JP2002275562A - 銅架空絶縁配電線電線 - Google Patents

銅架空絶縁配電線電線

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JP2002275562A
JP2002275562A JP2001082529A JP2001082529A JP2002275562A JP 2002275562 A JP2002275562 A JP 2002275562A JP 2001082529 A JP2001082529 A JP 2001082529A JP 2001082529 A JP2001082529 A JP 2001082529A JP 2002275562 A JP2002275562 A JP 2002275562A
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insulated distribution
wire
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Teruichi Honda
照一 本田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の銅架空絶縁配電線に使われる銅導体が従
来と同等以上の導電率、引張強さを有し、かつ従来の技
術にある不純物量の上限よりも許容範囲が大きく耐応力
腐食割れが硬銅線のそれより優れている銅合金導体を有
する銅架空絶縁配電線を提供することを課題とした。 【解決手段】導体の外周に絶縁層を有する架空配電線に
おいて、前記導体が純銅に銀を0.10〜1.0wt%
添加してなることを特徴とする銅架空絶縁配電線で、上
記純銅の原料が電気銅および、またはリサイクルされた
銅であることを特徴とする銅架空絶縁配電線で解決でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅導体の外周にポリエ
チレンや、ビニル等の絶縁被覆を施した絶縁電線に関す
るものであり、特に電柱間に架橋される銅架空絶縁配電
線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電柱間に架線される架空配電線に
は、導体として硬銅線を単線または撚り合せたものの外
周にポリエチレンやビニルが絶縁層として被覆されてい
る銅架空絶縁配電線がある。このような、単線または撚
線の硬銅線の表面には、引張の残留応力が存在してい
る。その残留応力が存在する原因としては撚線の反発
力、ドラムに巻いた際の巻癖、架線時の張力等が挙
げられる。また、絶縁被覆内に雨水が進入すると、電線
内部は腐食されやすい環境となる。このように引張の残
留応力と腐食環境が合わさると、硬銅線表面に応力腐食
割れによる亀裂が発生し、最終的には、電線が断線する
といった問題が起こる。
【0003】これまでに、応力腐食割れに対する対策と
しては残留応力(巻癖や引張応力)の低減、電線内
部への雨水の侵入防止、腐食を妨げるために硬銅線表
面へ防錆処理剤を塗布するなどの手段が実施されてき
た。例えばでは、硬銅線ではなく、軟銅線を用いるこ
とで、引張の残留応力を低減させる。では、遮水層を
設けたり、グリースや水密コンパンウンドを導体間に注
入して水と導体との接触を防ぐ構造とする。伸線工程
中もしくは撚線工程中に防錆処理剤を硬銅線表面に塗布
するといった対策もしくはこれらを組合せた対策が挙げ
られるが、軟銅線では引張強さが硬銅線に比べ小さいの
で、現実的には絶縁電線へは適用できない。現状では製
造コストがかかるが、の対策である水密コンパウンド
を導体間に注入して水と導体との接触を防いだり、の
防錆処理剤を硬銅線もしくは硬銅撚線表面への塗布した
導体の外周に絶縁層を被覆する対策が一般的となってい
る。
【0004】上記した〜の対策があるものの、銅導
体自体への対策は取られていなかった。その背景には、
一般的に銅に添加元素を加えると導電率が低下するため
であり、耐応力腐食割れに優れた銅合金線が開発された
としても、該銅合金線の導電率が硬銅線の導電率より低
いため、硬銅線からなる銅架空絶縁配電線と同等の電流
容量を得るためには、導体の断面積を大きくしたり、架
線本数を増やさなければならなくなり、製造コストや布
設コストが従来の硬銅線のものよりもかかってしまうと
いった問題があった。
【0005】一方、銅導体自体への対策を施している技
術としては、特開平11−66947号公報が開示され
ている。この公報には銀以外の不純物量がの合計が60
ppm以下である銅導体を適用することを特徴としてお
り、銀以外の不純物量の上限が決められているので、使
用できる銅が限られてしまう。
【0006】また近年、上記した銅架空絶縁配電線をは
じめとする電線に使われている導体のリサイクル(電線
に使用されていた銅導体を再溶解して再び電線の銅導体
として使用)がなされており、リサイクル回数が増える
とともに必然と不純物量が増える。このため、上記した
対策が採られている銅導体を得るためには、不純物量の
上限内に抑える必要があり、その方法としては、リサイ
クルされた電線の使用量を減らすか、純度の高い銅の使
用量を増やさなければならなくなり、リサイクル電線の
コストに影響が出てくる。
【0007】
【本発明が解決しょうとする課題】本発明が解決しよう
とする課題は、従来の銅架空絶縁配電線に使われる銅導
体が従来と同等以上の導電率、引張強さを有し、かつ従
来の技術にある不純物量の上限よりも許容範囲が大きく
耐応力腐食割れが硬銅線のそれより優れている銅合金導
体を有する銅架空絶縁配電線を提供することを課題とし
た。
【0008】
【課題を解決させるための手段】本発明は、従来の銅架
空絶縁配電線に使われる銅導体が従来と同等以上の導電
率、引張強さを有し、かつ従来の技術にある不純物量の
上限よりも許容範囲が大きく耐応力腐食割れが硬銅線の
それより優れている銅合金導体を有する銅架空絶縁配電
線を提供することである。
【0009】すなわち、導体の外周に絶縁層を有する架
空配電線において、前記導体が純銅に銀が0.10〜
1.0wt%の割合になるように添加されていることを
特徴とする銅架空絶縁配電線で解決される。
【0010】上記純銅としては、純度として99.90
wt%以上であり、また電気伝導度で規定すると98%
IACS以上(硬銅線の場合)であれば適用できる。そ
ういった純銅の原料として電気銅が挙げられる。電気銅
とは、電気分解によって析出した陰極銅のことであり、
JIS H 2121に記載されたものである。その他
に原料としてリサイクルされた銅やそれらを混合したも
の等が適用することができ、これらを原料とした純銅に
銀を0.10wt%〜1.0wt%添加したしたものを
適用すればよい。一般的に電線の導体に使用されている
銅線は電気銅からは製造されているタフピッチ銅(JI
S H 3260のC1100に記載されている純度お
よび不純物を含有するもの)、または無酸素銅(一般的
に酸素含有量が10ppm以下のものをいい、JIS
H 3250のC1020を満足するものをいう)で製
造されている。
【0011】リサイクルされた銅とは、例えば、上記し
たタフピッチ銅、無酸素銅が使用されている製品から、
分別・回収によって得られた銅のことである。具体的に
は、張替えられた場合に発生する被覆電線や落雷や台風
等の自然災害によって断線した被覆電線から導体の銅線
および遮蔽層に使われていた銅管、銅線を被覆層、絶縁
層、半導電層から分別・回収した銅のことを指し、布設
期間中に銅表面に酸化膜が形成されていたり、汚れが付
着していたりしているので新地金から溶解鋳造して製造
される銅導体と比べると不純物含有量が多い。
【0012】銀の添加量が0.10wt%より少ないと
耐応力腐食割れ性が低くなり、1.0wt%より多く添
加しても、耐応力腐食割れの効果が著しく向上すること
はなく、材料コストが大きくなるだけである。
【0013】純銅に含有する不純物として酸素含有量が
10ppm以下であると選択使用できる銅が少なくな
る。500ppmより多くなると脆くなる傾向にある。
【0014】上記した銀を0.10〜1.0wt%添加
した銅合金導体の製造方法は、鋳造、熱間圧延、冷間伸
線、撚線の工程で製造され(単線の場合は撚線工程はな
い)、銀の添加は鋳造の段階で行われる。鋳造、熱間圧
延の工程は連続鋳造圧延と呼ばれる連続した方法で荒引
線が製造され、SCR方式、DIP方式等が挙げられ
る。その荒引線を冷間伸線して素線とし、撚線の場合、
その素線を撚り合わせて撚線としている。
【0015】上記した素線の製造工程中もしくは撚線工
程中に防錆処理剤を塗布することでさらに耐応力腐食割
れを向上させることができる。
【0016】導体の外周に被覆される材料は、限定する
必要はなく、公知の銅架空絶縁配電線に適用されている
ものであれば良い。例えばポリエチレンやビニル等が挙
げられる。被覆方法は特に限定されるものではなく、公
知である押出成形が適用される。
【0017】
【作用】銀の添加と応力腐食割れとの相関は明らかでは
ないが、銅に比べ耐食性に優れている銀を加えることに
よって、導体の耐食性が向上しているものと考える。ま
た、一般的に銅に添加元素を加えると導電率が低下する
が、銀添加は銅の導電率を低下させないので、電線の導
体としての電気的特性を犠牲にすることはない。よって
純銅に添加する銀の割合を限定することで、耐応力腐食
割れが向上し、銀以外の不純物量の上限を従来技術より
も大きくすることができるので、不純物量、例えば酸素
含有量の少ない銅のみを使用する必要はなく、原材料と
して銅地金以外にリサイクルされた銅を使用しても良
く、また電線に使われていたタフピッチ銅を使用しても
耐応力腐食割れを抑制でき、またそれらを混合したした
ものでも使用できる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施の形態を説明する。S
CR方式で製造された表1に示す組成からなるφ8mm
の導体を使って、引張試験、導電率、応力腐食割れ指数
の測定を行った。
【0019】
【表1】
【0020】引張試験:JIS Z 2241記載の
方法に基づいて測定し、歪速度を1.67×10−7
実施した。 導電率測定:JIS H 0505記載の方法に基づ
いて測定した。 応力腐食割れ指数の測定:応力腐食割れ指数は以下の
式にて算出した。 応力腐食割れ指数(%)=((油中での破壊エネルギ
ー)−(腐食液中での破壊エネルギー))×100/
(油中での破壊エネルギー) 油中での破壊エネルギーとは、腐食環境ではない(油
中)で歪速度(1.67×10−7)で引張試験をした
場合に得られる応力−歪曲線で囲まれた面積のことを指
す。腐食液中での破壊エネルギーとは、腐食環境中(試
験溶液の組成:0.5%酢酸水溶液)で歪速度(1.6
7×10−7)で引張試験をした場合に得られる応力−
歪曲線で囲まれた面積のことを指す。この応力腐食割れ
指数が小さいほど応力腐食割れが発生し難いことを示
す。測定結果を表2に示し、応力腐食割れ指数(%)が
20以下であるものを○とし、30以上であるものを×
とした。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明によると、添加する銀の添加量を
限定することで、銀以外の不純物量の上限を従来技術よ
りも大きくすることができる。よって、従来のように不
純物量の少ない銅のみを使用する必要はなく、電気銅お
よび、またはリサイクルされた銅を純銅の原料として使
用することができ、耐応力腐食割れを抑制できる銅銅架
空絶縁配電線電線が提供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体の外周に絶縁層を有する架空配電線に
    おいて、前記導体が純銅に銀が0.10〜1.0wt%
    の割合になるように添加されていることを特徴とする銅
    架空絶縁配電線。
  2. 【請求項2】上記純銅の原料が電気銅および、またはリ
    サイクルされた銅であることを特徴とする請求項1記載
    の銅架空絶縁配電線。
  3. 【請求項3】上記純銅がタフピッチ銅であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の銅架空絶縁配電
    線。
  4. 【請求項4】上記純銅が無酸素銅であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の銅架空絶縁配電線。
  5. 【請求項5】上記純銅の純度が99.90wt%以上で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の銅架空絶縁配電線。
  6. 【請求項6】上記純銅の酸素含有量が10ppmを超
    え、500ppm以下であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の銅架空絶縁配電線。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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