JP2000146724A - トルクセンサ及びこれを用いた舵取装置 - Google Patents

トルクセンサ及びこれを用いた舵取装置

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JP2000146724A
JP2000146724A JP20538299A JP20538299A JP2000146724A JP 2000146724 A JP2000146724 A JP 2000146724A JP 20538299 A JP20538299 A JP 20538299A JP 20538299 A JP20538299 A JP 20538299A JP 2000146724 A JP2000146724 A JP 2000146724A
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gear
torque sensor
input shaft
rotation
torque
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Yoshitomo Tokumoto
欣智 徳本
Masato Shiba
真人 柴
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク中立点の調整作業を比較的容易にで
き、組立て作業性を良好にできるトルクセンサ及びこれ
を用いた舵取装置を提供する。 【解決手段】 入力側の入力軸5に設けられた第1のか
さ歯車13aと出力側の出力軸8に設けられた第2のか
さ歯車13bとの両方に噛合する第3かさ歯車13cと
一体的に回転するカム13eによりスライダ13fが入
力軸5及び出力軸8の軸長方向に移動し、これに連結し
ているアーム13jの揺動量をポテンショメータ13k
で検出することによって前記入力軸5及び出力軸8を連
結してる連結軸6の捩じれ量を検出し、これによって入
力軸5に加わるトルクを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステアリングホイー
ル(操舵輪)に加わる操舵トルク等のトルクを検出する
トルクセンサ及び該トルクセンサの検出結果に基づいて
電動モータを駆動し、操舵補助力を発生させる舵取装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の舵取装置に電動モータを駆動
して操舵補助を行ない、運転者の負担を軽減するものが
ある。図20は従来の舵取装置の構成を示す縦断面図で
ある。図20において101は上端部に操舵輪100が
取付けられる上部軸である。該上部軸101の下端部に
は第1ダウエルピン103を介して筒状の入力軸104
及び該入力軸104の内側に挿入される連結軸105
(トーションバー)の上端部が連結され、該連結軸10
5の下端部に第2ダウエルピン106を介して筒状の出
力軸107が連結されている。また、出力軸107の上
端部は入力軸104の下端部に挿嵌されており、上部軸
101及び出力軸107がころがり軸受108,109
を介して、また、入力軸104がニードル軸受110を
介してハウジング111内に夫々支持されている。
【0003】このハウジング111内には、連結軸10
5を介して連結される入力軸104及び出力軸107の
相対変位量に基づいて入力軸104に加わるトルクを検
出するトルクセンサ112と、該トルクセンサ112の
検出結果に基づいて駆動される操舵補助用の電動モータ
113の回転を減速して前記出力軸107に伝達する減
速機構114とを備え、操舵輪100の回転に応じた舵
取機構の動作を前記電動モータ113の回転により補助
し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように
構成されている。また、出力軸107の下端部は、ユニ
バーサルジョイントを介してラックピニオン式の舵取機
構に連結されている。
【0004】前記トルクセンサ112には例えば特公平
07−021433号公報に開示されているようなもの
が用いられている。該トルクセンサ112では、前記入
力軸104及び出力軸107に夫々固定される磁性体製
リング112a,112bが、前記連結軸105の周囲
の前記ハウジング111内に固着されているトルク検出
コイル112cの内側に配置されている。磁性体製リン
グ112a,112bの対向する端面には複数の矩形状
の歯部が夫々同ピッチで全周に亘って形成されており、
前記連結軸105の捩れに対応して入力軸104側の磁
性体製リング112aと出力軸107側の磁性体製リン
グ112bとが相対回転したとき前記歯部の対向面積が
変化し、トルク検出コイル112cのインピーダンスが
変化し、このインピーダンスの変化を捉えることにより
前記トルクを検出する非接触式センサが用いられてい
る。
【0005】以上の如く構成された舵取装置を組み立て
る場合、操舵輪100にトルクが加えられていないと
き、前記トルクセンサ112から所定の出力が得られる
ようにトルク中立点の調整が行なわれる。該トルク中立
点の調整は、連結軸105及び出力軸107を第2ダウ
エルピン106で連結する以前に行なわれる。詳しく
は、上部軸101、入力軸104、出力軸107、トル
クセンサ112及び減速機構114がハウジング111
に内蔵されている状態で、ハウジング111の上端から
外方へ突出している上部軸101の上端を把持して軸長
方向及び回転方向へ移動させて、前記入力軸104側の
磁性体製リング112aと出力軸107側の磁性体製リ
ング112bとの歯部の対向面積及び歯部間のギャップ
を調整することにより、トルクセンサ112のトルク中
立点の調整が行なわれる。
【0006】トルク中立点の調整が行なわれたあと、前
記連結軸105及び出力軸107の下端部に第2ダウエ
ルピン106用の貫通孔が穿設され、該貫通孔に前記第
2ダウエルピン106が嵌合されて連結軸105及び出
力軸107を連結することにより、前記トルク中立点の
調整状態が保持されるようにしてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
従来の舵取装置では、トルクセンサのトルク中立点の調
整作業として2つの磁性体製リング112a,112b
の歯部の対向面積及び歯部間のギャップの調整を行なう
ために3次元空間の最適位置を捜し出す必要があり、組
立て作業性が悪かった。
【0008】また、従来のトルクセンサ112に用いら
れる磁気材料は品質管理及び特性管理が難しいという問
題があった。
【0009】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、トルク中立点の調整作業が容易であり、組立て
作業性を良好にできるトルクセンサ及びこれを用いた舵
取装置を提供することを目的とする。
【0010】また本発明の他の目的は、機構部に品質管
理及び特性管理が難しい磁気材料を用いずに、トルクに
対しほぼ線形の出力特性を示すトルクセンサ及びこれを
用いた舵取装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るトルクセ
ンサは、入力軸に加わるトルクを入力軸と出力軸とを連
結する連結軸に生じる捩れ角によって検出するトルクセ
ンサにおいて、前記入力軸及び出力軸夫々に取付けられ
ている第1及び第2のギヤと、該第1及び第2のギヤの
両方と噛合する第3のギヤと、第3のギヤの回転量を検
出する検出手段とを備え、検出した回転量から前記トル
クを求めるようにしてあることを特徴とする。
【0012】入力軸にトルクが加わり連結棒に捩れが生
じたとき、入力軸と出力軸との間に相対角変位が生じて
いる。このことによって入力軸側の第1のギヤと出力軸
側の第2のギヤとの両方に噛合している第3のギヤは前
記相対角変位に対応した回転を行なう。このため第3の
ギヤの回転量を検出手段によって検出することで回転量
に対応したトルクが検出できる。
【0013】第1発明に係るトルクセンサによれば、ト
ルク中立点の調整作業は入力軸にトルクが加えられてい
ないときの第3のギヤの回転位置と検出手段の出力値と
を調整するだけでよいため、トルク中立点の調整作業を
従来に比べ容易にすることが可能であり、組立て作業性
を良好にできる。
【0014】また機構部の構成に磁気材料を用いていな
いため、品質管理及び特性管理を容易にすることが可能
となる。
【0015】第2発明に係るトルクセンサは、前記検出
手段は、前記第3のギヤに取付けられており、第3のギ
ヤの回転中心に対して偏倚している偏倚部を有する偏倚
体と、第3のギヤの回転に伴う偏倚体の回転に連動して
前記入力軸及び出力軸の軸長方向へ移動する移動体と、
該移動体の移動量に対応する電気的出力を発生する移動
量検出器とを備えていることを特徴とする。
【0016】第3のギヤはその回転中心回りに回転する
とともに、入力軸及び出力軸の軸心を中心に転動するた
め、直接その回転量を検出するには該回転量を直接検出
する手段を第3のギヤとともに入力軸及び出力軸の軸心
を中心に転動させる必要があり、この検出は容易ではな
い。そこで第3のギヤの回転運動の入力軸及び出力軸の
軸長方向への成分を偏倚体によって移動体の運動へと変
換し、該変換によって第3のギヤの入力軸及び出力軸の
軸心を中心とする転動に伴う偏倚体の転動の影響をなく
す。そして移動体の移動量を検出することで第3のギヤ
の回転量を間接的に検出できる。
【0017】第2発明に係るトルクセンサによれば、直
接検出することが困難な第3のギヤの回転量をこれに連
動して動作する偏倚体及び移動体によって移動体の移動
量へと変換し、該移動量をこれに対応する電気的出力を
発生する移動量検出器で検出するから、容易にトルク検
出を行なうことが可能となる。また、偏倚体の寸法によ
っては、第3のギヤの小さな回転量を移動体の大きな移
動量に増幅でき、該移動量をこれに対応する電気的出力
を発生する移動量検出器で検出するから、高精度なトル
ク検出を行なうことが可能となる。
【0018】第3発明に係るトルクセンサは、前記検出
手段は、前記第3のギヤに取付けられており、第3のギ
ヤの回転中心に対して偏倚している偏倚部を有する偏倚
体と、第3のギヤの回転に伴う偏倚体の回転に連動して
前記入力軸及び出力軸の軸長方向へ移動する移動体と、
該移動体の移動に連動して揺動する揺動体と、該揺動体
の揺動量に対応する電気的出力を発生する手段とを備え
ていることを特徴とする。
【0019】第3のギヤの回転運動の入力軸及び出力軸
の軸長方向への成分を偏倚体によって移動体の運動へと
変換するに伴い、第3のギヤの入力軸及び出力軸の軸心
を中心とする転動に伴う偏倚体の転動は吸収されてい
る。該移動体の運動から揺動体の揺動へと変換し、該揺
動体は前記転動を行なわないため、この揺動量を検出す
ることで第3のギヤの回転量を間接的に検出できる。
【0020】第3発明に係るトルクセンサによれば、直
接検出することが困難な第3のギヤの回転量をこれに連
動して動作する偏倚体、移動体、及び揺動体によって揺
動体の揺動量へと変換し、該揺動量をこれに対応する電
気的出力を発生する揺動量検出器で検出するから、容易
にトルク検出を行なうことが可能となる。また、偏倚体
及び揺動体の寸法によっては、第3のギヤの小さな回転
量を揺動体の大きな揺動量に増幅でき、該揺動量をこれ
に対応する電気的出力を発生する揺動量検出器で検出す
るから、高精度なトルク検出を行なうことが可能とな
る。
【0021】第4発明に係るトルクセンサは、前記偏倚
体は第3のギヤの半径方向に長い形状を有し、前記偏倚
部は前記移動体と接触する接触部を有しており、前記第
3のギヤの回転中心に直交する平面による該接触部の断
面形状が、偏倚体長手方向が長軸方向の楕円の一部であ
ることを特徴とする。
【0022】第3のギヤの回転中心は常に入力軸及び出
力軸の回転軸と直交しているため、該第3のギヤの回転
運動の入力軸及び出力軸の軸長方向への投影成分は単振
動である。このため第3のギヤの回転中心に直交する平
面による接触部の断面形状が円弧等の場合では、偏倚体
の回転中心から偏倚体と移動体との接触点までの距離が
接触点の位置によって大きく変化しないため、移動体が
前記単振動に近い動作を行なうこととなる。第3のギヤ
の回転に対する移動体の動作の関係が比例関係に近い
程、第3のギヤの回転量を正確に検出しやすく、このた
めには偏倚体と移動体との接触点が偏倚体の先端に近い
程移動体の動作量を大きくするように、前記接触点が偏
倚体の先端に近い程、該接触点と偏倚体の回転中心との
距離が大きくなるような形状の偏倚体を用いる必要があ
る。
【0023】第4発明に係るトルクセンサによれば、第
3のギヤの回転中心に直交する平面による接触部の断面
形状を偏倚体の長手方向が長軸方向である楕円の一部と
することによって、偏倚体の先端に近い部分程その回転
中心との距離が大きくなるから、偏倚体の先端に近い部
分で移動体と接触する程移動体の動作量を大きくするこ
とができ、第3のギヤの回転と移動体の動作との関係を
比例関係に近付けることが可能となる。
【0024】第5発明に係るトルクセンサは、前記第1
のギヤは入力軸の軸長方向への移動が可能にしてあり、
該第1のギヤを第2のギヤの方向へ付勢する付勢ばねを
備えていることを特徴とする。
【0025】第5発明に係るトルクセンサによれば、第
1のギヤを付勢することによって第1及び第3のギヤの
噛合部分と第2及び第3のギヤの噛合部分とに圧力を加
えることとなり、夫々のギヤのバックラッシを防止する
ことが可能となる。
【0026】第6発明に係るトルクセンサは、前記第3
のギヤは前記第1及び第2のギヤの周方向に複数個が設
けられていることを特徴とする。
【0027】第1のギヤが付勢ばねによって付勢されて
いるため、第3のギヤが1つである場合では、第3のギ
ヤと噛合している部分だけに付勢による力が集中し、第
1及び第2のギヤが第3のギヤと噛合している反対側に
倒れる虞があった。
【0028】第6発明に係るトルクセンサによれば、第
3ギヤを複数個設けることによって、第3のギヤと噛合
している複数の部分に付勢による力を分散することがで
き、第1及び第2のギヤの回転軸の倒れを防ぐことが可
能となる。
【0029】第7発明に係るトルクセンサは、入力軸に
加わるトルクを、入力軸と出力軸とを連結する連結軸に
生じる捩れ角によって検出するトルクセンサにおいて、
前記入力軸及び出力軸の一方に設けられた第1のギヤ
と、他方に設けられて前記第1のギヤと噛合し、前記他
方の軸心と交差する交差線を中心として回転が可能な第
4のギヤと、該第4のギヤの回転量を検出する検出手段
とを備え、検出した回転量から前記トルクを求めるよう
にしてあることを特徴とする。
【0030】第7発明に係るトルクセンサによれば、入
力軸にトルクが加わり、入力軸の回転が連結棒を介して
出力軸に伝達されるとき、連結棒に捩じれが生じ、入力
軸と出力軸との間に相対角変位が生じている。このこと
によって入力軸及び出力軸の一方に設けられた第1のギ
ヤに噛合する第4のギヤは、前記相対角変位に対応した
回転を行なう。このため第4のギヤの回転量を検出手段
によって検出することで回転量に対応したトルクが検出
できる。
【0031】しかも、第1及び第4のギヤを用いる構造
であるため、第1〜第3のギヤを用いる請求項1に比較
して構造を簡単にでき、また、操舵トルク中立点の調整
作業は入力軸にトルクが加えられていないときの第4の
ギヤの回転位置と検出手段の出力値とを調整するだけで
よいため、操舵トルク中立点の調整作業を従来例のトル
クセンサに比べて容易にでき、コストをより一層低減で
きる。
【0032】第8発明に係るトルクセンサは、前記第4
のギヤは、前記他方に固定される保持環に保持されてい
ることを特徴とする。
【0033】第8発明に係るトルクセンサによれば、入
力軸又は出力軸に嵌合することによって保持環を固定で
きるため、第4のギヤの安定性を良好にできるととも
に、第4のギヤを容易に組み込むことができる。
【0034】第9発明に係るトルクセンサは、前記検出
手段は、前記第4のギヤに設けられ、該第4のギヤの回
転中心に対し偏倚した偏倚部を有する偏倚体と、前記偏
倚部に接触し、前記軸心に沿う方向へ移動が可能な移動
体と、該移動体の移動量を検出する移動量検出器とを備
えていることを特徴とする。
【0035】第9発明に係るトルクセンサによれば、入
力軸及び出力軸の相対角変位によって第4のギヤが回転
するとき、該第4のギヤに設けられた偏倚体によって第
4のギヤの回転運動を移動体の移動へと変換するため、
該移動体の移動量を検出することで第4のギヤの回転量
を間接的に容易に検出でき、しかも、第4のギヤの小さ
な回転量を移動体の大きな移動量に増幅できるため、高
精度なトルク検出を行なうことができる。
【0036】第10発明に係るトルクセンサは、前記偏
倚部は前記軸心に沿い、前記交差線上を通る第1の沿い
線と交差する位置の適宜の点を通って前記軸心に沿う第
2の沿い線を中心として前記第4のギヤの回転方向両方
側へ湾曲していることを特徴とする。
【0037】第10発明に係るトルクセンサによれば、
偏倚体によって第4のギヤの回転運動が移動体の移動へ
と変換されるとき、該移動体の移動量はsin波に基づい
て決まることになるが、偏倚体の偏倚部は、第2の沿い
線を中心として第4のギヤの回転方向両方側へ湾曲して
いるため、第4のギヤを保持する保持部材に移動体を当
接させることなく偏倚体の初期セット角度をほぼ零度に
でき、この零度の初期セット角度を始点として偏倚体を
第4のギヤの回転方向両方側へ変位させ、移動体を移動
させることがでる。従って、移動体の移動量の直線性を
改善でき、出力ゲインを向上できるとともに、出力ゲイ
ンの安定性を向上できる。
【0038】第11発明に係る舵取装置は、舵輪に繋が
る入力軸と、前記舵輪に加わる操舵トルクに基づいて駆
動制御される操舵補助用の電動モータと、これに連動す
る出力軸と、前記入力軸に加わるトルクを前記入力軸及
び出力軸を連結する連結軸の捩れ角によって検出する第
1発明乃至第10発明のいずれかのトルクセンサとを備
えてなることを特徴とする。
【0039】第11発明に係る舵取装置によれば、第1
発明から第10発明に対応するトルクセンサを備えたも
のが得られる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る舵取装置の要部の構成を示す縦断面
図、図2は図1のII−II線による横断面図、図3は図1
のIII −III 線による矢視図である。
【0041】図1〜3において、2は上端部に操舵輪1
が取付けられる上部軸である。該上部軸2の下端部には
第1ダウエルピン4を介して筒状の入力軸5及びこれの
内側に挿入される連結軸(トーションバー)6の上端部
が連結されており、該連結軸6の下端部に第2ダウエル
ピン7を介して筒状の出力軸8が連結されており、上部
軸2、入力軸5及び出力軸8が軸受9,10,11を介
してハウジング12内に夫々回転が可能に支持されてい
る。
【0042】このハウジング12内には、前記連結軸6
を介して連結される入力軸5及び出力軸8の相対変位量
により操舵トルクを検出するトルクセンサ13と、該ト
ルクセンサ13の検出結果に基づいて駆動される操舵補
助用の電動モータ14の回転を減速して前記出力軸8に
伝達する減速機構15とを備え、操舵輪1の回転に応じ
た舵取機構の動作を前記電動モータ14の回転により補
助し、舵取のための運転者の労力負担を軽減するように
構成されている。また、出力軸8の下端部は、ユニバー
サルジョイントを介してラックピニオン式の舵取機構に
連結されている。
【0043】前記トルクセンサ13は以下に詳述するよ
うに構成されている。即ち、前記入力軸5に軸長方向に
移動可能として第1のかさ歯車(第1のギヤ)13aが
取付けられており、出力軸8に第2のかさ歯車(第2の
ギヤ)13bが固定されている。第1及び第2のかさ歯
車13a,13bは、歯部側を夫々対向させた状態で適
宜の距離を隔てて配置されている。3つの第3のかさ歯
車(第3のギヤ)13c…が前記第1及び第2のかさ歯
車13a,13bの周方向に120°ずつ隔ててこれら
と噛合している。これら3つの第3のかさ歯車13c…
はリング状の保持器13dによって、連結軸6の軸心回
りに転動可能であり、また回転中心回りに回転も可能で
あるように前記転動の半径方向外側の回転軸を回転可能
に片持ち支持された状態で保持されており、該第3のか
さ歯車13cの回転量を検出する検出手段を備えてい
る。
【0044】1つの第3のかさ歯車13cには、その回
転軸に一端部が円弧面の偏倚部となっている一方向に長
い板状のカム(偏倚体)13eが、第3のかさ歯車13
cの回転軸の保持器13dによる保持部分より外側にそ
の他端部を回転中心として取付けられている。該カム1
3eの上側(入力軸側)では円環状のスライダ(移動
体)13fが入力軸5に遊嵌されている。
【0045】このスライダ13fは前記ハウジング12
の内部でスライダ13fに対向して入力軸5に設けられ
たばね座との間に介装された第1コイルばね13gによ
ってその上端面を付勢されていて、下端面が前記カム1
3eに常に押し付けられるようになっている。該スライ
ダ13fの外周には環状溝が設けられており、該環状溝
にL字形のアーム13jの一端が挿入されている。該ア
ーム13jの他端には筒状の連結部が設けられており、
該連結部をハウジング12に固定されているポテンショ
メータ13kの入力軸に挿嵌して固定することで、アー
ム13jはポテンショメータ13kの入力軸に対してク
ランク状になるように連結されている。
【0046】なお、第3のかさ歯車13cの回転量をよ
り大きなアーム13jの揺動量へと変換し、高精度なト
ルク検出を行なうために、カム13eの有効長はアーム
13jの有効長よりも長い方がよい。また前記第1、第
2、及び第3のかさ歯車13a,13b,13c間のバ
ックラッシを減じ、またスライダ13fが常に入力軸5
の中心軸と平行に動作するように、第1のかさ歯車13
a及び前記スライダ13fの間に第2コイルばね13h
が配置されている。
【0047】また、スライダ13f付近のハウジング1
2の一部には開口部が設けられており、該開口部を塞ぐ
ように矩形板状のポテンショメータ受け16がその四隅
をネジ止めされることによってハウジング12に固定さ
れている。ポテンショメータ13kはその一面の両側か
ら該面に平行な板状の2つの取付けフランジ17,17
が突出しており、該面の中央部には入力軸が突出してい
る。ポテンショメータ受け16の中央には開口部が設け
られている。
【0048】該開口部にポテンショメータ13kの入力
軸が差し込まれるように、また入力軸5の軸心に対しほ
ぼ直交する方向に前記2つの取付けフランジ17が夫々
位置するように、ポテンショメータ13kは前記ポテン
ショメータ受け16上に配置されており、入力軸5の軸
長方向を長手方向として取付けフランジ17に設けられ
ている長穴17aを介してポテンショメータ受け16に
ネジにより締結されている。そしてポテンショメータ1
3kは、前記長穴17aによる遊びの分だけその入力軸
の軸心回りに回転させて取付けることができる。
【0049】図4は実施の形態1の舵取装置の動作説明
図、図5は図4のV−V線の矢視による動作説明図であ
る。連結軸6が捩れずに入力軸5及び出力軸8が回転す
る場合、第1及び第2のかさ歯車13a,13bの回転
差がないため、第3のかさ歯車13cは回転せず、入力
軸5、出力軸8、及び連結軸6は一体的に回転する。
【0050】連結軸6が捩れて入力軸5及び出力軸8が
回転する場合、第1及び第2のかさ歯車13a,13b
に回転差が生じ、このため第3のかさ歯車13cが連結
軸6の捩れ相当量だけ回転して、保持器13dと共に連
結軸6の軸心回りに転動する。第3のかさ歯車13cと
ともにカム13eも回転し、その回転量に応じてスライ
ダ13fが移動する。そしてスライダ13fの環状溝に
挿入されているアーム13jの揺動量がポテンショメー
タ13kに入力され、操舵のトルクが検出される。
【0051】以上の如き構成により、操舵のトルク中立
点の調整作業は、操舵輪1に操舵トルクが加えられてい
ないとき、カム13eを所定角度をなすように取付け、
ポテンショメータ13kの取付けフランジ17の長穴1
7aによってポテンショメータ13kの出力が予め定め
た目標値になるように取付け角度を微調整し、ネジによ
って締結することで行なわれるため、繁雑な作業を必要
としない。
【0052】またトルクセンサに品質管理及び特性管理
が難しい磁気材料を用いていないため、取り扱い及び組
み立て作業が容易となる。
【0053】なお、ポテンショメータ13kは接触式の
ものでも非接触式のものでもどちらでもよく、ポテンシ
ョメータ13k及びアーム13jを用いずにスライダ1
3fの周面の一部に磁石の小片を取付けて直接スライダ
13fの移動量を磁気抵抗素子等によって検出してもよ
い。また第3のかさ歯車13cはいくつ設けてもよい。
【0054】実施の形態2 図6は本発明に係る舵取装置の動作説明図、図7は図6
のVII −VII 線の矢視による動作説明図である。
【0055】実施の形態2の舵取装置におけるトルクセ
ンサ13は、1つの第3のかさ歯車13cの回転軸に一
端部が楕円形の偏倚部となっている板状のカム(偏倚
体)13eが、その長手方向を回転半径方向とし、第3
のかさ歯車13cの回転軸の保持器13dによる保持部
分より外側にその他端部を回転中心として取付けられて
おり、スライダ13fを常に連結軸6の軸心と平行に移
動するように、スライダ13fの下端面がハウジング1
2内に固定された第2コイルばね13hによって付勢さ
れ、前記第1、第2、及び第3のかさ歯車13a,13
b,13c間のバックラッシ防止のために第1のかさ歯
車13aがハウジング12内に固定されている第3コイ
ルばね13iによって下方に付勢された構成となってい
る。その他、実施の形態1と同様の部分については、同
じ符号を付し説明を省略する。
【0056】この実施の形態2の舵取装置の構成では、
カム13eが楕円形の板状であり、カム13eの回転軸
軸心に直交する平面によるカム13eのスライダ13f
との接触部の断面形状はカム13eの回転半径方向が長
手方向の楕円の一部となっている。このためカム13e
の先端に近い部分程回転中心からの距離が大きくなって
おり、スライダ13fの下端面とカム13eの長手方向
とのなす角度が大きくなる程カム13eの先端に近い部
分で接触し、スライダ13fの移動量を大きくすること
となる。従って一端部が円弧面のカムを用いたときより
もトルクセンサ13の出力特性が線形に近いものとな
り、精度よくトルクを検出できる。
【0057】なお、カム13eの形状は、スライダ13
fと接触する可能性がある部分だけをカム13eの回転
半径方向が長軸方向の楕円の一部とした板状であっても
よい。
【0058】実施の形態3 図8は本発明に係る舵取装置の要部の構成を示す縦断面
図、図9は図8におけるトルクセンサ部分の側面図であ
る。この実施の形態3の舵取装置におけるトルクセンサ
13は、前記第2のかさ歯車13bをなくし、前記第3
のかさ歯車13cに代えて前記第1のかさ歯車13a
(以下第1のギヤという)と噛合し、前記出力軸8の軸
心と交差する交差線を中心として回転が可能な第4のギ
ヤ13mを設け、該第4のギヤ13mの回転量を検出す
る検出手段として、第4のギヤ13mに前記カム(以下
偏倚体という)13eを設けるとともに、前記スライダ
(以下移動体という)13fを前記入力軸5に移動可能
に支持し、該移動体13fの移動量を検出する移動量検
出器13nを前記ハウジング12に設けたものであり、
その他のトルクセンサの構成、作用及び舵取装置の構
成、作用は実施の形態1と同様であるため、共通部品に
ついては同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省
略する。
【0059】図10はトルクセンサ部分の拡大断面図、
図11は図10のXI−XI線の拡大断面図、図12は図1
1のXII −XII 線の縮尺断面図、図13はトルクセンサ
部分の拡大側面図である。実施の形態3の第1のギヤ1
3aは、その中心部の内周面に回り止め溝を有し、該回
り止め溝に相対移動を可能に係合する回り止めピン18
が前記入力軸5に嵌合され、該入力軸5の軸長方向へ移
動を可能としてある。
【0060】第4のギヤ13mは、一端側に歯部を有
し、他端側に回転軸13pを有するかさ歯車を用いてな
り、該第4のギヤ13mを前記出力軸8に圧入によって
固定される保持環19に回転可能に保持されている。こ
の第4のギヤ13mは、例えば180度の位相差で2個
設けてある。第4のギヤ13mは、その歯部を保持環1
9の内側に配置し、回転軸13pの一端を保持環19の
外方へ突出させ、該突出部に前記偏倚体13eが取付け
られている。
【0061】該偏倚体13eは、前記回転軸13pに嵌
合固定される嵌合孔を一端部に有し、第4のギヤ13m
の回転中心に対し偏倚した偏倚部13sを他端部に有す
る板体を用いてなり、第4のギヤ13mに連動して該第
4のギヤ13mの回転方向へ変位する。偏倚部13s
は、前記変位方向の一面を円弧状に湾曲させ、該偏倚部
13sに前記移動体13fの一側が接触している。
【0062】この移動体13fは、その中心部の内周面
に回り止め溝を有する小径筒部と、該小径筒部に円板部
を介して支持された大径筒部と、該大径筒部の外周に設
けられ、前記移動量検出器13nとラジアル方向に適宜
の間隔を隔てて対向するマグネット等の環状の移動基準
部13rとを備え、小径筒部が入力軸5に移動可能に支
持され、前記回り止め溝に相対移動を可能に係合する回
り止めピン20が前記入力軸5に嵌合され、該入力軸5
の軸長方向へ移動を可能としてある。
【0063】移動体13fと入力軸5に嵌合された間座
21との間に、移動体5を前記偏倚体13eへ向けて付
勢する前記第1コイルばね13gを介装し、該第1コイ
ルばね13gによって移動体13f及び偏倚部13sの
接触状態を良好に保つようにしてある。また、移動体1
3fと第1のギヤ13aとの間に、該第1のギヤ13a
を前記第4のギヤ13mへ向けて付勢する前記第2コイ
ルばね13hを介装し、該第2コイルばね13hによっ
て第1及び第4のギヤ13a,13m間のバックラッシ
ュを防止するとともに、移動体13fを入力軸5に沿っ
て円滑に移動させることができるようにしてある。
【0064】移動量検出器13nは、前記ポテンショメ
ータ13kに代えて、マグネチック・レジスタンス素
子、ホール素子等の非接触式の磁気変位センサを用いて
なり、移動量検出器13nに対し前記移動基準部13r
の位置が入力軸5の軸心に沿って変位したときの磁束密
度の変化量を入力軸5及び出力軸8の相対角変位量とし
て検出するように構成されており、該移動量検出器13
nにマイクロプロセッサを用いてなる制御部(図示せ
ず)が接続されている。
【0065】また、移動量検出器13nは、収容筒部2
2a及びフランジ22bを有する保持体22の前記収容
筒部22aに内装され、その検出部が前記ハウジング1
2の一側に設けられた開口部12aからハウジング12
内に配置されている。保持体22は、そのフランジ22
bに設けられた長孔22cに挿入する取付ネジ23によ
り締結されている。そして保持体22は、長孔22cに
よる遊びの分だけハウジング12への取付位置を変え、
前記移動基準部13rに対する前記移動量検出器13n
の位置を調整することができるようにしてある。
【0066】以上の如く構成されたトルクセンサを備え
た舵取装置は、操舵輪が操舵中立点から左又は右へ回転
されるとき、入力軸5が回転するとともに、該入力軸5
にトルクが加わり、該トルクによって連結軸6が捩じ
れ、この捩じれに応じて入力軸5が出力軸8に対し相対
角変位する。この相対角変位により、第1のギヤ13a
が入力軸5と一体に回転するとともに、保持環19が出
力軸8と一体に回転し、該保持環19に回転可能に保持
され、第1のギヤ13aに噛合している第4のギヤ13
mは、前記相対角変位の量だけ自転しながら第1のギヤ
13aの周りを転動する。
【0067】この第4のギヤ13mの自転(回転)に伴
い偏倚体13eの位置が第4のギヤ13mの回転方向へ
変位し、該偏倚体13eの偏倚部13sと移動体13f
との接触位置が変わり、該移動体13fが第1コイルば
ね13gの力に打ち勝って入力軸5の軸長方向へ移動
し、移動量検出器13nに対し移動基準部13rの位置
が変位し、この変位に伴う磁束密度の変化量が入力軸5
及び出力軸8の相対角変位量として検出され、この移動
量検出器13nの検出結果が制御部に入力される。
【0068】このように入力軸5及び出力軸8の相対角
変位量を、入力軸5及び出力軸8の相対角変位に応じて
自転(回転)する第4のギヤ13m及び該第4のギヤ1
3mに設けた偏倚体13eを介して移動体13fの移動
量に変換し、該移動量に対応する電気的出力を移動量検
出器13nが発生することによって前記入力軸5に加わ
るトルクを検出するため、コイル及び磁性体製リングを
備えた従来例の非接触式センサに比較してトルクセンサ
の構造及び舵取装置の構造を非常に簡単にでき、コスト
を低減できる。
【0069】尚、実施の形態3において、第4のギヤ1
3mは2個である他、1個又は3個以上であってもよ
い。また、第4のギヤ13mを出力軸8に設けるための
手段は、保持環19を用いる他、出力軸に取付けられる
非環状の保持体に保持してもよいし、また、出力軸8と
一体に設けられた少なくとも1つの保持片に保持しても
よい。また、第1及び第4のギヤ13a,13mは、か
さ歯車である他、ハイポイドギヤ等のギヤを用いてもよ
い。
【0070】実施の形態4 図14は本発明に係るトルクセンサの模式的断面図、図
15はトルクセンサの模式的側面図である。この実施の
形態4のトルクセンサは、実施の形態3の移動量検出器
13nとしてマグネチック・レジスタンス素子、ホール
素子等の非接触式の磁気変位センサを用いて移動体13
fの移動量を直接的に検出する代わりに、実施の形態1
と同様、ポテンショメータ13kを用いて移動体13f
の移動量を間接的に検出するようにしたものであり、換
言すれば、実施の形態3の第4のギヤ13mの回転量
を、実施の形態1の如くスライダ(移動体)13fの移
動量に変換し、この移動量をアーム13jの揺動量に変
換し、該揺動量に対応する電気的出力をポテンショメー
タ13kが発生するようにしたものであり、その他のト
ルクセンサの構成、作用及び舵取装置の構成、作用は実
施の形態1,3と同様であるため、共通部品については
同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省略する。
【0071】この実施の形態4の第4のギヤ13mは、
実施の形態3と同様、保持環19に回転可能に保持さ
れ、該保持環19が出力軸8に嵌合固定されている。
【0072】実施の形態5 図16は実施の形態5に係るトルクセンサの要部の構成
の動作説明図、図17は第4のギヤの回転量に対する移
動体の移動特性図、図18は実施の形態1に係るトルク
センサの要部の構成の動作説明図、図19は第3のかさ
歯車の回転量に対するスライダの移動特性図である。
【0073】この実施の形態5のトルクセンサは、実施
の形態1,2の第3のかさ歯車13cの回転量をスライ
ダ13fの移動量に変換するカム13eの円弧面及び実
施の形態3,4の第4のギヤ13mの回転量を移動体1
3fの移動量に変換する偏倚体13eの偏倚部13s
を、前記出力軸8(入力軸5)の軸心Oに沿い、該軸心
Oと交差する交差線L1上を通る第1の沿い線L2と交
差する位置の適宜の点O1を通って前記軸心Oに沿う第
2の沿い線L3を中心として前記第4のギヤ13mの回
転方向両方側へ対称に湾曲、換言すれば、前記点O1を
支点とする円弧面としたものであり、その他の構成及び
作用は実施の形態1,3と同様であるため、共通部品に
ついては同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省
略する。
【0074】実施の形態1,2の如くカム13eによっ
て第3のかさ歯車13cの回転運動がスライダ13fの
移動へと変換されたり、実施の形態4,5の如く偏倚体
13eによって第4のギヤ13mの回転運動が移動体1
3fの移動へと変換されたりするとき、図17、図19
の如くスライダ(13f)及び移動体13fの移動量は
sin 波に基づいて決まることになる。
【0075】ところが、実施の形態1,2のカム13e
は、図18の如く一方向に長い板体の一端を板体の幅寸
法内で円弧面としただけであり、カム13eの初期セッ
ト角度をほぼ零にできなかった。すなわち、図19に示
した移動体の移動特性図の横軸となる位置にカム13e
を配置し、該カム13eの初期セット角度をほぼ零度に
した場合、スライダ13fと第3のかさ歯車13cとの
位置関係等によって第3のかさ歯車13cの回転運動を
スライダ13fの移動へと変換させることができない。
【0076】このため、図18の(a) の如くカム13e
を初期セット角度が零度となる位置に対し第3のかさ歯
車13cの回転方向へ所定角度だけ変位した位置に配置
し、この変位した位置をカム13eの初期セット角度と
し、該初期セット角度を始点としてカム13eを第3の
かさ歯車13cの回転方向両方側へ変位させ、スライダ
13fを移動させるように構成されている。この場合、
図19の如くsin 波の原点及び最大振幅点の中間位置が
初期セット角度となるため、スライダ13fの移動量の
直線性の改善、出力ゲイン(第3のかさ歯車の単位回転
量に対する移動体の移動量)の向上、及び出力ゲインの
安定性(初期セット角度のばらつきに対して出力ゲイン
の変化が小さいこと)の向上が望まれていた。
【0077】実施の形態5の偏倚体13eは、その偏倚
部13sが第2の沿い線L3を中心として第4のギヤ1
3mの回転方向両方側へ対称に湾曲しているため、移動
体13fを保持環19等の第4のギヤ13mを保持する
保持部材に当接させることなく偏倚体13eを図17に
示した移動体の移動特性図の横軸となる位置に偏倚体1
3eを配置し、該偏倚体13eの初期セット角度をほぼ
零度にすることができる。換言すれば偏倚体13eをsi
n 波の原点から第4のギヤ13mの回転方向両方側へ変
位させ、移動体13fを移動させることができる。従っ
て、図17に示すように移動体13fの移動量の直線性
を改善でき、出力ゲインを向上できるとともに、出力ゲ
インの安定性を向上できる。
【0078】尚、実施の形態5は、実施の形態3,4に
適用する他、実施の形態1,2に適用してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した如く第1発明に係るトルク
センサによれば、第3のギヤの回転角の位相と検出手段
の出力値との関係を調整することでトルク中立点の調整
が行なえるため、従来に比べ調整作業を容易にすること
が可能であり、組立て作業性を良好にできる。
【0080】また、品質管理及び特性管理が比較的容易
であるギヤによってトルクセンサの機構部が構成されて
いるため、従来に比べ管理コストを低減することが可能
となる。
【0081】第3のギヤは入力軸及び出力軸の回転方向
に転動するため、直接第3のギヤの回転量を検出するこ
とができない。そこで第2発明に係るトルクセンサによ
れば、偏倚体、移動体、及び移動量検出器によって第3
のギヤの回転量を間接的に検出することが可能となる。
【0082】また、第3のギヤと連動する偏倚体及び移
動体によって第3のギヤの小さな回転量を移動体の大き
な移動量として移動量検出器で検出するため、高精度に
検出を行なうことが可能となる。
【0083】また、第3のギヤは入力軸及び出力軸の回
転方向に転動するため、直接第3のギヤの回転量を検出
することができない。そこで第3発明に係るトルクセン
サによれば、偏倚体、移動体、揺動体、及び揺動量検出
器によって第3のギヤの回転量を間接的に検出すること
が可能となる。
【0084】第3発明に係るトルクセンサによれば、第
3のギヤと連動する偏倚体、移動体、及び揺動体によっ
て第3のギヤの小さな回転量を揺動体の大きな揺動量と
してポテンショメータで検出するため、高精度に検出を
行なうことが可能となる。
【0085】第4発明に係るトルクセンサによれば、偏
倚体の偏倚部の移動体との接触部の偏倚体の回転軸軸心
に直交する平面による断面形状が偏倚体の長手方向を長
軸方向とする楕円の一部となっているため、トルクセン
サの出力特性がトルクに対してほぼ線形の関係となり、
高精度なトルク検出を行なうことを可能とする。
【0086】第5発明に係るトルクセンサによれば、第
1のギヤを付勢ばねによって付勢することにより、第1
のギヤと第3のギヤとの噛合部及び第2のギヤと第3の
ギヤとの噛合部で夫々のギヤが良好に噛合し、バックラ
ッシを防止することが可能となる。
【0087】第6発明に係るトルクセンサによれば、第
3のギヤが第1及び第2のギヤの回転方向に複数個設け
られているため、付勢ばねによって付勢されることによ
り、第1及び第2のギヤの回転軸の倒れを防ぎ、各ギヤ
の良好な回転性を得ることが可能となる。
【0088】第7発明に係るトルクセンサによれば、第
1及び第4のギヤを用いる構造であるため、第1〜第3
のギヤを用いる請求項1に比較して構造を簡単にでき、
また、トルク中立点の調整作業は入力軸にトルクが加え
られていないときの第4のギヤの回転位置と検出手段の
出力値とを調整するだけでよいため、トルク中立点の調
整作業を従来例のトルクセンサに比べて容易にでき、コ
ストをより一層低減できる。
【0089】第8発明に係るトルクセンサによれば、入
力軸又は出力軸に嵌合することによって保持環19を固
定できるため、第4のギヤの安定性を良好にできるとと
もに、第4のギヤを容易に組み込むことができる。
【0090】第9発明に係るトルクセンサによれば、入
力軸及び出力軸の相対角変位によって第4のギヤが回転
するとき、該第4のギヤに設けられた偏倚体によって第
4のギヤの回転運動を移動体の移動へと変換するため、
該移動体の移動量を検出することで第4のギヤの回転量
を間接的に容易に検出でき、しかも、第4のギヤの小さ
な回転量を移動体の大きな移動量に増幅できるため、高
精度なトルク検出を行なうことができる。
【0091】第10発明に係るトルクセンサによれば、
偏倚体の偏倚部は、第2の沿い線を中心として第4のギ
ヤの回転方向両方側へ湾曲させてあるため、移動体を保
持環に当接させることなく偏倚体の初期セット角をほぼ
零度にでき、この零度の初期セット角度を始点として偏
倚体を両方側変位させ、移動体を移動させることがで
き、移動体の移動量の直線性を改善でき、出力ゲインを
向上できるとともに、出力ゲインの安定性を向上でき、
移動体の移動量を精度よく検出できる。
【0092】第11発明に係る舵取装置によれば、第1
発明から第10発明に対応するトルクセンサを備えたも
のが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舵取装置の実施の形態1の要部の
構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線による横断面図である。
【図3】図1の III−III 線による矢視図である。
【図4】本発明の実施の形態1の舵取装置の動作説明図
である。
【図5】図4のV−V線の矢視による動作説明図であ
る。
【図6】本発明に係る舵取装置の実施の形態2の動作説
明図である。
【図7】図6の VII−VII 線の矢視による動作説明図で
ある。
【図8】本発明に係る舵取装置の要部の構成を示す縦断
面図である。
【図9】図8におけるトルクセンサ部分の側面図であ
る。
【図10】本発明に係るトルクセンサ部分の拡大断面図
である。
【図11】図10のXI−XI線の拡大断面図である。
【図12】図11のXII −XII 線の縮尺断面図である。
【図13】本発明に係るトルクセンサ部分の拡大側面図
である。
【図14】本発明に係るトルクセンサの模式的断面図で
ある。
【図15】本発明に係るトルクセンサの模式的側面図で
ある。
【図16】実施の形態5に係るトルクセンサの要部の構
成の動作説明図である。
【図17】第4のギヤの回転量に対する移動体の移動特
性図である。
【図18】実施の形態1に係るトルクセンサの要部の構
成の動作説明図である。
【図19】第3のかさ歯車の回転量に対するスライダの
移動特性図である。
【図20】従来の舵取装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
5 入力軸 6 連結軸 8 出力軸 13 トルクセンサ 13a 第1かさ歯車(第1のギヤ) 13b 第2かさ歯車(第2のギヤ) 13c 第3かさ歯車(第3のギヤ) 13e カム(偏倚体) 13f スライダ(移動体) 13g 第1コイルばね 13h 第2コイルばね 13j アーム 13k ポテンショメータ 13m 第4のギヤ 13n 移動量検出器 13s 偏倚部 19 保持環

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に加わるトルクを入力軸と出力軸
    とを連結する連結軸に生じる捩れ角によって検出するト
    ルクセンサにおいて、前記入力軸及び出力軸夫々に取付
    けられている第1及び第2のギヤと、該第1及び第2の
    ギヤの両方と噛合する第3のギヤと、第3のギヤの回転
    量を検出する検出手段とを備え、検出した回転量から前
    記トルクを求めるようにしてあることを特徴とするトル
    クセンサ。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記第3のギヤに取付
    けられており、第3のギヤの回転中心に対して偏倚して
    いる偏倚部を有する偏倚体と、第3のギヤの回転に伴う
    偏倚体の回転に連動して前記入力軸及び出力軸の軸長方
    向へ移動する移動体と、該移動体の移動量に対応する電
    気的出力を発生する移動量検出器とを備えている請求項
    1記載のトルクセンサ。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記第3のギヤに取付
    けられており、第3のギヤの回転中心に対して偏倚して
    いる偏倚部を有する偏倚体と、第3のギヤの回転に伴う
    偏倚体の回転に連動して前記入力軸及び出力軸の軸長方
    向へ移動する移動体と、該移動体の移動に連動して揺動
    する揺動体と、該揺動体の揺動量に対応する電気的出力
    を発生する揺動量検出器とを備えている請求項1記載の
    トルクセンサ。
  4. 【請求項4】 前記偏倚体は第3のギヤの半径方向に長
    い形状を有し、前記偏倚部は前記移動体と接触する接触
    部を有しており、前記第3のギヤの回転中心に直交する
    平面による該接触部の断面形状が、偏倚体長手方向が長
    軸方向の楕円の一部である請求項2または請求項3記載
    のトルクセンサ。
  5. 【請求項5】 前記第1のギヤは入力軸の軸長方向への
    移動が可能にしてあり、該第1のギヤを第2のギヤの方
    向へ付勢する付勢ばねを備えている請求項1記載のトル
    クセンサ。
  6. 【請求項6】 前記第3のギヤは前記第1及び第2のギ
    ヤの周方向に複数個が設けられている請求項5記載のト
    ルクセンサ。
  7. 【請求項7】 入力軸に加わるトルクを、入力軸と出力
    軸とを連結する連結軸に生じる捩れ角によって検出する
    トルクセンサにおいて、前記入力軸及び出力軸の一方に
    設けられた第1のギヤと、他方に設けられて前記第1の
    ギヤと噛合し、前記他方の軸心と交差する交差線を中心
    として回転が可能な第4のギヤと、該第4のギヤの回転
    量を検出する検出手段とを備え、検出した回転量から前
    記トルクを求めるようにしてあることを特徴とするトル
    クセンサ。
  8. 【請求項8】 前記第4のギヤは、前記他方に固定され
    る保持環に保持されている請求項7記載のトルクセン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記検出手段は、前記第4のギヤに設け
    られ、該第4のギヤの回転中心に対し偏倚した偏倚部を
    有する偏倚体と、前記偏倚部に接触し、前記軸心に沿う
    方向へ移動が可能な移動体と、該移動体の移動量を検出
    する移動量検出器とを備えている請求項7記載のトルク
    センサ。
  10. 【請求項10】 前記偏倚部は前記軸心に沿い、前記交
    差線上を通る第1の沿い線と交差する位置の適宜の点を
    通って前記軸心に沿う第2の沿い線を中心として前記第
    4のギヤの回転方向両方側へ湾曲している請求項9記載
    のトルクセンサ。
  11. 【請求項11】 舵輪に繋がる入力軸と、前記舵輪に加
    わる操舵トルクに基づいて駆動制御される操舵補助用の
    電動モータと、これに連動する出力軸と、前記入力軸に
    加わるトルクを前記入力軸及び出力軸を連結する連結軸
    の捩れ角によって検出する請求項1乃至請求項10記載
    のいずれかのトルクセンサとを備えてなることを特徴と
    する舵取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006281815A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fuji Kiko Co Ltd 可変舵角比操舵装置ガタ詰め構造。
CN105043615A (zh) * 2014-11-10 2015-11-11 新安乃达驱动技术(上海)有限公司 可动态测量旋转力矩的转轴系统及其方法和装置
CN110196009A (zh) * 2019-06-21 2019-09-03 桂林电子科技大学 一种线路板焊点弯扭应力位移测量及定位辅助装置

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