JP2000136366A - 耐水性ポリエステル樹脂系接着剤および接着性フィルム - Google Patents

耐水性ポリエステル樹脂系接着剤および接着性フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用にあたり数秒未満の相対的に短時間の加
熱によっても、強靱でかつ耐水性等に優れた接着性能が
実現できるポリエステル樹脂系接着剤を提供する。接着
剤の性能を低下することなく、優れた接着性と優れた耐
ブロッキング性を有する接着性フィルムを提供する。 【解決手段】 分子末端が主として水酸基であるポリエ
ステル樹脂70〜99.5重量%にマレイン酸共重合ポ
リプロピレン0.5〜30重量%を付加反応して得られ
るブロック共重合体を有機溶剤に溶解、分散してなる。
さらに、オレフィン樹脂粉末、アミノプラスト樹脂など
を配合することができる。本発明の接着剤はフィルム状
物にコーティングし、乾燥して得られる接着性フィルム
として用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性ポリエステ
ル樹脂系接着剤および接着性フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】分子末端が水酸基であるポリエステル樹
脂と硬化剤としてのアミノプラスト樹脂とからなる熱硬
化性樹脂組成物は、塗料、コ−ティング剤等の分野で広
く多量に使用されている(特開平7−103345号、
特開平7−133462号公報等参照)。
【0003】通常、ポリエステル樹脂は、ポリエステル
フィルムやポリエステル成形品等のポリエステル樹脂材
料、そのほかの塩化ビニル樹脂等の樹脂材料、アルミニ
ウム、鉄等の金属材料、ガラス等を接着するために使用
する接着剤の原料としても有用な素材である。
【0004】しかし、ポリエステル樹脂系接着剤で貼り
合わせた被着体を長期間水中に浸漬した際、水と接触す
る接着部分から白化および剥離が始まり、徐々に内部に
白化が侵攻することが多い。特に、被着体がガラス等の
親水性の場合には、水中に浸漬すると、被着界面に水が
浸透して接着力の低下が促進される。
【0005】ポリエステル樹脂は、単独では無論のこ
と、硬化剤としてアミノプラスト樹脂を添加した熱硬化
性ポリエステル樹脂組成物でも、硬化触媒を用いたとし
ても数秒未満の短時間の加熱では、相対的に高い温度で
加熱しても目的とする耐水性の実現は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用にあた
り数秒未満の相対的に短時間の加熱によっても、強靱で
かつ耐水性等に優れた接着性能が実現できるポリエステ
ル樹脂系接着剤を提供するとともに、その接着性能を低
下することなく、優れた接着性と優れた耐ブロッキング
性を有する接着性フィルムを提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するもので、分子末端が主として水酸基であるポリ
エステル樹脂70〜99.5重量%にマレイン酸共重合
ポリプロピレン0.5〜30重量%を付加反応して得ら
れるブロック共重合体を有機溶剤に溶解、分散してなる
ことを特徴とする耐水性ポリエステル樹脂系接着剤、お
よびこのブロック共重合体100重量部とオレフィン樹
脂粉末0.5〜20重量部とを有機溶剤に溶解、分散し
てなることを特徴とする耐水性ポリエステル樹脂接着
剤、および前記耐水性ポリエステル樹脂接着剤をフィル
ム状物にコーティングし、乾燥してなることを特徴とす
る接着性フィルムである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリエステル
樹脂は、その分子末端は主として水酸基であり、有機溶
剤に可溶なものであることが望ましい。ポリエステル樹
脂の数平均分子量は各種のものが使用されるが、熱可塑
性接着剤を得るために使用するポリエステル樹脂として
は、10,000〜30,000の範囲が高度な接着強
度と容易な塗布作業性の点で望ましい。他方、熱硬化性
接着剤を得るために使用するポリエステル樹脂として
は、上記の範囲のほかに、2,000〜10,000程
度の分子量であってもよい。ポリエステル樹脂のガラス
転移点は、通常、ー20〜120℃の範囲で選ぶことが
できる。ただし、耐ブロッキング性を得るためと短時間
の加熱で接着可能にするためには、ー10〜60℃の範
囲で選ぶことが望ましい。
【0009】次に、ポリエステル樹脂に共重合させるた
めに使用するマレイン酸共重合ポリプロピレンとして
は、マレイン酸成分の共重合量が1〜30重量%である
マレイン酸共重合ポリプロピレンが望ましく、マレイン
酸成分は酸無水物の状態であってもよい。
【0010】ポリプロピレンと共重合しているマレイン
酸成分の量は、マレイン酸共重合ポリプロピレンの数平
均分子量が高い場合には相対的に少なく、マレイン酸共
重合ポリプロピレンの数平均分子量が低い場合には相対
的に多くして、1分子中のマレイン酸成分の数を調整し
たものを選択するのが望ましいが、ポリエステル樹脂と
の反応終了後にポリエステルを溶解可能な有機溶剤中で
均一な溶解または分散が可能であればよい。
【0011】通常、マレイン酸共重合ポリプロピレンに
おけるマレイン酸成分の共重合量が少なすぎると、ポリ
エステル樹脂との反応後も有機溶剤中で均一系を形成す
るのが困難となり、マレイン酸成分の共重合量が多すぎ
ると、反応条件によってはゲル化の懸念があるばかりで
なく、ポリエステル樹脂の耐水性を改善する効果が低減
するおそれがある。
【0012】ポリエステル樹脂とマレイン酸共重合ポリ
プロピレンとの共重合反応は、ポリエステル樹脂に対す
るマレイン酸共重合ポリプロピレンの付加反応であっ
て、ブロック共重合体を得ることができる。ポリエステ
ル樹脂とマレイン酸共重合ポリプロピレンとの使用比率
は、70〜99.5重量%:0.5〜30重量%であ
る。マレイン酸共重合ポリプロピレンの量が0.5重量
%未満の場合には、ポリエステル樹脂の耐水性を改善す
る効果が不十分であり、他方30重量%を越える場合に
は、有機溶剤中で均一系が形成できないことがあるばか
りでなく、ポリエステル樹脂の接着性能を損なうことも
ある。
【0013】前記の共重合の反応温度は100〜250
℃、好ましくは150〜200℃で行うことが望まし
い。反応温度が100℃未満では、経済的な速度で反応
させることが困難であり、反応温度が250℃を超える
場合には、熱分解が進み、着色等の品質劣化があるばか
りでなく、ゲル化の懸念がある。反応温度の如何を問わ
ず、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスまたは有機溶剤等の
空気を遮断する物質の存在下で反応させるのが好まし
い。
【0014】上記の反応において、有機溶剤の存在下で
反応させる場合には、有機溶剤にポリエステル樹脂を溶
解し、これにマレイン酸共重合ポリプロピレンを分散
し、180℃前後に昇温して反応により生ずる水を有機
溶剤とともに留出させながら反応させ、冷却、捕集した
有機溶剤を反応終了後に再び反応系に加えて溶解、分散
する効果的な方法を例示することができるが、有機溶剤
を使用することなく不活性ガスの存在下で反応させ、反
応後に有機溶剤を加えて溶解、分散させる方法などの各
種の方法を採用することができる。
【0015】上記の方法に使用可能な有機溶剤として
は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジア
ミルヘンゼン、メチルイソプロピルベンゼン、ナフタリ
ン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、デカリン、メンタン等の脂環族炭化水素類、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールジエチルエーテル等の多価ア
ルコールのエステルまたはエーテル類、メチルエチルケ
トン、メチル−n−ブチルケトン、エチル−n−ブチル
ケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸−n−ブチル、
プロピオン酸−n−ブチル、酪酸−n−ブチル、蓚酸ジ
メチル、蓚酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタ
ル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチ
ル、アジピン酸ジエチル等のエステル類等から選ばれる
単独溶剤または2種以上の混合溶剤であり、反応して得
られるブロック共重合体を溶解するものである。
【0016】上記の手段により、耐水性ポリエステル樹
脂系熱可塑性接着剤を得ることができるが、ポリエチレ
ン、ポリエチレン・ポリプロピレンコポリマー、ポリプ
ロピレン、アクリル酸共重合ポリエチレン、酢酸ビニル
共重合ポリエチレン、マレイン酸共重合ポリプロピレン
等の融点60℃以上のオレフィン系樹脂を機械的または
化学的に粉砕して得られる粉末、エマルジョン重合で得
られるオレフィン系樹脂粉末等の最大粒径100μm以
下、好ましくは50μm以下の結晶性オレフィン粉末を
ブロック共重合体100重量部あたり0.5〜20重量
部を添加することにより、耐ブロッキング性が一層改善
された耐水性ポリエステル樹脂系熱可塑性接着剤を得る
ことができる。特に、ポリエステル樹脂としてガラス転
移点が低いポリエステル樹脂を使用する場合には、優れ
た耐ブロッキング性の改善効果が得られる。
【0017】さらに、上記の耐水性ポリエステル樹脂系
接着剤の作成にさいして、硬化剤として0.5〜20重
量部のアミノプラスト樹脂を配合することにより、耐水
性に加えて耐熱性が優れた熱硬化性ポリエステル樹脂系
接着剤を得ることができる。
【0018】必要に応じて、テルペン樹脂、テルペン・
フェノール樹脂、石油樹脂、ロジン樹脂、水添ロジン樹
脂、ロジンエステル、水添ロジンエステル等の粘着剤を
配合することができる。
【0019】さらに、必要に応じて、炭酸カルシウム、
タルク、アルミナ、カオリン、酸化チタン、酸化珪素、
珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の無機酸化物、無
機塩類等を配合することができる。
【0020】本発明の耐水性ポリエステル樹脂系接着剤
は、そのまま被着体に塗布した後、短時間の加熱によ
り、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤のいずれの場合に
おいても、従来のポリエステル樹脂系接着剤では達成で
きない優れた耐水性を示す接着を行うことができる。さ
らに、本発明の耐水性ポリエステル樹脂系接着剤をフィ
ルム状物に塗布、乾燥して接着性フィルムとすることに
より、巻取りしてロール状に調製して保管し、必要に応
じて使用場所に移送して簡易に使用することができる。
使用にさいしては、貼り合わせて短時間の加熱により接
着が可能である。
【0021】本発明の耐水性ポリエステル樹脂系接着剤
は、ポリエステル樹脂にマレイン酸共重合ポリプロピレ
ンをブロック共重合することにより、溶剤に不溶性のポ
リプロピレンを安定して懸濁せしめると同時に、ガラス
等の親水性の被着体に対しても長期の耐水性接着を可能
にするものである。本発明の耐水性ポリエステル樹脂系
接着剤の原料となるポリエステル樹脂のガラス転移点が
低い場合には、オレフィン樹脂粉末を分散して一層、優
れた耐ブロッキング性を実現することができる。
【0022】
【実施例】次に実施例と比較例とを示して本発明を具体
的に説明する。なお、実施例および比較例の各性能は以
下のようにして行った。 (1).溶液粘度 ブルックフィールド型回転式粘度計を用いて、20℃で
測定した。 (2).耐ブロッキング性 試料を同一方向に2枚重ね、40℃の雰囲気下で1Kg/
cm2 の荷重をかけ24時間放置後、JIS K 685
4に従い、5cm/分の引っ張り速度で剥離強度(単位:
N/25mm)を測定した。剥離強度が小さいほど、耐ブ
ロッキング性が優れていると評価した。 (3).剥離強度 JIS K 6854に従って、5cm/分の引っ張り速
度で剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。 (4).昇温軟化点 JIS K 6829に従って、500g/25mmの荷
重で昇温軟化点(単位:℃)を測定した。 (5).耐水性 JIS K 6829に従って処理後(処理時間:2
4、168、336、504時間)、剥離強度(単位:
N/25mm)を測定した。この剥離強度の低下が少ない
ほど、耐水性が良いと評価した。
【0023】実施例1 ポリエステル樹脂としてユニチカ社製エリーテルUE−
3220(数平均分子量約25,000、ガラス転移点
5℃)90重量部、マレイン酸共重合ポリプロピレンと
して出光石油化学社製ポリタックH−3000P(マレ
イン酸共重合量4重量%のランダム共重合体)10重量
部をトルエン150重量部に溶解、分散して懸濁溶液を
調製した。
【0024】続いて、上記の懸濁溶液を攪拌機付き三つ
口セパラブルフラスコに採り、留出するトルエンと共に
水を除きながら190℃で2時間、加熱、攪拌して反応
終了後、80℃まで冷却してメチルエチルケトンを加
え、固形分40%、溶液粘度1.5Pa.sの均一に白
濁したブロック共重合体溶液として調製した。
【0025】続いて、得られたブロック共重合体溶液1
00重量部あたりオレフィン樹脂粉末としてフローセン
UF−1.5(製鉄化学社製のポリエチレン粉末)8重
量部および粘着剤として水添ロジンエステル12重量部
およびシクロヘキサン20重量部を加えて溶解、分散し
て耐水性ポリエステル樹脂系接着剤を調製した。
【0026】得られた耐水性ポリエステル樹脂系接着剤
をアルミ箔(厚さ100μm)に塗布した後、80℃の
乾燥機に入れ、10分間乾燥して、接着性フィルムを得
た。得られた接着性フィルムをガラス板(厚さ1.4m
m)と貼り合わせて、200℃で2秒間ホットプレス
(圧力3Kg/cm2 )した。接着性フィルムの耐ブロッ
キング性および接着により得られた積層体の剥離強度、
昇温軟化点、耐水性を測定した結果は、表1に示すよう
に優れたものであった。
【0027】実施例2 実施例1と同様に、但しマレイン酸共重合ポリプロピレ
ンとして、ポリタックH−3000P(10重量部)に
代えて、ポリタックH−3000Pと出光化学社製ポリ
タックH−1000P(マレイン酸共重合量4重量%、
付加重合体)とを各5重量部を用いてブロック共重合体
を調製し、メチルエチルケトンに溶解、分散して溶液粘
度1.7Pa.sの40%溶液を調製した。実施例1と
同様に耐水性ポリエステル樹脂系接着剤および接着性フ
ィルムを調製し、実施例1と同様にガラス板に接着し、
実施例1と同様に測定した結果は、表1に示すように優
れたものであった。
【0028】実施例3,4 実施例1,2の各耐水性ポリエステル樹脂系接着剤に、
硬化剤として三井サイアナミド社製サイメル370〔メ
トキシメチル(メチロ−ル)メラミン縮合物〕を各5重
量部を加え熱硬化性の耐水性ポリエステル樹脂系接着剤
および接着性フィルムを調製した。続いて、実施例1と
同様に、但し150℃で30分間ホットプレスしてガラ
ス板に接着した。実施例1と同様に測定した結果は、表
1に示すように優れたものであった。
【0029】実施例5 実施例1と同様に、但しエリ−テルUE−3220を9
5重量部に増やし、ポリタックH−3000Pを5重量
部に減らしてブロック共重合体を調製し、メチルエチル
ケトンに溶解、分散して溶液粘度1.2Pa.sの40
%溶液を調製した。続いて、実施例1と同様に耐水性ポ
リエステル樹脂系接着剤および接着性フィルムを調製
し、実施例1と同様にガラス板に接着し、実施例1と同
様に測定した結果は、表1に示すように優れたものであ
った。
【0030】実施例6 実施例1と同様に、但しエリーテルUE−3220を8
0重量部、ポリタックH−3000Pを20重量部を用
いてブロック共重合体を調製し、メチルエチルケトンに
溶解、分散して溶液粘度15.2Pa.sの40%溶液
を調製した。続いて、実施例1と同様に耐水性ポリエス
テル樹脂系接着剤および接着性フィルムを調製し、実施
例1と同様にガラス板に接着し、実施例1と同様に測定
した結果は、表1に示すように優れたものであった。
【0031】実施例7 実施例1と同様に但し、エリーテルUE−3220に代
えて、エリーテルUE−3200(数平均分子量20,
000、ガラス転移点60℃)を用いてブロック共重合
体を調製し、メチルエチルケトンに溶解、分散して溶液
粘度1.6Pa.sの40%溶液を調製した。続いて、
オレフィン粉末を加えることなく耐水性ポリエステル樹
脂系接着剤および接着性フィルムを調製し、実施例1と
同様にガラス板に接着し、実施例1と同様に測定した結
果は、表1に示すように優れたものであった。
【0032】実施例8,9 実施例1および7で調製した耐水性ポリエステル樹脂系
接着剤をバ−コ−タ−を用いて離型紙上にコートし、8
0℃の乾燥機に入れて10分間乾燥後、冷却し、耐水性
ポリエステルフィルム(厚さ20μm)を調製した。
【0033】耐水性ポリエステルフィルムを実施例1と
同様にして耐ブロッキング性を測定したところ、容易に
剥離し、良好な耐ブロッキング性を示した。続いて、耐
水性ポリエステルフィルムから剥離紙を剥離し、実施例
1で使用したものと同様のアルミ箔(但し、接着剤未塗
布)とガラス板との間に挟んで実施例1と同様に積層体
を作成し、実施例1と同様に測定した結果は、表1に示
すように優れたものであった。
【0034】比較例1 エリ−テルUE−3220をメチルエチルケトンに溶解
し、溶液粘度1.0Pa.sの40%溶液を調製した。
続いて、実施例1と同様にオレフィン粉末および水添ロ
ジンエステルを加えて淡黄色透明なポリエステル系接着
剤を調製した。続いて、実施例1と同様にアルミ箔に塗
布、乾燥した後、実施例1と同様にガラス板に接着し、
実施例1と同様に測定した結果は、表1に示すように特
に耐水性が劣るものであった。
【0035】比較例2 比較例1で調製したポリエステル系接着剤に、実施例3
と同様の硬化剤を加えて熱硬化型ポリエステル樹脂系接
着剤および接着性フィルムを調製した。続いて、150
℃で30分間ホットプレスした以外は実施例1と同様に
してガラス板に接着した。実施例1と同様に測定した結
果は、表1に示すように特に耐水性が劣るものであっ
た。
【0036】比較例3 実施例1と同様に、但しエリーテルUE−3220を6
0重量部とポリタックH−3000Pを40重量部をセ
パラブルフラスコに採り、実施例1と同様にブロック共
重合体を調製した。続いて、実施例1と同様に40%溶
液を調製すべく80℃でメチルエチルケトンを加えた
後、室温まで冷却するとケーキングし、非水エマルジョ
ンとして調製できなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、使用にあたり数秒未満
の相対的に短時間の加熱によっても、強靱でかつ耐水性
等に優れた接着性能が実現できるポリエステル樹脂系接
着剤を提供するとともに、接着剤の性能を低下すること
なく、優れた接着性と優れた耐ブロッキング性を有する
接着性フィルムを提供することが可能である。特に、本
発明の耐水性ポリエステル樹脂系接着剤は、ポリエステ
ル樹脂にマレイン酸共重合ポリプロピレンをブロック共
重合することにより、溶剤に不溶のポリプロピレンを安
定して懸濁せしめると同時に、ガラス等の親水性の被着
体に対しても長期の耐水接着を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松沢 努 神奈川県愛甲郡愛川町中津4085 ダイアボ ンド工業株式会社厚木工場内 Fターム(参考) 4J004 AA07 AA10 AA15 AB05 CA08 CC02 EA01 4J040 DA022 DA042 DA052 DA072 DA082 DA102 DA191 DL151 DM001 ED001 GA05 GA12 JA09 JB01 JB09 KA03 KA23 LA01 LA03 LA07 LA08 MA02 MA05 MA10 MB03 MB05 PA30 PA33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子末端が主として水酸基であるポリエ
    ステル樹脂70〜99.5重量%にマレイン酸共重合ポ
    リプロピレン0.5〜30重量%を付加反応して得られ
    るブロック共重合体を有機溶剤に溶解、分散してなるこ
    とを特徴とする耐水性ポリエステル樹脂系接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブロック共重合体10
    0重量部とオレフィン樹脂粉末0.5〜20重量部とを
    有機溶剤に溶解、分散してなることを特徴とする耐水性
    ポリエステル樹脂接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の耐水性ポリエステル樹
    脂系接着剤をフィルム状物にコーティングし、乾燥して
    なることを特徴とする接着性フィルム。
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