JP2000149984A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP2000149984A
JP2000149984A JP31705998A JP31705998A JP2000149984A JP 2000149984 A JP2000149984 A JP 2000149984A JP 31705998 A JP31705998 A JP 31705998A JP 31705998 A JP31705998 A JP 31705998A JP 2000149984 A JP2000149984 A JP 2000149984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
electrolyte secondary
electrolyte
phosphate
aqueous electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31705998A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Shinoda
直樹 篠田
Fusaji Kita
房次 喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP31705998A priority Critical patent/JP2000149984A/ja
Publication of JP2000149984A publication Critical patent/JP2000149984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/122

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く、かつ負荷特性の優れた非水電
解液二次電池を提供する。 【解決手段】 正極、負極および非水溶媒系の電解液を
有する非水電解液二次電池において、上記電解液中に、
リン酸エステルと、鎖状で沸点が20℃以上150℃以
下の組成式Ca b c d (X:フッ素以外のハロゲ
ン、3≦a≦10、1≦b≦a、a≦c≦2a、0≦d
≦c)で表されるハロゲン化炭化水素との少なくとも2
つを含有させる。上記リン酸エステルの電解液中の含有
量は体積比で10〜60%であることが好ましく、上記
ハロゲン化炭化水素の電解液中の含有量は体積比で5〜
80%であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、さらに詳しくは、安全性が高く、かつ負荷特
性が優れた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池に代表される非水電解
液二次電池は、高容量で、かつ高電圧、高エネルギー密
度であることから、その発展に対して大きな期待が寄せ
られている。
【0003】ところが、このような非水電解液二次電池
は、電解液の構成溶媒として有機溶媒を使用しているた
め、火災を引き起こすおそれがある。すなわち、電池が
高温に曝されたとき電池内で電解液中の有機溶媒の蒸気
圧が上昇し、引火点に達した電解液溶媒が開裂ベントの
作動により外部に放出された場合、引火源の存在や周囲
の温度によって引火や発火が発生する。そのため、現在
の非水電解液二次電池では、一般に開裂ベント・保護回
路・セパレータのシャットダウン機構などを設けること
によって、一定の安全基準に達するようにしているが、
従来の水系電池に比べると火災などの危険性が高い。
【0004】このような問題を解決する方法として、電
解液を難燃化することが検討されている。その中でもリ
ン酸エステルは比較的有望であり、鎖状のリン酸トリエ
ステルを用いて電解液を難燃化することが提案されてい
る(特開平7−114940号公報、特開平8−228
39号公報、特開平8−111238号公報、特開平8
−321313号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電解液中に
鎖状のリン酸トリエステルを添加すると、リン酸トリエ
ステルの粘度が高いために負荷特性が低下するという問
題があり、パソコンなどのように高出力密度が要求され
る電池には使用することができないという問題があっ
た。
【0006】従って、本発明は、電解液の難燃化を達成
しつつ、負荷特性を向上させて、安全性が高く、かつ負
荷特性が優れた非水電解液二次電池を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべき鋭意検討を重ねた結果なされたものであり、電
解液中にリン酸エステルとともに、鎖状で沸点が20℃
以上150℃以下の組成式Ca b c d (X:フッ
素以外のハロゲン、3≦a≦10、1≦b≦a、a≦c
≦2a、0≦d≦c)で表されるハロゲン化炭化水素を
含有させることによって、電解液の難燃化を達成しつ
つ、負荷特性を向上させて、安全性が高く、かつ負荷特
性が優れた非水電解液二次電池を提供できるようにした
ものである。
【0008】前記のように、従来からリン酸トリメチル
などの鎖状のリン酸エステルを電解液の溶媒として用い
ることが提案されているが、電解液溶媒としてリン酸エ
ステルを用いると、これが消火剤として働き、電解液の
難燃化は達成できるものの、粘度が高いため、負荷特性
が低下するという問題があった。
【0009】そこで、本発明では、リン酸エステルとと
もに、鎖状で沸点が20℃以上150℃以下の組成式C
a b c d (X:フッ素以外のハロゲン、3≦a≦
10、1≦b≦a、a≦c≦2a、0≦d≦c)で表さ
れるハロゲン化炭化水素を用いることにより、電解液の
難燃化を保持しつつ、負荷特性を向上させることができ
ることを見出し、安全性が高く、かつ負荷特性が優れた
非水電解液二次電池を提供できるようにしたのである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いる組成式Ca
b c d で表されるハロゲン化炭化水素としては、
例えば、その好適な具体例として、CF3 CF2 CHC
2 やCClF2 CF2 CHClF、CF3 CF2 CH
FCHFCF3 などが挙げられ、これらは鎖状で沸点が
20℃以上150℃以下の範囲内にあり、それぞれ単独
で使用することはもとより2種以上を併用することもで
きる。
【0011】上記ハロゲン化炭化水素は、一般に誘電率
は低いが、難燃性であるとともに、リン酸エステルに比
べて粘度が低いので、リン酸エステルと組み合わせて使
用したときに互いの欠点を補い合って電解液の電気伝導
度を向上させることができる。組成式Ca b c d
中のXはフッ素を除く任意のハロゲン元素を表すが、環
境に対する影響を考慮すると、Xの数はフッ素(F)の
数の50%以下が好ましく、難燃性であるためには水素
(H)の数はフッ素の数の35%以下であることが好ま
しいが、リン酸エステルとの相溶性を持たせるためには
水素の数は1以上で、フッ素の数に対して10%以上で
あることが好ましい。また、低粘度であるためには、炭
素の数は6以下であることが好ましく、5以下が特に好
ましい。
【0012】本発明において用いる組成式Ca b c
d で表されるハロゲン化炭化水素は、鎖状で沸点が2
0℃以上150℃以下であることを要するが、これは下
記の理由に基づいている。すなわち、上記ハロゲン化炭
化水素が鎖状であることによって低粘度になり、また、
沸点が20℃以上であることによって取り扱いやすく、
沸点が150℃以下であることによって高粘度になりす
ぎず、取り扱いやすい。
【0013】上記ハロゲン化炭化水素の添加量(電解液
中での含有量)としては、リン酸エステルによる粘度の
増加を低減し、かつ高い誘電率を維持するために、電解
液中に体積比で5%以上80%以下にすることが好まし
く、7%以上50%以下にすることがより好ましく、1
0%以上40%以下にすることがさらに好ましい。
【0014】本発明において、リン酸エステルが難燃性
であるためには炭素数6以下であることが好ましく、炭
素数4以下であることがより好ましい。また、−O−P
−O−を環構成の一部とする環状構造を有するリン酸エ
ステルは誘電率が高く、本発明において好適に用いられ
る。そのような環状構造を有するリン酸エステルとして
は、例えば、メチルエチレンフォスフェート、エチルエ
チレンフォスフェート、メチルネオペンチルフォスフェ
ートなどが挙げられる。また、非環状のリン酸エステル
としては、例えば、トリメチルフォスフェート、トリエ
チルフォスフェートなどが挙げられ、特にトリメチルフ
ォスフェートは入手しやすく実用性が高い。そして、こ
れらは、環状、非環状にかかわらず、単独使用のみなら
ず、2種以上併用することもできる。また、上記リン酸
エステルとしては、ハロゲン化アルキル基や不飽和炭化
水素基、カルボン酸エステル基や炭酸エステル基などを
構造中に持つものも用いることができる。
【0015】上記リン酸エステルの電解液中での量が少
ない場合は難燃性が充分に発現できなくなるおそれがあ
り、多すぎる場合は負荷特性が低下するおそれがあるた
め、リン酸エステルは電解液中において、体積比で10
%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以
上であり、また、60%以下が好ましく、より好まくは
50%以下である。電解液は電解液溶媒に電解質を溶解
させることによって構成されるが、電解質の溶解時の体
積は電解液溶媒の体積に比べて非常に小さいので、電解
液の体積は実質上電解液溶媒の体積と同一とみなすこと
ができる。
【0016】リン酸エステルは負極活物質の種類によっ
ては負極の表面上で分解反応を起こす場合があるが、そ
のような表面の反応性が高い負極活物質を用いる場合
は、電解液中に環状カーボネートまたはカーボネート多
量体を含有させることが好ましい。上記の環状カーボネ
ートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカ
ーボネート、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソル−
2−オン(DMDO)などが挙げられ、カーボネート多
量体としては、例えば、1,2−ビスメトキシカルボキ
シオキシエチレン、1,2−ビスメトキシカルボキシオ
キシプロピレン、1,2−ビスエトキシカルボキシオキ
シエチレン、1,2−ビスエトキシカルボキシオキシプ
ロピレンなどが挙げられる。なお、このようなカーボネ
ート類の含有量としては電解液の難燃性を維持するため
に、電解液中において体積比で20%以下が好ましく、
10%以下がより好ましい。
【0017】その他、本発明において併用しうる有機溶
媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,
2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
トなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いること
もできるし、また2種以上を併用することもできるが、
電解液の難燃性を維持するためには、電解液中において
体積比で20%以下が好ましく、10%以下がより好ま
しい。
【0018】電解質としては、例えば、LiClO4
LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSb
6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiC
3 CO 2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(C
3 SO2 2 、LiC(CF3SO2 3 、LiCn
2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfOSO2
2 〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などを単独でま
たは2種以上混合して用いることができるが、特にLi
PF6 やLiC4 9 SO3 などが好ましい。電解液中
における電解質の濃度は、特に限定されるものではない
が、濃度を1mol/l以上の多めにすると安全性がさ
らに向上するので好ましく、1.2mol/l以上がよ
り好ましい。また、電解液中における電解質の濃度が
1.7mol/l以下にすると電気特性が良くなるので
好ましく、1.5mol/l以下がより好ましい。
【0019】本発明において、正極活物質としては、例
えば、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、L
iNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiMn2
4などのリチウムマンガン酸化物、LiTiO2 など
のリチウムチタン酸化物、LiNiO2 のNiの一部を
Coで置換したLi(NiCo)O2 、二酸化マンガ
ン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物
または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化
物などが用いられ、それらの中でもLiNiO2、Li
NiO2 、LiMn2 4 などの充電時の開路電圧がL
i基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物は、高エネ
ルギー密度が得られるので好ましい。また、正極活物質
として特にLiNiO2 などの熱的に不安定なリチウム
ニッケル酸化物やニッケルを含む複合酸化物を用いる場
合に本発明を適用すると、高い安全性が確保でき、その
効果が顕著に発現する。
【0020】正極は、例えば、上記正極活物質に、必要
に応じて、例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの
導電助剤や、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、ポ
リアクリル酸、カルボキシメチルセルロースなどのバイ
ンダーを加え、混合して正極合剤を調製し、それを水ま
たは溶剤に溶解または分散させてペースト状にし(バイ
ンダーはあらかじめ溶剤などに溶解させてから正極活物
質などと混合してもよい)、その正極合剤ペーストをア
ルミニウム箔などからなる集電体に塗布し、乾燥して、
集電体の少なくとも一方の面に正極合剤層を形成する工
程を経ることによって作製される。ただし、正極の作製
方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法
によってもよい。
【0021】本発明において、負極活物質としては、リ
チウムイオンをドープ・脱ドープできるものであればよ
く、そのような負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱
分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子
化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊
維、活性炭などの炭素系材料が挙げられる。また、S
i、Sn、Inなどの合金またはLiに近い低電位で充
放電できる酸化物などの化合物は炭素系材料に比べて高
い容量を持つものがあり、それらも好適に用いられる。
【0022】負極は、例えば、上記負極活物質に、必要
に応じて、例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの
導電助剤や、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、ポ
リアクリル酸、カルボキシメチルセルロースなどのバイ
ンダを加え、混合して負極合剤を調製し、それを水また
は溶剤に溶解または分散させてペースト状にし(バイン
ダはあらかじめ溶剤などに溶解させておいてから負極活
物質などと混合してもよい)、その負極合剤ペーストを
銅箔などからなる集電体に塗布し、乾燥して、集電体の
少なくとも一方の面に負極合剤層を形成する工程を経る
ことによって作製される。ただし、負極の作製方法は上
記例示の方法に限られることなく、他の方法によっても
よい。
【0023】正極や負極の集電体としては、例えば、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属の
箔や、それらの金属を網状にしたものなどが用いられる
が、正極集電体としては特にアルミニウム箔が適してお
り、負極集電体としては特に銅箔が適している。
【0024】セパレータとしては、強度が充分でしかも
電解液を多く保持できるものであればよく、そのような
観点から、厚みが10〜50μmで開孔率が30〜70
%のポリエチレン製、ポリプロピレン製、またはエチレ
ンとプロピレンとのコポリマー製の微孔性フィルムや不
織布などが好ましい。
【0025】電池は、例えば、上記のようにして作製し
た正極と負極との間にセパレータを介在させて渦巻状に
巻回して作製した渦巻状電極体などの巻回構造または積
層構造の電極体を、ニッケルメッキを施した鉄やステン
レス鋼製の電池ケース内に挿入し、封口する工程を経て
作製される。また、上記電池には、通常、電池内部に発
生したガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部
に排出して、電池の高圧下での破裂を防止するための防
爆機構が取り入れられる。
【0026】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0027】実施例1 トリメチルフォスフェートと三井デュポンフロロケミカ
ル(株)製のバートレルXF(商品名、組成はCF3
2 CHFCHFCF3 )とエチレンカーボネートとを
体積比80:10:10の割合で混合し、その混合溶媒
にLiPF6 を1.0mol/l溶解させて電解液を調
製した。上記トリメチルフォスフェートはリン酸エステ
ルの一種であり、また、バートレルXF(商品名)は、
その組成がCF3 CF2 CHFCHFCF3 であること
から、組成式Ca b c d に即して示すと、a=
5、b=2、c=10、d=0である。
【0028】上記とは別に、LiCoO2 に導電助剤と
して鱗片状黒鉛を重量比100:7で加えて混合し、こ
の混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリ
ドンに溶解させた溶液とを混合してペーストにした。こ
の正極合剤ペーストを70メッシュの網を通過させて大
きなものを取り除いた後、厚さが20μmのアルミニウ
ム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥し
て正極合剤層を形成した後、ローラープレス機により圧
縮成形し、リード体の溶接を行い、帯状の正極を作製し
た。
【0029】つぎに、難黒鉛化性炭素系材料(コークス
類)とポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに
溶解させた溶液とを混合してペーストにした。この負極
合剤ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなも
のを取り除いた後、厚さが10μmの帯状の銅箔からな
る負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して負極合剤
層を形成した後、ローラープレス機で圧縮成形し、リー
ド体の溶接を行い、帯状の負極を作製した。
【0030】上記帯状正極を厚さ25μmの微孔性ポリ
エチレンフィルムからなるセパレータを介して上記帯状
負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状電極体としたの
ち、外径14mmの有底円筒状の電池ケース内に充填
し、正極および負極のリード体の溶接を行った。つぎ
に、上記電解液1.6mlを電池ケース内に注入し、電
解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予
備充電、エイジングを行い、図1の模式図に示すような
構造の筒形の非水電解液二次電池を作製した。
【0031】図1に示す電池について説明すると、1は
前記の正極で、2は負極であり、この図1では、繁雑化
を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用し
た集電体兼基体としての金属箔などは図示していない。
そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介し
て渦巻状に巻回され、渦巻状電極体として上記の電解液
4と共に電池ケース5内に収容されている。
【0032】電池ケース5はステンレス鋼製で、その底
部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピ
レンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7はア
ルミニウム製で円板状をしていて、中央部に薄肉部7a
を設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁
9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設け
られている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9
の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成してい
る。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁
9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいよう
に、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は
図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防
爆弁9の突出部9aとの溶接部分11も、図面上での理
解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示して
いる。
【0033】端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメ
ッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしてお
り、この端子板8にはガス排出口8aが設けられてい
る。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、
その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部
を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設け
られ、上記の突出部9aの下面が、前記したように、封
口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を
構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン
製で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置さ
れ、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防
爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から電解液が漏
れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケッ
ト12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニ
ウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電
極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケ
ース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続され
ている。
【0034】この電池においては、封口板7の薄肉部7
aと防爆弁9aとが溶接部分11で接触し、防爆弁9a
の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極1と封口
板7とは正極側のリード体13で接続されているので、
正極1と端子板8とはリード体13、封口板7、防爆弁
9およびそれらの溶接部分11によって電気的接続が得
られ、電路として正常に機能する。
【0035】そして、電池に異常事態が起こり、電池内
部にガスが発生して電池の内圧が上昇した場合には、そ
の内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧方向(図1
では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接部分1
1で一体化されている薄肉部7aに剪断力が働いて、該
薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出部9a
と封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離し、そ
れによって、正極1と端子板8との電気的接続が消失し
て、電流が遮断されるようになる。その結果、電池反応
が進行しなくなるので、過充電時や短絡時でも、充電電
流や短絡電流による電池の温度上昇や内圧上昇がそれ以
上進行しなくなって、電池の高圧下での破裂などを防止
できるように設計されている。
【0036】実施例2 バートレルXF(商品名)に代えて、旭硝子(株)製の
AK−225(商品名、CF3 CF2 CHCl2 とCC
lF2 CF2 CHClFとの混合溶媒)を用いた以外
は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製し
た。上記AK−225(商品名)は、組成式Ca b
c d に即して示すと、a=3、b=1、c=5、d=
2である。
【0037】実施例3 電解液の溶媒としてトリメチルフォスフェートと上記A
K−225(商品名)と4,5−ジメチル−1,3−ジ
オキソル−2−オンとの体積比40:50:10の混合
溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解液
二次電池を作製した。
【0038】実施例4 電解液の溶媒としてメチルネオペンチルフォスフェート
と上記AK−225(商品名)と1,2−ビスエトキシ
カルボキシオキシエチレンとの体積比20:70:10
の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にして非水
電解液二次電池を作製した。
【0039】比較例1 電解液の溶媒としてトリメチルフォスフェートとエチレ
ンカーボネートとの体積比90:10の混合溶媒を用い
た以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を
作製した。
【0040】比較例2 電解液の溶媒としてトリメチルフォスフェートと4,5
−ジメチル−1,3−ジオキソル−2−オンとの体積比
90:10の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様
にして非水電解液二次電池を作製した。
【0041】比較例3 電解液の溶媒としてメチルネオペンチルフォスフェート
と1,2−ビスエトキシカルボキシオキシエチレンとの
体積比90:10の混合溶媒を用いた以外は、実施例1
と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0042】比較例4 メチルネオペンチルフォスフェートとパーフルオロヘプ
タン〔CF3 (CF25 CF3 )と1,2−ビスエト
キシカルボキシオキシエチレンとを20:70:10の
体積比で混合を試みたが、溶媒が2相に分離してしまっ
た。
【0043】上記実施例1〜4および比較例1〜3の電
池について負荷特性を調べ、また、上記実施例1〜4お
よび比較例1〜3の電池について引火性試験を行った。
それらの試験方法および評価結果は次の通りである。
【0044】負荷特性:実施例1〜4および比較例1〜
3の電池について、電圧2.75V〜4.1Vの範囲で
充放電させ、電流密度1Cでの放電容量の電流密度0.
2Cでの放電容量に対する割合を調べた。その結果を表
1に「負荷特性(1C/0.2C)」として百分率で示
す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜4の電池は、比較例1〜3の電池に比べて、負荷
特性が優れていた。
【0047】引火性試験:実施例1〜4および比較例1
〜3の電池について、電池が高温に加熱されて、安全弁
が作動した状態〔すなわち、図1に示す電池において、
電解液中からの溶媒の蒸発などにより、電池内部にガス
が発生し、電池内圧が上昇して所定の圧力に達したとき
に、その内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧方向
(図1では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接
部分11で一体化されている薄肉部7aに剪断力が働い
て、該薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出
部9aと封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離
し、それによって、電池内部のガスが端子板8のガス排
出口8aから電池外部に排出される状態〕になったこと
を想定し、あらかじめ電池上部の封口部分を分解し、電
池内部を露呈させておき、その状態で電池を100℃ま
で加熱し、露呈部分に火を近づけて、引火するか否かを
調べた。その結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示すように、実施例1〜4の電池
は、いずれも引火せず、高い安全性を有していた。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、安全
性が高く、かつ負荷特性の優れた非水電解液二次電池を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池の一例を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】 1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ06 AJ07 AJ12 AK02 AK05 AL02 AL06 AL12 AM01 AM02 AM03 AM04 AM05 AM06 AM07 BJ02 BJ14 BJ27 CJ08 DJ08 HJ00 HJ01 HJ02 HJ07 HJ14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極および非水溶媒系の電解液を
    有する非水電解液二次電池において、上記電解液中に、
    リン酸エステルと、鎖状で沸点が20℃以上150℃以
    下の組成式Ca b c d (X:フッ素以外のハロゲ
    ン、3≦a≦10、1≦b≦a、a≦c≦2a、0≦d
    ≦c)で表されるハロゲン化炭化水素との少なくとも2
    つを含むことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 体積比で20%以下の環状カーボネート
    またはカーボネート多量体を電解液中に含むことを特徴
    とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 リン酸エステルの少なくとも1つがトリ
    メチルフォスフェートであることを特徴とする請求項1
    記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 リン酸エステルの少なくとも1つが−O
    −P−O−を環の一部とする環状構造を有することを特
    徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 電解液中のリン酸エステルの含有量が体
    積比で10〜60%で、ハロゲン化炭化水素の含有量が
    体積比で5〜80%であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
JP31705998A 1998-11-09 1998-11-09 非水電解液二次電池 Withdrawn JP2000149984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31705998A JP2000149984A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31705998A JP2000149984A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000149984A true JP2000149984A (ja) 2000-05-30

Family

ID=18083970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31705998A Withdrawn JP2000149984A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000149984A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000188128A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Mitsubishi Chemicals Corp 非水電解液二次電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000188128A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Mitsubishi Chemicals Corp 非水電解液二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000294281A (ja) 非水電解液二次電池
JP2008300126A (ja) 電池用非水電解液及びそれを備えた非水電解液2次電池
JP3425493B2 (ja) 非水二次電池およびその製造方法
WO2006038614A1 (ja) 非水電解液及びそれを備えた非水電解液電池
JPH11195429A (ja) 非水電解液二次電池
JPH10154528A (ja) 非水電解液及び非水電解液二次電池
JP2001338639A (ja) 非水電解質電池
JP2010015719A (ja) 電池用非水電解液及びそれを備えた非水電解液二次電池
JPH11176470A (ja) 有機電解液二次電池
JP3639376B2 (ja) 有機電解液二次電池
JP3988901B2 (ja) 有機電解液二次電池
JP4553468B2 (ja) 非水二次電池およびその充電方法
JPH11273727A (ja) 非水電解液二次電池
JP2009048815A (ja) 非水電解液二次電池
JP2002289159A (ja) 非水電解質二次電池パック
JP4439070B2 (ja) 非水二次電池およびその充電方法
JPH04329268A (ja) 非水電解質二次電池
JP2002015768A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP4636650B2 (ja) 非水二次電池
JP2000100421A (ja) 非水電解液二次電池
JP4240422B2 (ja) 有機電解液二次電池
JP2004247187A (ja) 有機電解液電池
JP2009094079A (ja) リチウム含有遷移金属カルコゲナイド、その製造方法、および非水二次電池の製造方法
JP4714976B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH11273731A (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110