JP2000134973A - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

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JP2000134973A
JP2000134973A JP10304182A JP30418298A JP2000134973A JP 2000134973 A JP2000134973 A JP 2000134973A JP 10304182 A JP10304182 A JP 10304182A JP 30418298 A JP30418298 A JP 30418298A JP 2000134973 A JP2000134973 A JP 2000134973A
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signal
phase
brushless motor
output
motor
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JP10304182A
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English (en)
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Yutaka Sato
佐藤  裕
Hideki Miyazaki
英樹 宮崎
Masahiro Iwamura
將弘 岩村
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱時にも安定して起動し、運転中の急激な加
減速にも脱調することのないブラシレスモータの駆動回
路を安価に実現する。 【解決手段】同期信号と回転子位置検出信号の位相差に
応じて第1の指令値を出力する手段と、回転速度の目標
値と回転速度検出値の差に応じて第2の指令値を出力す
る手段を備え、第1,第2の指令値選択する信号選択手
段と、信号選択手段の出力の変化率を所定の値以下に抑
えてPWMのデューティとする急変防止手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレスモータの
位置センサレス駆動に関連し、安定した始動及び運転時
の脱調防止を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータは、回転子の位置に応
じて、電機子の通電相を次々と切り換えて駆動してい
る。回転子の位置検出方法としてはモータ内部にホール
素子を設けて検出する方法が広く用いられている。しか
しホール素子を用いた場合モータの小型化,低コスト化
の妨げになること、使用環境が限定されるなどの問題点
がある。この問題を解決する手段として、ホール素子を
用いずに電機子の端子電圧から電機子巻線に生ずる誘起
電圧を検出する、いわゆるブラシレス駆動方式が考案さ
れている。しかしながら低速域では誘起電圧が小さいた
め、回転子の位置を検出できないという問題がある。そ
こで起動時には電機子の通電相を低周波の同期信号にあ
わせて切り換える同期運転が行われる。そして同期運転
により十分に加速した後にセンサレス駆動に切り換えて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この同期運転では誘起
電圧に対して各相の通電電流は遅れ位相となり、小さな
トルクしか得られない。一方でセンサレス駆動では回転
子の位置情報を基に通電電流を誘起電圧と同位相とする
ことができるため、大きなトルクが得られる。このため
同期運転からセンサレス駆動に切り換えた瞬間にはトル
クが急に大きくなるという現象が生じる。
【0004】このトルクの急変はとくにインバータをP
WM(パルス幅変調)駆動し、モータを可変速で回転す
る場合には特に問題となる。同期運転は通常、定常時の
最低回転数以下で行われる。このためモータを始動して
高速域まで加速しようとすると、センサレス駆動に切り
換えたと同時に、トルクの急変に位置検出系が追従せず
脱調してしまう場合がある。また通常運転時でも速度を
急変させた場合などには同じようにトルクが急変し脱調
する場合がある。従来これらの問題を解決するには高度
なマイコン処理等が不可欠であった。本発明は外乱時に
も対応できる安定した始動及び急峻な加減速に対して安
定して運転できる、安価なブラシレスモータの制御回路
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決する本
発明のブラシレスモータの制御装置ではブラシレスモー
タの電機子電流を通電制御するインバータと、前記イン
バータをPWM制御する手段と、同期信号を出力する手
段と、前記ブラシレスモータの回転子の位置を検出する
手段を有するブラシレスモータの制御装置において、前
記同期信号と前記位置検出信号の位相差に応じて第1の
指令値を出力する手段と、回転速度の目標値と回転速度
検出値の差に応じて第2の指令値を出力する手段を備え
ると共に前記第1、第2の指令値を選択する信号選択手
段と、前記信号選択手段の出力の変化率を所定の値以下
に抑えてPWMのデューティとする急変防止手段を有す
ることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第1の実施例であ
るブラシレスモータの制御装置のブロック図を示す。ま
ず同期運転による起動についてのべる。起動時には同期
信号23から出力されるパルス信号を基に転流信号21
において各アームの通電区間を示す転流信号を作成す
る。ゲート信号13は、この転流信号と後述するPWM
14の出力からPWM制御されたゲート信号を作成す
る。このゲート信号によりドライバ12はインバータ1
1を通電しモータ10を駆動する。この結果モータ10
は同期信号23の周期で回転する。
【0007】次に同期運転からセンサレス駆動への切り
換えについて述べる。同期運転によりモータ10の回転
数が上昇してモータ10の誘起電圧が大きくなると、回
転子位置検出20はインバータ11の出力端子電圧を基
に回転子の位置信号を出力する。位相比較30はこの位
置検出信号と同期信号23の位相を比較し両者の位相差
を出力する。このとき同期信号は位置信号に対して位相
が常に遅れており、位相制御器31はこの位相の遅れを
所定の値以下となるように、出力であるデューティの指
令値を小さくしていく。急変防止32は入力信号を、そ
の変化率を所定の値以下に抑えるようにして出力に伝え
る。PWM14は入力であるデューティとキャリア(搬
送波)を比較して、オン区間,オフ区間の信号を出力す
る。この信号を基に前述したようにゲート信号を作成し
モータを駆動する。
【0008】位相制御器31がデューティの指令値を下
げるとモータ10の電機子電流は減少する。モータの回
転数は同期信号の周期で決まっており、モータ10がこ
の回転数を維持するためにはトルクを一定に保つ必要が
あり、電流の減少によるトルクの減少分を補償するため
に位相差が減少していく。そして運転切換24は位相差
がある程度以下になったことを検出して、センサレス駆
動への切換信号を出力する。すると転流信号21は回転
子位置検出20をもとにした転流信号をゲート信号13
に伝え、同期運転からセンサレス駆動へ切り換わる。
【0009】このとき電流の位相は遅れのない位相に変
わるが、位相制御31により位相差を所定の値以下とし
ており、トルクの急変は抑えられる。またこのとき同時
に運転切換24は急変防止32の入力を位相制御31の
出力から、速度制御15の出力に切り換える。速度制御
15は回転子位置検出20の出力から速度22が出力す
る速度信号を速度指令16と一致するようにデューティ
の指令値を出力する。このとき速度指令16が大きい
と、速度制御の出力が大きくなり急変防止32の入力は
急変する。しかしこの変化はPWM14に直接伝えられ
ることはなく、急変防止32により変化率を所定の値以
下に抑えられるためトルクの急変は起こらず、したがっ
て脱調が防止される。このようにしてモータは同期始動
からセンサレス駆動へと安定に切り換わる。さらに急変
防止回路32はセンサレス駆動中も常に働くため速度制
御15の出力が急変してもモータ10は脱調することは
ない。
【0010】図2に本発明の第1の実施例で用いた、急
変防止回路を示す。また図3には本発明の第1の実施例
で用いた、図2の急変防止回路のタイムチャートを示
す。ここで入力が時刻t1に急変したとする。すると出
力にはコンデンサC,抵抗Rの時定数により決まる所定
の変化率以下で増加していき、時刻t2に入力値と一致
する。このようにして本発明を用いれば出力の変化率は
所定の値以下に抑えられるためトルクの急変によりモー
タが脱調することはない。
【0011】本発明による起動法は送風機等の外乱が懸
念される場合特に有効に機能する。外乱が懸念される場
合、想定される最大の外乱時にもトルクが不足しないよ
うに同期運転時の電流を大きくする必要がある。しかし
外乱が想定より小さい場合には、誘起電圧と電機子電流
の位相差が非常に大きくなり脱調してしまう。しかし本
発明を用いれば位相制御31により位相差を十分に小さ
くしてからセンサレス駆動に切り換えるため脱調は起こ
らない。
【0012】上記の説明では回転子の位置検出方法につ
いて特に言及していないが、モータの端子電圧から誘起
電圧のゼロクロス点を検出するものであればどのような
方式でもよい。一例としては上下アームが非通電の状態
で端子電圧とモータの中性点電位あるいはインバータの
直流電圧の1/2と比較するものがあげられる。このと
きダイオードの環流やPWMの影響により正しい信号が
得られない区間はマスクし取り除かなければならない。
このとき通電相の切り換えはゼロクロス点から所定の電
気角(通常は30度)遅らせた時点で行う。また他の例
としてはモータの端子電圧をフィルターにより遅らせて
た後に、中性点電位と比較する方式等がある。
【0013】上記実施例において位相制御は同期運転の
回転数を一定の状態で行っても、回転数を上げながら行
っても同様に効果が得られる。またセンサレス運転への
切り換えを所定の速度になった時点で切り換えても良
い。この場合は回転数を上げながら位相制御し、位相が
常に所定の範囲内におさまるようにすればよい。いずれ
の場合でもセンサレス運転への切り換え時点で位相差を
所定の値以下にしておけば本発明の効果が得られること
は明白である。
【0014】図4には本発明の第2の実施例であるブラ
シレスモータの制御装置の急変防止回路を示す。また図
5には本発明の第2の実施例で用いた、図4の急変防止
回路のタイムチャートを示す。ブラシレスモータの制御
回路の全体構成は本発明の第1の実施例である図1と同
様である。図2,図3と同じ部分には同じ符号で示して
ある。ここで入力が時刻t1に急激に増加したとする。
するとコンパレータcmp1の出力を基にスイッチs1がオ
フする。スイッチM1及びM2はカレントミラーを構成
しており同じ大きさの定電流iが流れており、s1がオ
フしたことによりM3がオンして定電流iが流れる。M
3とカレントミラーを構成しているM4にも同じ定電流
iが流れ、コンデンサCを充電する。この結果出力はコ
ンデンサCの容量と電流iにより決まる所定の変化率で
増加していく。時刻t2に入力と出力が一致するとcmp1
の出力が変化しs1をオンする。この結果スイッチM3
及びM4がオフしコンデンサCの電圧は一定となる。次
に時刻t3において入力が急激に減少したとする。する
とコンパレータcmp2の出力を基にスイッチs2がオンす
る。この結果M1とM5はカレントミラー構成となり定
電流iが流れコンデンサCを放電する。この結果出力は
コンデンサCの容量と電流iにより決まる所定の変化率
で減少していく。時刻t4に入力と出力が一致するとコ
ンパレタcmp2の出力が変化しスイッチ2をオフする。こ
の結果スイッチM5がオフしコンデンサCの電圧は一定
となる。このように入力が変動すると出力は常に一定の
変化率で変動し出力と一致するまで変化する。このよう
にして本発明を用いれば出力の変化率は一定であり、ト
ルクの急変によりモータが脱調することはない。
【0015】図6には本発明の第3の実施例であるブラ
シレスモータの制御回路を示す。図1と同じ部分は同じ
符号で示してある。この実施例ではブラシレスモータ駆
動装置を一つの集積回路により実現している。この集積
回路は駆動電源Vccにより駆動される。またインバー
タにはVccより大きな直流電圧Vdcが印加されてい
る。
【0016】まず同期運転による起動についてのべる。
起動時には同期信号23から出力されるパルス信号を基
に転流信号21において各アームの通電区間を示す転流
信号を作成する。ゲート信号13は、この転流信号と後
述するPWM14の出力からPWMされたゲート信号を
作成する。このゲート信号は下アーム駆動回路123及
びレベルシフト122を介して上アーム駆動回路121
に伝えられる。レベルシフト回路は低電位のゲート信号
を高電位に変換している。そして上下アームの駆動回路
121,123はインバータ11を通電制御し、モータ
10を駆動する。このときチャージポンプ123は上ア
ーム駆動回路121の電源として機能している。この結
果モータ10は同期信号23の周期で回転する。
【0017】次に同期運転からセンサレス駆動への切り
換えについて述べる。同期運転によりモータ10の回転
数が上昇してモータ10の誘起電圧が大きくなると、回
転子位置検出20はインバータ11の出力端子電圧を基
に回転子の位置信号を出力する。位相比較30はこの位
置検出信号と同期信号23の位相を比較し両者の位相差
を出力する。このとき同期信号は位置信号に対して位相
が常に遅れており、位相制御器31はこの位相の遅れを
所定の値以下となるように、出力であるデューティの指
令値を小さくしていく。抵抗R1及びコンデンサC1か
ら構成される急変防止32は入力信号を、その変化率を
所定の値以下に抑えるようにして出力に伝える。コンパ
レータ141は入力であるデューティと三角波発信回路
142の出力であるキャリア(搬送波)を比較して、オ
ン区間,オフ区間の信号を出力する。この信号を基に前
述したようにゲート信号を作成しモータを駆動する。
【0018】位相制御器31がデューティの指令値を下
げるとモータ10の電機子電流は減少する。モータの回
転数は同期信号の周期で決まっており、モータ10がこ
の回転数を維持するためにはトルクを一定に保つ必要が
あり、電流の減少によるトルクの減少分を補償するため
に位相差が減少していく。そして運転切換24は位相差
がある程度以下になったことを検出して、センサレス駆
動への切換信号を出力する。すると転流信号21は回転
子位置検出20をもとにした転流信号をゲート信号13
に伝え、同期運転からセンサレス駆動へ切り換わる。
【0019】このとき電流の位相は遅れのない位相に変
わるが、位相制御31により位相差を所定の値以下とし
ており、トルクの急変は抑えられる。またこのとき同時
に運転切換24は急変防止32の入力を位相制御31の
出力から、速度制御15の出力に切り換える。速度制御
15は回転子位置検出20の出力から排他論理和221が
出力する速度信号を外部からの入力信号である速度指令
16と一致するようにデューティの指令値を出力する。
このとき速度指令16が大きいと、速度制御15の出力
が大きくなり急変防止32の入力は急変する。しかしこ
の変化はPWM14に直接伝えられることはなく、急変
防止32により変化率を所定の値以下に抑えられるため
トルクの急変は起こらず、したがって脱調が防止され
る。このようにしてモータは同期始動からセンサレス駆
動へと安定に切り換わる。さらに急変防止回路32はセ
ンサレス駆動中も常に働くため速度制御15の出力が急
変してもモータ10は脱調することはない。
【0020】また運転中に抵抗器R3の両端電圧はイン
バータの電流値に応じた電圧となり、この値が基準電圧
Vrefを超えるとコンパレータ402の出力が変化し、ゲ
ート信号13はインバータの全相をオフし過電流保護を
実現している。
【0021】本発明による起動法は送風機等の外乱が懸
念される場合特に有効に機能する。外乱が懸念される場
合、想定される最大の外乱時にもトルクが不足しないよ
うに同期運転時の電流を大きくする必要がある。しかし
外乱が想定より小さい場合誘起電圧と電機子電流の位相
差が非常に大きくなり脱調してしまう。しかし本発明を
用いれば位相制御31により位相差を十分に小さくして
からセンサレス駆動に切り換えるため脱調は起こらな
い。
【0022】上記の説明では回転子の位置検出方法につ
いて特に言及していないが、モータの端子電圧から誘起
電圧のゼロクロス点を検出ものであればどのような方式
でもよい。一例としては上下アームが非通電の状態で端
子電圧とモータの中性点電位あるいはインバータの直流
電圧の1/2と比較するものがあげられる。このときダ
イオードの環流やPWMの影響により正しい信号が得ら
れない区間はマスクし取り除かなければならない。この
とき通電相の切り換えはゼロクロス点から所定の電気角
(通常は30度)遅らせた時点で行う。また他の例とし
てはモータの端子電圧をフィルターにより遅らせてた後
に、中性点電位と比較する方式等がある。
【0023】上記実施例において位相制御は同期運転の
回転数を一定に状態で行っても、回転数を上げながら行
っても同様に効果が得られる。またセンサレス運転への
切り換えを所定の速度になった時点で切り換えても良
い。この場合は回転数を上げながら位相制御し、位相が
常に所定の範囲内におさまるようにすればよい。いずれ
の場合でもセンサレス運転への切換時点で位相差を所定
の値以下にしておけば本発明の効果が得られることは明
白である。
【0024】このように本発明ではマイコンを使用する
ことなく外乱時にも対応した安定して起動し、運転中の
急激な加減速にも脱調することのない安価にブラシレス
モータの駆動回路が実現できる。
【0025】図7には本発明の第4の実施例であるブラ
シレスモータの制御回路を示す。図1,図6と同じ部分
は同じ符号で示してある。この実施例ではブラシレスモ
ータ駆動装置を一つの集積回路とマイコンにより実現し
ている。この集積回路は駆動電源Vccにより駆動され
る。またインバータにはVccより大きな直流電圧Vd
cが印加されている。
【0026】まず同期運転による起動についてのべる。
起動時にはマイコンより同期運転のためのパルス信号を
出力し、これを基に転流信号21は各アームの通電区間
を示す転流信号を作成する。ゲート信号13は、この転
流信号と後述するPWM14の出力からPWM制御され
たゲート信号を作成する。このゲート信号は下アーム駆
動回路123及びレベルシフト122を介して上アーム
駆動回路121に伝えられる。レベルシフト回路は低電
位のゲート信号を高電位に変換している。そして上下ア
ームの駆動回路121,123はインバータ11を通電
制御し、モータ10を駆動する。このときチャージポン
プ123は上アーム駆動回路121の電源として機能し
ている。この結果モータ10は同期信号23の周期で回
転する。次に同期運転からセンサレス駆動への切り換え
について述べる。同期運転によりモータ10の回転数が
上昇してモータ10の誘起電圧が大きくなると、回転子
位置検出20はインバータ11の出力端子電圧を基に回
転子の位置信号を出力する。位相比較30はこの位置検
出信号と同期信号23の位相を比較し両者の位相差を出
力する。このとき同期信号は位置信号に対して位相が常
に遅れており、位相制御器31はこの位相の遅れを所定
の値以下となるように、出力であるデューティの指令値
を小さくしていく。抵抗R1及びコンデンサC1から構
成される急変防止32は入力信号を、その変化率を所定
の値以下に抑えるようにして出力に伝える。コンパレー
タ141は入力であるデューティと三角波発信回路14
2の出力であるキャリア(搬送波)を比較して、オン区
間,オフ区間の信号を出力する。この信号を基に前述し
たようにゲート信号を作成しモータを駆動する。
【0027】位相制御器31がデューティの指令値を下
げるとモータ10の電機子電流は減少する。モータの回
転数は同期信号の周期で決まっており、モータ10がこ
の回転数を維持するためにはトルクを一定に保つ必要が
あり、電流の減少によるトルクの減少分を補償するため
に位相差が減少していく。そして運転切換24は位相差
がある程度以下になったことを検出して、センサレス駆
動への切換信号を出力する。すると転流信号21は回転
子位置検出20をもとにした転流信号をゲート信号13
に伝え、同期運転からセンサレス駆動へ切り換わる。
【0028】このとき電流の位相は遅れのない位相に変
わるが、位相制御31により位相差を所定の値以下とし
ており、トルクの急変は抑えられる。またこのとき同時
に運転切換24は急変防止32の入力を位相制御31の
出力から、マイコンからのデューティの指令値Vspに
切り換える。マイコンでは回転子位置検出20の出力か
ら排他論理和221が出力する速度信号をマイコン内部
で持っているの速度指令値と一致するようにデューティ
の指令値Vspを出力する。このときデューティの指令
値Vspが大きい場合速度制御の出力が大きくなり急変
防止32の入力は急変する。しかしこの変化はPWM1
4に直接伝えられることはなく、急変防止32により変
化率を所定の値以下に抑えられるためトルクの急変は起
こらず、したがって脱調が防止される。このようにして
モータは同期始動からセンサレス駆動へと安定に切り換
わる。さらに急変防止回路32はセンサレス駆動中も常
に働くため速度制御15の出力が急変してもモータ10
は脱調することはない。
【0029】また運転中に抵抗器R3の両端電圧はイン
バータの電流値に応じた電圧となり、この値が基準電圧
Vrefを超えるとコンパレータ402の出力が変化し、ゲ
ート信号13はインバータの全相をオフし過電流保護を
実現している。
【0030】本発明による起動法は送風機等の外乱が懸
念される場合特に有効に機能する。外乱が懸念される場
合、想定される最大の外乱時にもトルクが不足しないよ
うに同期運転時の電流を大きくする必要がある。しかし
外乱が想定より小さい場合誘起電圧と電機子電流の位相
差が非常に大きくなり脱調してしまう。しかし本発明を
用いれば位相制御31により位相差を十分に小さくして
からセンサレス駆動に切り換えるため脱調は起こらな
い。
【0031】上記の説明では回転子の位置検出方法につ
いて特に言及していないが、モータの端子電圧から誘起
電圧のゼロクロス点を検出ものであればどのような方式
でもよい。一例としては上下アームが非通電の状態で端
子電圧とモータの中性点電位あるいはインバータの直流
電圧の1/2と比較するものがあげられる。このときダ
イオードの環流及びPWMの影響により正しい信号が得
られない区間はマスクして取り除かなければならない。
このとき通電相の切り換えはゼロクロス点から所定の電
気角(通常は30度)遅らせた時点で行う。また他の例
としてはモータの端子電圧をフィルターにより遅らせて
た後に、中性点電位と比較する方式等がある。
【0032】上記実施例において位相制御は同期運転の
回転数を一定な状態で行っても、回転数を上げながら行
っても同様に効果が得られる。またセンサレス運転への
切り換えを所定の速度になった時点で切り換えても良
い。この場合は回転数を上げながら位相制御し、位相が
常に所定の範囲内におさまるようにすればよい。いずれ
の場合でもセンサレス運転への切換時点で位相差を所定
の値以下にしておけば本発明の効果が得られることは明
白である。
【0033】以上述べたようにマイコンは起動時の同期
信号と速度制御のみの軽微な処理を行えばよくマイコン
の機能の大部分はモータ駆動以外の機能に用いることが
出来る。
【0034】このように本発明では外乱時にも対応でき
る安定した起動を実現し、運転中の急激な加減速にも脱
調することのないブラシレスモータの駆動回路が安価に
実現できる。
【0035】上で述べた本発明の第4の実施例において
マイコン処理で実現している同期信号もしくは速度制御
のいづれか一方を第3の発明のように集積回路で実現し
ても同様な効果が得られる。また集積回路で実現してい
る運転切換24はマイコンで実現しても同様な効果が得
られる。
【0036】上で述べた本発明の第3,第4の実施例で
は上アームの駆動電源としてチャージポンプ123を用
いたがブートストラップを用いても同様な効果が得られ
る。またインバータは集積回路内部のGBTで実現して
いるが、MOSFETでもよく、集積回路内ではなく個別のス
イッチング素子で実現してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に述べたように本発明では同期
信号と位置検出信号の位相差を所定の値以下に抑えてか
ら行ってから同期運転からセンサレス駆動への切り換え
ており、またPWMのデューティの変化率は所定の値以
下としているため外乱時にも安定して起動し、運転中の
急激な加減速にも脱調することのない安価にブラシレス
モータの駆動回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるブラシレスモータ
の制御装置のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施例であるブラシレスモータ
の制御回路に用いる急変防止回路。
【図3】本発明の第1の実施例であるブラシレスモータ
の制御回路に用いる急変防止回路のタイムチャート。
【図4】本発明の第2の実施例であるブラシレスモータ
の制御回路に用いる急変防止回路。
【図5】本発明の第2の実施例であるブラシレスモータ
の制御回路に用いる急変防止回路のタイムチャート。
【図6】本発明の第3の実施例であるブラシレスモータ
の制御装置。
【図7】本発明の第4の実施例であるブラシレスモータ
の制御装置。
【符号の説明】
10…モータ、11…インバータ、12…ドライバ、1
3…ゲート信号、14…PWM、15…速度制御、16
…速度指令、20…回転子位置検出、21…転流信号、
22…速度、23…同期信号、24…運転切換、30…
位相比較、31…位相制御、121…上アーム駆動回
路、122…レベルシフト、123…チャージポンプ、
141…コンパレータ、142…三角波発信回路、15
1…マイコン、221…排他論理和、401…VB電
源、402…コンパレータ、C C1〜C4…コンデン
サ、GL…グランド端子、i…電流、R R1〜R3…
抵抗、t1〜t4…時刻、Vcc…集積回路駆動電圧、
Vdc…インバータ直流側電圧、Vref…基準電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩村 將弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H560 BB04 BB07 DA13 EB01 GG04 TT07 TT11 UA05 XA03 XA05 XA06 XA12 5H576 BB06 BB10 DD02 DD07 EE11 EE19 FF03 GG01 GG02 GG05 GG06 HA03 HB02 JJ03 JJ11 KK05 LL15 LL24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブラシレスモータの電機子電流を通電制御
    するインバータと、前記インバータをPWM制御する手
    段と、同期信号を出力する手段と、前記ブラシレスモー
    タの回転子の位置を検出する手段を有するブラシレスモ
    ータの制御装置において、前記同期信号と前記位置検出
    信号の位相差に応じて第1の指令値を出力する手段と、
    回転速度の目標値と回転速度検出値の差に応じて第2の
    指令値を出力する手段を備えると共に前記第1,第2の
    指令値を選択する信号選択手段と、前記信号選択手段の
    出力の変化率を所定の値以下に抑えてPWMのデューテ
    ィとする急変防止手段を有することを特徴とするブラシ
    レスモータの制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のブラシレスモータの制御回
    路であって前記急変防止手段は抵抗とコンデンサを具備
    する遅延回路で構成されることを特徴とする請求項1記
    載のブラシレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のブラシレスモータの制御回
    路であって前記急変防止手段はコンデンサを定電流で充
    電及び放電する手段で構成されることを特徴とする。ブ
    ラシレスモータの制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載のブラシレスモータの制
    御装置を半導体集積回路に形成したことを特徴とするブ
    ラシレスモータ制御用集積回路。
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