JP2000137311A - 2種の周波数の裏面粗さを有する像形成要素 - Google Patents

2種の周波数の裏面粗さを有する像形成要素

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JP2000137311A JP11311344A JP31134499A JP2000137311A JP 2000137311 A JP2000137311 A JP 2000137311A JP 11311344 A JP11311344 A JP 11311344A JP 31134499 A JP31134499 A JP 31134499A JP 2000137311 A JP2000137311 A JP 2000137311A
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Thaddeus Stephen Gula
スティーブン グーラ サデウス
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    • Y10S430/151Matting or other surface reflectivity altering material

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理機における搬送が改良され、並びに筆記
性および写真仕上バックマーキングが改良され、巻き取
り時に像形成層を損傷させない像形成要素を提供する。 【解決手段】 本発明は、 500周期/mmの低域カットオ
フフィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜
2.00μmである低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域
カットオフフィルターを用いて測定した場合の粗さ平均
が 0.001〜0.05μmである高周波成分とを有する裏面を
含んでなる像形成要素に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は像形成要素に関す
る。好ましい態様においては、本発明は印画紙用のベー
ス材料に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース写真グレード印画紙にラミネ
ートされた二軸配向ポリプロピレンを感熱色素転写像形
成用の反射型受容体としての用途に利用することが米国
特許第5,244,861号明細書において提案されている。こ
の発明においては、低密度ポリエチレンを反射型受容体
の裏面に溶融押出被覆して、その反射型受容体のカール
をバランスさせ、その紙に防水性を提供し、そしてプリ
ンターでの搬送に適当なその紙の裏面粗さを提供する。
【0003】当該構成の印画紙においては、低密度ポリ
エチレンで押出被覆されているベース紙上にゼラチンを
含有している乳剤層を塗布し、カールに対する耐性が改
良されたベース紙を提供する必要性がある。写真画像の
保管において一般的であるように、相対湿度が50%を超
えるかまたは20%未満の場合、印画紙のカールが画像を
見る妨げとなる。この写真カール問題の解決策が1997年
5月23日に出願された米国特許出願番号第08/864,228号
明細書において提案されている。この発明においては、
二軸配向ポリオレフィンシートを紙ベースの裏面に適用
して、50%を超えるかまたは20%未満の相対湿度環境に
おける乳剤層の膨張および収縮によって生ずる力をバラ
ンスさせることによって、50%を超えるかまたは20%未
満の相対湿度におけるカールを低減する機構を達成して
いる。
【0004】1997年5月23日に出願された米国特許出願
番号第08/864,228号明細書に記載されている発明は印画
紙の湿度によるカールをかなり改良するけれども、紙の
裏面に適用することができる、この発明に記載されてい
る二軸配向シートの典型的な表面粗さは平滑であり、粗
さ平均またはRaが0.23μm未満である。写真画像は写
真処理装置(写真プリンター、写真処理機、および写真
仕上機)内で処理されるので、印画紙は多くの異なるタ
イプの装置の中を搬送されなければならない。カラー印
画紙の形成においては、ポリエチレンを粗い冷却ロール
にキャストすることによって、カラー印画紙の裏面を十
分に粗くする。必要な裏面粗さとなるように製造された
印画紙は写真処理装置の中を非常に効率的に搬送され
る。多くの搬送問題が生ずるので、裏面粗さが0.30μm
未満の印画紙を写真処理装置中で効率的に搬送すること
ができない。カールを抑制するための強度特性および効
率的な写真処理を可能とする0.30μmを超える表面粗さ
を有する裏面表面を形成させることができれば望ましい
であろう。
【0005】裏面が平滑な印画紙は、最終的な画像フォ
ーマットの写真プリントを効率的な保管のために積み重
ねる場合によくあるように、プリントの平滑な裏面が平
滑な画像層と接触することになるので、互いに貼り付く
傾向があるであろう。プリントを保管する際に互いにブ
ロッキングしたり貼り付いたりしない印画紙に対する要
求が存続している。
【0006】最終的な画像フォーマットにおいては、消
費者が個人情報を画像の裏面にペン、鉛筆、および他の
筆記用具で書くのが一般的である。処理後の書き込みを
画像の裏面が受け入れる能力を筆記性(writability) と
いう。画像の筆記性は消費者所望の特徴である。裏面が
平滑な印画紙は粗い印画紙よりも書き込みが難しい。さ
らに、写真仕上過程において、処理日時などの重要な情
報が印画紙の裏面に印刷されるのが一般的である。写真
仕上時の情報の印刷はバックマーキングと呼ばれる。画
像のバックマーキング不良は重要な情報の損失につなが
る。1997年12月24日に出願された米国特許出願番号第08
/998,357号明細書には、写真仕上装置の中を効率的に搬
送するには二軸配向ポリマーシートの裏面粗さが必要で
あると記載されている。この発明は製造および写真処理
における効率的な搬送のために必要とされる裏面粗さを
提供するけれども、写真仕上バックマーキングおよび消
費者筆記性については従来技術の材料に勝る有意な改良
を提供しない。写真仕上装置中での効率的な搬送を可能
とし、かつまた写真仕上バックマーキングおよび消費者
筆記性をも可能とするのに十分に粗い印画紙に対する要
求が存続している。
【0007】印画紙の製造過程においては、ハロゲン化
銀乳剤を塗布された紙をロールの形で取り扱い、搬送す
ることが必要条件である。ロールの形では、印画紙の裏
面がハロゲン化銀画像形成層と接触している。裏面粗さ
が2.54μmを超える場合、ロールの形になっている間
に、その表面粗さパターンによって画像形成層がエンボ
スされるであろう。画像形成層のエンボスが、どの消費
者にも気付かれるようであれば、この画像形成層の商業
的価値はかなり減少するであろう。そのうえ、ハロゲン
化銀乳剤は感圧性であることが多い。十分に粗い裏面
は、ロールの形では、その裏面の表面粗さに由来する圧
力によって銀乳剤を現像することによって、画像形成層
の商業的価値をも破壊し始めるであろう。損傷無くロー
ルの形態で都合良く印画紙を巻き取り、保管することが
でき、しかしまた写真処理時の筆記性および搬送が可能
となるような裏面粗さを有する印画紙に対する要求が存
続している。
【0008】処理機における搬送が改良され、並びに筆
記性および写真仕上バックマーキングが改良された像形
成要素を生ずる裏面特性の改良に対する継続的な要求が
存在する。これらの像形成要素は、巻き取り時に像形成
層を損傷させないことがさらに必要である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、従来技
術の像形成部材の不都合を克服することである。
【0010】もう1つの目的は、良好な筆記性を示し、
また処理機の中を良好に搬送される裏面を有する像形成
部材を提供することである。
【0011】さらなる目的は、処理前にマーキングさ
れ、それらのマーキングを処理後にも保つことができる
残像形成部材を提供することである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明のこれらの目的
および他の目的は、 500周期/mmの低域カットオフフィ
ルターを用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜2.00μ
mである低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域カット
オフフィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が 0.0
01〜0.05μmである高周波成分とを有する裏面を含んで
なる像形成要素によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、従来の像形成材料に勝
る無数の利点を提供する。本発明は、鉛筆およびペンな
どの筆記用具によってマーキングされ、かつ写真要素を
現像するための化学的処理の前に表面に配置される印刷
を接着し、保持する両方の能力を示す表面を提供する。
本発明の像形成要素の裏面は、処理機における像形成要
素の正確かつ信頼性のある搬送に対する要求を満たす粗
さ周波数を有する。さらに、高周波粗さを形成するのに
もっとも好ましい材料は、コストが低く、信頼性があ
り、写真部材との適合性があり、そしてそれらの要素を
切断または細断する際の塵の発生が少ないものである。
像形成部材の印刷特性および搬送特性を両方とも最適化
するためには、周波数が異なる裏面粗さが必要とされる
ことが今ここに見出されたのは驚くべきことである。こ
れらの利点および他の利点は下記の詳細な説明から明ら
かであろう。
【0014】本明細書において使用される「頂部」、
「上部」、「乳剤側」、および「表」という用語は、写
真部材または像形成要素の、像形成層を担持している側
の面または面の方向を意味する。「底部」、「下部
面」、および「裏」という用語は、写真部材または像形
成部材の、感光性像形成層、現像された画像、または適
用された画像を担持している側とは反対側の面または面
の方向を意味する。
【0015】驚くべきことに、写真処理装置における効
率的な搬送を確保し、写真処理、バックマーキング、お
よび消費者筆記性を可能とするのに十分な粗さを有する
像形成要素を提供するためには、2種の異なる周波数の
裏面粗さが必要であることが見出された。像形成装置に
おける効率的な搬送に好ましい周波数は低周波粗さであ
ることが見出された。この低周波粗さは、写真ウェブが
写真処理中に接触する多くの異なるタイプの材料との接
触面積を決定する。低周波粗さの不足は接触面積を増大
させ、写真ウェブと機械部品との間の摩擦係数が多くの
タイプの写真処理装置の設計仕様を超えることになる。
消費者筆記性および写真処理バックマーキングに好まし
い周波数は高周波粗さであることが見出された。この高
周波粗さは、消費者によるペンおよび鉛筆の両方での筆
記を可能とするけれども、写真処理装置におけるウェブ
の搬送には大した悪影響を及ぼしはしない。
【0016】高周波粗さについての山の間の距離は低周
波粗さ成分と比較すると非常に小さいので、粗さをつく
りだすのに2つの異なる方法が必要であることが見出さ
れた。本発明の二軸配向シートの低周波裏面粗さについ
ては、粗さを加えるのにもっとも好ましい方法は、配向
中に混ざらない不混和性ブロックコポリマーの使用によ
るものである。本発明の二軸配向シートの裏面に高周波
粗さを加えるのにもっとも好ましい方法は、ラテックス
の凝集によって形成される突起の形成によるものであ
る。
【0017】高周波粗さと低周波粗さとを組み合わせる
ことにより、像形成要素が効率的に搬送され、かつ従来
の像形成材料と比較して優れた消費者筆記性および写真
処理バックマーキングを提供することができる。思いが
けなく、像形成要素に高周波粗さだけを備えさせても、
許容可能な筆記性およびバックマーキングを得ることは
できないことが見出された。高周波粗さ成分を適当に機
能させるには、印画紙またはディジタル像形成紙の製造
時および写真処理時にありがちな摩耗から高周波粗さ成
分を保護するために低周波粗さ成分が必要とされる。こ
の低周波粗さが装置と接触する高い点をつくりだすの
で、谷の部分の低周波領域は擦り落とされない。
【0018】粗い裏面シートは、二軸配向頂部シートと
いっしょに、好適な写真ベースにラミネートされて、像
形成要素ベースをつくりだす。本発明のラミネートベー
スの頂部側のシートには、いずれの好適な二軸配向ポリ
オレフィンシートを使用してもよい。ミクロボイド化複
合二軸配向シートが好ましく、ミクロボイド化複合二軸
配向シートは、コア層と表面層とを共押出して、続いて
二軸配向させて、それにより、コア層中に含有されてい
るボイド開始材料の周りにボイドを形成させることによ
って製造するのが便利である。このような複合シート
は、米国特許第 4,377,616号、同 4,758,462号、および
同 4,632,869号の各明細書に開示されている。
【0019】好ましい複合シートのコアはシートの全厚
の15〜95%、好ましくは全厚の30〜85%であるべきであ
る。従って、非ボイド化表皮層(複数であってもよい)
はシートの5〜85%、好ましくは厚みの15〜70%である
べきである。
【0020】複合シートの密度(比重)は、「中実密度
のパ−セント」で表すと、以下のように算出され、 中実密度のパ−セントは45%〜 100%、好ましくは67〜
100%であるべきである。中実密度のパーセントが67%
未満になると、引張強さの低下のために複合シートの加
工性が低下し、物理的損傷をより受け易くなる。
【0021】複合シートの全厚は12〜 100μm、好まし
くは20〜70μmの範囲とすることができる。20μm未満
では、ミクロボイド化シートは、支持体固有の非平坦性
を最小化するのに十分厚くはなく、製造するのがさらに
困難になるであろう。70μmを超える厚みでは、表面の
平滑性または機械的性質のいずれについても改良がほと
んど見られないので、余分の材料のためのコストのさら
なる増加を正当化する理由は殆ど無い。
【0022】本発明の二軸配向シートは約8.39×10-5
/mm2 /日/MPa (0.85×10-5g/mm2 /日/気圧)未
満の透湿度を有するのが好ましい。これにより、本発明
のラミネート支持体が、この支持体に乳剤を塗布する際
の乳剤層からの水蒸気透過速度を大幅に遅らせるため、
乳剤の硬化を速めることが可能となる。透過速度はASTM
F1249によって測定される。
【0023】本明細書で使用されている「ボイド」は、
添加された固体および液体が無いこと(「ボイド」は気
体を含有していることが多い)を意味する。完成パッケ
ージングシートコアに残留するボイド開始粒子は、所望
の形状および大きさのボイドを生ずるには、直径は 0.1
〜10μmであり、好ましくは形状が丸いものであるべき
である。ボイドの大きさはまた縦方向および横方向への
配向度にも依存する。理想的には、ボイドは、対向し、
かつ縁が接触している2つの凹型の円板によって規定さ
れる形状をとるであろう。換言すれば、ボイドはレンズ
状または両凸の形状を有する傾向がある。ボイドは、2
つの主次元がシートの縦方向および横方向に並ぶように
配向させられる。Z方向軸は副次元であり、おおよそボ
イド化粒子の断面直径の大きさである。これらのボイド
は一般に独立気泡になる傾向があり、従って、そこを通
って気体または液体が通り抜けることができるような、
ボイド化コアの一方の側面から他の側面へと開いている
経路は事実上存在しない。
【0024】ボイド開始材料は種々の材料から選ぶこと
ができ、コアマトリックスポリマーの重量に対して約5
〜50重量%の量が存在すべきである。好ましくは、ボイ
ド開始材料は高分子材料を含んでなる。高分子材料を使
用する場合、その高分子材料は、コアマトリックスの製
造に用いるポリマーと溶融混合することができ、かつ懸
濁液を冷却するにつれて分散球状粒子を形成することが
できるポリマーであってもよい。これらの例には、ポリ
プロピレン中に分散されたナイロン、ポリプロピレン中
のポリブチレンテレフタレート、またはポリエチレンテ
レフタレート中に分散されたポリプロピレンが含まれ
る。ポリマーを予め造形し、マトリックスポリマー中に
配合する場合、重要な特性は粒子の大きさおよび形状で
ある。球体が好ましく、中空または中実であることがで
きる。これらの球体は、一般式がAr−C(R)=CH
2 であるアルケニル芳香族化合物(式中、Arは芳香族
炭化水素ラジカル、またはベンゼン系列の芳香族ハロ炭
化水素ラジカルを表し、Rは水素またはメチルラジカル
である);アクリレートタイプのモノマー、例えば式C
2 =C(R’)−C(O)(OR)(式中、Rは水素
および約1〜12個の炭素原子を含有しているアルキルラ
ジカルからなる群より選ばれ、R’は水素およびメチル
からなる群より選ばれる)のモノマー;塩化ビニルおよ
び塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよび塩化ビニ
ル、臭化ビニル、式CH2 =CH(O)COR(式中、
Rは2〜18個の炭素原子を含有しているアルキルラジカ
ルである)を有するビニルエステルのコポリマー;アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マ
レイン酸、フマル酸、オレイン酸、ビニル安息香酸;テ
レフタル酸およびジアルキルテレフタル酸もしくはその
エステル形成性誘導体を、HO(CH2 n OH(式
中、nは2〜10の範囲内にある整数である)系列のグリ
コールと反応させることによって調製され、反応性オレ
フィン系結合をポリマー分子内に有する合成ポリエステ
ル樹脂(上述のポリエステルには、反応性オレフィン系
不飽和を有する第二の酸もしくはそのエステルおよびそ
れらの混合物が共重合されて、その中に20重量%以下含
まれている)からなる群より選ばれたものである架橋ポ
リマーから製造することができ、架橋剤は、ジビニルベ
ンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、フマ
ル酸ジアリル、フタル酸ジアリルおよびそれらの混合物
からなる群より選ばれる。
【0025】架橋ポリマーを製造するための典型的なモ
ノマーの例には、スチレン、アクリル酸ブチル、アクリ
ルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、エ
チレングリコールジメタクリレート、ビニルピリジン、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、ビニルベンジルクロラ
イド、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニルベンゼ
ン、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニル
トルエンなどが含まれる。好ましくは、架橋ポリマーは
ポリスチレンまたはポリメタクリル酸メチルである。も
っとも好ましくは、架橋ポリマーはポリスチレンであ
り、架橋剤はジビニルベンゼンである。
【0026】当該技術分野において周知の方法では、ブ
ロードな粒径分布を特徴とする、大きさが不均一な粒子
が得られる。元々の粒径分布の範囲にわたるビーズを篩
分けすることによって、得られたビーズを分級すること
ができる。他の方法、例えば懸濁重合および限定凝集に
より、大きさが非常に均一な粒子が直接得られる。
【0027】ボイド開始材料に薬剤を塗布して、ボイド
生成を促進してもよい。好適な薬剤または滑剤には、コ
ロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、並びに金属酸化
物、例えば酸化錫および酸化アルミニウムが含まれる。
好ましい薬剤はコロイド状のシリカおよびアルミナであ
り、もっとも好ましくはシリカである。薬剤塗膜を有す
る架橋ポリマーは当該技術分野において周知の手順によ
って調製することができる。例えば、従来の懸濁重合法
であって、当該薬剤をその懸濁液に添加するものが好ま
しい。薬剤としては、コロイド状シリカが好ましい。
【0028】ボイド開始粒子は、中実または中空のガラ
ス球、金属もしくはセラミックのビーズ、または無機粒
子、例えばクレー、タルク、硫酸バリウム、および炭酸
カルシウムなどの無機球体であってもよい。重要なこと
は、これらの材料がコアマトリックスポリマーと化学的
に反応して以下の問題の1つ以上を引き起すことがない
ことである。(a)マトリックスポリマーの結晶化動力
学が変化して配向させるのが困難になること、(b)コ
アマトリックスポリマーの分解、(c)ボイド開始粒子
の破壊、(d)ボイド開始粒子のマトリックスポリマー
への接着、または(e)望ましくない反応生成物、例え
ば毒性のもしくは高度に着色した部分の発生。ボイド開
始材料は写真活性のあるものであるべきではなく、また
は二軸配向ポリオレフィンシートが利用されている写真
要素の性能を低下させるものであるべきではない。
【0029】乳剤側の頂部面上の二軸配向シートについ
ては、好ましい複合シートの二軸配向シートおよびコア
マトリックスポリマーとして好適な類の熱可塑性ポリマ
ーにはポリオレフィンが含まれる。
【0030】好適なポリオレフィンには、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレ
ン、ポリブチレンおよびそれらの混合物が含まれる。プ
ロピレンとエチレン、例えばヘキセン、ブテンおよびオ
クテンとのコポリマーなどのポリオレフィンコポリマー
もまた有用である。コストが低く、そして望ましい強度
特性を有するので、ポリプロピレンが好ましい。
【0031】複合シートの非ボイド化表皮層は、コアマ
トリックスについて上記に列挙したものと同じ高分子材
料から製造することができる。複合シートは、コアマト
リックスと同じ高分子材料の表皮層(複数であってもよ
い)を用いて製造することができ、またはコアマトリッ
クスとは異なる高分子組成物の表皮層(複数であっても
よい)を用いて製造することができる。適合性を得るた
めに、補助層を使用して、表皮層のコアへの接着を強め
ることができる。
【0032】コアマトリックスおよび/または表皮層に
添加剤を添加して、これらのシートの白色度を高めても
よい。これには、当該技術分野において既知のいずれか
の方法、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、クレー、
または炭酸カルシウムなどの白色顔料を添加することが
含まれるであろう。これには、紫外領域のエネルギーを
吸収して主として青領域で発光する蛍光剤、またはシー
トの物理的性質もしくはシートの加工性を改良する他の
添加剤を添加することが含まれるであろう。写真用途に
は、僅かに青味がかった白色ベースが好ましい。
【0033】これらの複合シートの共押出、急冷、配
向、および熱固定は、フラットシート法またはバブルも
しくはチューブラー法などの、配向シートを製造するの
に当該技術分野において知られているいずれの方法で行
ってもよい。フラットシート法には、スリットダイを通
して配合物を押出し、押出されたウェブを冷却キャステ
ィングドラム上で迅速に急冷して、シートのコアマトリ
ックスポリマー成分および表皮層成分(複数であっても
よい)をそれらのガラス凝固温度未満に急冷することが
含まれる。次に、急冷されたシートを、マトリックスポ
リマーのガラス転移温度より高いけれども、溶融温度よ
り低い温度で互いに垂直な方向に延伸することによって
二軸配向させる。このシートを一方向に延伸し、次に第
2の方向に延伸しても、または両方向に同時に延伸して
もよい。シートを延伸した後、両延伸方向における収縮
に抗してシートをある程度拘束しながら、ポリマーを結
晶化またはアニールするのに十分な温度まで加熱するこ
とによって、シートを熱固定する。
【0034】複合シートは、コアおよび各々の側面の表
皮層の少なくとも3層を有するのが好ましいと記載した
けれども、二軸配向シートの性質を変えるのに役立つ追
加層を具備していてもよい。追加層によって異なる効果
を達成してもよい。このような層に色味剤、帯電防止材
料、または種々のボイド製造材料を含有させて独特の性
質を有するシートを生じさせてもよい。二軸配向シート
は、支持体および写真要素の接着性を向上させ、または
それらの外観を変える表面層を備えるように形成されて
いてもよい。二軸配向押出は、ある特定の所望の特性を
達成するのに望まれる場合には10層に及ぶ多数の層を用
いて実施することができる。
【0035】これらの複合シートを、共押出および配向
過程の後またはキャスティングと全配向との間に、プリ
ント性などのシートの特性を向上させるのに使用するこ
とができるいくつかの数の塗膜で塗布または処理して、
蒸気バリヤーを提供し、それらをヒートシール可能に
し、または支持体もしくは感光性層への接着性を向上さ
せてもよい。これらの例としては、プリント性について
はアクリル系塗膜、ヒートシール特性についてはポリ塩
化ビニリデン塗膜がある。さらなる例としては、プリン
ト性または接着性を向上させるための火炎処理、プラズ
マ処理、またはコロナ放電処理が含まれる。
【0036】ミクロボイド化コア上に少なくとも1層の
非ボイド化表皮層を有することにより、シートの引張強
さが増大し、加工性がより高くなる。それにより、すべ
ての層をボイド化してシートを製造する場合よりも、よ
り広幅で、かつより高い延伸比でシートを製造すること
が可能となる。それらの層を共押出することにより、製
造過程がさらに単純化される。
【0037】露出表面層が像形成層に隣接している本発
明の好ましい頂部二軸配向シートの構造は以下の通りで
ある。
【0038】 ─────────────────────── ポリエチレン露出表面層 ─────────────────────── TiO2 を含有しているポリプロピレン層 ─────────────────────── ポリプロピレンミクロボイド化層 ─────────────────────── ポリプロピレン底部層 ───────────────────────
【0039】ベース紙の、乳剤層と反対側のシートまた
は裏面シートは本発明において使用される表面粗さを有
するいずれの好適なシートであってもよい。このシート
はミクロボイド化されていてもミクロボイド化されてい
なくてもよい。二軸配向シートは、シート(多くの層を
含有していてもよい)を共押出し、続いて二軸配向させ
ることによって製造するのが便利である。このような二
軸配向シートは、例えば、米国特許第 4,764,425号明細
書において開示されている。
【0040】好ましい裏面の二軸配向シートは二軸配向
ポリオレフィンシート、もっとも好ましくはポリエチレ
ンまたはポリプロピレンのシートである。二軸配向シー
トの厚みは10〜 150μmであるべきである。15μm未満
では、これらのシートは、支持体固有の非平坦性を最小
化するのに十分厚くはなく、製造するのがさらに困難に
なるであろう。70μmを超える厚みでは、表面の平滑性
または機械的性質のいずれについても改良がほとんど見
られないので、余分の材料のためのコストのさらなる増
加を正当化する理由は殆ど無い。
【0041】裏面の二軸配向シートコアおよび表皮層に
好適な類の熱可塑性ポリマーには、ポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロー
スエステル、ポリスチレン、ポリビニル樹脂、ポリスル
ホンアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポリス
ルホネート、ポリエステルアイオノマー、およびポリオ
レフィンアイオノマーが含まれる。これらのポリマーの
コポリマーおよび/または混合物を使用することもでき
る。
【0042】裏面シートのコアおよび表皮層に好適なポ
リオレフィンには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リメチルペンテン、およびそれらの混合物が含まれる。
プロピレンとエチレン、例えばヘキセン、ブテンおよび
オクテンとのコポリマーなどのポリオレフィンコポリマ
ーもまた有用である。コストが低く、そして良好な強度
特性および表面特性を有するので、ポリプロピレンが好
ましい。
【0043】好適なポリエステルには、炭素原子が4〜
20個の芳香族、脂肪族または脂環式のジカルボン酸およ
び炭素原子が2〜24個の脂肪族または脂環式のグリコー
ルから製造されるものが含まれる。好適なジカルボン酸
の例には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン
酸、イタコン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ソ
ジオスルホイソフタル酸、およびそれらの混合物が含ま
れる。好適なグリコールの例には、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメ
タノール、ジエチレングリコール、他のポリエチレング
リコール、およびそれらの混合物が含まれる。このよう
なポリエステルは当該技術分野において周知であり、周
知の技法、例えば米国特許第 2,465,319号および同 2,9
01,466号の各明細書に記載されているものによって製造
してもよい。好ましい連続マトリックスポリエステル
は、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸と、エ
チレングリコール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-シク
ロヘキサンジメタノールから選ばれる少なくとも1種の
グリコールとに由来する繰り返し単位を有するものであ
る。ポリエチレンテレフタレート(少量の他のモノマー
によって改質されていてもよい)がとりわけ好ましい。
他の好適なポリエステルには、好適な量の共酸成分、例
えばスチルベンジカルボン酸を導入することによって形
成される液晶コポリエステルが含まれる。このような液
晶コポリステルの例には、米国特許第4,420,607号、同
4,459,402号、および同 4,468,510号の各明細書に記載
されているものがある。
【0044】有用なポリアミドには、ナイロン6、ナイ
ロン66、およびそれらの混合物が含まれる。ポリアミ
ドのコポリマーもまた好適な連続相ポリマーである。有
用なポリカーボネートの例はビスフェノール−Aポリカ
ーボネートである。複合シートの連続相ポリマーとして
使用するのに好適なセルロースエステルには、硝酸セル
ロース、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、酢酸プ
ロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、およびそ
れらの混合物またはコポリマーが含まれる。有用なポリ
ビニル樹脂には、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセター
ル、およびそれらの混合物が含まれる。ビニル樹脂のコ
ポリマーを利用することもできる。
【0045】ラミネートベースの裏面の二軸配向シート
は、同じ高分子材料の層を1層以上用いて製造すること
ができ、または異なる高分子組成物の層を用いて製造す
ることもできる。適合性を得るために、補助層を使用し
て、多重層の接着を強めることができる。
【0046】これらの二軸配向シートの共押出、急冷、
配向、および熱固定は、フラットシート法またはバブル
もしくはチューブラー法などの、配向シートを製造する
のに当該技術分野において知られているいずれの方法で
行ってもよい。フラットシート法には、スリットダイを
通して配合物を押出または共押出し、押出または共押出
されたウェブを冷却キャスティングドラム上で迅速に急
冷して、シートのポリマー成分(複数種であってもよ
い)をそれらの凝固温度未満に急冷することが含まれ
る。次に、急冷されたシートを、それらのポリマー(複
数種であってもよい)のガラス転移温度より高い温度で
互いに垂直な方向に延伸することによって二軸配向させ
る。このシートを一方向に延伸し、次に第2の方向に延
伸しても、または両方向に同時に延伸してもよい。シー
トを延伸した後、両延伸方向における収縮に抗してシー
トをある程度拘束しながら、ポリマーを結晶化させるの
に十分な温度まで加熱することによって、シートを熱固
定する。
【0047】本発明の裏面シートの表面粗さは、写真処
理装置における効率的な搬送および写真処理バックマー
キングを両方とも提供するのに必要な2種の表面粗さ成
分を有する。効率的な搬送を提供するための低周波粗さ
および印刷および書き込みのための表面を提供するため
の高周波粗さの両方を組み合わせるのが好ましい。高周
波粗さとは、空間周波数が 500周期/mmを超え、山〜谷
の高さのメジアンが1μm未満であると定義される。高
周波粗さは、画像の裏面に貴重な情報が印刷される写真
処理バックマーキングおよびペンおよび鉛筆などのさま
ざまな筆記用具を使用して画像の裏面にマーキングする
消費者筆記性における決定要因である。高周波粗さは、
Park Scientific M-5 原子間力マルチモード走査型プロ
ーブ顕微鏡を使用して測定される。データ補正は、トポ
グラフィーモードの周波数変調方式時時接触走査顕微鏡
法によって行われる。チップは半径がおよそ10nm( 100
オングストローム)でアスペクト比が4:1のウルトラ
レベルのものを使用する。
【0048】裏面の二軸配向フィルムの低周波表面粗さ
またはRaは、粗い冷却ロールにポリエチレンをキャス
トすることによる従来技術の写真材料の裏面に生ずるも
のなどの、比較的微細に間隔があいた表面の凹凸の尺度
である。この低周波粗さ測定値は、μmの単位で記号R
aを使用して表される最大許容粗さの高さの尺度であ
る。本発明の写真材料の裏面の凹凸断面については、山
〜谷の高さの平均(もっとも高い山の高度ともっとも低
い谷の高度との間の鉛直距離の平均)を使用する。低周
波表面粗さは、空間周波数が 200〜 500周期/mmであ
り、山〜谷の高さのメジアンが1μmを超えるものであ
る。低周波粗さは、写真処理装置、ディジタルプリンタ
ー、および製造過程の中で像形成要素を如何に効率的に
搬送するかということの決定要因である。低周波粗さは
Perthometerなどの表面測定装置によって測定されるの
が一般的である。
【0049】包装産業において一般的に使用されている
二軸配向ポリオレフィンシートでは、溶融押出し、次に
両方向(縦方向および横方向)に配向させて、所望の機
械的強度特性をシートに付与するのが一般的である。二
軸配向過程により、一般に、0.23μm未満の低周波表面
粗さがつくりだされる。包装産業においては平滑な表面
が価値を有するけれども、印画紙用の裏面層としての使
用には制約がある。本発明の二軸配向シートに好ましい
低周波粗さは0.30〜2.00μmである。ベース紙の裏面に
ラミネートした場合、二軸配向シートは0.30μmを超え
る低周波表面粗さを有し、世界中で購買され設置されて
いる多くのタイプの写真仕上装置中での効率的な搬送を
確保しなければならない。0.30μm未満の低周波表面粗
さでは、写真仕上装置中での搬送が非効率的になる。2.
54μmを超える低周波表面粗さでは、表面が粗すぎて写
真仕上装置において搬送問題を引き起こし、この材料が
ロールに巻き取られる際に、この粗い裏面の表面がハロ
ゲン化銀乳剤をエンボスし始めるであろう。
【0050】表皮層が写真要素の底部にある本発明の好
ましい裏面二軸配向シートの構造は以下の通りである。
【0051】 ──────────────────────────── 固体ポリプロピレンコア ──────────────────────────── ポリエチレンのコポリマー並びに エチレン、プロピレンおよびブチレンのターポリマー ──────────────────────────── スチレンブタジエンメタクリレート塗膜 ────────────────────────────
【0052】表皮層の低周波表面粗さは、最底部表皮層
中に添加剤を導入することによって達成することができ
る。これらの添加剤は、粗い表皮層を有するシートの押
出の前に導入される。添加剤の粒径は好ましくは0.20μ
m〜10μmである。0.20μm未満の粒径では、所望の低
周波表面粗さを得ることができない。10μmを超える粒
径では、添加剤が好ましくない表面ボイドを二軸配向過
程の間につくりだし始め、これは、印画紙用途には不適
格であろうし、この材料がロールに巻き取られる際に、
ハロゲン化銀乳剤をエンボスし始めるであろう。最底部
表皮層に添加されて、所望の裏面粗さをつくりだす好ま
しい添加剤は、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、およびそれら
の混合物からなる無機粒子の群より選ばれる材料を含ん
でなる。好ましい添加剤はまた、スチレン、アクリル酸
ブチル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリ
ル酸メチル、エチレングリコールジメタクリレート、ビ
ニルピリジン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、ビニル
ベンジルクロライド、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジ
ビニルベンゼン、アクリルアミドメチルプロパンスルホ
ン酸、ビニルトルエン、ポリスチレン、またはポリメタ
クリル酸メチルからなる群に由来するモノマーを使用し
ている架橋ポリマービーズであってもよい。
【0053】二軸配向裏面シートに添加剤を添加して、
これらのシートの白色度を高めてもよい。これには、二
酸化チタン、硫酸バリウム、クレー、または炭酸カルシ
ウムなどの白色顔料を添加することを含む、当該技術分
野において既知の如何なる方法も含まれるであろう。こ
れには、紫外領域のエネルギーを吸収して主として青領
域で発光する蛍光剤、またはシートの物理的性質もしく
はシートの加工性を改良する他の添加剤を添加すること
もまた含まれるであろう。
【0054】二軸配向シートの最底部表皮層上に所望の
低周波粗さをつくりだすもっとも好ましい方法は、ポリ
プロピレンなどのマトリックスポリマーと混合された不
混和性ブロックコポリマーを使用することである。本発
明のブロックコポリマーは、一つの単一鎖中の化学原子
価(chemical valence)によって互いに結合されている2
種以上のモノマー単位の長い区間を含有しているポリマ
ーである。シートの二軸配向の間、不混和性ブロックコ
ポリマーはお互いにまたはマトリックスポリマーと混ざ
ることはなく、結果として、でこぼこの、粗い表面がつ
くりだされる。本発明の二軸配向シートの配向の際に、
マトリックスポリマーのガラス転移温度を超える温度で
表皮層を配向させる場合、不混和性ブロックコポリマー
が異なる速さで流れて、所望の低周波表面粗さと、表皮
層にホモポリマーを含有している典型的な二軸配向シー
トと比較してより低い表面光沢とをつくりだす。本発明
の好ましいブロックコポリマーはポリエチレンとポリプ
ロピレンとの混合物である。本発明の低周波表面粗さを
提供するポリマー調合物の例は、ポリエチレンのコポリ
マーと、エチレン、プロピレン、およびブチレンのター
ポリマーとの混合物である。
【0055】平滑な二軸配向シートの低周波表面粗さを
増大させるための最終的に好ましい方法は、市販のエン
ボス装置の使用によってシートに粗さをエンボスするこ
とである。平滑なフィルムをニップロールおよび型押ロ
ールを含有しているニップを通して搬送する。圧力およ
び熱をかけると、型押ロールのパターンが平滑な二軸配
向シート上にエンボスされる。エンボス加工の間に得ら
れる表面の粗さおよびパターンはエンボスロール上の表
面の粗さおよびパターンの結果である。
【0056】二軸配向シートの最底部層にはランダムな
低周波粗さパターンが好ましい。ランダムなパターン、
または特定のパターンがまったく無いものはセルロース
紙の外観およびテクスチャーをもっとも良好にシミュレ
ートし、写真画像の商業的価値を付加するので、ランダ
ムなパターンの方が規則的なパターンよりも好ましい。
最底部表皮層上のランダムなパターンは、規則的なパタ
ーンと比較して、画像面に転写する低周波表面粗さの影
響を低減するであろう。転写された低周波表面粗さパタ
ーンがランダムであると、規則的なパターンよりも検出
がより困難になる。
【0057】本発明の二軸配向シートの好ましい高周波
粗さは、 500周期/mmの高域カットオフフィルターを用
いて測定した場合に 0.001〜0.05μmである。0.0009μ
m未満の高周波粗さでは、画像の湿式化学処理を通して
写真仕上バックマーキングが残るのに必要とされる粗さ
が提供されない。高周波粗さにより、不均一な表面が提
供され、その表面上に、バックマーキングのインク(通
常はコンタクトプリンターまたはインクジェットプリン
ターによって適用される)が付着し、写真処理での摩耗
から保護されることができる。 0.060μmを超える高周
波粗さでは、ペンおよび鉛筆による消費者筆記性の改良
に適当な粗さが提供されない。写真処理バックマーキン
グによく似たペンは、ペンのインクが集まって乾燥する
ための部位を必要とする。鉛筆は、鉛筆から炭素を摩り
減らすための粗さを必要とする。
【0058】本発明の裏面シートの高周波表面粗さは、
所望の周波数の表面粗さを生ずる材料を含有している別
個の層を表皮層上に塗布することによって、または2つ
の方法の何らかの組み合わせによって達成される。所望
の周波数の表面粗さを生ずる材料には、二酸化珪素、酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、カオリン、
アルミナ、硫酸バリウム、二酸化チタン、およびそれら
の混合物が含まれる。さらに、スチレン、ブチルアクリ
ルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、エ
チレングリコールジメタクリレート、ビニルピリジン、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、ビニルベンジルクロラ
イド、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニルベンゼ
ン、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、および
ポリシロキサン樹脂を使用している架橋ポリマービーズ
を使用して、本発明の高周波表面粗さを形成させてもよ
い。これらの規定された材料はすべて、表皮層として、
または塗布層として、またはそれらの何らかの組み合わ
せとして使用してもよい。
【0059】所望の高周波粗さをつくりだすのに好まし
い方法は、塗布バインダーの適用によるものである。塗
布バインダーを当該技術分野において既知のさまざまな
方法を使用して塗布して、薄く、均一な塗膜を生じさせ
ることができる。許容可能な塗布方法の例には、グラビ
アコーティング、エアナイフコーティング、塗りロール
コーティング、またはカーテンコーティングが含まれ
る。塗布バインダーを、スチレンアクリレート、スチレ
ンブタジエンメタクリレート、スチレンスルホネート、
もしくはヒドロキシエチルセルロース、またはそれらの
何らかの混合物からなる架橋剤と共に塗布してもよく、
それら無しに塗布してもよい。これらのバインダーを単
独で使用して所望の高周波粗さを達成してもよく、また
は上述の微粒子のいずれかと組み合わせて前記の粗さを
達成してもよい。好ましい類のバインダー材料は、アル
キル基が3〜8個の炭素原子を有するメタクリル酸アル
キル約30〜78モル%、エチレン系不飽和スルホン酸約2
〜約10モル%、およびビニルベンゼン20〜約65モル%の
付加生成物からなり、このポリマーは30〜65℃のガラス
転移点を有する。適当に配合し、塗布し、そして乾燥す
ると、バックマーキングおよび写真仕上裏面印刷が残る
のに特に有用なコロイド状シリカと組み合わさって、ま
たは当該コロイド状シリカが無くても、このラテックス
の凝集により高周波粗さが生ずる。
【0060】本発明の高周波粗さを生じさせるのに好ま
しい材料の例は、ポリエチレンのコポリマーと、エチレ
ン、プロピレン、およびブチレンを含んでなるターポリ
マーとからなる二軸配向表皮層上に塗布されたスチレン
ブタジエンメタクリレートである。スチレンブタジエン
メタクリレートは、グラビア/バッキング塗布ロールシ
ステムを使用して25g/m2 に塗布される。このスチレ
ンブタジエンメタクリレート塗膜を乾燥して55℃の表面
温度とする。この例の二軸配向シートには、二軸配向コ
ポリマー調合物に由来する低周波成分と、スチレンブタ
ジエンメタクリレートの塗布層に由来する高周波成分と
が含有されている。
【0061】本発明の好ましい二軸配向裏面シート10
の略断面図を図1に図解する。低周波および高周波の粗
さ成分が、共押出配向層13に接合されている二軸配向
層12の上に配置されている。低周波の山18、22、
および24が層12と一体として示されており、これら
は、上述の不混和性ブロックコポリマー技法またはエン
ボス技法を使用して形成させることができる。高周波層
32はオーバーコートとして適用されている。山18、
22、および24を有する低周波成分は波長26および
山の高さ28を有する。高周波成分32は波長34およ
び山の高さ36を有する。低周波成分の波長26は高周
波成分の波長34よりもはるかに長い。高周波成分32
は取扱中に山が擦り落とされることが多いので、山1
8、22、および24から失われていることが示されて
いる。
【0062】画像層の反対側に所望の表面粗さを有する
ラミネート二軸配向シートを含有している印画紙を成功
裏に搬送するためには、最底部層の上に帯電防止塗膜が
あるのが好ましい。帯電防止塗膜は、印画紙の搬送中の
静電気を低減させるために写真ウェブ材料に塗布するこ
とが当該技術分野において既知のいずれの材料を含有し
ていてもよい。帯電防止塗膜の好ましい表面抵抗率は50
%RHにおいて1013Ω/□未満である。
【0063】これらの二軸配向シートを、共押出および
配向過程の後またはキャスティングと全配向との間に、
プリント性などのシートの特性を向上させるのに使用す
ることができるいくつかの数の塗膜で塗布または処理し
て、蒸気バリヤーを提供し、それらをヒートシール可能
にし、または支持体もしくは感光層への接着性を向上さ
せてもよい。これらの例としては、プリント性について
はアクリル系塗膜、ヒートシール特性についてはポリ塩
化ビニリデン塗膜がある。さらなる例としては、プリン
ト性または接着性を向上させるための火炎処理、プラズ
マ処理、またはコロナ放電処理が含まれる。
【0064】ミクロボイド化複合シートおよび二軸配向
シートをラミネートして感光性ハロゲン化銀層のラミネ
ート支持体を得るための支持体は、高分子、合成紙、
布、ポリマー繊維織物、もしくはセルロース繊維紙支持
体、またはそれらのラミネートであってもよい。ベース
は、米国特許第 4,912,333号、同 4,994,312号、および
同 5,055,371号の各明細書に記載されているような、ミ
クロボイド化ポリエチレンテレフタレートであってもよ
い。
【0065】好ましい支持体は写真グレードのセルロー
ス繊維紙である。セルロース繊維紙支持体を使用する場
合は、ポリオレフィン樹脂を使用して、ミクロボイド化
複合シートをベース紙に押出ラミネートするのが好まし
い。押出ラミネートは、本発明の二軸配向シートとベー
ス紙との間に接着剤を適用することにより、それらを一
緒にし、続いて2本のローラーの間などのニップにおい
てそれらをプレスすることによって行う。それらをニッ
プに入れる前に、二軸配向シートまたはベース紙のいず
れかに接着剤を適用してもよい。好ましい態様において
は、二軸配向シートおよびベース紙と同時に接着剤をニ
ップ中に適用する。接着剤は、写真要素に悪影響を及ぼ
さないものであればいずれの好適な材料であってもよ
い。好ましい材料は、ベース紙と二軸配向シートとの間
のニップ中に入れるときに溶融するポリエチレンであ
る。
【0066】ラミネート過程中は、二軸配向シート(複
数であってもよい)の張力の制御を維持して、得られる
ラミネート支持体のカールを最小化するのが望ましい。
高湿度用途(>50%RH)および低湿度用途(<20%RH)
については、裏面および表面の両方にフィルムをラミネ
ートしてカールを最小に保つのが望ましい。
【0067】1つの好ましい態様において、望ましい写
真としての外観および感触を有する写真要素を製造する
ためには、比較的厚い紙支持体(例えば、薄くとも 120
μm、好ましくは 120〜 250μmの厚み)および比較的
薄いミクロボイド化複合シート(例えば、50μm未満、
好ましくは20〜50μm、より好ましくは30〜50μmの厚
み)を使用するのが好ましい。
【0068】本明細書で使用されているように、「像形
成要素」という用語は、インクジェット印刷または感熱
色素転写などの技法により画像を支持体に転写させるた
めのラミネート支持体、並びにハロゲン化銀画像のため
の支持体として使用することができる材料である。本明
細書で使用されているように、「写真要素」という用語
は、画像の形成に感光性ハロゲン化銀を利用する材料で
ある。感熱色素転写またはインクジェットの場合、像形
成要素上に塗布される画像層は、ゼラチン、着色ラテッ
クス、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ
ビニルピロリドン、澱粉、およびメタクリレートなど
の、当該技術分野において既知のいずれの材料であって
もよい。写真要素は単色要素または多色要素であること
ができる。多色要素は、スペクトルの三原色領域の各々
に感度を有する画像色素形成ユニットを含有している。
各ユニットは、スペクトルの所定の領域に感度を有する
単一の乳剤層または複数の乳剤層を含むことができる。
それらの要素の層(画像形成ユニットの層を含む)は、
当該技術分野において知られているさまざまな順序に配
列することができる。別の態様では、スペクトルの三原
色領域の各々に感度を有する乳剤を単一の区分層として
配置することができる。
【0069】本発明に有用な写真乳剤は、一般に、当該
技術分野における従来の方法によりハロゲン化銀結晶を
コロイド状マトリックス中に析出させることによって調
製される。コロイドは、概して、ゼラチン、アルギン
酸、またはそれらの誘導体などの親水性のフィルム形成
剤である。
【0070】析出工程で形成された結晶を洗浄し、次
に、分光増感色素および化学増感剤を添加し、そして加
熱工程(乳剤温度を概して40℃〜70℃に上げ、一定時間
維持する)に付すことによって化学増感および分光増感
させる。本発明に用いられる乳剤を調製するのに利用さ
れる析出並びに分光増感および化学増感の方法は当該技
術分野において知られている方法とすることができる。
【0071】乳剤の化学増感には、概して、硫黄含有化
合物(例えばアリルイソチオシアネート、チオ硫酸ナト
リウムおよびアリルチオ尿素)、還元剤(例えばポリア
ミンおよび第一錫塩)、貴金属化合物(例えば金、白
金)、並びに高分子薬剤(例えばポリアルキレンオキシ
ド)などの増感剤が用いられる。記載されているよう
に、熱処理を施して化学増感を完了させる。分光増感
は、可視または赤外スペクトル内の対象とする波長範囲
となるように設計された色素の組み合わせを用いて行
う。このような色素を熱処理前および熱処理後の両時点
で添加することが知られている。
【0072】分光増感後、乳剤を支持体上に塗布する。
さまざまな塗布技法には、浸漬コーティング、エアナイ
フコーティング、カーテンコーティング、および押出コ
ーティングが含まれる。
【0073】本発明に利用されるハロゲン化銀乳剤は、
如何なるハロゲン化物配分になっていてもよい。従っ
て、それらは、塩化銀、塩ヨウ化銀、臭化銀、臭塩化
銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、臭ヨウ塩化
銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭塩化銀、およびヨウ塩臭化銀
の乳剤からなっていてもよい。しかしながら、乳剤は主
に塩化銀乳剤であるのが好ましい。主に塩化銀であると
は、約50モル%を超える乳剤粒子が塩化銀であることを
意味する。好ましくは、それらは約90モル%超が塩化銀
であり、最適には約95モル%超が塩化銀である。
【0074】これらのハロゲン化銀乳剤は任意の大きさ
および形態の粒子を含有することができる。従って、こ
れらの粒子は、立方形、八面体、立方八面体、または立
方格子タイプのハロゲン化銀粒子において天然に産出す
る任意の他の形態の形をとっていてもよい。さらに、こ
れらの粒子は非等軸のもの、例えば、球状粒子または平
板状粒子であってもよい。平板状または立方形の形態を
有する粒子が好ましい。
【0075】本発明の写真要素は、The Theory of the
Photographic Process, Fourth Edition, T.H. James,
Macmillan Publishing Company, Inc., 1977, pages 15
1-152 に記載されている乳剤を利用していてもよい。ハ
ロゲン化銀乳剤の写真感度を高めるために還元増感を施
すことが知られている。還元増感されたハロゲン化銀乳
剤は一般に良好な写真スピードを示すけれども、それら
には望ましくないカブリおよび貯蔵安定性不良という欠
点があることが多い。
【0076】還元増感は、還元増感剤(銀イオンを還元
して金属銀原子を形成させる化学物質)を添加すること
により、または還元性環境(例えば、高pH(水酸化物
イオン過剰)および/または低pAg(銀イオン過
剰))を提供することによって、意図的に実施すること
ができる。ハロゲン化銀乳剤の析出中に、例えば、硝酸
銀またはアルカリ溶液を迅速にまたは混合不良な状態で
添加して乳剤粒子を形成させた場合に、偶発的な還元増
感が起こることがある。また、チオエーテル、セレノエ
ーテル、チオ尿素、またはアンモニアなどの熟成剤(粒
子成長調整剤)の存在下でハロゲン化銀乳剤を析出させ
ると、還元増感が促進される傾向がある。
【0077】析出または乳剤を還元増感するための分光
増感/化学増感の際に使用される還元増感剤および環境
の例には、米国特許第 2,487,850号、同 2,512,925号、
および英国特許第 789,823号の各明細書に記載されてい
るアスコルビン酸誘導体、錫化合物、ポリアミン化合
物、および二酸化チオ尿素系化合物が含まれる。還元増
感剤または条件の具体例、例えばジメチルアミンボラ
ン、塩化第一錫、ヒドラジン、高pH(pH8〜11)お
よび低pAg(pAg1〜7)での熟成が、S. Collier
によって、Photographic Science and Engineering, 2
3, 113 (1979)において考察されている。意図的に還元
増感されたハロゲン化銀乳剤の調製方法の例が、欧州特
許公開公報第 0 348 934号 (Yamashita)、欧州特許第 0
369 491号 (Yamashita)、同第 0 371 388号(Ohashi)、
欧州特許公開公報第 0 396 424号(Takada)、同第 0 404
142号(Yamada)、および同第 0 435 355号(Makino)の各
明細書に記載されている。
【0078】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャー (Research Disclosure)、1996年9月、アイテ
ム 38957、セクションI(Kenneth Mason Publication
s, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth,
Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND 発行)に記載されてい
る第VIII族金属、例えばイリジウム、ロジウム、オスミ
ウムおよび鉄でドープされた乳剤を使用してもよい。さ
らに、ハロゲン化銀乳剤の増感におけるイリジウムの使
用についての一般的な要約は、Carroll の"Iridium Sen
sitization: A Literature Review", Photographic Sci
ence and Engineering, Vol.24, No.6, 1980に含有され
ている。イリジウム塩および写真分光増感色素の存在下
で乳剤を化学増感させることによってハロゲン化銀乳剤
を製造する方法は、米国特許第 4,693,965号明細書に記
載されている。場合によっては、このようなドーパント
を導入した際に、The British Journal of Photographi
c Annual, 1982, pages 201-203 に記載されているカラ
ーリバーサルE−6法で処理すると、フレッシュカブリ
の増加およびコントラストが低い特性曲線を乳剤が示
す。
【0079】本発明の典型的な多色写真要素は、少なく
とも1種のシアン色素形成カプラーを関連して有する赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含んでなるシ
アン色素画像形成ユニット、少なくとも1種のマゼンタ
色素形成カプラーを関連して有する緑感性ハロゲン化銀
乳剤層を少なくとも1層含んでなるマゼンタ色素画像形
成ユニット、および少なくとも1種のイエロー色素形成
カプラーを関連して有する青感性ハロゲン化銀乳剤層を
少なくとも1層含んでなるイエロー色素画像形成ユニッ
トを担持している本発明のラミネート支持体を含んでな
る。この要素は、追加層、例えばフィルター層、中間
層、オーバーコート層、下塗り層などを含有していても
よい。本発明の支持体を黒白写真プリント要素に利用し
てもよい。
【0080】当該写真要素はまた、米国特許第 4,279,9
45号および同 4,302,523号の各明細書にあるように、透
明磁気記録層、例えば透明支持体の裏側に磁性粒子を含
んでいる層を含有していてもよい。概して、この要素は
約5〜約30μmの全厚(支持体を除く)を有するであろ
う。
【0081】本発明は、1997年9月のリサーチディスク
ロージャー、 40145に開示されている材料と共に利用し
てもよい。本発明は、セクションXVI およびXVIIのカラ
ーペーパーの例にある材料と共に使用するのに特に好適
である。セクションIIのカプラーもまた特に好適であ
る。セクションIIのマゼンタIカプラー、特に下記に示
すM−7、M−10、M−11、およびM−18が特に
望ましい。
【0082】
【化1】
【0083】以下の表では、(1)リサーチディスクロ
ージャー、1978年12月、アイテム 17643、(2)リサー
チディスクロージャー、1989年12月、アイテム308119、
および(3)リサーチディスクロージャー、1996年9
月、アイテム 38957(すべてKenneth Mason Publicatio
ns, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emswort
h, Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND 発行)を参照する。
以下の表および表中で引用されている参考文献は、本発
明の要素に使用するのに好適な個々の構成成分を説明し
ているものと解されるべきである。以下の表およびその
引用参考文献はまた、要素の調製、露光、処理、および
取り扱いの好適な方法、並びにそこに含有されている画
像をも説明している。
【0084】
【表1】
【0085】写真要素は、紫外、可視および赤外領域の
電磁スペクトル、並びに電子ビーム、β線、γ線、X
線、α粒子、中性子線、および非コヒーレント(ランダ
ム相)形態または(レーザーによって生ずる)コヒーレ
ント(同期位相)形態のいずれかの他の形の粒子および
波状の輻射エネルギーを含むさまざまな形のエネルギー
で露光させることができる。写真要素がX線によって露
光されることが企図されている場合、それらが従来の放
射線写真要素に見出される特徴を含んでいてもよい。
【0086】当該写真要素は、概してスペクトルの可視
領域の化学線に露光させて、潛像を形成させ、次に、好
ましくは熱処理以外の方法で処理して可視像を形成させ
るのが好ましい。処理は、既知のRA−4(商標)(Eas
tman Kodak Company) 法または高塩化物乳剤を現像する
のに好適な他の処理システムで実施するのが好ましい。
【0087】本発明のラミネート基材には、1996年2月
8日に出願された米国特許出願番号第08/598,785号およ
び同日に出願された米国特許出願番号第08/598,778号の
各明細書において開示されているような複写制限機能が
導入されていてもよい。これらの出願には、目に見えな
いマイクロドットのパターンを文書中に埋め込むことに
よって文書を複写できないようにすることが開示されて
いる。しかしながら、これらのマイクロドットはディジ
タル文書複写機の電気光学走査装置によって検出可能で
ある。マイクロドットのパターンを文書の隅々に導入し
てもよい。このような文書はまた、使用者または機械が
媒体を読み取ったり、識別したりすることができるよう
に、着色された縁または目に見えないマイクロドットパ
ターンを有していてもよい。媒体は画像を担持すること
ができるシートの形をしていてもよい。このような材料
の典型は、印画紙およびポリエチレン樹脂コート紙、ポ
リエステル、ポリエチレンナフタレート、および三酢酸
セルロース系材料からなるフィルム材料である。
【0088】マイクロドットは、個々のマイクロドット
が画像の有用性を低下させるのに十分に知覚される大き
さよりも小さければ如何なる規則的または不規則な形状
をとることもでき、その最小レベルは走査装置の検出レ
ベルによって決まる。マイクロドットは、文書の濃度を
高めないように中心〜中心の間隔が制御されていれば、
規則的なまたは不規則な配列で分布していてもよい。普
通の観察によって十分に検出されることにつながらなけ
れば、如何なる色彩、明度、および彩度のものであって
もよいけれども、人間の目ではもっとも解像不可能で、
さらに最適な検出のための文書走査装置の感度に適合さ
せるのに好適な色相のものが好ましい。
【0089】1つの態様においては、情報を携えている
文書が、支持体、支持体上に塗布された画像形成層、お
よび支持体と画像形成層との間に配置されたマイクロド
ットのパターンからなり、複写制限媒体を提供する。原
文書をつくる前または後のいずれかに、さまざまな印刷
技術によって、マイクロドットパターンを文書媒体中に
導入することができる。マイクロドットは、文書の性質
にもよるけれども、いずれの着色基材からなっていても
よく、着色剤は半透明、透明、または不透明であっても
よい。保護層が光散乱顔料を含有していない場合は、保
護層の適用前に支持層上にマイクロドットパターンを配
置するのが好ましい。また、マイクロドットはこのよう
な層の上に配置されるべきであり、好ましくは保護層と
共に塗布されるべきである。マイクロドットは、写真技
術分野において既知の画像色素およびフィルター色素か
ら選択される着色剤からなり、印刷用インクまたは感光
性媒体に使用されるバインダーまたはキャリア中に分散
されていてもよい。
【0090】好ましい態様においては、感光性材料を電
磁輻射線の可視または非可視の波長に適当な時間、空
間、スペクトルで露光させることによって、潜像として
のマイクロドットパターンの生成が可能である。標準的
な写真化学処理を用いることによって、潜像マクロドッ
トパターンを検出可能にすることができる。カラーおよ
び黒白の両方の画像形成写真媒体に、マイクロドットは
特に有用である。概してこのような写真媒体は少なくと
も3層のハロゲン化銀輻射線感受性層を含有しているけ
れども、このような写真媒体は少なくとも1層のハロゲ
ン化銀輻射線感受性層を含有しているであろう。このよ
うな媒体が同じ領域の輻射線に対して感度のある層を1
層以上含有していることもまた可能である。層の配列
は、1995年2月のリサーチディスクロージャー、 37038
において考察されているように、当業者に既知のいずれ
の形をとっていてもよい。
【0091】各例の商業グレードの紙 漂白硬材クラフト50%、漂白硬材サルファイト25%、お
よび漂白軟材サルファイト25%のパルプ完成紙料を二重
円板式リファイナー、次にJordanコニカルリファイナー
を用いて精製し、 200cm3 のカナダ標準濾水度とするこ
とによって、印画紙支持体を製造した。得られたパルプ
完成紙料に、乾燥重量に対して 0.2%のアルキルケテン
ダイマー、 1.0%のカチオン性コーンスターチ、 0.5%
のポリアミド−エピクロロヒドリン、0.26のアニオン性
ポリアクリルアミド、および 5.0%のTiO2 を添加し
た。約 0.227kg/m2 (1000平方フート(ksf) あたり4
6.5ポンド)の絶乾重量のベース紙を長網抄紙機で製造
し、湿式プレスして42%の固形分とし、そして蒸気加熱
乾燥機を使用して10%の水分まで乾燥し、 160シェフィ
ールド単位(Sheffield Unit)のシェフィールド多孔度(S
heffield Porosity)および0.70g/cm3 の嵩密度とし
た。次に、この紙を、縦型サイズプレスを使用して、10
%ヒドロキシエチル化コーンスターチ溶液で表面サイズ
を施し、 3.3重量%の澱粉充填量とした。この表面サイ
ズを施した支持体をカレンダーに掛けて、1.04g/cm3
の嵩密度とした。
【0092】以下の例は本発明の実施を説明するもので
ある。それらは本発明のすべての可能な変型を網羅する
ように企図されたものではない。部および百分率は、特
に断らない限り、重量法によるものである。
【0093】
【実施例】例1 頂部二軸配向ミクロボイド化ポリプロピレンシートを写
真グレードセルロース紙ベースの乳剤側に、さまざまな
二軸配向シートを写真グレードセルロース紙ベースの裏
側に押出ラミネートすることによって、以下のラミネー
ト写真用ベースA〜Dを調製した。1924P 低密度ポリエ
チレン (Eastman Chemical Co.) (密度が 0.923g/cm
3 で、メルトインデックスが 4.2の押出グレード低密度
ポリエチレン)を接着層として使用して溶融押出ラミネ
ートすることによって、写真用ベースA〜Dを調製し
た。
【0094】以下の頂部シートを、写真グレードセルロ
ース紙ベースの表面側にラミネートして、写真用ベース
A〜Dを得た。
【0095】頂部シート(乳剤側):ミクロボイド化配
向ポリプロピレンコア(全シート厚のおよそ60%)から
なり、各面に非ボイド化配向ポリプロピレンホモポリマ
ーを有する複合シート(31μ厚)(d=0.68g/cm3
である、OPPalyte 350 ASW (Mobil Chemical Co.) 。使
用したボイド開始剤はポリブチレンテレフタレートであ
る。
【0096】次に、以下の底部二軸配向シートを、写真
グレードセルロース紙ベースの裏側にラミネートして、
写真用ベースA〜Dとした。
【0097】写真用ベースA:中実配向ポリプロピレン
層並びにポリエチレンと、エチレン、プロピレン、およ
びブチレンを含んでなるターポリマーとのブロックコポ
リマーの表皮層からなる、片側が艶消仕上、片側が処理
されている二軸配向ポリプロピレンシート(18μm厚)
(d=0.90g/cm3 )である、BICOR 70 MLT (Mobil Ch
emical Co.) 。表皮層を底部とし、ポリプロピレン層を
紙にラミネートした。
【0098】写真用ベースB:中実配向ポリプロピレン
層並びにポリエチレンと、エチレン、プロピレン、およ
びブチレンを含んでなるターポリマーとのブロックコポ
リマーの表皮層からなる、片側が艶消仕上、片側が処理
されている二軸配向ポリプロピレンシート(18μm厚)
(d=0.90g/cm3 )である、BICOR 70 MLT (Mobil Ch
emical Co.) 。表皮層を底部とし、ポリプロピレン層を
紙にラミネートした。
【0099】写真用ベースC:単一の中実ポリプロピレ
ン層からなる二軸配向両面コロナ放電処理ポリプロピレ
ンシート(18μm厚)(d= 0.9g/cm3 )である、BI
COR LBW (Mobil Chemical Co.)。
【0100】写真用ベースD:単一の中実ポリプロピレ
ン層からなる二軸配向両面コロナ放電処理ポリプロピレ
ンシート(18μm厚)(d= 0.9g/cm3 )である、BI
COR LBW (Mobil Chemical Co.)。
【0101】次に、グラビアコーターを使用して、ベー
スBおよびDに塗膜を適用し、低周波粗さ表面に所望の
高周波粗さを生じさせた。塗膜はスチレンスルホン酸の
ナトリウム塩を含有している水溶液からなるものを使用
した。付着量を25mg/m2 とし、次に、乾燥させて、最
終的なウェブ温度を約55℃とし、得られた凝集ラテック
ス材料により、所望の高周波粗さパターンを生じさせ
た。スチレンスルホン酸のナトリウム塩に加えて、アル
ミニウムで改質したコロイド状二酸化珪素粒子を50mg/
2 の濃度でラテックス材料の水溶液に添加した。これ
により、高周波粗さがさらに高まった。
【0102】下記に詳述されているコーティングフォー
マット1を使用して写真用ベースA〜Dに感光性ハロゲ
ン化銀を塗布した。
【0103】 コーティングフォーマット1 レイダウン(mg/m2 ) 層1 青感性層 ゼラチン 1300 青感性銀 200 Y−1 440 ST−1 440 S−1 190
【0104】 層2 中間層 ゼラチン 650 SC−1 55 S−1 160
【0105】 層3 緑感性 ゼラチン 1100 緑感性銀 70 M−1 270 S−1 75 S−2 32 ST−2 20 ST−3 165 ST−4 530
【0106】 層4 UV中間層 ゼラチン 635 UV−1 30 UV−2 160 SC−1 50 S−3 30 S−1 30
【0107】 層5 赤感性層 ゼラチン 1200 赤感性銀 170 C−1 365 S−1 360 UV−2 235 S−4 30 SC−1 3
【0108】 層6 UVオーバーコート ゼラチン 440 UV−1 20 UV−2 110 SC−1 30 S−3 20 S−1 20
【0109】 層7 SOC ゼラチン 490 SC−1 17 SiO2 200 界面活性剤 2
【0110】
【化2】
【0111】
【化3】
【0112】
【化4】
【0113】直径2μのボールチップを備えたTAYLOR-H
OBSON Surtronic 3 によって各々の支持体の裏面の低周
波粗さを測定した。TAYLOR-HOBSON からの出力Raまた
は「粗さ平均」は単位がμmであり、この装置は0.25μ
mを超える大きさをすべて排除する内蔵カットオフフィ
ルターを有する。各々のベースについての10点のデータ
の粗さ平均を表Iに列挙する。高周波粗さは、Park Sci
entific M-5 原子間力マルチモード走査型プローブ顕微
鏡を使用して測定した。データ補正は、トポグラフィー
モードの周波数変調方式時時接触走査顕微鏡法によって
行った。チップは半径がおよそ10nm( 100オングストロ
ーム)でアスペクト比が4:1のウルトラレベルのもの
を使用した。ウルトラレベルのプローブは、Park Scien
tific Company によって提供されているものを使用し
た。
【0114】
【表2】
【0115】表Iのデータは、典型的な二軸配向ポリオ
レフィンシート(ベースCおよびD)と比較して、ベー
スAおよびBの裏面の低周波粗さがかなり改良されたこ
とを示している。AおよびBは、写真画像をプリント
し、現像し、そして仕上げるのに一般的に使用される多
くのタイプの写真仕上装置中での効率的な搬送を可能と
するのに十分な低周波裏面粗さを提供するように改質さ
れているため、ベースAおよびBについての裏面の低周
波粗さの改良はベースCおよびDと比較してかなり大き
い。低周波粗さは、不混和性ブロックコポリマーの使用
によって裏面シートの配向過程においてつくりだされ
た。ベースCおよびDと比較したベースAおよびBにお
ける低周波粗さの改良はまた、インクジェットプリンタ
ーまたは感熱色素転写プリンターなどのディジタル印刷
用ハードウェア中での効率的な搬送を可能とするのに十
分大きい。ベースCおよびDの低周波粗さは、裏面と搬
送ローラーとの間の摩擦係数の望ましくない増大を引き
起こし、インクジェットプリンターおよび感熱色素転写
プリンターに一般的な紙の経路における詰まりおよびシ
ート送り装置における紙剥け問題を引き起こした。
【0116】これら4種のベースの筆記性を試験する際
には、2番鉛筆、ボールペン、水性インクペン、および
溶媒系インクペンを含む筆記用具を使用した。典型的な
消費者が評価した場合、Bが全体としての性能が最良で
あることが見出された。CおよびDは鉛筆で書き込むこ
とはできなかった。Aは鉛筆で僅かに書き込むことしか
できなかった。
【0117】転写用のインク材料を含有しているプリン
ターリボンと共に、写真処理業において一般的に使用さ
れているドットマトリックスプリンターを使用して、写
真仕上バックマーキング試験を行った。CおよびDを試
験したところ、得られたマーキングは微かなものであ
り、表面を軽く擦っただけで容易に剥がれた。Aは軽い
摩擦には耐えるであろうバックマーキングを生じたけれ
ども、典型的なカラーペーパー処理機の中を走らせると
バックマーキングが剥がれた。Bは、物理的な摩擦に強
く、可読性が最小に低下するカラーペーパー処理の化学
作用にも耐える、読みやすいバックマーキングを生じ
た。
【0118】凝集ラテックス材料に由来する高周波粗さ
と、ポリプロピレンおよびエチレン、プロピレン、およ
びブチレンを含んでなるターポリマーとの二軸配向ブロ
ックコポリマーに由来する低周波粗さとを組み合わせる
ことによって、従来技術の像形成支持体と比較して優位
に立つことができる。本発明の像形成支持体は、写真仕
上装置の中で効率的に搬送され、重要な写真仕上バック
マーキングを保持するのに必要とされる低周波粗さ、並
びに従来技術の像形成支持体と比較して改良された消費
者筆記性を有する。さらに、本発明の裏面シートにおい
て低周波粗さ成分と高周波粗さ成分とを組み合わせるこ
とにより、高周波粗さ成分が写真処理操作における摩耗
から保護され、画像の商業的価値を高める望ましい筆記
特性を保持した。
【0119】本発明を、その特定の好ましい態様に特に
関して詳細に説明してきたけれども、本発明の精神およ
び範囲内で変型および改良を行うことができることが理
解されるであろう。
【0120】本発明の他の好ましい態様を、請求項との
関連において、次に記載する。
【0121】[1] 500周期/mmの低域カットオフフ
ィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜2.00
μmである低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域カッ
トオフフィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が
0.001〜0.05μmである高周波成分とを有する裏面を含
んでなる像形成要素。
【0122】[2] 前記要素の表面の山と谷との間の
最大断面偏位が5〜10μmである、[1]に記載の要
素。
【0123】[3] 前記要素が、0.10μmのカットオ
フを超える山をcmあたりで 400〜 600個有する、[1]
に記載の要素。
【0124】[4] 前記高周波成分がコーティング材
料の凝集によって形成される突起からなる、[1]に記
載の要素。
【0125】[5] 前記低周波成分がポリエチレンと
エチレン−プロピレン−ブチレンのターポリマーとの混
合物の二軸配向によって形成される突起からなる、
[1]に記載の要素。
【0126】[6] 前記要素が、紙ベースに接着剤で
接着されている上部二軸配向ポリオレフィンシートおよ
び前記紙ベースの下面に接着されている下部二軸配向ポ
リマーを含むラミネートベース材料を含んでなり、前記
下部二軸配向ポリマーの下面が規定の粗さを有する、
[1]に記載の要素。
【0127】[7] 前記要素がインクジェット印刷を
受けるのに適合した上部層を有する、[6]に記載の要
素。
【0128】[8] 前記凝集材料がラテックスを含ん
でなる、[4]に記載の要素。
【0129】[9] 前記裏面が、1013Ω/□未満の電
導度を有する帯電防止材料をさらに含んでなる、[1]
に記載の要素。
【0130】[10] 感光性ハロゲン化銀およびカラ
ーカプラーを含む少なくとも1層と、上下の表面に二軸
配向ポリオレフィンシートが接着されている紙を含む複
合写真支持体とを含んでなる写真要素であって、前記紙
の下部表面に接着されている二軸配向シートが裏面を含
んでなり、前記裏面が、 500周期/mmの低域カットオフ
フィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜2.
00μmである低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域カ
ットオフフィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が
0.001〜0.05μmである高周波成分とを有する写真要
素。
【0131】[11] 前記要素の表面の山と谷との間
の最大断面偏位が5〜10μmである、[10]に記載の
要素。
【0132】[12] 前記要素が、0.10μmのカット
オフを超える山をcmあたりで 400〜600個有する、[1
0]に記載の要素。
【0133】[13] 前記高周波成分がコーティング
材料の凝集によって形成される突起からなる、[10]
に記載の要素。
【0134】[14] 前記低周波成分がポリエチレン
とエチレン−プロピレン−ブチレンのターポリマーとの
混合物の二軸配向によって形成される突起からなる、
[10]に記載の要素。
【0135】[15] 前記凝集材料がラテックスを含
んでなる、[13]に記載の要素。
【0136】[16] 前記裏面が、1013Ω/□未満の
電導度を有する帯電防止材料をさらに含んでなる、[1
0]に記載の要素。
【0137】[17] ハロゲン化銀を含む前記少なく
とも1層の層が、赤感性ハロゲン化銀およびシアン色素
形成カプラーを含む層、青感性ハロゲン化銀およびイエ
ロー色素形成カプラーの層、並びに緑感性ハロゲン化銀
およびマゼンタ色素形成カプラーの層を含んでなる、
[1]に記載の要素。
【0138】
【発明の効果】本発明は、感光層のキャスティングのた
めの改良されたベースをを提供する。本発明は、特に、
写真処理装置中での効率的な搬送、写真仕上における裏
面マーキング、および消費者筆記性に必要とされる裏面
粗さを有するカラー写真材料のための改良されたベース
をを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2種の粗さ周波数を示す本発明の要素の図解で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サデウス スティーブン グーラ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,オーバールック トレイル 80 (72)発明者 ロバート ポール バーデレイス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,オークシャー ウェイ 59

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500周期/mmの低域カットオフフィルタ
    ーを用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜2.00μmで
    ある低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域カットオフ
    フィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が 0.001〜
    0.05μmである高周波成分とを有する裏面を含んでなる
    像形成要素。
  2. 【請求項2】 感光性ハロゲン化銀およびカラーカプラ
    ーを含む少なくとも1層と、上下の表面に二軸配向ポリ
    オレフィンシートが接着されている紙を含む複合写真支
    持体とを含んでなる写真要素であって、 前記紙の下部表面に接着されている二軸配向シートが裏
    面を含んでなり、 前記裏面が、 500周期/mmの低域カットオフフィルター
    を用いて測定した場合の粗さ平均が0.30〜2.00μmであ
    る低周波粗さ成分と、 500周期/mmの高域カットオフフ
    ィルターを用いて測定した場合の粗さ平均が 0.001〜0.
    05μmである高周波成分とを有する写真要素。
JP11311344A 1998-10-30 1999-11-01 2種の周波数の裏面粗さを有する像形成要素 Pending JP2000137311A (ja)

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