JP2000144003A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JP2000144003A
JP2000144003A JP31439998A JP31439998A JP2000144003A JP 2000144003 A JP2000144003 A JP 2000144003A JP 31439998 A JP31439998 A JP 31439998A JP 31439998 A JP31439998 A JP 31439998A JP 2000144003 A JP2000144003 A JP 2000144003A
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JP
Japan
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hydrogen atom
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JP31439998A
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Toru Nishimura
西村  透
Hideo Sano
秀雄 佐野
Masahiro Yamada
昌宏 山田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録用として普通紙に記録し
ても鮮明なイエロー色系の記録物を得ることができ、印
字濃度、耐水性及び耐光性が優れているほか保存安定性
も良好な記録液を提供すること。 【解決手段】 水性媒体と遊離酸の形が下記一般式
(I)で示される色素及び下記一般式(II)で示される
色素から選ばれる少なくとも1種の色素を含有すること
を特徴とする記録液。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録液に関するもの
である。詳しくはインクジェット記録に適した記録液に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】直接染料や酸性染料等の水溶性染料を含
む記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから飛翔させて
記録を行う、いわゆるインクジェット記録方法が実用化
されている。この記録液に関しては、電子写真用紙のP
PC(プレイン ペーパー コピア)用紙、ファンホー
ルド紙(コンピューター等の連続用紙)等の一般事務用
に汎用される記録紙に対する定着が速く、しかも印字物
の印字品位が良好であること、即ち印字ににじみがなく
輪郭がはっきりしていることが要求されると共に、記録
液としての保存時の安定性も優れていることが必要であ
り、従って使用できる溶剤が著しく制限される。
【0003】一方、記録液用の染料に関しては、上記の
ような限られた溶剤に対して充分な溶解性を有すると共
に、記録液として長期間保存した場合にも安定であり、
また印字された画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光
性に優れていること等が要求されるが、これ等の多くの
要求を同時に満足させることは困難であった。このため
種々の方法(例えば特開昭59−8775、特開昭59
−226072、特開昭60−94477、特開昭61
−2771、特開昭61−101572、特開平4−2
33975、特開平7−126560、特開平7−31
6446)が提案されているが市場の要求を充分に満足
するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録用、筆記用具用等として、普通紙に記録した場
合にも印字品位が良好であると共に、記録画像の濃度が
高く、耐光性や耐水性及び記録画像の色調に優れてお
り、長期間保存した場合の安定性が良好であるイエロー
色の記録液を提供することを目的とするものである。
【0005】特に、従来より記録液に使用するイエロー
色素においては、耐水性が良好であり、かつ被記録材が
主にパルプ抄造紙であるので、セルロースに対する親和
力が高い、すなわち直接性の高い市販の染料(例えば硫
化染料、アゾイック染料等)は色調が不鮮明であり、逆
に色調の鮮明な酸性染料は、耐水性が劣ることから、色
調と耐水性の両者を満足するイエロー色素の開発が望ま
れていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、記録液成
分である色素として、モノアゾ系色素2分子を特定の構
造の結合基を介して連結した色素を使用した場合に、従
来公知のイエロー色素に比べて総合的にバランスした性
能を有すること、特に色調と耐光性の両者をバランスし
て備えた記録液がえられ、上記の目的が達成されること
を確認し、本発明を達成したものである。即ち本発明の
要旨は、遊離酸の形が下記一般式(I)で表される色素
及び下記一般式(II)で示される色素から選ばれる少な
くとも1種の色素、更にはこれを含有することを特徴と
する記録液に存する。
【0007】
【化19】
【0008】[式中、A1 およびA2 は少なくとも1つ
の−SO3 H基で置換されているフェニル基、又はナフ
チル基を表わし、R1 、R2 、R3 及びR4 は各々独立
に、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜4のア
ルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルコ
キシ基、−NHCOR5 基(但し、R5 は−NH2 又は
炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)、ハロゲン原
子、および−CN基から選ばれる基を表わし、X1 及び
2 は夫々独立に−NR6 7 基又は−OR8 基(但
し、R6 、R7 及びR8 は、各々独立に水素原子、炭素
数1〜8のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基、
アリール基、アラルキル基、シクロヘキシル基、または
含窒素複素環基を表わし、これらのうち水素原子以外は
置換基を有していてもよく、また、R6 及びR7 は結合
される窒素原子と共に5〜6員環を形成していてもよ
い。)を表わし、Y1 は下記一般式(III)〜(VI)のい
ずれか1つで示される基及びA群の基から選ばれる二価
の結合基を示す。]
【0009】
【化20】
【0010】(式中、B1 及びB2 は各々独立に下記の
一般式(II−a)又は(II−b)
【0011】
【化21】
【0012】(式(II−a)中、R16は炭素数1〜4の
アルキル基を表わし、R17は水素原子、−CN基、−C
ONH2 基、又は−COOH基を表わし、R18は水素原
子、あるいは、置換又は未置換の炭素数1〜4のアルキ
ル基を表わす。)
【0013】
【化22】
【0014】(式(II−b)中、R19は水素原子、メチ
ル基又は−COOH基を表わし、R20、R21及びR22
各々独立に水素原子、−SO3 H基、塩素原子又はメチ
ル基を表わす。)で示される基を表わし、R9 、R10
11及びR12は各々独立に水素原子、−SO3 H基又は
−COOH基を表わし、R9 〜R12のうち少なくとも1
つは−SO 3 H基又は−COOH基であり、X3 及びX
4 は各々独立に−NR1314基又は−OR15基、(但
し、R13、R14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基、ア
リール基、アラルキル基、シクロヘキシル基、または含
窒素複素環基を表わし、これらのうち水素原子以外は置
換基を有していてもよく、また、R13及びR14は結合さ
れる窒素原子と共に5〜6員環を形成していてもよ
い。)を表わし、Y2 は下記一般式(III)〜(VI)のい
ずれか1つで示される基及びA群の基から選ばれる二価
の結合基を示す。)
【0015】
【化23】
【0016】(式中、R23及びR25はそれぞれ独立に炭
素数1〜8の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を
表わし;R24は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖
状のアルキレン基を表わし;pは0〜20の数を表わ
す。)
【0017】
【化24】
【0018】(式中、R26及びR27はそれぞれ独立に炭
素数1〜8の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を
表わす。) 一般式(III)
【0019】
【化25】
【0020】(式中、R28、R29は水素原子又はメチル
基を表わす。) 一般式(VI)
【0021】
【化26】
【0022】(式中、R30、R31は水素原子、メチル基
又はメトキシ基を表わす。) (A群)
【0023】
【化27】
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で使用される色素は、遊離酸の形が前記一般式
(I)で示される色素及び一般式(II)で表される色素
から選ばれるものである。前記一般式(I)において、
1 及びA2 で表される基としては、フェニル基又は2
−ナフチル基が好ましく、それぞれ少なくとも1つの−
SO3 H基で置換されているものである。
【0025】前記一般式(I)中のY1 及び前記一般式
(II)中のY2 は一般式(III)〜(VI)で示される基及
びA群から選ばれる二価の結合基をあらわすが、一般式
(III)及び(IV)において、R23、R25、R26、R27
炭素数1〜8、好ましくは2〜4の直鎖状あるいは分岐
鎖状のアルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン
基、トリメチレン基等)を表わし、R24は炭素数1〜1
2、好ましくは2〜8の直鎖状あるいは分岐鎖状のアル
キレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、ヘキシレン基等)を表わし、pは好ましくは0〜1
0の数を表わす。
【0026】R1 、R2 、R3 及びR4 で表わされる置
換基としては、各々独立に、水素原子、置換もしくは非
置換の炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、トリフロロメチル基等)、置換もしくは非置換の
炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等)、−
NHCOR5 基(例えば、−NHCONH2 基、−NH
COCH3 基、−NHCOC3 7 (i)等)、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)及び−CN
基から選ばれる基を表わす。
【0027】X1 及びX2 は夫々独立に−NR6 7
又は−OR8 基を表わし、R6 、R 7 及びR8 として
は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非置換の
炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、カルボ
キシメチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル
基、ヒドロキシエチル基、イソプロピル基、tert−
ブチル基等)、置換もしくは非置換の炭素数1〜3のア
ルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、置換も
しくは非置換の炭素数6〜20のアリール基(例えば、
フェニル基、4−ニトロフェニル基、4−ブチルフェニ
ル基、4−カルボキシフェニル基等)、置換もしくは非
置換の炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジ
ル基、フェネチル基等)、置換もしくは非置換のシクロ
ヘキシル基、又は置換もしくは非置換の5〜6員の含窒
素複素環基(例えば、ピリジル基等)等が挙げられる。
また、R6 及びR7 は結合される窒素原子と共に5員環
または6員環を形成していてもよく、具体的には−NR
6 7 として、ピロリジノ基、ピペリジノ基、3,5−
ジメチルピペリジノ基、モルホリノ基、4−メチルピペ
ラジニル基等が挙げられる。
【0028】前記式(I)で示される色素は、分子全体
として−SO3 H基を2個〜8個有していることが好ま
しく、2個〜6個有していることがより好ましい。前記
式(II)において、B1 及びB2 は各々独立に式(II−
a)又は(II−b)を表わし、式(II−a)において、
16は炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基等)
を表わし、R17は水素原子、−CN基、−CONH
2 基、−COOH基を表わし、R18は水素原子、置換あ
るいは未置換の炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ヒドロキシエチル基等)を表わす。
【0029】式(II−b)において、R19は水素原子、
メチル基又は−COOH基を表わし、R20、R21及びR
22は各々独立に水素原子、−SO3 H基、塩素原子又は
メチル基を表わす。また、R9 、R10、R11及びR12
各々独立に水素原子、−SO 3 H基又は−COOH基を
表わし、R9 〜R12のうちの少なくとも1つ、好ましく
は少なくとも2つは−SO3 H基又は−COOH基であ
り、X3 及びX4 は各々独立に−NR1314基又は−O
15基を表わす。また、前記式(I)又は(II)で示さ
れる色素の中でも、遊離酸の形が下記の式(VII)又は
(VIII)で示されるような、連結基Y1 を介して左右対
称の構造の色素が好ましく使用される。この色素は、色
調、耐水性、実用性の面で好ましい。
【0030】
【化28】
【0031】R13、R14及びR15としては、それぞれ独
立に、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜8の
アルキル基(例えば、メチル基、カルボキシメチル基、
エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、ヒドロキシ
エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のア
ルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数1〜3のアル
ケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、置換もし
くは非置換の炭素数6〜20のアリール基(例えば、フ
ェニル基、4−ニトロフェニル基、3−スルホフェニル
基、4−ブチルフェニル基、4−カルボキシフェニル基
等)、置換もしくは非置換の炭素数7〜20のアラルキ
ル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、置換も
しくは非置換のシクロヘキシル基又は置換もしくは非置
換の5〜6員の含窒素複素環基(例えば、ピリジル基
等)等が挙げられる。
【0032】R13及びR14は結合される窒素原子と共に
5員環または6員環を形成していてもよく、具体的には
−NR1314としてピロリジノ基、ピペリジノ基、3,
5−ジメチルピペリジノ基、モルホリノ基、4−メチル
−ピペラジニル基等が挙げられる。前記一般式(II)で
示される色素は、分子全体として−SO3 H基を2〜8
個有していることが好ましく、2〜6個がより好まし
い。
【0033】本発明で使用される色素は、前記一般式
(I)又は(II)で示される遊離酸型のまま使用しても
よいが、製造時塩型で得られた場合はそのまま使用して
もよいし、所望の塩型に変換してもよい。また酸基の一
部が塩型のものであってもよく、塩型の色素と遊離酸型
の色素が混在していてもよい。このような塩型の例とし
てはNa,Li,K等のアルカリ金属の塩、アルキル
基、ヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアン
モニウムの塩、有機アミンの塩があげられる。有機アミ
ンの例としては、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換
低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミ
ン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10
個有するポリアミン等があげられる。これらの塩型の場
合、その種類は1種類に限られず複数種混在していても
よい。
【0034】また、本発明で使用する色素の構造におい
て、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その
複数の酸基は塩型あるいは酸型であり、互いに異なるも
のであってもよい。これ等の色素の具体例としては、例
えば以下のI−(1)〜I−(10)及びII−(1)〜
II−(20)に示す構造の色素が挙げられる。
【0035】
【化29】
【0036】
【化30】
【0037】
【化31】
【0038】
【化32】
【0039】
【化33】
【0040】
【化34】
【0041】
【化35】
【0042】
【化36】
【0043】
【化37】
【0044】
【化38】
【0045】例えば前記I−(1)で示される色素は
(A)〜(B)の工程で製造できる。 (A)3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸
(C酸)とm−トルイジンとから常法[例えば細田豊著
「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)
第396〜409頁参照]に従って、ジアゾ化カップリ
ング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。
【0046】(B)得られたモノアゾ化合物を塩化シア
ヌル懸濁液にpH4〜6、温度0〜5℃を保持しながら
加えて数時間反応を行う。次いで室温にて弱アルカリ性
で4,7,10−トリオキサドデカン−1,12−ジア
ミンをモノアゾ化合物に対して0.5モル比加えて数時
間縮合反応を行う。
【0047】次いで、28%アンモニア水溶液を50〜
60℃に加え、縮合反応を行った後、冷却して、塩化ナ
トリウムで塩析することにより、目的の染料を得る。記
録液中における前記一般式(I)の色素あるいは前記一
般式(II)の色素の含有量としては、合計で記録液全量
に対して0.5〜5重量%、特に2〜4重量%程度が好
ましい。
【0048】本発明の記録液に用いられる水性媒体とし
ては、水及び水溶性有機溶剤が用いられ、水溶性有機溶
剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
(分子量190〜400)、グリセリン、N−メチルピ
ロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチルイ
ミダゾリジノン、チオジエタノール、ジメチルスルホキ
シド、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、2−ピロリドン、スルホラン、
エチルアルコール、イソプロパノール等を含有している
のが好ましい。これ等の水溶性有機溶剤は、通常記録液
の全量中の1〜50重量%の量で使用される。一方、水
は記録液の全量中の45〜95重量%の量使用される。
【0049】本発明の記録液に、その全量中、0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の尿素、チオ
尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ばれる化合物
を含有させたり、又0.001〜5.0重量%の界面活
性剤を含有させたりすることによって、印字後の速乾性
及び印字品位をより一層改良することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ等の実
施例に限定されるものではない。
【0051】[実施例1]ジエチレングリコール10重
量部、イソプロピルアルコール3重量部、前記I−
(1)の色素3重量部に水を加え、アンモニア水でpH
を9に調整して全量を100重量部とした。この組成物
を充分に混合して溶解し、孔径1μmのテフロンフィル
ターで加圧濾過した後、真空ポンプ及び超音波洗浄機で
脱気処理して記録液を調製した。
【0052】得られた記録液を使用し、インクジェット
プリンター(商品名HG−3000、エプソン社製品)
を用いて電子写真用紙にインクジェット記録を行い、鮮
明な色調のイエロー色印字物を得た。また下記に
(a),(b)及び(c)の方法による諸評価を行った
結果を示す。
【0053】(a)記録画像の耐光性:キセノンフェー
ドメーター(スガ試験機社製品)を用い、記録紙に10
0時間照射したが、照射後の変退色は小さかった。 (b)記録画像の耐水性: (1)試験方法 水道水中に記録画像を5分間浸漬したのち、 目視にて画像の滲みを調べた。 浸漬前後のベタ印字部分のOD値をマクベス濃度計
(TR927)にて測定した。
【0054】(2)試験結果 上記の結果画像のにじみはわずかであった。また上記
の浸漬前後のベタ印字部分の濃度変化を下記式による
OD残存率で示すと、94.0%であった。 (c)記録液の保存安定性:記録液をテフロン容器に密
閉し、5℃及び60℃で1ケ月間保存した後の変化を調
べたところ、不溶物の析出は認められなかった。
【0055】
【数1】
【0056】[実施例2]グリセリン5重量部、エチレ
ングリコール10重量部、前記II−(1)の色素2.5
重量部に水を加え、水酸化リチウム水溶液でpHを9に
調整して全量を100重量部とし、この組成物を実施例
1に記載の方法により処理して記録液を調製した。この
記録液を用いて、実施例1と同様に印字を行った結果、
鮮明な色調のイエロー色記録物を得た。またこの記録物
に対し、実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行っ
た。その結果、実施例1と同様に何れも良好な結果が得
られた。またOD残存率は89.5%であった。
【0057】[実施例3]ジエチレングリコール10重
量部、N−メチルピロリドン5重量部、イソプロピルア
ルコール3重量部、前記II−(16)の色素3重量部に
水を加え、アンモニア水でpHを9に調整して全量を1
00重量部とし、この組成物を実施例1に記載の方法に
より処理して記録液を調製した。この記録液を用いて、
実施例1と同様に印字を行った結果、鮮明な色調のイエ
ロー色記録物を得た。またこの記録物に対し、実施例1
の(a)〜(c)による諸評価を行った。その結果、実
施例1と同様に何れも良好な結果が得られた。またOD
残存率は86.0%であった。
【0058】[実施例4〜27]実施例1において用い
た前記I−(1)の色素の代わりに、前記I−(2)〜
I−(10),II−(2)〜II−(15),II−(1
7)〜II−(20)の色素をそれぞれ使用した以外は、
実施例1の方法により記録液を調製し、印字を行い、こ
の記録物に対して実施例1の(a)〜(c)による諸評
価を行った。その結果、実施例1と同様に何れも良好な
結果を得た。またI−(2)の色素を用いた場合のOD
残存率は86.3%であり、I−(3)の色素を用いた
場合は80.0%であった。
【0059】
【発明の効果】本発明の記録液は、インクジェット記録
用、筆記用具用として用いられ、普通紙に記録した場
合、鮮明なイエロー色系の記録物を得ることができ、そ
の印字濃度、耐光性及び耐水性が優れている他、記録液
としての保存安定性も良好である。
フロントページの続き (72)発明者 山田 昌宏 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA01 BA56 4J039 AE07 AF07 BC06 BC12 BC29 BC32 BC33 BC41 BC52 BC53 BC54 BC64 BE02 CA03 CA05 EA35 EA38 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離酸の形が下記一般式(I)で示され
    る色素及び下記一般式(II)で示される色素から選ばれ
    る少なくとも1種の色素を含有する記録液。 【化1】 [式中、A1 およびA2 は少なくとも1つの−SO3
    基で置換されているフェニル基、又はナフチル基を表わ
    し、R1 、R2 、R3 及びR4 は各々独立に、水素原
    子、置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルキル基、
    置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、−
    NHCOR5 基(但し、R5 は−NH2 又は炭素数1〜
    4のアルキル基を表わす。)、ハロゲン原子、および−
    CN基から選ばれる基を表わし、X1 及びX2 は夫々独
    立に−NR6 7 基又は−OR8 基(但し、R6 、R7
    及びR8 は、各々独立に水素原子、炭素数1〜8のアル
    キル基、炭素数1〜3のアルケニル基、アリール基、ア
    ラルキル基、シクロヘキシル基、または含窒素複素環基
    を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有して
    いてもよく、また、R6 及びR7 は結合される窒素原子
    と共に5〜6員環を形成していてもよい。)を表わし、 Y1 は下記一般式(III)〜(VI)のいずれか1つで示さ
    れる基及びA群の基から選ばれる二価の結合基を示
    す。] 【化2】 [式中、B1 及びB2 は各々独立に下記の一般式(II−
    a)又は(II−b) 【化3】 (一般式(II−a)中、R16は炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、R17は水素原子、−CN基、−CONH2
    基、又は−COOH基を表わし、R18は水素原子、ある
    いは、置換又は未置換の炭素数1〜4のアルキル基を表
    わす。) 【化4】 (一般式(II−b)中、R19は水素原子、メチル基又は
    −COOH基を表わし、R20、R21及びR22は各々独立
    に水素原子、−SO3 H基、塩素原子又はメチル基を表
    わす。)で示される基を表わし、R9 、R10、R11及び
    12は各々独立に水素原子、−SO3 H基又は−COO
    H基を表わし、R9 〜R12のうち少なくとも1つは−S
    3 H基又は−COOH基であり、X3 及びX4 は各々
    独立に−NR1314基又は−OR15基、(但し、R13
    14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数1〜8のア
    ルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基、アリール基、
    アラルキル基、シクロヘキシル基、または含窒素複素環
    基を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有し
    ていてもよく、また、R13及びR14は結合される窒素原
    子と共に5〜6員環を形成していてもよい。)を表わ
    し、 Y2 は下記一般式(III)〜(VI)のいずれか1つで示さ
    れる基及びA群の基から選ばれる二価の結合基を示
    す。] 【化5】 (式中、R23及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜8の
    直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を表わし;R24
    は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレ
    ン基を表わし;pは0〜20の数を表わす。) 【化6】 (式中、R26及びR27はそれぞれ独立に炭素数1〜8の
    直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を表わす。) 【化7】 (式中、R28、R29は水素原子又はメチル基を表わ
    す。) 一般式(VI) 【化8】 (式中、R30、R31は水素原子、メチル基又はメトキシ
    基を表わす。) (A群) 【化9】
  2. 【請求項2】 遊離酸の形が一般式(I)で示される色
    素を含有する請求項1に記載の記録液。
  3. 【請求項3】 遊離酸の形が一般式(II)で示される色
    素を含有する請求項1に記載の記録液。
  4. 【請求項4】 水性媒体を含有する請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の記録液。
  5. 【請求項5】 遊離酸の形が下記一般式(I)で示され
    る色素。 【化10】 [式中、A1 およびA2 は少なくとも1つの−SO3
    基で置換されているフェニル基、又はナフチル基を表わ
    し、R1 、R2 、R3 及びR4 は各々独立に、水素原
    子、置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルキル基、
    置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、−
    NHCOR5 基(但し、R5 は−NH2 又は炭素数1〜
    4のアルキル基を表わす。)、ハロゲン原子、および−
    CN基から選ばれる基を表わし、X1 及びX2 は夫々独
    立に−NR6 7 基又は−OR8 基(但し、R6 、R7
    及びR8 は、各々独立に水素原子、炭素数1〜8のアル
    キル基、炭素数1〜3のアルケニル基、アリール基、ア
    ラルキル基、シクロヘキシル基、または含窒素複素環基
    を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有して
    いてもよく、また、R6 及びR7 は結合される窒素原子
    と共に5〜6員環を形成していてもよい。)を表わし、 Y1 は下記一般式(III)〜(VI)のいずれか1つで示さ
    れる基及びA群の基から選ばれる二価の結合基を示
    す。] 【化11】 [式中、B1 及びB2 は各々独立に下記の一般式(II−
    a)又は(II−b) 【化12】 (一般式(II−a)中、R16は炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、R17は水素原子、−CN基、−CONH2
    基、又は−COOH基を表わし、R18は水素原子、ある
    いは、置換又は未置換の炭素数1〜4のアルキル基を表
    わす。) 【化13】 (一般式(II−b)中、R19は水素原子、メチル基又は
    −COOH基を表わし、R20、R21及びR22は各々独立
    に水素原子、−SO3 H基、塩素原子又はメチル基を表
    わす。)で示される基を表わし、R9 、R10、R11及び
    12は各々独立に水素原子、−SO3 H基又は−COO
    H基を表わし、R9 〜R12のうち少なくとも1つは−S
    3 H基又は−COOH基であり、X3 及びX4 は各々
    独立に−NR1314基又は−OR15基、(但し、R13
    14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数1〜8のア
    ルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基、アリール基、
    アラルキル基、シクロヘキシル基、または含窒素複素環
    基を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有し
    ていてもよく、また、R13及びR14は結合される窒素原
    子と共に5〜6員環を形成していてもよい。)を表わ
    し、 Y2 は下記一般式(III)〜(VI)のいずれか1つで示さ
    れる基及びA群の基から選ばれる二価の結合基を示
    す。] 【化14】 (式中、R23及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜8の
    直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を表わし;R24
    は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレ
    ン基を表わし;pは0〜20の数を表わす。) 【化15】 (式中、R26及びR27はそれぞれ独立に炭素数1〜8の
    直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を表わす。) 【化16】 (式中、R28、R29は水素原子又はメチル基を表わ
    す。) 一般式(VI) 【化17】 (式中、R30、R31は水素原子、メチル基又はメトキシ
    基を表わす。) (A群) 【化18】
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WO2003029363A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Mitsui Chemicals, Inc. Water-color ink
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