JP2000142987A

JP2000142987A - ドラム缶の転倒装置

Info

Publication number: JP2000142987A
Application number: JP10326638A
Authority: JP
Inventors: Shuji Naoi; 周二直井
Original assignee: DAIYU KK
Current assignee: DAIYU KK
Priority date: 1998-11-17
Filing date: 1998-11-17
Publication date: 2000-05-23

Abstract

(57)【要約】【課題】装置を小型に、従って安価に形成でき、転倒
後の起倒及び復旧の際は動力を用いることなく、ドラム
缶の自重によって自動的に行うことができるドラム缶の
転倒装置の提供。【解決手段】フレーム１に設けたモータ２で作動され
る油圧装置３と、フレーム１に設けた、ドラム缶４を保
持する保持装置５と、該保持装置５と油圧装置３間に設
けられた、保持装置５に保持されたドラム缶４を転倒さ
せ、転倒工程及びその終点においてドラム缶４の重心
６、６ａが瞬間中心３５、３５ａの外側にあるように構
成されたリンク装置８とから成るドラム缶の転倒装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は化学工場等におい
てドラム缶に収容されている内容物を他の容器又はホッ
パ又は加工装置等に供給する際に使用される、ドラム缶
の転倒装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の装置の先行技術の一例としては
実公昭４３ー２６５８３号公報記載の考案があげられ
る。この考案は電動機の動力により案内柱に沿ってドラ
ム缶を上昇させ、上昇の終点において転倒させ、内容物
をホッパー等に供給し、次に起倒させて下降させるよう
になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし前記従来の装置
は次に述べるような難点を有している。それはまず前記
のようにドラム缶を案内柱に沿って昇降させることであ
り、高い案内柱を要し、装置が大型となる。従って高価
となることが避けられない。又他の難点はドラム缶の上
昇及び転倒を電動機の動力によって行うが、そのドラム
缶の起倒及び下降も上記電動機によって行っている。こ
れは動力の無駄であり、不経済を免れない。特に転倒装
置がバッテリを動力として用いる台車等に設けられてい
る場合には、上記動力の無駄は大きな問題となる。この
発明は上記の状況にかんがみてなされたもので、その目
的は装置が大型となるドラム缶を昇降させる案内柱を用
いることなしに、ドラム缶を転倒させることができ、従
って前記従来のものより小型でかつ安価に製造でき、又
ドラム缶が転倒して内容物をホッパー又は容器等に移し
終えたのちの起倒及び着地は動力を用いることなく、自
動的に行うことができ、従って消費動力が前記従来のも
のよりも少なくてすむドラム缶の転倒装置を提供するこ
とである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記の問題を解決するこ
の発明について述べるとそれは、フレーム１に設けられ
た、モータ２により作動させられる油圧装置３と、前記
フレーム１に設けられたドラム缶４を保持する保持装置
５と、該保持装置５と前記油圧装置３間に設けられた、
前記油圧装置３により前記保持装置５を上下方向におい
て持ち上げながら回転させ、該回転の際に前記保持装置
５に保持させられたドラム缶４の重心６、６ａが、回転
工程及びその終点において瞬間中心３５、３５ａの外側
にあるように構成されたリンク装置８とから成ることを
特徴とするドラム缶の転倒装置である。又、リンク装置
８は、一端部９をフレーム１に軸着１０し、他端部１１
を保持装置５に形成した上アーム１２に軸着１３した第
一リンク１４と、該第一リンク１４と交叉して設けら
れ、一端部１５を前記軸着部１３より下で前記保持装置
５に形成した下アーム１６に軸着１７し、かつ他端部１
８を前記フレーム１のブラケット１９に軸着２０し、か
つ長さ方向の途中を前記油圧装置３に軸着２１されてい
る第二リンク２２からなる前記ドラム缶の転倒装置であ
る。又、油圧装置３は単動シリンダ２３である前記ドラ
ム缶の転倒装置である。又、フレーム１は移動用の車輪
２４を有している前記ドラム缶の転倒装置である。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１において１はフレームであ
り、図４より理解されるように枠状に形成され、移動用
の車輪２４が設けられている。３は油圧装置でありモー
タ２（図２）により作動させられるようになっている。
油圧装置３は油圧シリンダが用いられ、特に単動シリン
ダ２３が用いられた、そして同単動シリンダ２３は前記
モータ２によりポンプ２５が作動させられ、タンク２６
中のオイル２７が供給されるようになっている。２８は
オイル２７の出入ポート、２９はピストンロッドを示
す。

【０００６】５はドラム缶４を保持する保持装置であ
り、フレーム１に設けられ、図１、図４に示すように上
下方向の枠状部及び半円状の収容部３０とドラム缶４の
出入の際開閉する開閉部３１、３１を有しており、この
開閉部３１、３１の先端部にクランプ３２が設けられて
いて、これにより保持装置５に収容されたドラム缶４を
緊締するようになっている。３３（図４）は蝶番を示
す。そして前記保持装置５は図２により理解されるよう
に上アーム１２、下アーム１６が水平方向にかつ後方に
向けてそれぞれ設けられてある。３４は転倒した際の安
全装置としてのストッパである。

【０００７】次に８はリンク装置であり、第一リンク１
４と第二リンク２２から成っており、前記第一リンク１
４はその一端部９をフレーム１に軸着１０し、他端部１
１を前記上アーム１２に軸着１３して設けられてあり、
又第二リンク２２は前記第一リンク１４と交叉して設け
られ、その一端部１５を前記下アーム１６に軸着１７
し、又他端部１８を前記フレーム１のブラケット１９に
軸着２０し、かつ長手方向の途中を油圧装置３のピスト
ンロッド２９に軸着２１されている。そしてこの部分の
作用について述べると、図３において、初め同図に示す
ように垂直の状態であるドラム缶４は油圧装置３の動作
により第二リンク２２が軸着部２０を中心に矢印Ａ２２
に示すように回動する。そうすると前記第一リンク１４
はそれにつれて軸着部１０を中心に矢印Ａ１４に示すよ
うに回動し、それによりドラム缶４は持ち上げられつつ
転倒し、ついには第二リンク２２は二点鎖線２２aに、
第一リンク１４は一点鎖線１４ａに示す位置となり、ド
ラム缶４の転倒が完了する。そして上記ドラム缶４の転
倒の際リンク装置８の瞬間中心３５は同３５ａに示す位
置に変化する。そしてその間ドラム缶４の重心６は同図
における６ａの位置に移動する。以上の説明から理解さ
れるようにドラム缶４の重心６、６ａは、転倒の作業
中、及び転倒の完了においても、常に前記瞬間中心３
５、及び同３５ａの外側に位置している。

【０００８】このため、前記転倒によりドラム缶４の内
容物を落下、放出させてのち、油圧装置３の油圧を開放
すれば、ドラム缶４はその自重により前記リンク装置８
を転倒と逆の作用をさせて起倒し、旧位置に、即ち垂直
位置に復するのである。このようにドラム缶４の起倒工
程はドラム缶４の自重により自動的に行なわれ、動力を
消費しないのである。

【０００９】なおこのような方法即ち転倒工程及びその
終点においてドラム缶の重心６、６ａをリンク装置８の
瞬間中心３５、３５ａの外側に位置させるということ
は、前記のようにリンク装置８使用の場合に限らず、例
えば図５、及び図６に示すようないわゆる衛星歯車３７
を用いても作用させることができる。同図において３８
は基体であり、これに大歯車３９が固定されてあり、こ
の大歯車３９に小歯車４０が衛星状に噛み合い、かつ両
者３９、４０はアーム４１によりそれぞれ軸着４２され
ている。この図から理解されるように、小歯車４０は矢
印Ａ４０方向に回動させると小歯車４０は回動と共に自
転する。即ち、衛星状に公転と自転を起こす。そしてこ
の小歯車４０にはドラム缶の保持装置５が設けられてい
てドラム缶４を保持している。小歯車４０は図５におい
て矢印Ａ４０方向に公転することにより自転するから、
それによりドラム缶４は垂直位置から持ち上げられつつ
転倒し、図６に示す位置とすることができ、図示しない
内容物の落下放出を行なわせることができる。そしてこ
の場合もドラム缶４の重心６は、両歯車３９、４０の、
前記瞬間中心３５に相当する瞬間回転中心４３より外側
に位置させることができる。従ってこの場合も、内容物
の放出の終わったドラム缶４は自重により、動力を用い
ることなく旧位置に復旧させることができる。なおこの
場合も小歯車４０の公転はアーム４１を図示しない油圧
装置等により、図５において反時計回り方向に回動させ
るものであり、かつ図６に示す状態からの復旧の場合は
上記の図示しない油圧装置の油圧を解除し、徐々に下降
させるのである。

【００１０】次に図１に戻り、４５は移動用のハンドル
を示す。なおこの転倒装置は車輪２４を有しない場合も
あり、その場合所定場所に据え付けられていることにな
る。又４６は操作盤であり、箱状に形成されその中に図
２に示すような一例としてバッテリ４６で作動される油
圧回路４７が設けられている。但し前記バッテリ４６は
これに限るものではなく、通常の商用電源であっても差
し支えはない。同図において２はモータであり、オイル
２７を収容したタンク２６に練通したポンプ２５を作動
させるようになっている。４８は逆止弁、４９は切り替
え弁、５０はリリーフ弁であり、所定の圧力を超えた場
合に超過分の圧力をいわゆる逃がすようになっている。
５１はスイッチ、５２はドレン通路を示す。このように
構成されたこのドラム缶の転倒装置の作用について述べ
ると、まずフレーム１に車輪２４を有するものはこれに
より移動して前記開閉部３１を開き、前記収容部３０に
ドラム缶４を収容し、開閉部３１を閉じ、クランプ３２
により緊締する。次にスイッチ５１をＯＮとしてバッテ
リ４６によりモータ２を駆動し、それによりポンプ２５
を作動し、タンク２６のオイル２７を逆止弁４８を経
て、ポート２８から油圧装置３の単動シリンダ２３に圧
入し、ピストンロッド２９を上昇させてリンク装置８を
作動させる。そうするとリンク装置８の第二リンク２
２、第一リンク１４は、ぞれぞれ図３において矢印Ａ２
２、同Ａ１４に示すように回動し、これによりドラム缶
４を持ち上げて転倒させる。やがてピストンロッド２９
の上昇限度に達し、前記ドラム缶４は図１、図３に示す
ように転倒して内容品を落下、放出する。

【００１１】なおこの場合前記スイッチ５１はＯＦＦと
してモータ２を停止する。単動シリンダ２３内の油圧は
逆止弁４８、切替弁４９により開放されないためドラム
缶４は転倒の姿勢を保っている。なお転倒されてのちス
イッチ５１をＯＦＦとするまでの短い時間の単動シリン
ダ２３内の油圧は、所定以上の圧力をいわゆる逃がすリ
リーフ弁５０により一定に保たれる。次にドラム缶４内
の内容品の放出を終了したならば前記切替バルブ４４を
切替え、前記単動シリンダ２３内の油圧を開放する。こ
の場合ドラム缶４との重心６ａは図３に示すように前記
リンク装置８の瞬間中心３５ａの外側にあるから自重に
より、図３において時計回り方向に徐々に回転し、やが
て垂直となって旧位置に戻る。そうしたならば車輪２４
により移動して目的の場所に下すのである。

【００１２】

【発明の効果】請求項１の発明は前記のように構成さ
れ、転倒させられたドラム缶４の重心６ａはリンク装置
８の瞬間中心３５ａの外側にあるから、油圧装置３の油
圧を開放すれば、自重により起倒して復旧するから起倒
及び復旧のための装置及び動力を省略し、節減すること
ができる。この節減は動力がバッテリの場合において特
に著しい。又前記従来例に述べたような案内柱を設けな
くてもすむため、装置全体を小型化でき、かつ安価に製
造することができる。請求項２の発明は前記のように構
成され、第一リンク１４及び第二リンク２２を用いた簡
単なリンク構造にもかかわらず、ドラム缶の転倒、起
倒、復帰の各作用をなさしめることができる。請求項３
の発明は前記のように構成され、油圧装置３として単動
シリンダ２３を用いたことにより装置を簡単にできるに
もかかわらず、容易にドラム缶４の自重による起倒と垂
直位置への復旧を行なわさせることができる。請求項４
の発明は前記のように構成されたことにより、ドラム缶
４を運搬し、任意の場所において転倒させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示し、ドラム缶の転倒装置
のドラム缶を保持した場合の説明図である。

【図２】図１に示す装置の要部の概略を示す図である。

【図３】図１に示す装置の作用の概略を現す説明図であ
る。

【図４】図１に示す装置の要部の平面図である。

【図５】この発明の発明者が発明した、図１〜図４に示
すこの発明とほぼ同様な効果を得るドラム缶の転倒装置
の側面図である。

【図６】図５に示す装置の作用を説明する図である。

【符号の説明】

１フレーム２モータ３油圧装置４ドラム缶５保持装置６、６ａ重心７瞬間中心８リンク装置９一端部１０軸着部１１他端部１２アーム１３軸着部１４第一リンク１５端部１６下アーム１７軸着部１８他端部１９ブラケット２０軸着部２１軸着部２２第二リンク２３単動シリンダ２４車輪

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フレーム１に設けられた、モータ２によ
り作動させられる油圧装置３と、前記フレーム１に設け
られたドラム缶４を保持する保持装置５と、該保持装置
５と前記油圧装置３間に設けられた、前記油圧装置３に
より前記保持装置５を上下方向において持ち上げながら
回転させ、該回転の際に前記保持装置５に保持させられ
たドラム缶４の重心６、６ａが、回転工程及びその終点
において瞬間中心３５、３５ａの外側にあるように構成
されたリンク装置８とから成ることを特徴とするドラム
缶の転倒装置。
【請求項２】リンク装置８は、一端部９をフレーム１
に軸着１０し、他端部１１を保持装置５に形成した上ア
ーム１２に軸着１３した第一リンク１４と、該第一リン
ク１４と交叉して設けられ、一端部１５を前記軸着部１
３より下で前記保持装置５に形成した下アーム１６に軸
着１７し、かつ他端部１８を前記フレーム１のブラケッ
ト１９に軸着２０し、かつ長さ方向の途中を前記油圧装
置３に軸着２１されている第二リンク２２からなる請求
項１記載のドラム缶の転倒装置。
【請求項３】油圧装置３は単動シリンダ２３である請
求項１、又は２記載のドラム缶の転倒装置。
【請求項４】フレーム１は移動用の車輪２４を有して
いる請求項１、２又は３記載のドラム缶の転倒装置。