JP2000144390A - 圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーティング装置 - Google Patents

圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーティング装置

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JP2000144390A
JP2000144390A JP10310833A JP31083398A JP2000144390A JP 2000144390 A JP2000144390 A JP 2000144390A JP 10310833 A JP10310833 A JP 10310833A JP 31083398 A JP31083398 A JP 31083398A JP 2000144390 A JP2000144390 A JP 2000144390A
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良一 大東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力勾配型のホローカソード型イオンプレー
テイング装置で、チャンバーの一部の側壁側スペースで
の異常放電の問題、多源ホローカソード型イオンプレー
テイング装置における各プラズマガンから発生されるプ
ラズマビームの互いの干渉による悪影響の問題を解決で
きる装置を提供する。更には、成膜の制御がし易く、且
つ、蒸発粒子の効率利用ができる装置を提供する。 【解決手段】 圧力勾配型のホローカソード型イオンプ
レーティング装置であって、チャンバー部は、プラズマ
ビームの自己磁場による、進行方向に対してのねじれを
考慮して、設計されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホローカソード型
イオンプレーテイング装置に関し、特に、異常放電が少
なく、且つ成膜の制御がし易く、蒸発粒子の効率利用が
できる、圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置(LCDとも言う)
やプラズマディスフレイ装置(PDPとも言う)等、デ
ィスプレイ用の大型基板の量産が求められる中、イオン
プレーティング法は、透明導電膜ITOや絶縁膜MgO
等の薄膜形成において、EB蒸着法やスパッタリング法
に代わる成膜法として注目されている。これは、イオン
プレーティング法は、成膜レートが高く、プラズマビー
ムを磁場で制御することにより、大面積基板への成膜を
可能とする為であるが、特に、ホローカソード式イオン
プレーティング法は、蒸着源の蒸発と、イオン化を一つ
のガンで行えるという利点を持っており、ディスプレイ
用大型基板への成膜用として期待されている。
【0003】ホローカソード型イオンプレーテイング装
置を、図5に基づいて簡単に説明しておく。図5は、圧
力勾配型の横型ホローカソード型イオンプレーテイング
装置の1例を示した構成図である。図5に示すホローカ
ソード型イオンプレーテイング装置は、排気孔502a
と反応ガス供給口502bを設けた真空チャンバー50
2と、この真空チャンバー502の内の下部に配設され
た陽極(ハース)503、真空チャンバー502の内の
上部に配設された基板ホルダー504、真空チャンバー
502の所定位置(図示例では真空チャンバー左側壁)
に配設されたプラズマガン505、陰極506、中間電
極507および収束コイル508を備えている。また、
陽極503の下側には永久磁石509が配設されてい
る。このような圧力勾配型ホローカソード型イオンプレ
ーテイング装置における透明導電膜ITOの形成は以下
のようにして行われる。まず、陽極503に蒸発源51
1を配置し、また透明導電膜ITOの被形成体である基
板512を基板ホルダーに保持し、真空チャンバー50
2内部を10-6〜10-5Torr程度の真空度にする。
この状態で、アルゴン(Ar)等のプラズマ用ガスをプ
ラズマガン505に導入する。そして、プラズマガン5
05で発生したプラズマビーム515は、収束コイル5
08により形成される磁界によって収束され、真空チャ
ンバー502内に引き出され、陽極503下方の永久磁
石509が作る磁界によって蒸発源511上に引き込ま
れ、この蒸発源511を加熱する。その結果、加熱され
た部分の蒸発源511は蒸発し、プラズマビーム515
の領域を通過する際に一部電離し、基板ホルダー504
に保持されている基材512に到達して表面に膜を形成
する。尚、図5に示す装置は、プラズマガン505側か
ら高い圧のアルゴン(Ar)等のプラズマ用ガスを導入
し、排気孔502a側から吸引しているため、この間で
圧力勾配があり、プラズマガン505や中間電極507
等へのイオンの戻りや、反応ガス供給口502bから供
給されたガスの、プラズマガン505や中間電極507
等への到達がない。これにより、プラズマガン505や
中間電極507等への悪影響を防止している。そして、
このように圧力勾配を設けている構造のものを圧力勾配
型と言っている。
【0004】しかし、従来の圧力勾配型ホローカソード
型イオンプレーテイング装置では、プラズマガン位置
は、チャンバーに対してほぼ対称の設計で、各部もこれ
に合わせて設計されており、異常放電が、一部の側壁側
スペースで起こり易く、問題となっていた。複数個のプ
ラズマガンを備えて(プラズマの発生源を)多源とした
装置の場合は、上記異常放電に加え、各プラズマガンか
ら発生されるプラズマビームが互いに干渉し、これによ
り安定放電ができない場合もあり、問題となっていた。
また、蒸発源からの蒸発粒子の飛散方向が、処理基板の
中心からずれた方向で、成膜を制御しずらい問題があっ
た。これは蒸発粒子の効率利用の面からも問題となって
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の圧
力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイング装置で
は、チャンバーの一部の側壁での異常放電の問題や、複
数個のプラズマガンを備えて(プラズマの発生源を)多
源とした装置(これを多源ホローカソード型イオンプレ
ーテイング装置とも言う)の場合における、各プラズマ
ガンから発生されるプラズマビームの互いの干渉による
悪影響の問題があり、この対応が求められていた。ま
た、成膜の制御がし易く、且つ、蒸発粒子の効率利用が
できる方法(装置)が求められていた。本発明は、これ
らの問題に対応するもので、圧力勾配型ホローカソード
型イオンプレーテイング装置で、チャンバーの一部の側
壁側スペースでの異常放電の問題、多源ホローカソード
型イオンプレーテイング装置における各プラズマガンか
ら発生されるプラズマビームの互いの干渉による悪影響
の問題を解決できる装置を提供しようとするものであ
る。更に、成膜の制御がし易く、且つ、蒸発粒子の効率
利用ができる装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の圧力勾配型ホロ
ーカソード型イオンプレーテイング装置は、圧力勾配型
ホローカソード型イオンプレーティング装置であって、
チャンバー部は、プラズマビームの自己磁場による、進
行方向に対してのねじれを考慮して設計されたもので、
チャンバーのプラズマビームのビーム(電子)がねじれ
て行く方向側の、チャンバーの側壁と、ねじれを考慮し
ない場合の該側壁側のプラズマビーム位置とのスペース
を、チャンバーのプラズマビームのビーム(電子)がね
じれて行く方向とは反対側の、チャンバーの側壁と、ね
じれを考慮しない場合の該側壁側のプラズマビーム位置
とのスペースに比べ、大きくしたことを特徴とするもの
である。そして、上記において、複数個のプラズマガン
を備えて(プラズマの発生源を)多源としたもので、各
プラズマガンから発生させるプラズマビームの自己磁場
を考慮して、各プラズマガンから発生させるプラズマビ
ームの、他のプラズマビームによる磁場が互いに所定値
内となるように、各プラズマガンから発生されるプラズ
マビームの間隔を制御したものであることを特徴とする
ものである。そしてまた、上記において、るつぼおよび
その下のアノード磁石を、プラズマガンからのビームの
進行方向に直交する方向に移動する移動部を備えている
ことを特徴とするものである。尚、ここで言う、ねじれ
を考慮しない場合のプラズマビーム位置とは、ねじれる
ビーム(電子)を考慮した位置ではなく、仮にプラズマ
イオンビームの自己磁場によりビーム(電子)がねじれ
ないとした場合のプラズマビームの通過位置で、イオン
の通過位置に当たる。
【0007】
【作用】本発明の圧力勾配型ホローカソード型イオンプ
レーテイング装置は、このような構成にすることによ
り、ホローカソード型イオンプレーテイング装置で、チ
ャンバーの一部の側壁側スペースでの異常放電の問題、
多源ホローカソード型イオンプレーテイング装置におけ
る各プラズマガンから発生されるプラズマビームの互い
の干渉による悪影響の問題を解決できる装置の提供を可
能とし、更に、成膜の制御がし易く、且つ、蒸発粒子の
効率利用ができる装置の提供を可能とした。具体的に
は、チャンバー部は、プラズマビームの自己磁場によ
る、進行方向に対してのねじれを考慮して設計されたも
ので、チャンバーのプラズマビームのビーム(電子)が
ねじれて行く方向側の、チャンバーの側壁と、ねじれを
考慮しない場合の該側壁側のプラズマビーム位置とのス
ペースを、チャンバーのプラズマビームのビーム(電
子)がねじれて行く方向とは反対側の、チャンバーの側
壁と、ねじれを考慮しない場合の該側壁側のプラズマビ
ーム位置とのスペースに比べ、大きくしたことにより、
従来の圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイン
グ装置における、チャンバーの一部側壁側スペースにお
ける異常放電を起こり難いものとした。
【0008】本願発明者は、従来の圧力勾配型ホローカ
ソード型イオンプレーテイング装置おける、チャンバー
の一部側壁側のスペースで異常放電が起こり易い理由
は、チャンバーの設計思想が、プラズマビームの自己磁
場による、進行方向に対しての右側ねじれを考慮したも
のでないと察知したのである。ここで、プラズマビーム
の自己磁場と、プラズマビームの自己磁場による、進行
方向に対しての右側ねじれについて簡単に説明してお
く。プラズマビームがビーム表面に作る自己磁場の大き
さBs(tesla)は、下記の式(1)
【数1】 で表される。ここで、μ0 は真空の透磁率、Iはプラズ
マ電流の量、2rはビーム径である。例えば、プラズマ
電流Iが100A、ビーム径が2cmの場合には、上記
(1)式より、Bsは20G(Gauss)となり、通
常、プラズマビームは、数十Gの磁場で制御されている
ことから、自己磁場Bsは無視できなくなる。また、磁
石の作る磁場の大きさが距離の二乗に反比例しているの
に対し、(1)式からも分かるように、プラズマビーム
電流が作る磁場は距離に反比例しているため、プラズマ
ビームが作る磁場は、磁石の磁場に比べ、遠方まで影響
を及ぼすことが分かる。一方また、一様な磁場と電場が
存在する場合、電子の運動方程式は、
【数2】 のようになる。ここで、vは電子の速度、Eは電場、e
は電子の電荷である。このような磁場、電場が存在する
場合(図3(a))、図3(b)に示すように電子はそ
れぞれの場に垂直な方向にドリフトする。このドリフト
量は、プラズマビーム制御用の磁石が作る磁場、さらに
はビームの広がりなどを取り込み計算する必要がある。
このように、ビームは広がり、結果的には、ビームは、
プラズマビームの自己磁場による、進行方向に対して右
側にねじれて行く。従来の圧力勾配型ホローカソード型
イオンプレーテイング装置では、このねじれの影響を考
慮していないため、チャンバーの一部側壁側のスペース
で異常放電が起こり易いのである。
【0009】しかし、ビームの広がりには、プラズマビ
ーム電流量(放電電流量)、磁場の大きさ、チャンバー
内の電場配置等、様々なパラメータが寄与しており、厳
密に計算するのは困難である。しかし、図5に示すよう
な、実使用のチャンバーにて、実使用に近い諸条件で、
実際に放電して、ビームのねじれを観測にて得て、簡略
的にビームのねじれの量を知ることができる。図4
(a)に示すねじれ量S0を観測にて把握するのであ
る。図4(a)は、チャンバー460上側(図5に示す
チャンバー502の上側に相当)からみた概略図で、図
4(a)中、太点線は観測されるビーム470のねじれ
て行く軌跡で、その矢印はビームの進行方向を示してい
る。細点線L1−L2はプラズマガン410(図5の5
05に相当)から放出されたビームの方向で、プラズマ
ガン410から放出されたビームが自己磁場の影響を仮
に受けないとした場合の進む方向を示したものである。
図4(a)のチャンバー460においては、細点線L1
−L2がほぼチャンバー中心であり、ビームには広がり
があるため、図4のチャンバー460と側壁465Aと
のスペース部467Aにおいては、側壁465Bとのス
ペース部467Bよりも電子密度が高くなり、異常放電
がおきる可能性が高くなる。
【0010】また、複数個のプラズマガンを備えてプラ
ズマの発生源を多源としたもので、各プラズマガンから
発生させるプラズマビームの自己磁場を考慮して、各プ
ラズマガンから発生させるプラズマビームの、他のプラ
ズマビームによる磁場が互いに所定値内となるように、
各プラズマガンから発生されるプラズマビームの間隔を
制御したものであることにより、多源ホローカソード型
イオンプレーテイング装置において、各プラズマガンに
よるプラズマビームが互いに実質的に干渉しないように
できる、即ち、安定放電を確保できる。
【0011】多源ホローカソード型イオンプレーテイン
グ装置においては、ビームのねじれ方向の端のプラズマ
ビームほど、進行方向に対しての右側ねじれが大きくな
ることも、自己磁場の影響とすれば説明がつく。尚、ホ
ローカソード型イオンプレーテイング装置においては、
プラズマ密度は最も右側にあるプラズマビームとチャン
バー壁の間隔狭くなるほど高くなっていた。
【0012】また、るつぼおよびその下のアノード磁石
を、プラズマガンからのビームの進行方向に直交する方
向に移動する移動部を備えていることにより、るつぼの
かたよりの無い使用を可能とするとともに、成膜する膜
厚分布の制御をし易くし、且つ蒸発粒子の効率利用を可
能としている。これを以下、簡単に説明する。図4
(b)、図4(c)はともに、図4(a)における、ろ
つぼ440へのビーム470の入射状態と処理基板45
0への成膜状態を示した断面図である。尚、図4(b)
のL3−L4方向は、図4(a)のL1−L2方向上に
あり、これに直交する。L3−L4の位置(図4(a)
のL1−L2位置でもある)にアノード磁石480が置
かれ、且つ、L3−L4からほぼ均等に、処理基板45
0に置かれた場合、図4(b)に示すように、蒸発粒子
445は、処理基板450の端部に向かう方向に進む。
これに対し、処理基板450はそのままの位置で、アノ
ード磁石480をL3−L4の位置からずらして置いた
場合は、図4(c)のように、蒸発粒子445は、処理
基板450の中心(L3−L4)に近い位置に向かい進
む。このため、大型ガラス基板を処理基板として成膜す
る場合には、図4(c)の場合の方が、図4(b)の場
合に比べ、成膜の制御がし易く、且つ、蒸発粒子の効率
利用の点で優れている。尚、一般に、ビーム470が入
射する方向に蒸発粒子445が進むため、図4(b)、
図4(c)のようになる。このように、上記移動部(図
4の490に相当)を備えていることにより、るつぼ4
40と、その下のアノード磁石480とを所定の位置に
移動でき、その結果、蒸発粒子445の方向を調整で
き、成膜の制御をし易くでる。同時に蒸発粒子の効率利
用もできる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の圧力勾配型ホローカソー
ド型イオンプレーテイング装置の実施の形態の1例を、
図に基づいて説明する。図1は本発明のホローカソード
型イオンプレーテイング装置の実施の形態の1例を示し
た概略構成図で、図2はプラズマガンとチャンバーの相
対位置関係を示した図である。図1、2中、100は圧
力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイング装置、
110はプラズマガン、120は収束コイル、130は
磁石、140はるつぼ、160はチャンバー、165側
壁、170はブラズマビーム、180は蒸発物質、19
0は磁石(アノード磁石)、210は基板、220はテ
ーブル、230、235はクライオポンプ、240は搬
送ロール、251、252はチャンバー、255は仕切
り部、260は調整用板(シャッター)、270はステ
ージ、271はX移動部、272はY移動部である。本
例は、2個のプラズマガンを備えたホローカソード型イ
オンプレーティング装置で、、ディスプレイ用の大型基
板を、所定の距離をあけ連続的に搬送しながら、その一
面に、連続的に透明導電性膜ITOやMgO膜を成膜す
る成膜処理を行うための装置である。
【0014】本例においては、これにより、プラズマビ
ームの自己磁場の影響によるビームのねじれに起因する
ビームとチャンバー160の側壁165間における異常
放電の発生を少なくするために、チャンバー160は、
プラズマビーム170の自己磁場による、進行方向に対
しての右側ねじれを考慮して、チャンバーのプラズマビ
ーム170がねじれて行く方向側である右側部の、チャ
ンバー160の側壁とプラズマビーム170とのスペー
ス部を、チャバーのプラズマビームがねじれて行く方向
とは反対側である左側部の、チャンバーの側壁とプラズ
マビームとのスペース部に比べ、大きくしてある。具体
的には、2基のプラズマガン110の中心間距離56c
mとし、プラズマビーム電流量(放電電流量)120
A、放電電圧90V、制御用磁石のビーム付近での磁場
30G(ガウス)とした条件での、ビームのねじれ量を
観測したところ、約8cmであった。これより、図2
(a)に示すように、2基のプラズマガン110のチャ
ンバー160に対する相対位置ズレであるオフセット量
は15cm程度が適当と判断した。尚、図2(b)、図
2(a)のA1−A2における断面図、図2(c)は、
図2(a)のB1−B2方向にみた断面図である。
【0015】また、2基のプラズマガン110の中心間
距離56cmの距離の決定は、既に述べた(1)式(ビ
オ、サバールの式)より、各プラズマビームの自己磁場
を求め、各プラズマガンから発生されたプラズマビーム
同志が互いに干渉しない、即ち安定放電が維持できるよ
うに決定した。前述のオフセット量を決定のための条件
下では、各プラズマビームの自己磁場は、(1)式(ビ
オ、サバールの式)より、0.4G以下となるが、この
自己磁場では、各プラズマガンから発生されたプラズマ
ビーム同志が互いに干渉することはない。
【0016】本例の圧力勾配型ホローカソード型イオン
プレーテイング装置の成膜は、図5に示すものと基本的
に同じであるため、ここでは説明を省略する。図1に示
す本例のホローカソード型イオンプレーテイング装置で
は、基板210を搬送ロール230により、テーブル2
20側から、チャンバー160上側に向け、水平移動さ
せながら、まずチャンバー252に送られ、次いで、仕
切り部255を通抜け、チャンバー251へ送られる。
そして、チャンバー251にて、チャンバー160側の
面に、調整用板(シャッター)260の開口から成膜す
る。チャンバー251、252は、それぞれ、クライオ
ポンプ230、235により真空引きされている。調整
用板(シャッター)260の開口を変化させたり、移動
させることにより、基板210の成膜範囲や成膜時間を
調整する。るつぼ140は移動可能なステージ270上
に置かれている。本例では、蒸発源を入れるるつぼが3
個置くことができ、ステージ270のX移動部271を
移動させて、それぞれ使用することができ、長い時間の
連続成膜を可能としている。また、ステージ270は、
XY移動ステージで、X移動部271とY移動部272
とからなり、Y移動部272の移動により、るつぼ14
0と、その下の磁石(アノード磁石)190とを一緒に
移動できる。
【0017】変形例としては、プラズマビームをシート
化し大面積基板への成膜を行う装置が考えられるが、ビ
ーム幅が広くなる分ビーム間の干渉は大きくなるため、
シート化ビームを使用するチャンバーではガン間距離は
シード幅に合わせさらに広くする。例えば、シート幅が
10cmの場合、ガン間距離を10cmさらに広げる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上記のように、圧力勾配型ホ
ローカソード型イオンプレーテイング装置で、チャンバ
ーの一部の側壁側スペースでの異常放電の問題、多源ホ
ローカソード型イオンプレーテイング装置における各プ
ラズマガンから発生されるプラズマビームの互いの干渉
による悪影響の問題を解決できる装置の提供を可能とし
た。そしてまた、成膜の制御がし易く、且つ、蒸発粒子
の効率利用ができる装置の提供を可能とした。結果、液
晶表示装置(LCD)や、プラズマディスプレイ装置
(PDP)等のディスプレイ用大型基板への透明導電性
膜ITOやMgO膜の成膜を量産レベルで実施できるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力勾配型ホローカソード型イオンプ
レーテイング装置の実施の形態の1例の概略構成図
【図2】プラズマガンとチャンバーの相対位置関係を示
した図
【図3】電子のドリフトを説明するための図
【図4】ねじれ量S0および蒸発粒子の方向を説明する
ための図
【図5】圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイ
ング装置を説明するための図
【符号の説明】
100 圧力勾配型ホローカソード型イオ
ンプレーテイング装置 110 プラズマガン 120 収束コイル 130 磁石 140 るつぼ 160 チャンバー 165 側壁 170 ブラズマビーム 180 蒸発物質 190 磁石(アノード磁石) 210 基板 220 テーブル 230、235 クライオポンプ 240 搬送ロール 251、252 チャンバー 255 仕切り部 260 調整用板(シャッター) 270 ステージ 271 X移動部 272 Y移動部 410 ブラズマガン 440 るつぼ 445 蒸発粒子 450 処理基板 460 チャンバー 465A、465B 側壁 467A、467B スペース 470 ビーム 480 アノード磁石 490 移動部(ステージ) 501 ホローカソード型イオンプレーテ
ィング装置 502 真空チャンバー 502a 排気孔 502b 反応ガス供給口 503 陽極(ハース) 504 基材ホルダー 505 ブラズマガン 506 陰極 507 中間電極 508 収束コイル 509 永久磁石 511 蒸発源 512 基材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力勾配型ホローカソード型イオンプレ
    ーティング装置であって、チャンバー部は、プラズマビ
    ームの自己磁場による、進行方向に対してのねじれを考
    慮して設計されたもので、チャンバーのプラズマビーム
    のビームがねじれて行く方向側の、チャンバーの側壁
    と、ねじれを考慮しない場合の該側壁側のプラズマビー
    ム位置とのスペースを、チャンバーのプラズマビームの
    ビームがねじれて行く方向とは反対側の、チャンバーの
    側壁と、ねじれを考慮しない場合の該側壁側のプラズマ
    ビーム位置とのスペースに比べ、大きくしたことを特徴
    とする圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、複数個のプラズマガ
    ンを備えてプラズマの発生源を多源としたもので、各プ
    ラズマガンから発生させるプラズマビームの自己磁場を
    考慮して、各プラズマガンから発生させるプラズマビー
    ムの、他のプラズマビームによる磁場が互いに所定値内
    となるように、各プラズマガンから発生されるプラズマ
    ビームの間隔を制御したものであることを特徴とする圧
    力勾配型ホローカソード型イオンプレーテイング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、るつぼおよ
    びその下のアノード磁石を、プラズマガンからのビーム
    の進行方向に直交する方向に移動する移動部を備えてい
    ることを特徴とする圧力勾配型ホローカソード型イオン
    プレーテイング装置。
JP31083398A 1998-10-30 1998-10-30 圧力勾配型ホローカソード型イオンプレーティング装置 Expired - Lifetime JP3841962B2 (ja)

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