JP2000145542A - 直噴式ディ―ゼルエンジン用ピストンリングおよび組合せ - Google Patents
直噴式ディ―ゼルエンジン用ピストンリングおよび組合せInfo
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- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
Abstract
つ耐摩耗性を有するピストンリングの組合せ、および第
2圧力リングに好適なピストンリングを提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:6 〜
11%を含有する低Cr系鋼製で、かつ少なくとも摺動面に
は窒化層を有するピストンリングを、直噴式ディーゼル
エンジン用ピストンリングの第2圧力リングとする。窒
化層の硬さは、Hv 800 〜1100とするのが好ましい。
Description
るピストンリングに係り、とくに直接噴射式(以下、直
噴式という)ディーゼルエンジンに用いて好適なピスト
ンリングに関する。
高圧の空気中へ燃料を噴射して、燃料を燃焼させ動力を
発生させているが、噴射燃料と空気との混合の仕方によ
り、直噴式と副室式に分類される。副室式ディーゼルエ
ンジンは、主燃焼室とは別に、シリンダヘッドに副室を
設け、燃料を副室に噴射する方式のディーゼルエンジン
であり、燃料と空気の混合が良好であるため空気過剰率
を小さくとることができるといわれている。一方、直噴
式ディーゼルエンジンは、シリンダヘッドとピストン頂
部で形成される燃焼室へ高圧のもとで燃料を噴射する方
式のディーゼルエンジンであり、副室式のものに比べ、
燃料消費率が少なく、COガス排出量も少なく、排ガス規
制に合致すると言われている。さらに燃焼生成物(炭素
スラッジ等)の発生も少ないと言われている。
得やすいことから副室式ディーゼルエンジンが多用され
てきた。副室式ディーゼルエンジンでは、燃焼生成物
(炭素スラッジ等)が多く発生し、この炭素スラッジ
が、ピストンリングに付着し、ピストンリングにアブレ
ーシブ摩耗を生じさせる。また、燃料起因の腐食摩耗の
影響も受けやすい。このため、従来から、副室式ディー
ゼルエンジンに適用するピストンリングには、優れた耐
摩耗性、耐スカッフ性、耐熱性が要求されていた。
ンジンに使用される第1圧力リングには、比較的高価な
11〜18%Crを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼製
のリングが使用され、しかも、表面にはガス窒化処理が
施され耐摩耗性を向上させていた。また、第1圧力リン
グは、矩形あるいは生成するスラッジを削り取るためハ
ーフキーストン、フルキーストンのリングが多く使用さ
れている。
れる第2圧力リングは、第1圧力リングほど使用環境は
厳しくなく、さらに形状がテーパ付き、テーパアンダカ
ット付き、テーパアンダフック等複雑な形状となるため
加工性の観点から、鋳鉄製のリングが使用され、さらに
耐摩耗性向上のため外周、あるいはさらに上下面をも含
みクロムめっきが施されたリングが多く使用されてい
る。
を薄幅化する場合、鋳鉄製リングでは強度が不足するこ
とから、例えば、特公昭58-25863号公報、特公昭61-541
03号公報には、第2圧力リングも第1圧力リングと同一
鋼材製にすることが提案されている。また、副室式ディ
ーゼルエンジンに使用されるオイルリングには、高Cr系
ステンレス鋼製で、表面にはCrめっきあるいはガス窒化
処理が施された一体型リングが使用されている。
は、燃費、排ガス規制、さらに耐久性の観点から小型か
ら大型のエンジンまで、副室式ディーゼルエンジンに代
えて直噴式ディーゼルエンジンが使用されるようになっ
てきた。副室式ディーゼルエンジンに使用される圧力リ
ングを、そのまま直噴式ディーゼルエンジンの圧力リン
グとして使用すると、使用環境の厳しさから、圧力リン
グのコストが高価になり経済的に不利となるという問題
があった。
式ディーゼルエンジンにおけるピストンリングの使用条
件に鑑み、経済性を考慮し安価でかつ直噴式ディーゼル
エンジンに好適な耐摩耗性を有するピストンリング、と
くに第2圧力リングに好適なピストンリング、および直
噴式ディーゼルエンジンに好適なピストンリングの組合
せを提供することを目的とする。
課題を達成するために、直噴式ディーゼルエンジンにお
けるピストンリングの耐摩耗性について鋭意研究した結
果、熱負荷の軽い第2圧力リング用として、低Cr鋼製リ
ングを適用しても十分な耐摩耗性が確保できることを見
いだした。また、オイルリング用としても、低Cr鋼製リ
ングで十分であるという知見を得た。また、本発明者ら
は、Crを含有する鋼に窒化処理を施すことにより、Crめ
っきより硬い硬化層を形成でき、耐摩耗性を向上できる
という知見を得た。
いて説明する。本発明者らは、Cr含有量の異なる各種鋼
材を用いて、直噴式ディーゼルエンジン、および副室式
ディーゼルエンジンの第2圧力リング、オイルリングを
作製し、各ピストンリングの摩耗量を比較した。その結
果を図2に示す。なお、各ピストンリングの外周面には
窒化層を70μm 形成した。また、一部のピストンリング
外周面にはクロムめっき(厚さ:100 μm )のみを施し
た。使用したエンジンは、直列4気筒、ボア内径:92m
m、総排気量:2000ccの直噴式ディーゼルエンジンおよ
び副室式ディーゼルエンジンであり、試験条件は、4000
rpm ×全負荷×300hr とした。
2圧力リングでは、Crめっきのみ、あるいは10%Cr以下
の低Cr系鋼では摩耗量が多く、13%Cr以上の高Cr系鋼を
用いて初めてピストンリングの摩耗量が7μm 以下と耐
摩耗性が満足される。これに対し、直噴式ディーゼルエ
ンジンでは、8%Cr、10%Cr鋼でも摩耗量は少なく、副
室式における13%Cr系鋼以上の十分な耐摩耗性を有して
いることがわかる。また、直噴式ディーゼルエンジンの
オイルリングでも同様に、8%Cr、10%Cr鋼製のリング
で、十分使用可能であることがわかった。
れたものである。すなわち、本発明は、直噴式ディーゼ
ルエンジンに用いられるピストンリングであって、前記
ピストンリングは、重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:
6 〜11%を含有する鋼からなり、かつ少なくとも該ピス
トンリングの摺動面には窒化層を有することを特徴とす
る直噴式ディーゼルエンジン用ピストンリングであり、
本発明では、前記窒化層は、Hv 800 〜1100の硬さを有
するのが好ましい。
%で、C:0.4 〜1.2 %、Cr:11〜18%を含有するマル
テンサイト系ステンレス鋼からなり、さらに該第1圧力
リングの摺動面に窒化層と、あるいはさらに窒化層の上
層としてPVD処理層とからなる表面硬化層を有し、第
2圧力リングが、重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:6
〜11%を含有する鋼からなり、かつ該第2圧力リングの
摺動面には窒化層を有することを特徴とする直噴式ディ
ーゼルエンジン用ピストンリングの組合せである。ま
た、本発明では、前記第1圧力リングの摺動面に形成さ
れる表面硬化層の硬さがHv900以上であり、前記第2圧
力リングにの摺動面に形成される窒化層の硬さをHv 80
0 〜1100とするのが好ましい。また、本発明は、第1圧
力リングが、重量%で、C:0.4 〜1.2 %、Cr:11〜18
%を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、
さらに該第1圧力リングの摺動面に窒化層と、あるいは
さらに窒化層の上層としてPVD処理層とからなる表面
硬化層を有し、第2圧力リングが、重量%で、C:0.4
〜0.8 %、Cr:6 〜11%を含有する鋼からなり、かつ該
第2圧力リングの摺動面には窒化層を有し、さらに、オ
イルリングが、重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:6 〜
11%を含有する鋼からなり、かつ該オイルリングの摺動
面には窒化層を有することを特徴とするエンジン用ピス
トンリングの組合せである。
式ディゼルエンジンの第2圧力リング用、あるいはオイ
ルリング用、あるいはさらに組合せオイルリング(3ピ
ースタイプ、2ピースタイプを含む)用として好適な耐
摩耗性を有するピストンリングであり、好適には線材か
ら作られ、少なくともその摺動面には窒化層が形成され
る。
力リング、オイルリング用ピストンリングの母材は、重
量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:6 〜11%を含有し、さ
らに好ましくはSi:0.1 〜0.4 %、Mn:0.2 〜0.4 %を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼材であ
る。Cは、母材の硬さ、強度を向上させる重要な元素で
あり、Crと結合し微細で硬質なクロム炭化物を形成し母
材の耐摩耗性を向上させる。このような効果は0.4%以
上の含有で認められる。一方、0.8 %を超える含有は、
粗大な1次炭化物が形成されやすく、リングが脆化し強
度が低下するとともに相手攻撃性が高くなり、シリンダ
内周面の摩耗を増大させる。このようなことから、Cは
0.4 〜0.8 %の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5
〜0.7 %である。
させ、さらにCと結合し微細なクロム炭化物を形成し耐
焼付性、耐摩耗性、耐へたり性を高める元素である。こ
のような効果は6%以上の含有で認められる。一方、11
%を超える含有は、耐摩耗性をさらに向上させるが、直
噴式ディーゼルエンジンにおける使用環境からは最適な
合金添加量ではなく、過剰な特性の付与であり、経済的
に不利となるとともに、クロム炭化物の析出が多くな
り、加工性が劣化する。このため、Crは6 〜11%の範囲
に限定した。
り性を向上させる元素である。このような効果は、0.1
%以上の含有で認められる。一方、0.4 %を超える含有
は加工性を低下させるとともに靱性も劣化させる。この
ため、Siは0.1 〜0.4 %の範囲に限定した。Mnは、脱酸
剤として作用するとともに、強度を増加させ、熱間加工
性を向上させる元素である。このような効果は、0.2 %
以上の含有で認められる。一方、0.4 %を超える含有は
リング成形時の冷間加工性を低下させる。このため、Mn
は0.2 〜0.4 %の範囲に限定した。
らなる。不可避的不純物としては、P:0.04%以下、
S:0.03%以下が許容される。上記した組成の鋼材から
作製されたピストンリングは、少なくとも摺動面である
外周面に窒化層が形成される。窒化層の形成方法は、本
発明ではとくに限定されないが、ガス窒化、イオン窒
化、塩浴窒化、浸硫窒化等の窒化処理が好適である。と
くに、アンモニアガス雰囲気中あるいはアンモニアガス
と窒素ガスとの混合ガス雰囲気等を用いるガス窒化が好
ましい。なお、ピストンリングの摺動面以外の全表面に
窒化層を形成してもよいのは言うまでもない。
Crめっきより耐摩耗性に富む表面層が形成される。形成
される窒化層の硬さはHv 800 〜1100の硬さとするのが
望ましい。窒化層の硬さは、母材のCr含有量によって変
化する。例えば、母材のCr含有量が6%の場合には、ガ
ス窒化により表層の硬さはHv 800 〜900 、Cr含有量が
11%の場合にはHv 1000〜1100となる。なお、Crめっき
のみでは、硬さはたかだかHv 820 程度である。また、
窒化層の硬さは、窒化条件、例えば、ガス窒化の場合に
は雰囲気の成分、処理時間、処理温度等の調整でも可能
である。窒化層の硬さがHv 800 未満では、ピストンリ
ング自体の摩耗が多くなり、Hv 1100を超えると、シリ
ンダ内壁への攻撃性が強くなりすぎる。
れる化合物層が形成されるが、この化合物層は固く耐摩
耗性に富むため、本発明の直噴式ディゼルエンジンの第
2圧力リング、オイルリングに使用されるピストンリン
グでは、耐摩耗性を高めるためにとくに除去せずに使用
してもよいし、除去して拡散層を露出させて使用しても
よい。
窒化層を有するピストンリングを直噴式ディゼルエンジ
ン用の第2圧力リング、あるいはさらにオイルリングと
して適用し、さらに第1圧力リングとして、下記組成の
母材と、少なくとも摺動面に表面硬化層を有するピスト
ンリングを適用する、直噴式ディゼルエンジン用ピスト
ンリングの組合せとするのが望ましい。
ンジン用ピストンリングの組合せを図1に示す。図1は
シリンダのボア内にピストンが装着された状態の縦断面
図である。シリンダ1内のボア内にピストン2が挿入さ
れ、ピストン2の外周面に形成されているピストンリン
グ溝3、4、5に第1圧力リング6、第2圧力リング
7、および組合せオイルリング8がそれぞれ装着されて
いる。
ン型のリングが示されているが、この形状に限定される
ものではなく、両面キーストン型としても矩形でもよ
い。第1圧力リング6の摺動面およびその他の外表面に
は表面硬化層10が形成されている。また、図2の第2圧
力リング7は、テーパフェイス型のリングが示されてい
るが、気密性とともに潤滑油のかきおとし性が要求され
るため、テーパアンダーカット、テーパインナーカット
等の形状としてもよいのは言うまでもない。第2圧力リ
ング7の摺動面およびその他の外表面には窒化層9が形
成されている。また、図1の組合せオイルリング8は、
コイルエキスパンダ11付きのオイルリングであり、断面
ほぼI字形のオイルリング12の外周面には窒化層9が形
成されている。
グ(トップリング)は、副室式ディゼルエンジン用と同
様に、高温に曝され、耐摩耗性に加えて耐熱性、耐スカ
ッフ性が要求される。このため、第1圧力リングは、副
室式ディゼルエンジン用と同様に、母材としてCr含有量
の高いマルテンサイト系ステンレス鋼、すなわち、重量
%で、C:0.4 〜1.2 %、Cr:11〜18%を含有し、さら
に好ましくはSi:0.2〜0.5 %、Mn:0.2 〜0.5 %を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサ
イト系ステンレス鋼鋼材(例えば、SUS 410J1 、SUS 44
0B、等)を適用するのが好ましい。
炭化物量が不足し優れた耐摩耗性が得られない。一方、
Cが1.2 %を超えると炭化物が粗大となり、強度が不足
する。このため、Cは0.4 〜1.2 %の範囲に限定するの
が望ましい。Crは、固溶され耐食性、耐熱性を向上させ
るとともに、炭化物を形成し耐摩耗性の向上に寄与する
が、11%未満では、これらの効果が少なく、一方、18%
を超える含有は、基地に固溶するCr量が多くなり、耐食
性は向上するが強度が増加し靱性が劣化する。このた
め、Crは11〜18%に限定するのが望ましい。
り性を向上させる元素である。このような効果は、0.2
%以上の含有で認められる。一方、0.5 %を超える含有
は加工性を低下させるとともに靱性も劣化させる。この
ため、Siは0.2 〜0.5 %の範囲に限定するのが好まし
い。Mnは、脱酸剤として作用するとともに、強度を増加
させ、熱間加工性を向上させる元素である。このような
効果は、0.2 %以上の含有で認められる。一方、0.5 %
を超える含有はリング成形時の冷間加工性を低下させ
る。このため、Mnは0.2 〜0.5 %の範囲に限定するのが
好ましい。
して、Ni:0.6 %以下、Mo:1.25%以下、V:0.15%以
下を添加してもよい。なお、残部は、Feおよび不可避的
不純物からなる。不可避的不純物としては、P:0.04%
以下、S:0.03%以下が許容される。第1圧力リング
は、リングの少なくとも摺動面に、表面硬化層を形成す
る。表面硬化層としては、窒化層と、あるいはさらに窒
化層の上層としてPVD処理層とからなる硬化層と、す
るのが望ましい。窒化層の形成方法は、本発明ではとく
に限定されないが、ガス窒化、イオン窒化、塩浴窒化、
浸硫窒化等の窒化処理が好適である。とくに、アンモニ
アガス雰囲気中あるいはアンモニアガスと窒素ガスとの
混合ガス雰囲気等を用いるガス窒化が好ましい。なお、
ピストンリングの摺動面以外の全表面に窒化層を形成し
てもよいのは言うまでもない。形成される表面硬化層の
硬さはHv900〜1400の硬さとするのが望ましい。なお、
窒化処理により表層に形成される白層は、かたく脆いた
め、第1圧力リングではラッピング加工等の研削により
除去するのが好ましい。また、表面硬化層の厚さは、窒
化層が70〜 110μm 、あるいはさらにPVD処理層を形
成させる場合には窒化層を10〜70μm 、PVD処理層を
5〜 100μm とするのが好ましい。窒化層は10μm 未満
では、効果が少なく、また、ピストンリングの摩耗を考
えた場合、110 μm を超えると窒化層は不必要である。
PVD処理層は5μm 未満では、効果がなく、100 μm
を超えると剥離しやすくなる。
第1圧力リング、第2圧力リング、およびオイルリング
(コイルエキスパンダ付き)を作製した。これらリング
を、直噴式ディゼルエンジン、副室式ディゼルエンジン
に表3に示すような組合せで装着し、実機試験を実施し
た。試験後、ピストンリング摺動面の摩耗量を調査し
た。
92mm、総排気量:2000ccの直噴式ディゼルエンジンおよ
び副室式ディゼルエンジンとした。試験条件は、4000rp
m ×全負荷×300hr とし、水温:95℃、油温:130 ℃
(使用エンジンオイル:10W-30)とした。各ピストンリ
ングの寸法は、直噴式ディゼルエンジン用、副室式ディ
ゼルエンジン用とも、第1圧力リングが幅:2mm×厚
さ:3.35mm、第2圧力リングが幅:1.5mm ×厚さ:3.3m
m 、オイルリングが幅:3mm×厚さ:2.35mm(コイルエ
キスパンダ付き)とした。また、各ピストンリングの窒
化処理条件および外周面の硬さを表2に示す。
トンリングの摩耗量は、摺動位置での厚さの減少量で表
示した。
噴式ディーゼルエンジン用として十分な耐摩耗性を有す
るピストンリングとなる。本発明のピストンリングは、
直噴式ディーゼルエンジン用第2圧力リングまたはオイ
ルリングに適用して十分な効果を発揮する。副室式ディ
ーゼルエンジン用第2圧力リングまたはオイルリングに
適用した比較例では耐摩耗性に不足する。
満足し、高価なCrを多量に含有する高Cr系ステンレス鋼
の使用を少なくして、しかも安価なピストンリングを提
供することができ、産業上格段の効果を奏する。また、
Crめっきを施す必要がなくなり、環境への汚染を心配す
る必要がないという効果もある。
である。
影響を示すグラフである。(a)は第2圧力リングの場
合、(b)はオイルリングの場合を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 直噴式ディーゼルエンジンに用いられる
ピストンリングであって、前記ピストンリングは、重量
%で、 C:0.4 〜0.8 %、 Cr:6 〜11% を含有する鋼からなり、かつ少なくとも該ピストンリン
グの摺動面には窒化層を有することを特徴とする直噴式
ディーゼルエンジン用ピストンリング。 - 【請求項2】 前記窒化層は、Hv 800 〜1100の硬さを
有することを特徴とする請求項1に記載の直噴式ディー
ゼルエンジン用ピストンリング。 - 【請求項3】 第1圧力リングが、重量%で、 C:0.4 〜1.2 %、 Cr:11〜18% を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、さ
らに少なくとも該第1圧力リングの摺動面に窒化層と、
あるいはさらに窒化層の上層としてPVD処理層とから
なる表面硬化層を有し、第2圧力リングが、重量%で、 C:0.4 〜0.8 %、 Cr:6 〜11% を含有する鋼からなり、かつ少なくとも該第2圧力リン
グの摺動面には窒化層を有することを特徴とする直噴式
ディーゼルエンジン用ピストンリングの組合せ。 - 【請求項4】 前記第1圧力リングの摺動面に形成され
る表面硬化層の硬さがHv900以上であり、前記第2圧力
リングにの摺動面に形成される硬化層の硬さがHv 800
〜1100であることを特徴とする請求項3に記載の直噴式
ディーゼルエンジン用ピストンリングの組合せ。
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