 190 195 Asp Arg Ala Ser Tyr Ser Ile Glu Tyr Phe Ser Glu Met Leu Ser 200 205 210 Ala Ala Gln Ala Ala Asp Ala Val Val Val Ser Phe Ser Glu Asp 215 220 225 Ala Pro Val Arg Val Asp Met Glu Tyr Leu Gly Gly Gly Arg Leu 230 235 240 Thr Phe Tyr Val Ser Pro Lys Ile Glu 245 249
【0042】 〈210〉5 〈211〉29 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉5 gcgaacatat gtcctctgag gccacccta 29
【0043】 〈210〉6 〈211〉26 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉6 cgcttaagct tactaacctg tcgagg 26
【0044】 〈210〉7 〈211〉26 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉7 gcgaacatat ggtcgcctct atcgag 26
【0045】 〈210〉8 〈211〉27 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉8 catatggatc cttactactc gatcttc 27
【0046】 〈210〉9 〈211〉26 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉9 gcgaacatat gttcagacta gtatag 26
【0047】 〈210〉10 〈211〉26 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉10 catatggatc cttactagcc agctag 26
【0048】 〈210〉11 〈211〉26 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉11 gcgaacatat ggccgacgct aggttc 26
【0049】 〈210〉12 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉12 gccaagcttg catgcctgca ggtcgactct 30
【0050】 〈210〉13 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈400〉13 ctgtgtgaaa ttgttatccg ctcacaattc 30
【図面の簡単な説明】
【図1】 M13一本鎖DNAに5'-末端を32Pで標識したプラ
イマーを貼付け、DNA ポリメラーゼによるDNA鎖合成反
応を行った。その際PCNAを加えた場合と加えない場合を
比較した。左よりPCNAなし(No)、ApePCNA-1(1)、A
pePCNA-2(2)、ApePCNA-3(3)およびPfuPCNA(Pf
u)を加えた反応液の順に電気泳動を行った。また、左
半分は閉環状鋳型DNA(Circular)、右半分は直鎖状鋳
型DNA(Linear)を示し、それぞれApePol-1(Pol-1)ま
たはApePol-2(Pol-2)を使用した結果である。最も右
のレーンはサイズマーカーで、その数字はキロベース数
を示している。
【図2】 M13一本鎖DNAに5’−末端を32Pで
標識したプライマーを貼り付け、DNAポリメラーゼに
よるDNA鎖合成反応を行った結果を示す。その際PC
NAを加えた場合と加えない場合を比較した。左よりP
CNAなし(N),ApePCNA-2(1)、ApePCNA-2L
(2)、ApePCNA-3(3)、ApePCNA-2+ApePCNA-3
(4)、及びApePCNA-2L+ApePCNA-3(5)を加えた反
応液の順に電気泳動を行なった。また左半分はApePol-1
(Pol-1)、右半分はApePol-2(Pol-2)を示し、それぞ
れ閉環状鋳型DNA(Circular)または直鎖状鋳型DNA(Li
near)を使用した結果である。図の右半分の最も左のレ
ーンはサイズマーカーで、その数字はキロベース数を示
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大門 克哉 京都府京都市山科区四ノ宮神田町7−607 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 BA80 CA02 HA20 4H045 AA10 BA10 CA11 EA20 EA60 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱安定性であり、DNAポリメラーゼの
    DNA合成活性を促進する活性を有し、DNA鎖の伸長
    反応におけるポージング現象を防止するタンパク質。
  2. 【請求項2】 好熱性古細菌に由来する請求項1に記載
    のタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は
    配列番号1に記載のアミノ酸配列において1乃至数個の
    アミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配
    列を含む請求項1又は2に記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】 配列番号2に記載のアミノ酸配列、又は
    配列番号2に記載のアミノ酸配列において1乃至数個の
    アミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配
    列を含む請求項1又は2に記載のタンパク質。
  5. 【請求項5】 配列番号3に記載のアミノ酸配列、又は
    配列番号3に記載のアミノ酸配列において1乃至数個の
    アミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配
    列を含む請求項1又は2に記載のタンパク質。
  6. 【請求項6】 配列番号4に記載のアミノ酸配列、又は
    配列番号4に記載のアミノ酸配列において1乃至数個の
    アミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配
    列を含む請求項1又は2に記載のタンパク質。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のタンパク質をコードす
    る遺伝子。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載のタンパク質をコードす
    る遺伝子。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のタンパク質をコードす
    る遺伝子。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のタンパク質をコード
    する遺伝子。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれか記載の遺伝
    子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能
    で、DNAポリメラーゼ活性を促進させるタンパク質を
    コードする遺伝子。
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