JP2002245864A - 防食架空電線 - Google Patents
防食架空電線Info
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- JP2002245864A JP2002245864A JP2001037369A JP2001037369A JP2002245864A JP 2002245864 A JP2002245864 A JP 2002245864A JP 2001037369 A JP2001037369 A JP 2001037369A JP 2001037369 A JP2001037369 A JP 2001037369A JP 2002245864 A JP2002245864 A JP 2002245864A
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- overhead electric
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Abstract
(57)【要約】
【課題】腐食性の極めて高い環境下に置かれても腐食の
恐れのない防食架空電線を得る。 【解決手段】水分量が５００ｐｐｍ以下であるグリース
あるいは相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０
日間放置した後の水分量が５０００ｐｐｍ未満である吸
水性の低いグリース、例えばシリコーン系基油やフッ素
系基油からなるグリースを使用する。
恐れのない防食架空電線を得る。 【解決手段】水分量が５００ｐｐｍ以下であるグリース
あるいは相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０
日間放置した後の水分量が５０００ｐｐｍ未満である吸
水性の低いグリース、例えばシリコーン系基油やフッ素
系基油からなるグリースを使用する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、架空送電線、架
空地線、光ファイバ複合架空地線などの架空電線に関
し、その耐食性を大きく向上させたものである。
空地線、光ファイバ複合架空地線などの架空電線に関
し、その耐食性を大きく向上させたものである。
【０００２】
【従来の技術】この種の架空電線には、亜鉛メッキ鋼
線、アルミニウム覆鋼線の単線あるいは撚線を中心とし
て、これの周囲に同心円状に多数のアルミニウム線また
はアルミニウム合金線を撚り合わせた複合撚線（ＡＣＳ
Ｒ）が使用されている。この複合撚線は、軽量で高強度
であり、かつ通常の環境下においては、良好な耐食性を
発揮するものとされている。しかし、海洋に近い地域な
どの大気中の塩素イオン濃度が高い環境下では、塩素イ
オンと水分とによって、腐食が進行することがある。
線、アルミニウム覆鋼線の単線あるいは撚線を中心とし
て、これの周囲に同心円状に多数のアルミニウム線また
はアルミニウム合金線を撚り合わせた複合撚線（ＡＣＳ
Ｒ）が使用されている。この複合撚線は、軽量で高強度
であり、かつ通常の環境下においては、良好な耐食性を
発揮するものとされている。しかし、海洋に近い地域な
どの大気中の塩素イオン濃度が高い環境下では、塩素イ
オンと水分とによって、腐食が進行することがある。
【０００３】このため、このような腐食性の高い環境下
で使用される架空電線では、その表面に合成鉱油系グリ
ースなどのグリースを塗布して表面をグリースで被覆
し、外気から遮断することが行われている。しかしなが
ら、このようなグリースを塗布した架空電線であって
も、腐食性の極めて高い環境下では、架空電線の表面の
アルミニウム線等が腐食するケースが見られた。
で使用される架空電線では、その表面に合成鉱油系グリ
ースなどのグリースを塗布して表面をグリースで被覆
し、外気から遮断することが行われている。しかしなが
ら、このようなグリースを塗布した架空電線であって
も、腐食性の極めて高い環境下では、架空電線の表面の
アルミニウム線等が腐食するケースが見られた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、腐食性の極めて高い環境下に置かれても腐食
の恐れのない防食架空電線を得ることにある。
る課題は、腐食性の極めて高い環境下に置かれても腐食
の恐れのない防食架空電線を得ることにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、グリース
として吸水性が低く、水分量が小さいグリースを塗布ま
たは充填することで解決できる。具体的には、水分量が
５００ｐｐｍ以下であるグリースあるいは相対湿度１０
０％、温度２５℃の雰囲気に３０日間放置した後の水分
量が５０００ｐｐｍ未満であるグリースを塗布あるいは
充填する。
として吸水性が低く、水分量が小さいグリースを塗布ま
たは充填することで解決できる。具体的には、水分量が
５００ｐｐｍ以下であるグリースあるいは相対湿度１０
０％、温度２５℃の雰囲気に３０日間放置した後の水分
量が５０００ｐｐｍ未満であるグリースを塗布あるいは
充填する。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の防食架空電線に塗布または充填されるグリース
には、吸水性が低いものが用いられる。グリースの吸水
性は、これを構成する基油の種類およびこの基油を増ち
ょうする増ちょう剤の種類によって左右される。吸水性
の低いグリースが得られる基油としては、シリコーン系
基油、フッ素系基油などが挙げられる。
本発明の防食架空電線に塗布または充填されるグリース
には、吸水性が低いものが用いられる。グリースの吸水
性は、これを構成する基油の種類およびこの基油を増ち
ょうする増ちょう剤の種類によって左右される。吸水性
の低いグリースが得られる基油としては、シリコーン系
基油、フッ素系基油などが挙げられる。
【０００７】したがって、本発明においては、これら以
外の合成ナフテン系基油、ポリオールエステル系基油、
フェニルエーテル系基油などの基油からなるグリースは
避けることが好ましい。また、吸水性の低いグリースを
得ることのできる増ちょう剤としては、アルミニウム複
合石けんが挙げられ、これ以外の、例えば、リチウム石
けん、リチウム複合石けん、カルシウム複合石けん、ウ
レアなどの増ちょう剤を用いて得られたグリースは避け
るべきである。
外の合成ナフテン系基油、ポリオールエステル系基油、
フェニルエーテル系基油などの基油からなるグリースは
避けることが好ましい。また、吸水性の低いグリースを
得ることのできる増ちょう剤としては、アルミニウム複
合石けんが挙げられ、これ以外の、例えば、リチウム石
けん、リチウム複合石けん、カルシウム複合石けん、ウ
レアなどの増ちょう剤を用いて得られたグリースは避け
るべきである。
【０００８】そして、このような低吸水性のグリースの
中でも、本発明においては、購入時あるいは開缶時など
の最初からのオリジンの水分量が５００ｐｐｍ（以下、
すべて重量比である。）以下であるもの、あるいは相対
湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０日間放置した
後の水分量が５０００ｐｐｍ未満であるグリースが用い
られる。
中でも、本発明においては、購入時あるいは開缶時など
の最初からのオリジンの水分量が５００ｐｐｍ（以下、
すべて重量比である。）以下であるもの、あるいは相対
湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０日間放置した
後の水分量が５０００ｐｐｍ未満であるグリースが用い
られる。
【０００９】このような要件を満足するグリースとして
は、先に説明したシリコーン系基油、フッ素系基油など
の基油から得られたグリースあるいは、アルミニウム複
合石けんなどの増ちょう剤から製造されたグリースある
いはこれ以外のグリースからその水分量を測定して上記
条件を満たすように選択したグリースが用いられる。水
分量の測定は、周知のカールフィッシャー法で行われ
る。ここで使用されるグリースには、必要に応じてカー
ボンなどの耐候剤、ハイドロタルサイト、水酸化マグネ
シウムなどの受酸剤を添加してもよい。
は、先に説明したシリコーン系基油、フッ素系基油など
の基油から得られたグリースあるいは、アルミニウム複
合石けんなどの増ちょう剤から製造されたグリースある
いはこれ以外のグリースからその水分量を測定して上記
条件を満たすように選択したグリースが用いられる。水
分量の測定は、周知のカールフィッシャー法で行われ
る。ここで使用されるグリースには、必要に応じてカー
ボンなどの耐候剤、ハイドロタルサイト、水酸化マグネ
シウムなどの受酸剤を添加してもよい。
【００１０】グリースの塗布は、架空電線の表面に対し
て、適宜の塗布手段によって行われる。その塗布厚み
は、平均で４〜５ｍｍで十分である。また、グリースの
充填は、複合撚線のアルミニウム線、アルミニウム合金
線を撚り合わせる際に、各線間にグリースを詰め込みな
がら撚り合わることで行われ、、外表面に溢れ出るグリ
ースを表面全体に塗布することで行われる。
て、適宜の塗布手段によって行われる。その塗布厚み
は、平均で４〜５ｍｍで十分である。また、グリースの
充填は、複合撚線のアルミニウム線、アルミニウム合金
線を撚り合わせる際に、各線間にグリースを詰め込みな
がら撚り合わることで行われ、、外表面に溢れ出るグリ
ースを表面全体に塗布することで行われる。
【００１１】このような水分量の低いグリースを塗布あ
るいは充填した架空電線では、架空電線の表面への水分
の浸入と、この水分に溶解している塩素イオンなどの腐
食性物質との浸入が抑えられ、架空電線の表面のアルミ
ニウムの腐食が防止される。
るいは充填した架空電線では、架空電線の表面への水分
の浸入と、この水分に溶解している塩素イオンなどの腐
食性物質との浸入が抑えられ、架空電線の表面のアルミ
ニウムの腐食が防止される。
【００１２】以下、具体例を示す。表１および表２に示
す各種グリースを用意し、そのオリジンの水分量（Ａ）
および相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に保たれ
た容器内に３０日間放置した後の水分量（Ｂ）を、それ
ぞれカールフィッシャー式水分測定器によって測定し
た。
す各種グリースを用意し、そのオリジンの水分量（Ａ）
および相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に保たれ
た容器内に３０日間放置した後の水分量（Ｂ）を、それ
ぞれカールフィッシャー式水分測定器によって測定し
た。
【００１３】また、これらのグリースをアルミニウム板
の両面に約１ｍｍの厚さで塗布し、これを１モル／リッ
トルの塩酸水溶液中に２４時間浸漬したのち、引き上
げ、グリースを除去したアルミニウム板について、その
重量減少率を求めた。重量減少率が０．１％以下のもの
を○、５％以下のものを△、５％を越えるものを×とし
て評価した。
の両面に約１ｍｍの厚さで塗布し、これを１モル／リッ
トルの塩酸水溶液中に２４時間浸漬したのち、引き上
げ、グリースを除去したアルミニウム板について、その
重量減少率を求めた。重量減少率が０．１％以下のもの
を○、５％以下のものを△、５％を越えるものを×とし
て評価した。
【００１４】さらに、「ＪＣＳ３９９」による試験を行
った。「ＪＣＳ３９９」は、架空送電線用グリースを評
価する電線工業界規格である。結果を表１、表２に示
す。
った。「ＪＣＳ３９９」は、架空送電線用グリースを評
価する電線工業界規格である。結果を表１、表２に示
す。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【表２】
【００１７】表１、表２の結果から、水分量（Ａ）が５
００ｐｐｍ以下、または水分量（Ｂ）が３０００ｐｐｍ
以下のグリースではアルミニウムに対する防食性能が高
く、水分量（Ａ）が５００ｐｐｍを越えるもの、あるい
は水分量（Ｂ）が５０００ｐｐｍ以上のものでは十分な
防食性能が得られないことがわかる。
００ｐｐｍ以下、または水分量（Ｂ）が３０００ｐｐｍ
以下のグリースではアルミニウムに対する防食性能が高
く、水分量（Ａ）が５００ｐｐｍを越えるもの、あるい
は水分量（Ｂ）が５０００ｐｐｍ以上のものでは十分な
防食性能が得られないことがわかる。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防食架空
電線は、水分量が５００ｐｐｍ以下であるグリースある
いは相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０日間
放置した後の水分量が５０００ｐｐｍ未満であるグリー
スを塗布または充填したものであるので、架空電線の表
面への水分の浸入を抑えることができ、これに伴って水
分に溶解した塩素イオンなどの腐食性物質の浸入を抑制
することができ、極めて高い防食性を示し、腐食性の極
めて高い環境下に置かれても、その寿命が短くなること
がない。
電線は、水分量が５００ｐｐｍ以下であるグリースある
いは相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に３０日間
放置した後の水分量が５０００ｐｐｍ未満であるグリー
スを塗布または充填したものであるので、架空電線の表
面への水分の浸入を抑えることができ、これに伴って水
分に溶解した塩素イオンなどの腐食性物質の浸入を抑制
することができ、極めて高い防食性を示し、腐食性の極
めて高い環境下に置かれても、その寿命が短くなること
がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 祐二 東京都江東区木場一丁目５番１号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 梅村 文夫 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町４番１号 東京電力株式会社エネルギー・環境研究所 内 (72)発明者 額賀 孝訓 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町４番１号 東京電力株式会社エネルギー・環境研究所 内 Ｆターム(参考） 5G313 FA05 FB01 FB02 FC04 FD16
Claims (2)
- 【請求項１】水分量が５００ｐｐｍ以下であるグリース
を塗布または充填したことを特徴とする防食架空電線。 - 【請求項２】相対湿度１００％、温度２５℃の雰囲気に
３０日間放置した後の水分量が５０００ｐｐｍ未満であ
るグリースを塗布または充填したことを特徴とする防食
架空電線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001037369A JP2002245864A (ja) | 2001-02-14 | 2001-02-14 | 防食架空電線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001037369A JP2002245864A (ja) | 2001-02-14 | 2001-02-14 | 防食架空電線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002245864A true JP2002245864A (ja) | 2002-08-30 |
Family
ID=18900509
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001037369A Pending JP2002245864A (ja) | 2001-02-14 | 2001-02-14 | 防食架空電線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002245864A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009040951A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Bridgestone Corp | 太陽電池用封止膜の製造方法 |
-
2001
- 2001-02-14 JP JP2001037369A patent/JP2002245864A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009040951A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Bridgestone Corp | 太陽電池用封止膜の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050331 |
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| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070208 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070220 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070420 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070814 |