JPH05117997A - 多色からなる多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙の製造方法 - Google Patents

多色からなる多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙の製造方法

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JPH05117997A
JPH05117997A JP29973491A JP29973491A JPH05117997A JP H05117997 A JPH05117997 A JP H05117997A JP 29973491 A JP29973491 A JP 29973491A JP 29973491 A JP29973491 A JP 29973491A JP H05117997 A JPH05117997 A JP H05117997A
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Takayuki Fukuchi
孝行 福地
Kenji Noda
健二 野田
Yoshihiro Suzuki
吉弘 鈴木
Yasuichi Watanabe
保一 渡辺
Akira Fukamachi
明 深町
Takeo Kamimura
健夫 上村
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TOKUSHU SEISHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多色からなる多数の任意形状模様が紙の裏面
まで分布し、微細な模様もしくはハーフトーンが表現さ
れた優雅な意匠性を持ち、風合い、強度にも優れた、樹
脂含浸紙の製造方法を得ることを目的とする。 【構成】 耐水性があり無サイズの原紙11に浸透調整
液散布装置12で浸透調整液を散布し、ついで樹脂液散
布装置13で着色した樹脂液を散布後、必要により乾燥
装置14で乾燥し、ついで樹脂液を含浸バット15で含
浸し乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多色からなる多数の任
意形状模様を有する樹脂含浸紙の製造方法に関する。さ
らに詳しくは、多色からなる多数の任意形状模様が紙の
裏面まで分布し、微細な模様もしくはハーフトーンが表
現された優雅な意匠性を持ち、風合い、強度にも優れ
た、全く新規な樹脂含浸紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】無サイズの耐水性原紙に合成ゴムラテッ
クスもしくは合成樹脂エマルジョンを含浸し、樹脂含浸
紙を製造し、紙に柔軟性を与え、耐水強度、内接強度、
耐折強度等を向上する技術は公知である。例えば本出願
人が提案した特公昭38−7505号には多量の充填剤
又は加硫剤を含有させた原紙にゴムラテックス、熱可塑
性合成ゴムラテックスもしくは合成樹脂エマルジョンル
あるいはこれらと熱硬化性合成ゴムラテックスもしくは
合成樹脂エマルジョンルジョンを含浸し、乾燥し加圧処
理する布状風合を有する柔軟強力紙の製造方法、他が知
られている。本発明では便宜的に、合成ゴムラテックス
もしくは合成樹脂エマルジョン含浸紙を単に樹脂含浸紙
と呼び、合成ゴムラテックスもしくは合成樹脂エマルジ
ョンを樹脂液と呼ぶこととする。
【0003】一方、多色からなる多数の任意形状模様を
有する意匠紙の製造方法も数多く知られている。その代
表的な製造方法を以下に述べる。 着色した異物を抄込む方法 予め繊維を着色しておき、無色の紙料に混入抄紙する方
法は「毛染め」と呼ばれ、古くから知られている。また
着色繊維以外の異物を抄き込む方法で、実開昭63−7
8099号には着色した米ヌカを抄込む方法が、特開昭
63−219698号には着色した水溶性高分子を抄込
む方法が、特開昭63−295798号にはカゼイン、
大豆蛋白等に染料を入れ酸等で凝集した染色フロックを
抄込む方法が記載されている。
【0004】抄紙工程中で着色する方法 この方法にも数多くの提案がなされており、例えば、本
出願人が提案したように、特公昭51−44206号に
はフロックを抄紙網直前のデルタ型ボックス内で形成
し、抄紙網上で紙匹が0.2〜2%の紙料濃度のときに
着色顔料を噴霧、滴下し表裏差のない染色模様紙を製造
する方法が、特公昭51−44207号にはフロックを
形成して抄紙し、初期ドライヤーの含水率20〜35%
又は次群ドライヤーの含水率5〜20%となったところ
で水性着色剤を両面に塗布する染色模様紙の製造方法
が、特公昭49−11357号には傾斜板に染色液を流
し湿紙と接触させ、ニップに通して、移動するシートに
縞模様の染色模様を作る方法と装置が、特開平2−14
5899号には抄紙機のストックインレット付近のパル
プスラリーに染料を特定の角度で噴霧する方法が記載さ
れている。
【0005】抄造後の紙に着色する方法 最も多く採用されている方法は、多数の任意形状模様を
多色印刷する方法である。他の方法は塗工による方法で
ある。例えば特公昭48−32964号には、耐水紙に
サイズ剤単独またはパラフィン系エマルジョンとポリビ
ニルアルコールの混合液を模様状に滴下または押捺し、
乾燥後に染着色する方法が、特開昭59−176047
号には、基紙に水溶性ビヒクルと染料によりなるインキ
で印刷、水系合成ゴムラテックスもしくは合成樹脂エマ
ルジョンを塗工し、溶け出し模様を得る方法が提案され
ている。他の方法は含浸による方法である。例えば特開
昭61−41398号には原紙に合成ゴムラテックスも
しくは合成樹脂エマルジョン、水、溶剤をプリントする
か、原紙にエンボスを施し、着色料液中に浸漬する方法
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】樹脂含浸紙は多くの用
途に使用されており、中には意匠性を要求される分野が
ある。例えば、包装用紙、日本酒や洋酒等のラベル用
紙、書籍のくるみ表紙や見返し用紙、アルバムやファイ
ルの内張り用紙、壁紙、等々である。意匠性を与える一
つの手段は含浸紙を着色することであり、原紙に着色し
た樹脂液を含浸するか、あるいは着色した原紙に樹脂液
を含浸して製造する。しかしこの方法では単色の樹脂含
浸紙しか得られないという制限がある。
【0007】本発明者らは、多色からなる多数の任意形
状模様を有する樹脂含浸紙の製造を目的として検討を始
めた。その一つの方法は着色していない樹脂含浸紙に、
印刷機を使用して、多色からなる多数の任意形状模様を
印刷することである。しかしこの方法では、微細な模様
は印刷できず、ハーフトーンを表現することは不可能に
近いことが判った。その理由は、含浸紙は表面平滑性に
劣り、微細な網点からなるハーフトーンの再現性に劣る
からである。樹脂含浸紙の製造時には、含浸液を速やか
に、均一に原紙内部に浸透させる必要があるので、原紙
は通常フリーネス500mlC.S.F.以上で抄紙さ
れる。そうすると、必然的に表面平滑性が劣るようにな
る。例えば、本発明者らが測定した結果では、パルプに
NBKPを使用し、フリーネス500mlC.S.F.
で抄紙した原紙の表面平滑性は(触針式表面粗さ試験機
による中心線表面粗さで評価した)4〜6μm、フリー
ネス700mlで抄紙した原紙のそれは7〜10μmで
あるのに対し、微細な模様やハーフトーンの印刷が可能
な市販のアート紙やコート紙では0.5〜0.9μmで
あり、両者に著しい差が認められた。また、原紙に凹凸
の賦型模様を形成したものを使用すると、その表面平滑
性も著しく劣るので、印刷による微細な模様やハーフト
ーンの印刷は同じく不可能である。
【0008】他の方法は原紙に前に述べたような技術を
応用し、先ず、多色からなる多数の任意形状模様を有す
る無サイズの原紙を製造し、それに含浸を施すことであ
る。 の着色した異物を抄込む方法は、表現できる意匠効果
に限度があること、抄造単位がどうしても大きくなるこ
と、抄造後に抄紙機の掃除が大変なこと、等々の問題点
がある。 の抄紙工程中で着色する方法は、紙匹または湿紙に染
色を施すので、着色剤が紙層に拡散し、輪郭がぼやけた
大柄な模様となり、本発明の目的のような、多色からな
る多数の任意形状模様を表現することは不可能である。 の抄造後の紙に着色する方法のうち、本発明者らは特
開昭61−41398号に提案されている方法を検討し
た。即ち、原紙に合成ゴムラテックスもしくは合成樹脂
エマルジョン、水、溶剤をプリントし、着色した樹脂含
浸液中に浸漬する方法を検討した。しかしながらこの方
法によっても、本発明の目的は達成出来ないことが判っ
た。その理由は、前に述べたようにプリント(即ち印
刷)によると、微細な模様は印刷できず、ハーフトーン
を表現することは不可能に近いからである。またこの方
法では紙の表面に模様が出現するだけであり、本発明の
ような、紙の裏面にまで模様を得たい場合には適さない
方法である。
【0009】本発明は以上述べたような背景でなされた
ものであって、本発明が解決しようとする主な課題を以
下に羅列する。 多色からなる多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙
を製造できること。 紙の裏面まで模様の発現した樹脂含浸紙を製造できる
こと。 微細な模様が表現された樹脂含浸紙を製造できるこ
と。 ハーフトーンが表現された樹脂含浸紙を製造できるこ
と。 柔軟性と風合いに優れた樹脂含浸紙を製造できるこ
と。 小ロットでも効率的に生産できる樹脂含浸紙の製造方
法を得ること。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、本発明を完成させたもので、本発明の要旨とする
ところを、図面に基づいて説明すると、耐水性があり無
サイズの原紙11に浸透調整液散布装置12で浸透調整
液を散布し、ついで樹脂液散布装置13で着色した樹脂
液を散布後、必要により乾燥装置14で乾燥し、ついで
樹脂液を含浸し乾燥することを特徴とする、多色からな
る多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙の製造方法で
ある。
【0011】以下図面に基づき本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の意匠紙の製造装置の一例の概念図で
あり、原紙11は先ず浸透調整液散布装置12で浸透調
整液を散布される。原紙11はNBKP、LBKP、N
BSP等の木材パルプにメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリ
アミド・エピクロルヒドリン樹脂、ポアクリルアミド系
樹脂等の公知の湿潤紙力増強剤や定着剤を添加し、樹脂
液が含浸できること、得られる含浸紙に柔軟性と風合い
を与えるために、通常フリーネス500mlC.S.
F.以上で無サイズで抄紙される。この際必要に応じ
て、他の製紙用繊維や填料、着色料等の製紙用副資材を
適宜併用することも出来る。湿潤紙力増強剤は通常、対
パルプ0.05〜2.0重量%(乾燥重量%、以下同
じ)、好ましくは0.5〜1.0重量%の範囲で添加
し、原紙は通常25〜200g/m2、好ましくは60
〜120g/m2に抄紙される。原紙は公知の方法によ
り、地合を崩して抄紙したり、抄紙網上のダンディロー
ルで、または湿紙にフェルトマークを付与したり、湿紙
や乾紙をエンボスすること等の公知の方法で凹凸の模様
を付与することもできる。
【0012】浸透調整液は、後に詳しく述べるように、
次の工程で散布する樹脂液と、その次の工程で含浸され
る樹脂液の原紙内部への浸透を調整する働きをする。浸
透調整液はロジン系サイズ剤,スチレン樹脂系サイズ
剤,アクリル樹脂系サイズ剤,スチレン−アクリル系サ
イズ剤,ワックス系サイズ剤,アルキルケテンダイマー
系サイズ剤,アルケニル無水コハク酸系サイズ剤,オレ
フィン樹脂系サイズ剤,石油樹脂系サイズ剤,脂肪酸系
サイズ剤、等の公知のサイズ剤、澱粉、変性澱粉、グァ
ーガム、カルボキシル化メチルセルロース、ポリビニル
アルコール、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ等
の水溶性樹脂等の1種類以上を使用し、浸透調整液散布
装置12により原紙に散布する。この際、浸透調整液を
染料または顔料により着色することも適宜行われる。浸
透調整液散布装置は必要に応じ2基以上設置してもよ
い。浸透調整液の散布はノズルを使用したスプレー、滴
下装置を使用した滴下、流水装置を使用した流水等によ
り行うが、これらの装置については次の樹脂液散布の箇
所で詳しく説明する。
【0013】ついで樹脂液散布装置13で着色した樹脂
液を原紙に散布する。樹脂液散布装置13は必要に応じ
2基以上設置してもよい。散布する樹脂液は、スチレン
−ブタジエン共重合ラテックス、メチルメタアクリレー
ト−ブタジエン共重合ラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ラテックス等の合成ゴムラテックス
や、ポリアクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢酸ビ
ニルエマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリ塩
化ビニルエマルジョン等の合成樹脂エマルジョンに、染
料、顔料の着色剤を混合して得られる。この際必要に応
じ、消泡剤、柔軟化剤、サイズ剤、等を併用することも
適宜行われる。
【0014】本発明に於て、浸透調整液およびに着色し
た樹脂液の散布による模様は、スプレー方式による極く
微細なドット状の模様と、滴下方式による大柄のドット
状の模様、そして流水方式によるマーブル調の模様に分
けることができる。スプレー方式による散布は、公知の
散水装置やスプレーガン等を使用して行う。図2にスプ
レーガンの一例を断面図で示した。液導入口21より導
入した浸透調整液または樹脂液は噴量調節器22を回転
調節することでニードル弁23の位置を調節でき、空気
送入口24から導入される空気と混合されノズルの先端
から霧状となって原紙11に散布される。ドット状の模
様は、ニードル弁の位置、ノズルの口径、導入する液の
圧力,粘度,濃度、原紙への散布角度、ノズル先端から
原紙に至る距離等を調整することで適宜変化させること
ができる。
【0015】図3に滴下装置の一例を斜視図で示した。
金属パイプ31はその一部を断面図で示してある。図は
金属パイプ31の下面側に幅方向に等間隔に、穴32を
開けた例であり、パイプ内部に導入した浸透調整液また
は樹脂液は、穴32から原紙11に滴下し、散布され
る。この方法は前記したスプレー方式より大きなドット
模様を得るのに適した方法である。
【0016】図4に流水装置の一例を斜視図で示した。
これは金属パイプ41の先端にノズル42を取り付け、
液流量は流量調節器43で調節できる構造になってい
る。液は流水板44によって導かれて、原紙上に流れ出
し、マーブル状の模様を原紙上に形成する。
【0017】ついで、例えば赤外線ヒーターなどの簡単
な乾燥装置14を必要により通過させ、含浸バット15
で異色の樹脂液を含浸させ、後は常法に従い乾燥装置を
通過させて本発明の樹脂含浸紙は製造される。含浸する
樹脂液は、その前の工程で散布される樹脂液とは異色に
着色されていることが必要である。異色とは、色相、彩
度、明度、濃度のいずれかまたは複数が異なっているこ
とである。
【0018】本発明では、浸透調整液を散布する工程、
ついで着色した樹脂液を散布する工程、ついで異色の着
色した樹脂液を含浸する工程の3つの工程を通り初めて
その目的が達成できる。その理由を図5に基づいて説明
する。図5は本発明で得られる樹脂含浸紙であり、図5
Aはその一部拡大断面図、図5Bはその斜視図をモデル
的に示す。原紙11に散布された浸透調整液は原紙が無
サイズであるので、速やかに原紙内部に浸透し、51に
図示したように、ある面積をもって分布する。その形状
は浸透調整液の散布方法により異なる。そこに着色した
樹脂液が散布されると、浸透調整液が散布されている部
分では、原紙内部への浸透が阻害され、不均一に原紙内
部に、52に図示したように浸透する。浸透調整液が散
布されていない部分は比較的均一に原紙内に浸透する。
ついで必要により乾燥装置14を通過させ、含浸バット
15内の異色に着色した樹脂液を含浸し(53に図示さ
れた部分)、後は常法に従い乾燥する。51、52、5
3に図示した部分はそれぞれ色相、明度、彩度、濃度が
異なり、微細な模様もしくは微妙なハーフトーン部分5
4が現れ、その模様は裏面からも認めることができる。
本発明はさらに必要に応じて表面に透明な樹脂を塗工し
て、表面強度を向上したり、印刷適性を向上させること
や、スーパーキャレンダー処理を行ったり、エンボス処
理を行うこともできる。
【0019】
【実施例】次に、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例により限定されるものではな
い。 実施例1 湿潤紙力増強剤(商品名エピノックスP−130、ディ
ックハーキュレス社製造)をNBKP:LBKP=1:
1、フリーネス400mlC.S.F.に叩解した紙料
に0.5重量%内添して、長網抄紙機で常法に従い無サ
イズの原紙を坪量75g/m2、抄紙幅1200mmで
抄紙した。この原紙にまず図2に示すスプレーガンを原
紙の幅方向に8個等間隔に設置して、浸透調整液とし
て、ロジン系サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川化
学工業製造)の1.0重量%液を1時間当り20リット
ルを全面に散布した。ついで、MBR合成ゴムラテック
ス(商品名クロスレン2M33A、武田薬品工業製造、
48重量%)100重量部に、青色染料(商品名ダイレ
クトスカイブルー5B、三菱化成製造)の0.5重量%
水溶液を8重量部混合した着色樹脂液を図2に示すスプ
レーガンを原紙の幅方向に7個等間隔に設置して、1時
間当り30リットルを原紙に散布した。ついで、MBR
合成ゴムラテックス(同上)100重量部に、青色染料
(同上)の0.8重量%水溶液を13重量部混合した樹
脂液を原紙に対して20重量%含浸し、乾燥した。その
結果、全体が青色に染色され、その中に多数の微細な白
のドット状模様と淡い青色のドット状模様が散在した、
きわめて意匠性に富んだ含浸紙が得られた。
【0020】実施例2 実施例1と同一の原紙に、まず図2に示すスプレーガン
を原紙の幅方向に7個等間隔に設置して、浸透調整液と
して、ロジン系サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川
化学工業製造)の1.0重量%液を1時間当り20リッ
トルを全面に散布した。ついで、MBR合成ゴムラテッ
クス(商品名クロスレン2M33A、武田薬品工業製
造、48重量%)100重量部に、青色染料(商品名ダ
イレクトスカイブルー5B、三菱化成製造)の0.5重
量%水溶液を4重量部混合した着色樹脂液を、図3に示
すような滴下装置(直径30mmのステンレスパイプ
に、直径1.0mmの穴を10mm間隔に等間隔に開け
たもの)で原紙に1時間当り6リットル散布した。つい
で、MBR合成ゴムラテックス(同上)100重量部
に、青色染料(同上)の0.8重量%水溶液を12重量
部混合した樹脂液を原紙に対して20重量%含浸し、乾
燥した。その結果、全体が青色に染色され、その中に多
数の微細な白のドット状模様が全面に分布し、それより
大きな円形と楕円状の淡い青色のドット状模様が散在し
た、きわめて意匠性に富んだ含浸紙が得られた。
【0021】実施例3 実施例1と同一の原紙に、図4に示した流水装置(流水
板の幅が120mm)を原紙の幅方向に10個等間隔に
設置し、浸透調整液として、ロジン系サイズ剤(商品名
サイズパインE、荒川化学工業製造)の1.0重量%液
を1時間当り7リットルを散布した。ついで同型の流水
装置を原紙の幅方向に8個等間隔に設置し、MBR合成
ゴムラテックス(商品名クロスレン2M33A、武田薬
品工業製造、48重量%)100重量部に、青色染料
(商品名ダイレクトスカイブルー5B、三菱化成製造)
の0.5重量%水溶液を6重量部混合した着色樹脂液を
原紙に1時間当り9リットル散布した。その結果、全体
が青色に染色され、紙の流れ方向に白と淡い青色のマー
ブル模様(流れ模様)が現れ、しかも色の濃度が連続的
に変化しハーフトーンが表現された、きわめて意匠性に
富んだ含浸紙が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明は構成され、多
色からなる多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙を製
造できること、紙の裏面まで模様の発現した樹脂含浸紙
を製造できること、微細な模様が表現された樹脂含浸紙
を製造できること、ハーフトーンが表現された樹脂含浸
紙を製造できること、柔軟性と風合いに優れた樹脂含浸
紙を製造できること、小ロットでも効率的に生産できる
等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の意匠紙の製造装置の一例の概念図であ
る。
【図2】スプレーガンの一例でその断面図である。
【図3】滴下装置の一例でその斜視図である。
【図4】流水装置の一例でその斜視図である。
【図5】本発明で得られる樹脂含浸紙であり、Aはその
一部拡大断面図、Bはその斜視図をモデル的に示したも
のである。
【符号の説明】
11 原紙 12 浸透調整液散布装置 13 樹脂液散布装置 14 乾燥装置 15 樹脂液含浸バット 21 液導入口 22 噴量調節器 23 ニードル弁 24 空気送入口 25 ノズル 31 金属パイプ 32 穴 41 金属パイプ 42 ノズル 43 流量調節器 44 流水板 51 浸透調整液散布部分 52 樹脂液散布部分 53 樹脂液含浸部分 54 ハーフトーン部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29B 15/08 7722−4F B29K 105:06 7199−3B D21H 5/04 (72)発明者 渡辺 保一 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 深町 明 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 上村 健夫 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性があり無サイズの原紙11に浸透
    調整液散布装置12で浸透調整液を散布し、ついで樹脂
    液散布装置13で着色した樹脂液を散布後、必要により
    乾燥装置14で乾燥し、ついで樹脂液を含浸し乾燥する
    ことを特徴とする、多色からなる多数の任意形状模様を
    有する樹脂含浸紙の製造方法。
JP29973491A 1991-10-18 1991-10-18 多色からなる多数の任意形状模様を有する樹脂含浸紙の製造方法 Pending JPH05117997A (ja)

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