JP2000153434A - 超音波球面創成装置及び超音波球面創成方法 - Google Patents

超音波球面創成装置及び超音波球面創成方法

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JP2000153434A
JP2000153434A JP10326643A JP32664398A JP2000153434A JP 2000153434 A JP2000153434 A JP 2000153434A JP 10326643 A JP10326643 A JP 10326643A JP 32664398 A JP32664398 A JP 32664398A JP 2000153434 A JP2000153434 A JP 2000153434A
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spherical
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークに創成する球面が小さくても、その形
状及び深さを高精度に形成する。 【解決手段】 超音波振動子3に取り付けられたホーン
9に保持され、超音波振動子3の振動によってその球面
形状をワーク1に創成する球体2と、ワーク1に創成さ
れる球面形状の深さを測定する測定器4と、非磁性の砥
粒が流体中に分散したスラリー12をワーク1の球面創
成部位へ吐出する吐出量を規定するスラリー供給手段5
と、測定器4からの測定値に基づいてワーク1への球面
創成速度を演算し、この演算結果に基づいてスラリー1
2の供給量を規定してスラリー供給手段5を制御する演
算制御手段6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズなどの光学
素子などを形成するためのワークに対し、微小な球面形
状を精度良く創成する超音波球面創成装置及び超音波球
面創成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスレンズや球面鏡等のような球面を
有する光学素子などを形成するためにワークに対して球
面創成加工が行われている。この球面創成加工は、社団
法人日本オプトメカトロニクス協会発行「光学素子加工
技術′92」の「研削・研磨」項に記載されるようにC
G機(カーブジェネレータ)により行われている。
【0003】図7はこのCG機の加工原理を示す。球面
が創成されるワーク110は回転軸Aを中心に回転する
一方、カップ状の砥石120は回転軸Aと同一平面上で
回転軸Aと角度θをなす回転軸Bを中心に回転する。こ
の砥石120を回転させながらワーク110側の最接近
部分121を回転軸A上に位置させ、ノズル140から
研削液130を噴きかけながらワーク110を回転軸A
に沿って砥石120側に切り込むことによって球面の創
成を行う。
【0004】図8は特開平3−277466号公報に開
示された超音波を用いた形状創成加工を示す。この加工
では、排出口251を有した加工容器250内にワーク
220をセットし、所望の形状に形成した超音波加工工
具210をワーク220に当接させると共に、超音波加
工工具210とワーク220との界面に磁性砥粒を分散
させた流体230を介在させる。そして、超音波加工工
具210によって荷重をかけながら超音波振動させなが
ら加工を行う。この場合、超音波加工工具210に電極
240を取り付けて磁性砥粒を効率的に加工部位に集中
させる。この加工では、加工部位に磁性砥粒を介在させ
ることにより、加工工具210の形状をワーク220に
転写するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すCG機を用
いた加工では、創成する球面の曲率が小さくなるのに従
って砥石120の径Dを小さくする必要がある。例えば
曲率半径0.5mmの球面をワーク110創成する場
合、砥石120の径Dをおよそ0.7mm以下とする必
要がある。
【0006】しかしながら、径が小さくなると、砥石1
20加工中の加工負荷によって砥石120に撓みが生
じ、この撓みによってワーク110の球面形状及び球面
深さの精度が低下する問題を有している。
【0007】図8に示す加工では、磁性砥粒を電極24
0によって加工部位に集中させるため、磁性砥粒が加工
部位で相互に重なり合って砥粒層ができ、このため、創
成する形状及びその深さの精度が低下する。例えば、5
μmの磁性砥粒を用いた場合、磁性砥粒が単独で存在し
ている箇所に対し、磁性砥粒が二つ重なっている箇所で
はその倍の10μmとなり、5μmの深さの差が生じ
る。従って、高精度に加工を行うことができない。
【0008】又、超音波加工工具210自体も磁性砥粒
によって削られるため、超音波加工工具210の形状が
早期に乱れたり、崩れ、これにより早期に加工ができな
くなる問題も有している。
【0009】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、創成する球面が小さくても、
その形状及び深さを高精度に形成することができる超音
波球面創成装置及び超音波球面創成方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、超音波振動子に取り付けられた
ホーンに保持され、超音波振動子の振動によってその球
面形状をワークに創成する球体と、前記ワークに創成さ
れる球面形状の深さを測定する測定器と、非磁性の砥粒
が流体中に分散したスラリーを前記ワークの球面創成部
位へ吐出する吐出量を規定するスラリー供給手段と、前
記測定器からの測定値に基づいてワークへの球面創成速
度を演算し、この演算結果に基づいて前記スラリーの供
給量を規定して前記スラリー供給手段を制御する演算制
御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0011】この発明では、球体の外面がワークに対し
て作用してワークに球面形状を創成するため、創成され
るワークの球面が小さくても高精度で加工することがで
きる。この加工では、超音波振動子が超音波振動するこ
とにより、球体が振動し、球体の径及びスラリー内の非
磁性の砥粒を粒径を加えた径の球面形状がワークに創成
される。このとき、砥粒は非磁性のため、良好に分散
し、砥粒が相互に結合することがない。このため、高精
度に創成することができる。
【0012】測定器は創成される球面形状の深さを測定
しており、演算制御手段は測定器が測定した測定値に基
づいて球面創成速度を演算し、この演算結果に基づいて
スラリーの供給量を規定する。そして、規定した供給量
に従って、スラリー供給手段はスラリーをワークの球面
創成部位に供給する。従って、加工に伴って砥粒が経時
的に劣化して加工力が低下しても、新たなスラリー中の
砥粒が加工を続行する。これにより加工力が低下するこ
となく、ワークに対して球面形状を創成することができ
る。又、測定器が球面形状の深さを測定しながらワーク
の創成を行うため、その形状及び深さを高精度に形成す
ることができる。
【0013】請求項2の発明は、非磁性の砥粒が流体中
に分散したスラリーを供給しながら超音波振動子の先端
のホーンに保持した球体の球面形状をワークに創成する
方法において、前記ワークに創成される球面形状の深さ
を測定し、この測定値に基づいてワークへの球面創成速
度を演算し、この演算結果に基づいて前記スラリーの吐
出量を制御することを特徴とする。
【0014】この発明では、ワークに創成される球面形
状の深さを測定しながら、ワークへの球面創成速度を演
算するため、高精度に加工することができる。又、演算
結果に基づいてスラリーの吐出量を制御するため、加工
力が低下することなく、円滑に加工を行うことができ
る。
【0015】請求項3の発明は、超音波振動子に取り付
けられたホーンに保持され、超音波振動子の振動によっ
てその球面形状をワークに創成する球体と、前記ワーク
に創成される球面形状の深さを測定する測定器と、前記
超音波振動子に超音波を発振する超音波発振器と、非磁
性の砥粒が流体中に分散したスラリーを前記ワークの球
面創成部位へ吐出するスラリー供給手段と、前記測定器
からの測定値に基づいてワークへの球面創成速度を演算
し、この演算結果に基づいて前記超音波発振器が超音波
振動子に出力する超音波の出力を制御する演算制御手段
と、を備えていることを特徴とする。
【0016】この発明においても、ワークへの球面形状
の創成を球体によって行うと共に、スラリー中では、非
磁性の砥粒が良好に分散するため、ワークの球面が小さ
くても高精度で加工することができる。
【0017】この発明では、測定器の測定値に基づいて
演算した球面創成速度から超音波振動子への超音波の出
力を制御し、ワークへの球面の創成を制御するため、同
様にワークに加工する球面形状及び深さを高精度に形成
することができる。
【0018】請求項4の発明は、非磁性の砥粒が流体中
に分散したスラリーを供給しながら超音波振動子の先端
のホーンに保持した球体の球面形状をワークに創成する
方法において、前記ワークに創成される球面形状の深さ
を測定し、この測定値に基づいてワークへの球面創成速
度を演算し、この演算結果に基づいて前記超音波発振器
が超音波振動子に発振する超音波の出力を制御すること
を特徴とする。
【0019】この発明では、ワークに創成される球面形
状の深さを測定しながら、ワークへの球面創成速度を演
算し、しかも、演算結果に基づいて超音波振動子への超
音波の出力を制御するため、ワークの球面形状を高精度
に形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1の超音波球面創成装置の全体を示し、ワー
ク1に球面形状を創成する球体2と、球体2が取り付け
られる超音波振動子3と、測定器4と、スラリー供給手
段5と、演算制御手段6とを備えている。
【0021】ワーク1はレンズなどの光学素子からな
り、ワーク台7上部のワーク保持部材7aに着脱自在に
保持されることによりワーク台7上に固定される。ワー
ク台7は後述する超音波振動子3の昇降方向と同一方向
に伸縮する加圧シリンダからなる加圧手段8に支持され
ており、加圧手段8の駆動によって上下動する。加圧手
段8としての加圧シリンダの加圧量は任意に設定できる
ものである。なお、加圧手段8としては、エアシリン
ダ、油圧シリンダであっても良く、シリンダ以外のばね
圧、流体圧、磁力などであっても良い。
【0022】超音波振動子3は図示を省略した昇降機構
に取り付けられており、昇降機構の駆動によって昇降す
る。この超音波振動子3の先端にはホーン9が取り付け
られ、ホーン9の先端に球体2が保持されている。ホー
ン9は超音波振動子3の超音波振動を増幅するものであ
る。球体2は球面形状の鋼球からなり、後述するように
超音波振動子3の超音波振動によって、その球面形状を
ワーク1に創成する。
【0023】図2はホーン9が球体2を保持する構造を
示し、(a)ではホーン9の先端に球体2と同等の曲率
か、幾分小さな曲率の凹球面9aが形成され、(b)で
はホーン9の先端に球体2と同一径以下の円筒状凹部9
bが形成され、(c)ではホーン9の先端に円錐状の凹
部9cが形成されており、これらによって球体2がホー
ン9の先端に保持される。ホーン9への球体2の保持
は、エア吸引力、磁気吸引力、チャックなどの機械的な
保持力によって行われる。この場合、球体2は回転自在
な状態でホーン9に保持されるものである。
【0024】超音波振動子3は超音波発振器11に接続
されており、超音波発振器11から出力される超音波に
よって超音波振動する。超音波発振器11は演算制御手
段6に接続されて超音波発振するものである。
【0025】測定器4は上方に延びる測定子4aを有
し、この測定子4aがワーク台7のフランジ部7bに接
触している。このように測定子4aがフランジ部7bに
接触することにより、測定器4はワーク台7の昇降量を
測定し、間接的にワーク1に創成される球面形状の深さ
を測定する。そして、測定した測定値はアンプ10に出
力され、アンプ10で増幅された後、演算制御手段6に
出力される。
【0026】測定器4はワーク台7に隣接した配置され
た固定状態のベース台(図示省略)に固定しても良く、
加圧手段8の側壁に固定しても良い。又、これに限ら
ず、測定器4をワーク台7に取り付けると共に、測定基
準点を固定の位置に配設し、配設した測定基準点に対す
るワーク台7の移動量を測定器4によって測定するよう
にしても良い。
【0027】スラリー供給手段5はスラリー12をワー
ク1の球面創成部位に吐出するノズル13を備えてい
る。スラリー12は非磁性の砥粒を水やシリコンオイル
などの非磁性の流体中に分散させたものである。砥粒と
しては、ダイヤモンド、c−BN、SiC、酸化セリウ
ム、アルミナ、ジルコニア、GCなどの非磁性で、且つ
一定の硬度を有した粒体が使用される。
【0028】この実施の形態において、スラリー供給手
段5は規定量のスラリー12をワーク1の球面創成部位
に吐出するものである。図3はこの実施の形態のスラリ
ー供給手段5の構成を示し、移動板14にシリンジ15
が取り付けられている。シリンジ15は図1におけるノ
ズル13を構成するものである。移動板14はワーク1
の球面創成部位の方向に延びるガイド16に沿って往復
移動する。ガイド16の近接位置には、ガイド16と平
行方向に伸縮する移動用シリンダ17が配設され、この
移動用シリンダ17に移動板14が取り付けられること
により、移動板14が往復移動する。
【0029】移動板14には、吐出用モータ18及びボ
ールねじ19が連結状態で取り付けられており、ボール
ねじ19にシリンジ15のピストン15aが連結されて
いる。従って、吐出用モータ18が駆動することによ
り、ピストン15aが往復動し、これによりシリンジ1
5にスラリー12を吸引すると共に、吸引されたスラリ
ー12をシリンジ15から吐出することができる。かか
る吐出用モータ18はスラリー制御部20によって駆動
が制御される。
【0030】シリンジ15に吸引されるスラリー12は
撹拌容器21に充填されている。撹拌容器21は容器部
21aと、容器部21aを支持する撹拌部21bとを備
えており、スラリー12は容器部21aに充填されてい
る。撹拌部21bはマグネットスターラーからなり、そ
の撹拌子21cが容器部21a内に設けられている。こ
の撹拌容器21では、撹拌子21cが回転することによ
り、スラリー12を撹拌するため、砥粒を常に粒体内に
均一に分散させることができ、シリンジ15は砥粒が均
一に分散した一定濃度のスラリー12を吸引することが
できる。なお、撹拌容器21は、超音波撹拌や揺動撹拌
などであっても良い。
【0031】このようなスラリー供給手段5では、移動
板14が撹拌容器21側に移動したとき、シリンジ15
がスラリー12を吸引し、移動板14がワーク1側に移
動したとき、シリンジ15がスラリー12をワーク1の
球面創成部位に吐出する。
【0032】演算制御手段6はアンプ10を介して入力
された測定器4の測定値に基づいてワーク1への球面創
成速度を演算し、この演算結果に基づいてスラリー12
の供給量を規定する。そして、演算制御手段6はスラリ
ー制御部20を制御して加工に必要な量又は/及びタイ
ミングでスラリー12をワーク1の球面創成部位に吐出
する。
【0033】次に、この実施の形態による球面の創成を
説明する。ワーク1は直接あるいはワーク1を固定する
ための固定部材を介してワーク台7のワーク保持部材7
a上に固定される。又、加圧手段8である加圧シリンダ
は任意の設定圧力値でストローク未満にまで上昇してい
る。超音波振動子3が昇降機構により下端あるいは任意
に設定した高さまで下降すると、超音波振動子3のホー
ン9の先端に磁力、エア吸引力、チャック等で保持され
た球体2がワーク1を下方に押し込む。
【0034】これにより、ワーク1を保持したワーク台
7が押し下げられ、球体2とワーク1は加圧シリンダ8
に設定された圧力で接触する。この位置で、球体2のホ
ーン9への保持を解除するが、ホーン9及びワーク1に
挟まれていることにより、球体2はその位置に留まる。
この時のワーク台7の高さ位置が測定器4の測定値とし
てアンプ10を介して演算制御手段6に送出される。
【0035】演算制御手段6はスラリー制御部20を介
してスラリー供給手段5を制御する。これにより、球体
2とワーク1との接触部である球面創成部位付近に移動
したノズル13が規定量(所定量)のスラリー12を球
面創成部位に吐出する。
【0036】スラリー12が球面創成部位に供給された
後、演算制御手段6が超音波発振器11を起動し、これ
により超音波発振器11は設定された周波数及び出力で
超音波振動子3を超音波振動させる。超音波振動子3の
振動はホーン9で増幅されて球体2に伝達される。球体
2が振動することにより、非磁性の流体中に非磁性の砥
粒を混入したスラリー12が球体2とワーク1の間に介
入する。球体2の振動はスラリー12を介してワーク1
に伝えられる。
【0037】非磁性の流体中では非磁性の砥粒が容易に
分散して相互に砥粒が結合していない。このため、球体
2の外径にスラリー12の粒径分を加えた径の球面をワ
ーク1に創成することができ、高精度な創成が可能とな
る。同時に、球体2は振動に伴う回転運動を行う。
【0038】球面創成が進行するのに従って、超音波振
動子3の下降により下方に押し込まれていたワーク台7
が創成進行分だけ上昇する。この変位量を測定器4によ
り検出し、アンプ10に取り込む。そして、その測定値
が演算制御手段6に送出される。
【0039】図4は球面創成の加工を開始してからの加
工深さ(即ち加工量)の進行を時間の経過と共にプロッ
トした特性図である。スラリー12を規定量供給した加
工開始直後に対して加工時間が経つのにつれて加工速度
は小さくなり、最終的には超音波振動子3が振動してい
るにもかかわらず、ほとんど加工が進行しなくなる。こ
の加工効率の減少は、スラリー12の劣化に起因するも
のである。
【0040】これに対し、図5は加工途中52aで規定
量のスラリー12を球体2とワーク1との接触部である
球面創成部位に補給するものであり、この補給によっ
て、再び加工が進行する。このようにスラリー12の供
給量、供給タイミング、供給速度がワーク1への曲面創
成時間及び面荒さ、曲面深さ等の加工精度に大きく影響
する。
【0041】この実施の形態では、演算制御手段6が測
定器4の変位量を定期的に監視し、図6に示すように所
定時間ごとの変位量を傾きで算出する。これを連続的、
例えば数十ms単位でサンプリングすることにより、加
工量の変位曲線を求める。この曲線を図5に示す予め設
定した変位量許容範囲51と比較し、この許容範囲幅か
ら変位量が外れることのないように、演算制御手段6は
スラリー12の供給及び供給速度等の条件変更や供給停
止判定を行う。
【0042】この演算制御手段6の判定に基づいて、ス
ラリー供給手段5はスラリー12の吐出開始と停止、吐
出においては吐出速度制御を随時実施する。高精度の球
面創成においては、球面深さ精度が重要であり、例えば
目標値±2μmの範囲に加工量許容値があることが求め
られる。
【0043】又、目標創成深さに達した段階で超音波発
振器11の発振を停止した場合、余波が存在するため
に、即ちホーン9が慣性で振動し続けるために、加工が
数十μm進行する。この余波分を見越して発振を停止し
ないと、スラリー12供給直後等の加工速度、即ち加工
進行速度が、高速時においては、目標加工深さを得るこ
とが困難となる。このためこの実施の形態では、目標加
工時間及び目標加工深さ位置において、加工進行速度が
延滞(即ち、遅延)する状態になるようにスラリー12
の吐出制御を行う。具体的には、演算制御手段6が上述
したように定期的にサンプリングした加工変位量から、
目標加工終了時間及び目標加工深さの位置からどれだけ
ずれ込むかを算出し、スラリー供給手段5を介してスラ
リー12の吐出制御を行う。又は、算出される加工曲線
52(図5参照)から発振停止時間を求める。なお、加
工進行速度が延滞(遅延)するようにした場合、砥粒の
切削性が劣化しているので、ワーク1の加工面の面荒さ
が小さくなり、良好な面が得られることになる。
【0044】以上のような加工の終了後、測定器4から
の測定値と演算制御手段6とにより加工の良否判定を行
い、超音波振動子3を上昇させ、加工が完了したワーク
1の取り出し、及び球体2の交換を行う。
【0045】このような実施の形態では、撹拌容器21
へのスラリー12の補給時などの際にスラリー12の濃
度が変化した際や、ワーク1の材質変更等の諸条件変化
時においても、それらに応じた調整・段取り等を行うこ
となく、微小球面加工が精度良くバラツキも極めて少な
く行うことができる。
【0046】(実施の形態2)この実施の形態では、ス
ラリー12は加工開始時における一回の規定量の供給或
いは一定時間毎に間欠的に規定量を供給する固定の供給
形態とし、これに対し、超音波発振器11の超音波振動
子3への出力を制御するものである。この制御は演算制
御手段6が行う。
【0047】すなわち、この実施の形態では、演算制御
手段6は所定時間毎にサンプリングした加工量変位曲線
が予め設定された変位量許容範囲から外れることのない
ように超音波の出力及び振幅を変化させることによって
制御する。このような制御を行っても、目標加工深さ近
辺においては、加工速度を遅くすることにより目標加工
深さを精度良く得ることができ、同時に面精度を向上さ
せることができる。
【0048】この実施の形態においても、実施の形態1
と同様に特別な調整・段取り等を行うことなく、微小球
面加工を精度良くバラツキも極めて少なく行うことがで
きる。なお、この実施の形態では、実施の形態1を組み
合わせることも可能であり、これにより同様の効果を得
ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、測定器が測定した測定値に基づいて球面創成速
度を演算し、演算結果に基づいてスラリーの供給量を規
定してスラリーを供給するため、ワークの球面創成を高
精度に行うことができる。
【0050】請求項2の発明によれば、ワークに創成さ
れる球面形状の深さを測定しながら、ワークへの球面創
成速度を演算するため、高精度に加工することができ
る。
【0051】請求項3の発明によれば、測定器の測定値
に基づいて演算した球面創成速度から超音波振動子への
超音波の出力を制御し、ワークへの球面の創成を制御す
るため、ワークに対する球面形状及び深さを高精度に形
成することができる。
【0052】請求項4の発明によれば、ワークに創成さ
れる球面形状の深さを測定しながら、ワークへの球面創
成速度を演算し、演算結果に基づいて超音波振動子への
超音波の出力を制御するため、ワークの球面形状を高精
度に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波球面創成装置の全体の正面図で
ある。
【図2】(a)、(b)、(c)はホーンが球体を保持
する構造をそれぞれ示す断面図である。
【図3】スラリー供給手段の正面図である。
【図4】ワークへの加工量を時間でプロットした特性図
である。
【図5】スラリーを供給するために用いる特性図であ
る。
【図6】スラリーの供給タイミングを示す特性図であ
る。
【図7】従来の創成を示す模式図である。
【図8】超音波によって加工を行う別の従来の加工装置
の断面図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 球体 3 超音波振動子 4 測定器 5 スラリー供給手段 6 演算制御手段 9 ホーン 11 超音波発振器 12 スラリー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子に取り付けられたホーンに
    保持され、超音波振動子の振動によってその球面形状を
    ワークに創成する球体と、 前記ワークに創成される球面形状の深さを測定する測定
    器と、 非磁性の砥粒が流体中に分散したスラリーを前記ワーク
    の球面創成部位へ吐出する吐出量を規定するスラリー供
    給手段と、 前記測定器からの測定値に基づいてワークへの球面創成
    速度を演算し、この演算結果に基づいて前記スラリーの
    供給量を規定して前記スラリー供給手段を制御する演算
    制御手段と、を備えていることを特徴とする超音波球面
    創成装置。
  2. 【請求項2】 非磁性の砥粒が流体中に分散したスラリ
    ーを供給しながら超音波振動子の先端のホーンに保持し
    た球体の球面形状をワークに創成する方法において、 前記ワークに創成される球面形状の深さを測定し、この
    測定値に基づいてワークへの球面創成速度を演算し、こ
    の演算結果に基づいて前記スラリーの吐出量を制御する
    ことを特徴とする超音波球面創成方法。
  3. 【請求項3】 超音波振動子に取り付けられたホーンに
    保持され、超音波振動子の振動によってその球面形状を
    ワークに創成する球体と、 前記ワークに創成される球面形状の深さを測定する測定
    器と、 前記超音波振動子に超音波を発振する超音波発振器と、 非磁性の砥粒が流体中に分散したスラリーを前記ワーク
    の球面創成部位へ吐出するスラリー供給手段と、 前記測定器からの測定値に基づいてワークへの球面創成
    速度を演算し、この演算結果に基づいて前記超音波発振
    器が超音波振動子に出力する超音波の出力を制御する演
    算制御手段と、を備えていることを特徴とする超音波球
    面創成装置。
  4. 【請求項4】 非磁性の砥粒が流体中に分散したスラリ
    ーを供給しながら超音波振動子の先端のホーンに保持し
    た球体の球面形状をワークに創成する方法において、 前記ワークに創成される球面形状の深さを測定し、この
    測定値に基づいてワークへの球面創成速度を演算し、こ
    の演算結果に基づいて前記超音波発振器が超音波振動子
    に発振する超音波の出力を制御することを特徴とする超
    音波球面創成方法。
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