JP3843186B2 - 極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホ−ル方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品交換を行うことができる極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用器機や各種試験装置等に使用される超電導マグネットの冷却用に極低温冷凍機が使用されている。この極低温冷凍機としては、通常、ヘリウム等の低温液化ガスを断熱膨張させるギフォードマクマホン型の冷凍機が使用される。
【0003】
ところで、上記超電導マグネットを用いた医療用機器や試験装置を使用している際に、上記超電導マグネットを冷却している極低温冷凍機に対してオーバーホールが必要になる場合がある。その場合、上記医療用機器や試験装置から極低温冷凍機を取り外してオーバーホールを行うと、極低温に冷却されている超電導マグネットが昇温されてしまうために、上記医療用機器や試験装置を再起動する場合に、超電導マグネットの再冷却に時間が掛かってしまう。したがって、極低温冷凍機を外さずに、上記医療用機器や試験装置を極低温状態に保ったまま極低温冷凍機のメンテナンスを行う方法が提案されている(特公平7−84960号公報)。
【0004】
この極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置は、図7に示すように、クライオスタット1内を極低温状態に維持する極低温冷凍機2に対してメンテナンスを行う場合には、クライオスタット1外に突出している極低温冷凍機2の駆動部4を覆うように、フランジ5にグローブボックス3を取り付けて気密状態を得る。尚、6はヘリウム槽、7は第1輻射シールド、8は第2輻射シールドである。そして、グローブボックス3内を真空ポンプ9によって真空引きを行って空気や水分等を除去した後、ガス供給管10からヘリウムガスを導入して高純度のヘリウムガスで満たす。こうして、不純物のほとんど無い雰囲気中でグローブ11によって極低温冷凍機2のメンテナンス作業を行うのである。
【0005】
ところで、上述のような極低温冷凍機2に対する部品の交換を行う場合には、図8に示すような収納容器16を使用する。すなわち、収納容器16に交換用の部品と工具を収納して蓋17で密閉する。そして、ガス供給管18に介設された開閉弁19を開放して、気密室20内の空気を低温液化ガスで置換する。こうして、空気が除去された収納容器16をグローブボックス3内に搬入することによって、グローブボックス3内の雰囲気を汚染することなく部品の交換作業を行うのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置によってディスプレーサの交換を行う場合には以下のような問題がある。すなわち、クライオスタット1外に突出している極低温冷凍機2の駆動部4をグローブボックス3で覆って高純度のヘリウムガスで満たされた密閉空間を得、さらに内部が低温液化ガスで置換された収納容器16で交換用のディスプレーサと工具を持ち込むことによって、極低温冷凍機を外さずに、然もグローブボックス3内の雰囲気を汚染することなくディスプレーサの交換作業を行うことはできる。ところが、交換の対象となる極低温冷凍機2の1段目の第1シリンダ12および2段目の第2シリンダ13と、交換用の第1ディスプレーサ(第1シリンダ12に収納されるディスプレーサ)および第2ディスプレーサ(第2シリンダ13に収納されるディスプレーサ)とのクリアランスが不適当であるという別の問題が発生する。
【0007】
すなわち、上記極低温冷凍機2は、メンテナンス時においては、上記第2輻射シールド8が取り付けられている第2シリンダ13のヒートステーション14は20K〜30K、第1輻射シールド7が取り付けられている第1シリンダ12のヒートステーション15は100K程度の温度環境下にある。したがって、例えば、第2シリンダ13の入口内径は、約0.3%以上収縮している。
【0008】
ところが、上記収納容器16に入れて持ち込まれる交換用の第2ディスプレーサは常温である。したがって、常温状態において第2シリンダ13とのクリアランスが最適になるように外径が設定された交換用の第2ディスプレーサをグローブボックス3内で極低温状態の第2シリンダ13内に挿入しようとすると、第2シリンダ13の入口内径は約0.3%以上収縮しているために挿入できない。そこで、常温状態における第2ディスプレーサの外径を約0.3%以上の冷熱収縮分だけ小さく形成することによって、第2ディスプレーサの交換を可能にしている。
【0009】
ところが、上述のようにして交換された第2ディスプレーサは、運転時にその外径が約0.3%以上収縮することになる。これに対して、第2シリンダ13は既に極低温状態に在って約0.3%以上収縮している。したがって、極低温冷凍機2の運転が再開されると、第2シリンダ13と第2ディスプレーサとの間はクリアランスシールによるシール限界を越えてしまうことになる。また、上記クリアランスシールを、交換用の第2ディスプレーサの冷熱収縮を考慮して予め大きく形成しても装着不可能である。
【0010】
すなわち、上記従来の極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置では、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機のディスプレーサを交換することはできないのである。尚、上述のような冷熱収縮に伴うクリアランスの問題は、上記ディスプレーサに限らずクリアランスシール等の所定の隙間を有して組み立てられる総ての部品に共通する問題である。
【0011】
そこで、この発明の目的は、極低温状態を維持したまま部品の交換が可能な極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホール方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、シリンダ部と駆動部とを有する極低温冷凍機と、上記極低温冷凍機が,そのシリンダ部を挿入して取り付けられたクライオスタットと、上記駆動部を外気と接触しないように包み込むと共に,グローブが設けられたグローブボックスと、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有すると共に,シリンダ部を上記グローブボックスの外に露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没入させて,上記グローブボックスに取り付けられた交換用冷凍機と、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷する予冷手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、グローブボックスに取り付けられた交換用冷凍機が、予冷手段によって、クライオスタットに取り付けられて極低温状態を維持している極低温冷凍機の温度と略同一温度に予冷される。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とは略同一となっている。
【0014】
その結果、上記グローブボックスのグローブを用いて、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスは最適になっており、極低温状態を維持したまま作業性良く交換される。しかも、オーバーホール後の上記極低温冷凍機の運転時には、第2シリンダと第2ディスプレーサとは殆ど収縮することが無く、両者のクリアランスが最適状態に維持される。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部が浸漬される極低温液体であることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、液体窒素等の極低温液体に上記交換用冷凍機のシリンダ部が浸漬される簡便な方法で、上記交換用冷凍機が予冷される。
【0017】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を外気と接触しないように包み込む密閉容器と、上記密閉容器に取り付けられて上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷する予冷用冷凍機で構成されていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシリンダ部を包み込む密閉容器に取り付けられた予冷用冷凍機によって、上記交換用冷凍機が所望の温度に精度良く予冷される。
【0019】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を外気と接触しないように包み込む密閉容器と、上記交換用冷凍機を駆動して上記交換用冷凍機自身で上記予冷を行わせる交換用冷凍機駆動手段であることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはせず、ごく簡単に然も精度良く、上記交換用冷凍機が予冷される。尚、上記交換用冷凍機駆動手段を上記極低温冷凍機の駆動手段と兼用させることによって、上記交換用冷凍機の予冷コストが低減される。
【0021】
また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、シリンダ部と駆動部を有する極低温冷凍機と、上記極低温冷凍機が,そのシリンダ部を挿入して取り付けられたクライオスタットと、上記駆動部を外気と接触しないように包み込むと共に,グローブが設けられたグローブボックスと、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有すると共に,シリンダ部を上記グローブボックスの外に露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没入させて,上記グローブボックスに取り付けられた交換用冷凍機と、上記極低温冷凍機のシリンダ内に挿入されて,上記シリンダ内のみを局部的に加熱する加熱体を備えたことを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、グローブボックスのグローブを用いて、加熱体が、クライオスタットに取り付けられて極低温状態を維持している極低温冷凍機のシリンダ部内に挿入される。こうして、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみが局所的に交換用冷凍機と同じ常温に加熱される。したがって、オーバーホール時における上記極低温冷凍機における各部品の収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の収縮率とは略同一となっている。
【0023】
その結果、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスは最適になっており、両者の交換が作業性良く行われる。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシリンダ内部のみであるから、極低温冷凍機全体としては極低温状態を維持しており、極低温状態を維持したままでのオーバーホールを可能にする。
【0024】
また、請求項6に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を,グローブが設けられたグローブボックスで外気と接触しないように包み込み、上記グローブボックスに,上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷凍機を,そのシリンダ部を上記グローブボックスの外に露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没入させて取り付け、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷し、上記極低温冷凍機の不良部品を上記予冷された交換用冷凍機の該当部品と交換することを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、上記交換用冷凍機が、クライオスタットに取り付けられて極低温状態を維持している極低温冷凍機のオーバーホール温度と略同一温度に予冷される。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とは略同一となっている。
【0026】
その結果、上記グローブボックスのグローブを用いて、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスは最適になっており、極低温状態を維持したまま作業性良く両者が交換される。しかも、オーバーホール後の上記極低温冷凍機の運転時には、第2シリンダと第2ディスプレーサとは殆ど収縮することが無く、両者のクリアランスが最適状態に維持される。
【0027】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法において、上記予冷は、グローブを用いて上記交換用冷凍機を上記グローブボックス外に取り出し、このグローブボックス外に取り出された交換用冷凍機を駆動することによって行うことを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはしない。したがって、ごく安価な方法で上記交換用冷凍機が予冷される。
【0029】
また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を,グローブが設けられたグローブボックスで外気と接触しないように包み込み、上記グローブボックスに,上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷凍機を,そのシリンダ部を上記グローブボックスの外に露出させる一方,駆動部を上記グローブボックス内に没入させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ部内のみを局部的に加熱し、この局部的に加熱された極低温冷凍機の不良部品を上記交換用冷凍機の該当部品と交換することを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、上記極低温冷凍機のシリンダ内が、グローブボックス内において加熱体によって局所的に常温に加熱される。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の収縮率とは略同一となっている。
【0031】
したがって、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合には、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスが最適になっており、両者の交換が作業性良く行われる。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシリンダ内部のみであるから、極低温冷凍機全体としては極低温状態を維持したままオーバーホールされる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
<第1実施の形態>
図1は、本実施の形態における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図である。図1において、21はクライオスタット、22はギフォードマクマホン型の極低温冷凍機、23はグローブボックスである。
【0033】
クライオスタット21は、温度が約300Kに保たれる外壁25内に、内側から順に、液体ヘリウムが充填されたヘリウム槽26、このヘリウム槽26を輻射シールする約20Kの温度に保持された第1輻射シール27、液体窒素が封入されて約70Kの温度に保持された第2輻射シール28が配置されている。また、外壁25には、極低温冷凍機22が、第1シリンダ30および第2シリンダ31を外壁25内に挿入させてフランジ29によって取り付けられている。そして、第1シリンダ30の第1ヒートステーション32には第2輻射シール28が取り付けられ、第2シリンダ31の第2ヒートステーション33には第1輻射シール27が取り付けられている。尚、図示してはいないが、ヘリウム層26内の液体ヘリウム中には超電導マグネットが浸漬されている。
【0034】
上記グローブボックス23は、極低温冷凍機22のオーバーホール時に、極低温冷凍機22の駆動部34を包み込むようにクライオスタット21の外壁25に取り付けられ、極低温冷凍機22のフランジ29,グローブボックス23および外壁25の夫々の間はシールされる。グローブボックス23には、バルブ35が介設されると共に真空ポンプ36に接続された真空引き配管37と、バルブ38が介設されたヘリウム供給配管39が取り付けられている。
【0035】
本実施の形態においては、上記グローブボックス23には、交換用冷凍機41が、駆動部42をグローブボックス23内に挿入させてフランジ43によって取り付けられている。そして、交換用冷凍機41のフランジ43とグローブボックス23との間はシールされている。この交換用冷凍機41は、極低温冷凍機22と全く同じ寸法を有するギフォードマクマホン型の極低温冷凍機である。
【0036】
上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する部品交換を行う。ここで、交換の対象となる部品は第2ディスプレーサであるとする。先ず、グローブボックス23外に露出された交換用冷凍機41のシリンダ部44を、容器45内に満たされた液体窒素46に浸漬させて交換時の第2ディスプレーサの温度である20K〜30Kの温度に予冷しておく。こうすることによって、上記交換用冷凍機41内の交換用の第2ディスプレーサの外径を、予め0.3%程度冷熱収縮させておくのである。
【0037】
そして、次に、上記グローブボックス23内を真空ポンプ36によって真空引きを行って空気や水分等を除去する。そうした後、バルブ38を開放してヘリウム供給配管39からヘリウムガスを導入してグローブボックス23内を高純度のヘリウムガスで満たす。こうして、不純物の殆ど無い雰囲気が形成される。そして、グローブ47によって、予冷されている交換用冷凍機41から目的とする第2ディスプレーサを取り出し、極低温冷凍機22の不良第2ディスプレーサと交換するのである。
【0038】
その場合、互いに0.3%程度冷熱収縮されている上記極低温冷凍機22の第2シリンダ31と交換用の第2ディスプレーサとは適度なクリアランスを有しており、生産ライン上での製品組み立て時と同様のクリアランスで第2シリンダ31内に交換用の第2ディスプレーサを挿入できるのである。また、既に第2シリンダ31と交換後の第2ディスプレーサとは極低温状態になっているために、運転状態における冷熱収縮は殆ど無く、両者のクリアランスはクリアランスシールによるシール限界内に収まることになる。
【0039】
上述のように、本実施の形態においては、オーバーホールの対象となる極低温冷凍機22と全く同じ構成および寸法を有する交換用冷凍機41を、その駆動部42をグローブボックス23内に挿入させて取り付ける。そして、グローブボックス23外に露出された交換用冷凍機41のシリンダ部44を、液体窒素46で20K〜30Kの温度に予冷している。したがって、交換用冷凍機41内の交換用の部品を、予め極低温状態にある極低温冷凍機22の交換対象の部品と同程度に冷熱収縮させておくことができ、所定の隙間を有して組み立てられる総ての部品に共通する極低温状態を維持したままでのオーバーホール時のクリアランスの問題を解決できるのである。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、交換用の部品を製造する際に、極低温状態を維持したままでの部品交換を実現するための寸法変更等の特別な措置を施す必要がないのである。
【0041】
尚、本実施の形態においては、上記交換用冷凍機41のシリンダ部44を液体窒素46で予冷しているが、液体ヘリウムで予冷しても差し支えない。要は、低温液化ガスを液化した極低温液体であればよい。
【0042】
<第2実施の形態>
図2は、本実施の形態における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図であり、クライオスタット51,極低温冷凍機52,グローブボックス53,真空ポンプ54,真空引き配管55,ヘリウム供給配管56および交換用冷凍機57は、図1に示す第1実施の形態におけるクライオスタット21,極低温冷凍機22,グローブボックス23,真空ポンプ36,真空引き配管37,ヘリウム供給配管39および交換用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0043】
本実施の形態においては、上記グローブボックス53には、交換用冷凍機57のシリンダ部58を包み込むように真空容器59が取り付けられ、交換用冷凍機57のフランジ60および真空容器59の間はシールされる。また、真空容器59には、予冷用冷凍機61が、駆動部62をグローブボックス53および真空容器59の外に露出させる一方、シリンダ部63を真空容器59内に挿入させてフランジ64によって取り付けられている。そして、予冷用冷凍機61のフランジ64と真空容器59との間はシールされている。この予冷用冷凍機61は特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、ギフォードマクマホン型の極低温冷凍機であるとして説明する。
【0044】
上記真空容器59内に挿入されている交換用冷凍機57の第1ヒートステーション65と予冷用冷凍機61の第1ヒートステーション66とが、伝熱部材67で接続されている。同様に、交換用冷凍機57の第2ヒートステーション68と予冷用冷凍機61の第2ヒートステーション69とが、伝熱部材70で接続されている。こうして、両冷凍機57,61のヒートステーション同士が同じ温度になるようにするのである。
【0045】
上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する部品交換を行う。先ず、圧縮機71を駆動して予冷用冷凍機61を起動させ、第1ヒートステーション66の温度が極低温冷凍機52の第1ヒートステーション72のオーバーホール時の温度(100K)になり、第2ヒートステーション69の温度が極低温冷凍機52の第2ヒートステーション73のオーバーホール時の温度(20K〜30K)になるようにする。そうすると、予冷用冷凍機61の両ヒートステーション66,69と交換用冷凍機57の両ヒートステーション65,68とは同じ温度になるようになっているため、交換用冷凍機57の両ヒートステーション65,68の温度は、極低温冷凍機52の両ヒートステーション72,73の温度と略同じになる。こうして、予冷用冷凍機61で交換用冷凍機57を予冷することによって、交換用冷凍機57内における交換用の第2ディスプレーサの外径を、予め0.3%程度冷熱収縮させておくのである。
【0046】
以後、上記真空ポンプ54およびヘリウム供給配管56を機能させてグローブボックス53内を高純度のヘリウムガスで満たし、不純物の殆ど無い雰囲気中において、予冷されている交換用冷凍機57の交換用部品である第2ディスプレーサをグローブ74を使って取り出し、極低温冷凍機52の不良第2ディスプレーサと交換するのである。
【0047】
その場合、互いに0.3%程度冷熱収縮されている上記極低温冷凍機52の第2シリンダ75と交換用の第2ディスプレーサとは適度なクリアランスを有しており、第2シリンダ75内に交換用の第2ディスプレーサを容易に挿入できると共に、運転状態における両者のクリアランスはクリアランスシールによるシール限界内に収まるのである。
【0048】
上述のように、本実施の形態においては、オーバーホールの対象となる極低温冷凍機52と全く同じ構成および寸法を有する交換用冷凍機57を、その駆動部をグローブボックス53内に挿入させて取り付ける。そして、グローブボックス53外に露出された交換用冷凍機57のシリンダ部58を包み込むように真空容器59を取り付け、この真空容器59内にシリンダ部63を挿入させて予冷用冷凍機61取り付ける。そして、両冷凍機57,61の両第1ヒートステーション65,66と両第2ヒートステーション68,69とを伝熱部材67,70で接続している。したがって、交換用冷凍機57内の交換用の部品を、予め極低温状態にある極低温冷凍機52の交換対象の部品と同程度に冷熱収縮させておくことができ、所定の隙間を有して組み立てられる総ての部品に共通する極低温状態を維持したままでの交換時のクリアランスの問題を解決できるのである。
【0049】
尚、本実施の形態においては、上記予冷用冷凍機61としてギフォードマクマホン型の極低温冷凍機を使用しているが、この発明はこれに限定されるものではない。要は、極低温冷凍機52の両ヒートステーション72,73の温度と略同じ温度を得ることができる冷凍機であればよいのである。また、交換用冷凍機57の両ヒートステーション65,68の夫々を、異なる冷凍機で伝熱部材67,70を介して冷却しても差し支えない。
【0050】
<第3実施の形態>
図3は、本実施の形態における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図であり、クライオスタット81,極低温冷凍機82,グローブボックス83,真空ポンプ84,真空引き配管85,ヘリウム供給配管86および交換用冷凍機87は、図1に示す第1実施の形態におけるクライオスタット21,極低温冷凍機22,グローブボックス23,真空ポンプ36,真空引き配管37,ヘリウム供給配管39および交換用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0051】
本実施の形態においては、上記グローブボックス83には、交換用冷凍機87のシリンダ部88を包み込むように真空容器89が取り付けられ、グローブボックス83と真空容器89の間はシールされる。ここで、本実施の形態における交換用冷凍機87は、グローブボックス83および真空容器89に対して着脱可能になっている。
【0052】
上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する部品交換を行う。先ず、従来の技術で述べた収納容器およびグローブ95を用いて交換用冷凍機87をグローブボックス83から取り出し、図3(b)に示すように圧縮機90から圧縮ヘリウムガスを供給し駆動して予冷させる。そして、第1ヒートステーション91の温度が極低温冷凍機82の第1ヒートステーション93のオーバーホール時の温度になり、第2ヒートステーション92の温度が極低温冷凍機82の第2ヒートステーション94のオーバーホール時の温度になるようにする。そうしたのち、交換用冷凍機87を圧縮機90から分離し、上記収納容器を用いてグローブボックス83内に搬入する。そして、グローブ95を用いて、図3(a)に示すようにシリンダ部88を真空容器89内に挿入させてグローブボックス83に取り付けるのである。こうして、予め予冷された交換用冷凍機87のシリンダ部88を真空雰囲気中に設置しておくことによって、予め0.3%程度冷熱収縮された交換用の第1,第2ディスプレーサの外径の変化を防止するのである。
【0053】
以後は、上記各実施の形態と同様にして、交換用冷凍機87の交換用第2ディスプレーサを極低温冷凍機82の不良第2ディスプレーサと交換するのである。
【0054】
<第4実施の形態>
図4は、本実施の形態における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図であり、クライオスタット101,極低温冷凍機102,グローブボックス103,真空ポンプ104,真空引き配管105,ヘリウム供給配管106,交換用冷凍機107および真空容器108は、図3に示す第3実施の形態におけるクライオスタット81,極低温冷凍機82,グローブボックス83,真空ポンプ84,真空引き配管85,ヘリウム供給配管86,交換用冷凍機87および真空容器89と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0055】
本実施の形態においては、上記交換用冷凍機107には圧縮機109が接続されている。そして、交換用冷凍機107をグローブボックス103から取り出さずに、グローブボックス103に取り付けた状態で直接予冷するのである。こうすることによって、第3実施の形態における交換用冷凍機107の取り外し,搬出,搬入,取り付けの煩わしさを無くすことができるのである。
【0056】
尚、上記圧縮機109等を極低温冷凍機102の圧縮機等と兼用させることによって、交換用冷凍機107の予冷コストを非常に低減できる。
【0057】
<第5実施の形態>
図5は、本実施の形態における極低温冷凍機のオーバーホール装置の概念図であり、クライオスタット111,極低温冷凍機112,グローブボックス113,真空ポンプ114,真空引き配管115,ヘリウム供給配管116および交換用冷凍機117は、図1に示す第1実施の形態におけるクライオスタット21,極低温冷凍機22,グローブボックス23,真空ポンプ36,真空引き配管37,ヘリウム供給配管39および交換用冷凍機41と同じ構成を有して、同様に機能する。
【0058】
本実施の形態においては、極低温冷凍機112の第1シリンダ118と第2シリンダ119内にそのまま収納可能なような2つの外径を有する加熱棒120を使用する。この加熱棒120は、従来の技術で述べた収納容器等を用いてグローブボックス113内に予め搬入されている。
【0059】
図6は、上記加熱棒120の断面図である。この加熱棒120は、交換の対象となる極低温冷凍機112の第1シリンダ118および第2シリンダ119内に挿入される本体121を有する。そして、この本体121内には、加熱ヒータ122が設けられている。
【0060】
上記構成の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、以下のように操作されて極低温冷凍機に対する部品交換を行う。先ず、真空ポンプ114およびヘリウム供給配管116を機能させてグローブボックス113内を高純度のヘリウムガスで満たす。次に、グローブ123を用いて、極低温冷凍機112のシリンダ部124から駆動部125を取り外して、第1シリンダ118および第2シリンダ119をヘリウムガス雰囲気中に開放する。そして、ブローブ123を用いて、第1シリンダ118および第2シリンダ119内に、予め加熱ヒータ122に通電された加熱棒120の本体121を挿入するのである。こうして、交換の対象となる第2ディスプレーサに対応する第2シリンダ119を含むシリンダ部のみを局部的に常温に加熱するのである。
【0061】
こうして、極低温状態にあって0.3%程度冷熱収縮していた上記極低温冷凍機112の第2シリンダ119を加熱によって0.3%程度膨張させておくことによって、常温状態下で生産ライン上での製品組み立て時と同様のクリアランスで第2シリンダ119内に交換用の第2ディスプレーサを挿入できるのである。したがって、本実施の形態によれば、上記交換用冷凍機117を予冷する必要がなく、第1実施の形態における予冷用の液体窒素46や容器45、第2実施の形態における真空容器59,予冷用冷凍機61および伝熱用部材67,70を無くして低コスト化できる。また、上記総ての実施の形態のごとく交換用冷凍機41,57,87,107を予冷する必要がなく、部品交換の手順を簡単にできるのである。
【0062】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を外気と接触しないようにグローブボックスで包み込み、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出させて取り付け、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷手段で予冷するので、上記交換用冷凍機を、極低温状態にある極低温冷凍機のオーバーホール温度と略同一温度に予冷できる。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを略同一にできる。
【0063】
すなわち、この発明によれば、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を作業性良く交換できるのである。さらに、上記極低温冷凍機はオーバーホール時に極低温状態にあるので、運転を再開しても、第2シリンダと第2ディスプレーサとは殆ど収縮することはない。したがって、運転時における両者のクリアランスを最適状態に維持できる。
【0064】
また、請求項2に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を低温液体で予冷するので、上記交換用冷凍機を簡便な方法で予冷できる。
【0065】
また、請求項3に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を密閉容器で包み込んで予冷用冷凍機で予冷するので、上記交換用冷凍機を所望の温度に精度良く予冷できる。したがって、この発明によれば、容易に且つ精度良く、不良部品と交換用部品との冷熱収縮率を略同一にして両交換部品間の最適クリアランスを設定できる。
【0066】
また、請求項4に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、上記交換用冷凍機のシリンダ部を密閉容器で包み込み、上記交換用冷凍機を駆動することによって上記交換用冷凍機自身を予冷するので、上記予冷のための特別な装置を必要とはせず、ごく簡単に且つ精度良く上記交換用冷凍機を予冷できる。尚、上記交換用冷凍機駆動手段を上記極低温冷凍機の駆動手段と兼用すれば、上記交換用冷凍機の予冷コストを大幅に低減できる。
【0067】
また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部を外気と接触しないようにグローブボックスで包み込み、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみを加熱体で局部的に加熱するので、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみを、局部的に、常温にある交換用冷凍機と略同一温度にできる。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを略同一にできる。
【0068】
すなわち、この発明によれば、上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を作業性良く交換できるのである。さらに、上記交換用冷凍機を予冷する必要がなく、オーバーホール作業を単純化できる。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシリンダ内部のみであるから、極低温状態を維持したままでのオーバーホールが容易に可能となる。
【0069】
また、請求項6に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部をグローブボックスで外気に接触しないように包み込み、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出させて取り付け、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷し、上記極低温冷凍機の不良部品を上記予冷された交換用冷凍機の該当部品と交換するので、上記交換用冷凍機を、極低温状態にある極低温冷凍機のオーバーホール温度と略同一温度に予冷できる。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを略同一にできる。
【0070】
すなわち、この発明によれば、例えば上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を作業性良く交換できるのである。さらに、上記極低温冷凍機はオーバーホール時に極低温状態にあるので、運転を再開しても、第2シリンダと第2ディスプレーサとは殆ど収縮することはない。したがって、運転時における両者のクリアランスを最適状態に維持できる。
【0071】
また、請求項7に係る発明のオーバーホール方法は、上記交換用冷凍機を上記グローブボックス外に取り出して駆動することによって、上記交換用冷凍機自身で上記予冷を行うので、上記交換用冷凍機のシリンダ部を予冷するための特別な付加手段を必要とはしない。したがって、ごく安価な方法で上記交換用冷凍機を予冷できる。
【0072】
また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機のオーバーホール方法は、クライオスタットにシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機の駆動部をグローブボックスで外気に接触しないように包み込み、上記極低温冷凍機と全く同じ構造および寸法を有する予冷用冷凍機のシリンダ部を上記グローブボックス外に露出させて取り付け、上記極低温冷凍機のシリンダ部内のみを局部的に加熱し、この局部的に加熱された極低温冷凍機の不良部品を上記交換用冷凍機の該当部品と交換するので、上記極低温冷凍機のシリンダ内のみを、局部的に、常温にある交換用冷凍機と略同一温度にできる。したがって、オーバーホール時の上記極低温冷凍機における各部品の冷熱収縮率と上記交換用冷凍機における同一部品の冷熱収縮率とを略同一にできる。
【0073】
すなわち、この発明によれば、上記極低温冷凍機の不良第2ディスプレーサと上記交換用冷凍機の第2ディスプレーサとを交換する場合に、上記極低温冷凍機の第2シリンダと交換用の第2ディスプレーサとのクリアランスを最適クリアランスに設定できる。したがって、極低温状態を維持したまま極低温冷凍機の部品を作業性良く交換できるのである。その場合、上記極低温冷凍機が加熱されるのはシリンダ内部のみであるから、極低温状態を維持したままでのオーバーホールが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の極低温冷凍機のオーバーホール装置における概念図である。
【図2】 図1とは異なる極低温冷凍機のオーバーホール装置における概念図である。
【図3】 図1および図2とは異なる極低温冷凍機のオーバーホール装置における概念図である。
【図4】 図1〜図3とは異なる極低温冷凍機のオーバーホール装置における概念図である。
【図5】 図1〜図4とは異なる極低温冷凍機のオーバーホール装置における概念図である。
【図6】 図5に示す極低温冷凍機のオーバーホール装置で使用される加熱棒の断面図である。
【図7】 従来の極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置における断面図である。
【図8】 図7に示す極低温冷凍装置のメンテナンス作業用装置で使用される収納容器の断面図である。
【符号の説明】
21,51,81,101,111…クライオスタット、
22,52,82,102,112…極低温冷凍機、
23,53,83,103,113…グローブボックス、
41,57,87,107,117…交換用冷凍機、
45…容器、 46…液体窒素、
47,74,95,123…グローブ、 59,89,108…真空容器、
61…予冷用冷凍機、 67,70…伝熱部材、
71,90,109…圧縮機、 120…加熱棒、
122…加熱ヒータ。
Claims (8)
- シリンダ部と駆動部とを有する極低温冷凍機(22,52,102)と、
上記極低温冷凍機(22,52,102)が、そのシリンダ部を挿入して取り付けられたクライオスタット(21,51,101)と、
上記駆動部を外気と接触しないように包み込むと共に、グローブ(47,74)が設けられたグローブボックス(23,53,103)と、
上記極低温冷凍機(22,52,102)と全く同じ構造および寸法を有すると共に、シリンダ部(44,58)を上記グローブボックス(23,53,103)の外に露出させる一方、駆動部(42)を上記グローブボックス(23,53,103)内に没入させて、上記グローブボックス(23,53,103)に取り付けられた交換用冷凍機(41,57,107)と、
上記交換用冷凍機(41,57,107)のシリンダ部(44,58)を予冷する予冷手段(46,59,61,108,109)を備えたことを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。 - 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、
上記予冷手段は、上記交換用冷凍機のシリンダ部が浸漬される極低温液体(46)であることを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。 - 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、
上記予冷手段は、
上記交換用冷凍機(57)のシリンダ部(58)を外気と接触しないように包み込む密閉容器(59)と、
上記密閉容器(59)に取り付けられて上記交換用冷凍機(57)のシリンダ部(58)を予冷する予冷用冷凍機(61)で構成されていることを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。 - 請求項1に記載の極低温冷凍機のオーバーホール装置において、
上記予冷手段は、
上記交換用冷凍機(107)のシリンダ部を外気と接触しないように包み込む密閉容器(108)と、
上記交換用冷凍機(107)を駆動して上記交換用冷凍機(107)自身で上記予冷を行わせる交換用冷凍機駆動手段(109)であることを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。 - シリンダ部(118,119)と駆動部(125)とを有する極低温冷凍機(112)と、
上記極低温冷凍機(112)が、そのシリンダ部(118,119)を挿入して取り付けられたクライオスタット(111)と、
上記駆動部(125)を外気と接触しないように包み込むと共に、グローブ(123)が設けられたグローブボックス(113)と、
上記極低温冷凍機(112)と全く同じ構造および寸法を有すると共に、シリンダ部を上記グローブボックス(113)の外に露出させる一方、駆動部を上記グローブボックス(113)内に没入させて、上記グローブボックス(113)に取り付けられた交換用冷凍機(117)と、
上記極低温冷凍機(112)のシリンダ(118,119)内に挿入されて、上記シリンダ(118,119)内のみを局部的に加熱する加熱体(120)を備えたことを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール装置。 - クライオスタット(21,51,81,101)にシリンダ部を挿入して取り付けられた極低温冷凍機(22,52,82,102)の駆動部を、グローブ(47,74,95)が設けられたグローブボックス(23,53,83,103)で外気と接触しないように包み込み、
上記グローブボックス(23,53,83,103)に、上記極低温冷凍機(22,52,82,102)と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷凍機(41,57,87,107)を、そのシリンダ部(44,58,88)を上記グローブボックス(23,53,83,103)の外に露出させる一方、駆動部を上記グローブボックス(23,53,83,103)内に没入させて取り付け、
上記交換用冷凍機(41,57,87,107)のシリンダ部(44,58,88)を予冷し、
上記極低温冷凍機(41,57,87,107)の不良部品を上記予冷された交換用冷凍機(41,57,87,107)の該当部品と交換することを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール方法。 - 請求項6に記載の極低温冷凍機のオーバーホール方法において、
上記予冷は、グローブ(95)を用いて上記交換用冷凍機(87)を上記グローブボックス(83)外に取り出し、このグローブボックス(83)外に取り出された交換用冷凍機(87)を駆動することによって行うことを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール方法。 - クライオスタット(111)にシリンダ部(118,119)を挿入して取り付けられた極低温冷凍機(112)の駆動部(125)を、グローブ(123)が設けられたグローブボックス(113)で外気と接触しないように包み込み、
上記グローブボックス(113)に、上記極低温冷凍機(112)と全く同じ構造および寸法を有する交換用冷凍機(117)を、そのシリンダ部を上記グローブボックス(113)の外に露出させる一方、駆動部を上記グローブボックス(113)内に没入させて取り付け、
上記極低温冷凍機(112)のシリンダ部(118,119)内のみを局部的に加熱し、
この局部的に加熱された極低温冷凍機(112)の不良部品を上記交換用冷凍機(117)の該当部品と交換することを特徴とする極低温冷凍機のオーバーホール方法。
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