JP2000154334A - 高分子蛍光体および高分子発光素子 - Google Patents

高分子蛍光体および高分子発光素子

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JP2000154334A
JP2000154334A JP10329634A JP32963498A JP2000154334A JP 2000154334 A JP2000154334 A JP 2000154334A JP 10329634 A JP10329634 A JP 10329634A JP 32963498 A JP32963498 A JP 32963498A JP 2000154334 A JP2000154334 A JP 2000154334A
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Japan
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group
polymer
light emitting
fluorescent substance
carbon atoms
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JP10329634A
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English (en)
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Masanobu Noguchi
公信 野口
Hideji Doi
秀二 土居
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高蛍光収率で高耐熱性の高分子蛍光体、および
それを用いて、発光効率が高く、かつ耐熱性の優れた高
分子発光素子。 【解決手段】固体状態で可視の蛍光を有し、数平均分子
量が103〜107である−Ar1−(CR1=CR2n
〔Ar1は側鎖を有する共役結合に関与する炭素の数が
4〜20のアリーレン基等。nは0または1。〕と−A
2−(CR3=CR4m−〔Ar2は側鎖を有しない共
役結合に関与する炭素の数が4〜20のアリーレン基
等。mは0または1。〕で示される繰り返し単位の合計
が全繰り返し単位の50モル%以上であり、繰り返し単
位においては、下式で示される関係が成り立つように置
換基が選択されている高分子蛍光体、およびそれを用い
た高分子発光素子。0.33<平均炭素数比<0.77
〔平均炭素数比とはAr1に含まれる側鎖の炭素数の合
計を、上記両繰り返し単位の主鎖に含まれる炭素原子数
の合計で割った値〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子蛍光体およ
びそれを用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDと
いうことがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある)は、例えばバックライトとしての面状
光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用い
られているが、発光させるのに高電圧の交流が必要であ
った。
【0003】近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層
とし、これと電子写真の感光体等に用いられている有機
電荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子というこ
とがある)を作製した(特開昭59−194393号公
報)。有機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆
動、高輝度に加えて多数の色の発光が容易に得られると
いう特徴があることから素子構造や有機蛍光色素、有機
電荷輸送化合物について多くの試みが報告されている
〔ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス(Jpn.J.Appl.Phys.)第27
巻、L269頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(J.Appl.Phy
s.)第65巻、3610頁(1989年)〕。
【0004】また、主に低分子の有機化合物を用いる有
機EL素子とは別に、高分子量の発光材料を用いる高分
子LEDについては、WO9013148号公開明細
書、特開平3−244630号公報、アプライド・フィ
ジックス・レターズ(Appl.Phys.Let
t.)第58巻、1982頁(1991年)などで提案
されていた。WO9013148号公開明細書の実施例
には、可溶性前駆体を電極上に成膜し、熱処理を行うこ
とにより共役系高分子に変換されたポリ(p−フェニレ
ンビニレン)薄膜が得られることおよびそれを用いた素
子が開示されている。
【0005】さらに、特開平3−244630号公報に
は、それ自身が溶媒に可溶であり、熱処理が不要である
という特徴を有する共役系高分子が例示されている。ア
プライド・フィジックス・レターズ(Appl.Phy
s.Lett.)第58巻、1982頁(1991年)
にも、溶媒に可溶な高分子発光材料およびそれを用いて
作成した高分子LEDが記載されている。
【0006】高分子LEDは、塗布により容易に有機層
を成膜することができるので、低分子を蒸着する場合と
比較して、大面積化や低コスト化に有利であり、高分子
であることから膜の機械的強度も優れていると考えられ
るが、発光効率と耐熱性の両方を十分に兼ね備えた素子
は容易には得られなかった。すなわち高分子LEDにお
いて、発光効率が高く、かつ耐熱性の優れた素子が求め
られており、それに用いる高蛍光収率で高耐熱性の高分
子蛍光体が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高蛍
光収率で高耐熱性の高分子蛍光体、およびそれを用い
て、発光効率が高く、かつ耐熱性の優れた高分子発光素
子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて鋭意検討した結果、特定の条件を満たす置
換基を有するアリーレンビニレン系高分子蛍光体は、強
い蛍光を有するとともに、耐熱性も優れており、これを
用いて、発光効率が高く、かつ耐熱性の優れた高分子発
光素子が得られることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、固体状態で可視の蛍光
を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜1
7である高分子蛍光体において、該高分子蛍光体が少
なくとも下記式(1)および式(2)で示される繰り返
し単位をそれぞれ1種類含み、かつ下記式(1)および
式(2)で示される繰り返し単位の合計が全繰り返し単
位の50モル%以上であり、かつ該高分子蛍光体に含ま
れる下記式(1)および式(2)で示される繰り返し単
位においては、下記式(3)で示される関係が成り立つ
ように置換基が選択されていることを特徴とする高分子
蛍光体、およびそれを用いた高分子発光素子に係るもの
である。
【0010】
【化3】 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基である。また、Ar1は、アルキル基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基からなる群から選ばれる基を少
なくとも1つ側鎖として有する。nは、0または1であ
る。R1、R2は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4
〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群から
選ばれる基を示す。〕
【0011】
【化4】 −Ar2−(CR3=CR4m− ・・・・・(2) 〔ここで、Ar2は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基である。また、Ar2は、側鎖を有しない。m
は、0または1である。R3、R4は、それぞれ独立に水
素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数4〜20の複素環化合物基およびシア
ノ基からなる群から選ばれる基を示す。〕
【0012】
【数2】 0.33 < 平均炭素数比 < 0.77 ・・・・・(3) 〔ここで、平均炭素数比とは、該高分子蛍光体中の式
(1)で示される繰り返し単位のAr1に含まれる側鎖
の炭素数の合計を、該高分子蛍光体中の式(1)および
式(2)で示される繰り返し単位の主鎖に含まれる炭素
原子数の合計で割った値である。〕
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高分子蛍光体およ
び高分子LEDについて詳細に説明する。本発明の高分
子LEDの構造としては、本発明の高分子蛍光体を含む
発光層を有していれば良い。例えば、以下のa)〜e)
の構造が例示される。 a)陽極/発光層/陰極 b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極 c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極 d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極 (ここで、/は積層を示す) また、発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独
立に2層以上用いてもよく、さらに電荷注入の改善また
は界面の密着性向上や混合の防止等のためにいずれかの
界面にバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順
番や数、および各層の厚さについては特に制限はない
が、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることがで
きる。
【0014】本発明の高分子発光素子の発光層に用いる
高分子蛍光体は、ポリアリーレンビニレンおよびその誘
導体であり、少なくとも下記式(1)および式(2)で
示される繰り返し単位をそれぞれ少なくとも1種類含
み、かつ下記式(1)および式(2)で示される繰り返
し単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上であ
り、かつ該高分子蛍光体に含まれる下記式(1)および
式(2)で示される繰り返し単位においては、下記式
(3)で示される関係が成り立つように置換基が選択さ
れており、かつポリスチレン換算の数平均分子量が10
3〜107である高分子蛍光体である。
【0015】
【化5】 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基である。また、Ar1は、アルキル基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基からなる群から選ばれる基を少
なくとも1つ側鎖として有する。nは、0または1であ
る。R1、R2は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4
〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群から
選ばれる基を示す。〕
【0016】
【化6】 −Ar2−(CR3=CR4m− ・・・・・(2) 〔ここで、Ar2は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基である。また、Ar2は、側鎖を有しない。m
は、0または1である。R3、R4は、それぞれ独立に水
素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数4〜20の複素環化合物基およびシア
ノ基からなる群から選ばれる基を示す。〕
【0017】
【数3】 0.33 < 平均炭素数比 < 0.77 ・・・・・(3) 〔ここで、平均炭素数比とは、該高分子蛍光体中の式
(1)で示される繰り返し単位のAr1に含まれる側鎖
の炭素数の合計を、該高分子蛍光体中の式(1)および
式(2)で示される繰り返し単位の主鎖に含まれる炭素
原子数の合計で割った値である。〕
【0018】該繰り返し単位の構造にもよるが、式
(1)および式(2)で示される繰り返し単位の合計が
全繰り返し単位の50モル%以上であり、70モル%以
上であることがより好ましい。式(1)および式(2)
で示される繰り返し単位は、それぞれ少なくとも10モ
ル%含まれることが好ましく、30モル%以上含まれる
ことがより好ましい。また、繰り返し単位の構造にもよ
るが、該高分子の溶解性の観点からは、式(1)で示さ
れる繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位
との共重合比が、1:4〜20:1であることが好まし
く、より好ましくは、1:2〜10:1である。なお、
式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示され
る繰り返し単位とが、1:1で交互に共重合している場
合は、構造の制御が容易である。
【0019】該高分子蛍光体は、式(1)および式
(2)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位とし
て、2価の芳香族化合物基もしくはその誘導体、2価の
複素環化合物基もしくはその誘導体、またはそれらを組
み合わせて得られる基などを含んでいてもよい。また、
式(1)または式(2)で示される繰り返し単位や他の
繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、アミド基、
イミド基などを有する非共役の単位で連結されていても
よいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれて
いてもよい。
【0020】上記式(1)のAr1および上記式(2)
のAr2としては、共役結合に関与する炭素原子数が4
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基であり、特開平9−45478号公報の化9に示
された2価の芳香族化合物基もしくはその誘導体基、2
価の複素環化合物基もしくはその誘導体基、またはそれ
らを組み合わせて得られる基などが例示される。
【0021】これらのなかで、フェニレン基、置換フェ
ニレン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフ
タレンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセ
ン−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10
−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジ
ン−2,5−ジイル基、チエニレン基または置換チエニ
レン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、
ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,
5−ジイル基またはチエニレン基である。
【0022】式(1)のR1、R2が水素またはシアノ基
以外の置換基である場合について述べると、炭素数1〜
20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げら
れ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基が好ましい。
【0023】アリール基としては、フェニル基、4−C
1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1
〜12であることを示す。以下も同様である)、4−C
1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナ
フチル基などが例示される。式(1)のAr1は、1つ
以上のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基
を有している。
【0024】これらの置換基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、イソアミル基、2−エチ
ルヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキ
シ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、イソア
ミルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、メチルチ
オ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、
ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オ
クチルチオ基、イソアミルチオ基、2−エチルヘキシル
チオ基などが挙げられる。
【0025】これらの置換基から、式(3)の条件を満
たすように選択すればよいが、高分子蛍光体の蛍光強度
と溶解性の観点からは、Ar1が2つ以上の置換基を有
することが好ましく、それらが同一でないことがより好
ましい。また、同じ炭素数を有する置換基で比較する
と、直鎖状のものよりは枝分かれのある置換基がより好
ましい。
【0026】平均炭素数比とは、繰り返し単位に含まれ
る側鎖の炭素数の合計を、該繰り返し単位の主鎖におい
て共役結合に関与する炭素原子数で割ったものを、該高
分子蛍光体中の式(1)および式(2)で示される繰り
返し単位全体に関して平均した値であり、0.33より
大きく、0.77より小さくなくてはならない。主鎖の
構造と側鎖の数にもよるが、0.34以上0.76以下
であることがより好ましく、0.37以上0.65以下
であることがさらに好ましい。
【0027】また、高分子蛍光体の末端基は、特に限定
されないが、重合活性基がそのまま残っていると、素子
にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるの
で、安定な基で保護されていることが好ましい。主鎖の
共役構造と連続した共役結合を有しているものがより好
ましく、例えば、ビニレン基を介してアリール基または
複素環化合物基と結合している構造が例示される。具体
的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の
置換基等が例示される。
【0028】より具体的な高分子蛍光体の例としては、
下記式(4)または(5)の繰り返し単位からなる高分
子、またはこれらの繰り返し単位を2つ以上含む共重合
体等が例示される。このとき、ビニレン基に置換基を有
する場合は、前記した例から適宜選択すれば良い。
【0029】
【化7】 ・・・・・(4) ここで、側鎖R5、R6の例としては、下記表1および表
2の組み合わせが例示される。なお、表2の高分子は、
表3の繰り返し単位の共重合体である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【化8】 ・・・・・(5) ここで、側鎖R11、R12の例としては、下記表4の組み
合わせが例示される。
【0034】
【表4】
【0035】該高分子蛍光体の合成法としては、特に限
定されないが、主鎖にビニレン基を有する場合には、例
えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げ
られる。すなわち、ジアルデヒド化合物とジホスホニウ
ム塩化合物とのWittig反応による重合、ハロゲン
化メチル基を2つ有する化合物の脱ハロゲン化水素法に
よる重縮合、スルホニウム塩基を2つ有する化合物のス
ルホニウム塩分解法による重縮合、ジアルデヒド化合物
とジアセトニトリル化合物とのKnoevenagel
反応による重合などの方法が例示される。
【0036】また、主鎖にビニレン基を有しない場合に
は、例えば該当するモノマーからFeCl3等の酸化剤
により重合する方法や、電気化学的に酸化重合する方
法、または適当な脱離基を有する中間体高分子の分解に
よる方法などが例示される。
【0037】なお、該高分子蛍光体は、ランダム、ブロ
ックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それら
の中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯
びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率
の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共
重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロ
ックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分か
れがあり、末端部が3つ以上ある場合も含まれる。ま
た、薄膜からの発光を利用するので該高分子蛍光体は、
固体状態で蛍光を有するものが好適に用いられる。
【0038】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、デカ
リン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子蛍
光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に
0.1重量%以上溶解させることができる。
【0039】該高分子蛍光体は、分子量がポリスチレン
換算で103〜107であり、それらの重合度は、繰り返
し構造やその割合によっても変わる。成膜性の点から一
般には繰り返し構造の合計数が、好ましくは10〜10
000、さらに好ましくは10〜3000、特に好まし
くは20〜2000である。
【0040】これらの高分子蛍光体を高分子LEDの発
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフィーに
よる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0041】高分子LED作成の際に、これらの有機溶
媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液から
成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去
するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合し
た場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に
有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコー
ト法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、
グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワ
イアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコー
ト法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット
印刷法等の塗布法を用いることができる。
【0042】発光層に例えば該高分子蛍光体以外の発光
材料を混合使用してもよい。該発光材料としては、公知
のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフ
タレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリ
レンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン
系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロ
キシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族ア
ミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその
誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその
誘導体などを用いることができる。具体的には、例えば
特開昭57−51781号、同59−194393号公
報に記載されているもの等、公知のものが使用可能であ
る。
【0043】本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有す
る場合、使用される正孔輸送材料としては、特に制限は
ないが、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、
ポリシランもしくはその誘導体、側鎖に芳香族アミンを
有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリ
ールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジ
アミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリ
チオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレン
ビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−
チエニレンビニレン)もしくはその誘導体が例示され
る。
【0044】具体的には、該正孔輸送材料として、特開
昭63−70257号公報、同63−175860号公
報、特開平2−135359号公報、同2−13536
1号公報、同2−209988号公報、同3−3799
2号公報、同3−152184号公報に記載されている
もの等が例示される。
【0045】これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸
送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘
導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主
鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)
もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレン
ビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料
が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール
もしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、
側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサ
ン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高
分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。ポ
リビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビ
ニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によ
って得られる。
【0046】ポリシランもしくはその誘導体としては、
ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、
1359頁(1989年)、英国特許GB230019
6号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方
法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特に
キッピング法が好適に用いられる。
【0047】ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シ
ロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、
側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有す
るものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族ア
ミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0048】正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、
低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶
液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正
孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示され
る。
【0049】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正
孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。
該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロ
エタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート
等のエステル系溶媒が例示される。
【0050】溶液からの成膜方法としては、溶液からの
スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア
コート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法等の塗布法を用いることができる。
【0051】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に
対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分
子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン
等が例示される。
【0052】本発明において、高分子LEDが電子輸送
層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知
のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラ
キノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしく
はその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アン
トラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラ
キノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導
体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、
ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン
もしくはその誘導体の金属錯体等が例示される。
【0053】具体的には、特開昭63−70257号公
報、同63−175860号公報、特開平2−1353
59号公報、同2−135361号公報、同2−209
988号公報、同3−37992号公報、同3−152
184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0054】これらのうち、オキサジアゾール誘導体、
ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもし
くはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしく
はその誘導体の金属錯体が好ましく、2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノ
ン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムがさらに
好ましい。
【0055】電子輸送層の成膜法としては特に制限はな
いが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着
法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法
が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの
成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融
状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用しても
よい。
【0056】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電
子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させ
るものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶
媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶
媒が例示される。
【0057】溶液または溶融状態からの成膜方法として
は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラ
ビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロー
ルコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート
法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印
刷法、オフセット印刷法等の塗布法を用いることができ
る。
【0058】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光
に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高
分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビ
ニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、または
ポリシロキサンなどが例示される。
【0059】本発明において、透明または半透明の陽極
の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属
薄膜等が用いられる。具体的には、インジウム・スズ・
オキサイド(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
(SnO2)等からなる導電性ガラスを用いて作成され
た膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いら
れ、ITO、ZnO、SnO2が好ましい。作製方法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極と
して、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いて
もよい。
【0060】次に、本発明で用いる陰極の材料として
は、イオン化エネルギー仕事関数の小さい材料が好まし
い。例えば、アルミニウム、インジウム、マグネシウ
ム、カルシウム、リチウム、マグネシウム−銀合金、マ
グネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニ
ウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウ
ム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−イン
ジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金、グラファ
イト、またはグラファイト層間化合物等が用いられる。
【0061】陰極の作製方法としては、真空蒸着法、ス
パッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート
法等が用いられる。また陰極作製後、該高分子LEDを
保護する保護層を装着していてもよい。
【0062】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。ここで、数平均分子量については、クロロホルム
を溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を
求めた。
【0063】実施例1 <高分子蛍光体1の合成>2−メトキシ−5−イソアミ
ルオキシ―p―キシリレンジブロミドをN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応
させてホスホニウム塩(1)を合成した。得られたホス
ホニウム塩(1)4.52gとテレフタルアルデヒド
0.54gと1−ピレンカルボキシアルデヒド0.46
gとを、エタノール/トルエン(1/1)混合溶媒10
0mlに溶解させた。次に、このホスホニウム塩とアル
デヒドのエタノール/トルエン混合溶液に、12%リチ
ウムメトキシドメタノール溶液5mlとエチルアルコー
ル20mlとを混合した溶液25mlを、室温で滴下し
た。引き続き、室温で5時間反応させた。
【0064】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をトルエンに溶解し、これにエタノールを
加えて再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合体0.
3gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体1という。
【0065】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体1の繰り返し単位を下記に示す。分子末端には主
にピレニル基を有する。
【0066】
【化9】 ・・・・・(6) 該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量
は、2.9×103であった。該高分子蛍光体1の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、0.375であった。
【0067】実施例2 <高分子蛍光体2の合成>2−メトキシ−5−オクチル
オキシ―p―キシリレンジクロリドをN,N−ジメチル
ホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応さ
せてホスホニウム塩(2)を合成した。また、2,5−
ジオクチルオキシ―p―キシリレンジクロリドをN,N
−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィ
ンと反応させてホスホニウム塩(3)を合成した。得ら
れたホスホニウム塩(2)3.43gとホスホニウム塩
(3)0.96g、およびテレフタルアルデヒド0.5
0gと1−ピレンカルボキシアルデヒド0.58gと
を、エタノール/トルエン(1/1)混合溶媒100m
lに溶解させた。次に、このホスホニウム塩とアルデヒ
ドのエタノール/トルエン混合溶液に、12%リチウム
メトキシドメタノール溶液7mlとエチルアルコール2
0mlとを混合した溶液27mlを、室温で滴下した。
引き続き、室温で3時間反応させた。
【0068】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をトルエンに溶解し、これにエタノールを
加えて再沈精製した。再沈精製は2回行った。これを減
圧乾燥して、重合体0.6gを得た。得られた重合体を
高分子蛍光体2という。
【0069】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体2の繰り返し単位を下記に示す。該二つの繰り返
し単位のモル比は、4:1である。該高分子蛍光体2
は、ランダム共重合体であり、その分子末端には主にピ
レニル基を有する。
【0070】
【化10】 ・・・・・(7)
【0071】
【化11】 ・・・・・(8) 該高分子蛍光体2のポリスチレン換算の数平均分子量
は、2.8×103であった。該高分子蛍光体2の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、0.650であった。
【0072】実施例3 <高分子蛍光体3の合成>2,5−ジメトキシ―p―キ
シリレンジクロリドをN,N−ジメチルホルムアミド溶
媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホスホニウ
ム塩(4)を合成した。また、実施例2と同じ方法でホ
スホニウム塩(2)を合成した。得られたホスホニウム
塩(2)4.28gとホスホニウム塩(4)3.80
g、およびテレフタルアルデヒド1.01gと1−ピレ
ンカルボキシアルデヒド1.15gとを、エタノール/
トルエン(1/1)混合溶媒170mlに溶解させた。
次に、このホスホニウム塩とアルデヒドのエタノール/
トルエン混合溶液に、12%リチウムメトキシドメタノ
ール溶液10mlとエチルアルコール40mlとを混合
した溶液50mlを、室温で滴下した。引き続き、室温
で4時間反応させた。
【0073】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をトルエンに溶解し、これにエタノールを
加えて再沈精製した。再沈精製は2回行った。これを減
圧乾燥して、重合体0.7gを得た。得られた重合体を
高分子蛍光体3という。
【0074】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体3の繰り返し単位を下記に示す。該二つの繰り返
し単位のモル比は、1:1である。該高分子蛍光体2
は、ランダム共重合体であり、その分子末端には主にピ
レニル基を有する。
【0075】
【化12】 ・・・・・(9)
【0076】
【化13】 ・・・・・(10) 該高分子蛍光体3のポリスチレン換算の数平均分子量
は、2.0×103であった。該高分子蛍光体3の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、0.344であった。
【0077】実施例4 <高分子蛍光体4の合成>実施例2と同じ方法でホスホ
ニウム塩(3)を合成した。得られたホスホニウム塩
(3)9.55gと4,4’−ジホルミルジフェニル
2.10gとを、エタノール/クロロホルム(1/1)
混合溶媒140gに溶解させた。次に、このホスホニウ
ム塩とアルデヒドのエタノール/クロロホルム混合溶液
に、リチウムエトキシド1.6gを含むエタノール溶液
50mlを、室温で滴下した。引き続き、室温で5時間
反応させた。
【0078】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をクロロホルムに溶解し、これにエタノー
ルを加えて再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合体
3.8gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体4とい
う。
【0079】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体4の繰り返し単位を下記に示す。
【0080】
【化14】 ・・・・・(11) 該高分子蛍光体4のポリスチレン換算の数平均分子量
は、8.5×103であった。該高分子蛍光体4の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、0.409であった。
【0081】比較例1 <高分子発光体5の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジクロリドをN,N−ジメチルホルムア
ミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホス
ホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩10.
5gとテレフタルアルデヒド1.21gと1−ピレンカ
ルボキシアルデヒド0.92gとを、エタノール/クロ
ロホルム(1/1)混合溶媒150gに溶解させた。次
に、このホスホニウム塩とアルデヒドのエタノール/ク
ロロホルム混合溶液に、リチウムエトキシド1.6gを
含むエタノール溶液60mlを、室温で滴下した。引き
続き、室温で4時間反応させた。
【0082】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をクロロホルムに溶解し、これにエタノー
ルを加えて再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合体
3.3gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体5とい
う。
【0083】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体5の繰り返し単位を下記に示す。分子末端には主
にピレニル基を有する。
【0084】
【化15】 ・・・・・(12) 該高分子蛍光体5のポリスチレン換算の数平均分子量
は、3.7×103であった。該高分子蛍光体5の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、1.000であった。
【0085】比較例2 <高分子発光体6の合成>実施例3と同じ方法でホスホ
ニウム塩(4)を合成した。得られたホスホニウム塩
(4)5.31gとテレフタルアルデヒド0.80gと
1−ピレンカルボキシアルデヒド0.57gを、エタノ
ール/トルエン(1/1)混合溶媒120gに溶解させ
た。次に、このホスホニウム塩とアルデヒドのエタノー
ル/トルエン混合溶液に、12%リチウムメトキシドメ
タノール溶液7.5mlとエチルアルコール30mlと
を混合した溶液37.5mlを、室温で滴下した。引き
続き、室温で5時間反応させた。
【0086】一夜室温で放置した後、生成した沈殿を回
収した。次に、この沈殿をエタノールで洗浄した。次
に、この沈殿をトルエンに溶解し、これにエタノールを
加えて再沈精製した。これを減圧乾燥して、重合体0.
5gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体6という。
【0087】モノマーの仕込み比から計算される高分子
蛍光体6の繰り返し単位を下記に示す。分子末端には主
にピレニル基を有する。
【0088】
【化16】 ・・・・・(13) 該高分子蛍光体6のポリスチレン換算の数平均分子量
は、1.6×103であった。該高分子蛍光体6の構造
については1H−NMR、IRスペクトルで確認した。
この場合の平均炭素数比は、0.125であった。
【0089】実施例5 <吸収スペクトル、蛍光スペクトルの測定と蛍光の量子
収率の評価>高分子蛍光体1〜6は、クロロホルムに容
易に溶解させることができた。その0.4%クロロホル
ム溶液を石英板上にスピンコートして重合体の薄膜を作
成した。この薄膜の紫外可視吸収スペクトルと蛍光スペ
クトルをそれぞれ島津製作所製分光光度計UV3500
および日立製作所製蛍光分光光度計850を用いて測定
した。蛍光の量子収率の算出には410nmで励起した
時の蛍光スペクトルを用いた。蛍光強度は、横軸に波数
をとってプロットした蛍光スペクトルの面積を、410
nmでの吸光度で割ることにより求め、更に高分子蛍光
体5の蛍光強度を1としたときの相対値とした。
【0090】高分子蛍光体1〜4の蛍光強度は、表9に
示すとおり、少なくとも高分子蛍光体5と同等以上であ
り、高分子蛍光体6は蛍光強度が小さかった。
【0091】実施例6 <示差走査熱量分析(DSC)による耐熱性の評価>セ
イコー電子製示差走査熱量分析計DSC200を用いて
高分子蛍光体1〜6の熱分析を行った。いずれも高分子
の軟化に対応すると思われる吸熱ピークが見られた。そ
の温度を表5に示す。高分子蛍光体1〜4は、いずれも
高分子蛍光体5よりも高い温度で吸熱ピークを示した。
【0092】
【表5】
【0093】実施例1〜4の高分子蛍光体1〜4は、い
ずれも、比較例1の高分子蛍光体5よりも、少なくとも
同等以上に蛍光が強く、かつ高い軟化温度を有してい
る。しかし、比較例2の高分子蛍光体6は、軟化温度は
高いが、蛍光が弱い。
【0094】実施例7 <素子の作成および評価>スパッタ法により150nm
の厚みでITO膜を付けたガラス基板に、高分子蛍光体
1の1.0wt%トルエン溶液を用いてスピンコートに
より40nmの厚みで成膜した。さらに、これを減圧下
120℃で1時間乾燥した後、電子輸送層として、トリ
ス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)を
0.1〜0.2nm/秒の速度で50nm蒸着した。そ
の上に陰極として、リチウムーアルミニウム合金(リチ
ウム濃度:1wt%)を50nm蒸着して、高分子発光
素子を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて8×1
-6Torr以下であった。
【0095】高分子蛍光体1の代わりに高分子蛍光体
2、3、6をそれぞれ用いて同様にして、高分子発光素
子を作製した。得られた素子はいずれも電圧を印加する
ことにより、緑色で明るく発光した。発光ピーク波長
は、それぞれの高分子蛍光体薄膜の蛍光ピーク波長とほ
ぼ一致しており、高分子蛍光体からのEL発光が確認さ
れた。各素子の発光効率と最高輝度を表6に示す。輝度
はほぼ電流密度に比例していた。
【0096】
【表6】
【0097】実施例1〜3の高分子蛍光体1〜3を用い
た素子は、それぞれ比較的高い発光効率を有し、最高輝
度も高いが、比較例2の高分子蛍光体6を用いた素子
は、それらの素子よりも発光効率が低く、最高輝度も低
い。
【0098】
【発明の効果】側鎖長が特定の条件を満たす高分子蛍光
体は、高蛍光収率と高耐熱性をともに有しており、また
高分子発光素子の発光層に該高分子蛍光体を用いること
で発光効率が高く耐熱性の優れた高分子発光素子が容易
に得られる。したがって、該高分子蛍光体は、特に高分
子発光素子の材料として好適に用いることができ、該高
分子発光素子は、バックライトとしての曲面状や面状光
源、フラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB03 AB14 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 4H056 CA02 CB03 CC02 CE02 CE06 FA01 4J032 BA04 BA12 CA07 CA12 CA14 CF01 CG03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体状態で可視の蛍光を有し、ポリスチレ
    ン換算の数平均分子量が103〜107である高分子蛍光
    体において、該高分子蛍光体が下記式(1)および式
    (2)で示される繰り返し単位をそれぞれ少なくとも1
    種類含み、かつ下記式(1)および式(2)で示される
    繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上
    であり、かつ該高分子蛍光体に含まれる下記式(1)お
    よび式(2)で示される繰り返し単位においては、下記
    式(3)で示される関係が成り立つように置換基が選択
    されていることを特徴とする高分子蛍光体。 【化1】 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、共役結合に関与する炭素原子数が
    4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
    化合物基である。また、Ar1は、アルキル基、アルコ
    キシ基、アルキルチオ基からなる群から選ばれる基を少
    なくとも1つ側鎖として有する。nは、0または1であ
    る。R1、R2は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4
    〜20の複素環化合物基およびシアノ基からなる群から
    選ばれる基を示す。〕 【化2】 −Ar2−(CR3=CR4m− ・・・・・(2) 〔ここで、Ar2は、共役結合に関与する炭素原子数が
    4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
    化合物基である。また、Ar2は、側鎖を有しない。m
    は、0または1である。R3、R4は、それぞれ独立に水
    素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
    リール基、炭素数4〜20の複素環化合物基およびシア
    ノ基からなる群から選ばれる基を示す。〕 【数1】 0.33 < 平均炭素数比 < 0.77 ・・・・・(3) 〔ここで、平均炭素数比とは、該高分子蛍光体中の式
    (1)で示される繰り返し単位のAr1に含まれる側鎖
    の炭素数の合計を、該高分子蛍光体中の式(1)および
    式(2)で示される繰り返し単位の主鎖に含まれる炭素
    原子数の合計で割った値である。〕
  2. 【請求項2】上記式(1)および式(2)において、n
    =1かつm=1であることを特徴とする請求項1記載の
    高分子蛍光体。
  3. 【請求項3】上記式(1)と式(2)の繰り返し単位が
    交互に連結した構造を有することを特徴とする請求項1
    または2記載の高分子蛍光体。
  4. 【請求項4】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも高
    分子蛍光体を含む発光層を有する高分子発光素子におい
    て、該発光層が請求項1、2または3記載の高分子蛍光
    体を含むことを特徴とする高分子発光素子。
  5. 【請求項5】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物を含む層を設けたことを特徴とする
    請求項4記載の高分子発光素子。
  6. 【請求項6】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て正孔輸送層化合物を含む層を設けたことを特徴とする
    請求項4記載の高分子発光素子。
  7. 【請求項7】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物を含む層、および陽極と発光層との
    間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む層を
    設けたことを特徴とする請求項4記載の高分子発光素
    子。
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WO2002088223A1 (fr) * 2001-04-27 2002-11-07 Sumitomo Chemical Company, Limited Copolymere bloc et element luminescent polymere
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