JP2000149670A - 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線 - Google Patents

送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線

Info

Publication number
JP2000149670A
JP2000149670A JP10312530A JP31253098A JP2000149670A JP 2000149670 A JP2000149670 A JP 2000149670A JP 10312530 A JP10312530 A JP 10312530A JP 31253098 A JP31253098 A JP 31253098A JP 2000149670 A JP2000149670 A JP 2000149670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
grease
acridine
wire
transmission line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10312530A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Mimura
彰治 味村
Shinji Katayama
慎司 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP10312530A priority Critical patent/JP2000149670A/ja
Publication of JP2000149670A publication Critical patent/JP2000149670A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性をより一層向上させることができる送
電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線を提供す
る。 【解決手段】 送電線用アルミニウム又はアルミニウム
合金線の表面には、アクリジンを含有するグリースが被
着されており、このグリース中のアクリジン含有量は、
0.1乃至5重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄塔間等に架設され
る送電線の導体等として使用されるアルミニウム又はア
ルミニウム合金線に関し、特に、耐食性が優れた送電線
用アルミニウム又はアルミニウム合金線に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄塔間に架設される架空送電線は、鉄塔
及びその他の設備の建設コストを低減するために、軽量
であることが要求されている。従って、架空送電線の導
体としては、軽量であって導体の中で比較的に導電率が
高いアルミニウム材又はアルミニウム合金材が選択され
る。
【0003】また、鉄塔間に架設された架空送電線はそ
の自重により鉄塔間で弛み、鉄塔間の中央部で垂れ下が
った形状となるが、安全性を確保するためには送電線に
対する送電電圧に応じて、垂れ下がった部分の地上から
の高さを所定の高さ以上に設定する必要がある。
【0004】しかし、このために鉄塔等の支持点の高さ
をより一層高くすると、鉄塔及びその他の設備の建設コ
ストが高くなる。そこで、従来より、鉄塔間における送
電線に負荷される張力を大きくして、弛み量(弛度)を
小さくする方法が使用されている。この場合に、送電線
の張力に対する強度を高くするために、亜鉛メッキ鋼線
若しくはアルミニウム覆鋼線の単線又は撚り線を中心と
して、その周囲の同心円上に複数のアルミニウム又はア
ルミニウム合金線が撚り合わされることにより形成され
た複合撚線(ACSR;Aluminum Conductor Steel Rei
nforced)が送電線として使用されている。
【0005】ところで、このような架空送電線は、それ
自体が日光及び風雨雪等の自然の環境に曝されるので、
耐環境性が優れたものであることが要求される。従っ
て、ACSR等の鋼心アルミニウム撚り線に使用される
鋼線の表面には、亜鉛メッキ又はアルミニウム被覆等に
より防食処理が施されている。一方、アルミニウム又は
アルミニウム合金線は、通常の環境に対しては良好な耐
食性を有するので、通常の環境下に配設されるアルミニ
ウム又はアルミニウム合金線の表面には特別な防食処理
は施されていない。
【0006】しかし、アルミニウム又はアルミニウム合
金材の耐食性は、塩素イオンの存在により著しく低下す
ることが公知である。従って、海洋に近い地域において
は、海水中のNaClが大気中に多量に存在するので、
Clイオンと水分とが存在する環境に架空送電線が曝さ
れることになり、腐食によって電線の寿命が著しく低下
するという問題点がある。
【0007】そこで、特に海洋等の影響により腐食性が
高い環境下において使用される架空送電線には、その金
属部分をグリースで覆うことにより腐食性が高い環境か
らの遮蔽を図った防食架空送電線が使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近時の
大気汚染及び酸性雨等の影響により、海洋の影響を受け
る地域以外の地域においてもアルミニウム材に対する腐
食性が高くなっており、このような環境に架空送電線が
曝されると、腐食による劣化が増加するという問題点が
ある。
【0009】このような厳しい環境下においても、グリ
ースを使用した防食処理は効果的であるが、架空送電線
の金属部分に被覆されたグリースは、環境により劣化す
るという問題点も有している。即ち、グリースは高分子
化合物により構成されているので、日光によって紫外線
が照射されたり、加熱されたりすることによりグリース
が劣化しやすくなる。従って、グリースを使用して防食
処理が施された防食架空送電線に対しては、配設される
環境によっては定期的に監視して、グリースの補充等の
保守点検を実施することが必要となる。
【0010】しかし、特に、導体に使用されているアル
ミニウム又はアルミニウム合金線は、このような厳しい
腐食環境下において急速に腐食が進行するので、完全な
保守管理が不可能となることがある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐食性をより一層向上させることができる
送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る送電線用ア
ルミニウム又はアルミニウム合金線は、アクリジンを含
有するグリースが表面に被着されており、前記グリース
中の前記アクリジンの含有量は0.1乃至5重量%であ
ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
るために鋭意実験研究を重ねた結果、アルミニウム又は
アルミニウム合金材に対して腐食抑制効果を有する物質
(腐食抑制物質)を含有するグリースをアルミニウム又
はアルミニウム合金線の表面に被着させることにより、
アルミニウム又はアルミニウム合金線の腐食の進行を抑
制することができることを見い出した。
【0014】このようなグリースをアルミニウム又はア
ルミニウム合金線の表面に被着させると、腐食抑制物質
以外のグリース部が有する遮蔽作用が環境により劣化し
て、アルミニウム又はアルミニウム合金線の表面が厳し
い腐食環境下に暴露された場合であっても、腐食抑制物
質がアルミニウム又はアルミニウム合金線の表面で皮膜
を形成するので、暴露した表面が腐食することを防止す
ることができる。本発明は、腐食抑制物質としてアクリ
ジンを使用したものであり、これにより、アクリジンを
含有しないグリースを被着させた場合と比較して、アル
ミニウム又はアルミニウム合金線の腐食抑制効果を著し
く高めることができる。
【0015】以下、本発明に係る送電線用アルミニウム
又はアルミニウム合金線に被着されるグリース中のアク
リジンの含有量について説明する。
【0016】グリース中のアクリジンの含有量:0.1
乃至5重量% グリース中のアクリジンの含有量が0.1重量%未満で
あると、十分に腐食抑制効果を得ることができない。一
方、グリース中のアクリジンの含有量が5重量%を超え
ると、アクリジンを含有しないグリースと比較して粘度
が増加するので、送電線の製造工程においてアルミニウ
ム又はアルミニウム合金線の表面全面をグリースで被覆
することが困難となり、これにより、暴露した表面から
腐食が進行する。従って、グリース中のアクリジンの含
有量は0.1乃至5重量%とする。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る送電線用アルミニウム又
はアルミニウム合金線の実施例についてその比較例と比
較して具体的に説明する。先ず、グリースに種々の含有
量となるようにアクリジンを添加して完全に混練し、混
練後のグリースのちょう度を測定した。なお、アクリジ
ンを添加する前のグリースは、JIS K2200に規
定された方法により測定されたちょう度が230であ
り、JIS K2200により規定された方法により測
定された蒸発量が99℃の温度において22時間で0.
5%であった。次に、送電線となる鋼心アルミニウム撚
り線の製造工程におけるアルミニウム線の撚り合わせ工
程において、アルミニウム線の表面に種々のグリースを
被着させて、架空送電線を作製した。
【0018】その後、得られた架空送電線を100mm
の長さに切断して、この撚り線が解けることを防止する
ために両端をアルミニウム線で縛ることにより、耐食性
試験用試験材を作製した。その後、得られた試験材に対
して、JIS Z0230において規定された「さび止
め油加速風化試験方法」に準じて耐食性試験を実施し
た。その後、試験後の試験材を2規定のHCl水溶液中
に100時間浸漬した後、表面に被着されたグリース及
び腐食生成物を完全に除去して、試験材の重量を測定す
ると共に、耐食性試験を実施する前の試験材の重量から
重量減少量を求め、アルミニウム線の単位表面積あたり
の重量減少量を算出した。
【0019】実施例及び比較例において使用したグリー
ス中のアクリジン含有量、グリースのちょう度及び耐食
性試験による重量減少量を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1に示すように、実施例No.1及
び2は適切量のアクリジンを含有するグリースをアルミ
ニウム線に被着させて送電線を製造したものであり、ア
クリジンを除くグリース部による遮蔽層が破れても、ア
クリジンが染み出すことによってアルミニウム線の表面
に皮膜を形成するので、腐食の進行を十分に抑制するこ
とができた。
【0022】一方、比較例No.3はグリース中のアク
リジンの含有量が本発明範囲の下限未満であるので、実
施例No.1及び2と比較して、腐食の進行速度が上昇
した。また、比較例No.4はグリース中のアクリジン
の含有量が本発明範囲の上限を超えているので、グリー
スの粘度が増加(ちょう度が低下)して、送電線の製造
工程においてアルミニウム線の表面全面をグリースで被
覆することが困難となった。従って、暴露したアルミニ
ウム線表面から腐食が進行した。比較例No.5はアク
リジンを含有しないグリースをアルミニウム線に被着さ
せて送電線を製造したものであり、送電線と環境とを遮
蔽するグリースによる遮蔽層が破れた後に急速に腐食が
進行した。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線の表面に
適切量のアクリジンを含有するグリースを被着させてい
るので、送電線の耐食性を向上させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリジンを含有するグリースが表面に
    被着されており、前記グリース中の前記アクリジンの含
    有量は0.1乃至5重量%であることを特徴とする送電
    線用アルミニウム又はアルミニウム合金線。
JP10312530A 1998-11-02 1998-11-02 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線 Pending JP2000149670A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10312530A JP2000149670A (ja) 1998-11-02 1998-11-02 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10312530A JP2000149670A (ja) 1998-11-02 1998-11-02 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000149670A true JP2000149670A (ja) 2000-05-30

Family

ID=18030343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10312530A Pending JP2000149670A (ja) 1998-11-02 1998-11-02 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000149670A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI68923C (fi) Staolaluminiumlina speciellt foer ledning av elektricitet och foerfarande foer framstaellning av en saodan lina
JP5014889B2 (ja) アルミ覆鋼線及びそれを用いた架空電線
CA2189676A1 (en) Galvanic protection of rebar by zinc wire and insulating coating
KR101798472B1 (ko) 탄소 섬유 복합 소재가 내장되는 송전선
JP2001084838A (ja) 送電線
CN217767924U (zh) 一种耐候型涂覆导线
JP2000149670A (ja) 送電線用アルミニウム又はアルミニウム合金線
JP4166373B2 (ja) アルミニウム線またはアルミニウム合金線およびこれを用いた送電線
JP2001089784A (ja) 防錆グリース及びこれを用いた架空送電線
Kreislova et al. Evaluation of corrosion of long-term exposed aluminium conductor/Hodnocení korozního napadení hliníkových vodičù po dlouhodobé expozici
Elshawesh et al. Technical note Atmospheric corrosion of aluminium conductor
JP2001014947A (ja) 送電線用導体およびこれを用いた送電線
JP2010182537A (ja) アルミ覆鋼線及びそれを用いた架空電線
JP4415070B2 (ja) 高耐食送電線
JP2006222021A (ja) 架空送電線用の電線、鋼心アルミ撚線、及びアルミ覆鋼線
JP2003031047A (ja) 光ファイバ複合架空地線
JP2002275562A (ja) 銅架空絶縁配電線電線
CN105370083B (zh) 一种渗铝钢输电铁塔
JP2001089783A (ja) 防錆グリースを用いた架空送電線
KR20010054409A (ko) 고방식 아연 도금 강선 및 강연선의 피막 형성 방법
JP2002245864A (ja) 防食架空電線
JP2005011570A (ja) アルミ覆鋼線およびこれを用いた高耐食架空電線
JPS6240473B2 (ja)
JPS5911373Y2 (ja) 架空絶縁電線
JP2818194B2 (ja) 送配電設備用金具、送配電用架線金具および電力供給所用屋外設備