JP2000142533A

JP2000142533A - 軽車両

Info

Publication number: JP2000142533A
Application number: JP10326272A
Authority: JP
Inventors: Toshishige Odanaka; 利成小田中; Yasuhiro Iijima; 康弘飯島
Original assignee: Kansei Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 1998-11-17
Filing date: 1998-11-17
Publication date: 2000-05-23

Abstract

(57)【要約】【課題】バンド式ブレーキ機構を応用しながらも、軽
車両の前進時には勿論のこと、その後進時においても有
効な制動力をかけることができるブレーキ機構を備えた
軽車両の提供。【解決手段】車軸１４の軸芯方向へ隔設される第１及
び第２のブレーキドラム１６Ａ及び１６Ｂを固定し、そ
の第１のブレーキドラム１６Ａの外周囲に、下側端１８
と上側端１９との間を側面略Ｃ字状に湾曲形成している
第１のブレーキバンド１７Ａの内周面を近設し、また第
２のブレーキドラム１６Ｂの外周囲に、その下側端１８
と上側端１９との間を側面略Ｃ字状に湾曲形成している
第２のブレーキバンド１７Ｂの内周面を近設し、上記第
１のブレーキバンド１７Ａの下側端１８をブレーキケー
ス２０に固定し、その上側端１９を引張インナーワイヤ
ー２４に連結させ、また上記第２のブレーキバンド１７
Ｂの上側端１９をブレーキケース２０に固定し、その下
側端を引張インナーワイヤー２４に連結した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として歩行障害
を有する身体障害者あるいは老人等の使用に適した低速
電動三輪車、四輪車、車椅子、電動車椅子あるいは子供
用乗用自動車等の軽車両であって、特にそれら軽車両の
制動機構としてバンド式ブレーキ機構を具備せしめてな
る軽車両に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば身体障害者等が使用している車椅
子、電動車椅子、あるいは主に老人等が使用する低速電
動三輪車、四輪車等の車両（以下これらを単に軽車両と
称す）に用いられている制動機構（ブレーキ機構）に
は、構造が比較的簡単かつコンパクトであって、その上
安価に提供できるバンド式ブレーキ機構が主に用いられ
ている。かかるバンド式ブレーキ機構は、一般的な二輪
自転車に使用されており、その構成は図４で示す如くで
ある。

【０００３】つまり１は不図示である車体に固定される
ブレーキケースであって、このブレーキケース１内に
は、車軸２に取付けられているブレーキドラム３が収納
される。さらにこのブレーキケース１の内周部には、上
記ブレーキドラム３を取り巻くようにして金属製のバン
ド４が位置されており、その金属製バンド４の一端はブ
レーキケース１に固定ピン５を介して固定されている。

【０００４】その金属製バンド４の他端は、ブレーキケ
ース１の内部で支軸６により軸支されているＬ字状リン
クアーム７の一端に連結しており、該リンクアーム７の
他端にはブレーキ操作レバー（図示せず）に通じるイン
ナーワイヤー８を連結させている。なお上記金属製バン
ド４のブレーキドラム３との対向面にはブレーキシュー
９が取付けられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような構成のバン
ド式ブレーキを、例えば二輪車等の軽車両に取付けるに
は、上記ブレーキドラム３を後輪の車軸２に固定し、そ
のブレーキケース１の取付け向きは、図４において、そ
の右側端が軽車両の前方を向くようにして車体に固定す
る。

【０００６】これにより、インナーワイヤー８を軽車両
前方向へ引張ることにより、その引張力がアーム７を介
して金属製バンド４をブレーキドラム３の周面に圧接さ
せ、この圧接力でブレーキドラム３への制動力が働く。

【０００７】このようなブレーキドラム３への制動力
は、車両の前進時、即ち図４において、ブレーキドラム
３の時計方向回転時に有効に働くものであって、例えば
車両の後退時、即ち図４で示すブレーキドラム３の反時
計方向回転時には、インナーワイヤー８を引張って金属
製バンド４をブレーキドラム３に緊締させようとして
も、そのブレーキドラム３が金属製バンド４の緊締動作
方向と逆方向に回動（回転）しているために金属製バン
ド４による緊締作用が有効に働き難く、このために車輪
への制動がかかりにくいものであった。

【０００８】即ち、上記説明のバンド式ブレーキ機構に
あっては、車両の前進時においては有効な制動力を発揮
し得るが、車両の後退時には制動力がかかりにくいもの
であった。従ってこのような周知のバンド式ブレーキ機
構は、乗車のままで後進をしない一般的な自転車に設備
することは機能的、経済的にも有利であるが、例えば前
進及び後退の双方を行なう電動軽車両等にあっては、上
記バンド式ブレーキ機構、特に後退時における制動力の
有効性に欠けるものがあった。

【０００９】本発明は、かかる事実に着目してなされた
もので、一般的に量産されていて経済性の点でも有利で
あるバンド式ブレーキ機構を応用しながらも、軽車両の
前進時には勿論のこと、その後退時おいても有効な制動
力をかけることができるブレーキ機構を備えた軽車両の
提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１では、軽車両の車軸に、該車軸の
軸芯方向へ隔設される第１及び第２のブレーキドラムを
固定し、その第１のブレーキドラムの外周囲に、下側端
と上側端とを有して、その下側端と上側端との間を側面
略Ｃ字状に湾曲形成している第１のブレーキバンドの内
周面を近設し、また第２のブレーキドラムの外周囲に下
側端と上側端とを有して、その下側端と上側端との間を
側面略Ｃ字状に湾曲形成している第２のブレーキバンド
の内周面を近設し、上記第１のブレーキバンドは、その
下側端をブレーキケースに固定し、その上側端をリンク
アームを介して引張ワイヤーに連結させ、上記第２のブ
レーキバンドは、その上側端をブレーキケースに固定
し、その下側端をリンクアームを介して引張ワイヤーに
連結せしめてなるバンド式ブレーキ機構を備えた軽車両
であることを特徴としている。

【００１１】また請求項２では、軽車両の車軸にブレー
キドラムを固定し、このブレーキドラムの摺接面の軸方
向中央部よりその左右を第１の摺接面と第２の摺接面と
に区分し、その第１の摺接面の外周囲に対応して、下側
端と上側端とを有して、その下側端と上側端との間を側
面略Ｃ字状に湾曲形成している第１のブレーキバンドの
内周面を近設し、また第２の摺接面の外周囲に対応し
て、下側端と上側端とを有して、その下側端と上側端と
の間を側面略Ｃ字状に湾曲形成している第２のブレーキ
バンドの内周面を近設し、上記第１のブレーキバンド
は、その下側端をブレーキケースに固定し、その上側端
をリンクアームを介して引張ワイヤーに連結させ、上記
第２のブレーキバンドは、その上側端をブレーキケース
に固定し、その下側端をリンクアームを介して引張ワイ
ヤーに連結せしめてなるバンド式ブレーキ機構を備えた
軽車両であることを特徴としている。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施の
形態に基いて詳細に説明する。

【００１３】図１及び図２において、１１は電動車椅子
等の軽車両の車体であって、この車体１１には前輪１２
と後輪１３が設けられている。さらに車体１１には椅
子、ハンドル、駆動モータ、バッテリー等の各部材が設
けられているが、本発明では、これら各部材に特長を有
するものではなく、またこれら各部材構成は周知である
ので、それら各部材の説明については省略する。

【００１４】上記後輪１３は車体１１によって回転自在
に軸支されている車軸１４に固定されており、それら双
方の後輪１３の内側には、第１及び第２のバンド式ブレ
ーキ機構１５Ａ及び１５Ｂが設けられている。

【００１５】第１のバンド式ブレーキ機構１５Ａの構成
は、車軸１４に固定された第１のブレーキドラム１６Ａ
と該第１のブレーキドラム１６Ａの外周囲に接近位置さ
れる金属製の第１のブレーキバンド１７Ａを有し、その
第１のブレーキバンド１７Ａは、下側端１８と上側端１
９との間が側面略Ｃ字状に湾曲形成されており、その下
側端１８はブレーキケース２０の内側に、固定軸２１を
介して固定されており、またその上側端１９は、ブレー
キケース２０の内側で支軸２２を介して軸支されている
リンクアーム２３の一端に連結されている。

【００１６】該リンクアーム２３の他端には、引張イン
ナーワイヤー２４の端部に連結されており、該引張イン
ナーワイヤー２４の他端は、中間連結具（イコライザ）
２５を介してブレーキ操作レバー２６に連結されてい
る。また上記第１のブレーキバンド１７Ａの第１のブレ
ーキドラム１６Ａとの対向面にはブレーキシュー２７が
取付けられていて、第１のブレーキドラム周面との接触
摩擦力を高めることができるように構成されている。

【００１７】第２のバンド式ブレーキ機構１５Ｂの構成
も、上記第１のバンド式ブレーキ機構１５Ａの構成と略
同様であって、車軸１４に固定された第２のブレーキド
ラム１６Ｂと該第２のブレーキドラム１６Ｂの外周囲に
接近位置される金属製の第２のブレーキバンド１７Ｂを
有し、その第２のブレーキバンド１７Ｂは、下側端１８
と上側端１９との間が側面略Ｃ字状に湾曲形成されてお
り、その上側端１９は、ブレーキケース２０の内側に、
固定軸２１を介して固定されており、またその下側端１
８は、ブレーキケース２０の内側で支軸２２を介して軸
支されているリンクアーム２３の一端に連結されてい
る。

【００１８】該リンクアーム２３の他端には、引張イン
ナーワイヤー２４の端部に連結されており、該引張イン
ナーワイヤー２４の他端は中間連結具（イコライザ）２
５を介してブレーキ操作レバー２６に連結されている。

【００１９】このように本実施の形態にあっては、同一
の車軸１４に第１のバンド式ブレーキ機構１５Ａと第２
のバンド式ブレーキ機構１５Ｂが設けられており、その
第１のバンド式ブレーキ機構の第１のブレーキバンド１
７Ａは、車体の前進時（第１のブレーキドラム１６Ａの
矢方向Ａ回転時）においてブレーキ操作レバー２６を操
作して引張インナーワイヤーを引張ったときに、その第
１のブレーキバンド１７Ａが第１のブレーキドラム１６
Ａの周面との接圧が高められるように、その第１のブレ
ーキバンド１７Ａの下側端１８がブレーキケース２０に
固定されており、また同時に、第２のバンド式ブレーキ
機構の第２のブレーキバンド１７Ｂが第２のブレーキド
ラム１６Ｂの周面との接圧が高められるように、その第
２のブレーキバンド１７Ｂの上側端１９がブレーキケー
ス２０に固定されているので、車体１１の前進時及び後
退時のいずれにおいても、有効な制動力が生起される。

【００２０】図３は本発明の第２の実施形態を示すもの
で、この第２の実施形態では、車軸１４の中央部に摺接
幅が広く形成されている１個のブレーキドラム１６を取
付け、このブレーキドラム１６の軸方向中央部から片側
を第１の摺接面２７Ａとし、他側を第２の摺接面２７Ｂ
とし、その第１の摺接面２７Ａに対応して前実施形態で
述べたと同様の第１のブレーキバンド１７Ａ機構を設
け、また第２の摺動面２７Ｂに対応して前実施形態で述
べたと同様の第２のブレーキバンド１７Ｂ機構を設けた
ものである。

【００２１】従って、この第２の実施形態によっても上
記実施形態同様に車体の前進方向、後退方向のいずれに
おいても有効な制動力が作用することに加え、ブレーキ
ドラム１６が１個であり、しかも第１、第２のブレーキ
機構の近設によりブレーキシステムのコンパクト化とブ
レーキシステムの設備スペースの削減が可能となる。

【００２２】なお上記第１の実施形態によるブレーキ機
構は、車軸１４の中央に駆動用ギヤ及び左右車軸に作用
するデファレンシャル機構を有する軽車両に組み付ける
ことができることは言うまでもないことである。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明の軽車両によれば、
バンド式ブレーキ機構を用いて、車両の前進時及び後退
時のいずれにおいても制動力を有効に働かせることがで
きる。

【００２４】また単一構造であるバンド式ブレーキ機構
を、車軸の軸方向対称位置で、かつ上下を逆向きにして
取付け使用することが可能であるので、２組のバンド式
ブレーキ機構を具備せしめた軽車両の組付作業性及び経
済性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明よりなる軽車両の実施形態を示した概略
説明図。

【図２】本発明の軽車両に設備するバンド式ブレーキ機
構を示した斜視図。

【図３】本発明バンド式ブレーキ機構の第２の実施形態
を示した斜視図。

【図４】周知のバンド式ブレーキ機構を示した側面図。

【符号の説明】

１１…車体１２…前輪１３…後輪１４…車軸１５Ａ…第１のバンド式ブレーキ機構１５Ｂ…第２のバンド式ブレーキ機構１６…ブレーキドラム１６Ａ…第１のブレーキドラム１６Ｂ…第２のブレーキドラム１７Ａ…第１のブレーキバンド１７Ｂ…第２のブレーキバンド１８…下側端１９…上側端２０…ブレーキケース２１…固定軸２２…支軸２３…リンクアーム２４…引張インナーワイヤー２５…中間連結具２６…ブレーキ操作レバー２７Ａ…第１の摺接面２７Ｂ…第２の摺接面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】軽車両の車軸（１４）に、該車軸（１
４）の軸芯方向へ隔設される第１及び第２のブレーキド
ラム（１６Ａ）及び（１６Ｂ）を固定し、その第１のブ
レーキドラム（１６Ａ）の外周囲に、下側端（１８）と
上側端（１９）とを有して、その下側端（１８）と上側
端（１９）との間を側面略Ｃ字状に湾曲形成している第
１のブレーキバンド（１７Ａ）の内周面を近設し、また
第２のブレーキドラム（１６Ｂ）の外周囲に下側端（１
８）と上側端（１９）とを有して、その下側端（１８）
と上側端（１９）との間を側面略Ｃ字状に湾曲形成して
いる第２のブレーキバンド（１７Ｂ）の内周面を近設
し、上記第１のブレーキバンド（１７Ａ）は、その下側
端（１８）をブレーキケース（２０）に固定し、その上
側端（１９）をリンクアーム（２３）を介して引張イン
ナーワイヤー（２４）に連結させ、また上記第２のブレ
ーキバンド（１７Ｂ）は、その上側端（１９）をブレー
キケース（２０）に固定し、その下側端（１８）をリン
クアーム（２３）を介して引張インナーワイヤー（２
４）に連結せしめてなるバンド式ブレーキ機構を備えた
ことを特徴とする軽車両。
【請求項２】軽車両の車軸（１４）にブレーキドラム
（１６）を固定し、このブレーキドラム（１６）の摺接
面の軸方向中央部よりその左右を第１の摺接面（２７
Ａ）と第２の摺接面（２７Ｂ）とに区分し、その第１の
摺接面（２７Ａ）の外周囲に対応して、下側端（１８）
と、上側端（１９）とを有して、その下側端（１８）と
上側端（１９）との間を側面略Ｃ字状に湾曲形成してい
る第１のブレーキバンド（１７Ａ）の内周面を近設し、
また第２の摺接面（２７Ｂ）の外周囲に対応して、下側
端（１８）と上側端（１９）とを有して、その下側端
（１８）と上側端（１９）との間を側面略Ｃ字状に湾曲
形成している第２のブレーキバンド（１７Ｂ）の内周面
を近設し、上記第１のブレーキバンド（１７Ａ）は、そ
の下側端（１８）をブレーキケース（２０）に固定し、
その上側端（１９）をリンクアーム（２３）を介して引
張インナーワイヤー（２４）に連結させ、また上記第２
のブレーキバンド（１７Ｂ）は、その上側端（１９）を
ブレーキケース（２０）に固定し、その下側端（１８）
をリンクアーム（２３）を介して引張インナーワイヤー
（２４）に連結せしめてなるバンド式ブレーキ機構を備
えたことを特徴とする軽車両。