JP2000136712A - バルブ休止機構付き内燃機関 - Google Patents
バルブ休止機構付き内燃機関Info
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Abstract
の排気バルブの休止および開閉作動に拘わらず、排気2
次空気を排気ポートへ安定して導入して、排気浄化装置
の浄化率を向上させ、さらに排気2次空気を導入するた
めの構造をコンパクトにしたバルブ休止機構付き内燃機
関を提供すること。 【解決手段】 1気筒当たり複数設けられた排気バルブ
のうちの一部の排気バルブが、バルブ休止機構20を具
備するバルブ休止機構付き内燃機関1において、隣接す
る1対の気筒の互いに近い側の排気口にバルブ休止機構
20を具備しない排気バルブ13aがそれぞれ設けら
れ、それら排気バルブ13a近傍の排気ポート11に排
気2次空気導入通路24が開口し、また各排気2次空気
導入通路24に導入する空気量を制御するリードバルブ
装置22をそれぞれ収容する1対の収容室23が、シリ
ンダヘッドカバー6の上面に互いに接して設けられ、そ
の1対の収容室23を覆う単一のキャップ27が装着さ
れる。
Description
複数設けられた排気バルブのうちのいずれかが休止可能
なバルブ休止機構付き内燃機関に排気2次空気導入装置
を設けた内燃機関に関するものである。
ス中の未燃成分であるHCやCOを酸化するために、そ
の排気通路に排気2次空気を導入することはよく知られ
ている。また、このような排気2次空気を導入するため
の装置として、リードバルブを用いたエアサクション式
の排気2次空気導入装置も知られている。
び複数の排気バルブを備えた内燃機関には、低回転また
は低負荷の小吸気量運転時などの特定の機関運転時にお
いて、複数の吸気バルブのうちの一部の吸気バルブの開
閉動作、または複数の排気バルブのうちの一部の排気バ
ルブの開閉動作を休止するバルブ休止機構付き内燃機関
がある(特開平10−184327号公報参照)。
機構付き内燃機関に、排気2次空気導入装置を設ける場
合、つぎのような難点がある。
一部の排気バルブ休止時に、休止される排気バルブが設
けられる排気口からは排気ガスが排出されないため、排
気ポートでの排気ガスの流れは偏ったものとなる。そし
て、排気ポートにおける排気2次空気導入開口の位置に
よっては、その偏った流れのため、排気ガスが排気浄化
装置に至るまでに、排気ガスと排気2次空気とを充分混
合させるために必要な距離を確保し、排気ガスと排気2
次空気との充分な混合を達成しなくてはならない。ま
た、エアサクション式の排気2次空気導入装置では、排
気ポートにおける排気2次空気導入開口の位置によって
は、一部の排気バルブ休止時に、排気ガスの脈動圧が排
気2次空気導入開口に適切に作用するよう、考慮しなく
てはならない。
のであって、バルブ休止機構付き内燃機関において、一
部の排気バルブ休止時においても排気浄化に必要な量の
排気2次空気が排気ポートに導入されるようにすること
により、一部の排気バルブの休止および開閉作動に拘わ
らず、排気2次空気を排気ポートへ安定して導入するこ
とができるバルブ休止機構付き内燃機関を提供すること
を課題とする。
筒を有するバルブ休止機構付き内燃機関において、排気
2次空気を導入するための構造をコンパクトにしたバル
ブ休止機構付き内燃機関を提供することもその課題とす
る。
項1記載の発明は、1気筒当たり複数設けられた排気バ
ルブのうちのいずれかが、内燃機関の運転状態に応じて
バルブ開閉動作を休止させるバルブ休止機構を具備する
バルブ休止機構付き内燃機関において、バルブ休止機構
を具備しない排気バルブ近傍の排気ポートに、排気2次
空気導入開口が設けられたことを特徴とするものであ
る。
バルブ休止機構付き内燃機関において、常時開閉動作す
る、バルブ休止機構を具備しない排気バルブ近傍の排気
ポートに、排気2次空気導入開口が設けられているの
で、バルブ休止機構を具備する排気バルブの休止運転域
においても、排気浄化に必要な量の排気2次空気を導入
でき、一部の排気バルブの休止および開閉作動に拘わら
ず、排気2次空気を排気ポートへ安定して導入すること
ができるため、排気浄化装置における排気ガスの浄化率
が向上する。
筒を有する内燃機関の1気筒当たり複数設けられた排気
バルブのうちのいずれかが、内燃機関の運転状態に応じ
てバルブ開閉動作を休止させるバルブ休止機構を具備す
るバルブ休止機構付き内燃機関において、隣接する1対
の気筒の互いに近い側の排気口にバルブ休止機構を具備
しない排気バルブがそれぞれ設けられ、該バルブ休止機
構を具備しない排気バルブ近傍の排気ポートに、排気2
次空気導入開口がそれぞれ設けられたことを特徴とする
ものである。
隣接する1対の気筒において、バルブ休止機構を具備し
ない排気バルブが、互いに近い側の排気口に設けられ、
その排気バルブ近傍の排気ポートに排気2次空気導入開
口を設けたので、排気2次空気を排気ポートへ安定して
導入することができて、排気浄化装置における排気ガス
の浄化率が向上するほか、排気2次空気導入開口に至る
排気2次空気通路を近接した箇所にまとめて配置するこ
とが可能となり、コンパクトな構造にすることができ
る。
に各排気2次空気導入開口に導入する空気量を制御する
弁をそれぞれ収容する1対の収容室が、シリンダヘッド
カバーの上面に互いに接して設けられ、該1対の収容室
を覆う単一のキャップが該1対の収容室に装着されたこ
とにより、1対の収容室を覆う単一のリードバルブキャ
ップを該1対の収容室に装着したので、それぞれの収容
室に別々のリードバルブキャップを装着する必要がな
く、部品点数および組立工数を減らすことができ、コス
ト低減ができる。
らに1対の気筒にそれぞれ設けられた複数の吸気バルブ
のうちの一部が、内燃機関の運転状態に応じてバルブ開
閉動作を休止させるバルブ休止機構を具備しており、該
1対の気筒の互いに近い側の吸気口にバルブ休止機構を
具備する吸気バルブがそれぞれ設けられたことにより、
機関の低速時や低負荷時等のバルブ休止機構を具備する
吸気バルブおよび排気バルブが休止状態であるときに、
バルブ休止機構を具備しない吸気バルブが設けられた吸
気口のみからの吸気は、燃焼室内で渦流(たとえばスワ
ール)を形成するので、燃焼性を向上でき、安定した希
薄燃焼を行うことができる。そのため、燃費およびエミ
ッションの改善を図ることができる。
本出願発明の一実施形態について説明する。図1は、自
動2輪車に搭載される本出願発明の実施形態であるバル
ブ休止機構付き内燃機関の、クランク軸に直交する平面
における部分概略縦断面図であって、シリンダヘッド、
カム軸、シリンダヘッドカバーおよび吸気接続管を含む
図である。ただし、吸気・排気ポートおよび吸気・排気
バルブの切断面と排気2次空気導入装置の切断面とは異
なる平面である。内燃機関1は直列4気筒4ストローク
サイクル内燃機関であって、シリンダブロック2は、そ
のシリンダ軸線が、車幅方向に指向したクランク軸に対
して車両の前後方向に傾斜している。シリンダブロック
2の上側にはシリンダヘッド3が装着され、シリンダブ
ロック2の下側にはクランクケース4が装着されてい
る。
よびピストン(図示されず)で形成される燃焼室5に
は、互いに独立した二つの吸気口および互いに独立した
二つの排気口を介して、それぞれ吸気ポート10および
排気ポート11が連通している。そして、茸状の吸気バ
ルブ12a,12bおよび茸状の排気バルブ13a,1
3bは、一端が弁軸に取り付けられたリテーナに支持さ
れ、他端がシリンダヘッド3に支持されるバルブスプリ
ング14,15により、それぞれ吸気口および排気口を
常時閉じる方向に付勢されている。また、吸気カムキャ
ップ16および排気カムキャップ17には、それぞれ吸
気カム軸7および排気カム軸8に潤滑油を供給するため
のオイル通路が形成されている。
て、シリンダヘッド3の後方端面で単一の開口となる吸
気ポート10は、仕切壁18により途中で分岐し、それ
ぞれ独立した吸気分岐ポートを有しており、各吸気分岐
ポートは対応する吸気口に連通している。吸気ポート1
0の後方端部には、吸気接続管9を介して気化器が装着
される。
の前方端面で単一の開口となる排気ポート11は、仕切
壁19により途中で分岐し、それぞれ独立した排気分岐
ポートを有しており、各排気分岐ポートは対応する排気
口に連通している。排気ポート11は、排気管マニホー
ルドに接続される。
吸気バルブ12a,12bおよび二つの排気バルブ13
a,13bを有し、そのうちの一つの吸気バルブ12b
および一つの排気バルブ13bはバルブ休止機構20を
具備している。四つの気筒は、車両の前後方向の中心線
に関して、線対称に配置されており、それら四つの気筒
の各シリンダ軸線を含む平面に対して、その平面の車両
後方側に吸気ポート10および吸気バルブ12a,12
bが配置され、その平面の車両前方側に排気ポート11
および排気バルブ13a,13bが配置されている。
において、互いに他の気筒に近い側の吸気口に設けられ
た吸気バルブ12b,12bはバルブ休止機構20を具
備しており、互いに他の気筒から遠い側の吸気口に設け
られた吸気バルブ12a,12aは、バルブ休止機構2
0を具備していない。これに対して、前記1対の気筒に
おいて、互いに他の気筒に近い側の排気バルブ13a,
13aはバルブ休止機構20を具備しておらず、互いに
他の気筒から遠い側の排気バルブ13b,13bはバル
ブ休止機構20を具備している。吸気バルブ12a,1
2bおよび排気バルブ13a,13bに関するバルブ休
止機構20の配置は、車両前方に向かって左側にある1
対の気筒に関しても同様である。このことを一気筒につ
いてみると、バルブ休止機構20を具備するバルブおよ
びバルブ休止機構20を具備しないバルブは、その気筒
の点火栓21に関して点対称に配置されることになる。
気バルブ12aおよび排気バルブ13aは、それぞれ吸
気カムおよび排気カムにより、機関運転時は常時開閉動
作される。
する。このバルブ休止機構20は、前記特開平10−1
84327号公報に記載されているバルブ休止機構と同
じ構造のものである。便宜上、図1に図示された吸気バ
ルブ12bに具備されたバルブ休止機構20について、
その概略を説明するが、排気バルブ13bに具備された
バルブ休止機構20も同一構造を有するものである。
と、該吸気リフタ20a内で摺動可能なプランジャ保持
体20bと、プランジャ20cと、吸気リフタ20aと
弁軸とを常時離間する方向に付勢するリフタばね20d
と、プランジャ20cにプランジャばねの付勢力に抗し
て油圧を作用させる圧油供給機構とからなっている。プ
ランジャ保持体20b内には、シリンダ孔が吸気バルブ
12bの弁軸と直交して形成されており、プランジャ2
0cが該シリンダ孔内で摺動する。さらに、プランジャ
保持体20bには、シリンダ孔と直交し吸気バルブ12
bの弁軸の頭部が進入して貫通できるスライド孔が形成
されている。
の弁軸の頭部が進入して貫通できる逃げ孔が中央からや
や左寄りに形成され、U字状溝が右端部に形成されてい
る。プランジャ20cがプランジャばねに付勢されて右
方向に摺動したとき、該U字状溝の溝底が、プランジャ
保持体20bを弁軸方向に貫通して設けられたピン20
eに当接する。そして、この当接状態において、逃げ孔
とプランジャ保持体20bに形成されたスライド孔とが
合致して、弁軸の頭部がこれらの孔に進入できる。
ジャばねの付勢力に抗して図1において左方向に摺動す
ると、逃げ孔とスライド孔とが合致しない状態となり、
弁軸の頭部がもはやこれらの孔に進入できない。
ランジャばねに付勢されて、図1において右方向にピン
20eに当接するまで摺動する。これにより、逃げ孔と
スライド孔とが合致して、吸気カム軸7の回転に追随し
て吸気リフタ20aがシリンダヘッド3に形成された吸
気リフタガイド孔内を下動すると、弁軸の頭部がこれら
の孔に進入するので、吸気リフタ20aと弁軸との間の
力の伝達が遮断されて、吸気バルブ12bは閉じたまま
の状態を保持する。
プランジャ20cが図1において左方向に摺動して、逃
げ孔とスライド孔とが合致しない状態となり、弁軸の頭
部がプランジャ20cに当接し得る状態となるので、吸
気カム軸7の回転に追随して吸気バルブ12bは開閉動
作を行う。
明する。この排気2次空気導入装置は、リードバルブ装
置22と、収容室23と、排気2次空気導入通路24
と、仕切板25と、リードバルブキャップ27および空
気取入れパイプ28とから構成されている。
は、シリンダヘッドカバー6の、バルブ休止機構20を
具備しない排気バルブ13a上方に位置する部分に形成
された収容室23内に取り付けられている。この収容室
23は、図2に想像線で図示されるようにシリンダ軸線
に沿って上方から見たとき、角部がR状とされ車両前後
方向に長い長方形の周壁23aを有している。この周壁
23aおよび収容室23の底壁23bはシリンダヘッド
カバー6と一体成形される。
ダヘッドカバー6との合わせ面に対して、シリンダ軸線
から離れるにしたがって下方に傾斜しており、また排気
2次空気導入通路24は、収容室23において、底壁2
3bの最も高い位置に開口している。このような、傾斜
している底壁23bと排気2次空気導入通路24の収容
室23における開口位置とを採用することにより、収容
室23に侵入した水や異物が排気2次空気導入通路24
内に入り難くなっている。
られている。この仕切板25は、リードバルブ装置22
の後述するストッパー22dと底壁23bとの間にあっ
て、底壁23bから上方に延びる支持脚に取り付けられ
ると共に、その車両前後方向の前端部分が周壁23aの
内側に接触した状態で周壁23aに沿って上方に曲げら
れている。仕切板25の側端および後端と周壁23aと
の間には空気が通る間隙が設けられている。取り入れら
れた空気は、仕切板25に当たって偏向され、収容室2
3における排気2次空気導入通路24の開口に導かれ
る。また、仕切板25は、リードバルブ装置22が高温
高圧の排気ガスに直接曝されるのを防止している。
入れパイプ28から取り入れられた空気が通過する通気
口22aが形成されたバルブシート体22bと、排気2
次空気導入通路24を介して作用する排気ガスの圧力を
受けて、バルブシート体22bの通気口22aを開閉す
る弾性を有する板状のリードバルブ22cと、リードバ
ルブ22cに対向する位置に設けられリードバルブ22
cの変位を規制する弓形のストッパー22dとを有す
る。したがって、この実施形態において、リードバルブ
装置22は、排気ポート11の排気分岐ポートに導入さ
れる排気2次空気の空気量を制御する弁を構成する。バ
ルブシート体22bは、収容室23の周壁23aの開放
端部に形成された段部23cに嵌合され、適宜固定手段
により固定される。そして、段部23cに載置されたバ
ルブシート体22bの縁部は、シリンダヘッドカバー6
にボルト26により固定される後述するリードバルブキ
ャップ27の下端縁部で、上方から押圧することにより
固定される。また、リードバルブ22cは、ストッパー
22dと共にボルトによりバルブシート体22bに固定
される。
2および収容室23が気筒毎に設けられるのであるが、
隣接する1対の気筒に対して、図2に想像線で図示され
るような、収容室23の配置およびリードバルブキャッ
プ27を採用している。すなわち、隣接する1対の気筒
において、一方の気筒の収容室23の周壁23aであっ
て他方の気筒に近い側の周壁23aが、前記他方の気筒
の収容室23の周壁23aであって前記一方の気筒に近
い側の周壁23aと一体となっており、その1対の収容
室23,23に共通の周壁となるようにしている。そし
て、前記1対の収容室23,23の開放端には、空気を
収容室23に取り入れる空気取入れパイプ28を有する
単一のリードバルブキャップ27が装着されて、1対の
収容室23,23の上方が覆われる。このリードバルブ
キャップ27は、その気筒列方向の両端位置で、ボルト
26によりシリンダヘッドカバー6に固定される。
ャップ27と一体成形され、隣接する1対の気筒に設け
られる点火栓21,21の間に向かって延びていてい
る。そして、空気取入れパイプ28は、1対のリードバ
ルブ装置22に対して共通の空気取入れ手段を構成して
いるから、内燃機関1のエアクリーナから空気供給接続
管を介して空気を取り入れる場合に、一本の空気供給接
続管を空気取入れパイプ28の開口端部に接続すればよ
く、それぞれのリードバルブ装置に空気供給接続管を接
続する必要がないため、空気供給接続管の数を少なくす
ることができ、またその空気供給接続管をコンパクトに
配管することができる。
れぞれの気筒に設けられる排気2次空気導入通路24
は、シリンダヘッド3を貫通して形成された第1通路2
4aとシリンダヘッドカバー6を貫通して形成された第
2通路24bとからなる。第1通路24aは、バルブ休
止機構20を具備しない排気弁13aの弁軸挿通位置と
シリンダ軸線との間で、しかも該排気弁13aの弁軸挿
通位置よりも隣接する気筒寄りの位置(図2)に、シリ
ンダ軸線に略平行に直線状に形成される。そして、該第
1通路24aは、バルブ休止機構20を具備しない排気
バルブ13aが設けられている排気ポート11の排気分
岐ポートの排気バルブ13a近傍に開口する。なお、こ
の開口位置は、排気分岐ポートの排気バルブ13aの周
辺であって、発生する排気ガスの脈動圧の大きさやリー
ドバルブ装置22の流量特性、排気2次空気導入通路2
4の流路抵抗等を考慮して、排気ガスの浄化に必要な量
の排気2次空気が得られるように選定された位置であ
る。第2通路24bは、その一端がシリンダヘッド3と
シリンダヘッドカバー6との合わせ面で第1通路24a
と連通し、その他端が、前述したように、収容室23の
底壁23bの最も高い位置に開口する。そして、第1通
路24aの中心軸線と第2通路24bの中心軸線とは、
内燃機関1のクランク軸の軸線と直交する平面に平行な
平面において、同一の平面上に位置するようにされてい
る。
接する1対の気筒に形成される排気2次空気導入通路2
4,24については、一方の気筒の排気2次空気導入通
路24が他方の気筒寄りに位置しており、しかもシリン
ダヘッド3とシリンダヘッドカバー6との合わせ面に垂
直で上方から見たとき、リードバルブキャップ27に設
けられる空気取入れパイプ28の両側に位置している。
ているので、下記のような動作が行われる。機関低速時
や低負荷時等で、内燃機関1が、バルブ休止している状
態、すなわちバルブ休止機構20が作動している状態で
運転されているときは、常時開閉動作される、バルブ休
止機構20を具備しない吸気バルブ12aが設けられた
吸気口のみから流入する混合気は、燃焼室5内で渦流
(たとえば、スワール)を形成し、燃焼室5からの排気
ガスは、常時開閉動作される、バルブ休止機構20を具
備しない排気バルブ13aが設けられた排気ポート11
の排気分岐ポートのみを通じて排出される。このとき、
バルブ休止機構を具備する排気バルブ13bが設けられ
ている排気ポート11の排気分岐ポートでは排気ガスが
澱んでいるのに対して、バルブ休止機構20を具備しな
い排気バルブ13aが設けられた排気ポート11の排気
分岐ポートでは、排気ガスの脈動圧が生じており、この
脈動圧が、排気2次空気導入通路24を通じて、シリン
ダヘッドカバー6に設けられた収容室23内のリードバ
ルブ22cに作用する。そして、排気ガスの圧力が負圧
となるとリードバルブ22cが開き、空気取入れパイプ
28から流入した空気が、バルブシート体22bの通気
口22aを通り、排気2次空気導入通路24を経て、バ
ルブ休止機構20を具備しない排気バルブ13aが設け
られた排気ポート11の排気分岐ポートに導入される。
そして、この空気が排気ガスと混合され、下流に設けら
れた排気浄化装置に流入して、排気ガスの浄化が行われ
る。
関1が、そのバルブ休止機構20が非作動の状態で運転
されているときは、常時開閉動作される、バルブ休止機
構20を具備しない吸気バルブ12aが設けられた吸気
口およびバルブ休止機構20を具備した吸気バルブ12
bが設けられた吸気口から、高出力を得るのに充分な量
の混合気が燃焼室5に流入し、燃焼室5からの排気ガス
は、常時開閉動作される、バルブ休止機構20を具備し
ない排気バルブ13aが設けられた排気ポート11の排
気分岐ポートだけでなく、バルブ休止機構20を具備し
た排気バルブ13bが設けられた排気ポート11の排気
分岐ポートをも通じて排出される。このときにも、排気
2次空気の導入は、バルブ休止機構20を具備しない排
気バルブ13aが設けられた排気ポート11の排気分岐
ポートの排気ガスの脈動圧に応じて行われる。すなわ
ち、バルブ休止機構20を具備しない排気バルブ13a
が設けられた排気ポート11の排気分岐ポートの排気ガ
スの脈動圧に基づいてリードバルブ装置22が作動し、
排気2次空気導入通路24を介して排気ポート11の排
気分岐ポートに2次空気が導入され、排気ガスと混合さ
れた状態で排気浄化装置に流入する。
の効果を奏する。バルブ休止機構付き内燃機関1におい
て、排気2次空気導入通路24が、常時開閉動作する、
バルブ休止機構20を具備しない排気バルブ13aが設
けられる排気ポート11の排気分岐ポートに開口してい
るので、バルブ休止機構20を具備する排気バルブ13
bの休止運転域においても、排気浄化に必要な量の排気
2次空気を導入でき、一部の排気バルブの休止および開
閉作動に拘わらず、排気2次空気を排気ポートへ安定し
て導入することができるため、排気浄化装置における排
気ガスの浄化率が向上する。
隣接する1対の気筒において、バルブ休止機構20を具
備しない排気バルブ13aを、互いに近い側の排気口に
設け、それら排気ポート11の排気分岐ポートに排気2
次空気導入通路24を開口させたので、排気2次空気導
入開口に至る排気2次空気通路を近接した箇所にまとめ
て配置することが可能となり、コンパクトな構造にする
ことができる。
リンダヘッドカバー6に、その気筒に対応するリードバ
ルブ装置22,22をそれぞれ収容する1対の収容室2
3,23を互いに接して設けて、それら1対の収容室2
3,23を覆う単一のリードバルブキャップ27を該1
対の収容室23,23に装着したので、それぞれの収容
室23,23に別々のリードバルブキャップ27を装着
する必要がなく、部品点数および組立工数を減らすこと
ができ、コスト低減ができる。
設けられる空気取入れパイプ28は、1対のリードバル
ブ装置22に対して共通の空気取入れ手段を構成してい
るから、内燃機関1のエアクリーナから空気供給接続管
を介して空気を取り入れる場合に、一本の空気供給接続
管を空気取入れパイプ28の開口端部に接続すればよ
く、それぞれのリードバルブ装置に空気供給接続管を接
続する必要がないため、空気供給接続管の数を少なくす
ることができ、またその空気供給接続管をコンパクトに
配管することができる。
バルブ12bは、バルブ休止機構20を具備しない排気
バルブ13aが設けられる排気口と対向した状態で、隣
接する1対の気筒の互いに近い側の吸気口に設けられて
いる。したがって、バルブ休止機構20が作動している
状態で内燃機関1が運転されているときには、混合気
は、常時開閉動作される、バルブ休止機構20を具備し
ない吸気バルブ12aが設けられた吸気口のみから燃焼
室5に流入して、燃焼室5内で渦流(たとえばスワー
ル)を形成するため、燃焼性が向上し、安定した希薄燃
焼が可能となり、これにより、燃費およびエミッション
の改善を図ることができる。
止機構付き4気筒内燃機関のクランク軸の軸線と直交す
る平面における部分概略縦断面図であって、シリンダヘ
ッド、カム軸、シリンダヘッドカバーおよび吸気接続管
を含む図である。
止機構付き4気筒内燃機関のシリンダヘッドカバー、吸
気カムキャップおよび排気カムキャップを取り外した状
態での概略平面図である。
ク、3…シリンダヘッド、4…クランクケース、6…シ
リンダヘッドカバー、7…吸気カム軸、8…排気カム
軸、10…吸気ポート、11…排気ポート、12a,1
2b…吸気バルブ、13a,13b…排気バルブ、20
…バルブ休止機構、21…点火栓、22…リードバルブ
装置、23…収容室、24…排気2次空気導入通路、2
7…リードバルブキャップ、28…空気取入れパイプ
Claims (4)
- 【請求項1】 1気筒当たり複数設けられた排気バルブ
のうちのいずれかが、内燃機関の運転状態に応じてバル
ブ開閉動作を休止させるバルブ休止機構を具備するバル
ブ休止機構付き内燃機関において、 バルブ休止機構を具備しない排気バルブ近傍の排気ポー
トに、排気2次空気導入開口が設けられたことを特徴と
するバルブ休止機構付き内燃機関。 - 【請求項2】 複数の気筒を有する内燃機関の1気筒当
たり複数設けられた排気バルブのうちのいずれかが、内
燃機関の運転状態に応じてバルブ開閉動作を休止させる
バルブ休止機構を具備するバルブ休止機構付き内燃機関
において、 隣接する1対の気筒の互いに近い側の排気口にバルブ休
止機構を具備しない排気バルブがそれぞれ設けられ、該
バルブ休止機構を具備しない排気バルブ近傍の排気ポー
トに、排気2次空気導入開口がそれぞれ設けられたこと
を特徴とするバルブ休止機構付き内燃機関。 - 【請求項3】 前記各排気2次空気導入開口に導入する
空気量を制御する弁をそれぞれ収容する1対の収容室
が、シリンダヘッドカバーの上面に互いに接して設けら
れ、該1対の収容室を覆う単一のキャップが該1対の収
容室に装着されたことを特徴とする請求項2記載のバル
ブ休止機構付き内燃機関。 - 【請求項4】 前記1対の気筒にそれぞれ設けられた複
数の吸気バルブのうちの一部が、内燃機関の運転状態に
応じてバルブ開閉動作を休止させるバルブ休止機構を具
備しており、該1対の気筒の互いに近い側の吸気口にバ
ルブ休止機構を具備する吸気バルブがそれぞれ設けられ
たことを特徴とする請求項2または3記載のバルブ休止
機構付き内燃機関。
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