JP2000133255A - 電池用電極の製造方法及びアルカリ二次電池の製造方法 - Google Patents

電池用電極の製造方法及びアルカリ二次電池の製造方法

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JP2000133255A
JP2000133255A JP10302079A JP30207998A JP2000133255A JP 2000133255 A JP2000133255 A JP 2000133255A JP 10302079 A JP10302079 A JP 10302079A JP 30207998 A JP30207998 A JP 30207998A JP 2000133255 A JP2000133255 A JP 2000133255A
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slurry
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drying
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Yukio Suzuki
幸男 鈴木
Michiko Tajima
路子 田島
Hiroyuki Ogawa
裕之 小川
Keisuke Itaba
啓介 板場
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質を含むスラリーを金属製基板に充填な
いし塗布する方法により得られる電池用電極の製造方法
において、活物質充填密度の均一性が改善された電池用
電極の製造方法を提供する。 【解決手段】 活物質を含むスラリーを金属製基板に充
填ないし塗布する工程と、前記スラリーが充填ないし塗
布された金属製基板を少なくとも電磁誘導により加熱し
て乾燥させる工程とを具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用電極の製造
方法及びアルカリ二次電池の製造方法に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の進歩による小電力化、
実装技術の進歩により従来予想し得なかった電子機器が
ポータブル化されてきている。電子機器のポータブル化
により、これに組み込まれる電源としての二次電池の高
容量化が要求される。このような要求に対応し得る二次
電池として、ニッケルカドミウム二次電池や、ニッケル
水素二次電池のようなアルカリ二次電池、リチウムイオ
ン二次電池が開発されている。特に、ニッケル水素二次
電池は、ニッケルカドミウム二次電池に比べて約2倍以
上の高容量化を達成でき、かつカドミウムのような環境
汚染物質を含まないため、近年その重要が急速に伸びて
きている。
【0003】ところで、ニッケル水素二次電池の正極
は、例えば、活物質である水酸化ニッケルを含むスラリ
ーを三次元構造を有する基板(例えば、ニッケル製のス
ポンジ状金属多孔体)に充填し、乾燥した後、加圧成形
することにより作製される。一方、リチウムイオン二次
電池の正極は、例えば、活物質であるコバルト酸リチウ
ムを含むスラリーを三次元構造を有する基板(例えば、
アルミニウム製のスポンジ状金属多孔体)に充填し、乾
燥することにより作製される。いずれの場合も乾燥工程
は、スラリーが充填された基板に熱風を吹き付けるか、
あるいは熱風を吹き付けながら遠赤外線ヒータで加熱す
ることによってなされる。
【0004】また、前述したような三次元構造を有する
金属製基板は、集電効率に優れ、活物質保持力が高く、
かつスラリーの充填量を多くできるために高容量タイプ
の電池で広く使用されている。
【0005】電池用の電極において最も重要なのは、活
物質充填密度の均一性である。活物質充填密度を均一に
するには、活物質を含むスラリーを基板内に均一に充填
する必要がある。このため、様々なスラリーの充填方法
が提案されている。例えば特開平6−243864号公
報には、基板として三次元構造を有するものを用いる際
のスラリーの充填方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
スラリーが基板内に均一に充填されていたとしても、前
述したような方法で乾燥を行うと、乾燥が表面から進む
ため、表面の乾燥の早い部分に内部のスラリーが引っ張
られやすくなってひび割れを生じ、活物質充填密度が不
均一になるという問題点を生じる。活物質充填密度に偏
りが生じている電極は、集電効率が低いため、電池特性
が劣ったものとなる。特に、基板として三次元構造を有
するものを用いると、前述したような方法での乾燥によ
り活物質充填密度がばらつきやすい。
【0007】本発明は、活物質を含むスラリーを金属製
基板に充填ないし塗布する方法により得られる電池用電
極の製造方法において、活物質充填密度の均一性が改善
された電池用電極の製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0008】本発明は、正極及び負極の少なくとも一方
の電極を活物質を含むスラリーを金属製基板に充填ない
し塗布する方法により作製するアルカリ二次電池の製造
方法において、前記電極の活物質充填密度の均一性が改
善された高性能なアルカリ二次電池の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電池用電極
の製造方法は、活物質を含むスラリーを金属製基板に充
填ないし塗布する工程と、前記スラリーが充填ないし塗
布された金属製基板を少なくとも電磁誘導により加熱し
て乾燥させる工程とを具備することを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明に係るアルカリ二次電池の製
造方法は、正極及び負極のうち少なくともいずれか一方
の電極は、活物質を含むスラリーを金属製基板に充填な
いし塗布する工程と、前記スラリーが充填ないし塗布さ
れた金属製基板を少なくとも電磁誘導により加熱して乾
燥させる工程とを具備する方法により作製されることを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る方法で製造さ
れるアルカリ二次電池(例えば、円筒形アルカリ二次電
池)を図1〜図3を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は本発明に係る方法で製造されるアル
カリ二次電池を示す部分切欠斜視図、図2は本発明に係
る方法を説明するための模式図、図3は電磁誘導加熱に
よる乾燥の具体例を示す模式図、図4は電磁誘導加熱に
よる乾燥の別な具体例を示す模式図である。
【0013】図1に示すように、有底円筒状の容器1内
には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパ
イラル状に捲回することにより作製された電極群5が収
納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に
配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカ
リ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔
6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部
開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット
8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内
面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカ
シメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケ
ット8を介して気密に固定している。正極リード9は、
一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に
接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記
封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられてい
る。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端
子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置さ
れている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押
え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の
突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように
配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12
の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を
被覆している。
【0014】以下、前記正極2,負極4,セパレータ3
及びアルカリ電解液について説明する。
【0015】1)正極2 この正極2は、例えば、活物質を含むスラリーを金属製
基板に充填ないし塗布した後、前記スラリーが充填ない
し塗布された金属製基板を少なくとも電磁誘導により加
熱して乾燥させ、このスラリーが充填ないし塗布された
金属製基板に加圧成形を施し、必要に応じて所望の寸法
に裁断することにより作製される。なお、乾燥工程後に
裁断を行っても良い。
【0016】充填(塗布)工程及び乾燥工程は、例えば
図2に示すような装置を用いて行うことができる。すな
わち、巻だし部21にはフープ状の金属製基板22が配
置されている。前記金属製基板22は、まず、塗工部2
3に搬送される。この塗工部23において、前記金属製
基板22に活物質を含むスラリーが充填ないし塗布され
る。このスラリーが充填ないし塗布された基板は、乾燥
ゾーン24に搬送され、少なくとも電磁誘導加熱を用い
て乾燥される。乾燥がなされた基板は、巻き取り部25
においてフープ状に捲回される。
【0017】(1)活物質を含むスラリー 前記活物質を含むスラリーは、例えば、活物質である水
酸化ニッケル粉末、導電材料および結着剤を水の存在下
で混練することにより調製される。
【0018】前記水酸化ニッケル粉末としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粉末、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属が共晶された水酸化ニッケル粉
末を用いることができる。特に、後者の水酸化ニッケル
粉末を含む正極は、高温状態における充電効率をより一
層向上することが可能になる。
【0019】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物(例えば、CoO)、コバルト水酸
化物(例えば、Co(OH)2 )等を挙げることができ
る。
【0020】前記結着剤としては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂{例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)}、アクリル酸などの
カルボキシル基を有するモノマーとビニルアルコールと
の共重合体、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース(HPMC)、ポリアクリル酸塩{例えばポ
リアクリル酸ナトリウム(SPA)、ポリアクリル酸カ
リウム}、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチ
レンオキシド、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の
ゴム系ポリマー等を挙げることができる。前記結着剤と
しては、前述した種類の中から選ばれる1種以上を用い
ることができる。なお、PTFEは、ディスパージョン
の形態で用いることができる。
【0021】(2)金属製基板 この金属製基板としては、例えばニッケル、ステンレス
またはニッケルメッキが施された金属から形成された網
状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェルト状の金属多
孔体、パンチドメタルなどの二次元基板の孔の周縁に凹
凸を有するもの等を挙げることができる。中でも、スポ
ンジ状、繊維状、もしくはフェルト状の金属多孔体のよ
うな三次元構造を有するものが好ましい。
【0022】(3)乾燥工程 乾燥工程は、少なくとも電磁誘導加熱を用いて行われ
る。
【0023】電磁誘導加熱は、例えば、図3に示すよう
にコイル26内に金属製基板22を挿入することにより
行うか、あるいは図4に示すように一対のコイル27
a,27bを所望の間隔を隔てて配置し、このコイル2
7a,27b間に金属製基板22を通過させることによ
り行うか、もしくはコイルの近傍に金属製基板を通過さ
せることにより行うことができる。中でも、図3のよう
にコイル内に金属製基板を挿入することにより行うこと
が望ましい。
【0024】乾燥工程は、スラリーが充填ないし塗布さ
れた金属製基板を電磁誘導加熱により内部から加熱する
のと併せて、その表面を加熱することが望ましい。中で
も、スラリーが充填ないし塗布された金属製基板に熱風
を吹き付けながら前記スラリーが充填ないし塗布された
金属製基板を電磁誘導により加熱することで行うか、あ
るいはスラリーが充填ないし塗布された金属製基板に熱
風を吹き付けながら前記スラリーが充填ないし塗布され
た金属製基板を電磁誘導及び赤外線ヒータにより加熱す
ることで行うことが好ましい。
【0025】スラリーが充填ないし塗布された金属製基
板をその表面を加熱しつつ、電磁誘導加熱により内部か
ら加熱することによって乾燥させる場合、電磁誘導加熱
は、内部の金属製基板の温度が50〜100℃の範囲に
なるように行うことが好ましい。これは次のような理由
によるものである。基板温度を50℃未満にすると、ス
ラリーが充填ないし塗布された金属製基板の表面と内部
の温度差を十分に縮めることが困難になるため、活物質
充填密度が不均一になる恐れがある。一方、基板温度が
100℃を越えると、スラリーが乾燥する前に内部のス
ラリーが沸騰してしまうため、活物質充填密度が不均一
になる恐れがある。
【0026】2)負極4 この負極4は、例えば、活物質である水素のホストマト
リックスである水素吸蔵合金粉末を含むスラリーを金属
製基板に充填ないし塗布した後、前記スラリーが充填な
いし塗布された金属製基板を乾燥させ、このスラリーが
充填ないし塗布された金属製基板に加圧成形を施し、必
要に応じて所望の寸法に裁断することにより作製され
る。なお、乾燥工程後に裁断を行っても良い。
【0027】(1)活物質を含むスラリー 前記活物質を含むスラリーは、例えば、水素吸蔵合金粉
末、導電材、結着剤および水を混練することにより調製
される。
【0028】前記水素吸蔵合金は、格別制限されるもの
ではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸
蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できる
ものであればよい。例えば、LaNi5 、MmNi
5 (Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (LmはLa
を含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、これ
ら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、
Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元素系
のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙げる
ことができる。特に、一般式LmNiw Cox Mny
z (ただし、Lmは希土類元素、原子比w,x,y,
zの合計値は5.00≦w+x+y+z≦5.50であ
る)で表される組成の水素吸蔵合金は充放電サイクルの
進行に伴う微粉化を抑制して充放電サイクル寿命を向上
できるための好適である。前記一般式において、原子比
w、x,y,zはそれぞれ3.30≦w≦4.50、
0.50≦x≦1.10、0.20≦y≦0.50、
0.05≦z≦0.20で、かつその合計値が4.90
≦w+x+y+z≦5.50であることが好ましい。
【0029】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。
【0030】前記結着剤としては、前述した正極で説明
したものと同様なポリマーから選ばれる1種又は2種以
上を用いることができる。
【0031】(2)金属製基板 前記金属製基板としては、例えばパンチドメタル、エキ
スパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの
二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金
属多孔体などの三次元基板を挙げることができる。
【0032】(3)乾燥工程 乾燥工程は、前述した正極で説明したのと同様な方法に
より行うことができる。
【0033】3)セパレータ このセパレータとしては、例えば、ポリアミド繊維製不
織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙げ
ることができる。
【0034】4)アルカリ電解液 前記アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0035】以上説明した本願発明によれば、活物質充
填密度が均一な電池用電極を得ることができる。
【0036】活物質を含むスラリーを金属製基板に充填
ないし塗布した後、従来法のようにこの表面を加熱して
乾燥させると、表面と内部との温度差が大きくなるた
め、スラリーの収縮度合いが不均一になり、活物質充填
密度がばらつく。本願発明のようにスラリーが充填ない
し塗布された金属製基板を少なくとも電磁誘導により加
熱して乾燥させることによって、金属製基板を直接加熱
して内部から加熱することができるため、表面と内部に
温度差が生じるのを抑制することができる。その結果、
乾燥時のスラリーの収縮が均一になるため、乾燥により
活物質充填密度にバラツキが生じるのを抑えることがで
き、クラックの発生を低減することができ、かつ集電効
率を向上することができる。従って、アルカリ二次電池
の正極及び負極のうちの少なくとも一方の電極を、活物
質を含むスラリーを金属製基板に充填ないし塗布した
後、乾燥させる方法によって作製する場合に、本願発明
のような乾燥方法を採用することによって、高性能なア
ルカリ二次電池を製造することができる。
【0037】ところで、従来法のように表面からの加熱
のみで乾燥がなされた電極は、活物質充填密度が不均一
であるばかりか、クラックが生じていることが多い。こ
のため、前記電極を正極または負極に用い、正極と負極
の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回すること
により電極群を作製すると、このクラックがセパレータ
を貫通して対極と接しやすい、つまり内部短絡の発生率
が高い。この内部短絡発生率は、金属製基板として三次
元構造を有するものを用いると高くなる傾向がある。
【0038】正極及び負極のうちの少なくとも一方の電
極を、活物質を含むスラリーを金属製基板に充填ないし
塗布した後、乾燥させる方法によって作製する場合に、
本願発明のような乾燥方法を採用することによって、正
極及び負極をセパレータを介在させながら渦巻き状に捲
回して電極群を作製する際の内部短絡発生率を大幅に低
減することができる。従って、前記電極群及びアルカリ
電解液を容器内に収納してアルカリ二次電池を組み立て
ると、高性能なアルカリ二次電池を高歩留まりで製造す
ることが可能になる。
【0039】また、乾燥工程を(a)前記スラリーが充
填ないし塗布された金属製基板に熱風を吹き付けながら
前記スラリーが充填ないし塗布された金属製基板を電磁
誘導により加熱することで行うか、あるいは(b)前記
スラリーが充填ないし塗布された金属製基板に熱風を吹
き付けながら前記スラリーが充填ないし塗布された金属
製基板を電磁誘導及び赤外線ヒータにより加熱すること
で行うことによって、表面と内部との温度差をより小さ
なものにすることができるため、乾燥により活物質充填
密度がばらつくのとクラックが生じるのを防止すること
ができる。また、従来法のように表面のみを加熱するに
比べて表面を加熱する温度を低くすることができるた
め、省エネルギー化を図ることができる。さらに、乾燥
時間を短縮することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0041】(実施例) <正極の作製>前述した図2に示す装置の巻だし部21
にニッケル製スポンジ状多孔体22のフープをセットし
た。また、水酸化ニッケル粉末、導電材料としての一酸
化コバルト、結着剤及び水を混練して調製されたスラリ
ーを塗工部23に供給した。さらに、乾燥ゾーン24内
にコイルを前述した図3のように配置すると共に、公知
の熱風供給手段を設置した。
【0042】前記スポンジ状多孔体22を前記塗工部2
3に搬送し、前記スポンジ状多孔体22に前記スラリー
を充填した。ひきつづき、前記スラリーが充填されたス
ポンジ状多孔体を前記乾燥ゾーン24に搬送し、130
℃の熱風を吹き付けつつ、内部のスポンジ状多孔体の温
度が80℃になるように電磁誘導で加熱することにより
乾燥させた。また、前記乾燥ゾーン24における搬送速
度は、1.4m/分にした。乾燥がなされた基板を前記
巻き取り部25においてフープ状に捲回した後、カレン
ダーロールで圧延し、裁断することにより正極を作製し
た。
【0043】<負極の作製>水素吸蔵合金粉末に結着
剤、カーボン粉末及び水を添加し、混練することによっ
てスラリーを調製した。このスラリーをパンチドメタル
に塗布し、熱風を吹き付けることにより乾燥させた後、
加圧成形することによって負極を作製した。
【0044】次いで、親水性処理がなされたポリプロピ
レン製不織布からなるセパレータを前記正極と前記負極
との間に介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。
得られた電極群とアルカリ電解液を有底円筒状容器に収
納して理論容量が1200mAhで、AAサイズの円筒
形ニッケル水素二次電池を1000個組み立てた。
【0045】(比較例1) <正極の作製>前述した図2に示す装置の巻だし部21
にニッケル製スポンジ状多孔体22のフープをセットし
た。また、塗工部23に実施例で説明したのと同様な組
成のスラリーを供給した。さらに、乾燥ゾーン24内に
公知の熱風供給手段を設置した。
【0046】前記スポンジ状多孔体22を前記塗工部2
3に搬送し、前記スポンジ状多孔体22に前記スラリー
を充填した。ひきつづき、前記スラリーが充填されたス
ポンジ状多孔体を前記乾燥ゾーン24に搬送し、130
℃の熱風を吹き付けることにより乾燥させた。また、前
記乾燥ゾーン24における搬送速度は、1.1m/分に
した。乾燥がなされた基板を前記巻き取り部25におい
てフープ状に捲回した後、カレンダーロールで圧延し、
裁断することにより正極を作製した。
【0047】このようにして作製された正極を用いるこ
と以外は、前述した実施例で説明したのと同様にして円
筒形ニッケル水素二次電池を1000個組み立てた。
【0048】(比較例2) <正極の作製>前述した図2に示す装置の巻だし部21
にニッケル製スポンジ状多孔体22のフープをセットし
た。また、塗工部23に実施例で説明したのと同様な組
成のスラリーを供給した。さらに、乾燥ゾーン24内に
公知の熱風供給手段を設置した。
【0049】前記スポンジ状多孔体22を前記塗工部2
3に搬送し、前記スポンジ状多孔体22に前記スラリー
を充填した。ひきつづき、前記スラリーが充填されたス
ポンジ状多孔体を前記乾燥ゾーン24に搬送し、180
℃の熱風を吹き付けることにより乾燥させた。また、前
記乾燥ゾーン24における搬送速度は、1.4m/分に
した。乾燥がなされた基板を前記巻き取り部25におい
てフープ状に捲回した後、カレンダーロールで圧延し、
裁断することにより正極を作製した。
【0050】このようにして作製された正極を用いるこ
と以外は、前述した実施例で説明したのと同様にして円
筒形ニッケル水素二次電池を1000個組み立てた。
【0051】得られた実施例及び比較例1〜2の二次電
池について、電極群作製時の内部短絡発生率を測定し、
その結果を下記表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、活物質を含むス
ラリーを金属製基板に充填ないし塗布した後、130℃
の熱風を吹き付けながら電磁誘導により加熱して乾燥さ
せる方法により作製された正極を備えた実施例の二次電
池は、内部短絡発生率が比較例1,2に比べて低く、ま
た乾燥時間を比較例1に比べて短縮できることがわか
る。これに対し、130℃の熱風を吹き付けることのみ
で乾燥させる正極を備えた比較例1の二次電池は、内部
短絡発生率が実施例に比べて高く、そのうえ乾燥に必要
な時間が実施例に比べて長いことがわかる。また、18
0℃の熱風を吹き付けることのみで乾燥させる正極を備
えた比較例2の二次電池は、乾燥時間を実施例のように
短くできるものの、内部短絡発生率が実施例に比べて高
いことがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、活
物質充填密度が均一な電池用電極の製造方法を提供する
ことができる。また、本発明によれば、正極及び負極の
少なくとも一方の電極を活物質を含むスラリーを金属製
基板に充填ないし塗布する方法により作製するアルカリ
二次電池の製造方法において、前記電極の活物質充填密
度の均一性が改善された高性能なアルカリ二次電池の製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法で製造されるアルカリ二次電
池を示す部分切欠斜視図。
【図2】本発明に係る方法を説明するための模式図。
【図3】電磁誘導加熱による乾燥の具体例を示す模式
図。
【図4】電磁誘導加熱による乾燥の別な具体例を示す模
式図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 7…封口板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 裕之 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 板場 啓介 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質を含むスラリーを金属製基板に充
    填ないし塗布する工程と、前記スラリーが充填ないし塗
    布された金属製基板を少なくとも電磁誘導により加熱し
    て乾燥させる工程とを具備することを特徴とする電池用
    電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記乾燥工程は、(a)前記スラリーが
    充填ないし塗布された金属製基板に熱風を吹き付けなが
    ら前記スラリーが充填ないし塗布された金属製基板を電
    磁誘導により加熱することでなされるか、あるいは
    (b)前記スラリーが充填ないし塗布された金属製基板
    に熱風を吹き付けながら前記スラリーが充填ないし塗布
    された金属製基板を電磁誘導及び赤外線ヒータにより加
    熱することでなされることを特徴とする請求項1記載の
    電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 正極及び負極のうち少なくともいずれか
    一方の電極は、 活物質を含むスラリーを金属製基板に充填ないし塗布す
    る工程と、前記スラリーが充填ないし塗布された金属製
    基板を少なくとも電磁誘導により加熱して乾燥させる工
    程とを具備する方法により作製されることを特徴とする
    アルカリ二次電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記乾燥工程は、(a)前記スラリーが
    充填ないし塗布された金属製基板に熱風を吹き付けなが
    ら前記スラリーが充填ないし塗布された金属製基板を電
    磁誘導により加熱することでなされるか、あるいは
    (b)前記スラリーが充填ないし塗布された金属製基板
    に熱風を吹き付けながら前記スラリーが充填ないし塗布
    された金属製基板を電磁誘導及び赤外線ヒータにより加
    熱することでなされることを特徴とする請求項3記載の
    アルカリ二次電池の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021018964A (ja) * 2019-07-24 2021-02-15 トヨタ自動車株式会社 電極塗膜の乾燥方法

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