JP3865841B2 - 電子ビーム蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に薄膜を成膜する技術にかかり、特に、電子ビームを用いた電子ビーム蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空雰囲気内で薄膜の材料となる物質を蒸発させ、基板表面に付着させて成膜する技術は真空蒸着技術と呼ばれており、古くは、成膜材料が配置されたタングステンフィラメント等のヒーター材を発熱させることでその成膜材料を高温に加熱して蒸発させることが行われていた。近年では、そのような技術に替え、成膜材料に電子ビームを照射して蒸発させる電子ビーム蒸着技術や、成膜材料をるつぼ内に配置してヒーターで加熱し、高周波コイルでイオン化させてイオンプレーティングを行う蒸着技術が主流になっている。
【0003】
このような電子ビーム蒸着技術のうち、従来行われているものを説明すると、図6(a)を参照し、101は電子銃型の電子ビーム蒸着装置であり、成膜材料106が納められた銅製のるつぼ107が真空室140の底面に配置され、該るつぼ107の上方に被成膜対象である基板104が配置され、前記るつぼ107の斜め上方に配置された電子銃120から射出される電子ビーム105が前記成膜材料106に照射されるように構成されている。
【0004】
前記電子ビーム105は、前記電子銃120に設けられたエミッタであるタングステンフィラメント121によって発生され、前記タングステンフィラメント121と前記成膜材料106との間で、アノード122と収束レンズ123と偏向コイル124の順で設けられた加速、偏向装置によって照射位置が制御されるように構成されている。
【0005】
前記真空室140内が高真空状態にされた後、前記るつぼ107を水冷すると供に、照射位置を変えながら前記電子ビーム105を前記成膜材料106に照射すると、電子の持つエネルギーが成膜材料106に吸収されて熱エネルギーに変換され、成膜材料物質が蒸発して蒸気流108が発生する。この蒸気流108が前記基板104表面に到達して付着すると前記基板104表面に成膜材料物質の薄膜を形成されることとなる。
【0006】
他の従来技術の電子ビーム蒸着技術を説明すると、図6(b)を参照し、符号111は磁界を偏向させる材料陽極型の電子ビーム蒸着装置であり、この電子ビーム蒸着装置111は、銅製で水冷可能に構成されたるつぼ117と、該るつぼ117の側方に配置されたエミッタであるタングステンフィラメント130と、前記るつぼ117の裏面に配置された電磁コイル119とを有しており、前記タングステンフィラメント130から射出された電子流115は前記電磁コイル119の作る磁界によって偏向され、るつぼ117内に置かれた成膜材料116に照射されて蒸気流118を発生するように構成されている。
【0007】
従来のイオンプレーティングを行う蒸着装置を説明すると、図6(c)を参照し、符号152はその蒸着装置であり、真空室150を有している。該真空室150内の底面には、ヒーター156が気密に設けられ、真空室外に配置された電源155によって、該ヒーター156上に配置された成膜材料157を加熱できるように構成されている。
【0008】
前記成膜材料157の上方には、高周波コイル161と基板ホルダー164がこの順で設けられており、前記基板ホルダー164の前記成膜材料157と対向する面には、基板154が配置されている。
【0009】
前記真空室150に設けられたガス導入孔171から不活性ガス172を導入し、前記ヒーター156で前記成膜材料157を加熱して蒸気流153を発生させると供に、前記高周波コイル161に接続された高周波電源163を起動して、不活性ガス172と前記蒸気流153とでプラズマ162を発生させ、前記基板ホルダー164に接続された直流電源165によって前記基板154にバイアス電圧を印加すると、蒸気流153と供にイオンが基板154に入射されるので、該基板154表面に薄膜を成膜することが可能となる。
【0010】
以上のような電子ビーム蒸着装置101、111を用いる場合は、投入パワー密度を103W以上と高くでき、数千Å/secの成膜速度を得ることが可能となる。また、成膜材料の加熱される部分は電子ビームが照射される蒸発面だけであるので、ヒーター等を用いた加熱蒸発の場合に問題となるような、成膜材料と発熱体との反応が生じることがないので、基板表面に高純度薄膜を成膜することが可能となる。
【0011】
また、前述の蒸着装置152を用いれば、プラズマ中のイオンが加速されて前記基板154に入射するので、密着性のよい薄膜を成膜することが可能となる。
【0012】
しかしながら、成膜材料をるつぼ内に納める電子ビーム蒸着装置やイオンプレーティングを行う蒸着装置では、成膜材料を真空室底面に配置せざるを得ず、また、それに対向させるために、基板を真空室の上方に配置する構成を採用せざるを得ない。その場合、基板の周囲に付着した成膜物質が剥離してダストの発生源となりやすく、剥離した成膜物質が成膜材料上に落下した場合には、それが不純物となって薄膜の純度を低下させてしまうという不都合がある。
【0013】
また、近年ではシリコンウェハーやLCD表示装置のガラス基板等の大型化、薄型化が進んでいるが、従来技術の装置のように、基板を水平に支持した場合には、撓みや歪みが発生するため、基板変形が発生してしまうという問題もある。
【0014】
近年では基板の両面に薄膜を成膜したい場合も多くなっているが、従来の電子ビーム蒸着装置やイオンプレーティングを行う蒸着装置では、片面しか成膜できず、その場合には基板自重による変形の他、基板に加えられる熱や薄膜の応力による基板変形も問題視されている。
【0015】
更に、蒸着工程の前後の工程には、基板を縦にして成膜を行うスパッタ装置やCVD装置が使用される場合があり、このような一連の工程を基板搬送機構によって基板を移動させながら処理する装置も検討されているが、従来の蒸着装置では、基板支持台車や基板の加熱・冷却装置との接続性が悪く、解決が望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたもので、その目的は、大型基板や薄型基板等の変形を起こしやすい基板表面の成膜に適した電子ビーム蒸着装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明装置は、真空排気可能に構成された真空室と、該真空室内に配置されるべき固体成膜材料の蒸発面に電子ビームを照射する電子ビーム発生装置とを有し、前記真空室内に搬入された基板上に薄膜を成膜する電子ビーム蒸着装置であって、前記真空室の槽壁に設けられた複数の差動排気室と、前記各差動排気室に設けられた複数のローラと、前記差動排気室をそれぞれ通り、端部が前記真空室の外部に位置し、中間部が前記真空室内に位置し、前記差動排気室内では表面と裏面が前記ローラに密着された第一、第二の固体成膜材料と、前記真空室に接続され、前記真空室内を真空排気する真空ポンプと、前記各差動排気室に接続され、前記各差動排気室を真空排気する排気装置と、前記第一、第二の固体成膜材料を、表面が前記基板と平行な状態を維持しながら移動させる移動機構とを有し、前記基板は、前記真空室内の前記第一、第二の固体成膜材料の間の位置に配置され、前記基板の成膜面が鉛直になるように構成され、前記第一、第二の固体成膜材料は、前記基板と平行に向き合うように配置された電子ビーム蒸着装置である。
請求項2記載の発明は、前記移動機構は、前記電子ビームの照射位置と、前記基板との相対的な位置関係を変えないように前記第一、第二の固体成膜材料を移動させる請求項1記載の電子ビーム蒸着装置である。
【0018】
上述したような本発明の構成によれば、基板の成膜面が、真空排気可能に構成された真空室内で鉛直に配置されるので、基板の底面に基板支持台を設けたり、基板を吊り下げたりするだけで基板を支持できるので、基板は変形することがなく、また、ダストの発生も減少する。
【0019】
その場合、特に、固体成膜材料を基板の両側に配置できるので、各固体成膜材料に電子ビームを照射して、一つの真空室内で基板を移動させずに基板両面に薄膜を成膜することが可能となる。このとき、基板の両面に同時に薄膜を成膜すれば、成膜時に生じる基板変形を小さくすることができるし、また、スループットを向上させることが可能となる。
【0020】
また、予め、電子ビームが照射される固体成膜材料の蒸発面を平面状に形成し、前記成膜面と略平行になるように配置し、蒸発面内での電子ビーム照射位置を移動させるようにすれば、基板表面に成膜される薄膜の膜厚分布や膜質の面内均一性を向上させることができて都合がよい。この場合も、基板表面や固体成膜材料表面にダストが落下することがない。
【0021】
更に、固体成膜材料を移動できるようにしておけば、使用効率を一層高めることができるが、前記固体成膜材料を平板状に成形しておき、大気を侵入させることなく、真空室の外部から内部へ連続的に供給できるように構成しておくと、固体成膜材料の寿命を飛躍的に長くすることができ、メンテナンス作業を行う回数を減少させることができる。
【0022】
そして、固体成膜材料の蒸発面と基板との間に高周波コイルを配置し、その高周波コイルに高周波電圧を印加すると、その付近にプラズマ放電領域が形成され電子ビームで発生された蒸気の一部がイオン化されてイオンプレーティングを行うことが可能となる。
【0023】
この場合、真空室内にガスを導入しなくてもよいが、前記蒸気流によってプラズマは維持できるが、前記真空室内に不活性ガスを導入した場合には、プラズマを安定化できるし、反応性ガスを導入した場合には、反応性イオンプレーティングを行うことが可能となる。
【0024】
更に、基板にバイアス電圧を印加できるようにしておくと、放電電圧とは独立にイオンの加速電圧を制御できるようになるため、高エネルギー粒子を基板に入射させることができ、薄膜の膜質や密着性を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1の符号2は、本発明に関連する第1の参考例の形態の電子ビーム蒸着装置であり、真空室18を有している。該真空室18内の底面には基板支持台11が設けられており、この基板支持台11には、基板(ガラス基板)の着脱が可能に構成された凹部が設けられている。
【0026】
この真空室18の外部には図示しない基板搬送機構が設けられており、その基板搬送機構によって、略鉛直にした状態で前記真空室18内に基板を搬入し、前記凹部に装着すると、その基板4の成膜面141、142が鉛直になるように構成されている(本発明では重力方向を「鉛直」と称する。)。
【0027】
この基板支持台11の両側には、バッキングプレート71、72が設けられており、前記各バッキングプレート71、72の表面には、化合物蒸発材料(MgO、Al23等)が平板状に成形されて成る固体成膜材料61、62が配置され、それら固体成膜材料61、62の周辺部に設けられた固定金具91、92によって前記各バッキングプレート71、72の表面に押しつけられ、脱落しないように支持されている。なお、固定金具91、92の代わりに前記固定成膜材料61、62の裏面を低融点金属によって前記バッキングプレート71、72の表面にボンディングするようにしてもよい。
【0028】
この電子ビーム蒸着装置2の平面図(I−I線断面図)を図2に示すと、前記各固体成膜材料61、62の側方に位置する真空室4の部分には、2台の電子ビーム発生装置101、102が気密に設けられており、前記真空室18に接続された図示しない真空ポンプを起動して高真空状態にした後、電子ビーム51、52を照射すると前記固体成膜材料61、62表面が加熱される。この固体成膜材料61、62は加熱によって昇華する材料で構成されているので、その表面である蒸発面161、162の部分は瞬間的に蒸発し、蒸気流81、82が発生する。この蒸気流81、82が前記基板4の成膜面141、142に到達して薄膜121、122が成膜される。
【0029】
ところで、この電子ビーム発生装置101、102は前記電子銃120と同様に、電子ビームを偏向させる偏向コイルを有しており、図3に示すように、その偏向コイルによって磁場の向き15を上下左右に変化させれば、固体成膜材料61、62に照射される電子ビーム51、52の位置を上下左右に移動させることができ、各固体成膜材料61、62表面から均等に蒸気流81、82を発生させられるように構成されている。
【0030】
このとき、前記各バッキングプレート71、72は、前記固体成膜材料61、62の蒸発面161、162が鉛直になるように配置されており、且つ、前記基板支持台11に鉛直に支持された基板4と略平行に対向して位置するようにされているので、前述したように電子ビーム51、52の照射位置を移動させると、前記基板4の両面の成膜面141、142に同時に成膜される前記薄膜121、122の面内均一性(膜厚、膜質)が良好となる。
【0031】
なお、前記各バッキングプレート71、72内に冷却水循環経路131、132を設け、その冷却水循環経路131、132内に冷却水を流すようにすれば、前記固体成膜材料61、62の局部加熱ができるので、加熱時に放出されるガスの影響が殆どなく、蒸発速度のシビアな制御ができ、連続作業の信頼性が向上するなどの利点があり、特に金属酸化物その他の化合物の蒸着に都合がよい。
【0032】
次に、本発明に関連する第2の参考例の電子ビーム蒸着装置を、図4の符号22に示して説明する。この図4では、上述の電子ビーム蒸着装置2と共通する部材には共通の符号を付すものとする。
この電子ビーム蒸着装置22は、前述の電子ビーム蒸着装置2と同様に、真空室18を有しており、該真空室18内に固体成膜材料61、62を略鉛直に支持するようにバッキングプレート71、72が設けられている。各バキッキングプレート71、72は互いに平行に配置されており、図示しない搬送機構によって略鉛直にされた状態で基板4が搬入され、前記各固体成膜材料61、62と平行になるように配置されている。
【0033】
この電子ビーム蒸着装置22では、前記固体成膜材料61、62と前記基板4との間には、高周波コイル211、212がそれぞれ配置されており、各高周波コイル211、212の一端は、前記真空室18の側面に設けられた絶縁部材231、232を介して大気中に気密に導出され、高周波電源241、242に接続されている。
【0034】
前記真空室18に接続された図示しない真空ポンプを起動して、真空室18内を高真空状態にした後、前記高周波電源241、242を起動して前記高周波コイル211、212に13.56MHzの高周波を印加しながら、前記真空室18に設けられた前記電子ビーム発生装置101、102を起動して、前記固体成膜材料61、62の蒸発面161、162に電子ビーム551、552を照射すると、前記蒸気流81、82が電離され、固体成膜材料61、62表面近傍にプラズマ251、252が発生する。
【0035】
前記基板4は、絶縁部材233を介して真空室外に配置されたバイアス電源26に接続されており、該バイアス電源26を直流電源として用い、前記基板4を負電圧にバイアスすると、各プラズマ251、252内で発生された前記蒸気流81、82の正イオン271、272が前記基板4に入射するので、前記基板4の成膜面141、142にイオンプレーティングによる成膜を行うことが可能となる。
【0036】
その場合、前記高周波コイル211、212に付着した薄膜が剥離しても、固体成膜材料61、62の表面や基板4の表面に落下することはないので、欠陥のない薄膜を成膜することが可能となる。
【0037】
なお、前記電子ビーム発生装置101、102は、電子ビーム51、52の照射位置を移動させながら蒸気流81、82を発生させられるように構成されており、この電子ビーム蒸着装置22でも、基板4の表面に成膜される薄膜の膜厚分布や膜質の面内均一性を向上させることができる。
【0038】
また、前記真空室18には、ガス導入孔35、36が設けられており、例えば、前記成膜の際に、そのガス導入孔35、36の一方から流量制御しながら酸素ガスを導入すれば、前記プラズマ251、252により、導入酸素ガスが活性化されるので、この電子ビーム蒸着装置22を使用して、前記基板4表面にアルミナ(Al23)や、シリカ(SiO2)、ITO膜(酸化インジウムと酸化錫の合金)等の金属酸化物薄膜を成膜することもできるように構成されている。なお、この場合、他方のガス導入孔からアルゴンガスを導入してプラズマを安定化させてもよい。
【0039】
また、前記バイアス電源26を交流電源で構成してもよく、前記基板4に交流バイアスを印加した場合には、基板のチャージアップを防止することができるし、更に、前記基板4に、負の直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧を印加するようにしてもよい。
【0040】
次に、本発明の実施の形態を図5の符号52に示して説明する。
この電子ビーム蒸着装置52は、真空室68を有しており、その内部には基板54が略垂直に配置されている。
【0041】
前記真空室68には、4つの差動排気室71a、71b、72a、72bが設けられており、横長の平板状に成形された固体成膜材料561、562が、前記各差動排気室71a、71b、72a、72bを介して、前記真空室68を貫通させられており、その結果、各固体成膜材料561、562の端部は前記真空室68外に位置し、中間部は前記真空室68内に位置するように構成されている。
【0042】
前記真空室68には電子ビーム発生装置601、602と図示しない真空ポンプとが設けられており、この電子ビーム蒸着装置52でも、その真空ポンプを起動して前記真空室68内を高真空状態にした後、前記各電子ビーム発生装置601、602を起動して、照射位置を移動させながら前記固体成膜材料561、562の蒸発面661、662に電子ビーム551、552を照射すると、発生した蒸気流581、582が前記基板54の成膜面641、642上に入射して薄膜621、622を成膜できるように構成されている。
【0043】
前記固体成膜材料561、562には、図示しない移動機構が設けられており、各固体成膜材料561、562は、電子ビームが照射される領域と前記基板54の成膜面621、622との相対位置関係を変えないように、略平行な状態を維持しながら移動できるように構成されている。
【0044】
前記各差動排気室71a、71b、72a、72b内部には複数のローラー67が設けられ、前記固体成膜材料561、562と密着されており、また、図示しない真空差動排気装置が接続されており、前記固体成膜材料561、562の移動の際には各ローラー67が気密に回転するとともに、前記真空差動排気装置が各差動排気室71a、71b、72a、72b内部を排気するので、前記真空室68内には大気は侵入せず、高真空状態に保てるように構成されている。
【0045】
この電子ビーム蒸着装置22を用い、前記固体成膜材料561、562を一定速度で移動させた場合には、前記蒸発面661、662の全域に均等に電子ビーム551、552を照射することができるので、固体成膜材料561、562の蒸発面661、662の面積は、真空室内に静置されるような前述の固体成膜材料61、62の蒸発面161、162に比べると大面積にでき、成膜時間を長くすることが可能となる。また、前記真空室68外には種々の装置を配置できるので、成膜中でも前記固体成膜材料561、562のクリーニング等のメンテナンス処理を行うことが可能となる。
【0046】
なお、前記固体成膜材料561、562は、一定速度で移動させる場合の他、間欠的に移動させたり、成膜対象の基板を交換する毎に移動させるようにしてもよい。
【0047】
以上は、2つの固体成膜材料を、鉛直に配置された1枚の基板の両面に1つずつ配置した場合を説明したが、2枚の基板を、互いに成膜面が外側に向くように鉛直に配置し、それら2枚の基板の各表面に薄膜が成膜されるようにしてもよい。また、鉛直に配置した基板の片側にだけ固体成膜材料を配置した電子ビーム蒸着装置も本発明に含まれる。更に、鉛直に配置された基板両側の成膜面に、それぞれ1つあるいは2つ以上の固体成膜材料を配置した電子ビーム蒸着装置も本発明に含まれる。特に、異なる物質で構成された2つ以上の固体成膜材料が配置された基板の面には、異なる物質の蒸気流が到達するので、基板表面で化学反応を生じさせて薄膜を形成することが可能となる。
【0048】
また、上記電子ビーム蒸着装置2、52では2台の電子ビーム発生装置101、102や、2台の電子ビーム発生装置601、602を用いたが、1台の電子ビーム発生装置で2つの固体成膜材料に電子ビームを照射するようにしてもよい。更にまた、3台以上の電子ビーム発生装置を用いてもよい。
基板の両側に固体成膜材料を配置した場合には、各固体成膜材料に同時に電子ビームが照射されるようにしてもよいし、交互に照射されるようにしてもよい。
【0049】
更に、固体成膜材料は化合物に限定されるものではなく、昇華性のある固体状の物質や、電子ビームが照射されると瞬間的に蒸発する物質であればよい。また、その形状が平板状である場合は冷却効率が高くて好ましいが、必ずしもその形状に限定されるものではない。その場合、電子ビームが照射される蒸発面を平面にしておけば基板の成膜面と平行にできるので、基板表面に成膜される薄膜の面内均一性を向上させることができる。但し、本発明は、蒸発面と基板表面とを平行に配置する場合に限定されるものではない。
【0050】
なお、上記各実施の形態では、基板支持台によって基板を鉛直に指示する場合について説明したが、基板を吊り下げて鉛直にする電子ビーム蒸着装置も本発明に含まれる。また、固体成膜材料を支持する部材はバッキングプレートに限定されるものではなく、固体成膜材料を吊り下げてもよいし、吊り下げながら移動させてもよい。
【0051】
更に、本発明の電子ビーム蒸着装置は基板や固体成膜材料(ターゲット)を鉛直に配置搬送することから、前後の工程で基板を鉛直配置するスパッタリング装置やCVD装置が使われる場合には、基板搬送機構の共通化が図れ、設計工数や製作コストの大幅な削減を期待できる。
【0052】
【発明の効果】
大型基板や薄型基板が撓むことがないので基板変形を小さくできる。
ダスト発生源が減少し、また、発生したダストも基板や固体成膜材料表面に落下することがなくなる。
また、真空室内に固体成膜材料を複数配置できるので、一つの真空室内で基板の両面に薄膜を成膜したり、2枚以上の基板に同時に薄膜を成膜することが可能となり、成膜装置全体を小型化できる。
基板の両面に薄膜を同時に成膜る場合には、基板変形を一層小さくすることができ、また、スループットを向上させることができる。
【0053】
高周波コイルを用いた場合は、膜欠陥のないイオンプレーティングを行うことが可能となる。
固体成膜材料を移動させるようにすれば、成膜処理時間を長くすることができる。
固体成膜材料の蒸発面の面積は、真空室内に静置されるような前述の固体成膜材料の蒸発面に比べると大面積にでき、成膜時間を長くすることが可能となる。
また、前記真空室外には種々の装置を配置できるので、成膜中でも前記固体成膜材料のクリーニング等のメンテナンス処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例である電子ビーム蒸着装置の側面を示す図
【図2】 その平面断面図
【図3】 電子ビーム照射位置の移動を説明するための図
【図4】 本発明の第2の参考例である電子ビーム蒸着装置の側面を示す図
【図5】 本発明の実施の形態である電子ビーム蒸着の平面図
【図6】 (a)電子銃を用いた従来技術の電子ビーム蒸着装置の一例
(b)陽極型の従来技術の電子ビーム蒸着装置の一例
(c)イオンプレーティングを行う従来技術の蒸着装置の一例
【符号の説明】
2、22、52……電子ビーム蒸着装置 4、54……基板 51、52、551、552……電子ビーム 61、62、561、562……固体成膜材料 71、72……バッキングプレート 11……基板支持台 121、122、621、622……薄膜 141、142、641、642……成膜面 161、162、661、662……蒸発面

Claims (2)

  1. 真空排気可能に構成された真空室と、
    該真空室内に配置されるべき固体成膜材料の蒸発面に電子ビームを照射する電子ビーム発生装置とを有し、
    前記真空室内に搬入された基板上に薄膜を成膜する電子ビーム蒸着装置であって、
    前記真空室の槽壁に設けられた複数の差動排気室と、
    前記各差動排気室に設けられた複数のローラと、
    前記差動排気室をそれぞれ通り、端部が前記真空室の外部に位置し、中間部が前記真空室内に位置し、前記差動排気室内では表面と裏面が前記ローラに密着された第一、第二の固体成膜材料と、
    前記真空室に接続され、前記真空室内を真空排気する真空ポンプと、
    前記各差動排気室に接続され、前記各差動排気室を真空排気する排気装置と、
    前記第一、第二の固体成膜材料を、表面が前記基板と平行な状態を維持しながら移動させる移動機構とを有し、
    前記基板は、前記真空室内の前記第一、第二の固体成膜材料の間の位置に配置され、
    前記基板の成膜面が鉛直になるように構成され
    前記第一、第二の固体成膜材料は、前記基板と平行に向き合うように配置された電子ビーム蒸着装置。
  2. 前記移動機構は、前記電子ビームの照射位置と、前記基板との相対的な位置関係を変えないように前記第一、第二の固体成膜材料を移動させる請求項1記載の電子ビーム蒸着装置。
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