JP2000154498A - 染色模様紙の製造方法 - Google Patents
染色模様紙の製造方法Info
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Abstract
を製造する。 【解決手段】 抄紙工程上の水分が35%〜65%の着
色ウェブに抜染剤を片面より噴霧、または塗布し、その
後の乾燥工程で加えられる蒸熱によってその抜染剤がZ
軸方向にマイグレーションすることによって表裏同一な
る模様紙が得られた。
Description
の製造方法に関するものであり、この方法によって得ら
れる染色模様紙は、出版印刷物、商業印刷物、事務文
具、紙製品、券類、教材、遊具等巾広い用途に利用でき
る。
を製造する方法は従来数多く知られている。以下その代
表的な製造方法を述べる。 着色物を原料中に混合して製造する方法 予め繊維を着色しておき、無色の紙料に混合して抄紙す
る方法は「毛染め」と呼ばれ、古くから知られている。
また着色繊維以外の異物を混合する方法として、実開昭
63−78099号には着色した米ヌカを混合する方法
が、特開昭63−219698号には着色した水溶性高
分子を混合する方法が、特開昭63−295798号に
は大豆蛋白等に染料を入れ酸等で凝集した染色フロック
を混合する方法が提案されている。
霧、滴下、流出する方法 特開平2−145899号、特開平7−279100号
等には、任意の色料を溶解した着色液をストックインレ
ット直後の紙料上に滴下することにより紙面に雲状の色
流し模様を形成させ、色流し染色模様紙を製造する方法
が提案されている。
均一にして抄紙した凹凸を有するウェブにロールを用い
て塗工染色する方法 例えば特公昭51−44207号には紙料にフロックを
形成して抄紙し、初期ドライヤーの含水率20〜35%
または次群ドライヤーの水分含有率5〜20%となった
ところで水溶性着色剤を両面に塗布する染色模様紙の製
造方法が提案されている。
多色印刷する方法である。他の方法は塗工及び含浸によ
る方法である。例えば特公昭48−32964号には耐
水紙にサイズ剤単独またはパラフィン系エマルジョンと
ポリビニルアルコールの混合液を模様状に滴下または押
捺し乾燥後に着色する方法が、特開昭61−41398
号には原紙に合成ゴムラテックス若しくは合成樹脂エマ
ルジョンをプリントするか、原紙にエンボスを施し、着
色料中に浸漬する方法が提案されている。
色模様の形成はすべて着色法であり、模様が重ね色によ
り表現されるために必然的に明度、彩度が低くなるとい
う問題点があった。また具象模様を得ようとすると、紙
の片面のみの模様となり、表裏同一の模様を得ようとす
る場合は模様を合わせて二度印刷する必要があった。本
発明はこれら従来の染色模様紙製造技術では表現できな
かった新規な染色模様紙を開発することを課題とする。
題点を解決することを目的に鋭意研究を重ねた結果、従
来技術では達成できない新しい色感を有し、好ましくは
表裏同一の具象模様を有した染色模様紙を連続的、かつ
安価に大量生産できる製造方法を開発したものである。
本発明は重ね染めする従来技術と違って、着色されたウ
ェブに抜染剤を噴霧または模様状に塗布し、模様形成の
ベースとなっている地色を模様状に完全にまたは一部抜
染することを特徴とする新規な模様を形成する方法であ
る。即ち本発明の要旨とするところは、染料により着色
された含有水分35〜65重量%のウェブに抄紙工程及
びその後の工程で抜染剤を噴霧または模様状に塗布し、
次いで乾燥工程で抜染することを特徴とする染色模様紙
の製造方法である。
として周知の抄紙機を使用して常法に従いウェブを製造
する。本発明で使用する製紙用繊維としては針葉樹クラ
フトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LB
KP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)等の化
学パルプ、粉砕パルプ(GP)、サーモメカニカルパル
プ(TP)等の機械パルプ等や、コットンパルプや麻、
楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維パルプ等の非木材繊維パル
プ等一般の湿式抄紙用繊維が挙げられるが、その他ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の合成パルプ、レーヨン、
ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル、ポリアク
リル等合成繊維も適宜配合し使用できる。
に使用されている染料が使用できる。例えば、直接染
料、ナフトール染料、反応性染料、アニリン染料等であ
るが、本発明に於いては、製紙用繊維に対する染色性を
考えると直接染料を使用することが好ましい。染料は、
使用する抜染剤に於いて抜染性が良く、変色の少ない染
料を選択する。また抜染不能な顔料を一部配合して着色
しておけば、複雑で多色な染色模様を表出することも可
能である。
発明者らが検討した結果では、塩素酸塩、過マンガン酸
塩のような酸化剤を使用する酸化抜染は抜染力が弱く製
紙用繊維が脆化する傾向があることが判った。これに対
して還元抜染はこの欠点を生ずることが少ないことが判
った。従って本発明では還元抜染を採用することが好ま
しい。また、還元抜染剤の中では還元電位の大きな還元
剤(本発明で、「還元電位の大きな」とは、−(マイナ
ス)の値が大きなことを意味する)を使用すると染料の
加工後の変色が少ないことが判った。本発明で好ましく
使用できる還元抜染剤としては、二酸化チオ尿素(還元
剤5gと水酸化ナトリウム15gを水1Lに溶解した2
0℃の還元電位は、−1040V)、ナトリウムハイド
ロサルファイト(同、−800V)、ナトリウムボロハ
イドライト(同、−480V)、ロンガリット(同、−
380V)、等を挙げることができる。また、本発明で
は臭気の少ない還元剤を使用することが好ましい。二酸
化チオ尿素は、還元電位が大きく、臭気も少ないので本
発明では好適に使用できる。
うにするには、抜染剤を染色されたウェブに塗布する際
のウェブの水分は35〜65重量%が好ましい。こうす
ることで後工程のドライヤーにより片面に塗布された抜
染剤が蒸熱されることにより、還元剤は紙のZ軸方向
(厚み方向)へマイグレーションしながら持っている還
元力を発揮し、着色している染料を表裏差の無いよう分
解し、抜染するからである。水分が65重量%より多い
場合は抜染剤のXY軸方向(紙の平面方向)へのマイグ
レーションに伴って抜染剤の濃度が低くなり、抜染力が
弱くなり十分な模様が形成できなくなる。水分が35重
量%より少ない場合はZ軸方向への抜染剤のマイグレー
ションが不十分で、表裏同一に抜染することは困難とな
る。
いては、ロータリースクリーン法、ローラー法、スプレ
ー法が使用できるが、得ようとする模様及び抜染剤の性
状によって適宜選択する。抜染剤については塗布適性を
良くするため、及び模様紙としての適性を確保するため
に種々の薬剤を添加し調製する。例えば粘度を調整する
方法としては天然系の澱粉類、ガム類、アルギン酸類、
合成系のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸誘導体
などの一般的な増粘剤を配合する方法を採用できる。ま
た界面活性剤を添加し発泡させることにより粘度を調整
する方法も採用可能である。また、抜染剤をウェブ中に
素早く浸透させるために界面活性剤を配合することや、
塗布部分のサイズ度を向上させるために表面サイズ剤を
配合すること等を行う。抜染剤中に脱色不能な色量を配
合しておくことも複雑な模様を表出する手段として効果
的である。
重量部、以下同じ)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)70重量部の配合よりなるパルプをリファイナーで
叩解し、フリーネス350lc.s.f.(カナディア
ンフリーネステスターによる測定値)に調製した。これ
に黒色の直接染料(C.I.Direct BIack
19)を対パルプ0.0026重量%添加し染色を行っ
た。さらに、サイズ剤(商品名「サイズパイン」、荒川
化学工業(株)製)を対パルプ2.5重量%、乾燥紙力
増強剤(商品名「ポリストロン」、荒川化学工業(株)
製)を対パルプ4.0重量%、液体硫酸アルミニュウム
を対パルプ5.0重量%添加し紙料を調製した。
g/m2、抄紙巾1000で抄紙し、プレス後の水分が
55.0重量%の時点で図1に示す「ロータリ−スクリ
ーンコーティング装置」を使用して抜染剤(抜染剤処方
)を図2に示した模様でウェブ(1)に塗工し、次い
で多筒ドライヤーで蒸気圧を調整しながら乾燥し、キャ
レンダー仕上げを行い、染色模様紙を製造した。この模
様紙は表裏同一で抜染剤を塗工した部分の明度のL*値
が94.67、他の部分のL*値が91.74となり、
この明度差により「すき入れ風」の模様が得られてい
た。抜染剤処方 アルギン酸ソーダ 0.7重量部 二酸化チオ尿素 0.3重量部 界面活性剤 1.0重量部 表面サイズ剤 0.5重量部 水 97.5重量部 (調合後容積比200%に発泡させて塗工した。)
コットンリンターパルプ40重量部、広葉樹晒クラフト
パルプ(LBKP)40重量部の配合よりなるパルプを
リファイナーで叩解し、フリーネス500lc.s.
f.に調製した。これに黒色の直接染料(C.I.Di
rect BIack19)を対パルプ0.200重量
%、(C.I.Direct BIue236)を対パ
ルプ1.000重量%添加し濃い藍色に染色した。さら
に、サイズ剤(同上)を対パルプ2.5%、乾燥紙力増
強剤(同上)を対パルプ4.0重量%、液体硫酸アルミ
ニュウムを対パルプ5.0重量%添加し紙料を調製し
た。
0g/m2、抄紙巾1000で抄紙し、プレス後の水分
が45.0重量%の時点で図1に示す「ロータリ−スク
リーンコーティング装置」を使用して抜染剤(抜染剤処
方)をウェブ(1)に模様状に塗工し、多筒ドライヤ
ーにて蒸気圧を調整しながら乾燥し、次いで本出願人で
ある特種製紙(株)製品の商品名「レザック80つむ
ぎ」で使用しているエンボス装置を使用してエンボスを
施し。この染色模様紙(図3に示した)は日本古来の織
物である「かすり」によく似た色感、風合いを有してい
た。抜染剤処方 アルギン酸ソーダ 0.3重量部 二酸化チオ尿素 1.0重量部 水 98.7重量部
樹晒クラフトパルプ(LBKP)70重量部の配合より
なるパルプをリファイナーで叩解し、フリーネス450
lc.s.f.に調製した。これに黒色の直接染料
(C.I.Direct BIack19)を対パルプ
0.286重量%、(C.I.PigentBIue1
5)を対パルプ0.354重量%添加し暗青色に染色し
た。
0g/m2、抄紙巾1000で抄紙し、プレス後の水分
が50.0重量%の時点で、図4に示す噴霧装置(20
0間隔にスプレーノズル3本を配置)を使用して抜染剤
(抜染剤処方)を、ウェブ(1)からの高さ100、
圧力0.15kg/m2の条件でドット状に噴霧し、多
筒ドライヤーで蒸気圧を調整しながら乾燥し、キャレン
ダーで水光沢処理を施し、図5に示す石目調の染色模様
紙を得た。
象的で表裏差のない染色模様紙は抄紙機上では得ること
が出来ず、このような染色模様紙は印刷技法によっての
み製造が可能であった。その場合、表裏模様を合わせて
二度印刷する必要があった。本発明の染色模様紙は、模
様部分が地の部分より明度、彩度が高い特徴があり、従
来技法では得られない色感を有している。このような特
長を生かし、本発明の染色模様紙は、出版印刷物、商業
印刷物、事務文具、紙製品、券類、教材、遊具等等に好
適に使用できる。
示す「ロータリースクリーンコーティング装置」を側面
から見た概念図である。
平面概念図である。
平面概念図である。
霧装置を側面から見た概念図である。
平面概念図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 染料により着色された含有水分35〜6
5重量%のウェブに抄紙工程及びその後の工程で抜染剤
を噴霧または模様状に塗布し、次いで乾燥工程で抜染す
ることを特徴とする染色模様紙の製造方法。 - 【請求項2】 前記染料が直接染料であることを特徴と
する請求項1記載の染色模様紙の製造方法。 - 【請求項3】 前記抜染剤の還元電位が−300V(2
0℃)以下の還元剤を使用することを特徴とする請求項
1または2に記載の染色模様紙の製造方法。 - 【請求項4】 前記抜染剤が二酸化チオ尿素であること
を特徴とする請求項3に記載の染色模様紙の製造方法。 - 【請求項5】 前記乾燥工程で加えられる蒸熱によって
表裏同一状態に抜染させることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載の染色模様紙の製造方法。 - 【請求項6】 前記ウェブが、抄紙工程でエンボスロー
ル等で処理し凹凸を有することを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項に記載の染色模様紙の製造方法。 - 【請求項7】 前記方法で抜染模様を形成した後、エン
ボスロール等でウェブ表面に凹凸を施し次いで乾燥する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
染色模様紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10325109A JP2000154498A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 染色模様紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10325109A JP2000154498A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 染色模様紙の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000154498A true JP2000154498A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18173223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10325109A Pending JP2000154498A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 染色模様紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000154498A (ja) |
-
1998
- 1998-11-16 JP JP10325109A patent/JP2000154498A/ja active Pending
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Legal Events
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