JP2009108827A - ガス燃料内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単なリーク防止構造で、かつバルブガイド部材の外径を大きくする必要のないガス燃料内燃機関を提供する。
【解決手段】ポペット弁20の弁軸20aの外周面には、該弁軸20aの外径より小さい弁側小径部20dが形成され、バルブガイド部材24には弁側小径部20dに連通する連通孔24bが形成され、該連通孔24bにリークガス導入通路27が連通している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、クランク室圧縮式2行程のガス燃料内燃機関に関し、詳細にはポペット弁の弁軸と、該ポペット弁を摺動自在に支持するバルブガイド部材との間に進入したリークガスを吸気系に戻すようにしたガス燃料内燃機関に関する。
この種のガス燃料内燃機関において、蓄圧室にガス燃料を供給し、該蓄圧室と燃焼室とを連通する燃焼室開口をポペット弁により開閉し、上記ガス燃料を燃焼室内に直接噴射するよう構成されたものがある。
このように構成した場合、上記蓄圧室のガス燃料がポペット弁の弁軸と、該弁軸を摺動可能に支持するバルブガイド部材との隙間から蓄圧室の外部に漏れるおそれがある。このようなリークガスの蓄圧室外部への漏れを防止するために、例えば、特許文献1では、ポペット弁の弁軸に軸線方向に多数のラビリンスフィンを形成し、該ラビリンスフィンの外周面をバルブガイド部材の内周面に摺接させるとともに、上記弁軸とバルブガイド部材との間に進入したガス燃料を、リークガス通路により吸気系に戻すようにしている。
特開平8−28351号公報
ところで、上記従来の内燃機関では、ポペット弁の弁軸に形成された多数のラビリンスフィンをバルブガイド部材の内周面に摺接させる構造を採用している。このためラビリンスフィン自体の構造が複雑であり、またこのラビリンスフィン付きの弁軸をバルブガイド部材内に組み込むための構造もさらに複雑となるといった問題がある。また、上記従来装置では、上記フィンの分だけバルブガイド部材の外径を大きくする必要があり、配置スペース確保上の問題が生じるという問題もある。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、構造が簡単で、かつバルブガイド部材の外径を大きくする必要がなく、配置スペース確保上の問題も生じないガス燃料内燃機関を提供することを課題としている。
請求項1の発明は、クランク室圧縮式2行程のガス燃料内燃機関であって、燃焼室に開口する燃焼室開口と、該燃焼室開口に連通する燃料供給通路と、弁軸の一端に形成された傘状の弁頭により上記燃焼室開口を開閉するポペット弁と、該ポペット弁の弁軸を摺動自在に支持するバルブガイド部材と、該バルブガイド部材と上記弁軸との間に進入したリークガスを掃気ポート又はクランク室に導入するリークガス導入通路とを備え、上記弁軸の外周面には、該弁軸の外径より小さい弁側小径部が形成され、上記バルブガイド部材には弁側小径部に連通する連通孔が形成され、該連通孔に上記リークガス導入通路が連通していることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、上記バルブガイド部材の外周面には、上記連通孔及びリークガス導入通路に連通するガイド側小径部が形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1において、上記弁軸には、軸線方向に所定間隔をあけて複数の弁側小径部が形成されており、該複数の弁側小径部のうち燃焼室開口から最も離れて位置する弁側小径部に上記連通孔が連通していることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1において、上記リークガス導入通路は、上記バルブガイド部材の連通孔と掃気ポートとを連通するように、かつシリンダヘッド及びシリンダブロック内を通るように形成されていることを特徴としている。
請求項1の発明に係るガス燃料内燃機関によれば、弁軸の外周面に弁側小径部を形成し、バルブガイド部材に弁側小径部に連通する連通孔を形成し、該連通孔にリークガス導入通路を連通させたので、弁軸とバルブガイド部材との間に進入したガス燃料は弁側小径部内に溜まり、ここで減圧されて連通孔からリークガス導入通路に流入し、さらに吸気ポート又はクランク室内に吸引されることとなり、リークガスが外部に漏れるのを防止できる。
本発明では、ポペット弁の弁軸に小径部を形成するだけの構造で済み、従来の弁軸に多数のラビリンスフィンを形成する場合に比べて構造が簡単である。またバルブガイド部材の外径を大きくする必要はないので、バルブガイド部材の配置スペース確保上の問題が生じることはなく、レイアウト上の自由度を高めることができる。
請求項2の発明では、バルブガイド部材の外周面に連通孔に連通するガイド側小径部を形成したので、連通孔は自動的にリークガス導入通路に連通することとなる。従って、バルブガイド部材をシリンダヘッドに組付ける際に、該バルブガイド部材の連通孔がリークガス導入通路に合致するようにその周方向の角度位置を規制する必要はなく、それだけ組立て性を向上できる。
請求項3の発明では、弁軸に軸線方向に所定間隔をあけて複数の弁側小径部を形成し、該複数の弁側小径部のうち燃焼室開口から最も離れた位置の弁側小径部に連通孔を連通させたので、弁軸とバルブガイド部材との間に進入したガス燃料は、燃焼室開口に近い位置の弁側小径部から離れた弁側小径部に順次貯留されつつ減圧し、リークガス導入通路に流入することとなり、リークガスが外部に漏れるのをより一層確実に防止できる。
請求項4の発明では、リークガス導入通路を、バルブガイド部材の連通孔と掃気ポートとを連通するように、かつシリンダヘッド及びシリンダブロック内を通るように形成したので、リークガス導入通路をエンジンの外側に配索する場合に比べて通路長さを短くすることができ、それだけ通路容積も小さくできる。その結果、気筒内への過剰なリークガスの導入を抑制でき、空燃比のばらつきを防止できる。
またリークガス導入通路を内燃機関の内部に形成したので、通路構造を簡単にできるとともに、部品点数を低減でき、組立て性を向上できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図8は、本発明の一実施形態(第1実施形態)によるガス燃料内燃機関を説明するための図であり、図1,図2はガス燃料内燃機関の断面図、図3はガス燃料内燃機関の反排気ポート側から見た側面図、図4,図5はガス燃料内燃機関のリークガス導入通路の要部断面図、図6はリークガス導入通路の断面平面図(図2のVI-VI 線断面図) 、図7は開閉制御弁部分の断面平面図(図2のVII-VII 線断面図)、図8は、切換制御弁部分の断面正面図(図4のVIII-VIII 線断面図) である。
図において、1はクランク室圧縮式2サイクルの並列2気筒ガス燃料内燃機関を示している。該ガス燃料内燃機関1は以下の概略構造を有する。上下分割式クランクケース2の上合面にシリンダブロック3が接続固定され、該シリンダブロック3の上合面にシリンダヘッド4が固定されている。前記クランクケース2の内部は2つの独立のクランク室2a,2aに画成されており、該クランクケース2内には各気筒共通のクランク軸5が収容配置されている。またシリンダブロック3に形成されたシリンダボア(気筒)3a,3a内にはピストン6,6が摺動自在に配置されており、該各ピストン6はコンロッド7により前記クランク軸5のクランクピン5aに180°の位相をなすように連結されている。
上記クランクケース2には、クランク室2aに連通する各気筒ごとの吸気通路2bが形成されている。該各吸気通路2bには、クランク室2a内に流入した空気の逆流を阻止するリード弁10が配置されている。
また上記各吸気通路2bには、スロットル弁11を内蔵するスロットルボディ12が接続され、該スロットルボディ12の上流側には共通のエアクリーナ13が接続されている。
上記シリンダブロック3には、排気ポート3bが、気筒軸線aを挟んで吸気通路2bの反対側に位置するように形成されている。該各排気ポート3bには、図示してないが、排気管が接続され、該排気管の下流端にはマフラが接続されている。
上記シリンダブロック3には、上記ピストン6の下降によりクランク室2aで圧縮された空気を各シリンダボア3a内に導入する複数の掃気ポート3cが形成されている。この各掃気ポート3cのシリンダボア3a側開口は、排気ポート3bの反対側部分を囲むように周方向に所定間隔をあけて配置されている。
上記シリンダヘッド4の上記シリンダボア3aに対向する下合面部分には、燃焼凹部4aが形成されている。該燃焼凹部4aと、シリンダボア3aと、排気ポート閉位置に位置するピストン6の頂面6aとで囲まれた空間が燃焼室18となっている。
上記シリンダヘッド4には各気筒ごとに点火プラグ19が装着されており、該点火プラグ19の電極部19aは燃焼凹部4a内に位置している。この点火プラグ19は、クランク軸方向に見たとき、気筒軸線aより排気ポート3b側に位置し、かつ該気筒軸線aに対して所定角度θで排気ポート側に傾斜するよう配置されている。詳細には、点火プラグ19は、これの中心線bが上死点近傍に位置するピストン6の頂面6a付近で上記気筒軸線aに交差するよう配置されている(図2参照)。
上記ガス燃料内燃機関1は、各気筒ごとに、燃焼室18に開口する2つの燃焼室開口4b,4bと、該燃焼室開口4b,4bに連通する2つの燃料供給通路21,21と、上記各燃焼室開口4bを開閉する2つのポペット弁20,20と、該ポペット弁20,20を摺動自在に支持する2つのバルブガイド部材24,24とを有する。
また上記ガス燃料内燃機関1は、各ポペット弁20を開閉駆動する動弁機構31と、各燃料供給通路21にガス燃料を供給する2つのガス燃料供給弁22,22とを備えている。
上記シリンダヘッド4の上部には、カム収容部4dが上記ポペット弁20の上部を囲みつつ上方に延びるように形成されている。該カム収容部4dとこれに装着されたヘッドカバー28とで油密なカム室30が形成されている。なお、上記ヘッドカバー28は、筒状のカバー本体28aとこれの上端開口を閉塞する蓋28bとで構成されている。
上記カム室30内に上記動弁機構31が配設されている。この動弁機構31は、各気筒共通の1本のカム軸35と、該カム軸35と各ポペット弁20の弁軸20aとの間に介設されたロッカアーム33と、該ロッカアーム33の一端を支持するラッシュアジャスタ23とを有する。
上記ロッカアーム33の先端部33bは上記ポペット弁20の弁軸20aの上端面に当接しており、基部33aは上記ラッシュアジャスタ23により支持されている。該ラッシュアジャスタ23は、上記ロッカアーム33の先端部33bとポペット弁20の弁軸20aの上端面との間に形成される弁隙間が常時零となるようロッカアーム33の基部33aを上方に付勢している。
また上記ロッカアーム33にはカムローラ34が回転自在に装着されており、該カムローラ34は上記カム軸35に転接している。
上記各燃料供給通路21の先端部は、ポペット弁20の弁軸20aの下端部を囲むようにシリンダヘッド4に形成された主蓄圧室38に連通している。該主蓄圧室38の容積は、最小負荷運転時における必要なガス燃料量を確保でき、かつ燃焼室18内を貫通するガス圧力を保持できる容積に設定されている。
また各燃料供給通路21の中途部には第1副連通路40dを介して第1副蓄圧室40aが連通している。また該第1副蓄圧室40aには第2副連通路39を介して第2副蓄圧室40bが連通している。なお、40eは、前記第1副連通路40dの外部開口を閉塞するボールである。
上記燃料供給通路21と第1副連通路40dとの接続部には、該第1副連通路40dの燃料供給通路21への連通をオン・オフするスプール弁型の切換制御弁48が介設されている。
前記切換制御弁48は、上記接続部をクランク軸方向に貫通するように形成された弁孔21a内に進退自在に挿入配置された弁棒48aと、シリンダヘッド4の側壁に取り付けられ、前記弁棒48aを進退駆動するソレノイド48bとを有する。前記弁棒48aには、軸方向に長いスリット48cが径方向に貫通するように形成されている。前記弁棒48aを前進させると上記第1副連通路40dと燃料供給通路21とは上記スリット48cを介して連通し、後退させると該連通は遮断される。なお、前記燃料供給通路21自体は、前記スリットにより常時連通している。前記ソレノイド48bは、前記弁棒48aを低負荷運転域では遮断位置(図8(a)参照)に移動させ、中・高負荷運転域では連通位置(図8(b)参照)に移動させる。
上記第1副蓄圧室40aは、シリンダヘッド4のポペット弁20とガス燃料供給弁22との間の部分に凹設された凹み4eにより形成されている。
上記第2副蓄圧室40bは、蓄圧タンク41により形成されている。該蓄圧タンク41は、第2副蓄圧室40bを形成する密閉状のタンク本体41aと、上記第2副連通路39が形成された連通部41bと、上記凹み4eを閉塞するようシリンダヘッド4に取り付け固定されたフランジ部41dとを有する。
上記主蓄圧室38及び第1,第2副蓄圧室40a,40bを加えた全容積は、最大負荷運転時における必要なガス燃料量を確保できる大きさに設定されている。
上記蓄圧タンク41の連通部41bには、第2副連通路39を開閉する開閉制御弁42が介設されている。該開閉制御弁42は、前記連通部41bに、前記第2副連通路39をクランク軸方向に貫通するように形成された弁孔41c内に挿入された弁筒42aと、該弁筒42a内に進退自在に挿入された弁棒42bと、該弁棒42bを進退駆動するソレノイド42cとを有する。
前記ソレノイド42cは、例えば低・中負荷運転域では、前記弁棒42bを後退させることにより前記第2副連通路39を閉じ(図7の状態)、高負荷運転域では前進させることにより第2副連通路39を開けるように動作する。
このようにして低負荷運転域では、主蓄圧室38内のガス燃料が燃焼室18に供給され、中負荷運転域では、主蓄圧室38及び第1副蓄圧室40a内のガス燃料が燃焼室18に供給される。さらに高負荷運転域では、主蓄圧室38及び第1,第2副蓄圧室40a,40b内のガス燃料が燃焼室18に供給される。
上記ガス燃料供給弁22は、ソレノイド式のものであり、蓄圧タンク41の下側に位置するようにシリンダヘッド4に装着されている。該ガス燃料供給弁22の燃料噴射口22aから供給されたガス燃料は、燃料供給通路21から主蓄圧室38内に、またさらに第1副連通路40dを通って第1副蓄圧室40a内、さらにまた第2副連通路39を通って第2副蓄圧室40b内に蓄えられる。このようにして蓄えられたガス燃料は、ポペット弁20が開くと燃焼室開口4bから燃焼室18内に噴射供給される。
ここで前記ガス燃料供給弁22は、ポペット弁20が閉じている期間内にガス燃料を前記主蓄圧室38,あるいは第1,第2副蓄圧室40a,40b供給する。また前記ポペット弁20は、排気ポート3bが全閉となる前に開き始め、全閉となった後に閉じる。具体的には、排気ポート3bが全閉となるクランク角度位置の前後35°、つまりポペット弁20はクランク角度で70°程度開くこととなる。
上記各燃焼室開口4bは、上記シリンダヘッド4の燃焼凹部4aの、気筒軸線aを挟んだ点火プラグ19の反対側で、かつ該点火プラグ19に隣接する位置に形成されている。
上記各ポペット弁20は、クランク軸方向に見ると、上記気筒軸線aを挟んで排気ポート3bの反対側に位置するように、かつ該気筒軸線aに対して所定角度をなすよう傾斜させて配置されている。詳細には、ポペット弁20は、これの中心線cの延長線が下死点に位置するピストン6の頂面6a付近で気筒軸線aに交差するよう配置されている(図1参照)。
上記各ポペット弁20は、棒状の弁軸20aと、該弁軸20aの下端に一体形成された円形かつ傘状の弁頭20bとを有する。この弁頭20bの裏面の周縁が上記燃焼室開口4bの周縁に当接し、又は離反することにより、燃焼室開口4bを閉じ、又は開く。
上記弁軸20aの上端部にはリテーナ25が2分割タイプの係止片25a,25aにより装着されている。該リテーナ25とシリンダヘッド4のばね受け座4cとの間には、ポペット弁20を常時閉方向に付勢するばね26が介設されている。
上記バルブガイド部材24は、円筒状のものであり、上記シリンダヘッド4に圧入固定されている。該バルブガイド部材24のガイド孔24a内に上記ポペット弁20の弁軸20aが摺動自在に挿入されている。
上記ガス燃料内燃機関1は、各ポペット弁20の弁軸20aとバルブガイド24のガイド孔24aとの間に進入したガス燃料を掃気ポート3cに導入するリークガス導入通路27を気筒毎に備えている。該リークガス導入通路27は、シリンダヘッド4及びシリンダブロック3の、気筒軸線aを挟んだ排気ポート3bの反対側部分内を通るように形成されており、詳細には以下の構造を有する。
上記ポペット弁20の弁軸20aの外周面下部には、該弁軸20aの外径より小径の弁側小径部20dが形成されている。
また上記バルブガイド部材24の外周面には、該バルブガイド部材24の外径より小径のガイド側小径部24dが形成されている。
そして上記バルブガイド部材24には、連通孔24bが径方向に貫通するように形成されている。この連通孔24bは、ポペット弁20が閉位置にあるときに上記弁側小径部20dとガイド側小径部24dとを連通する。
また上記リークガス導入通路27は、上記各ガイド側小径部24dからシリンダヘッド4内を気筒軸線aと直交する方向に延びるよう該シリンダヘッド4に形成された2つの第1リーク通路27aと、該各第1リーク通路27aの合流部(下流端部)27eに続いて上記シリンダヘッド4及びシリンダブロック3内を気筒軸線aと平行に延びるよう該シリンダヘッド4及びシリンダブロック3に渡って形成された1つの第2リーク通路27bとを有する。
上記2つの第1リーク通路27aは、平面視で、V字形状をなすよう形成され、第2リーク通路27bは、各ガス燃料供給弁22の間を通るよう形成されている。なお、47は、上記各第1リーク通路27aの加工孔を閉塞するプラグである。 また、21bは、シリンダヘッド4をシリンダブロック3に結合するヘッドボルトであり、これは前記V字形状内を通るように配置されている。
上記第2リーク通路27bは、リーク燃料がポペット弁20側に逆流するのを阻止するリード弁45を介在させて上記掃気ポート3cに連通している。このリード弁45は以下の詳細構造を有する。
前記シリンダブロック3の掃気ポート3c近傍に、リード弁収容凹部27cが形成され、この収容凹部27cはシリンダブロック3に取り付けられた蓋部材46により閉塞されている。前記第2リーク通路27bは、蓋部材46に形成された通路46aを介して前記リード弁収容凹部27c内に連通し、さらに該リード弁収容凹部27cはシリンダブロック3に形成されたリーク連通路27dにより掃気ポート3cに連通している。
そして前記リード弁収容凹部27c内に前記リード弁45が収容されている。前記リード弁45は、ベース部材45aの開口を薄板からなる弁板45bにより開閉するように構成されており、前記ポペット弁20側から掃気ポート3c側への流れのみを許容する。なお、45cは前記弁板45bの全開位置を規制するストッパである。
上記シリンダブロック3には、上記収容凹部27cと掃気ポート3cとを連通するリーク連通路27dが形成されており、上記蓋部材46には、第2リーク通路27bの上流側と収容凹部27cのリード弁45の上流側とを連通するパイパス通路46aが形成されている。
ガス燃料供給弁22から噴射されたガス燃料は、燃料供給通路21を通って主蓄圧室38内に貯留される。この貯留状態では、高圧のガス燃料が、ポペット弁20の弁軸20aとバルブガイド部材24のガイド孔24aとの間に進入する場合があるが、この進入したリークガスは弁側小径部20dに溜まり、ここからら連通孔24b及びガイド側小径部24dを通って第1リーク通路27a内に流入する。
上記ピストン6の上昇によってクランク室2a内及び掃気ポート3c内が負圧になると、リード弁45が開き、リークガス導入通路27内のリークガスは掃気ポート3c内に導入される。上記ピストン6の下降に伴ってクランク室2a及び掃気ポート3c内が昇圧するとともに掃気ポート3cが開口すると、上記掃気ポポート内のリークガスはクランク室内で圧縮された空気と共に燃焼室18内に流入する。なお、この時点では、上記リード弁45が閉じ、リークガス導入通路27内に空気等が逆流することはない。 本実施形態によれば、ポペット弁20の弁軸20aに、該弁軸20aの外径より小径の弁側小径部20dを形成し、該弁側小径部20dにバルブガイド部材24の連通孔24bを連通させたので、弁軸20aとバルブガイド部材24のガイド孔24aとの隙間に進入したガス燃料は弁側小径部20dないに貯留されるとともに減圧され、該連通孔24bからリークガス導入通路27を介して掃気ポート3cひいては燃焼室18内に流入する。その結果、リークガスがカム室30内に漏れるのを防止できる。
本実施形態では、ポペット弁20の弁軸20aに弁側小径部20d及びこれに連通する連通孔24b,リークガス導入通路27を形成するだけの構造で済み、弁軸に多数のラビリンスフィンを形成する従来構造場合に比べて構造が簡単である。またバルブガイド部材24の外径を大きくする必要はないので、該バルブガイド部材24の配置スペース確保上の問題が生じることはなく、レイアウト上の自由度を高めることができる。
本実施形態では、バルブガイド部材24の外周面に、連通孔24bに連通するガイド側小径部24dを形成したので、バルブガイド部材24をシリンダヘッド4に圧入して組付ける際に、該バルブガイド部材24の連通孔24bが第1リーク通路27aに合致するようにその装着角度位置を規制する必要がない。従ってそれだけ、バルブガイド部材24の組立て性を向上できる。
本実施形態によれば、リークガス導入通路27を、シリンダヘッド4内及びシリンダブロック3内を通るように形成したので、リーク燃料導入通路27の通路長さを短くすることができ、それだけ通路容積も小さくできる。その結果、気筒内に過剰な量のリークガスが導入されるのを抑制でき、空燃比のばらつきを防止できる。
本実施形態では、リークガス導入通路27をシリンダヘッド4及びシリンダブロック3の内部に形成したので、リークガス導入通路をエンジンの外部に形成する場合に比較して、通路構造を簡単にできるとともに、部品点数を低減でき、それだけ組立て性を向上できる。
本実施形態では、上記リークガス導入通路27を、バルブガイド部材24に形成された連通孔24bと、該連通孔24bからシリンダヘッド4内を気筒軸線aと直交する方向に延びるよう形成された第1リーク通路27aと、該第1リーク通路27aに続いて上記シリンダヘッド4及びシリンダブロック3内を気筒軸線aと平行に延びるよう形成された第2リーク通路27bとから構成したので、リーク燃料導入通路27の通路長さを最短距離とすることができ、かつシリンダヘッド4,シリンダブロック3への第1,第2リーク通路27a,27bの加工が容易である。
本実施形態では、2つの第1リーク通路27aの合流部27eに1つの第2リーク通路27bを連通させたので、シリンダヘッド4及びシリンダブロック3に第2リーク通路27bを1つ形成するだけで済み、加工数を低減できる。
本実施形態では、第2リーク通路27bのシリンダブロック3内の掃気ポート3cの近傍にリード弁45を介設したので、リーク燃料のポペット弁20側への逆流を防止できるとともに、リード弁45の配置に伴う配管を不要にでき、部品点数の増加及び組立て性の低下を回避できる。
なお、上記実施形態では、リークしたガス燃料をリークガス導入通路27を介して掃気ポート3cに導入した場合を説明したが、本発明では、リークガス導入通路をクランク室に連通させてもよく、この場合にも、上記実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第2実施形態によるガス燃料内燃機関を説明するための図である。図中、図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。
本第2実施形態では、ポペット弁20の弁軸20aに、2つの第1,第2弁側小径部20d,20eが弁軸線方向に間隔をあけて形成されている。
上記ポペット弁20が閉位置にあるとき、上記第1,第2弁側小径部20d,20eのうち燃焼室開口4bから最も離れた位置に形成された第1弁側小径部20dに、バルブガイド部材24の連通孔24bを介してリーク燃料導入通路27が連通している。
本実施形態では、ポペット弁20の弁軸20aに2つの第1,第2弁側小径部20d,20eを軸線方向に間隔をあけて形成し、燃焼室開口4bひいては主蓄圧室38から最も離れた位置の第1弁側小径部20dに連通孔24bを連通させたので、弁軸20aとバルブガイド部材24との間に進入したガス燃料は、主蓄圧室38に近い位置の第2弁側小径部20eに減圧されつつ貯留され、ここから第1弁側小径部20dにさらに減圧されつつ貯留されることとなる。そのため簡単な構造でより一層確実に、リークガスを回収できるとともに、リークガスがカム室30内に漏れるのを防止できる。
本発明の第1実施形態によるガス燃料内燃機関の断面図である。 上記ガス燃料内燃機関の断面図である。 上記ガス燃料内燃機関の反排気ポート側から見た側面図である。 上記ガス燃料内燃機関のリークガス導入通路の要部断面図である。 上記ガス燃料内燃機関の小径部の要部断面図である。 上記リークガス導入通路の断面平面図(図2のVI-VI 線断面図) である。 上記ガス燃料内燃機関の開閉制御弁部分の断面平面図(図2のVII-VII 線断面図) である。 上記ガス燃料内燃機関の切換制御弁部分の断面正面図(図4のVIII-VIII 線断面図) である。 本発明の第2実施形態によるガス燃料内燃機関の小径部の要部断面図である。
符号の説明
1 ガス燃料内燃機関
2a クランク室
3 シリンダブロック
3c 掃気ポート
4 シリンダヘッド
4b 燃焼室開口
18 燃焼室
20 ポペット弁
20a 弁軸
20b 弁頭
20d,20e 弁側小径部
21 燃料供給通路
24 バルブガイド部材
24b 連通孔
24d ガイド側小径部
27 リークガス導入通路
38 主蓄圧室
44 合面
a 気筒軸線

Claims (4)

  1. クランク室圧縮式2行程のガス燃料内燃機関であって、
    燃焼室に開口する燃焼室開口と、該燃焼室開口に連通する燃料供給通路と、弁軸の一端に形成された傘状の弁頭により上記燃焼室開口を開閉するポペット弁と、該ポペット弁の弁軸を摺動自在に支持するバルブガイド部材と、該バルブガイド部材と上記弁軸との間に進入したリークガスを掃気ポート又はクランク室に導入するリークガス導入通路とを備え、
    上記弁軸の外周面には、該弁軸の外径より小さい弁側小径部が形成され、上記バルブガイド部材には弁側小径部に連通する連通孔が形成され、該連通孔に上記リークガス導入通路が連通していることを特徴とするガス燃料内燃機関。
  2. 請求項1において、上記バルブガイド部材の外周面には、上記連通孔及びリークガス導入通路に連通するガイド側小径部が形成されていることを特徴とするガス燃料内燃機関。
  3. 請求項1において、上記弁軸には、軸線方向に所定間隔をあけて複数の弁側小径部が形成されており、該複数の弁側小径部のうち上記燃焼室開口から最も離れて位置する弁側小径部に上記連通孔が連通していることを特徴とするガス燃料内燃機関。
  4. 請求項1において、上記リークガス導入通路は、上記バルブガイド部材の連通孔と掃気ポートとを連通するように、かつシリンダヘッド及びシリンダブロック内を通るように形成されていることを特徴とするガス燃料内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102506652A (zh) * 2011-10-19 2012-06-20 常熟理工学院 发动机气门导管磨损量测量装置
JP2017082716A (ja) * 2015-10-29 2017-05-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の動弁装置

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