JPH07258833A - アーク放電プラズマによる被膜の形成方法 - Google Patents

アーク放電プラズマによる被膜の形成方法

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JPH07258833A
JPH07258833A JP5600294A JP5600294A JPH07258833A JP H07258833 A JPH07258833 A JP H07258833A JP 5600294 A JP5600294 A JP 5600294A JP 5600294 A JP5600294 A JP 5600294A JP H07258833 A JPH07258833 A JP H07258833A
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悦男 荻野
Tetsuro Yoshii
哲朗 吉井
Toshiaki Anzaki
利明 安崎
Tomonori Horiguchi
智則 堀口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アーク放電プラズマを用いて被膜を基体上に被
覆するときに、プラズマ流を垂直に蒸着材料に入射させ
て均一な厚みの被膜を形成する方法を提供する。 【構成】減圧した雰囲気が調節できる成膜室にプラズマ
発生源2と、成膜室6内に水平方向に放電プラズマ流と
して引き出す磁気コイル4および14と、ハースと、ハ
ースに取り付けられアーク放電プラズマ流を下方に曲げ
る磁場形成手段8とを有する蒸発手段を用いる方法で、
ハースに水平磁場を発生させる第2の磁場形成手段を取
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、たとえば複合陰極型プラズマガ
ンの如き放電プラズマ発生源により得られるアーク放電
プラズマを用いて、蒸着源から飛び出た蒸着粒子を基体
に有効に付着させるとともに、大きい面積の基体に均一
な厚みの被膜を形成する方法に関し、とりわけ低抵抗の
透明導電膜を基体上に抵抗分布よく形成するのに好適に
用いられる方法に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、減圧された容器内で基体にスズを添
加した酸化インジウム透明導電膜を被覆する方法とし
て、真空蒸着法、スパッタリング法等が知られている
が、これらの方法では、被覆される基体の温度が300
℃以下では、抵抗率が2×10-4Ωcm以下の低抵抗率
を有する透明導電膜を被覆することは困難であった。基
体の温度が300℃以下で、上記低抵抗率を有する透明
導電膜を被覆する方法として、特開平2−228469
号公報に、複合陰極型プラズマガンから発生したプラズ
マを、蒸着原料が充填されたハースに収束させ、ハース
内の蒸着原料を加熱蒸発させる方法が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】従来技術に開示されているアーク放電プラ
ズマガンとハースとを有する蒸発手段を用いて基体上に
被膜を被覆する方法では、放電プラズマ流がハースに到
達する途中、その進行方向に対して、右側に湾曲(この
現象はプラズマのベクトルEとベクトルBの外積方向へ
のドリフトと呼ばれ、以下単にドリフトと記述する)し
てハースへ収束するため、ハースへの入射方向がハース
に対して垂直方向に維持できなくなる。そのため、ハー
スの上方に飛び出す蒸発粒子数が少く、効率良く蒸着原
料をハース上方の基体に被覆することは困難であるとい
う問題点があった。ベクトルEとベクトルBの外積方向
へのドリフトについて説明する。一様磁界Bと一様な直
流電界Eが存在する場合の荷電粒子のドリフトを考え
る。この時の様子を図1に示す。電界が存在する場合の
荷電粒子の運動方程式は、
【0004】
【数1】 で与えられる。 qs:荷電粒子の電荷量 これを解くと
【0005】
【数2】 を得ることができる。この式から、ドリフト方向は電荷
の符号に無関係であり、プラズマ全体がE方向とB方向
の外積方向へドリフトすることがわかる。この場合は電
界を考えているが、
【0006】
【数3】 により、一般的な力Fによるドリフトに拡張できる。
【0007】特開平2−228469号公報に記載の方
法では、プラズマ流をハースの上で直角に曲げている。
この時荷電粒子には、遠心力がはたらく(図1
(a))。この遠心力を上述の一般的な力Fとみなすこ
とができる。よって、ベクトルF×ベクトルB方向にプ
ラズマはドリフトする(図1(b))。
【0008】ハース内の大部分の蒸着源は、プラズマの
入射する方向に依存して蒸発するので、蒸着源が膜とし
て、ハース上方の基体に付着する割合は小さくなり、こ
れは、蒸着源の利用効率が極めて低いことを意味する。
一方、特開平1−279748号に開示されている放電
プラズマ流の真空槽内に導き出される方向がそれぞれ同
じプラズマ流を複数組用いる方法では、発生するプラズ
マの相互干渉により、各々のプラズマが乱され、そのた
め個々のプラズマの個々のハースへの任意の収束状態を
つくりだすことが困難であった。そのため、蒸発粒子の
飛び出す方向がそれぞれ異なり、大面積の基体に均一に
膜を形成することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明の第1は、減圧した雰囲気が調節で
きる成膜室6の側壁部に設置したプラズマ発生源2と、
前記プラズマ発生源2内で発生させた不活性ガスを含む
アーク放電プラズマを成膜室6内に略水平方向に放電プ
ラズマ流として引き出す磁気コイル4および14と、成
膜室6の底部に設けられたハース7と、前記ハース7に
取り付けられ前記アーク放電プラズマ流を下方に曲げる
磁場形成手段8とを有する蒸発手段を用いて、前記アー
ク放電プラズマ流を前記ハース内に充填した蒸着原料に
収束入射させて前記蒸着原料を蒸発させ、前記ハースの
上方に保持した基体表面に被膜を形成する方法におい
て、前記プラズマ発生源から引き出された直後のアーク
放電プラズマ流と同一方向の水平磁場を形成させる第2
の磁場形成手段24を前記ハースに取付けたことを特徴
とするアーク放電プラズマによる被膜の形成方法であ
る。
【0010】本発明の第2は、減圧した雰囲気が調節で
きる成膜室6の側壁部に設置したプラズマ発生源2と、
前記プラズマ発生源2内で発生させた不活性ガスを含む
アーク放電プラズマを成膜室6内に略水平方向に放電プ
ラズマ流として引き出す磁気コイル4および14と、成
膜室6の底部に設けられたハース7と、前記ハース7に
取り付けられ前記アーク放電プラズマ流を下方に曲げる
磁場形成手段8とを有する蒸発手段を用いて、前記アー
ク放電プラズマ流を前記ハース7内に充填した蒸着原料
に収束入射させて前記蒸着原料を蒸発させ、前記ハース
7の上方に保持した基体表面に被膜を形成する方法にお
いて、前記蒸発手段を2組、それぞれのプラズマ発生源
から引き出された直後のアーク放電プラズマ流の引き出
し方向が平行で、かつ、対向するようにしたことを特徴
とするアーク放電プラズマを用いた被膜の形成方法であ
る。
【0011】成膜室6内に導き出される方向が180度
異なる前記プラズマ流を生成する蒸着手段を櫛状に設置
することによる前記2つのプラズマ流の自己誘導磁場に
より、ハースの真上で90度下方に曲げられた後のプラ
ズマ流にローレンツ力が働き、上記プラズマ流のドリフ
トが打ち消され、プラズマ流がハースに垂直に入射す
る。これによりハースの上方に設置した基体に蒸着源を
有効に付着させ、また大面積の基体に制御良く均一に膜
を形成することが可能である。
【作用】
【0012】本発明の第1においては、ハース下部に水
平方向の磁場を発生させる第2の磁場手段を設けること
により、プラズマ流と磁場の相互作用により、プラズマ
流をハースに垂直に入射させることができる。
【0013】本発明の第2においては、プラズマ発生源
から真空槽へ導き出す隣合うプラズマ流の方向を180
度異なるようにすることにより、互いにそれぞれのプラ
ズマ流から発生する自己誘導磁場により他方のプラズマ
流をハースに垂直に入射させることができる。
【実施例】
【0014】以下に、本発明を実施例に従って説明す
る。図2は本発明の第1により、図3は本発明の第2に
より、それぞれITO透明導電膜を基体上に形成するの
に用いた成膜装置の断面図である。アーク放電プラズマ
13は、アーク放電プラズマ発生源2と底部に永久磁石
8を有しアノードとして作用する蒸着原料をその中に入
れたハース7との間で、プラズマ発生用直流電源5によ
ってアーク放電を行うことで生成される。図3ではこの
機構が、反対側にも櫛形になるよう設けられている。か
かるアーク放電プラズマ発生源2としては、複合陰極型
プラズマ発生装置、又は圧力勾配型プラズマ発生装置、
又は両者を組み合わせたプラズマ発生装置が好ましい。
このようなプラズマ発生装置については、真空第25巻
第10号(1982年)に記載されている。例えば、図
4のような装置が挙げられる。複合陰極型プラズマ発生
装置は、熱容量の小さい補助陰極17と、ホウ化ランタ
ン(LaB6)からなる主陰極18とを有し、該補助陰
極に初期放電を集中させ、それを利用して主陰極LaB
6を加熱し、主陰極LaB6が最終陰極としてアーク放電
を行うようにしたプラズマ発生装置である。補助陰極と
してはW,Ta,Mo等の高融点金属のパイプ状のもの
が挙げられる。主陰極18は円筒19に接して設けら
れ、補助陰極17は円板状熱シールド22を介して保持
されている。円筒19の先端にはタングステンWからな
る円板23が設けられている。水冷機構が設けられた陰
極支持台20の中心部に設けられた放電ガス導入口21
からプラズマ発生用のガスが導入され、そのガスは円板
23の開口部を通過して成膜室6内に導かれ、排気口9
を経て成膜室6外に排気ポンプにより排気される。
【0015】また、圧力勾配型プラズマ発生装置は、陰
極と陽極との間に中間電極を介在させ、陰極領域を1t
orr程度に、陽極領域を10-3torr程度に保って
放電を行うものであり、陽極領域からのイオンの逆流に
よる陰極の損傷がない上に、中間電極のない放電形式の
ものと比較して、放電電子流をつくり出すためのキャリ
アガスのガス効率が飛躍的に高く、大電流放電が可能で
あるという利点を有している。複合陰極型プラズマ発生
装置と、圧力勾配型プラズマ発生装置とは、それぞれ上
記のような利点を有しており、両者を組み合わせたプラ
ズマ発生装置、即ち、陰極として複合陰極を用いるとと
もに中間電極も配したプラズマ発生装置は、上記利点を
同時に得ることが出来るので本発明のアーク放電プラズ
マ発生源として好ましい。
【0016】図2において、放電陰極としてのプラズマ
発生源2、永久磁石3を内蔵した第1中間電極11、磁
気コイル4を内蔵した第2中間電極12、大口径磁気コ
イル14を成膜室6の側壁に設置し、成膜室の底部に永
久磁石8、9を下部に設けたハース7を設け、これらを
一組として一つの蒸着手段とした。ハース7は放電プラ
ズマ13の陽極として、プラズマ発生源2は陰極として
作用する。そして、磁気コイル4により形成された水平
磁場によって成膜室6に引き出された放電プラズマ流1
3を蒸着原料が充填されたハース内に導くために、ハー
ス7の底部に設けた永久磁石8の垂直磁場により、成膜
室6内で下方に約90゜に曲げられ、永久磁石24の水
平磁場Bhにより、E×Bのドリフトはローレンツ力で
打ち消され、プラズマ流は前記ハースに垂直に収束入射
し、蒸着原料を加熱蒸発する。基体15の背面に基体加
熱機構16が設けられている。
【0017】また、図3においては、プラズマ流の真空
槽内に導き出される方向が180度異なり、かつ、基体
の進行方向に対し、直交する方向に2つのハース7が設
置されている(その配置が図5に示される)。それぞれ
のプラズマ流のE×Bドリフトは、お互いに他方のプラ
ズマ流の形成する自己誘導磁場Bsによるローレンツ力
に打ち消され、前記ハースに垂直に収束入射し、蒸発原
料を加熱蒸発する。図6は、プラズマに他方のプラズマ
流による自己誘導磁場BSがかかった瞬間ローレンツ力
とプラズマ流の曲がりとの関係を示す。
【0018】実施例1 実施例1に用いた成膜装置の断面図を図2に示す。成膜
室6内を真空排気ポンプによって2×10-5Torrの
圧力に排気した後、ガラス基板15を200℃に加熱し
た状態で、放電ガス導入パイプ1から放電ガスとしてア
ルゴン(Ar)ガスを約30sccmを導入し、プラズ
マ発生装置にそれぞれ100Aの電流を供給し、ハ−ス
7と永久磁石8、24により構成された2つの電極との
間でアーク放電プラズマを生起させた。図2に示すよう
に、プラズマ流はハースであるアノード電極の真上でハ
ース下に取り付けられた永久磁石8により90゜下方に
曲げられ、そして、ハースの下部に取り付けられた永久
磁石24によりE×Bドリフトが一番大きくなる点で、
プラズマの導き出される方向に水平磁場Bhを発生さ
せ、E×Bドリフトを打ち消し、この水平磁場とプラズ
マ流の相互作用により、ハースにプラズマ流を垂直に収
束入射させ錫をドープした酸化インジウム蒸着原料を加
熱蒸発させた。なお、成膜中は酸素ガスを反応性ガス導
入口10より約50sccm導入した。基板15は10
cm角、厚さ1.1mmのガラス基板を図5に示した成
膜装置の上面断面図の基板進行方向に対して垂直方向に
横1列に8枚並べて配置した。そして、基板を図7に示
す方向に一定速度で移動させ、ITO膜を成膜した。ま
た、得られたITO膜の膜厚みの測定は、図5の左端の
ガラス基板の左端をゼロ位置として一定間隔毎に行っ
た。図8に、上記の方法で得たITO膜の膜厚分布を示
す。ハース真上で膜厚は最大となっており、それを中心
として、膜厚が対称になっていた。よって、プラズマ流
はハースに垂直に収束入射している。
【0019】実施例2 実施例2に用いた成膜装置の断面図を図3に示す。成膜
室6内を真空排気ポンプによって2×10-5Torrの
圧力に排気した後、ガラス基板15を200℃に加熱し
た状態で、放電ガス導入パイプ1から放電ガスとしてア
ルゴン(Ar)ガスを約30sccmを導入し、2つの
プラズマ発生装置にそれぞれ100Aの電流を供給し、
ハ−ス7と永久磁石8により構成された2つの電極との
間でアーク放電プラズマを生起させた。図3に示すよう
に、プラズマ流はハースであるアノード電極の真上でハ
ース下に取り付けられた永久磁石8により90゜下方に
曲げられる。この時、プラズマのE×Bドリフトが存在
するが、それぞれのプラズマ流により発生された自己誘
導磁場Bsにより、前記ドリフトは打ち消され(図
6)、ハースにプラズマ流は垂直に収束入射され、錫を
ドープした酸化インジウム蒸着原料を加熱蒸発させる。
なお、成膜中は酸素ガスを反応性ガス導入口10より約
50sccm導入した。基板15は10cm角、厚さ
1.1mmのガラス基板を図5に示した成膜装置の上面
断面図の基板進行方向に対して垂直方向に横1列に8枚
並べて配置した。そして、基板を図5に示す方向に一定
速度で移動させ、ITO膜を成膜した。また、得られた
ITO膜の膜厚みと比抵抗の値の測定は、図5の左端の
ガラス基板の左端をゼロ位置として一定間隔毎に行っ
た。
【0020】また、それぞれのハースから蒸発した蒸着
粒子による膜厚分布を調べるため、必要に応じそれぞれ
のハースに蒸着原料の代わりに高融点材料をおき、それ
ぞれ単独での膜厚分布を調べた結果を図9に示す。図9
(a)は、図5の基板進行方向に対して左側の蒸着手段
により成膜された膜厚分布であり、図9(b)は同様の
右側の蒸着手段により成膜された膜厚分布である。それ
ぞれは実施例1と同様の膜厚分布をもっている。
【0021】図10(a),(b)に両方で成膜したと
きのITO膜の膜厚分布と、抵抗率分布をそれぞれ示
す。膜厚±5%以内、かつ抵抗率1.5×10-4Ω・c
m以上1.8×10-4Ω・cm以下のITO膜を成膜で
きる範囲は、基体左端から10cmの位置から70cm
の位置までの60cmの範囲であることがわかった。基
板進行方向に対しては、膜厚、抵抗率分布がなかったこ
とから、一辺が60cmの基板に膜厚±5%以内、かつ
抵抗率1.5×10-4Ω・cm以上1.8×10-4Ω・
cm以下の均一および均質なITO膜を成膜することが
できる。
【0022】比較例1 実施例1で設けたハース下部の永久磁石24を取り除い
たことの他は、実施例1と同じようにしてITOの成膜
を行った。得られた膜の膜厚分布を図11に示す。ハー
ス真上で膜厚は最大値となっていない。また、ハースの
真上を中心として、その左右で対称となっていなかっ
た。
【0023】比較例2 比較例1で用いた蒸着手段を図12のように(特開平1
−279748号に開示されているのと同じように)引
きだした直後のプラズマ流が同一方向になるように2つ
併置し、実施例1と同じ成膜条件で成膜した時の膜厚、
抵抗率分布を図13(a)、(b)に示す。膜厚±5%
以内、かつ抵抗率1.5×10-4Ω・cm以上1.8×
10-4Ω・cm以下のITO膜を成膜できる範囲は、基
体左側から20cmの位置から43cmの位置の23c
mの範囲であることがわかった。したがって、一辺が2
3cm以内の基板で膜厚±5%以内、かつ抵抗率1.5
×10-4Ω・cm以上1.8×10-4Ω・cm以下のI
TO膜を成膜することができる。これは、実施例2に比
べ、均一な膜を成膜できる基板の面積が小さくなったこ
とを意味する。
【発明の効果】
【0024】本発明によれば、プラズマ流をハースに垂
直に収束入射することができ、ハースの真上を中心に蒸
着源が蒸発するため、有効に、蒸着源から飛び出た蒸着
粒子を上方の基体に付着させるとともに、膜厚分布を制
御しやすく、膜厚分布のよい被膜を大面積の基体に被覆
することができる。また、ITO膜を成膜するにあたっ
ては、抵抗率分布のよい被膜をより大きい面積の基体に
被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ流のURガンから、ハースまでの様子
を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施に用いた成膜装置の一部断
面図である。
【図3】本発明の第2の実施に用いた成膜装置の一部断
面図である。
【図4】本発明に用いた放電プラズマ発生源の一例の断
面図である。
【図5】本発明の実施例2で用いた成膜装置の一部平面
図である。
【図6】ハースへのプラズマ流の収束状態を説明する図
である。
【図7】本発明の実施例1で用いた成膜装置の一部平面
図である。
【図8】実施例1で得られた被膜の膜厚分布を示す図で
ある。
【図9】実施例2で得られたそれぞれの蒸発手段より得
られた被膜の膜厚分布を示す図である。
【図10】実施例2で得られた被膜の膜厚分布と抵抗率
分布を示す図である。
【図11】比較例1で得られた被膜の膜厚分布を示す図
である。
【図12】比較例2で用いた成膜装置の一部平面図であ
る。
【図13】比較例2で得られた被膜の膜厚分布と抵抗率
分布を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・放電ガス導入口、2・・・・・プラズマ発
生源、3・・・・・永久磁石、4・・・・・磁気コイル
、5・・・・・放電電源、6・・・・・成膜室、7・
・・・・ハース、8・・・・・永久磁石、9・・・・・
排気ポンプ、10・・・・反応性ガス導入口、11・・
・・第1中間電極、12・・・・第2中間電極、13・
・・・プラズマ流、14・・・・大口径磁気コイル、1
5・・・・基体、16・・・・基体加熱機構、17・・
・・Taパイプの補助陰極、18・・・・LaB6主陰
極、19・・・・Moからなる円筒、20・・・・ステ
ンレスからなる陰極支持台、21・・・・放電ガス導入
口、22・・・・Moからなる円板状の熱シールド、2
3・・・・陰極を保護するためのWからなる円板、24
・・・・永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀口 智則 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧した雰囲気が調節できる成膜室6の側
    壁部に設置したプラズマ発生源2と、前記プラズマ発生
    源2内で発生させた不活性ガスを含むアーク放電プラズ
    マを成膜室6内に略水平方向に放電プラズマ流として引
    き出す磁気コイル4および14と、成膜室6の底部に設
    けられたハース7と、前記ハース7に取り付けられ前記
    アーク放電プラズマ流を下方に曲げる磁場形成手段8と
    を有する蒸発手段を用いて、前記アーク放電プラズマ流
    を前記ハース内に充填した蒸着原料に収束入射させて前
    記蒸着原料を蒸発させ、前記ハースの上方に保持した基
    体表面に被膜を形成する方法において、前記プラズマ発
    生源から引き出された直後のアーク放電プラズマ流と同
    一方向の水平磁場を形成させる第2の磁場形成手段24
    を前記ハースに取付けたことを特徴とするアーク放電プ
    ラズマによる被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記蒸発手段を複数組、それぞれのプラズ
    マ発生源から引き出された直後のアーク放電プラズマ流
    の引き出し方向が互いに平行となるように配置し、前記
    基体を前記プラズマ発生源から引き出された直後の方向
    と平行な方向に移動させる請求項1に記載のアーク放電
    プラズマによる被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】減圧した雰囲気が調節できる成膜室6の側
    壁部に設置したプラズマ発生源2と、前記プラズマ発生
    源2内で発生させた不活性ガスを含むアーク放電プラズ
    マを成膜室6内に略水平方向に放電プラズマ流として引
    き出す磁気コイル4および14と、成膜室6の底部に設
    けられたハース7と、前記ハース7に取り付けられ前記
    アーク放電プラズマ流を下方に曲げる磁場形成手段8と
    を有する蒸発手段を用いて、前記アーク放電プラズマ流
    を前記ハース7内に充填した蒸着原料に収束入射させて
    前記蒸着原料を蒸発させ、前記ハース7の上方に保持し
    た基体表面に被膜を形成する方法において、前記蒸発手
    段を2組、それぞれのプラズマ発生源から引き出された
    直後のアーク放電プラズマ流の引き出し方向が平行で、
    かつ、対向するようにしたことを特徴とするアーク放電
    プラズマを用いた被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記基体を、前記プラズマ発生源から引き
    出した直後のアーク放電プラズマ流の前記引き出し方向
    に移動させる請求項3に記載のアーク放電プラズマを用
    いた被膜の形成方法。
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