JP2000155181A - 時計用文字板及びその製造方法 - Google Patents

時計用文字板及びその製造方法

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JP2000155181A
JP2000155181A JP10332218A JP33221898A JP2000155181A JP 2000155181 A JP2000155181 A JP 2000155181A JP 10332218 A JP10332218 A JP 10332218A JP 33221898 A JP33221898 A JP 33221898A JP 2000155181 A JP2000155181 A JP 2000155181A
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thin film
metal thin
adhesive resin
substrate
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JP10332218A
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English (en)
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Katsuyuki Yamaguchi
山口  克行
Masaaki Watanabe
正明 渡辺
Takayuki Kobayashi
敬行 小林
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Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Citizen Watch Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
Original Assignee
Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Citizen Watch Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な方法で多様な凹凸模様を形成でき、し
かも光透過性を要する文字板に対しても装飾性や高級感
を与える時計用文字板を提供すること。 【解決手段】 ムーブメント7上に配設される基板2
と、該基板2の上面に塗布され凹凸模様12が上面に形
成された接着性樹脂層3と、該接着性樹脂層3の凹凸面
に施された金属薄膜4と、該金属薄膜4の上に形成され
た透明板5とで時計用文字板1を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ムーブメント上に
配設される時計用文字板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、時計の文字板にはプラスチックや
セラミック材等が多く使用されているが、文字板の装飾
性を高めるために、文字板の表面に着色を施したり、種
々の模様を印刷したものがあるが、ソーラセルやエレク
トロルミネッセンスを備えた文字板では、光透過性を確
保する必要があるため、着色が制限されたり模様パター
ンの制限を受ける。そこで、最近では光透過性基板の装
飾効果をさらに高めるために、基板に凹凸模様を形成し
て立体感を出すようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記プ
ラスチックやセラミックの基板に施される凹凸模様は、
基板成形時に凹凸状の模様が形成された成形型から転写
させて形成するか若しくは機械加工によって画一的に形
成していた。そのために、凹凸模様が単調なものとなっ
て奇抜な模様ができない他、異なった凹凸模様を形成す
る場合には異なる成形型を用意しなければならず、ま
た、機械加工で行なう場合には機械装置の導入や加工工
程などが必要となり、製造コストが高くなるという問題
点があった。
【0004】そこで、本発明は、簡易な方法で多様な凹
凸模様を形成でき、しかも光透過性を要する文字板に対
しても装飾性や高級感を与える時計用文字板を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る時計用文字板は、ムーブメ
ント上に配設される基板と、該基板の上面に塗布され凹
凸模様が上面に形成された接着性樹脂層と、該接着性樹
脂層の凹凸面に施された金属薄膜と、該金属薄膜の上に
形成された透明板とで構成されたことを特徴とする。
【0006】また、本発明の請求項2に係る時計用文字
板の製造方法は、基板の上面に接着性樹脂層を塗布する
工程と、接着性樹脂層の表面に凹凸模様を形成する工程
と、凹凸模様が形成された接着性樹脂層を硬化させる工
程と、硬化した接着性樹脂層の表面に金属薄膜を形成す
る工程と、金属薄膜上に透明板を形成する工程とからな
ることを特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項3に係る時計用文字
板の製造方法は、基板の上面に接着性樹脂層を塗布する
工程と、接着性樹脂層の表面に凹凸模様を形成する工程
と、凹凸模様が形成された接着性樹脂層を半硬化させる
工程と、半硬化した接着性樹脂層の凹凸模様を軽く押圧
し、凸部の頂上部を平らにする工程と、該接着性樹脂層
を完全に硬化させる工程と、硬化させた接着性樹脂層の
表面に金属薄膜を形成する工程と、金属薄膜上に透明板
を形成する工程とからなることを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項4に係る時計用文字
板は、ムーブメント上にソーラセル又はELを介して配
設される光透過性基板と、該光透過性基板の上面に塗布
され凹凸模様が上面に形成された光透過性接着性樹脂層
と、該光透過性接着性樹脂層の凹凸面に施された光透過
性金属薄膜と、該光透過性金属薄膜の上に形成された透
明板とで構成されたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項5に係る時計用文字
板は、ムーブメント上に配設される基板と、該基板上に
接着固定され且つその下面に凹凸模様が形成された透明
板と、該透明板の凹凸模様上に形成された金属薄膜とで
構成されたことを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項6に係る時計用文字
板の製造方法は、透明板の下面に砂掛けを行なう工程
と、該砂掛け面ににかわを塗布する工程と、該塗布面の
乾燥後ににかわを剥離して凹凸面を形成する工程と、該
凹凸面を研磨した後に金属薄膜を形成する工程と、透明
板を基板に接着固定する工程とを備えることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の請求項7に係る時計用文字
板は、ムーブメント上にソーラセル又はELを介して配
設される光透過性基板と、該光透過性基板の上面に接着
固定され且つその下面に凹凸模様が形成された透明板
と、該透明板の凹凸模様上に形成された光透過性金属薄
膜とで構成されたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項8に係る時計用文字
板は、上記光透過性金属薄膜が2種類以上の異なった光
透過性金属を積層して形成したものであることを特徴と
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図3に基づいて、
本発明に係る時計用文字板及びその製造方法の実施の形
態を説明する。図1は本発明に係る時計用文字板の第1
実施例の断面構造を示したものである。この時計用文字
板1は、ムーブメント7上に配設される構造のものであ
り、基板2上に接着性樹脂層3と金属薄膜4と透明板5
を順に積層したものである。
【0014】上記基板2は、時計の外形に合わせて丸型
あるいは角型等に形成されたものが使用される。材質に
はセラミックあるいはアクリル板やポリカーボネート板
が使用され、基板2の上面には凹状の窪み部8が外周縁
を残して形成され、また窪み部8の中心部に指針孔10
が形成される。
【0015】前記窪み部8の底面には熱硬化性のアクリ
ル樹脂などからなる接着性樹脂層3が形成される。ま
た、接着性樹脂層3の表面には、図2に示すような鋭角
状の凸部13を有する高低差の大きな凹凸模様12が多
数形成されている。この凹凸模様12の配列には規則性
がなく、文字板毎に異なった模様となってあらわれる。
【0016】上記凹凸模様12の上面には金属薄膜4が
形成される。この金属薄膜4は、前記凹凸模様12の全
面に形成される薄い膜であり、例えば金や金の合金を蒸
着することによって形成される。金属薄膜4の上面に配
置される透明板5には主にガラスが使用され、前記金属
薄膜4に接着剤で固着されている。透明板5の上には時
字やマーク等の指標6が配置されるが、この指標6は、
金属等で形成したものを透明板5に直接貼り付けるか、
又は透明板5上に直接印刷形成したものである。
【0017】なお、上記実施例では、基板2の上面に窪
み部8を設けた場合について説明したが、基板2の上面
を平滑しておき、そこに接着性樹脂層3を塗布して凹凸
模様を形成してもよい。
【0018】また、上記構成の時計用文字板1の下方に
は、通常動作機構部が収まったムーブメント7が配設さ
れるが、ソーラセル駆動方式による時計や文字板に照明
機能を持たせた時計などにおいては、時計用文字板1の
直下にソーラセルやELが配設される場合がある。この
ような構成の時計においては、上記基板2、接着性樹脂
層3、金属薄膜4を光透過性のある材質で置き換えるこ
とで、ソーラセルの発電や文字板の照明機能を有し、し
かも、多様な装飾効果を併せ持つ時計用文字板を構成す
ることができる。
【0019】次に、上記第1実施例における時計用文字
板1の製造方法を図3の工程図に基づいて説明する。先
ず、基板2の上面に外周部を残して凹状の窪み部8を形
成し、その中心に指針孔10を設ける。次いで、前記窪
み部8の底部に粘着性のあるアクリル樹脂を一様に塗布
あるいは印刷し、厚みを持たせた接着性樹脂層3を形成
する(工程A)。次に、前記塗布あるいは印刷されたア
クリル樹脂が完全に固まる前に、基板2の窪み部8の形
状に合わせて形成された平板9を用いて、上記接着性樹
脂層3の表面を均等に押圧する。この押圧をしばらく持
続させた後に平板9を引き上げる(工程B)。接着性樹
脂層3の表面に接する平板9の下面を平滑な面にするこ
とで、平坦であった接着性樹脂層3の表面が平板9に引
っ張られ、多数の凹凸模様12が形成される。続いて、
加熱装置を用いて凹凸模様12が形成された接着性樹脂
層3を硬化させる(工程C)。完全に硬化した後、蒸着
装置によって接着性樹脂層3の全面に金又は金の合金を
蒸着して金属薄膜4を形成する(工程D)。金属薄膜4
は、接着性樹脂層3の凹凸面に沿って薄く形成されるた
め、金属薄膜4の上面もそれに合わせて凹凸状になる。
次に、窪み部8の外形に合わせて形成したガラス材等の
透明板5を接着剤によって上記金属薄膜4の上に接着固
定し(工程E)、最後に、予め金属等で作成しておいた
時字やマーク等の指標6を透明板5の上面に接着固定す
る(工程F)。
【0020】上記製造方法によれば、金属感のある深い
凹凸模様12を特別な機械を用いずに容易に形成するこ
とができる。また、接着性樹脂層3の粘性を変えたり平
板9を押圧力や押圧時間を加減することで、凹凸の深さ
や形状の異なった多様な模様を形成することができ、バ
リエーションに富んだ時計用文字板が容易に生産できる
ことになる。また、この実施例では凹凸模様12の凹凸
が不規則に異なっているため、この凹凸面上に配した金
属薄膜4からの反射も不規則となる。このため、金属の
輝きや色調に明暗さが現れ、見る角度によって微妙に異
なった模様となって見える。一方、上記接着性樹脂層3
及び金属薄膜4を光透過性の材質に置き換えた場合は、
金属の色調に濃淡さが加わる。さらに、この実施例では
凹凸模様12が形成された接着性樹脂層3の上に透明基
板を載置したので、凹凸模様12の立体感がより一層増
幅されるといった効果がある。
【0021】図4は本発明に係る時計用文字板の第2実
施例の断面構造を示したものである。この時計用文字板
1も上記第1実施例と同様にムーブメント7上に配置さ
れる構造のものであるが、ソーラセル駆動方式による時
計や文字板に照明機能を持たせた時計などにおいては、
時計用文字板1の直下にソーラセルやELなどの構造体
15が配設される場合がある。このような時計に使用で
き、且つ装飾効果が得られるものとして、本実施例の時
計用文字板は適したものとなっている。以下、その構造
及び製造方法について説明する。
【0022】上記構造の基板17には光透過性のアクリ
ル板が使用され、上記第1実施例と同様に、その上面に
は基板17の外周部を残した凹状の窪み部8が形成さ
れ、その中心には指針孔10が形成されたものとなって
いる。そして、この窪み部8の底面には接着性樹脂層1
8が形成されるが、この接着性樹脂層18は透明な熱硬
化性のアクリル樹脂が使用され光透過性を有する。ま
た、接着性樹脂層18の表面には、前述の実施例と同
様、高低差の大きな波状の凹凸模様12が多数形成され
る。また、接着性樹脂層18の上面には金属薄膜層19
が形成されるが、この金属薄膜層19は3層の光透過性
薄膜からなる。即ち、接着性樹脂層18の上面に第1金
属薄膜19a(Cr),第2金属薄膜19b(Cr2 O
3 )及び第3金属薄膜19c(Cr)の順番で蒸着した
ものである。このように多種類の金属を重ね合わせるこ
とで様々な色調が現れる。ここでは、特に緑色の色調を
強調するため、上記Cr,Cr2 O3 ,Crの組み合わ
せとし、それぞれの膜厚を微妙に調整した。次にこのよ
うに形成された金属薄膜層19上に透明板5を配する。
この透明板5は、前記実施例と同様にガラス材が使用さ
れ、前記金属薄膜層19の上に接着剤を介して固着され
る。最後に、前記透明板5の上に時字やマーク等の指標
6を配設する。
【0023】上記実施例の金属薄膜層19は、Cr−C
r2 O3 −Crを組み合わせた3層構造によって、緑の
金属色を強調させたものであるが、各層の厚みを調整す
ることで、緑色の他に青色、赤紫色等の多様な色調を表
現することも可能である。また、積層する金属の種類、
層数、膜厚を相互に変化させたり、組み合わせを変える
ことで所望の色彩効果を得ることができる。
【0024】次に、上記第2実施例による時計用文字板
1の製造方法を図5及び図6の工程図に基づいて説明す
る。基板17には光透過性のアクリル板を、接着性樹脂
層18には光透過性のアクリル樹脂を使用した。先ず、
基板17の上面に凹状の窪み部8を設け、この窪み部8
の底面に上記アクリル樹脂を塗布あるいは印刷して接着
性樹脂層18を形成する(工程A)。前記接着性樹脂層
18が完全に固まる前に、上記実施例と同様、下面が平
滑な平板9を用いて、上記接着性樹脂層18の表面を均
等に押圧する。この押圧をしばらく持続させた後に平板
9を引き上げる(工程B)。この工程によって、平滑で
あった接着性樹脂層18の表面が平板9に引っ張られ、
多数の凹凸模様12が形成される。次に、この実施例で
は接着性樹脂層18を加熱して半硬化させる(工程
C)。そして、半硬化状態の接着性樹脂層18の表面を
上記平板9によって再び押圧する(工程D)。この工程
Dでは、凹凸模様12の凸部13の頂上部を軽く均等に
押圧することで、図7に示したように、凸部13に微小
な平坦部14が形成される。次いで、接着性樹脂層18
を再び加熱して完全に硬化させる(工程E)。完全に硬
化したのち、蒸着装置で接着性樹脂層18の凹凸面に第
1金属薄膜19a(Cr),第2金属薄膜19b(Cr
2 O3 ), 第3金属薄膜19c(Cr)の順で蒸着を繰
り返して3層の金属薄膜層19を形成する(工程F)。
次に、窪み部8の外形に合わせて形成したガラス材等の
透明板5を上記金属薄膜層19の上に接着固定し(工程
G)、最後に、予め金属等で作成しておいた時字やマー
ク等の指標6を透明板5の上面に接着固定して(工程
H)、一連の工程が終了する。
【0025】この実施例では、上記工程Dにおいて接着
性樹脂層18に形成された凹凸模様12の凸部13が平
坦化され、その平坦部14に第1金属薄膜19a,第2
金属薄膜19b及び第3金属薄膜19cが蒸着形成され
るため、前記平坦部12に光沢が出て、その部分が非常
に明るく反射して強い輝きとなって現われる。また、上
述した第1 実施例のものよりは見た目の立体感は薄れる
ものの、光の明度や色調の濃淡が混ざり合うため、単色
光では表現できない微妙な装飾効果が得られ、さらにこ
れらが見る位置や角度によって微妙に変化してくるとい
った効果もある。特に、この実施例では凹凸模様12の
凸部13を平坦化したことによって、エメラルド石のカ
ット部分の光沢と同様な輝きが現れ、平坦部14から凹
部の谷間に行くにしたがって深くて濃い緑色に変化して
いき、且つその中でも特に反射光が強い部分はキラリと
光り一層光度が増していくことがわかる。光の耀き自体
は両者とも同等であるが、その濃度が段階的に変化して
くるため、文字板全体として変化に富んだ色彩効果を得
ることができる。
【0026】また、上記実施例では工程Fの蒸着におい
て、積層した金属薄膜同士の組み合わせによって文字板
に現れる色の変化を出させることから、金属薄膜の種類
や厚み等を色々と変えることによって、色調や模様がバ
ラエティに富んだものとなり、その分バリエーションが
広がって光透過性を有する時計用文字板に適したものと
なる。
【0027】図8は本発明に係る時計用文字板の第3実
施例の断面構造を示したものである。この時計用文字板
20は、上記第1実施例及び第2実施例と同様にムーブ
メント7上に配置される構造のものであるが、本実施例
ではガラス板等からなる透明板22の下面に砂掛けなど
によって凹凸模様23を形成すると共に、この凹凸模様
23の上に真空蒸着などによって金属薄膜27を形成
し、この金属薄膜27側を基板21に形成された窪み部
24に嵌め入れ接着固定することで一体に形成したもの
である。
【0028】次に、上記実施例における時計用文字板2
0の製造方法を図9の工程図に基づいて説明する。ここ
で用いる基板21の構造及び製法は、上記第1実施例及
び第2実施例と同様であるので説明は省略する。先ず、
基板21の窪み部24の形状に合わせて透明板22を少
し厚めに成形する(工程A)。次に、この透明板22の
下面全体に砂掛け25を行なった後、にかわ26を塗布
する(工程B)。この砂掛け25とにかわ26は、透明
板22の下面にランダムな凹凸模様23を形成するため
に必要な工程である。この状態で半日以上天日にさらし
て乾燥させる(工程C)。このようにして乾燥させる
と、自然ににかわ26が剥がれ、透明基板22の下面に
にかわによって貼り付いた砂がランダムな凹凸模様23
を形成する。この凹凸模様23をブラシで研磨した後、
真空蒸着によって金属薄膜27を形成する(工程D)。
そして、この金属薄膜27側を下にして透明板22を窪
み部24に嵌め入れ、予め窪み部24の底面に塗布して
おいた接着剤28によって固着する。(工程E)。最後
に基板21から突出している透明板22の上面を平面状
22aあるいは球面状22bに磨いて外形を整え(工程
F)、最後に時字等の指標6を配して完成させる(工程
G)。
【0029】なお、ムーブメント上にソーラセル又はE
Lを介して配設される時計用文字板にも、上記実施例と
同様に上記砂掛けとにかわを利用した凹凸模様の形成が
可能であるが、この場合には基板と金属薄膜とが透過性
となる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る時計
用文字板によれば、基板の上面に設けた接着性樹脂層に
多数の凹凸模様を形成し、その凹凸模様の上面に金属薄
膜を形成したので、文字板に入射した光が不規則に反射
し、見る角度によって様々な模様に見えるという装飾効
果を得ることができる。
【0031】また、上記時計用文字板を構成する基板、
接着性樹脂層、金属薄膜を光透過性の材料で形成するこ
とで、上記同様の装飾効果がソーラセル駆動式時計や、
EL照明付の時計でも得ることが可能となる。
【0032】また、上述の文字板構造にあっては、多層
の光透過性金属薄膜を配したことで、金属膜の種類、配
列、厚み等の選択により、多彩な装飾効果が得られる。
【0033】一方、上記時計用文字板の製造方法によれ
ば、基板に形成した接着性樹脂層に平板を押圧して引き
上げたときにできる波状の凹凸面を時計用の文字板面と
するものであるため、特別な装置を要さず製造方法が簡
単である。このため、時計用文字板の製造工数及び製造
コストの低廉化が図られる。
【0034】また、接着性樹脂層に形成した凹凸模様の
先端を押し潰して微小な平坦面にしたことで、金属薄膜
の蒸着が容易になると共に、文字板を正面から見たとき
も反射した光の作用で凹凸模様がより鮮明に映し出され
るといった効果が得られる。
【0035】さらに、砂掛けとにかわとによって透明板
に直接凹凸模様を形成した場合には、接着性樹脂で形成
した凹凸模様とは異なった装飾効果を出すことができ、
優雅で装飾性の高い表現が可能となる他、一つとして同
じ凹凸模様ができないので、個性的な時計の文字板を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る時計用文字板の第1 実施例を示す
断面図である。
【図2】上記図1の接着性樹脂層の部分拡大断面図であ
る。
【図3】上記時計用文字板の製造工程図である。
【図4】本発明に係る時計用文字板の第2実施例を示す
断面図である。
【図5】第2実施例に係る時計用文字板の製造工程の前
段を示す図である。
【図6】図5に示した製造工程の後段を示す図である。
【図7】上記図5の製造方法によって形成される接着性
樹脂層の部分拡大断面図である。
【図8】本発明に係る時計用文字板の第3実施例を示す
断面図である。
【図9】第3実施例に係る時計用文字板の製造工程を示
す図である。
【符号の説明】
1 時計用文字板 2 基板 3 接着性樹脂層 4 金属薄膜 5 透明板 6 指標 7 ムーブメント 8 窪み部 12 凹凸模様 17 基板 20 時計用文字板 21 基板 22 透明板 24 窪み部 23 凹凸模様 27 金属薄膜
フロントページの続き (72)発明者 小林 敬行 山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の2 河口湖精密株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーブメント上に配設される基板と、該
    基板の上面に塗布され凹凸模様が上面に形成された接着
    性樹脂層と、該接着性樹脂層の凹凸面に施された金属薄
    膜と、該金属薄膜の上に形成された透明板とで構成され
    たことを特徴とする時計用文字板。
  2. 【請求項2】 基板の上面に接着性樹脂層を塗布する工
    程と、接着性樹脂層の表面に凹凸模様を形成する工程
    と、凹凸模様が形成された接着性樹脂層を硬化させる工
    程と、硬化した接着性樹脂層の表面に金属薄膜を形成す
    る工程と、金属薄膜上に透明板を形成する工程とからな
    ることを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の上面に接着性樹脂層を塗布する工
    程と、接着性樹脂層の表面に凹凸模様を形成する工程
    と、凹凸模様が形成された接着性樹脂層を半硬化させる
    工程と、半硬化した接着性樹脂層の凹凸模様を軽く押圧
    し、凸部の頂上部を平らにする工程と、該接着性樹脂層
    を完全に硬化させる工程と、硬化させた接着性樹脂層の
    表面に金属薄膜を形成する工程と、金属薄膜上に透明板
    を形成する工程とからなることを特徴とする時計用文字
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 ムーブメント上にソーラセル又はELを
    介して配設される光透過性基板と、該光透過性基板の上
    面に塗布され凹凸模様が上面に形成された光透過性接着
    性樹脂層と、該光透過性接着性樹脂層の凹凸面に施され
    た光透過性金属薄膜と、該光透過性金属薄膜の上に形成
    された透明板とで構成されたことを特徴とする時計用文
    字板。
  5. 【請求項5】 ムーブメント上に配設される基板と、該
    基板上に接着固定され且つその下面に凹凸模様が形成さ
    れた透明板と、該透明板の凹凸模様上に形成された金属
    薄膜とで構成されたことを特徴とする時計用文字板。
  6. 【請求項6】 透明板の下面に砂掛けを行なう工程と、
    該砂掛け面ににかわを塗布する工程と、該塗布面の乾燥
    後ににかわを剥離して凹凸面を形成する工程と、該凹凸
    面を研磨した後に金属薄膜を形成する工程と、透明板を
    基板に接着固定する工程とを備えることを特徴とする時
    計用文字板の製造方法。
  7. 【請求項7】 ムーブメント上にソーラセル又はELを
    介して配設される光透過性基板と、該光透過性基板の上
    面に接着固定され且つその下面に凹凸模様が形成された
    透明板と、該透明板の凹凸模様上に形成された光透過性
    金属薄膜とで構成されたことを特徴とする時計用文字
    板。
  8. 【請求項8】 上記光透過性金属薄膜は、2種類以上の
    異なった光透過性金属を積層して形成したことを特徴と
    する請求項4又は7記載の時計用文字板。
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