JP2000135752A - 電波透過体 - Google Patents

電波透過体

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JP2000135752A
JP2000135752A JP11237955A JP23795599A JP2000135752A JP 2000135752 A JP2000135752 A JP 2000135752A JP 11237955 A JP11237955 A JP 11237955A JP 23795599 A JP23795599 A JP 23795599A JP 2000135752 A JP2000135752 A JP 2000135752A
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wave transmitting
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honeycomb structure
combustible
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JP11237955A
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English (en)
Inventor
Migaku Murase
琢 村瀬
Naoyoshi Sato
直義 佐藤
Hiroshi Kurihara
弘 栗原
Hisafumi Saito
寿文 斉藤
Hiroshige Yanagawa
太成 柳川
Kozo Hayashi
宏三 林
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
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Tokiwa Electric Co Ltd
TDK Corp
Original Assignee
Tokiwa Electric Co Ltd
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波暗室、電波吸収壁等に使用する電波吸収
体の前面に設置するための軽量で不燃性と電波透過性に
優れた電波透過体を提供する。 【解決手段】 含水無機化合物を主成分としたスラリー
から抄造した不燃性シートを無機接着剤を使用してハニ
カム形状に積層したハニカム構造体の両面に、含水無機
化合物を主成分としたスラリーから抄造した不燃性ボー
ドを接着剤を使用して一体的に接合して電波透過体とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波透過体に係り、
特に電波暗室、電波吸収壁等に使用する電波吸収体の前
面に設置する電波透過体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報社会の実現に向けて、移
動通信分野を中心に電波利用が急速に拡大している。ま
た、今日のマイクロエレクトロニクス技術の革新的進歩
に伴って多様な電子機器が普及している。しかし、この
ような情報通信技術の発達に伴い、不要な電磁ノイズが
精密機器関連装置に及ぼす影響が問題となっている。
【0003】電磁ノイズの測定には、電磁波の反射のな
い電波暗室(電波無響室)が使用され、このような電波
暗室の内壁には電波吸収体が配設されている。電波暗室
に使用される電波吸収体は、発泡スチロール、発泡スチ
レンや発泡ウレタン等の有機系の材料からなる四角錐形
状やくさび形状の電波吸収体が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電波吸収体は、導電性を得るためにカーボンブラック等
が配合されているので、電波暗室内は暗く圧迫感がある
ものとなってしまう。また、四角錐形状やくさび形状の
電波吸収体の頂点は比較的脆いため、衝突等により破損
し易いという問題がある。さらに、電波障害の増加に伴
い、イミュニティ試験等の大電力の試験が義務付けられ
る方向にあり、閉鎖された状態で使用される電波暗室で
は、安全性向上の観点から不燃性の材料の使用が要求さ
れている。
【0005】このような問題を解消するために、軽量で
電波を透過する性質を有する白色系の電波透過体によっ
て、多数配設された電波吸収体の頂点部位(前面)を被
覆することが行われている。しかし、従来の電波透過体
は、発泡スチロール等のプラスチックの発泡体ボードが
使用されているが、これらは不燃性材料ではない。
【0006】また、不燃性をもたせた電波透過体とし
て、炭酸カルシウム発泡体ボード、セラミックス繊維不
織布ボード等の材質が開発されている。しかし、前者は
準不燃性のレベルであり、安全性の観点からは不十分な
ものである。また、後者は不燃性に優れるものの高価で
あり、電波暗室の製造コスト低減に支障を来すという問
題がある。
【0007】本発明は、上記のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、電波暗室、電波吸収壁等に使用する電
波吸収体の前面に設置するための軽量で不燃性と電波透
過性に優れた電波透過体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の電波透過体は、ハニカム構造体と、
該ハニカム構造体の両面に接着剤を使用して一体的に接
合された不燃性ボードとを備え、前記ハニカム構造体は
含水無機化合物を主成分としたスラリーから抄造した不
燃性シートを無機接着剤を使用してハニカム形状に積層
したものであり、前記不燃性ボードは含水無機化合物を
主成分としたスラリーから抄造したものであるような構
成とした。
【0009】また、本発明の電波透過体は、前記含水無
機化合物がセピオライトであるような構成とした。
【0010】また、本発明の電波透過体は、前記ハニカ
ム構造体のセルサイズが10〜60mmの範囲内にある
ような構成とした。
【0011】また、本発明の電波透過体は、前記不燃性
ボードが表面にエンボス加工を施されているような構成
とした。
【0012】さらに、本発明の電波透過体は、前記ハニ
カム構造体の高さが4〜60mmの範囲内にあるような
構成とした。
【0013】また、本発明の電波透過体は、電波吸収体
の一部を係合するための凹部を備えるような構成、前記
ハニカム構造体の高さが20〜60mmの範囲内にある
ような構成とした。
【0014】また、本発明の電波透過体は、前記不燃性
シートの厚みが0.2〜0.7mmの範囲内にあるよう
な構成とした。
【0015】また、本発明の電波透過体は、前記不燃性
ボードの厚みが0.2〜3.0mmの範囲内にあるよう
な構成とした。
【0016】さらに、本発明の電波透過体は、乾燥比重
が0.05〜0.3g/cm3の範囲内にあるような構
成とした。
【0017】このような本発明では、ハニカム構造体が
軽量でありながら優れた不燃性と電波透過性を発現し、
不燃性ボードが優れた機械的強度と不燃性を電波透過体
に付与する作用をなす。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】図1は本発明の電波透過体の一実施形態を
示す平面図であり、図2は図1に示される電波透過体の
A−A線矢視の部分拡大断面図であり、図3は図1に示
される電波透過体の部分拡大斜視図である。図1乃至図
3において、本発明の電波透過体1は、ハニカム構造体
2と、このハニカム構造体の両面に接着剤4を使用して
一体的に接合された不燃性ボード3とを備えたものであ
る。図示例では、電波透過体1は、電波吸収体の一部を
係合するための凹部5を3か所に備えている。
【0020】電波透過体1を構成するハニカム構造体2
は、含水無機化合物を主成分としたスラリーから抄造し
た不燃性シートを無機接着剤を使用してハニカム形状に
積層したものである。図4は、このようなハニカム構造
体2の部分拡大斜視図である。図4において、ハニカム
構造体2は不燃シート11を無機接着剤12を介して貼
り合わせた積層体であり、図示例では、各不燃シート1
1の両面には無機含浸剤層13が形成されている。
【0021】上記の不燃性シート11を抄造するための
スラリーは、含水無機化合物として、例えば、セピオラ
イトを60〜90重量%含有し、さらにバインダを含有
するものであり、また、補強材としてガラス繊維を含有
してもよい。使用するバインダは、不燃性シートの強度
を高めるための熱可塑性樹脂と、凝集性、耐水性を付与
するための網目状の三次元構造をもった熱硬化性樹脂で
ある。熱可塑性樹脂としては、ポリアクリルアミド(分
子量80万〜100万程度)等のアニオン系の熱可塑性
樹脂を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、ポ
リアミドポリアミンエピクロルヒドリン等のカチオン系
の熱硬化性樹脂を使用することができる。このようなス
ラリーを用いて抄造工程でシートを形成し、これを所定
温度で乾燥することにより、水分の蒸発とバインダの反
応が進行して固化され、不燃性シート11が得られる。
このような不燃性シート11の厚みは0.2〜0.7m
mの範囲で設定することが好ましい。
【0022】不燃性シート11を用いたハニカム構造体
2の作製は、まず、所定幅の不燃性シート11の長さ方
向に所定の間隔で線状に無機接着剤を塗布し、かつ、隣
接する不燃シートの間で線状の無機接着剤の塗布位置を
半ピッチずらすようにして、所定枚数の不燃性シート1
1を積層する。そして、この積層体を圧着して無機接着
剤塗布部位で接合することによりシートブロックとす
る。ここでは、上記の無機接着剤の塗布幅が、ハニカム
構造体2のセルの重合面2Aの長さ寸法となり、この無
機接着剤層12の幅と形成間隔を調整することにより、
セルサイズd(図3参照)を制御することができる。次
に、上記のシートブロックを所望のハニカム構造体の寸
法に裁断し、無機含浸剤に浸漬した後、無機含浸剤を乾
燥固化して、無機含浸剤層13とすることにより、図4
に示されるようなハニカム構造体2が得られる。使用す
る無機接着剤としては、例えば、リン酸アルミニウム溶
液、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等に硬化
剤、触媒等を混合した水溶性または水分散タイプのもの
を挙げることができる。また、無機含浸剤としては、各
種の無機接着剤を使用することができるが、不燃性シー
ト11の接合用の無機接着剤を同じものを使用すること
が好ましい。
【0023】このハニカム構造体2のセルサイズdは、
上記の電波吸収体の一部を係合するための凹部5の形成
を考慮して、10〜60mmの範囲で設定する。セルサ
イズdが10mm未満であると、セルサイズの開きが小
さく、周波数によっては電波を反射することがあり、ま
た、セル数の増加による電波透過体1の重量増加を招来
するので好ましくない。一方、セルサイズdが60mm
を超えると、電波透過体1の不燃性ボード3に対して斜
めになるように凹部5に係合される電波吸収体の安定性
が悪い。ハニカム構造体2の高さは20〜60mmの範
囲で設定することができ、セルの重合面2Aの厚みは
0.4〜2.0mmの範囲で設定することができる。
【0024】尚、ハニカム構造体が、電波吸収体の一部
を係合するための凹部を備えない場合も、セルサイズd
は10〜60mmの範囲で設定することが好ましく、ハ
ニカム構造体2の高さは4〜60mmの範囲で設定する
ことができる。また、電波吸収体の一部を係合するため
に、凹部の代わりに、例えば図5に示されるような連結
体9を電波透過体1に貼り付けてもよい。
【0025】電波透過体1を構成する不燃性ボード3
は、含水無機化合物を主成分としたスラリーから抄造し
たものである。この不燃性ボード3は、上述の不燃性シ
ート11と同様にして抄造することができ、含水無機化
合物として、例えば、セピオライトを用いることができ
る。また、抄造工程で形成した複数枚の不燃性ボードを
無機接着剤で貼り合わせて不燃性ボード3としてもよ
い。不燃性ボード3の厚みは0.2〜3.0mm程度が
好ましく、ハニカム構造体2の表裏に異なる厚みの不燃
性ボード3を接合してもよい。尚、不燃性ボード3は表
面(ハニカム構造体2との接合面の反対側)にエンボス
加工が施されているものであってもよい。このエンボス
加工は、抄造工程で形成した複数枚の不燃性ボードの貼
り合わせ時の圧着工程で行うことができる。エンボス加
工を施すことにより、電波透過体1の表面の美装が可能
となる。
【0026】ハニカム構造体2上への不燃性ボード3の
一体化接合は、接着剤4でハニカム構造体2と不燃性ボ
ード3とを貼り合わせることにより行うことができる。
使用する接着剤4は無機系あるいは有機系のどちらでも
よく、不燃性の点では無機接着剤の方が有利であり、強
度面では有機接着剤の方が有利である。無機接着剤とし
ては、各種の無機接着剤を挙げることができるが、上述
の不燃性シート11の接合用の無機接着剤と同じものを
使用することが好ましい。このような無機接着剤は、ロ
ーラー塗布等によりハニカム構造体2の両端面2aに塗
布することができる。また、有機接着剤としては、例え
ば、エポキシ樹脂系のものが使用できる。
【0027】電波透過体1を構成する凹部5は、電波透
過体1の一方の面に溝状に形成されたものであり、この
凹部5の寸法、形状、個数には制限はなく、電波透過体
1を前面に配設する電波吸収体に対応して適宜設定する
ことができる。
【0028】本発明の電波透過体1は、ハニカム構造体
2が柔軟性をもつ含水無機化合物で構成されているの
で、曲げ強度が高く、展張によるハニカム構造体の作製
が可能である。本発明の含水無機化合物としては、上述
のようなセピオライトや、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウムの各水和物、二水和石
膏、アルミン酸カルシウム、ワラストナイト等を挙げる
ことができ、このなかでセピオライトが特に好ましい。
鉱物繊維であるセピオライト等の含水無機化合物が有す
る不燃性、および、不燃性シートを接着する無機接着剤
の熱安定性により、ハニカム構造体2は優れた不燃性を
もつ。また、ハニカム構造体2の不燃性シート11の表
面に無機含浸剤層13を形成することにより、不燃性シ
ート11の表面強度を高めて繊維のけば立ちや剥れ落ち
を防止することができる。さらに、不燃性ボード3も優
れた不燃性を有し、この不燃性ボード3がハニカム構造
体2の横方向の強度を向上させる。そして、含水無機化
合物であるセピオライトが材料的に安価であるため、低
コストで電波透過体1を製造することができる。また、
本発明の電波透過体1は、乾燥比重が0.05〜0.3
g/cm3 であり、従来の樹脂発泡タイプの電波透過体
に比べても、軽量化の点で特に問題はない。
【0029】尚、本発明の電波透過体は、表面の少なく
とも一部に無機コーティング剤を塗布してもよい。この
無機コーティング剤は、不燃性あるいは難燃性を有する
無機コーティング剤として従来から用いられているもの
を使用することができ、特に制限はない。例えば、主剤
としてのアルキルシリケート、このアルキルシリケート
を加水分解するための水、この加水分解反応を促進する
反応触媒としてのアルミニウムキレート、加水分解反応
を抑制する反応抑制剤としてのメチルアシッドホスヘー
ト、および、上記のアルキルシリケートと水とを溶解す
る溶媒としてのアルコールを含有する無機コーティング
剤等を挙げることができる。また、上記の溶媒としての
アルコール中に分散したセピオライトを含有する無機コ
ーティング剤、さらに、カーボングラファイト等を含有
するものであってもよい。アルキルシリケートとして
は、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン等を使用することができる。さらに、水
系の無機コーティング剤を用いてもよい。このような無
機コーティング剤を用いて塗膜を形成することにより、
表面の目止め効果と機械的強度の更なる向上が可能とな
る。
【0030】図6は、本発明の電波透過体が電波吸収体
の前面に装着された例を示す斜視図である。図6におい
て、電波吸収体ユニット21は、発泡スチロール等にカ
ーボンブラック等を含有させた基材22上に、3組のく
さび形状の電波吸収体23を備えている。くさび形状の
各電波吸収体23は、発泡スチロール等にカーボンブラ
ック等を含有させた1対の板状電波吸収体24a,24
bから構成されている。このような電波吸収体ユニット
21が、電波暗室の内壁にシールドパネルやフェライト
電波吸収体等を介して基材22を固着することにより複
数配設される。そして、本発明の電波透過体1は、くさ
び形状の各電波吸収体23の先端頂部23aを凹部に係
合するようにして、1個の電波吸収体ユニット21の前
面に装着されている。尚、凹部内において、電波透過体
1と電波吸収体23とを接着剤により接着してもよい。
【0031】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0032】(試料1の作製)まず、下記組成の不燃性
シート用のスラリーをヘンシルミキサを用いて調製し
た。
【0033】 不燃性シート用のスラリーの組成 ・セピオライト … 85重量部 (水澤化学工業(株)製エードプラス) ・ガラス繊維(日東紡績(株)製) … 10重量部 ・有機バインダー … 5重量部
【0034】次に、上記のスラリーを用いて、不燃性シ
ート(厚み0.25mm)を抄造した。次いで、この不
燃性シートと、無機接着剤(ケイ酸カリウムと五酸化ア
ンチモンの混合物)を用いて、図4に示されるようなハ
ニカム構造体(515mm×515mm×41mm)を
作製した。このハニカム構造体のセルサイズは10mm
とした。また、上記の無機接着材を無機含浸剤として使
用し、不燃性シートに無機含浸剤層を形成した。
【0035】また、上記の不燃性シートを上記の無機接
着剤で積層して、厚み1.5mmの不燃性ボードAと、
厚み0.5mmの不燃性ボードB(515mm×515
mm)を製造した。
【0036】次いで、上記のハニカム構造体の表面にロ
ーラー塗布により上記の無機接着剤を塗布し、一方の面
に不燃性ボードAを、他方の面に不燃性ボードBを貼り
合わせ、150℃で1時間乾燥することにより、図2に
示される断面構造を有する515mm×515mm×4
3mmの電波透過体を作製した。この電波透過体に打ち
抜き加工を行って、60mm×200mmの開口部をも
った深さ41mmの凹部を137.5mm間隔で3か所
形成して、図1に示されるような電波透過体(試料1)
を作製した。
【0037】(試料2の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを20mmとした他は、試料1と同様にして図1に
示されるような電波透過体(試料2)を作製した。
【0038】(試料3の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを30mmとした他は、試料1と同様にして図1に
示されるような電波透過体(試料3)を作製した。
【0039】(試料4の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを40mmとした他は、試料1と同様にして図1に
示されるような電波透過体(試料4)を作製した。
【0040】(試料5の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを60mmとした他は、試料1と同様にして図1に
示されるような電波透過体(試料5)を作製した。
【0041】(試料6の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを5mmとした他は、試料1と同様にして図1に示
されるような電波透過体(試料6)を作製した。
【0042】(試料7の作製)ハニカム構造体のセルサ
イズを80mmとした他は、試料1と同様にして図1に
示されるような電波透過体(試料7)を作製した。
【0043】(試料8の作製)発泡スチロールからなる
ボード(515mm×515mm×43mm)を作製
し、このボードに打ち抜き加工を行って、60mm×2
00mmの開口部をもった深さ41mmの凹部を13
7.5mm間隔で3か所形成して電波透過体(試料8)
を作製した。
【0044】(電波透過体の評価)上述のようにして作
製した各電波透過体(試料1〜8)について、乾燥比重
を測定し、また、下記の測定方法により不燃性を測定し
て、結果を下記の表1に示した。
【0045】不燃性試験 建設省告示1828号に規定した不燃性材料の試験方法
に準じ、まず、無機接着剤((株)常盤電機製 FJ2
94)を用いて電波透過体を積層して、40mm×40
mm×50mmの試験片を作成し、この試験片を炉内で
750±10℃、20分間加熱し、この加熱による試験
片の温度上昇を測定した。加熱による試験片の温度上昇
が50℃未満の場合、不燃性が合格となる。
【0046】次に、背面にシールドパネルを配置した基
材(TDK(株)製フェライトIB−011(厚み5.
9mm))に、電波吸収体としてTDK(株)製IP−
090BLを用いて、図6に示されるような3個のくさ
び形状の電波吸収体を設け、電波吸収体ユニットを作製
した。この電波吸収体ユニットの電波吸収体の前面に各
電波透過体(試料1〜8)を装着し、1GHzにおける
電波吸収能を測定した。すなわち、図7の測定系ブロッ
ク図に示すような電波暗室内31において、電波吸収体
ユニットの前面に装着した電波透過体1に電波を照射
し、反射波レベルを測定した。電波暗室31内には、衝
立32を挟んで送信アンテナ33と受信アンテナ34が
配設されており、送信アンテナ33にはS−パラメータ
35が接続され、受信アンテナ34はRFアンプ36を
介して上記のS−パラメータ35に接続されている。ま
た、S−パラメータ35はネットワークアナライザー3
7を介して測定コントローラ38に接続され、この測定
コントローラ38にはプリンタ39が接続されている。
各電波透過体(試料1〜8)を装着した電波吸収体ユニ
ットの反射減衰量(dB)は、電波吸収体ユニットの底面
(基材)と同一寸法の金属板のみの反射レベルを基準と
して、下記の式から算出した。 反射減衰量(dB)=−[ 電波吸収体ユニットの反射レベル
(dB)−金属板の反射レベル(dB)]
【0047】
【表1】 表1に示されるように、試料1〜5は軽量で優れた不燃
性を有し、これらの電波透過体を装着した電波吸収体
は、従来の発泡スチロールのボードからなる電波透過体
(試料8)を用いた場合と同様に、電波暗室としての規
格を満たすことが確認された。一方、試料6はやや比重
が大きく、また、これを装着した電波吸収体の電波吸収
能が低いことから、試料1〜5に比べて電波透過性が若
干悪いことが確認された。試料7は軽量で優れた不燃性
を有し、かつ、これを装着した電波吸収体は、従来の発
泡スチロールのボードからなる電波透過体(試料8)を
用いた場合と同レベルの電波吸収能を発現することが確
認されたが、電波吸収体への装着安定性がやや低いもの
であった。
【0048】尚、従来の発泡スチロールのボードからな
る電波透過体(試料8)は、不燃性が大きく劣ることが
再確認された。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば含
水無機化合物を主成分としたスラリーから抄造した不燃
性シートを無機接着剤を使用してハニカム形状に積層し
たハニカム構造体の両面に、含水無機化合物を主成分と
したスラリーから抄造した不燃性ボードを接着剤を使用
して一体的に接合して電波透過体とするので、軽量で優
れた不燃性と電波透過性を具備し、また、機械的強度も
良好な電波透過体であり、電波暗室等に複数配設された
電波吸収体を、電波反射を生じることなく保護すること
ができ、さらに、不燃性ボードが白色系であるので、電
波暗室内に圧迫感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波透過体の一実施形態を示す平面図
である。
【図2】図1に示される電波透過体のA−A線矢視の部
分拡大断面図である。
【図3】図1に示される電波透過体の部分拡大斜視図で
ある。
【図4】図1に示される電波透過体を構成するハニカム
構造体の部分拡大斜視図である。
【図5】本発明の電波透過体の他の実施形態を示す斜視
図である。
【図6】本発明の電波透過体を装着した電波吸収体の一
例を示す斜視図である。
【図7】実施例において電波吸収体の1GHzにおける
電波吸収能を測定するための測定系ブロック図である。
【符号の説明】
1…電波透過体 2…ハニカム構造体 3…不燃性ボード 4…接着剤 9…連結体 11…不燃性シート 12…無機接着剤層 13…無機含浸剤層 21…電波吸収体ユニット 31…電波暗室 33…送信アンテナ 34…受信アンテナ 35…S‐パラメータ 36…RFアンプ 37…ネットワークアナライザー 38…測定コントローラ d…セルサイズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直義 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 栗原 弘 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 斉藤 寿文 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 柳川 太成 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 林 宏三 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 藤本 恭一 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム構造体と、該ハニカム構造体の
    両面に接着剤を使用して一体的に接合された不燃性ボー
    ドとを備え、前記ハニカム構造体は含水無機化合物を主
    成分としたスラリーから抄造した不燃性シートを無機接
    着剤を使用してハニカム形状に積層したものであり、前
    記不燃性ボードは含水無機化合物を主成分としたスラリ
    ーから抄造したものであることを特徴とする電波透過
    体。
  2. 【請求項2】 前記含水無機化合物は、セピオライトで
    あることを特徴とする請求項1に記載の電波透過体。
  3. 【請求項3】 前記ハニカム構造体のセルサイズは、1
    0〜60mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の電波透過体。
  4. 【請求項4】 前記不燃性ボードは、表面にエンボス加
    工が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載の電波透過体。
  5. 【請求項5】 前記ハニカム構造体の高さは、4〜60
    mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載の電波透過体。
  6. 【請求項6】 電波吸収体の一部を係合するための凹部
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の電波透過体。
  7. 【請求項7】 前記ハニカム構造体の高さは、20〜6
    0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載
    の電波透過体。
  8. 【請求項8】 前記不燃性シートの厚みは、0.2〜
    0.7mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃
    至請求項7のいずれかに記載の電波透過体。
  9. 【請求項9】 前記不燃性ボードの厚みは、0.2〜
    3.0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃
    至請求項8のいずれかに記載の電波透過体。
  10. 【請求項10】 電波透過体の乾燥比重は、0.05〜
    0.3g/cm3の範囲内にあることを特徴とする請求
    項1乃至請求項9のいずれかに記載の電波透過体。
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