JP2000146333A - 極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホ−ル方法 - Google Patents

極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホ−ル方法

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JP2000146333A
JP2000146333A JP31907098A JP31907098A JP2000146333A JP 2000146333 A JP2000146333 A JP 2000146333A JP 31907098 A JP31907098 A JP 31907098A JP 31907098 A JP31907098 A JP 31907098A JP 2000146333 A JP2000146333 A JP 2000146333A
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glove box
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Okihisa Sadayama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温状態を維持したままでの部品の交換を
可能にする。 【解決手段】 交換用冷凍機41は、オーバーホールの
対象となる極低温冷凍機22と全く同じ構造および寸法
を有して、駆動部42をグローブボックス23内に挿入
させて取り付けられる。交換用冷凍機41のシリンダ部
44は、容器45内の液体窒素46で20K〜30Kに
予冷される。こうして、交換用冷凍機41内の交換用の
部品を、予め極低温状態にある極低温冷凍機22の交換
対象の部品と同程度に冷熱収縮させておくことによっ
て、極低温状態を維持したままでの交換時のクリアラン
スの問題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、極低温状態を維
持したまま極低温冷凍機の部品交換を行うことができる
極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホー
ル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療用器機や各種試験装置等
に使用される超電導マグネットの冷却用に極低温冷凍機
が使用されている。この極低温冷凍機としては、通常、
ヘリウム等の低温液化ガスを断熱膨張させるギフォード
マクマホン型の冷凍機が使用される。
【0003】ところで、上記超電導マグネットを用いた
医療用機器や試験装置を使用している際に、上記超電導
マグネットを冷却している極低温冷凍機に対してオーバ
ーホールが必要になる場合がある。その場合、上記医療
用機器や試験装置から極低温冷凍機を取り外してオーバ
ーホールを行うと、極低温に冷却されている超電導マグ
ネットが昇温されてしまうために、上記医療用機器や試
験装置を再起動する場合に、超電導マグネットの再冷却
に時間が掛かってしまう。したがって、極低温冷凍機を
外さずに、上記医療用機器や試験装置を極低温状態に保
ったまま極低温冷凍機のメンテナンスを行う方法が提案
されている(特公平7−84960号公報)。
【0004】この極低温冷凍装置のメンテナンス作業用
装置は、図7に示すように、クライオスタット1内を極
低温状態に維持する極低温冷凍機2に対してメンテナン
スを行う場合には、クライオスタット1外に突出してい
る極低温冷凍機2の駆動部4を覆うように、フランジ5
にグローブボックス3を取り付けて気密状態を得る。
尚、6はヘリウム槽、7は第1輻射シールド、8は第2
輻射シールドである。そして、グローブボックス3内を
真空ポンプ9によって真空引きを行って空気や水分等を
除去した後、ガス供給管10からヘリウムガスを導入し
て高純度のヘリウムガスで満たす。こうして、不純物の
ほとんど無い雰囲気中でグローブ11によって極低温冷
凍機2のメンテナンス作業を行うのである。
【0005】ところで、上述のような極低温冷凍機2に
対する部品の交換を行う場合には、図8に示すような収
納容器16を使用する。すなわち、収納容器16に交換
用の部品と工具を収納して蓋17で密閉する。そして、
ガス供給管18に介設された開閉弁19を開放して、気
密室20内の空気を低温液化ガスで置換する。こうし
て、空気が除去された収納容器16をグローブボックス
3内に搬入することによって、グローブボックス3内の
雰囲気を汚染することなく部品の交換作業を行うのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置によって
ディスプレーサの交換を行う場合には以下のような問題
がある。すなわち、クライオスタット1外に突出してい
る極低温冷凍機2の駆動部4をグローブボックス3で覆
って高純度のヘリウムガスで満たされた密閉空間を得、
さらに内部が低温液化ガスで置換された収納容器16で
交換用のディスプレーサと工具を持ち込むことによっ
て、極低温冷凍機を外さずに、然もグローブボックス3
内の雰囲気を汚染することなくディスプレーサの交換作
業を行うことはできる。ところが、交換の対象となる極
低温冷凍機2の1段目の第1シリンダ12および2段目
の第2シリンダ13と、交換用の第1ディスプレーサ
(第1シリンダ12に収納されるディスプレーサ)および
第2ディスプレーサ(第2シリンダ13に収納されるデ
ィスプレーサ)とのクリアランスが不適当であるという
別の問題が発生する。
【0007】すなわち、上記極低温冷凍機2は、メンテ
ナンス時においては、上記第2輻射シールド8が取り付
けられている第2シリンダ13のヒートステーション1
4は20K〜30K、第1輻射シールド7が取り付けら
れている第1シリンダ12のヒートステーション15は
100K程度の温度環境下にある。したがって、例え
ば、第2シリンダ13の入口内径は、約0.3%以上収
縮している。
【0008】ところが、上記収納容器16に入れて持ち
込まれる交換用の第2ディスプレーサは常温である。し
たがって、常温状態において第2シリンダ13とのクリ
アランスが最適になるように外径が設定された交換用の
第2ディスプレーサをグローブボックス3内で極低温状
態の第2シリンダ13内に挿入しようとすると、第2シ
リンダ13の入口内径は約0.3%以上収縮しているた
めに挿入できない。そこで、常温状態における第2ディ
スプレーサの外径を約0.3%以上の冷熱収縮分だけ小
さく形成することによって、第2ディスプレーサの交換
を可能にしている。
【0009】ところが、上述のようにして交換された第
2ディスプレーサは、運転時にその外径が約0.3%以
上収縮することになる。これに対して、第2シリンダ1
3は既に極低温状態に在って約0.3%以上収縮してい
る。したがって、極低温冷凍機2の運転が再開される
と、第2シリンダ13と第2ディスプレーサとの間はク
リアランスシールによるシール限界を越えてしまうこと
になる。また、上記クリアランスシールを、交換用の第
2ディスプレーサの冷熱収縮を考慮して予め大きく形成
しても装着不可能である。
【0010】すなわち、上記従来の極低温冷凍装置のメ
ンテナンス作業用装置では、極低温状態を維持したまま
極低温冷凍機のディスプレーサを交換することはできな
いのである。尚、上述のような冷熱収縮に伴うクリアラ
ンスの問題は、上記ディスプレーサに限らずクリアラン
スシール等の所定の隙間を有して組み立てられる総ての
部品に共通する問題である。
【0011】そこで、この発明の目的は、極低温状態を
維持したまま部品の交換が可能な極低温冷凍機のオーバ
ーホール装置およびオーバーホール方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホー
ル装置は、シリンダ部と駆動部とを有する極低温冷凍機
と、上記極低温冷凍機が,そのシリンダ部を挿入して取
り付けられたクライオスタットと、上記駆動部を外気と
接触しないように包み込むと共に,グローブが設けられ
たグローブボックスと、上記極低温冷凍機と全く同じ構
造および寸法を有すると共に,シリンダ部を上記グロー
ブボックスの外に露出させる一方,駆動部を上記グロー
ブボックス内に没入させて,上記グローブボックスに取
り付けられた交換用冷凍機と、上記交換用冷凍機のシリ
ンダ部を予冷する予冷手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0013】上記構成によれば、グローブボックスに取
り付けられた交換用冷凍機が、予冷手段によって、クラ
イオスタットに取り付けられて極低温状態を維持してい
る極低温冷凍機の温度と略同一温度に予冷される。した
がって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における
各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部
品の冷熱収縮率とは略同一となっている。
【0014】その結果、上記グローブボックスのグロー
ブを用いて、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディス
プレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを
交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと
交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスは最適に
なっており、極低温状態を維持したまま作業性良く交換
される。しかも、オーバーホール後の上記極低温冷凍機
の運転時には、第2シリンダと第2ディスプレーサとは
殆ど収縮することが無く、両者のクリアランスが最適状
態に維持される。
【0015】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置におい
て、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部が
浸漬される極低温液体であることを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、液体窒素等の極低温液
体に上記交換用冷凍機のシリンダ部が浸漬される簡便な
方法で、上記交換用冷凍機が予冷される。
【0017】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置におい
て、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を
外気と接触しないように包み込む密閉容器と、上記密閉
容器に取り付けられて上記交換用冷凍機のシリンダ部を
予冷する予冷用冷凍機で構成されていることを特徴とし
ている。
【0018】上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシ
リンダ部を包み込む密閉容器に取り付けられた予冷用冷
凍機によって、上記交換用冷凍機が所望の温度に精度良
く予冷される。
【0019】また、請求項4に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置におい
て、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を
外気と接触しないように包み込む密閉容器と、上記交換
用冷凍機を駆動して上記交換用冷凍機自身で上記予冷を
行わせる交換用冷凍機駆動手段であることを特徴として
いる。
【0020】上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシ
リンダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはせ
ず、ごく簡単に然も精度良く、上記交換用冷凍機が予冷
される。尚、上記交換用冷凍機駆動手段を上記極低温冷
凍機の駆動手段と兼用させることによって、上記交換用
冷凍機の予冷コストが低減される。
【0021】また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール装置は、シリンダ部と駆動部を有する
極低温冷凍機と、上記極低温冷凍機が,そのシリンダ部
を挿入して取り付けられたクライオスタットと、上記駆
動部を外気と接触しないように包み込むと共に,グロー
ブが設けられたグローブボックスと、上記極低温冷凍機
と全く同じ構造および寸法を有すると共に,シリンダ部
を上記グローブボックスの外に露出させる一方,駆動部
を上記グローブボックス内に没入させて,上記グローブ
ボックスに取り付けられた交換用冷凍機と、上記極低温
冷凍機のシリンダ内に挿入されて,上記シリンダ内のみ
を局部的に加熱する加熱体を備えたことを特徴としてい
る。
【0022】上記構成によれば、グローブボックスのグ
ローブを用いて、加熱体が、クライオスタットに取り付
けられて極低温状態を維持している極低温冷凍機のシリ
ンダ部内に挿入される。こうして、上記極低温冷凍機の
シリンダ内のみが局所的に交換用冷凍機と同じ常温に加
熱される。したがって、オーバーホール時における上記
極低温冷凍機における各部品の収縮率と上記交換用冷凍
機における同一部品の収縮率とは略同一となっている。
【0023】その結果、例えば上記極低温冷凍機の不良
第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプ
レーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2
シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアラン
スは最適になっており、両者の交換が作業性良く行われ
る。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシリ
ンダ内部のみであるから、極低温冷凍機全体としては極
低温状態を維持しており、極低温状態を維持したままで
のオーバーホールを可能にする。
【0024】また、請求項6に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ
部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を,
グローブが設けられたグローブボックスで外気と接触し
ないように包み込み、上記グローブボックスに,上記極
低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷
凍機を,そのシリンダ部を上記グローブボックスの外に
露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没
入させて取り付け、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予
冷し、上記極低温冷凍機の不良部品を上記予冷された交
換用冷凍機の該当部品と交換することを特徴としてい
る。
【0025】上記構成によれば、上記交換用冷凍機が、
クライオスタットに取り付けられて極低温状態を維持し
ている極低温冷凍機のオーバーホール温度と略同一温度
に予冷される。したがって、オーバーホール時の上記極
低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷
凍機における同一部品の冷熱収縮率とは略同一となって
いる。
【0026】その結果、上記グローブボックスのグロー
ブを用いて、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディス
プレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを
交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと
交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスは最適に
なっており、極低温状態を維持したまま作業性良く両者
が交換される。しかも、オーバーホール後の上記極低温
冷凍機の運転時には、第2シリンダと第2ディスプレー
サとは殆ど収縮することが無く、両者のクリアランスが
最適状態に維持される。
【0027】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法におい
て、上記予冷は、グローブを用いて上記交換用冷凍機を
上記グローブボックス外に取り出し、このグローブボッ
クス外に取り出された交換用冷凍機を駆動することによ
って行うことを特徴としている。
【0028】上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシ
リンダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはし
ない。したがって、ごく安価な方法で上記交換用冷凍機
が予冷される。
【0029】また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ
部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を,
グローブが設けられたグローブボックスで外気と接触し
ないように包み込み、上記グローブボックスに,上記極
低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷
凍機を,そのシリンダ部を上記グローブボックスの外に
露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没
入させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ部内の
みを局部的に加熱し、この局部的に加熱された極低温冷
凍機の不良部品を上記交換用冷凍機の該当部品と交換す
ることを特徴としている。
【0030】上記構成によれば、上記極低温冷凍機のシ
リンダ内が、グローブボックス内において加熱体によっ
て局所的に常温に加熱される。したがって、オーバーホ
ール時の上記極低温冷凍機における各部品の収縮率と上
記交換用冷凍機における同一部品の収縮率とは略同一と
なっている。
【0031】したがって、例えば上記極低温冷凍機の不
良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディス
プレーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第
2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアラ
ンスが最適になっており、両者の交換が作業性良く行わ
れる。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシ
リンダ内部のみであるから、極低温冷凍機全体としては
極低温状態を維持したままオーバーホールされる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態>図1は、本実施の形態における極低
温冷凍機のオーバーホール装置の概念図である。図1に
おいて、21はクライオスタット、22はギフォードマ
クマホン型の極低温冷凍機、23はグローブボックスで
ある。
【0033】クライオスタット21は、温度が約300
Kに保たれる外壁25内に、内側から順に、液体ヘリウ
ムが充填されたヘリウム槽26、このヘリウム槽26を
輻射シールする約20Kの温度に保持された第1輻射シ
ール27、液体窒素が封入されて約70Kの温度に保持
された第2輻射シール28が配置されている。また、外
壁25には、極低温冷凍機22が、第1シリンダ30お
よび第2シリンダ31を外壁25内に挿入させてフラン
ジ29によって取り付けられている。そして、第1シリ
ンダ30の第1ヒートステーション32には第2輻射シ
ール28が取り付けられ、第2シリンダ31の第2ヒー
トステーション33には第1輻射シール27が取り付け
られている。尚、図示してはいないが、ヘリウム層26
内の液体ヘリウム中には超電導マグネットが浸漬されて
いる。
【0034】上記グローブボックス23は、極低温冷凍
機22のオーバーホール時に、極低温冷凍機22の駆動
部34を包み込むようにクライオスタット21の外壁2
5に取り付けられ、極低温冷凍機22のフランジ29,
グローブボックス23および外壁25の夫々の間はシー
ルされる。グローブボックス23には、バルブ35が介
設されると共に真空ポンプ36に接続された真空引き配
管37と、バルブ38が介設されたヘリウム供給配管3
9が取り付けられている。
【0035】本実施の形態においては、上記グローブボ
ックス23には、交換用冷凍機41が、駆動部42をグ
ローブボックス23内に挿入させてフランジ43によっ
て取り付けられている。そして、交換用冷凍機41のフ
ランジ43とグローブボックス23との間はシールされ
ている。この交換用冷凍機41は、極低温冷凍機22と
全く同じ寸法を有するギフォードマクマホン型の極低温
冷凍機である。
【0036】上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール
装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する
部品交換を行う。ここで、交換の対象となる部品は第2
ディスプレーサであるとする。先ず、グローブボックス
23外に露出された交換用冷凍機41のシリンダ部44
を、容器45内に満たされた液体窒素46に浸漬させて
交換時の第2ディスプレーサの温度である20K〜30
Kの温度に予冷しておく。こうすることによって、上記
交換用冷凍機41内の交換用の第2ディスプレーサの外
径を、予め0.3%程度冷熱収縮させておくのである。
【0037】そして、次に、上記グローブボックス23
内を真空ポンプ36によって真空引きを行って空気や水
分等を除去する。そうした後、バルブ38を開放してヘ
リウム供給配管39からヘリウムガスを導入してグロー
ブボックス23内を高純度のヘリウムガスで満たす。こ
うして、不純物の殆ど無い雰囲気が形成される。そし
て、グローブ47によって、予冷されている交換用冷凍
機41から目的とする第2ディスプレーサを取り出し、
極低温冷凍機22の不良第2ディスプレーサと交換する
のである。
【0038】その場合、互いに0.3%程度冷熱収縮さ
れている上記極低温冷凍機22の第2シリンダ31と交
換用の第2ディスプレーサとは適度なクリアランスを有
しており、生産ライン上での製品組み立て時と同様のク
リアランスで第2シリンダ31内に交換用の第2ディス
プレーサを挿入できるのである。また、既に第2シリン
ダ31と交換後の第2ディスプレーサとは極低温状態に
なっているために、運転状態における冷熱収縮は殆ど無
く、両者のクリアランスはクリアランスシールによるシ
ール限界内に収まることになる。
【0039】上述のように、本実施の形態においては、
オーバーホールの対象となる極低温冷凍機22と全く同
じ構成および寸法を有する交換用冷凍機41を、その駆
動部42をグローブボックス23内に挿入させて取り付
ける。そして、グローブボックス23外に露出された交
換用冷凍機41のシリンダ部44を、液体窒素46で2
0K〜30Kの温度に予冷している。したがって、交換
用冷凍機41内の交換用の部品を、予め極低温状態にあ
る極低温冷凍機22の交換対象の部品と同程度に冷熱収
縮させておくことができ、所定の隙間を有して組み立て
られる総ての部品に共通する極低温状態を維持したまま
でのオーバーホール時のクリアランスの問題を解決でき
るのである。
【0040】したがって、本実施の形態によれば、交換
用の部品を製造する際に、極低温状態を維持したままで
の部品交換を実現するための寸法変更等の特別な措置を
施す必要がないのである。
【0041】尚、本実施の形態においては、上記交換用
冷凍機41のシリンダ部44を液体窒素46で予冷して
いるが、液体ヘリウムで予冷しても差し支えない。要
は、低温液化ガスを液化した極低温液体であればよい。
【0042】<第2実施の形態>図2は、本実施の形態
における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図で
あり、クライオスタット51,極低温冷凍機52,グロー
ブボックス53,真空ポンプ54,真空引き配管55,ヘ
リウム供給配管56および交換用冷凍機57は、図1に
示す第1実施の形態におけるクライオスタット21,極
低温冷凍機22,グローブボックス23,真空ポンプ3
6,真空引き配管37,ヘリウム供給配管39および交換
用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0043】本実施の形態においては、上記グローブボ
ックス53には、交換用冷凍機57のシリンダ部58を
包み込むように真空容器59が取り付けられ、交換用冷
凍機57のフランジ60および真空容器59の間はシー
ルされる。また、真空容器59には、予冷用冷凍機61
が、駆動部62をグローブボックス53および真空容器
59の外に露出させる一方、シリンダ部63を真空容器
59内に挿入させてフランジ64によって取り付けられ
ている。そして、予冷用冷凍機61のフランジ64と真
空容器59との間はシールされている。この予冷用冷凍
機61は特に限定されるものではないが、本実施の形態
においては、ギフォードマクマホン型の極低温冷凍機で
あるとして説明する。
【0044】上記真空容器59内に挿入されている交換
用冷凍機57の第1ヒートステーション65と予冷用冷
凍機61の第1ヒートステーション66とが、伝熱部材
67で接続されている。同様に、交換用冷凍機57の第
2ヒートステーション68と予冷用冷凍機61の第2ヒ
ートステーション69とが、伝熱部材70で接続されて
いる。こうして、両冷凍機57,61のヒートステーシ
ョン同士が同じ温度になるようにするのである。
【0045】上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール
装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する
部品交換を行う。先ず、圧縮機71を駆動して予冷用冷
凍機61を起動させ、第1ヒートステーション66の温
度が極低温冷凍機52の第1ヒートステーション72の
オーバーホール時の温度(100K)になり、第2ヒート
ステーション69の温度が極低温冷凍機52の第2ヒー
トステーション73のオーバーホール時の温度(20K
〜30K)になるようにする。そうすると、予冷用冷凍
機61の両ヒートステーション66,69と交換用冷凍
機57の両ヒートステーション65,68とは同じ温度
になるようになっているため、交換用冷凍機57の両ヒ
ートステーション65,68の温度は、極低温冷凍機5
2の両ヒートステーション72,73の温度と略同じに
なる。こうして、予冷用冷凍機61で交換用冷凍機57
を予冷することによって、交換用冷凍機57内における
交換用の第2ディスプレーサの外径を、予め0.3%程
度冷熱収縮させておくのである。
【0046】以後、上記真空ポンプ54およびヘリウム
供給配管56を機能させてグローブボックス53内を高
純度のヘリウムガスで満たし、不純物の殆ど無い雰囲気
中において、予冷されている交換用冷凍機57の交換用
部品である第2ディスプレーサをグローブ74を使って
取り出し、極低温冷凍機52の不良第2ディスプレーサ
と交換するのである。
【0047】その場合、互いに0.3%程度冷熱収縮さ
れている上記極低温冷凍機52の第2シリンダ75と交
換用の第2ディスプレーサとは適度なクリアランスを有
しており、第2シリンダ75内に交換用の第2ディスプ
レーサを容易に挿入できると共に、運転状態における両
者のクリアランスはクリアランスシールによるシール限
界内に収まるのである。
【0048】上述のように、本実施の形態においては、
オーバーホールの対象となる極低温冷凍機52と全く同
じ構成および寸法を有する交換用冷凍機57を、その駆
動部をグローブボックス53内に挿入させて取り付け
る。そして、グローブボックス53外に露出された交換
用冷凍機57のシリンダ部58を包み込むように真空容
器59を取り付け、この真空容器59内にシリンダ部6
3を挿入させて予冷用冷凍機61取り付ける。そして、
両冷凍機57,61の両第1ヒートステーション65,6
6と両第2ヒートステーション68,69とを伝熱部材
67,70で接続している。したがって、交換用冷凍機
57内の交換用の部品を、予め極低温状態にある極低温
冷凍機52の交換対象の部品と同程度に冷熱収縮させて
おくことができ、所定の隙間を有して組み立てられる総
ての部品に共通する極低温状態を維持したままでの交換
時のクリアランスの問題を解決できるのである。
【0049】尚、本実施の形態においては、上記予冷用
冷凍機61としてギフォードマクマホン型の極低温冷凍
機を使用しているが、この発明はこれに限定されるもの
ではない。要は、極低温冷凍機52の両ヒートステーシ
ョン72,73の温度と略同じ温度を得ることができる
冷凍機であればよいのである。また、交換用冷凍機57
の両ヒートステーション65,68の夫々を、異なる冷
凍機で伝熱部材67,70を介して冷却しても差し支え
ない。
【0050】<第3実施の形態>図3は、本実施の形態
における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図で
あり、クライオスタット81,極低温冷凍機82,グロー
ブボックス83,真空ポンプ84,真空引き配管85,ヘ
リウム供給配管86および交換用冷凍機87は、図1に
示す第1実施の形態におけるクライオスタット21,極
低温冷凍機22,グローブボックス23,真空ポンプ3
6,真空引き配管37,ヘリウム供給配管39および交換
用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0051】本実施の形態においては、上記グローブボ
ックス83には、交換用冷凍機87のシリンダ部88を
包み込むように真空容器89が取り付けられ、グローブ
ボックス83と真空容器89の間はシールされる。ここ
で、本実施の形態における交換用冷凍機87は、グロー
ブボックス83および真空容器89に対して着脱可能に
なっている。
【0052】上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール
装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する
部品交換を行う。先ず、従来の技術で述べた収納容器お
よびグローブ95を用いて交換用冷凍機87をグローブ
ボックス83から取り出し、図3(b)に示すように圧縮
機90から圧縮ヘリウムガスを供給し駆動して予冷させ
る。そして、第1ヒートステーション91の温度が極低
温冷凍機82の第1ヒートステーション93のオーバー
ホール時の温度になり、第2ヒートステーション92の
温度が極低温冷凍機82の第2ヒートステーション94
のオーバーホール時の温度になるようにする。そうした
のち、交換用冷凍機87を圧縮機90から分離し、上記
収納容器を用いてグローブボックス83内に搬入する。
そして、グローブ95を用いて、図3(a)に示すように
シリンダ部88を真空容器89内に挿入させてグローブ
ボックス83に取り付けるのである。こうして、予め予
冷された交換用冷凍機87のシリンダ部88を真空雰囲
気中に設置しておくことによって、予め0.3%程度冷
熱収縮された交換用の第1,第2ディスプレーサの外径
の変化を防止するのである。
【0053】以後は、上記各実施の形態と同様にして、
交換用冷凍機87の交換用第2ディスプレーサを極低温
冷凍機82の不良第2ディスプレーサと交換するのであ
る。
【0054】<第4実施の形態>図4は、本実施の形態
における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図で
あり、クライオスタット101,極低温冷凍機102,グ
ローブボックス103,真空ポンプ104,真空引き配管
105,ヘリウム供給配管106,交換用冷凍機107お
よび真空容器108は、図3に示す第3実施の形態にお
けるクライオスタット81,極低温冷凍機82,グローブ
ボックス83,真空ポンプ84,真空引き配管85,ヘリ
ウム供給配管86,交換用冷凍機87および真空容器8
9と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0055】本実施の形態においては、上記交換用冷凍
機107には圧縮機109が接続されている。そして、
交換用冷凍機107をグローブボックス103から取り
出さずに、グローブボックス103に取り付けた状態で
直接予冷するのである。こうすることによって、第3実
施の形態における交換用冷凍機107の取り外し,搬出,
搬入,取り付けの煩わしさを無くすことができるのであ
る。
【0056】尚、上記圧縮機109等を極低温冷凍機1
02の圧縮機等と兼用させることによって、交換用冷凍
機107の予冷コストを非常に低減できる。
【0057】<第5実施の形態>図5は、本実施の形態
における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図で
あり、クライオスタット111,極低温冷凍機112,グ
ローブボックス113,真空ポンプ114,真空引き配管
115,ヘリウム供給配管116および交換用冷凍機1
17は、図1に示す第1実施の形態におけるクライオス
タット21,極低温冷凍機22,グローブボックス23,
真空ポンプ36,真空引き配管37,ヘリウム供給配管3
9および交換用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に
機能する。
【0058】本実施の形態においては、極低温冷凍機1
12の第1シリンダ118と第2シリンダ119内にそ
のまま収納可能なような2つの外径を有する加熱棒12
0を使用する。この加熱棒120は、従来の技術で述べ
た収納容器等を用いてグローブボックス113内に予め
搬入されている。
【0059】図6は、上記加熱棒120の断面図であ
る。この加熱棒120は、交換の対象となる極低温冷凍
機112の第1シリンダ118および第2シリンダ11
9内に挿入される本体121を有する。そして、この本
体121内には、加熱ヒータ122が設けられている。
【0060】上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール
装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する
部品交換を行う。先ず、真空ポンプ114およびヘリウ
ム供給配管116を機能させてグローブボックス113
内を高純度のヘリウムガスで満たす。次に、グローブ1
23を用いて、極低温冷凍機112のシリンダ部124
から駆動部125を取り外して、第1シリンダ118お
よび第2シリンダ119をヘリウムガス雰囲気中に開放
する。そして、ブローブ123を用いて、第1シリンダ
118および第2シリンダ119内に、予め加熱ヒータ
122に通電された加熱棒120の本体121を挿入す
るのである。こうして、交換の対象となる第2ディスプ
レーサに対応する第2シリンダ119を含むシリンダ部
のみを局部的に常温に加熱するのである。
【0061】こうして、極低温状態にあって0.3%程
度冷熱収縮していた上記極低温冷凍機112の第2シリ
ンダ119を加熱によって0.3%程度膨張させておく
ことによって、常温状態下で生産ライン上での製品組み
立て時と同様のクリアランスで第2シリンダ119内に
交換用の第2ディスプレーサを挿入できるのである。し
たがって、本実施の形態によれば、上記交換用冷凍機1
17を予冷する必要がなく、第1実施の形態における予
冷用の液体窒素46や容器45、第2実施の形態におけ
る真空容器59,予冷用冷凍機61および伝熱用部材6
7,70を無くして低コスト化できる。また、上記総て
の実施の形態のごとく交換用冷凍機41,57,87,1
07を予冷する必要がなく、部品交換の手順を簡単にで
きるのである。
【0062】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、クライ
オスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低
温冷凍機の駆動部を外気と接触しないようにグローブボ
ックスで包み込み、上記極低温冷凍機と全く同じ構造お
よび寸法を有する予冷用冷凍機のシリンダ部を上記グロ
ーブボックス外に露出させて取り付け、上記交換用冷凍
機のシリンダ部を予冷手段で予冷するので、上記交換用
冷凍機を、極低温状態にある極低温冷凍機のオーバーホ
ール温度と略同一温度に予冷できる。したがって、オー
バーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱
収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮
率とを略同一にできる。
【0063】すなわち、この発明によれば、例えば上記
極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷
凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極
低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレー
サとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。
したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の
部品を作業性良く交換できるのである。さらに、上記極
低温冷凍機はオーバーホール時に極低温状態にあるの
で、運転を再開しても、第2シリンダと第2ディスプレ
ーサとは殆ど収縮することはない。したがって、運転時
における両者のクリアランスを最適状態に維持できる。
【0064】また、請求項2に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ
部を低温液体で予冷するので、上記交換用冷凍機を簡便
な方法で予冷できる。
【0065】また、請求項3に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ
部を密閉容器で包み込んで予冷用冷凍機で予冷するの
で、上記交換用冷凍機を所望の温度に精度良く予冷でき
る。したがって、この発明によれば、容易に且つ精度良
く、不良部品と交換用部品との冷熱収縮率を略同一にし
て両交換部品間の最適クリアランスを設定できる。
【0066】また、請求項4に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ
部を密閉容器で包み込み、上記交換用冷凍機を駆動する
ことによって上記交換用冷凍機自身を予冷するので、上
記予冷のための特別な装置を必要とはせず、ごく簡単に
且つ精度良く上記交換用冷凍機を予冷できる。尚、上記
交換用冷凍機駆動手段を上記極低温冷凍機の駆動手段と
兼用すれば、上記交換用冷凍機の予冷コストを大幅に低
減できる。
【0067】また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール装置は、クライオスタットにシリンダ
部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を外
気と接触しないようにグローブボックスで包み込み、上
記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷
用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出
させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみを
加熱体で局部的に加熱するので、上記極低温冷凍機のシ
リンダ内のみを、局部的に、常温にある交換用冷凍機と
略同一温度にできる。したがって、オーバーホール時の
上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交
換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを略同一に
できる。
【0068】すなわち、この発明によれば、上記極低温
冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の
第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷
凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとの
クリアランスを最適クリアランスに設定できる。したが
って、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を
作業性良く交換できるのである。さらに、上記交換用冷
凍機を予冷する必要がなく、オーバーホール作業を単純
化できる。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるの
はシリンダ内部のみであるから、極低温状態を維持した
ままでのオーバーホールが容易に可能となる。
【0069】また、請求項6に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ
部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部をグ
ローブボックスで外気に接触しないように包み込み、上
記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷
用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出
させて取り付け、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷
し、上記極低温冷凍機の不良部品を上記予冷された交換
用冷凍機の該当部品と交換するので、上記交換用冷凍機
を、極低温状態にある極低温冷凍機のオーバーホール温
度と略同一温度に予冷できる。したがって、オーバーホ
ール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率
と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを
略同一にできる。
【0070】すなわち、この発明によれば、例えば上記
極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷
凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極
低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレー
サとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。
したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の
部品を作業性良く交換できるのである。さらに、上記極
低温冷凍機はオーバーホール時に極低温状態にあるの
で、運転を再開しても、第2シリンダと第2ディスプレ
ーサとは殆ど収縮することはない。したがって、運転時
における両者のクリアランスを最適状態に維持できる。
【0071】また、請求項7に係る発明のオーバーホー
ル方法は、上記交換用冷凍機を上記グローブボックス外
に取り出して駆動することによって、上記交換用冷凍機
自身で上記予冷を行うので、上記交換用冷凍機のシリン
ダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはしな
い。したがって、ごく安価な方法で上記交換用冷凍機を
予冷できる。
【0072】また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機
のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ
部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部をグ
ローブボックスで外気に接触しないように包み込み、上
記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷
用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出
させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ部内のみ
を局部的に加熱し、この局部的に加熱された極低温冷凍
機の不良部品を上記交換用冷凍機の該当部品と交換する
ので、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみを、局部的
に、常温にある交換用冷凍機と略同一温度にできる。し
たがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機におけ
る各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一
部品の冷熱収縮率とを略同一にできる。
【0073】すなわち、この発明によれば、上記極低温
冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の
第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷
凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとの
クリアランスを最適クリアランスに設定できる。したが
って、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を
作業性良く交換できるのである。その場合、上記極低温
冷凍機が加熱されるのはシリンダ内部のみであるから、
極低温状態を維持したままでのオーバーホールが容易に
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の極低温冷凍機のオーバーホール装
置における概念図である。
【図2】 図1とは異なる極低温冷凍機のオーバーホー
ル装置における概念図である。
【図3】 図1および図2とは異なる極低温冷凍機のオ
ーバーホール装置における概念図である。
【図4】 図1〜図3とは異なる極低温冷凍機のオーバ
ーホール装置における概念図である。
【図5】 図1〜図4とは異なる極低温冷凍機のオーバ
ーホール装置における概念図である。
【図6】 図5に示す極低温冷凍機のオーバーホール装
置で使用される加熱棒の断面図である。
【図7】 従来の極低温冷凍装置のメンテナンス作業用
装置における断面図である。
【図8】 図7に示す極低温冷凍装置のメンテナンス作
業用装置で使用される収納容器の断面図である。
【符号の説明】
21,51,81,101,111…クライオスタット、2
2,52,82,102,112…極低温冷凍機、23,5
3,83,103,113…グローブボックス、41,5
7,87,107,117…交換用冷凍機、45…容器、
46…液体窒素、47,74,
95,123…グローブ、 59,89,108…真空容
器、61…予冷用冷凍機、 67,70
…伝熱部材、71,90,109…圧縮機、 1
20…加熱棒、122…加熱ヒータ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ部と駆動部とを有する極低温冷
    凍機(22,52,102)と、 上記極低温冷凍機(22,52,102)が、そのシリンダ
    部を挿入して取り付けられたクライオスタット(21,5
    1,101)と、 上記駆動部を外気と接触しないように包み込むと共に、
    グローブ(47,74)が設けられたグローブボックス(2
    3,53,103)と、 上記極低温冷凍機(22,52,102)と全く同じ構造お
    よび寸法を有すると共に、シリンダ部(44,58)を上
    記グローブボックス(23,53,103)の外に露出させ
    る一方、駆動部(42)を上記グローブボックス(23,5
    3,103)内に没入させて、上記グローブボックス(2
    3,53,103)に取り付けられた交換用冷凍機(41,
    57,107)と、 上記交換用冷凍機(41,57,107)のシリンダ部(4
    4,58)を予冷する予冷手段(46,59,61,108,
    109)を備えたことを特徴とする極低温冷凍機のオー
    バーホール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバ
    ーホール装置において、 上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部が浸漬
    される極低温液体(46)であることを特徴とする極低温
    冷凍機のオーバーホール装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバ
    ーホール装置において、 上記予冷手段は、 上記交換用冷凍機(57)のシリンダ部(58)を外気と接
    触しないように包み込む密閉容器(59)と、 上記密閉容器(59)に取り付けられて上記交換用冷凍機
    (57)のシリンダ部(58)を予冷する予冷用冷凍機
    (61)で構成されていることを特徴とする極低温冷凍機
    のオーバーホール装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバ
    ーホール装置において、 上記予冷手段は、 上記交換用冷凍機(107)のシリンダ部を外気と接触し
    ないように包み込む密閉容器(108)と、 上記交換用冷凍機(107)を駆動して上記交換用冷凍機
    (107)自身で上記予冷を行わせる交換用冷凍機駆動手
    段(109)であることを特徴とする極低温冷凍機のオー
    バーホール装置。
  5. 【請求項5】 シリンダ部(118,119)と駆動部(1
    25)とを有する極低温冷凍機(112)と、 上記極低温冷凍機(112)が、そのシリンダ部(118,
    119)を挿入して取り付けられたクライオスタット(1
    11)と、 上記駆動部(125)を外気と接触しないように包み込む
    と共に、グローブ(123)が設けられたグローブボック
    ス(113)と、 上記極低温冷凍機(112)と全く同じ構造および寸法を
    有すると共に、シリンダ部を上記グローブボックス(1
    13)の外に露出させる一方、駆動部を上記グローブボ
    ックス(113)内に没入させて、上記グローブボックス
    (113)に取り付けられた交換用冷凍機(117)と、 上記極低温冷凍機(112)のシリンダ(118,119)
    内に挿入されて、上記シリンダ(118,119)内のみ
    を局部的に加熱する加熱体(120)を備えたことを特徴
    とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。
  6. 【請求項6】 クライオスタット(21,51,81,10
    1)にシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍
    機(22,52,82,102)の駆動部を、グローブ(4
    7,74,95)が設けられたグローブボックス(23,5
    3,83,103)で外気と接触しないように包み込み、 上記グローブボックス(23,53,83,103)に、上
    記極低温冷凍機(22,52,82,102)と全く同じ構
    造および寸法を有する交換用冷凍機(41,57,87,1
    07)を、そのシリンダ部(44,58,88)を上記グロ
    ーブボックス(23,53,83,103)の外に露出させ
    る一方、駆動部を上記グローブボックス(23,53,8
    3,103)内に没入させて取り付け、 上記交換用冷凍機(41,57,87,107)のシリンダ
    部(44,58,88)を予冷し、 上記極低温冷凍機(41,57,87,107)の不良部品
    を上記予冷された交換用冷凍機(41,57,87,10
    7)の該当部品と交換することを特徴とする極低温冷凍
    機のオーバーホール方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の極低温冷凍機のオーバ
    ーホール方法において、 上記予冷は、グローブ(95)を用いて上記交換用冷凍機
    (87)を上記グローブボックス(83)外に取り出し、こ
    のグローブボックス(83)外に取り出された交換用冷凍
    機(87)を駆動することによって行うことを特徴とする
    極低温冷凍機のオーバーホール方法。
  8. 【請求項8】 クライオスタット(111)にシリンダ部
    (118,119)を挿入して取り付けられた極低温冷凍
    機(112)の駆動部(125)を、グローブ(123)が
    設けられたグローブボックス(113)で外気と接触しな
    いように包み込み、 上記グローブボックス(113)に、上記極低温冷凍機
    (112)と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷凍
    機(117)を、そのシリンダ部を上記グローブボックス
    (113)の外に露出させる一方、駆動部を上記グローブ
    ボックス(113)内に没入させて取り付け、 上記極低温冷凍機(112)のシリンダ部(118,11
    9)内のみを局部的に加熱し、 この局部的に加熱された極低温冷凍機(112)の不良部
    品を上記交換用冷凍機(117)の該当部品と交換するこ
    とを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール方法。
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