JP2000134977A - 多相モータの駆動装置 - Google Patents

多相モータの駆動装置

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JP2000134977A
JP2000134977A JP10308216A JP30821698A JP2000134977A JP 2000134977 A JP2000134977 A JP 2000134977A JP 10308216 A JP10308216 A JP 10308216A JP 30821698 A JP30821698 A JP 30821698A JP 2000134977 A JP2000134977 A JP 2000134977A
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magnetoresistive element
magnetoresistive
motor
sensor
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Masayoshi Nakagawa
正義 中川
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Alps Electric Co Ltd
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/14Electronic commutators
    • H02P6/16Circuit arrangements for detecting position
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K29/00Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices
    • H02K29/06Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices
    • H02K29/08Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices using magnetic effect devices, e.g. Hall-plates, magneto-resistors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/60Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive
    • H02P29/68Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive based on the temperature of a drive component or a semiconductor component
    • H02P29/685Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive based on the temperature of a drive component or a semiconductor component compensating for Hall sensor temperature non-linearity

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のホール素子を使用する多相ブラシレス
モータでは、ホール素子が温度特性の影響を受け易く、
また出力レベルが小さいため、モータの回転速度や位相
を高精度とすることができなかった。 【解決手段】 3相モータM内にスピンバルブ構造の磁
気抵抗効果素子を直列接続した1チップ状の磁気抵抗効
果素子センサ20a,20b,20cを搭載する。駆動
信号生成手段40では各磁気抵抗効果素子センサ20
a,20b,20cの出力信号eu,ev,ewどうし
を減算した差信号Eu,Ev,Ewを生成する。相電流
供給手段45では前記差信号Eu,Ev,Ewに基づい
て相電流Iu,Iv,Iwを生成し、これを各相の駆動
コイル1U,1V,1Wにそれぞれ供給する。磁気抵抗
効果素子センサ20は、ホール素子に比べ温度特性に優
れ、且つ出力レベルも高いため、3相モータの回転速度
や位相を高精度に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相構造からなる
ブラシレスモータの駆動装置に係わり、特に回転検出器
に磁気抵抗効果素子を用いることにより、温度特性に優
れ且つ回路構成を簡単とし得る多相モータの駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、従来の多相モータの駆動装置
の一例として、3相ブラシレスモータの駆動装置を示す
構成図、図15は図14におけるホール信号と相電流の
タイミングチャートである。図14において、符号1
は、駆動コイル1U(U相)、1V(V相)、1W(W
相)からなるブラシレスの3相モータである。
【0003】この3相モータ1は、固定部側となるステ
ータに対し、ロータが回転自在に支持されている。ステ
ータには、前記駆動コイル1U、1Vおよび1Wと、こ
れらと隣接する位置にホール素子H1,H2およびH3
がそれぞれ設けられている。ロータケース(図示せず)
の内面には、N極とS極が交互に並ぶリング状のロータ
マグネットが設けられ、ホール素子H1,H2およびH
3はこれらロータマグネットに対向する位置に設けられ
ている。そして、ロータが回転するとロータマグネット
の各磁極がホール素子H1,H2およびH3の前をそれ
ぞれ通過し、このときホール素子H1,H2およびH3
が磁界の変化を検出する。
【0004】ホール素子H1,H2およびH3の出力信
号は、駆動手段2に入力される。図14に示すように、
駆動手段2は電圧ホォロワ手段3、制御手段4および相
電流生成手段5から構成されている。
【0005】電圧ホォロワ手段3では、ホール素子H
1,H2およびH3からの出力信号をオペアンプなどか
ら構成される高入力インピーダンスの素子で受けること
により、次段の制御手段4にホール信号の出力信号を正
確に伝達する役割を担っている。また制御手段4の内部
には、増幅手段(図示せず)が設けられており、信号レ
ベルの低いホール素子H1,H2およびH3の出力信号
を図15に示すような信号処理しやすいホール信号H
u,HvおよびHwに増幅する。
【0006】また制御手段4では、各ホール信号Hu,
HvおよびHwに基づきタイミング調整がされた駆動信
号4u,4vおよび4wの生成を行なう。そして、相電
流生成手段5において、駆動信号4u,4vおよび4w
をそれぞれ相電流Iu,IvおよびIwに電圧電流変換
される。この際、各相電流Iu,IvおよびIwは、前
記駆動信号4u,4vおよび4wのタイミングに沿って
それぞれ変換され、3相モータ1の各駆動コイル1U、
1Vおよび1Wに供給される。
【0007】このように、上記3相モータ1では、ロー
タの回転速度や回転位相を検出し、リアルタイムで各相
の駆動コイル1u,1vおよび1wに最適な相電流I
u,IvおよびIwを供給するフィードバック制御を行
なうことにより、常にロータの回転速度及び位相を高精
度に維持できるように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記モータの
駆動装置には以下に示すような問題がある。上記におい
て使用されるホール素子は、InSb(インジウムアン
チモン)やGaAs(ガリウムヒ素)などの化学半導体
などからなるものである。一般に、InSb(インジウ
ムアンチモン)からなるホール素子は、温度特性に対す
る変動が大きいという欠点があるため、ロータの回転速
度や位相を高精度に維持しにくいという問題がある。
【0009】一方、GaAs(ガリウムヒ素)からなる
ホール素子は、InSbに比べ温度特性に対する変動は
小さいものの出力レベルが低いため、ホール素子の出力
信号を増幅する手段を必要とする。よって、モータの駆
動装置の構成が複雑になるという問題がある。またホー
ル素子は、その外形寸法が比較的大きくなりやすいた
め、これを多相モータ内に複数個設けると、多相モータ
全体の外形寸法が増大するという問題もある。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、温度特性に優れ且つモータの駆動装置の構
成を簡単にできる多相モータの駆動装置を提供すること
を目的としている。また本発明は、多相モータ自体の外
形寸法の増大を抑えることのできる多相モータを提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の駆動コ
イルを有するステータに各相電流が供給されてロータマ
グネットが回転する多相モータと、各相ごとに設けられ
且つロータマグネットの回転位相に応じた出力信号を検
出する磁気抵抗効果素子センサと、前記磁気抵抗効果素
子センサの出力信号に含まれるオフセット電圧を除去す
るオフセット除去手段と、前記オフセット電圧が除去さ
れた各相に対応する前記出力信号の相間の差信号を生成
する駆動信号生成手段と、前記駆動信号に基づいて各相
の駆動コイルに与える相電流を生成する相電流供給手段
と、を有することを特徴とするものである。
【0012】本発明における多相モータの駆動装置は、
例えばブラシレスの3相モータ用であり、その他2相モ
ータや4相モータなどであってもよい。一般に、磁気抵
抗効果素子はホール素子に比べその出力レベルが高いた
め、消費電力を低く抑えることができる。あるいは消費
電流をホール素子と同程度以下とした場合には、より安
定した状態で磁気抵抗効果素子を動作させることが可能
である。また磁気抵抗効果素子は、非常に弱い磁界に対
して高い出力信号を発生することができるため、ロータ
マグネットを弱磁性体で形成することも可能であり、安
価な3相モータを提供することが可能となる。
【0013】本発明における多相モータの駆動装置で
は、複数の相からなる多相モータの回転速度や回転位相
を検出する手段として、磁気抵抗効果素子センサを使用
することにより、ホール素子を使用した場合に比べ高い
出力レベルの信号を得ることができる。よって、多相モ
ータを低速回転から高速回転に至るまで高い精度で制御
できるようになる。
【0014】上記において、前記磁気抵抗効果素子セン
サは、一の方向に磁化された固定磁性層と外部磁界の影
響を受けて磁化方向が変動するフリー磁性層を有する第
1の磁気抵抗効果素子と、前記一の方向とは逆方向に磁
化された固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化方向
が変動するフリー磁性層を有する第2の磁気抵抗効果素
子とが中点の出力部を介して直列に接続されたものであ
り、前記互いに相反する第1及び第2の磁気抵抗効果素
子の固定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の向きと
が平行に設定され、且つ直列に接続された磁気抵抗効果
素子に所定の電圧が印加されたものであり、前記オフセ
ット除去手段は、前記中点の出力部の電圧から、これと
は別に設定される基準電圧を減算する減算手段を有する
ものが好ましい。
【0015】上記のような磁気抵抗効果素子を直列接続
することにより、1つの磁気抵抗効果素子センサによっ
てモータの回転速度や回転位相の進み又は遅れを正確に
検出することが可能となる。また磁気抵抗効果素子セン
サの出力信号から中点電位を除去することにより、0点
を中心として振幅する出力信号とすることができるた
め、その後の信号処理を容易となる。
【0016】また第1及び第2の磁気抵抗効果素子の固
定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の向きとを平行
に設定することにより、ロータの磁界が磁気抵抗効果素
子の成膜面に対し平行となるため、磁界の向きの変化に
応じて磁気抵抗効果素子の磁気抵抗値を変化させること
ができる。
【0017】あるいは、前記磁気抵抗効果素子センサ
は、基板上に固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化
方向が変動するフリー磁性層とを有する磁気抵抗効果素
子を4個使用してブリッジ接続されており、互いに対向
する位置関係にある2組の磁気抵抗効果素子のうち、一
方の組の固定磁性層が共に同一方向に磁化され、残りの
他方の組の磁気抵抗効果素子の固定磁性層が共に前記一
方の組の磁気抵抗効果素子の固定磁性層とは逆向きに磁
化されており、前記互いに相反する2組の磁気抵抗効果
素子の前記固定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の
向きとが平行に設定され、前記ブリッジ接続された磁気
抵抗効果素子に所定の電圧が印加されたものであり、前
記オフセット除去手段は、ブリッジ接続された磁気抵抗
効果素子の一方の直列接続部の中点電位から、他方の直
列接続部の中点電位を減算する減算手段を有するものと
することもできる。
【0018】すなわち、磁気抵抗効果素子をブリッジ接
続することにより、出力信号の出力レベルをさらに高め
ることができるとともに、ブリッジ接続された磁気抵抗
効果素子センサからは、既にオフセット電圧を除去した
出力信号を得ることができる。よって、さらに高い精度
で多相モータを制御することができるとともに、専用の
オフセット除去手段を不要とすることがでる。
【0019】例えば、前記多相モータは、U相、V相お
よびW相からなる3相モータであり、前記駆動信号生成
手段は、前記U相、V相およびW相のいずれかを第1の
相としたときに、この第1の相から検出した磁気抵抗効
果素子センサの出力信号から、前記第1の相に隣接し、
この第1の相の位相よりも120°位相が遅れるU相、
V相およびW相いずれか第2の相から検出した磁気抵抗
効果素子センサの出力信号との差信号の生成するもので
ある。
【0020】また本発明の多相モータの駆動装置は、複
数の駆動コイルを有するステータに各相電流が供給され
てロータマグネットが回転する多相モータと、各相ごと
に設けられ且つロータマグネットの回転位相に応じた出
力信号を検出する磁気抵抗効果素子センサと、前記磁気
抵抗効果素子センサの出力信号に含まれるオフセット電
圧の除去を行うとともに各相に対応する前記出力信号の
相間の差信号を生成する駆動信号生成手段と、前記駆動
信号に基づいて各相の駆動コイルに与える相電流を生成
する相電流供給手段と、を有することを特徴とするもの
である。
【0021】このように磁気抵抗効果素子センサの出力
信号に含まれているオフセット信号の除去と各相に対応
する前記出力信号の相間の差信号とを同時に生成するこ
とにより、多相モータの駆動装置の構成を簡素化するこ
とができる。
【0022】例えば、前記多相モータは、U相、V相お
よびW相からなる3相モータで、前記磁気抵抗効果素子
センサは、一の方向に磁化された固定磁性層と外部磁界
の影響を受けて磁化方向が変動するフリー磁性層を有す
る第1の磁気抵抗効果素子と、前記一の方向とは逆方向
に磁化された固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化
方向が変動するフリー磁性層を有する第2の磁気抵抗効
果素子とが中点の出力部を介して直列に接続されたもの
であり、前記互いに相反する第1及び第2の磁気抵抗効
果素子の固定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の向
きとが平行に設定され、且つ直列に接続された磁気抵抗
効果素子に所定の電圧が印加されたものであり、前記駆
動信号生成手段は、前記U相、V相およびW相のいずれ
かを第1の相としたときに、この第1の相から検出した
磁気抵抗効果素子センサの前記中点の出力部からの出力
信号から、前記第1の相に隣接し、この第1の相の位相
よりも120°位相が遅れるU相、V相およびW相いず
れか第2の相から検出した磁気抵抗効果素子センサの前
記出力信との差信号の生成する減算手段を有するもので
ある。
【0023】また、上記多相モータの駆動装置で使用す
る前記磁気抵抗効果素子が、スピンバルブ型素子又はト
ンネルMR型素子であるものが好ましい。すなわち、磁
気抵抗効果素子にスピンバルブ型素子又はトンネルMR
型素子を使用すれば、外部磁界の角度変化に対する出力
極性を180°とすることが容易に実現でき、検出精度
を向上させることができる。
【0024】また、磁気抵抗効果素子の直列接続やブリ
ッジ接続は、1チップで構成することが可能であるた
め、磁気抵抗効果素子センサの外形寸法を小さくでき多
相モータへの実装を容易とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明を構成する磁気抵抗効果素
子と多相モータの配置例として、3相ブラシレスモータ
の構造を示す部分平面図、図2は図1の2−2線断面
図、図3は図2の拡大図であるとともに磁気抵抗効果素
子近傍の磁界を示す図である。
【0026】図1に示される3相モータMは、いわゆる
フラット型ロータタイプのブラシレスモータである。図
2に示すように、3相モータMは固定部側のステータS
と、このステータSに対し回転軸R1によって回転自在
に支持されるロータRに大別される。
【0027】符号10は、ステータSを構成する下ヨー
クであり、鉄板などの磁性材料から形成されている。下
ヨーク10の上には、プリント基板11およびボビン1
2が設けられている。図1に示すように、ボビン12は
放射状に形成され、ボビン枝12a,12bおよび12
cの先端は略T字形状に形成されている。図1に示され
るボビン12では、各ボビン枝間の角度は30°であ
り、回転軸R1の回りに合計12個のボビン枝を有して
いる。
【0028】また、各ボビン枝12a,12bおよび1
2cには、駆動コイル1u,1vおよび1wがそれぞれ
形成されている。これら駆動コイル1u,1vおよび1
wは、3相モータのU相、V相およびW相にそれぞれ相
当する。
【0029】なお、図1では、3相モータ全体を4分割
し、そのうち1/4の部分を示すものであり、他の3/
4の部分も上記同様の構成である。したがって、図1に
示される多相モータは、いわゆる3相4極型の3相モー
タである。
【0030】ステータS側のプリント基板11上には、
磁気センサG(G1、G2およびG3)が実装されてい
る。磁気センサGは、例えば磁気抵抗効果素子(GMR
素子)であり、後述するようにスピンバルブ構造又はト
ンネルMR構造のものである。磁気センサG1は、例え
ば駆動コイル1uと駆動コイル1vの間に設けられてい
る。そして、また磁気センサG2は駆動コイル1vと駆
動コイル1wの間に設けられ、磁気センサG3は駆動コ
イル1wと駆動コイル1u(図示せず)の間にそれぞれ
30°の等角度で設けられている。
【0031】一方、ロータRは底の浅いカップ状の上ヨ
ークからなり、上ヨークの周縁部にはリング状のロータ
マグネット16が取り付けられている。なお、上ヨーク
は上記下ヨークと同様に鉄板などの磁性材料で形成され
ている。
【0032】図1に示されるロータマグネット16で
は、環状部分が等角度(22.5°)で16に分割され
ている。分割後のロータマグネット16の内周面16
a,16b,……,16pは、隣り合う磁極の極性が互
いに異なるように磁化されている。たとえば、図1では
ロータマグネット16の内周面16aおよび16cがS
極に磁化され、内周面16bおよび16dがN極に磁化
されている。
【0033】ロータRが回転すると、前記ロータマグネ
ット16の前記各内周面16a,16b,……,16p
が各磁気センサG1,G2,G3の前を順に通過する。
たとえば、図3に示すように磁気センサG3の前をロー
タマグネット16の内周面16d(N極)が通過する場
合には、この間に同図に示すようにな磁界が形成され
る。すなわち、ステータS側ではN極−下ヨーク10−
S極の間で閉磁路が形成され、ロータR側ではN極−上
ヨーク15−S極の間で閉磁路が形成される。そして、
ステータS側ではロータマグネット16の外部磁界が磁
気センサーGの上面Gaおよび下面Gbを通り貫ける。
【0034】図4は磁気センサーとして第1の磁気抵抗
効果素子センサの構造を示す平面図、図5は図4の等価
回路図、図6は磁気抵抗効果素子センサの出力特性図で
ある。図4に示す磁気抵抗効果素子センサ20は、チッ
プ状に形成され、第1の磁気抵抗効果素子21と第2の
磁気抵抗効果素子22とを有している。第1の磁気抵抗
効果素子21の一端は半田接続用のランド部23に接続
され、第2の磁気抵抗効果素子22の一端はランド部2
5に接続されている。そして、両磁気抵抗効果素子21
および22の他端は共通のランド部24に接続されてい
る。すなわち、第1の磁気抵抗効果素子21と第2の磁
気抵抗効果素子22は、ランド部24を介して直列接続
されている。
【0035】なお、図4に示す各磁気抵抗効果素子に隣
接する位置に図示された矢印の方向は、各磁気抵抗効果
素子が有する固定磁性層の磁化方向を示している。すな
わち、磁気抵抗効果素子センサ20はスピンバルブ構造
又はトンネルMR構造であり、第1の磁気抵抗効果素子
21の固定磁性層の磁化方向(X2方向)と第2の磁気
抵抗効果素子22の固定磁性層の磁化方向(X1方向)
は互いに逆向きに形成されている。
【0036】上記のように構成された磁気抵抗効果素子
センサ20を、上記図1に示すG1,G2およびG3の
位置に配置すると、極めて特性に優れた磁気センサとす
ることができる。ただし、磁気抵抗効果素子21,22
は、成膜面に対し平行となる磁界によってのみ磁気抵抗
値が変化するため、プリント基板11に対し磁気抵抗効
果素子21,22の各成膜面の方向が平行となるように
配置されている(図3参照)。なお詳しく説明すると、
図4において上記各磁気抵抗効果素子センサ20,22
に与えられるロータマグネットの磁界の方向はPであ
る。そして、この磁界の方向Pと第1の磁気抵抗効果素
子21の固定磁性層の磁化方向(X2方向)および第2
の磁気抵抗効果素子22の固定磁性層の磁化方向(X1
方向)とが平行に設定されている。
【0037】なお、上記チップ状の磁気抵抗効果素子セ
ンサ20は1mm×2mm程度であり、極めて小さな外
径寸法である。よって、このような小型の磁気抵抗効果
素子センサ20を搭載することにより、多相モータ全体
の外形寸法が増大することを防止できる。
【0038】図5に示すように、図4に示す磁気抵抗効
果素子センサ20では、磁気抵抗効果素子センサ20の
ランド部23とランド部25との間に所定の電源電圧V
ccを印加した状態において、前記ロータRを回転させ
ると、出力端子となるランド部24からは図6に示すよ
うな出力特性を得ることができる。図6に示す出力信号
e1は、電源電圧Vccの1/2に相当する中点電位
(Vcc/2)を中心とする出力振幅がΔMR1の余弦
波であり、上記ホール素子のレベルよりも大きな出力振
幅レベルである。
【0039】図6に示すように、磁気抵抗効果素子セン
サ20の出力e1は、ロータRの回転に応じて変化する
外部磁界の角度θHによって変動する。磁気抵抗効果素
子センサ20は、互いに逆方向に磁化された固定磁性層
を有する第1の磁気抵抗効果素子21と第2の磁気抵抗
効果素子22とが直列接続されているため、第1の磁気
抵抗効果素子21の磁気抵抗値r1と第2の磁気抵抗効
果素子22の磁気抵抗値r2による全体の抵抗値の和は
常に一定に維持される(r12+r2=一定)。そし
て、その出力信号e1は第1の磁気抵抗効果素子21の
磁気抵抗値r1と第2の磁気抵抗効果素子22の磁気抵
抗値r2による分圧比(e1=r2/(r1+r2)×
Vcc)に従うが、この分圧比は磁気抵抗効果素子セン
サ20に作用する外部磁界の角度θHに応じて変動す
る。すなわち、例えば外部磁界が第1の磁気抵抗効果素
子21の磁気抵抗値r1をΔrだけ増大させる方向に作
用するものであれば、その外部磁界により同時に第2の
磁気抵抗効果素子22の磁気抵抗値r2はΔrだけ減少
されるため、r1+r2=一定の関係が維持されてい
る。
【0040】図7は、磁気抵抗効果素子センサを用いた
3相モータの駆動装置の第1の実施の形態を示す構成
図、図8は同じく第2の実施の形態を示す構成図、図9
は図8の駆動装置におけるタイミングチャートである。
図6に示す磁気抵抗効果素子20の出力信号e1には、
予め中点電位(Vcc/2)に相当するオフセット電圧
が重畳されている。これに対し、上述のホール素子の出
力信号(ホール信号)Hu,HvおよびHwには、この
ようなオフセット電圧を含むものではない(図15参
照)。よって、磁気抵抗効果素子センサ20の出力信号
e1を図14に示す駆動手段2に直接入力することはで
きない。そこで、例えば図7又は図8に示すような手段
をとることができる。
【0041】図7に示す駆動装置は、検出手段20A、
オフセット除去手段30、制御手段34および相電流供
給手段35から構成されている。なお、制御手段34お
よび相電流供給手段35は、上記図14に示した制御手
段4および相電流供給手段5と同様の構成である。
【0042】検出手段20Aは、上記図4同様の磁気抵
抗効果素子センサ20から構成され、各磁気抵抗効果素
子センサ20a,20bおよび20cのステータS側へ
の取り付けは上記図1と同様である。そして、磁気抵抗
効果素子センサ20aはU相、磁気抵抗効果素子センサ
20bがV相および磁気抵抗効果素子センサ20cがW
相に応じた回転速度および位相を検出する構成である。
【0043】オフセット除去手段30は、オペアンプな
どから構成される差動入力型の減算器であり、各減算器
31,32および33の各非反転入力端子31a,32
aおよび33aには検出手段20Aの各磁気抵抗効果素
子センサ20a,20bおよび20cの各出力端子(ラ
ンド部24)がそれぞれ接続されている。一方、各減算
器31,32および33の各反転入力端子31b,32
bおよび33bには、電源電圧Vccを抵抗raとrb
によって分圧した電圧(rb/(ra+rb)・Vc
c)が入力さている。ただし、抵抗raとrbとは同じ
抵抗値(ra=rb)に設定されおり、分圧後の電圧は
Vcc/2である。すなわち、各反転入力端子31b,
32bおよび33bの入力電圧は、中点電位(Vcc/
2)と同電位に設定される。よって、オフセット除去手
段30では、各磁気効果素子センサ20a,20bおよ
び20cの各出力信号eu,evおよびewから中点電
圧(Vcc/2)を除去できる。このとき、中点電位
(Vcc/2)を除去した各減算器31,32および3
3の各出力信号e1u,e1vおよびe1wは、零点を
基準として出力振幅ΔMRの余弦波となり、これは図1
5に示すホール素子信号と同様のものである。
【0044】よって、各減算器31,32および33の
各出力信号e1u,e1vおよびe1wを上記従来の駆
動手段2の制御手段4と同様の制御手段34にそれぞれ
入力することが可能となる。これにより、相電流生成部
35では、ホール素子の場合同様に各駆動コイルに最適
な相電流が生成され、3相モータの回転速度および位相
を高い精度で制御できる。
【0045】なお、各減算器31,32および33の各
出力信号e1u,e1vおよびe1wの出力振幅レベル
は、上記ホール素子に比べて高いため、検出手段20A
の後段に増幅手段を設ける必要がない。さらに磁気抵抗
効果素子センサ20は、温度特性に対する変動が小さい
という特徴を有するため、ホール素子を用いた場合以上
に高精度でロータの回転速度や位相を検出することが可
能となる。
【0046】次に、図8に示す多相モータの駆動装置の
第2の実施の形態について説明する。図8は3相モータ
の駆動装置であり、検出手段20Bおよび駆動信号生成
手段40および相電流供給手段45から構成されてい
る。
【0047】検出手段20Bは、図4同様の磁気抵抗効
果素子センサ20a,20bおよび20cから構成され
ている。また駆動信号生成手段40は、差動入力型の減
算器41,42および43から構成されている。減算器
41の非反転入力端子41aには、磁気抵抗効果素子セ
ンサ20aの出力端子24a(ランド部24)が接続さ
れ、反転入力端子41bには磁気抵抗効果素子センサ2
0bの出力端子24bが接続されている。同様に減算器
42の非反転入力端子42aには、磁気抵抗効果素子セ
ンサ20bの出力端子24bが接続され、反転入力端子
42bには磁気抵抗効果素子センサ20cの出力端子2
4cが接続されている。さらに減算器43の非反転入力
端子43aには磁気抵抗効果素子センサ20cの出力端
子24cが接続され、反転入力端子43bには磁気抵抗
効果素子センサ20aの出力端子24aが接続されてい
る。そして、減算器41,42および43の各出力E
u,EvおよびEwは、相電流供給手段45に接続さ
れ、相電流供給手段45の出力(相電流)Iu,Ivお
よびIwが3相モータMの各相の駆動コイル1U,1V
および1Wにそれぞれ接続されている。
【0048】図8の3相モータの駆動装置の動作を図9
に示すタイミングチャートで説明する。図9の符号e
u,evおよびewは、上記図8に示す検出手段20B
の各磁気抵抗効果素子センサ20a,20bおよび20
cの出力信号(GMR信号)を示している。3相モータ
Mに設けられたロータRが回転すると、前記磁気抵抗効
果素子センサ20a,20bおよび20cからは、それ
ぞれ位相が互いに120°異なる出力信号eu,evお
よびewが出力される。そして、上述したようにこれら
各出力信号eu,evおよびewにはオフセット信号が
含まれている。
【0049】各出力信号eu,evおよびewは、駆動
信号生成手段40の減算器41,42および43におい
て各信号どうしが減算され、図9に示す差信号(駆動信
号)Eu,EvおよびEwとなる。すなわち、減算器4
1では、互いに隣接するU相およびV相に相当する磁気
抵抗効果素子センサ20aと20bの出力信号euとe
vの差(eu−ev)が差信号Euとして出力される。
同様に減算器42では、互いに隣接するV相およびW相
の出力信号evとewの差(ev−ew)が差信号Ev
として出力され、減算器43では互いに隣接するW相お
よびU相の出力信号ewとeuの差(ew−eu)が差
信号Ewとして出力される。
【0050】このように、図8に示す3相モータの駆動
装置では、互いに隣接する2つの相の出力信号どうし
(euとev、evとew又はewとeu)の差信号
(駆動信号)Eu,EvおよびEwを取ることにより、
図9に示すように各磁気抵抗効果素子センサ20a,2
0bおよび20cの出力信号(GMR信号)eu,ev
およびewに含まれるオフセット電圧(中点電位)を除
去することができる。そして、駆動信号生成手段40で
は、出力信号eu,evおよびewから図9に示すよう
なタイミングの各差信号(駆動信号)Eu,Evおよび
Ewを生成することができる。よって、次段の相電流供
給手段45では、これら差信号(駆動信号)Eu,Ev
およびEwのタイミングに基づいた相電流Iu,Ivお
よびIwが生成される。そして、このようなタイミング
で生成された相電流Iu,IvおよびIwを駆動コイル
1U,1Vおよび1Wにそれぞれ供給することにより、
3相モータの回転速度や位相を高精度に維持することが
できる。
【0051】上記図8に示す3相モータの駆動装置で
は、図7に示す第1の実施の形態のように、先に各磁気
抵抗効果素子センサの出力信号(GMR信号)eu,e
vおよびewからオフセット電圧(中点電位)を除去
し、その後に各差信号Eu,EvおよびEwを生成する
構成とする必要がない。すなわち、各オフセット信号
(中点電位)の除去とタイミングを揃えた各差信号(駆
動信号)の生成とを同時に行なうことができる。よっ
て、図8に示される駆動装置とすることにより、図7に
示される駆動装置の構成からオフセット除去部30を取
り除くことができ、3相モータの駆動装置全体の構成を
簡素化することが可能である。
【0052】次に、磁気抵抗効果素子センサの第2の実
施の形態について説明する。図10は磁気センサとして
第2の磁気抵抗効果素子センサの構造を示す平面図、図
11は図10の等価回路図、図12は図10に示す磁気
抵抗効果素子センサの出力特性図である。
【0053】図10に示す磁気抵抗効果素子センサ26
は、基板上にチップ形成されたものであり、半田による
接続を行なうためのランド部28a,28b,28cお
よび28dはを有している。ランド部28aと28bと
の間には第1の磁気抵抗効果素子27aが、ランド部2
8bと28cとの間には第2の磁気抵抗効果素子27b
が、ランド部28cと28dとの間には第3の磁気抵抗
効果素子27cが、ランド部28dと28aとの間には
第4の磁気抵抗効果素子27dがそれぞれ設けられてい
る。すなわち、第1,第2,第3および第4の各磁気抵
抗効果素子27(27a,27b,27cおよび27
d)はブリッジ接続されている。
【0054】図10に示される磁気抵抗効果素子センサ
26では、互いに対向関係にある第1の磁気抵抗効果素
子27aと第3の磁気抵抗効果素子27c(第1組)と
が共に同一方向(X1方向)に固定磁性層が磁化されて
おり、残りの対向関係にある第2の磁気抵抗効果素子2
7bと第4の磁気抵抗効果素子27d(第2組)とが共
に同一方向(X2方向)に固定磁性層が磁化されてい
る。そして、第1組の磁気抵抗効果素子(第1の磁気抵
抗効果素子27aと第3の磁気抵抗効果素子27c)の
固定磁性層が磁化方向(X1方向)と第2組の磁気抵抗
効果素子(第2の磁気抵抗効果素子27bと第4の磁気
抵抗効果素子27d)の固定磁性層が磁化方向(X2方
向)とは互いに逆方向となっている。
【0055】また図10では、上記多相モータのロータ
Rから生じる磁界の方向Qと各磁気抵抗効果素子27
(27a,27b,27cおよび27d)の固定磁性層
の各磁化方向(X1およびX2方向)とが平行に設定さ
れている。
【0056】なお、4個の磁気抵抗効果素子を有する磁
気抵抗効果素子センサ26の外形寸法は2mm×2mm
程度と小さく、これらを多相モータ内に複数搭載しても
多相モータ全体の外形寸法の増大を防止することが可能
である。
【0057】上記磁気抵抗効果素子センサ26では、磁
気抵抗効果素子センサ26のランド部28aとランド部
28cとの間に所定の電源電圧Vccを印加した状態に
おいて、ロータRを回転させると、ランド部28bと2
8dから図12に示すような出力特性を得ることができ
る。図12に示す出力信号e2は、各磁気抵抗効果素子
がブリッジ接続されているため。0レベルを中心とする
出力振幅がΔMR2の余弦波である。そして、出力信号
e2(出力振幅がΔMR2)は、上記図4の磁気抵抗効
果素子センサ20の2倍(e2=2・e1,ΔMR2=
2・ΔMR1)である。
【0058】磁気抵抗効果素子センサ26(ブリッジ接
続)が平衡状態にある場合の各磁気抵抗効果素子27
a,27b,27cおよび27dの各磁気抵抗値は等し
くなっている。そして、上記同様に第1の磁気抵抗効果
素子27aの磁気抵抗値r1と第2の磁気抵抗効果素子
27bの磁気抵抗値r2による全体の抵抗値の和が常に
一定に維持される(r1+r2=一定)。同時に第3の
磁気抵抗効果素子27cの磁気抵抗値r3と第4の磁気
抵抗効果素子27dの磁気抵抗値r4による全体の抵抗
値の和も一定に維持される(r3+r4=一定)。よっ
て、ランド部28bとランド部28cとの間の出力ea
は、第1の磁気抵抗効果素子27aの磁気抵抗値r1と
第2の磁気抵抗効果素子27bの磁気抵抗値r2とによ
る分圧比(ea=r2/(r1+r2)×Vcc)であ
る。またランド部28dとランド部28cとの間の出力
ebは、第3の磁気抵抗効果素子27cの磁気抵抗値r
3と第4の磁気抵抗効果素子27dの磁気抵抗値r4と
による分圧比(eb=r3/(r3+r4)×Vcc)
である。ただし、第1及び第3の磁気抵抗効果素子27
a,27c(第1組)と第2及び第4の磁気抵抗効果素
子27b,27d(第2組)とは、互いに逆方向の磁化
方向を有する固定磁性層である。よって、例えば外部磁
界が第1組(第1及び第3の磁気抵抗効果素子27a,
27c)の磁気抵抗値r1,r3をΔrだけ増大させる
方向に作用するものであれば、その外部磁界により同時
に第2組(第2及び第4の磁気抵抗効果素子27b,2
7d)の磁気抵抗値r2、r4はΔrだけ減少する。し
たがって、磁気抵抗効果素子センサ26に外部磁界が作
用すると、ランド部28bの出力eaとランド部28d
の出力ebとの間に電位差が生じる。そして、この電位
差(ea−eb)が、ランド部28bとランド部28d
間の出力信号e2として出力される。
【0059】次に、上記磁気抵抗効果素子センサ26を
用いた3相モータの駆動装置について説明する。図13
はブリッジ接続による磁気抵抗効果素子センサを用いた
3相モータの駆動装置の構成図である。図13に示す3
相モータの駆動装置は、検出手段26Aおよび駆動手段
50から形成されている。検出手段26Aは、上記磁気
抵抗効果素子センサ26から構成されている。磁気抵抗
効果素子センサ26aは3相モータのU相の回転速度又
は回転位相の検出行なう。同様に磁気抵抗効果素子セン
サ26bはV相、磁気抵抗効果素子センサ26cはW相
の回転速度又は回転位相を検出可能となっている。
【0060】駆動手段50は、上記従来の駆動手段2と
類似の構成であり、電圧ホォロワ手段51、制御手段5
2および相電流生成部53を有してしる。制御手段52
は、例えば上記図8に示した駆動信号生成手段40で構
成することができ、相電流生成部53はオペアンプを主
体とする電圧電流変換手段によって構成されている。
【0061】このように構成された駆動装置の検出手段
26Aに外部磁界が作用すると、各磁気抵抗効果素子セ
ンサ26a,26bおよび26cの平衡状態が崩れる。
そして、上述したように、このときの各磁気抵抗効果素
子センサ26a,26bおよび26cからは、図12に
示すような出力信号e2(eu2,ev2およびew
2)がそれぞれ出力される。
【0062】そして、駆動手段50では、この出力信号
e2(eu2,ev2およびew2)を所定のタイミン
グで電圧電流変換を行うことにより、上記従来同様に3
相モータの各駆動コイル1u,1vおよび1wに最適な
相電流Iu,IvおよびIwを生成することができる。
なお、上述したように、出力信号e2(eu2,ev2
およびew2)は、0レベルを中心とし、且つ上記図6
に示す出力信号e1の2倍の出力(振幅)レベルであ
る。よって、駆動手段50では、図7に示す駆動装置に
比べ出力レベルの高い出力信号e2(eu2,ev2お
よびew2)に基づいて電圧電流変換されるため、高い
精度の相電流Iu,IvおよびIwを生成することがで
き、よってさらに3相モータの回転速度および回転位相
を高い精度に維持することができる。
【0063】なお、上記においては多相モータの例とし
て、3相モータの駆動装置を説明したが、本発明は3相
モータの場合に限られるものではなく、その他の多相モ
ータであってもよい。この場合、互いに隣接する2つの
相に対応する磁気抵抗効果素子の出力信号どうしの差信
号(駆動信号)を求め、この差信号から相電流を生成
し、これを前記2つの相のうち位相が進んでいる側の相
に供給する構成とすればよい。
【0064】また上記において、磁気抵抗効果素子セン
サ20はランド部23に電源Vccを接続し、ランド部
25を接地する構成としものを示したが、本発明はこの
ような構成以外に、ランド部23にプラス電源(+Vc
c)を接続し、ランド部25にマイナス電源(−Vc
c)を接続したものであってもよい。このような構成に
すると、中点電位は0ボルトに設定されるため、オフセ
ット電圧(中点電位)が生じないものとすることができ
る。したがって、ランド部24の出力は、0ボルトを中
心とする出力振幅ΔMRの余弦波となる。よって、図7
に示される駆動装置のオフセット除去手段30が不要と
なるため、多相モータの駆動装置全体を簡素化すること
ができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、多相モー
タの回転速度又は回転位相を検出用のセンサに磁気抵抗
効果素子を使用することにより、多相モータの駆動手段
の構成を簡素化することができる。
【0066】また、温度特性の影響を受け難く、且つ大
きな出力を得ることができ、多相モータの回転速度や位
相を高精度に維持できる。また磁気抵抗効果素子を使用
することにより1チップで構成することができるため、
多相モータの全体の外形寸法が増大するのを防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する磁気センサと多相モータの配
置例として、3相モータの構造を示すの部分平面図、
【図2】図1の2−2線断面図、
【図3】図2の拡大図であるとともに磁気センサ近傍の
磁界を示す図、
【図4】磁気センサとして第1の磁気抵抗効果素子セン
サの構造を示す平面図、
【図5】図4の等価回路図、
【図6】図4の磁気抵抗効果素子センサの出力特性図、
【図7】3相モータの駆動装置の第1の実施の形態を示
す構成図、
【図8】3相モータの駆動装置の第2の実施の形態を示
す構成図、
【図9】図8の3相モータの駆動装置のタイミングチャ
ートを示す図、
【図10】第2の磁気抵抗効果素子センサの構造を示す
平面図、
【図11】図10の等価回路図、
【図12】図10の磁気抵抗効果素子センサの出力特性
図、
【図13】図10の磁気抵抗効果素子センサの場合の3
相モータの駆動装置を示す構成図、
【図14】従来の多相モータの駆動装置の一例として、
3相モータの駆動装置を示す構成図、
【図15】図14におけるホール信号と相電流のタイミ
ングチャートを示す図、
【符号の説明】
1U,1V,1W 駆動コイル 12 ボビン 16 ロータマグネット 20,26 磁気抵抗効果素子センサ 20A,20B,26A 検出手段 21,22、27a,27b,27c,27d 磁気抵
抗効果素子 23,25 ランド部 24 ランド部(出力端子) 30 オフセット除去手段 40 駆動信号生成手段 45 相電流供給手段 50 駆動手段 e1,eu1,ev1,ew1 磁気抵抗効果素子セン
サの出力信号 e2,eu2,ev2,ew2 ブリッジ接続の場合の
出力信号 E,Eu,Ev,Ew 差信号(駆動信号) G,G1,G2, 磁気センサ Iu,Iv,Iw 相電流 M 3相モータ R ロータ S ステータ Vcc 電源電圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の駆動コイルを有するステータに各
    相電流が供給されてロータマグネットが回転する多相モ
    ータと、各相ごとに設けられ且つロータマグネットの回
    転位相に応じた出力信号を検出する磁気抵抗効果素子セ
    ンサと、前記磁気抵抗効果素子センサの出力信号に含ま
    れるオフセット電圧を除去するオフセット除去手段と、
    前記オフセット電圧が除去された各相に対応する前記出
    力信号の相間の差信号を生成する駆動信号生成手段と、
    前記駆動信号に基づいて各相の駆動コイルに与える相電
    流を生成する相電流供給手段と、を有することを特徴と
    する多相モータの駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気抵抗効果素子センサは、一の方
    向に磁化された固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁
    化方向が変動するフリー磁性層を有する第1の磁気抵抗
    効果素子と、前記一の方向とは逆方向に磁化された固定
    磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化方向が変動するフ
    リー磁性層を有する第2の磁気抵抗効果素子とが中点の
    出力部を介して直列に接続されたものであり、前記互い
    に相反する第1及び第2の磁気抵抗効果素子の固定磁性
    層の磁化方向と前記ロータの磁界の向きとが平行に設定
    され、且つ直列に接続された磁気抵抗効果素子に所定の
    電圧が印加されたものであり、前記オフセット除去手段
    は、前記中点の出力部の電圧から、これとは別に設定さ
    れる基準電圧を減算する減算手段を有するものである請
    求項1記載の多相モータの駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果素子センサは、基板上
    に固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化方向が変動
    するフリー磁性層とを有する磁気抵抗効果素子を4個使
    用してブリッジ接続されており、互いに対向する位置関
    係にある2組の磁気抵抗効果素子のうち、一方の組の固
    定磁性層が共に同一方向に磁化され、残りの他方の組の
    磁気抵抗効果素子の固定磁性層が共に前記一方の組の磁
    気抵抗効果素子の固定磁性層とは逆向きに磁化されてお
    り、前記互いに相反する2組の磁気抵抗効果素子の前記
    固定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の向きとが平
    行に設定され、前記ブリッジ接続された磁気抵抗効果素
    子に所定の電圧が印加されたものであり、前記オフセッ
    ト除去手段は、ブリッジ接続された磁気抵抗効果素子の
    一方の直列接続部の中点電位から、他方の直列接続部の
    中点電位を減算する減算手段を有するものである請求項
    1記載の多相モータの駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記多相モータは、U相、V相およびW
    相からなる3相モータであり、前記駆動信号生成手段
    は、前記U相、V相およびW相のいずれかを第1の相と
    したときに、この第1の相から検出した磁気抵抗効果素
    子センサの出力信号から、前記第1の相に隣接し、この
    第1の相の位相よりも120°位相が遅れるU相、V相
    およびW相いずれか第2の相から検出した磁気抵抗効果
    素子センサの出力信号との差信号の生成するものである
    請求項1ないし3のいずれかに記載の多相モータの駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 複数の駆動コイルを有するステータに各
    相電流が供給されてロータマグネットが回転する多相モ
    ータと、各相ごとに設けられ且つロータマグネットの回
    転位相に応じた出力信号を検出する磁気抵抗効果素子セ
    ンサと、前記磁気抵抗効果素子センサの出力信号に含ま
    れるオフセット電圧の除去を行うとともに各相に対応す
    る前記出力信号の相間の差信号を生成する駆動信号生成
    手段と、前記駆動信号に基づいて各相の駆動コイルに与
    える相電流を生成する相電流供給手段と、を有すること
    を特徴とする多相モータの駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記多相モータは、U相、V相およびW
    相からなる3相モータで、前記磁気抵抗効果素子センサ
    は、一の方向に磁化された固定磁性層と外部磁界の影響
    を受けて磁化方向が変動するフリー磁性層を有する第1
    の磁気抵抗効果素子と、前記一の方向とは逆方向に磁化
    された固定磁性層と外部磁界の影響を受けて磁化方向が
    変動するフリー磁性層を有する第2の磁気抵抗効果素子
    とが中点の出力部を介して直列に接続されたものであ
    り、前記互いに相反する第1及び第2の磁気抵抗効果素
    子の固定磁性層の磁化方向と前記ロータの磁界の向きと
    が平行に設定され、且つ直列に接続された磁気抵抗効果
    素子に所定の電圧が印加されたものであり、前記駆動信
    号生成手段は、前記U相、V相およびW相のいずれかを
    第1の相としたときに、この第1の相から検出した磁気
    抵抗効果素子センサの前記中点の出力部からの出力信号
    から、前記第1の相に隣接し、この第1の相の位相より
    も120°位相が遅れるU相、V相およびW相いずれか
    第2の相から検出した磁気抵抗効果素子センサの前記出
    力信号との差信号の生成する減算手段を有するものであ
    る請求項5記載の多相モータの駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気抵抗効果素子が、スピンバルブ
    型素子又はトンネルMR型素子である請求項2,3,6
    のいずれかに記載の多相モータの駆動装置。
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