JP2000153299A - 汚泥の凝集処理方法 - Google Patents

汚泥の凝集処理方法

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JP2000153299A JP10329370A JP32937098A JP2000153299A JP 2000153299 A JP2000153299 A JP 2000153299A JP 10329370 A JP10329370 A JP 10329370A JP 32937098 A JP32937098 A JP 32937098A JP 2000153299 A JP2000153299 A JP 2000153299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生成されるフロックの密度が高く、フロック
が脱水に適した性状を有するとともに、濾過速度が速
く、脱水ケーキの含水率が低下する汚泥の凝集処理方法
を提供する。 【解決手段】 汚泥の凝集処理は、有機性又は無機性の
汚泥に有機系高分子凝集剤とシリコーンエマルジョンと
を添加してフロックを形成させることにより行われる。
有機系高分子凝集剤としては、カチオン系高分子凝集
剤、アニオン系高分子凝集剤又は両性系高分子凝集剤の
いずれもが使用される。シリコーンエマルジョンとして
は、アミノ変性シリコーンとしてポリアルキル〔N−
(アミノアルキル)イミノアルキル〕シロキサンを用い
て形成されたものが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば下水、し
尿等の有機性排水を活性汚泥処理する際に発生する最初
沈殿汚泥、余剰活性汚泥若しくは混合汚泥等の汚泥、又
は建設工事の際に用いられるベントナイトを含有する汚
泥若しくは分散剤を多量に含有する汚泥を処理対象とす
る汚泥の凝集処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の汚泥の凝集処理方法とし
て、例えば特開昭53−131288号公報に記載され
た処理方法がある。すなわち、汚泥に有機系高分子凝集
剤と、シリコーンオイル、油溶性界面活性剤、高級アル
コールから選ばれた物質の1種又は2種以上とよりなる
凝集剤組成物を添加して凝集及び脱水処理を行う方法が
開示されている。
【0003】この方法によれば、通常の有機系高分子凝
集剤のみで凝集処理及びその後の脱水処理を行った場合
に処理水に泡立ちが生ずるのを、前記シリコーンオイ
ル、油溶性界面活性剤又は高級アルコールによって抑制
することにより、脱水ケーキの含水率を低下させること
ができ、それなりの脱水効果が得られる。
【0004】また、特開昭56−21609号公報に
は、多糖類、水溶性カチオン系高分子物質及び水溶性ポ
リアルキレングリコール又は界面活性能を有するノニオ
ン系化合物よりなる凝集剤組成物を使用した凝集処理方
法が開示されている。
【0005】この凝集処理方法によれば、水溶性ポリア
ルキレングリコール又は界面活性能を有するノニオン系
化合物が相溶化剤として作用し、生成されるフロックが
強固なものとなって沈降性が増し、分離水の清澄性が向
上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の凝集処理方法においては、比較的良好な脱水効
果が得られるものの、前者の技術ではシリコーンオイル
が汚泥と反応せず、後者の技術では界面活性作用を有す
る化合物が汚泥と反応しない。このため、汚泥の微細粒
子表面の性状に変化を与えることができず、所望とする
脱水効果が得られず、脱水ケーキの含水率が充分に低下
しないことがある。しかも、凝集したフロックが脱水に
適した性状とならず、濾過速度も低いという問題を発生
させることがあった。
【0007】この発明は、以上のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、生成されるフロックの密度を向上し、フ
ロックが脱水に適した性状を有するとともに、濾過速度
が速く、脱水ケーキの含水率が低下する汚泥の凝集処理
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明者等が提供する第1の発明の汚泥の
凝集処理方法は、有機系高分子凝集剤とシリコーンエマ
ルジョンを併用することを特徴とするものである。
【0009】また、第2の発明の汚泥の凝集処理方法
は、第1の発明において、前記シリコーンエマルジョン
がアミノ変性シリコーンのエマルジョンであるものであ
る。さらに、第3の発明の汚泥の凝集処理方法は、第2
の発明において、前記アミノ変性シリコーンがポリアル
キル〔N−(アミノアルキル)イミノアルキル〕シロキ
サンであるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明の汚泥の凝集処理方法は、汚泥
に有機系高分子凝集剤とシリコーンエマルジョンとを併
用添加し、フロックを形成させることにより行われる。
【0011】凝集処理の対象となる汚泥は、生汚泥、泥
土、スラッジ、泥水及びそれらの処理汚泥等を含むもの
である。そのような汚泥としては、具体的には、下水、
し尿等の有機性排水を活性汚泥処理する際に発生する最
初沈殿汚泥、余剰活性汚泥若しくは混合汚泥等の汚泥、
建設工事の際に用いられるベントナイト等を含有し、不
透水性及び塑性流動性を有する土木泥水、又は分散剤を
多量に含有する泥水等が挙げられる。すなわち、汚泥は
有機性汚泥又は無機性汚泥のいずれであってもよい。
【0012】汚泥に添加される有機系高分子凝集剤は、
生成されるフロック間を架橋してより大きな凝集体を形
成し、凝集及び脱水の効果を発揮させるために添加され
るものであり、この有機系高分子凝集剤としては、カチ
オン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤又は両性
系高分子凝集剤のいずれもが使用される。
【0013】カチオン系高分子凝集剤は、汚泥中の微細
粒子表面の負の電荷を中和でき、凝集性能を向上させる
ことができる。このカチオン系高分子凝集剤としては、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート〔以下、ア
クリルとメタクリルを(メタ)アクリルと総称する〕又
はそれらの四級化物の単独重合体、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート又はそれらの四級化物とアクリ
ルアミドとの共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドの
マンニッヒ変性物又はその四級化物、ポリ(メタ)アク
リルアミドのホフマン分解物、ポリアミンスルホン、ポ
リビニルイミダゾリン、ポリジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド及びジメチルジアリルアンモニウムクロ
ライドとアクリルアミドとの共重合体等が挙げられる。
これらのカチオン系高分子凝集剤は、目的に応じて一種
又は二種以上が適宜選択して使用される。
【0014】アニオン系高分子凝集剤としては、ポリア
クリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドとアク
リル酸ナトリウムとの共重合体、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アクリルアミドとビニルスルホン酸ナトリウムと
の共重合体及びアクリルアミドとアクリル酸ナトリウム
と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
ナトリウムとの三元共重合体等が挙げられる。これらの
アニオン系高分子凝集剤は、目的に応じて一種又は二種
以上が適宜選択して使用される。
【0015】両性系高分子凝集剤としては、アニオン系
単量体とカチオン系単量体との共重合体、アニオン系単
量体と、カチオン系単量体と、ノニオン系単量体との共
重合体又はアニオン系単量体とノニオン系単量体との共
重合体のマンニッヒ変性物若しくはホフマン分解物等が
挙げられる。
【0016】上記のアニオン系単量体としては、例えば
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム等
が挙げられる。カチオン系単量体としては、例えばジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、及びそれらの四級化
物等が挙げられる。その四級化物としては、具体的には
ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド四
級化物等が挙げられる。また、四級化物としてジメチル
アミノプロピルアクリルアミドの塩酸塩を用いてもよ
い。
【0017】ノニオン系単量体としては、例えば(メ
タ)アクリルアミド、N, N´−ジメチル(メタ)アク
リルアミド等が挙げられる。また、これらの化合物の共
重合体として、具体的にはジメチルアミノエチルアクリ
レートメチルクロライド四級化物とアクリル酸とアクリ
ルアミドとの共重合体、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレートとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合
体、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩酸塩と
アクリル酸とアクリルアミドとの共重合体、ジメチルア
ミノエチルアクリレートメチルクロライド四級化物とア
クリル酸との共重合体及びアクリル酸ナトリウムとアク
リルアミドとの共重合体のマンニッヒ変性物等が挙げら
れる。
【0018】シリコーンエマルジョンは、生成されるフ
ロック表面に疎水性を付与し、凝集及びその後の脱水処
理を効果的に行うために添加される。そのようなシリコ
ーンエマルジョンとしては、ポリジアルキル(特にはメ
チル)シロキサンのエマルジョンが挙げられるが、本発
明にとりアルキル基(特にはメチル基)がアミノ基で置
換されたアミノ変性シリコーンのエマルジョンが、生成
されるフロックと反応してフロック表面に疎水性の被膜
を容易に形成できる点から好ましい。特に、アミノ変性
シリコーンとしては、アルキル基(特にはメチル基)が
〔N−(アミノアルキル)イミノアルキル〕基で置換さ
れたものが好ましい。
【0019】シリコーンエマルジョンを構成するポリジ
アルキルシロキサンとしてはアルキル基が低級アルキル
基、特にメチル基のものが好ましく、重合度としては一
般的に100〜500程度のものが好ましい。
【0020】アミノ変性シリコーンとしては、上記ポリ
ジアルキルシロキサンのアルキル基の10〜40%程度
がアミノ基と置換されたものが好ましく、好ましいN−
(アミノアルキル)イミノアルキル基としては、アミノ
アルキル基の炭素数が1〜4、イミノアルキル基の炭素
数が2〜4のものが好ましい。
【0021】このようなアミノ変性シリコーンとしては
市販品が利用でき、市販品の例としては共栄社化学株式
会社製ライトシリコーンA−66などが挙げられる。シ
リコーンエマルジョンは、上記ポリジアルキルシロキサ
ンやアミノ変性ポリジアルキルシロキサンに界面活性剤
や酸を添加し、常法に従ってエマルジョン化することに
より得られる。界面活性剤としては非イオン系界面活性
剤が好ましく、酸としては有機酸が好ましい。
【0022】次に、これらの添加剤を用いた汚泥の凝集
処理方法について説明する。汚泥の凝集処理は、対象と
なる前述の汚泥に有機系高分子凝集剤とシリコーンエマ
ルジョンとを添加することにより行われる。有機系高分
子凝集剤とシリコーンエマルジョンの添加順序は、いず
れが先でも良く、また同時であってもよい。但し、汚泥
が無機性の汚泥である場合には、有機系高分子凝集剤を
添加した後にシリコーンエマルジョンを添加すること
が、フロックの脱水性能を向上させることができる点で
望ましい。
【0023】また、有機系高分子凝集剤の添加量は、有
機性汚泥の蒸発残留物(TS)に対して0.1〜2.0
重量%であることが望ましく、無機性汚泥の蒸発残留物
に対して0.05〜1重量%であることが望ましい。有
機系高分子凝集剤の添加量が過少である場合には、生成
されるフロックの密度が充分には向上せず、脱水性能が
低下する。一方、有機系高分子凝集剤の添加量が過剰で
ある場合には、有機系高分子凝集剤の添加量に見合う脱
水性能が得られず、かえって処理コストの上昇を招く。
【0024】また、シリコーンエマルジョンの添加量
は、有機系高分子凝集剤に対して10〜110重量%で
あることが望ましい。このシリコーンエマルジョンの添
加量が10重量%未満ではフロック表面にシリコーンに
よる撥水性の被膜が形成されにくく、110重量%を越
えると過剰のシリコーンエマルジョンによって濁りが発
生したりして弊害を生ずるおそれがある。
【0025】凝集処理後には、脱水処理が行われる。脱
水処理は、ベルトプレス、フィルタープレス、真空脱水
機、遠心脱水機等の脱水装置を使用し、常法に従って行
われる。脱水後には、脱水ケーキが濾布等から剥離され
る。
【0026】以上のような実施形態により発揮される効
果について以下に記載する。 ・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれば、有機系高
分子凝集剤により生成されるフロック間が架橋されてよ
り大きな凝集体が形成され、つまりフロック間の架橋吸
着が行われる。しかも、有機系高分子凝集剤に加えてシ
リコーンエマルジョンを添加することから、凝集処理に
より生成されるフロック表面にシリコーンによる撥水性
の被膜が形成される。このため、フロックを脱水に適し
た性状のものとすることができる。
【0027】・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、上記のような有機系高分子凝集剤とシリコーンエマ
ルジョンとの相乗的な作用によりフロックの密度を向上
させることができる。
【0028】・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、生成されるフロックが脱水に適した性状のものであ
ることに加え、フロックの密度が高いことから、脱水時
における濾過速度を速くすることができる。
【0029】・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、シリコーンエマルジョンとしてアミノ変性シリコー
ンのエマルジョンを用いることにより、そのアミノ変性
シリコーンが凝集処理により生成されるフロックと反応
してフロック表面に疎水性の被膜を容易に形成すること
ができる。
【0030】・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、シリコーンエマルジョンは、ポリアルキル〔N−
(アミノアルキル)イミノアルキル〕シロキサンを主成
分として形成されたものを使用することにより、生成さ
れるフロック表面に撥水性の被膜を効果的に形成するこ
とができる。このため、濾過速度を向上させ、脱水ケー
キの含水率を確実に低下させることができる。
【0031】・ 実施形態の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、シリコーンエマルジョンは、凝集処理の過程におい
て発泡を抑制する消泡効果を発揮することができ、凝集
処理及びその後の脱水処理を効率良く、しかも円滑に行
うことができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形
態をさらに具体化に説明する。 (実施例1〜6及び比較例1〜9)汚泥として建設工事
現場で採取した泥水(含水率49.2%、以下汚泥
(1)という)及び粘土質泥水(含水率57.5%、以
下汚泥(2)という)を用いた。
【0033】また、使用した有機系高分子凝集剤は、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナト
リウム(5モル%)とメタクリル酸ナトリウム(5モル
%)とアクリルアミド(90モル%)との三元共重合体
で、4%塩化ナトリウム水溶液中での0.5%共重合体
の粘度が100cp(センチポイズ)のもの(AT−4
5)、アクリル酸ナトリウム(14モル%)とアクリル
アミド(76モル%)との共重合体で、4%塩化ナトリ
ウム水溶液中での0.5%共重合体の粘度が140cp
のもの(A−10)及び2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム(8モル%)とメタク
リル酸ナトリウム(2モル%)とアクリルアミド(90
モル%)との三元共重合体で、4%塩化ナトリウム水溶
液中での0.5%共重合体の粘度が100cpのもの
(AT−38)である。
【0034】さらに、シリコーンエマルジョンは、その
主成分として、共栄社化学株式会社製ライトシリコーン
A−66を使用した。そして、該ポリシロキサン12.
2重量%と、非イオン系界面活性剤5.8重量%と、有
機酸0.2重量%とを水81.8重量%に添加してエマ
ルジョン化し、シリコーンエマルジョンを調製した。
【0035】そして、それら汚泥に5000ppmの塩
化カルシウム水溶液を添加し、充分に攪拌した。次い
で、その泥水に対して有機系高分子凝集剤を表1に示す
量で添加し、攪拌混合してフロックを生成させた。さら
に、そのフロック化泥水にシリコーンエマルジョンを表
1に示す量で添加し、攪拌混合した。その後、フロック
化泥水を圧搾機に投入し、表1に示す圧力を加えること
によって圧搾脱水を行った。圧搾終了後、脱水ケーキの
含水率及び脱水ケーキの性状を測定した。
【0036】含水率は2回のデータの平均値を示す。ま
た、フロックの性状は、フロックを手で掴んで絞り、そ
の状態より判断した。◎はフロックの手絞り性が非常に
良好であったことを示し、○はフロックの手絞り性が良
好であったことを示し、△はフロックの手絞り性がやや
不良であったことを示す。以上の結果を表1に示した。
【0037】
【表1】 表1に示したように、実施例1及び2では、比較例1に
比べて脱水ケーキの含水率が低く、フロックの性状も手
絞り性に優れるものであった。実施例3では、比較例2
に比べて含水率が低く、フロックの性状も手絞り性に優
れるものであった。汚泥が粘土質泥水である実施例4に
おいても、比較例3に比べて含水率が低く、フロックの
性状も手絞り性が良好なものであった。同じく、汚泥が
粘土質泥水である実施例5においても、比較例4に比べ
て含水率が低く、フロックの性状も手絞り性が良好なも
のであった。さらに、汚泥が建設工事現場の泥水である
実施例6においても、比較例5〜9に比べて含水率が概
ね低く、フロックの性状も手絞り性が良好なものであっ
た。 (実施例7〜10及び比較例10〜13)有機系高分子
凝集剤とシリコーンエマルジョンの種類、添加量等を表
2に示すように代えた以外は、前記実施例1〜6及び比
較例1〜9と同様にして、凝集及び脱水処理を行った。
その結果を表2に示した。表2において、有機系高分子
凝集剤の AT-50は、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸ナトリウム(8モル%)とメタクリル
酸ナトリウム(4モル%)とアクリルアミド(88モル
%)との三元共重合体で、0.5%塩化ナトリウム水溶
液中の粘度が80cpのものである。
【0038】
【表2】 表2に示したように、実施例7〜10では、シリコーン
エマルジョンの添加量が150〜1000ppmに変化
しても含水率が低く、フロックの性状も手絞り性に優れ
るものであった。また、比較例10〜13に比べても全
般に良好であった。 (実施例11〜13並びに比較例14及び15)汚泥と
して建設工事現場で採取した泥水(含水率49.2%)
の粗粒子(沈降粒子)をカットした泥水(以下汚泥
(3)という)を用いたほかは、前記実施例1〜6及び
比較例1〜9と同様にして、凝集及び脱水処理を行っ
た。その結果を表3に示した。
【0039】
【表3】 表3に示したように、実施例11〜13では、シリコー
ンエマルジョンの添加量が300〜1000ppmに変
化しても含水率が低く、フロックの性状も手絞り性に優
れるものであった。また、比較例14及び15に比べて
も含水率及びフロックの性状ともに良好であった。 (実施例14〜19及び比較例16〜21)汚泥として
下水の消化汚泥(以下汚泥(4)という)と混合生汚泥
(以下汚泥(5)という)を用いた。汚泥(4)のpH
は7.61、蒸発残留物(TS)は27900(mg/
l)、強熱減量(VTS)は62.0(%/TS)、浮
遊物(SS)は25600(mg/l)、繊維分は5.
1(%/TS)であった。汚泥(5)のpHは6.0
9、蒸発残留物(TS)は23598(mg/l)、強
熱減量(VTS)は75.1(%/TS)、浮遊物(S
S)は21117(mg/l)、繊維分は7.4(%/
TS)であった。
【0040】また、有機系高分子凝集剤としてジメチル
アミノエチルアクリレート四級塩(85モル%)とアク
リルアミド(15モル%)との共重合体で、4%塩化ナ
トリウム水溶液中での0.5%共重合体の粘度が80c
pのもの(H−40)及びジメチルアミノエチルアクリ
レート四級塩(80モル%)とアクリルアミド(20モ
ル%)との共重合体で、4%塩化ナトリウム水溶液中で
の0.5%共重合体の粘度が60cpのもの(H−3
0)を用いた。
【0041】そして、200mlのビーカーに汚泥を1
00ml採取した。そこに、シリコーンエマルジョンを
添加し、攪拌機により1000rpmで10秒間攪拌混
合した。次いで、有機系高分子凝集剤を添加し、攪拌機
により1000rpmで30秒間攪拌混合してフロック
を生成させた。その後、重力脱水を行い、濾液量を5秒
後、10秒後、20秒後及び30秒後に測定し、濾過速
度を測定した。さらに、重力脱水後の脱水ケーキを卓上
遠心沈降管に投入し、1000rpmで10分間遠心脱
水させた。遠心脱水終了後、脱水ケーキの含水率を測定
した。それらの結果を表4に示した。
【0042】
【表4】 表4に示したように、実施例14〜16では、比較例1
6〜18に比べて含水率が低く、濾過速度も若干速くな
るという結果が得られた。また、実施例17〜19で
は、比較例19〜21に比べて含水率が低く、濾過速度
も若干速くなるという結果が得られた。
【0043】なお、前記実施形態を以下のように変更し
て構成することも可能である。 ・ 前記シリコーンエマルジョンとして、実施形態のシ
リコーンエマルジョン以外のもの、例えばアルキル変性
シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーンポリエ
ーテル共重合体等のエマルジョンを使用すること。
【0044】・ 前記汚泥の凝集処理に際し、予め汚泥
に無機系凝集剤を添加するか、又は無機系凝集剤を有機
系高分子凝集剤とシリコーンエマルジョンとともに添加
すること。無機系凝集剤としては、硫酸アルミニウム
(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(パック)等を
使用すること。
【0045】このように構成した場合、生成されるフロ
ックの電荷を中和することができ、凝集及び脱水の効率
を向上させることができる。さらに、前記実施形態より
把握される技術的思想について以下に記載する。
【0046】・ 前記有機系高分子凝集剤の添加量は、
有機性汚泥の蒸発残留物(TS)に対して0.1〜2.
0重量%であり、無機性汚泥の蒸発残留物に対して0.
05〜1重量%である請求項1又は請求項2に記載の汚
泥の凝集処理方法。
【0047】このように構成した場合、生成されるフロ
ックの密度を効果的に向上させることができ、脱水性能
を向上させることができる。 ・ 前記シリコーンエマルジョンの添加量は、有機系高
分子凝集剤に対して10〜50重量%である請求項1又
は請求項2に記載の汚泥の凝集処理方法。
【0048】このように構成した場合、フロック表面に
シリコーンによる撥水性の被膜を形成することができ、
脱水性を高めることができる。 ・ 前記ポリアルキル〔N−(アミノアルキル)イミノ
アルキル〕シロキサンは、アルキル基が低級アルキル
基、アミノアルキル基の炭素数が1〜4及びイミノアル
キル基の炭素数が2〜4の化合物である請求項3に記載
の汚泥の凝集処理方法。
【0049】このように構成した場合、生成されるフロ
ック表面に疎水性を付与し、凝集及びその後の脱水処理
を効果的に行うことができる。 ・ 汚泥に有機系高分子凝集剤とシリコーンエマルジョ
ンとを添加してフロックを形成させ、汚泥の凝集処理と
ともに脱水操作を行うか、又は凝集処理後に脱水操作を
行う汚泥の脱水処理方法。
【0050】このように構成した場合、フロックの密度
が高く、フロックが脱水に適した性状を有するととも
に、濾過速度を速くすることができ、脱水性能の向上を
図ることができる。
【0051】
【発明の効果】この発明は以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。第1の発明の汚泥の凝
集処理方法によれば、有機系高分子凝集剤とシリコーン
エマルジョンとを併用して凝集処理を行うことから、フ
ロックの密度が高く、フロックが脱水に適した性状を有
するとともに、濾過速度が速く、脱水ケーキの含水率を
低下させることができる。
【0052】第2の発明の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、シリコーンエマルジョンはアミノ変性シリコーンの
エマルジョンであり、アミノ変性シリコーンが生成され
るフロックと反応してフロック表面に疎水性の被膜を容
易に形成することができる。従って、第1の発明の効果
に加え、濾過速度の向上を図ることができ、脱水ケーキ
の含水率を確実に低下させることができる。
【0053】第3の発明の汚泥の凝集処理方法によれ
ば、シリコーンエマルジョンは、ポリアルキル〔N−
(アミノアルキル)イミノアルキル〕シロキサンを用い
て形成されたものを使用する。従って、第2の発明の効
果をより確実に発揮させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 邦彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 富澤 孝 香川県坂出市昭和町二丁目4番1号 東亞 合成 株式会社坂出工場内 Fターム(参考) 4D015 BA05 BB05 BB12 CA01 CA03 CA11 DA04 DA06 DB01 DB02 DB12 DC03 DC06 DC07 DC08 EA35 EA39 4D059 AA04 AA05 AA09 AA23 BE08 BE14 BE16 BE38 BE55 BE56 BE57 BE59 BE60 DA07 DB11 DB24 DB25 DB26 DB28 DB40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系高分子凝集剤とシリコーンエマル
    ジョンを併用することを特徴とする汚泥の凝集処理方
    法。
  2. 【請求項2】 シリコーンエマルジョンがアミノ変性シ
    リコーンのエマルジョンである請求項1に記載の汚泥の
    凝集処理方法。
  3. 【請求項3】 アミノ変性シリコーンがポリアルキル
    〔N−(アミノアルキル)イミノアルキル〕シロキサン
    である請求項2に記載の汚泥の凝集処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184173A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Daiyanitorikkusu Kk 汚泥を含む被処理水の処理方法
JP2010201309A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Daiyanitorikkusu Kk 無機質汚泥を含む被処理水の処理方法
JP5728506B2 (ja) * 2011-02-10 2015-06-03 水ing株式会社 汚泥の凝集方法及び装置

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