JP2700421B2 - 内燃機関用シリンダライナ及びその製造法 - Google Patents
内燃機関用シリンダライナ及びその製造法Info
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
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Description
ンダライナとして有用な、内燃機関シリンダライナ及び
その製造法に関する。
かに、長寿命化、低公害化の要求が強まっている。
ップにより排気量を増大させる等の対応がなされ、低公
害化の要求に対しては、例えば、EGRの採用などによる
対応がなされようとしている。
ナは、シリンダライナ肉厚を減少させる傾向にあるた
め、鍔飛び防止の観点などから、シリンダライナ素材の
強度の向上が望まれている。また、シリンダライナの肉
厚を薄くすると、シリンダライナのジャケット部のキャ
ビテーション腐食が起こり易くなるため、外周部にクロ
ムめっきを施す等の対策がとられている。
向上も検討されている。特に、ディーゼルエンジンにお
いては、軽油または重油を燃料として使用していること
から、運転条件によっては、燃焼室で硫酸等が生成さ
れ、また、近年、排気ガス対策のために使用が検討され
ているアルコール燃料の場合においては、ギ酸が生成さ
れるため、シリンダライナが著しく腐食摩耗を受けるこ
とがあるので、耐腐食性の向上が強く望まれている。
食、及び硫酸、ギ酸等による腐食摩耗に対する抵抗性を
満足させるシリンダライナ素材として、従来の鋳鉄に代
えて、ステンレス鋼を用いることが考えられる。しか
し、ステンレス鋼は、そのままの表面では、耐摩耗性材
料としては使用不可能である。
に、SiC等のような硬質粒子を含有するスラリー又はペ
ーストを用いてラッピングして、表面に硬質粒子を分
散、埋設させて、耐摩耗性、耐スカップ性を向上させる
方法が開示されている。
は、鋳鉄、軟鋼製等一部の内燃機関のシリンダライナに
応用されているが、ステンレス鋼のような高合金鋼の場
合、硬質粒子の脱落の危険性が高いという問題点を有す
るため、応用されていない。
的は、強度が高く肉薄にすることが可能で、耐腐食性に
優れたステンレス鋼の表面に、硬質粒子を埋設させて耐
摩耗性、耐スカッフ性を付与し、しかも硬質粒子の脱落
を防止して、強度、耐腐食性、耐キャビテーション性、
摺動特性、耐久性に優れ、すなわち、高速、高出力化、
及び長寿命化の要求に対応でき、特に、ディーゼルエン
ジン用として有用な内燃機関用シリンダライナ及びその
製造法を提供することにある。
ダライナは、ステンレス鋼からなる母材の少なくとも内
周面に窒化層が形成され、該窒化層の内周面に、SiC、A
l2O3、Cr2O3、Si3N4から選ばれた一種以上からなる硬質
粒子が、分散、埋設されていることを特徴とする。
は、ステンレス鋼からなるシリンダライナ素材の少なく
とも内周面を窒化処理して窒化層を形成した後、該窒化
層の内周面を、SiC、Al2O3、Cr2O3、Si3N4から選ばれた
一種以上からなる硬質粒子を含有するスラリーでラッピ
ングして、硬質粒子の分散、埋設させることを特徴とす
る。
明する。
完成加工代を見込んでディーゼルエンジンのシリンダラ
イナ素材を作成する。ステンレス鋼としては、オーステ
ナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のいずれで
も本発明は実施できるが、耐食性の見地から炭素量の低
い方がより好ましい。
なくとも内周面を窒化処理する。窒化処理の方法として
は、塩浴軟窒化法、ガス窒化法、ガス軟窒化法のいずれ
の方法によってもよい。
は、脆く、この部分に硬質粒子を埋設させると脱落の危
険性が高くなるので、ホーニング加工等により、いわゆ
るポーラス層を除去しておくことが好ましい。また、窒
化層の厚さは、3〜15μmが好ましく、表面硬さは、Hv
700以上が好ましい。
リーでラッピングして硬質粒子を分散、埋没させる。ラ
ッピングの方法は、通常の方法でよいが、硬質粒子とし
ては、SiC、Al2O3、Cr2O3、Si3N4から選ばれた一種以上
が用いられる。硬質粒子の粒径は、50〜70μmが好まし
い。
て、埋設させるのが好ましく、埋め込み粒子サイズは3
〜20μm、粒子間隔は5〜20μmが好ましい。
るので、耐腐食性、耐キャビテーション性に優れ、ま
た、従来用いられている鋳鉄に比べて強度が高いので、
シリンダライナの肉厚を薄くして軽量にすることができ
る。
り、そのままではまったく摺動材として使用することが
できないステンレス鋼に、優れた摺動特性を付与するこ
とができる。
内周面を窒化処理して窒化層を形成した後、硬質粒子を
埋め込むので、硬質粒子の脱落を防止することができ
る。
腐食性、耐キャビテーション性に優れることから耐久性
に優れ、摺動特性にも優れたシリンダライナを得ること
ができる。
イナの一実施例が示されている。
る母材5の内周面に、窒化層3が形成され、その表面
に、硬質粒子4が分散、埋没された状態となっている。
トラック用ディーゼルエンジンのシリンダライナ素材
を、常法により、完成加工代を見込んで作成した。
(塩浴軟窒化法)により、570℃で、2時間窒化処理を
行ない、拡散層の厚さ0.1mm、窒素濃度の高い化合物層
の厚さ10μmの窒化層を形成した。次いで、ホーニング
加工により、窒素濃度の高い化合物層を除去した。この
ようにして得られたシリンダライナの内周面の表面硬さ
はHv750であった。
を含有するスラリーで、シリンダライナの内周面をラッ
ピング加工して、SiC粒子を窒素拡散層に分散、埋没さ
せて摺動面を形成して、大型トラック用ディーゼルエン
ジンのシリンダライナを得た。
鋼鋳鋼(SC46)、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM50)、ス
テンレス鋼(SUS403)、クロームめっき品製のキャビテ
ーション試験片を作成して、キャビテーション試験を行
なった。試験条件は、以下の通りである。
に示す。なお、第3図において、ねずみ鋳鉄はFC、球場
黒鉛鋳鉄はD.C.I.、炭素鋼鋳鋼は鋳鋼、機械構造用炭素
鋼鋼管はSTKM50、ステンレス鋼はSUS403、クロームめっ
き品はクロームめっきと表わした。
鋼(SUS403)は、クロームめっき品に比べると若干損傷
重量が多いものの、他の材料と比較すると、耐キャビテ
ーション性が格段に優れていることがわかる。
ナ ステンレス鋼(SUS403)にSiCを埋設させたシリンダ
ライナ ステンレス鋼(SUS403)に窒化処理した後、SiCを埋
設させたシリンダライナ を作成した。なお、ステンレス鋼は実施例で用いたもの
と同様のものであり、窒化処理、及び硬質粒子であるSi
Cを埋設させる方法は、実施例と同様にした。すなわ
ち、は実施例品に相当し、〜は比較例に相当す
る。
側試験片11を切り出した。一方、鋼製ピストンリング材
料にクロームめっきを施して、φ8、先端球面R18、表
面バフ仕上げのクロームめっきピンである上側試験片12
を作成し、これを摺動相手材として、往復動摩耗試験機
により、摩耗試験を行なった。試験条件は、以下の通り
である。
図に、上側試験片(リング)の摩耗量を第6図に示す。
いられているねずみ鋳鉄製のの試験片の摩耗量を1.0
とした場合、下側試験片〜の相対値は、::
:=1.0:0.61:0.30:0.35であった。また、同様に
を基準とした場合、上側試験片の相対値は、::
:=1.0:0.50:1.80:0.52であった。
るは、自身の摩耗量と、相手材の摩耗量とを総合して
判断したとき、〜より摺動特性が優れていることが
わかる。
イナは、強度、耐腐食性、耐キャビテーション性に優れ
たステンレス鋼を母材として用い、その内周面に窒化層
を形成した後、硬質粒子を分散埋設させて摺動特性を付
与し、かつ、硬質粒子の脱落がおこらにようにしている
ので、シリンダライナの肉厚を薄くして軽量にしても、
耐久性、摺動特性に優れ、すなわち、高速、高出力化、
及び長寿命化の要求に対応できるシリンダライナを得る
ことができる。したがって、本発明のシリンダライナ
は、特にディーゼルエンジン用として有用である。
を示す部分拡大断面図、第2図は同シリンダライナの全
体を示す断面図、第3図はキャビテーション試験におけ
る損傷重量を示す図表、第4図は摩耗試験における下側
試験片と上側試験片の形状を示す説明図、第5図は摩耗
試験における下側試験片の摩耗量比を示す図表、第6図
は摩耗試験における上側試験片の摩耗量比を示す図表で
ある。 図中、1はシリンダライナ、2は内周面、3は窒化層、
4は硬質粒子、5はステンレス鋼からなる母材である。
Claims (2)
- 【請求項1】ステンレス鋼からなる母材の少なくとも内
周面に窒化層が形成され、該窒化層の内周面に、SiC、A
l2O3、Cr2O3、Si3N4から選ばれた一種以上からなる硬質
粒子が、分散、埋設されていることを特徴とする内燃機
関用シリンダライナ。 - 【請求項2】ステンレス鋼からなるシリンダライナ素材
の少なくとも内周面を窒化処理して窒化層を形成した
後、該窒化層の内周面を、SiC、Al2O3、Cr2O3、Si3N4か
ら選ばれた一種以上からなる硬質粒子を含有するスラリ
ーでラッピングして、該硬質粒子を分散、埋設させるこ
とを特徴とする内燃機関用シリンダライナの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2216191A JP2700421B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 内燃機関用シリンダライナ及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2216191A JP2700421B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 内燃機関用シリンダライナ及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499883A JPH0499883A (ja) | 1992-03-31 |
JP2700421B2 true JP2700421B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=16684713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2216191A Expired - Fee Related JP2700421B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 内燃機関用シリンダライナ及びその製造法 |
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Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5943864A (ja) * | 1982-09-03 | 1984-03-12 | Mazda Motor Corp | 封孔処理した窒化鋳鉄品及びその製造方法 |
JPS5953677A (ja) * | 1982-09-20 | 1984-03-28 | Mazda Motor Corp | 窒化鋳鉄品及びその製造方法 |
-
1990
- 1990-08-16 JP JP2216191A patent/JP2700421B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0499883A (ja) | 1992-03-31 |
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