JP2015151639A - ワイヤーロープ - Google Patents

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Abstract

【課題】内部腐食を長期的かつ完全に防止できるワイヤーロープを提供する。【解決手段】ワイヤーロープ1は、麻製繊維心2と、少なくとも1つの金属製素線30を含み麻製繊維心2の周りに配置された少なくとも1つのストランド3と、麻製繊維心2およびストランド3の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤーロープに関する。より詳しくは、麻製繊維心の周りに少なくとも1つの金属製素線を含む少なくとも1つのストランドが配置されたワイヤーロープに関する。
ワイヤーロープは安全性の観点から、外観検査では容易に発見できない内部腐食を容易に生じ無いことが要求されている。たとえば、特開平04−214488号公報(特許文献1)は、ロープ油である潤滑油が含浸される芯綱と、その芯綱の周りに撚り合わせた複数本のストランドから構成され、各ストランドが互いに撚り合わされている多数本の金属素線からなり、芯綱は金属素線より柔軟な材料で一体的に形成されるコア部と、このコア部に設けられた潤滑油を含む含油部とからなり、柔軟性および潤滑性が確保された、また発錆を防止することにより寿命が延長されたワイヤーロープを開示する。
特開平08−074190号公報(特許文献2)は、外周ストランドのなかにロープ心を有し、ロープ心の芯部に設けられて含油された硬質の繊維心と、各々が7本の鋼撚り線からなり、繊維心の周りに撚り合わされてロープ心の外層部を形成する6本の側ストランドと、ロープ心の周りに撚り合わされた6本の外周ストランドと、を有し、耐内部摩耗性および耐内部腐食性に優れたワイヤーロープを開示する。
特開2008−063016号公報(特許文献3)は、心鋼と、この心鋼の周りに配設されたストランドとを備え、心鋼には潤滑油を封入したカプセルが付設され、カプセルの疲労破壊により心鋼からストランドの素線に向かって長時間にわたり潤滑油を供給することにより、長期間にわたって潤滑され防錆されるワイヤーロープを開示する。
特開2001−032182号公報(特許文献4)は、ワイヤーロープのストランドまたはロープの心部に配される心綱であって、その心綱がポリプロピレンで代表されるオレフィン系の合成繊維に、粒径が0.5μm〜20μmの硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコン、炭酸マグネシウムなどのいずれかの無機フィラーを重量比で5%〜60%添加し延伸して得られた多ボイド複合フィルムを複数撚り合わされたものから構成されているワイヤーロープ用心綱を開示する。
特開昭62−054794号公報(特許文献5)は、炭酸カルシウム分散体が、潤滑油中において潤滑油の使用中に生成された酸性物質を中和する作用を有し、自動車などのエンジン油添加剤、錆止め油添加剤として知られていることを開示する。
特開平04−214488号公報 特開平08−074190号公報 特開2008−063016号公報 特開2001−032182号公報 特開昭62−054794号公報
特開平04−214488号公報(特許文献1)、特開平08−074190号公報(特許文献2)および特開2008−063016号公報(特許文献3)に開示されたワイヤーロープは、まだなお内部腐食が発生するという問題があった。これらのワイヤーロープは、いずれも潤滑油などのロープ油により鋼線を酸素および水分から隔絶することによる防錆効果を有するが、かかるロープ油であっても完全に酸素および水分を隔絶できるものでないことから、長期的には内部腐食が発生することを完全に防止することができなかった。
特開2001−032182号公報(特許文献4)に開示のワイヤーロープ用心綱は、ポリプロピレンで代表されるオレフィン系の合成繊維に無機フィラーを添加し延伸して得られるものであることから、高度の加工処理が必要でコストが高くなるという問題があり、また、麻などの天然繊維に適用することが困難であるという問題があった。
特開昭62−054794号公報(特許文献5)に開示の炭酸カルシウム分散体は、潤滑油中において錆止め効果を有することが知られているが、それ自体の防錆効果については不明であり、ワイヤーロープへの適用についても不明であった。
本発明は、上記の問題を解決して、内部腐食を長期的かつ完全に防止できるワイヤーロープを提供することを目的とする。
本発明にかかるワイヤーロープは、麻製繊維心と、少なくとも1つの金属製素線を含み麻製繊維心の周りに配置された少なくとも1つのストランドと、麻製繊維心およびストランドの少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩と、を含む。第2族元素の炭酸塩は、麻製繊維心に担持されていてもよい。また、ワイヤーロープは、麻製繊維心およびストランドの少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在するロープ油をさらに含むことができる。第2族元素の炭素塩は、ロープ油に混入されていてもよい。
本発明によれば、内部腐食を長期的かつ完全に防止できるワイヤーロープを提供することができる。
本発明にかかるワイヤーロープの一例を示す概略断面図である。
図1を参照して、本発明のある実施形態であるワイヤーロープ1は、麻製繊維心2と、少なくとも1つの金属製素線30を含み麻製繊維心2の周りに配置された少なくとも1つのストランド3と、麻製繊維心2およびストランド3の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩と、を含む。
本実施形態のワイヤーロープ1は、麻製繊維心2およびストランド3の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩を含むことにより、ワイヤーロープの内部を長時間中性からアルカリ性の雰囲気に維持できるため、ワイヤーロープの内部腐食を長期的かつ完全に防止することができる。
本実施形態のワイヤーロープ1は、麻製繊維心2と、少なくとも1つの金属製素線30を含む少なくとも1つのストランド3と、第2族元素の炭酸塩と、を含む。麻製繊維心2は、ワイヤーロープ1の心部となり、ストランド3間の過度な接触を回避することにより、低コストでストランド3の摩耗を低減できるが、酸素および水の少なくとも1つとの接触により劣化して酸性雰囲気を形成しやすい。ストランド3は、少なくとも1つの金属製素線30を含むため、高い強度を有するが、酸素および水分の少なくとも1つとの接触により錆などが発生して腐食し、特に酸性雰囲気においては錆などがより発生しやすくより腐食する。金属製素線30は、特に制限はないが、強度が高い観点から、JIS G3506:2004、ISO16120−1:2001またはISO16120−2:2001に規定される硬鋼線材が好適である。第2族元素の炭酸塩は、酸素および水分の少なくとも1つとの接触により中性からアルカリ性の雰囲気を形成することにより、ストランド3の錆の発生を防止し、ワイヤーロープ1の内部腐食を防止する。第2族元素の炭酸塩は、CO3基を含む第2族元素の化合物であれば特に制限はなく、CO3基に加えてOH基を含む塩基性炭酸塩をも含む。たとえば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムなどが好適に用いられ、炭酸マグネシウムには、塩基性炭酸マグネシウムも含まれる。
本実施形態のワイヤーロープ1の構造、すなわち、麻製繊維心2、ストランド3、および第2族元素の炭酸塩の配置関係は、以下のとおりである。少なくとも1つのストランド3は、麻製繊維心2の周りに配置されている。かかる配置により、ワイヤーロープ1の強度が高くなる。かかる配置には、特に制限はないが、ワイヤーロープ1の強度を高くする観点から、麻製繊維心2の周りに少なくとも1つのストランド3を撚り合わせてあることが好ましい。本実施形態のワイヤーロープ1においては、上記のように、麻製繊維心2の周りにストランド3が配置されているため、麻製繊維心2とストランド3との接触部分に特に錆などが発生しやすく、内部腐食が発生しやすくなる。
本実施形態のワイヤーロープ1においては、第2族元素の炭酸塩は、麻製繊維心2およびストランド3の内部の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する。第2族元素の炭酸塩のかかる存在により、麻製繊維心2およびストランド3の内部および外部の雰囲気を中性からアルカリ性の雰囲気とすることにより、錆の発生を防止して、内部腐食を防止する。
本実施形態のワイヤーロープ1において、麻製繊維心2およびストランド3の内部および外部のいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩は、麻製繊維心2およびストランド3の内部および外部のいずれかに担持、付着、および混入などのいずれの形態で存在していてもよいが、麻製繊維心2と酸素および水分の少なくとも1つとの接触による酸性雰囲気の形成を防止し、特に麻製繊維心2とストランド3との接触部分における錆の発生を防止し、ワイヤーロープ1の内部腐食を防止する観点から、第2族元素の炭酸塩は麻製繊維心2の内部および外部の少なくともいずれかに担持されていることが好ましい。
本実施形態のワイヤーロープ1は、麻製繊維心2およびストランド3の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在するロープ油をさらに含むことが好ましい。ロープ油は、麻製繊維心2およびストランド3の少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在することにより、麻製繊維心2およびストランド3の柔軟性を高め、麻製繊維心2およびストランド3の間の潤滑性を高めるとともに、麻製繊維心2およびストランド3を酸素および水分から隔絶することによる防錆効果を有する。
本実施形態のワイヤーロープ1は、ロープ油を含む場合、第2族元素は、ロープ油に混入されていることが好ましい。ロープ油に混入された第2族元素は、ロープ油によりその作用効果を阻害されることなく麻製繊維心2およびストランド3の内部および外部の少なくともいずれかに分散されるため、麻製繊維心2と酸素および水分の少なくとも1つとの接触による酸性雰囲気の形成を防止し、特に麻製繊維心2とストランド3との接触部分における錆の発生を防止し、ワイヤーロープ1の内部腐食を防止することができる。
(参考例1)
図1を参照して、麻製繊維心2またはポリプロピレン製繊維心の周りに少なくとも1つの鋼製素線(鋼線)から構成される少なくとも1つのストランドを撚り合わせて形成されたワイヤーロープについて、錆の発生状態を以下の手順により調べた。
麻製繊維心ワイヤーロープ(JIS G3525:2013に規定されるシール形19本線×8より、ロープ径10mm)からヘキサンによりロープ油を除去してロープ油除去麻製繊維心ワイヤーロープを作製した。また、ポリプロピレン製繊維心ワイヤーロープ(JIS G3525:2013に規定されるシール形19本線×8より、ロープ径10mm)からヘキサンによりロープ油を除去してロープ油除去ポリプロピレン製繊維心ワイヤーロープを作製した。
次に、ロープ油除去麻製繊維心ワイヤーロープおよびロープ油除去プロピレン製繊維心ワイヤーロープを、それぞれ、約10cmの長さに切断、60℃で相対湿度95%の恒温恒湿槽中で静置したときの経過週数と錆の発生状態を観察した。結果を表1にまとめた。
Figure 2015151639
表1を参照して、ワイヤーロープの外部については、ロープ油除去麻製繊維心ワイヤーロープおよびロープ油除去ポリプロピレン製繊維心ワイヤーロープの両方について、錆は発生していなかった。ワイヤーロープの内部、特に繊維心とストランドとの接触部については、ロープ油除去プロピレン製繊維心ワイヤーロープは、2週間経過しても錆が発生せずまた8週間経過しても錆が少し発生したに過ぎなかったのに対し、ロープ油除去麻製繊維心ワイヤーロープが、2週間経過すると錆が発生しまた4週間経過すると錆が多く発生した。すなわち、ロープ油除去麻製繊維心ワイヤーロープは、ロープ油除去ポリプロピレン製繊維心ワイヤーロープに比べて、著しく内部腐食が進んでいた。
(参考例2)
ワイヤーロープの内部腐食に関する麻製繊維心とポリプロピレン製繊維心との物性の相違点を以下の手順により調べた。
麻製およびポリプロピレン製それぞれの繊維心500mgを4ccの純水中に5分間浸漬後、浸漬後の水のpHおよび電気伝導率を測定した。結果を表2にまとめた。
Figure 2015151639
表2を参照して、ポリプロピン製繊維心は水分に接触しても電気伝導性物質を溶出せず接触した水分を中性に保っているのに対し、麻製繊維心は水分に接触すると電気伝送性物質を溶出して接触した水分を酸性にした。
このことから、麻製繊維心を含むワイヤーロープにおいて、錆の発生を防止することにより内部腐食を防止するためには、麻製繊維心から形成される酸性成分を抑制または中和することにより、ワイヤーロープの麻製繊維心およびストランドの内部および外部の少なくともいずれかに中性雰囲気またはアルカリ性雰囲気を形成することが重要と考えられた。
(実施例1)
麻製繊維心と金属製素線とを含むサンプルにおいて、麻製繊維心に第2族元素の炭酸塩として炭酸カルシウムを担持させたときの防錆効果を、以下の手順により調べた。
まず、純水50ccに、市販の純度99質量%の炭酸カルシウム3.7gを加え、マグネチックスターラーを用いて撹拌することにより、炭酸カルシウム懸濁液を作製した。
次いで、作製した懸濁液に、長さ5cmに切断した直径5mmの麻製繊維心を10分間浸漬した。ここで、浸漬の際に形状が崩れないように、麻製繊維心は、ナイロン(商標)製紐で数か所縛ってから浸漬した。炭酸カルシウム懸濁液により麻製繊維心の中心まで濡れていることを確認した後、麻製繊維心を炭酸カルシウム懸濁液から取り出し、乾燥させた。こうして、麻製繊維心の内部および外部に炭酸カルシウムが担持されたもの(以下、炭酸カルシウム担持麻製繊維心という。)が得られた。
次いで、得られた炭酸カルシウム担持麻製繊維心に、ワイヤーロープのストランドから抜き出してヘキサンによりロープ油を除去した金属製素線である長さ5cmで直径1.5mmの鋼線を巻きつけて、炭酸カルシウム担持麻製繊維心と鋼線とをナイロン製紐を用いて3か所で縛って密着させた炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルを得た。
また、対比サンプルとして、炭酸カルシウム担持麻製繊維心に替えて炭酸カルシウムを担持させていない麻製繊維心を用いたこと以外は、上記と同様にして作製した麻製繊維心−鋼線サンプルを準備した。
次に、上記の炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルおよび麻製繊維心−鋼線サンプルを、60℃で相対湿度が90%の恒温恒湿槽中で静置したときの経過日数と繊維心と鋼線との接触部における錆の発生状態を観察した。結果を表3にまとめた。
Figure 2015151639
表3を参照して、炭酸カルシウムが担持されなかった麻製繊維心−鋼線サンプルは、4日経過すると錆が少量発生しまた7日経過すると錆が多量発生した。炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルは、14日経過しても錆が発生しなかった。このように、炭酸カルシウムなどの第2族元素の炭酸塩を担持した麻製繊維心を用いることにより、ロープ油を用いなくても、錆が発生を防止することにより内部腐食を防止するワイヤーロープが得られることがわかった。すなわち、炭酸カルシウム担持麻製繊維心とともに固体潤滑剤、たとえば、グラファイト、二硫化モリブデンなどを用いることにより、ロープ油を含有しないワイヤーロープを提供することも可能であることがわかった。
(実施例2)
麻製繊維心と金属製素線とを含むサンプルにおいて、麻製繊維心に第2族元素の炭酸塩として炭酸カルシウムを担持させロープ油を含浸させたときの防錆効果を、以下の手順により調べた。
ロープ油を含浸した麻製繊維心を以下のようにして作製した。まず、実施例1と同様にして、炭酸カルシウム担持麻製繊維心および炭酸カルシウムを担持していない麻製繊維心を作製した。
次いで、100℃で融解させた動粘度が30cStの100℃の炭化水素系の市販のロープ油に、上記の炭酸カルシウム担持麻製繊維心および麻製繊維心をそれぞれ浸漬し、それらの中心までロープ油を含浸させた。ロープ油を含浸させた炭酸カルシウム担持麻製繊維心およびロープ油を含浸させた麻製繊維心のそれぞれの外部表面に付着している紙で拭い取った。
次いで、こうして得られた内部にロープ油を含浸させた炭酸カルシウム担持麻製繊維心および麻製繊維心のそれぞれに、ストランドから抜き出されかつロープ油を除去されていない金属製素線である長さ5cmで直径1.5mmの鋼線を巻きつけて、ロープ油含浸炭酸カルシウム担持麻製繊維心およびロープ油含浸麻製繊維心のそれぞれと鋼線とをナイロン製紐を用いて3か所で縛って密着させたロープ油含浸炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルおよびロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルを得た。
次に、上記のロープ油含浸炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルおよびロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルを、60℃で相対湿度が90%の恒温恒湿槽中で静置したときの経過日数と繊維心と鋼線との接触部における錆の発生状態を観察した。結果を表4にまとめた。
Figure 2015151639
表4を参照して、炭酸カルシウムが担持されなかったロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルは、7日経過すると錆が少量発生しまた14日経過すると錆が多量発生した。ロープ油含浸炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルは、14日経過しても錆が発生しなかった。
実施例1における対比サンプルであるロープ油を含有させなかった麻製繊維心−鋼線サンプルが4日経過すると錆が少量発生しまた7日経過すると錆が多量発生したのに対し、本実施例における対比サンプルであるロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルは4日経過しても錆は発生せず7日経過して錆が少量発生しまた14日経過して錆が大量発生したことから、ロープ油による防錆効果が認められた。
本実施例の対比サンプルであるロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルが4日経過しても錆は発生せず7日経過して錆が少量発生しまた14日経過して錆が大量発生したのに対し、実施例1のロープ油を含まないが炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルは、14日経過しても錆が発生しなかった。このことから、炭酸カルシウムなどの第2族元素の炭酸塩による防錆効果は、ロープ油による防錆効果よりも極めて高いことがわかった。
また、実施例1のロープ油を含まないが炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルおよび本実施例のロープ油および炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルは、いずれも、14日経過しても錆が発生せず、ロープ油の有無にかかわらず、炭酸カルシウムなどの第2族元素の炭酸塩は極めて高い防錆効果を有することがわかった。すなわち、炭酸カルシウムなどの第2族元素の炭酸塩の極めて高い防錆効果は、ロープ油に阻害されないことがわかった。
(実施例3)
麻製繊維心と金属製素線とを含むサンプルにおいて、麻製繊維心に第2族元素の炭酸塩として炭酸カルシウムを混入させたロープ油を含浸させたときの防錆効果を、以下の手順により調べた。
炭酸カルシウムを混入させたロープ油(以下、炭酸カルシウム混入ロープ油という。)を以下のようにして作製した。ロープ油を予め液状になるまで加熱し、炭酸カルシウムの濃度が5質量%になるように炭酸カルシウムを混合し、均一に分散させた。
次いで、炭酸カルシウム混入ロープ油および炭酸カルシウムを混入していないロープ油のそれぞれに麻製繊維心を浸漬し、それらの中心まで炭酸カルシウム混入ロープ油およびロープ油をそれぞれ含浸させた。炭酸カルシウム混入ロープ油を含浸させた麻製繊維心およびロープ油を含浸させた麻製繊維心のそれぞれの外部表面に付着している紙で拭い取った。
次いで、こうして得られた内部に炭酸カルシウム混入ロープ油を含浸させた麻製繊維心およびロープ油を含浸させた麻製繊維心のそれぞれに、ストランドから抜き出したロープ油が除去されていない金属製素線である長さ4cmで直径1.5mmの鋼線を巻きつけて、ロープ油含浸炭酸カルシウム担持麻製繊維心およびロープ油含浸麻製繊維心のそれぞれと鋼線とをナイロン(商標)製紐を用いて3か所で縛って密着させた炭酸カルシウム混入ロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルおよびロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルを得た。
次に、上記の炭酸カルシウム混入ロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルおよびロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルを、60℃で相対湿度が90%の恒温恒湿槽中で静置したときの経過日数と繊維心と鋼線との接触部における錆の発生状態を観察した。結果を表5にまとめた。
Figure 2015151639
表5を参照して、炭酸カルシウムが混入されなかったロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルは、7日経過すると錆が少量発生しまた14日経過すると錆が多量発生した。炭酸カルシウム混入ロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルは、14日経過しても錆が発生しなかった。
また、実施例2のロープ油含有炭酸カルシウム担持麻製繊維心−鋼線サンプルおよび本実施例の炭酸カルシウム混入ロープ油含浸麻製繊維心−鋼線サンプルは、いずれも、14日経過しても錆が発生しなかった。
上記のことから、炭酸カルシウムの麻製繊維心への担持または炭酸カルシウムの麻製繊維心に含浸させるロープ油への混入という炭酸カルシウムの存在形態の相違にかかわらず、炭酸カルシウムなどの第2族元素の炭酸塩は極めて高い防錆効果を有することがわかった。
1 ワイヤーロープ、2 麻製繊維心、3 ストランド、30 金属製素線。

Claims (4)

  1. 麻製繊維心と、少なくとも1つの金属製素線を含み前記麻製繊維心の周りに配置された少なくとも1つのストランドと、前記麻製繊維心および前記ストランドの少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在する第2族元素の炭酸塩と、を含むワイヤーロープ。
  2. 前記第2族元素の炭素塩は、前記麻製繊維心に担持されている請求項1に記載のワイヤーロープ。
  3. 前記麻製繊維心および前記ストランドの少なくとも1つの内部および外部の少なくともいずれかに存在するロープ油をさらに含む請求項1または請求項2に記載のワイヤーロープ
  4. 前記第2族元素の炭素塩は、前記ロープ油に混入されている請求項3に記載のワイヤーロープ。
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