JP2000143148A - クレーンの吊上補助具 - Google Patents

クレーンの吊上補助具

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレーンによる荷の昇降及び搬送において、
吊り上げた状態で容易に荷のバランスが図れ、同時に従
来の玉掛作業に見られた往復無駄な空荷使用の問題を解
決する新たな吊り上げ形態を提供する。 【解決手段】 クレーンのフック5で吊り上げる吊具本
体4と、この吊具本体4から左右対称に突出する腕部
1,2を構成する棒体3とからなり、吊具本体4に棒体
3を進退させる駆動手段8を設け、各腕部1,2に荷17
から延びる玉掛用スリング15,15を掛け回し、駆動手段
8が吊具本体4に対して棒体3を進退させることによ
り、荷17のバランスを調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンで荷を吊
り上げる際、クレーンのフックと荷に玉掛けした玉掛用
スリングとの間に介在させて、フックに吊り上げた状態
で荷のバランスを容易に調節できるようにした、クレー
ンの吊上補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンは、フックに荷を吊るして昇
降、搬送する産業機械として幅広く利用されている。一
般には、直接荷をフックに掛けることができないため
に、荷に掛け回したベルトスリング、ワイヤロープ、チ
ェーン等の玉掛用スリングをフックに掛け、荷を吊り上
げる。例えば、パイプ等の長尺物の荷に対して2本の玉
掛用スリングを用いて吊り上げる場合、間隔をあけて各
玉掛用スリングをそれぞれパイプに玉掛けし、両玉掛用
スリングのアイ部をフックに引っ掛ける。この場合、玉
掛用スリングは荷に対して2点、フックに対して1点の
三角形を描くようになる。このときの2本の玉掛用スリ
ングが形成する吊角度(前記三角形の頂点角度)は、玉掛
用スリングの張力軽減のために、60度以下にすることが
望ましいとされる。加えて、吊角度が小さくなれば玉掛
用スリングに作用する水平方向の力が小さくなり、荷に
掛け回した玉掛用スリングがずれなくなる利点があるの
で、前記三角形が長尺な二等辺三角形となるように、荷
からフックまでの距離を長くとる場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】玉掛作業に際しては、
吊り上げる荷の重心位置を正確に見極め、重心の直上に
クレーンのフックを誘導することが重要となる。この荷
の重心位置を正確に見極めるのは、高度の技能を要す
る。特に、重心位置を見極めにくい異形物や長尺物で
は、重心を挟んで対称に玉掛用スリングを荷に掛け回す
ことが難しく、荷を地切りした際に、荷が左右どちらか
に傾斜することが多い。このため、クレーンで荷を吊り
上げる際には何度もバランスを調節し、玉掛けをやり直
すのが通例であった。また、必要により、あえて任意の
角度で荷を傾斜させて吊り上げたい場合があるが、この
場合でも、左右対称を正確に実現できないのと同様に、
望む角度で傾斜させて荷を吊り上げることが難しく、や
はり何度もフックを上げ下げしてバランスを調節する必
要があった。
【0004】荷の傾斜は、必要な場合以外、クレーンに
よる搬送中に荷が落下するなどの危険を伴うため、特に
バランスを調節して正しく玉掛けをする必要がある。と
ころが、クレーンで扱う荷はかなりの重量物であり、吊
り上げた状態で玉掛用スリングをずらしてバランスを調
節することは不可能である。このため、荷のバランスを
調節する作業では、玉掛用スリングの掛け直しのため
に、何度も荷を上下させねばならなかった。こうした玉
掛用スリングの掛け直しの作業は、クレーン本来の吊り
上げ、搬送作業から見れば不要なものであり、クレーン
作業全体を非能率に貶(おとし)める問題となっていた。
【0005】また、従来の玉掛作業では、玉掛用スリン
グへの張力を軽減するため、吊角度を小さくしてフック
から荷までの距離を長く取り、玉掛用スリングが長尺な
二等辺三角形を形つくる、つまり左右の玉掛用スリング
が平行に近づくようにしていた。しかし、左右の玉掛用
スリングが平行に近づくほどに玉掛用スリングが占める
高さが増え、荷役に供しえない範囲が増加し、実質的に
クレーンの揚程が小さくなる。このように、前記玉掛用
スリングが占める高さは、クレーンによる荷の吊り上げ
には本来不要なもので、荷の上げ代を小さくする。ま
た、クレーンのフックに玉掛用スリングを掛けるには、
作業者の掛けやすい高さまでフックを巻下げねばなら
ず、玉掛け後のフックの巻上げに際し、フックと荷との
間に掛け回した玉掛用スリングが張るまでの移動距離
は、往復無駄な空荷使用である。
【0006】そこで、玉掛用スリングを荷に掛け回す際
の作業精度を必要以上に要求せず、吊り上げた状態で容
易に荷のバランスが図れ、同時に従来の玉掛作業に見ら
れたフックの巻下げ及び玉掛用スリングが張るまでの往
復無駄な空荷使用をできるだけ少なくすることを目標と
して、新たな吊り上げ形態の実現について検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、クレーンのフックで吊り上げる吊具本体と、この吊
具本体から左右対称に突出する腕部を構成する棒体とか
らなり、吊具本体から棒体を進退させる駆動手段を設
け、この棒体の各腕部に荷に玉掛けした玉掛用スリング
を掛け回し、駆動手段が吊具本体に対して棒体を進退さ
せることにより、荷のバランスを調節するようにしたク
レーンの吊上補助具である。本発明の吊上補助具は、吊
角度を0度にして、各腕部に掛け回す玉掛用スリングを
鉛直方向に掛け回すことができるため、フックと吊具本
体とを、そして荷に向けて各腕部から2本の玉掛用スリ
ングを結ぶ「逆T字状」の外観を有する。ここに言う腕部
が「吊具本体から左右対称に突出する」とは、バランスが
図られた平衡状態において各腕部が吊具本体を挟んで左
右に突出することを意味する。
【0008】本発明の吊上補助具は、吊具本体から左右
対称に腕部を突出した「天秤構造」を有している。このた
め、吊具本体に対して棒体が進退すると、棒体の腕部そ
れぞれに生ずる回転モーメントが増減し、吊り上げる荷
を含めたバランスの調節を図ることができる。このバラ
ンスの調節は、回転モーメントという力学的な要素の衡
量により実現するものなので、玉掛用スリングの長さ等
に変化はなく、荷と各腕部とを結ぶ玉掛用スリングの長
さを等しくしておけば、荷はバランスを図りながらあく
まで吊り上げ開始の姿勢を保つことができる。
【0009】理屈的には、一方の腕部は吊具本体からの
突出長を固定し、他方の腕部のみを進退させることで上
記バランスの調節を図ることもできるが、好ましくは、
吊り上げた玉掛用スリングの間隔を一定に保つ意味か
ら、対称に突出した両腕部を連動し、一方の腕部を後退
させれば他方の腕部を等量だけ前進させるのがよい。よ
り好ましくは、吊具本体を貫設する棒体の両端部をそれ
ぞれ腕部とし、駆動手段により棒体を進退させること
で、一方の腕部の後退量と他方の腕部の前進量とを等し
くする構造がよい。この場合、棒体に刻設したネジ部又
は棒体に連結した別体のネジ部に螺着した基準部を吊具
本体に設けたモータ等により回転駆動して、腕部を進退
させる構造を例示できる。基準部を位置固定とし、歯車
の回動方向に従って棒体が進退するのである。駆動手段
としては、前記のほか、ラック及びピニオンの組合せ
や、減速機構を付加してモータ等で直接棒体を進退させ
るものも例示できる。
【0010】玉掛用スリングを掛け回す腕部表面は滑ら
かな連続面が好ましく、棒体は通常円筒となる。この腕
部が、玉掛用スリングを介して荷の全荷重を受けること
による座屈を防止するには、腕部の径を大きくせざるを
得ない。この場合、各腕部に掛け回す玉掛用スリングの
両面が等しく緊張すればよいが、前記緊張の程度が異な
れば、水平面内に不要な回転モーメントが発生する虞が
ある。そこで、各腕部の端部に玉掛用スリングの掛け回
し方向に他律回動する支持ローラを設け、この支持ロー
ラの周面に玉掛用スリングを掛け回すとよい。この他律
回動の支持ローラが回動し、各腕部に掛け回す玉掛用ス
リング両面(例えばアイ部両面)の緊張を等しくすること
で、荷重が腕部の真鉛直方向に加わるようになる。
【0011】また、上記他律回動の支持ローラに代え
て、各腕部の端部に玉掛用スリングの掛け回し方向に自
律回動する支持ローラを設け、この支持ローラの周面に
無端環状の玉掛用スリングを掛け回す吊上補助具として
もよい。この自律回動の支持ローラは、ブレーキ付ギヤ
ードモータ等の回動手段を有し、荷を吊り上げた状態で
前記回動手段によって支持ローラを回動させることによ
り無端環状の玉掛用スリングを周回させ、この無端環状
の玉掛用スリングによって吊り上げた荷を水平方向軸線
を中心にローリングさせたり、反転させることができ
る。逆に、自律回動の支持ローラを適当な回動位置で停
止させれば、無端環状の玉掛用スリングを拘束して、任
意のローリング角で停止した荷の吊り上げも可能とな
る。支持ローラの回動に合わせて周回可能にできれば、
無端環状の玉掛用スリングでなくてもよい。
【0012】吊上補助具には吊り荷重に耐えうる十分な
構造強度が必要であり、このために吊上補助具自体も重
量物とならざるを得ない。そこで、吊具本体に移動用の
車輪を設けておくと、吊上補助具の運搬が容易となる。
とりわけ、作業者による人力であっても移動させること
ができるようになる。こうした移動形態の利便性を高め
るには、車輪は前後輪に分け、前輪を自在キャスタ、後
輪を直進用車輪に分けておくことが望ましい。
【0013】荷のバランスは、荷を吊り上げた状態で作
業者が調節することになるから、作業者が直接駆動手段
を操作できない。そこで、駆動手段の無線制御部及び動
力源を吊具本体に内蔵し、更に吊具本体からの棒体の進
退量を視認できる目印をこの棒体の腕部表面に設けてお
くとよい。駆動手段の無線制御部は、地上の作業者から
の無線制御信号を受信して駆動手段を操作する。動力源
は、吊具本体へ動力を伝達するケーブルやシャフト等の
存在を廃する。無線制御部への無線形式には、赤外線や
電波があるが、遮蔽物の存在を考慮すれば、指向性の強
い赤外線より電波が好ましい。また、駆動手段を電動式
とすれば、例えば動力源としてバッテリを選択し、この
バッテリも含めて吊具本体に内蔵することができる。
【0014】腕部表面に設けた目印は、地上の作業者が
吊り上げられた状態にある吊具本体からの棒体の突出長
さを推し測るスケールであり、無線制御部を操作する際
の棒体の進退量の目安となる。目印は単一のマークや文
字のほか、棒体の進退方向に設けた目盛等、限定するも
のではないが、使用目的から、目印は棒体下面又は側面
に設けることが望ましい。目印が目盛等のスケールを目
的としたものである場合、目印は棒体全域に及ぶ必要は
なく、両腕部が左右等量に突出した状態で、進退量の長
さの範囲で目印が施されていればよい。棒体の移動によ
り一方の腕部は吊具本体から突出し、他方は引っ込むこ
とになるので、たとえ一方の腕部に設けた目印が吊具本
体から外れて目安にならない場合でも、必ず他方の腕部
に設けた目印が吊具本体に係り、スケールの役目を果た
す。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しながら説明する。図1は本発明の吊上補
助具の一例を表した斜視図、図2は同吊上補助具の使用
状態(平衡状態)を表した正面図、図3はバランスを欠い
た状態(不平衡状態)における同吊上補助具の正面図、図
4は図3の不平衡状態から腕部1,2を構成する棒体3
を吊具本体に対して図中右へ移動させた状態(平衡生成
状態)を表した同吊上補助具の正面図である。
【0016】図1により、本例の吊上補助具の構成を説
明する。吊上補助具は、大きく「天秤構造」の支点を担う
吊具本体4と、バランスを図る腕部1,2を構成する棒
体3とに分けることができる。吊具本体4は、クレーン
のフック5に掛けるベルト等の吊持体6を上方に向けて
有し、上面にネジ部7を水平に軸着して、このネジ部7
を回動する電動モータ8を駆動手段として取り付けてい
る。また、吊具本体4内部には、動力源としてバッテリ
9を内蔵し、電動モータ8を作動させるための無線制御
部10及び作動信号を受信するアンテナ11を設けている。
そして、自在キャスタ12と直進用車輪13を設け、作業者
の人力による移動を可能にしている。ネジ部7に対して
は別途保護カバー等を付設するとよいが、図1では、説
明の便宜上図示を略している。
【0017】棒体3は、対称に腕部1,2を突出するよ
うに、吊具本体4に貫設している。棒体3の中央には、
上記ネジ部7に螺合した基準部14を連結しており、ネジ
部7の回動に従って、吊具本体4に対して棒体3が進退
するようになっている。各腕部1,2の表面には、下方
及び側方から視認できる目印19を付し、地上の作業者が
無線操作により棒体3を進退させるときの目安としてい
る。腕部1,2端、すなわち棒体3端部それぞれには、
掛け回す玉掛用スリング15が位置ズレして外れないよう
に、係止片16,16を設けている。このような吊上補助具
は、まず吊具本体4の吊持体6をクレーンのフック5に
掛け、次いで荷17に玉掛けした玉掛用スリング15,15の
アイ部を係止片16,16に挟まれた各腕部1,2に嵌め込む
ことで使用状態となる。
【0018】この吊上補助具の使用状態は、図2に見ら
れるようになる。好ましくは、フック5直下に吊具本体
4の中心軸線Cが位置し、この吊具本体4から左右等量
に腕部1,2が延び、荷17の重心Gもフック5直下に位
置するのがよい。この図2の状態では、荷17のバランス
がとれており(平衡状態)、このまま荷17をクレーンで昇
降及び搬送できる。また、図2から明らかなように、フ
ック5と吊具本体4、そして吊具本体4と荷17との間が
それぞれ短く、よってクレーンの揚程が大きく取れるこ
とがわかる。これは、荷17に対して玉掛用スリング15を
鉛直方向に掛け回し、左右の玉掛用スリング15,15の平
行を容易に実現できるため、従来の玉掛けと違って、斜
めになった玉掛用スリングを平行に近づけるように長く
する必要がないからである。これは、要求される玉掛用
スリング自体の長さをも短くするのである。
【0019】仮に、この吊上補助具を使用して荷を吊り
上げようとした際、荷17の重心Gがフック5直下からず
れていた場合、図3に見られるように、吊上補助具に掛
けた一方の玉掛用スリング15(図3中左)により大きな荷
重(図中実線矢印)が加わり、荷17が傾斜してバランスを
欠くことになる(不平衡状態)。この場合、作業者は玉掛
作業をやり直すのではなく、無線により作動信号Sを吊
上補助具に送り、腕部1,2を適当な方向へ進退、すな
わち棒体3を吊具本体4に対して移動させる。図3の場
合には、吊具本体4のアンテナ11が受信した作動信号S
を受け、無線制御部10が電動モータ8を作動させてネジ
部7を回動させ(図3中塗りつぶし矢印)、両腕部1,2
を構成する棒体3を一体に図3中右へと移動させること
になる。
【0020】すなわち、図4中左側の腕部1は吊具本体
4に対して後退(接近)し、同図4中右側の腕部2は吊具
本体4に対して前進(離隔)することになる。これは、フ
ック5直下の吊具本体 (支点) 4に対して両腕部1,2
の長さが異なることで、両腕部1,2それぞれに発生す
る回転モーメントの大きさに差を設けたことに等しい
(平衡生成状態)。この例では、上記不平衡状態によって
一方の玉掛用スリング15に加えられた偏荷重による回転
モーメントM0(図4中実線矢印)を相殺する程度の回転
モーメントM(図4中破線矢印)が他方の玉掛用スリング
15に発生するように、棒体3を移動させている。こうし
て平衡状態が実現すると、フック5と荷17の重心Gとは
同一鉛直線上に並ぶことになる。このバランスを調節す
る作業は、通常作業者の目視による確認だけで十分に実
現できるが、より正確なバランス調節を図るには、例え
ば玉掛用スリングによってかかる腕部のモーメント量を
負荷として計測する圧力センサ等を腕部に設け、各圧力
センサの比較によってネジ部の回動方向及び回動量を決
定するようにしてもよい。
【0021】図5は荷17をあえて傾斜させた状態で吊り
上げる場合(オフセット平衡状態)における吊上補助具の
正面図である。荷の種類や作業内容によっては、あえて
荷を傾斜させた状態で吊り上げたい場合がある。従来、
こうした傾斜状態での荷の吊り上げにおいては、バラン
スを図ることが難しかった。しかし、本発明の吊上補助
具によれば、図5に見られるように、回転モーメントM
(図5中破線矢印)による補正といった形態を用いること
で、比較的簡単に実現できる。この例では、荷は図5中
右に傾斜しているので、右回りの回転モーメントM1(図
5中実線矢印)がオフセットで加わっていることにな
る。そこで、吊上補助具では、ネジ部7を上述とは逆向
きに回動させて棒体3を図5中左に移動させることで、
逆の左回りの回転モーメントMを発生させ、前記オフセ
ットの回転モーメントM1と平衡させるのである。図5
から明らかなように、この場合、フック5直下から図5
中左に荷17の重心Gがずれている。このズレが、新しく
左回りの回転モーメントMを発生させるのである。吊り
上げた外観は荷17が傾斜しているが、力学的バランスは
平衡が取れているため、荷17は安定して昇降及び搬送す
ることができる。
【0022】多くの荷は重量物であり、玉掛用スリング
15のアイ部両面と腕部表面との摩擦力が大きくなるた
め、仮にアイ部両面の緊張に偏りがあっても、そのまま
吊り上げてしまうことが考えられ、安定性を損なうこと
にもなりかねない。そこで、図6に見られるように、ア
イ部を掛け回す腕部1,2端上半分に、玉掛用スリング1
5の掛け回し方向に回動する他律回動の支持ローラ20,20
を設け、アイ部両面の緊張の差により、玉掛用スリング
15のアイ部が自ら回って前記ズレを補正できるようにす
るとよい。他律回動の支持ローラ20は、負荷を分散する
意味から単数より複数が好ましく、腕部1,2直上面か
ら側面に向けて対称に配列するとよい。本例の場合、7
基の支持ローラ20を等間隔で並べている。
【0023】本発明の吊上補助具は、荷を吊り上げた状
態で安定した吊り上げ姿勢を実現するため、荷を含めた
バランスを調節できる装置である。これをより積極的に
利用する例として、吊り上げた状態での荷の姿勢変更を
挙げることができる。図7は両腕部1,2に自律回動の
支持ローラ18,18を設け、無端環状の玉掛用スリング21
を玉掛けして吊り上げた荷17を反転させるため、水平軸
線周りにローリングさせている状態を表した斜視図であ
る。各支持ローラ18は、例えばブレーキ付ギヤードモー
タ等の回動手段(図示略)によって正逆両方向に回動し、
ブレーキによって停止状態を維持する。荷17がローリン
グする途中、仮にバランスが崩れたとしても、棒体3が
吊具本体4に対して進退することで腕部1,2の突出量
を変えて回転モーメントを調節することにより、バラン
スを保つことができる。この場合、既述したように、圧
力センサ等で変化する回転モーメントの監視を図り、自
動的に棒体を進退させるようにするとより好ましい。
【0024】
【発明の効果】本発明の吊上補助具は、荷を吊り上げた
状態で、吊り上げる荷を含めたバランスの調節を図るこ
とができ、これまでバランス調節に要していた荷の昇降
や面倒な玉掛用スリングの掛け替え作業等が不要にな
り、クレーンを用いた作業の効率を大幅に改善する。ま
た、従来の玉掛用スリングの使用に見られた往復無駄な
空荷使用の問題が解決され、クレーンの揚程を有効利用
できる。更に、荷に対する玉掛用スリングの掛け回しに
厳密な正確さが不要となるので、作業者の負担も減り、
作業の安全性も向上する利点がある。
【0025】上述の作業効率、作業性及び安全性の改善
又は向上は、従来困難であった傾斜状態の荷の吊り上げ
や、吊り上げた状態での荷のローリングといった作業を
可能にする。これにより、従来のクレーンを用いた作業
では実現しえなかった作業も可能となり、クレーンを用
いた作業の適用範囲や応用範囲が拡大する。そして、工
場等の作業全般に対して、作業効率の改善をももたらす
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊上補助具の一例を表した斜視図であ
る。
【図2】同吊上補助具の平衡状態を表した正面図であ
る。
【図3】不平衡状態における同吊上補助具の正面図であ
る。
【図4】平衡生成状態を表した同吊上補助具の正面図で
ある。
【図5】オフセット平衡状態における同吊上補助具の正
面図である。
【図6】他律回動する支持ローラを腕部に設けた吊上補
助具の図1相当斜視図である。
【図7】吊り上げた荷をローリングさせている状態を表
した斜視図である。
【符号の説明】
1 左側の腕部 2 右側の腕部 3 棒体 4 吊具本体 6 吊持体 7 ネジ部 8 電動モータ 9 バッテリ 10 無線制御部 11 アンテナ 12 自在キャスタ 13 直進用車輪 14 基準部 15 玉掛用スリング 18 自律回動の支持ローラ 19 目印 20 他律回動の支持ローラ 21 無端環状の玉掛用スリング C 吊具本体の中心線 G 荷の重心 M0 偏荷重による回転モーメント M1 オフセットされた回転モーメント M バランスを調節するために発生させた回転モーメン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンのフックで吊り上げる吊具本体
    と、該吊具本体から左右対称に突出する腕部を構成する
    棒体とからなり、吊具本体から棒体を進退させる駆動手
    段を設け、該棒体の各腕部に荷に玉掛けした玉掛用スリ
    ングを掛け回し、駆動手段が吊具本体に対して棒体を進
    退させることにより、荷のバランスを調節するようにし
    たことを特徴とするクレーンの吊上補助具。
  2. 【請求項2】 各腕部の端部に玉掛用スリングの掛け回
    し方向に他律回動する支持ローラを設け、該支持ローラ
    の周面に玉掛用スリングを掛け回したことを特徴とする
    請求項1記載のクレーンの吊上補助具。
  3. 【請求項3】 各腕部の端部に玉掛用スリングの掛け回
    し方向に自律回動する支持ローラを設け、該支持ローラ
    の周面に無端環状の玉掛用スリングを掛け回したことを
    特徴とする請求項1記載のクレーンの吊上補助具。
  4. 【請求項4】 吊具本体に移動用の車輪を設けたことを
    特徴とする請求項1記載のクレーンの吊上補助具。
  5. 【請求項5】 駆動手段の無線制御部及び動力源を吊具
    本体に内蔵したことを特徴とする請求項1記載のクレー
    ンの吊上補助具。
  6. 【請求項6】 吊具本体からの棒体の進退量を視認でき
    る目印を、該棒体の腕部表面に設けたことを特徴とする
    請求項1記載のクレーンの吊上補助具。
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