JP2000299104A - ニッケル水素二次電池の製造方法 - Google Patents

ニッケル水素二次電池の製造方法

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JP2000299104A
JP2000299104A JP11109204A JP10920499A JP2000299104A JP 2000299104 A JP2000299104 A JP 2000299104A JP 11109204 A JP11109204 A JP 11109204A JP 10920499 A JP10920499 A JP 10920499A JP 2000299104 A JP2000299104 A JP 2000299104A
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metal sheet
negative electrode
paste layer
winding
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Tsutomu Sato
努 佐藤
Hiroyuki Takahashi
浩之 高橋
Yasunori Fujimori
康紀 藤森
Tatsu Takahashi
達 高橋
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な捲回特性を有し、かつパンチングメタ
ルシートに被覆されたペースト層の剥離を抑制し得る高
密度の負極を有する渦巻状の電極群を備えたニッケル水
素二次電池の製造方法を提供する。 【解決手段】 両側部に所定幅の無孔部を有し、その内
側に多数の開口部を有する帯状のパンチングメタルシー
トの両面に水素吸蔵合金粉末および結着剤を含むペース
トを前記無孔部を含むペースト層の断面厚さが前記開口
部領域のペースト層の断面厚さに対して80〜95%に
なるように塗布、乾燥する工程と、前記ペースト付パン
チングメタルシートを圧延し、短冊状に裁断することに
よりぺースト式負極を作製する工程と、前記ペースト式
負極と正極をそれらの間にセパレータを介在して渦巻状
に捲回した電極群を作製する工程とを具備したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を含
む負極を改良したニッケル水素二次電池の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル水素二次電池は、導電性多孔シ
ートに水素吸蔵合金をを担持させた負極と、導電性基材
に水酸化ニッケルを担持させた正極との間にセパレータ
を介在させた電極群をアルカリ電解液と共に容器内に収
納した構造を有する。このようなニッケル水素二次電池
は、携帯用電話機や携帯型撮像機などの各種の電子機器
の作動電源として広く実用化されている。
【0003】前述したニッケル水素二次電池に用いられ
る前記負極は、従来より次のような方法により製造され
ている。まず、水素吸蔵合金粉末、カーボン粉末のよう
な導電材粉末および結着剤をイオン交換水と共に混合し
てペーストを調製する。つづいて、このペーストを帯状
の導電性多孔シートである帯状のパンチングメタルシー
トの両面に塗付してペースト層を形成する。このパンチ
ングメタルシートは、芯材シートである軟鉄シートに多
数の穴を例えば千鳥格子模様になるように開口すること
により作製される。ひきつづき、前記ペースト層を有す
るパンチングメタルシートを乾燥炉内で乾燥してペース
ト層中の水分を蒸発させ、さらに前記パンチングメタル
シートの長さ方向に対して軸が直交するように配置した
一対の圧延ロール間を通して圧延した後、前記パンチン
グメタルシートの幅方向に沿って短冊状に裁断すること
により負極を製造する。
【0004】ところで、近年、さらなる高容量化の要望
に伴って前記負極をより一層高合金密度化することがな
されている。高合金密度の負極を得るには、前記圧延成
形時に高い圧下率で処理する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高圧下
率で圧延成形するとパンチングメタルシートの無孔部と
開口部領域との境界で皺が発生する。その結果、この負
極をセパレータを挟んで正極と共に渦巻状に捲回して電
極群を作製することが困難になる。
【0006】また、高合金密度化により前述した電極群
の作製工程や電極群を容器内に収納する工程において水
素吸蔵合金を含むペースト層が剥離する恐れがある。そ
の結果、所定の水素吸蔵合金量を有する負極の作製が困
難になる。
【0007】本発明は、良好な捲回特性を有し、かつパ
ンチングメタルシートに被覆されたペースト層の剥離を
抑制し得る高密度の負極を有する渦巻状の電極群を備え
たニッケル水素二次電池の製造方法を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるニッケル
水素二次電池の製造方法は、両側部に無孔部を有し、少
なくとも巻き終わり端部としての無孔部の幅が1〜10
mmで、これらの無孔部より内側に多数の開口部を有す
る帯状のパンチングメタルシートの両面に水素吸蔵合金
粉末および結着剤を含むペーストを前記無孔部を含むペ
ースト層の断面厚さが前記開口部領域のペースト層の断
面厚さに対して80〜95%になるように塗布、乾燥す
る工程と、前記ペースト付パンチングメタルシートをそ
のパンチングメタルシートの長さ方向に対して軸が直交
するように配置した一対の圧延ロール間を通して圧延し
た後、前記パンチングメタルシートの幅方向に沿って短
冊状に裁断することにより前記各無孔部を巻き始め端部
および巻き終わり端部とするパンチングメタルシートに
ペースト層を形成したぺースト式負極を作製する工程
と、前記ペースト式負極と正極をそれらの間にセパレー
タを介在して渦巻状に捲回した電極群を作製する工程と
を具備したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるニッケル水
素二次電池の製造方法を図面を参照して説明する。
【0010】(第1工程)まず、図1および図2に示す
ように両側部に無孔部1a,1bを有し、少なくとも巻
き終わり端部としての無孔部の幅が1〜10mmで、こ
れらの無孔部1a,1bより内側に例えば千鳥格子模様
になるように穿設された多数の円形開口部2を有る帯状
の長尺パンチングメタルシート3の両面に水素吸蔵合金
粉末および結着剤を含むペーストを無孔部1aまたは1
bを含むペースト層41の断面厚さが開口部2領域のペ
ースト層42の断面厚さに対して80〜95%になるよ
うに塗布、乾燥してペースト層4を形成する。つづい
て、ペースト層付パンチングメタルシートを一対の圧延
ロール5a,5b間に通して圧延成形する。
【0011】前記水素吸蔵合金としては、格別制限され
るものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水
素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出
できるものであればよい。この水素吸蔵合金としては、
例えばLaNi5 、MmNi 5 (Mm;ミッシュメタ
ル)、LmNi5 (Lm;ランタン富化したミッシュメ
タル)、またはこれらのNiの一部をAl、Mn、C
o、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で
置換した多元素系のもの、もしくはTiNi系、TiF
e系のものを挙げることができる。中でも、一般式Lm
Nix Mny z (ただし、AはAl,Coから選ばれ
る少なくとも一種の金属、原子比x,y,zはその合計
値が4.8≦x+y+z≦5.4を示す)で表されるも
のを用いることが好ましい。
【0012】前記結着剤としては、例えばカルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げること
ができる。
【0013】前記ペースト中には、例えばカーボンブラ
ック等の導電材粉末を更に含有することを許容する。
【0014】前記パンチングメタルシートは、表面にニ
ッケルメッキ、銅メッキ等を施すことにより防錆皮膜が
被覆されることを許容する。
【0015】前記パンチングメタルシートは、開口部領
域における開孔率を30〜70%にすることが好まし
い。
【0016】前記無孔部1aまたは1bを含むペースト
層41の断面厚さが前記開口部領域のペースト層42の断
面厚さに対して80%未満にすると、ペースト式負極に
占めるペーストの絶対量が低下して高容量化が困難にな
る恐れがあるばかりか、圧延時においてパンチドメタル
しシート3の無孔部1a,1bと開口部2領域の境界に
皺が発生する恐れがある。一方、前記無孔部1aまたは
1bを含むペースト層41の断面厚さが開口部2領域の
ペースト層42の断面厚さに対して95%を超えると、
前記圧延ロール5a,5bによる圧延時においてパンチ
ドメタルしシート3の無孔部1a,1bと開口部2領域
の境界に皺が発生する恐れがあるばかりか、後述する正
極およびセパレータと共に捲回して渦巻状に捲回する
際、負極の巻き始め端部(無孔部1a)および巻き終わ
り端部(無孔部1b)で円滑に折り曲げることが困難に
なる。
【0017】前記圧延ロール5a,5bによるペースト
層付パンチングメタルシートの圧延は、負極を高容量化
する観点から、例えば500〜2000kg/cmの高
圧下率で行なうすることが好ましい。
【0018】(第2工程)前記圧延後のペースト層付パ
ンチングメタルシートをその幅方向に短冊状に裁断する
ことにより、図3および図4に示す両端に巻き始め端
部、巻き終わり端部となる無孔部1a,1bを有し、少
なくとも巻き終わり端部としての無孔部1bの幅が1〜
10mmで、これら無孔部1a,1bより内側に多数の
開口部2を有するパンチングメタルシート3の両面にペ
ースト層4が被覆されたペースト式負極6を作製する。
【0019】前記負極において、巻き終わり端部の無孔
部1bの長さ(L2)は1〜10mmにすることが必要
である。前記巻き終わり端部の無孔部1bの長さを1m
m未満にすると、後述する正極およびセパレータと共に
捲回して渦巻状に捲回する際、負極の巻き終わり端部で
円滑に折り曲げることが困難になる。一方、前記巻き終
わり端部の無孔部1bの長さが10mmを超えるとペー
ストの充填量が低下して高容量の負極を得ることが困難
になるばかりか、ペースト層のパンチングメタルに対す
る密着性が低下する恐れがある。
【0020】前記負極において、巻き始め端部の無孔部
1aの長さ(L1)は1〜10mmにすることが好まし
い。巻き始め端部および巻き終わり端部の無孔部1a,
1bの合計長さ(L1+L2)は2〜15mmにすること
が好ましい。特に、巻き始め端部および巻き終わり端部
の無孔部1a,1bの長さを等しくすることが好まし
い。
【0021】(第3工程)次いで、図5に示すように前
述した方法で作製したペースト式負極6を正極リード
(図示せず)を有する正極7とそれら負極6および正極
7の間にセパレータ8を挟んで渦巻状に捲回して最外周
側に前記負極6が位置する電極群9を作製する。
【0022】次いで、前記電極群9を図6に示すように
有底円筒状の容器10内に収納する。この時、前記電極
群10の最外周に位置する前記負極6は前記容器10の
内面と電気的に接触される。ひきつづき、アルカリ電解
液を前記容器10内に収容した後、前記容器10の上部
開口部に中央に孔11を有する円形の封口板12をリン
グ状の絶縁性ガスケット13を介して載置すると共に、
前記電極群10の正極7の正極リード14を前記封口板
12の下面に接続する。前記容器10の上端開口部を縮
径して前記封口板12をカシメ加工することにより前記
容器10に前記封口板12を気密に固定する。なお、前
記封口板7上には、帽子形状をなす正極端子15が前記
封口板12の孔11を覆うように取り付けられ、かつゴ
ム製の安全弁16が前記封口板12と前記正極端子15
で囲まれた空間内に前記孔11を塞ぐように配置されて
いる。この後、前記正極端子15上に中央に穴を有する
絶縁材料からなる円形の押え板17を前記正極端子15
の突起部がその押え板17の前記穴から突出するように
配置した後、外装チューブ18を前記押え板17の周
縁、前記容器10の側面及び前記容器10の底部周縁を
覆うように形成することによりニッケル水素二次電池を
製造する。
【0023】前記は、活物質である水酸化ニッケル粒
子、導電材粉末および結着剤を含む正極材料を導電性基
板に担持した構造を有する。
【0024】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属を金属ニッケルと共に共沈され
た水酸化ニッケル粒子を用いることができる。特に、後
者の水酸化ニッケル粒子を含む正極は、高温状態におけ
る充電効率をより一層向上することが可能になる。
【0025】前記水酸化ニッケル粒子は、X線粉末回折
法による(101)面のピーク半価幅が0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粒子のピーク半価幅は0.9〜1.0
゜/2θ(Cu−Kα)である。
【0026】前記導電材粉末としては、例えば金属コバ
ルト粉末、コバルト酸化物粉末、コバルト水酸化物粉末
等を挙げることができる。
【0027】前記結着剤としては、例えばカルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げること
ができる。
【0028】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0029】前記正極は、例えば活物質である水酸化ニ
ッケル粒子に導電材料を添加し、高分子結着剤および水
と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電
性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製
される。
【0030】前記セパレータとしては、例えばポリアミ
ド繊維製不織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン繊維製不織布、またはこれらの不織布に
親水性官能基を付与したものを挙げることができる。
【0031】前記アルカリ電解液としては、例えば水酸
化ナトリウム(NaOH)と水酸化リチウム(LiO
H)の混合液、水酸化カリウム(KOH)とLiOHの
混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液等を用い
ることができる。
【0032】以上説明したように本発明に係わるニッケ
ル水素二次電池の製造方法は、両側部に無孔部を有し、
少なくとも巻き終わり端部としての無孔部の幅が1〜1
0mmで、これらの無孔部より内側に多数の開口部を有
する帯状のパンチングメタルシートの両面に水素吸蔵合
金粉末および結着剤を含むペーストを前記無孔部を含む
ペースト層の断面厚さが前記開口部領域のペースト層の
断面厚さに対して80〜95%になるように塗布、乾燥
する工程と、前記ペースト付パンチングメタルシートを
そのパンチングメタルシートの長さ方向に対して軸が直
交するように配置した一対の圧延ロール間を通して圧延
した後、前記パンチングメタルシートの幅方向に沿って
短冊状に裁断することにより前記各無孔部を巻き始め端
部および巻き終わり端部とするパンチングメタルシート
にペースト層を形成したぺースト式負極を作製する工程
と、前記ペースト式負極と正極をそれらの間にセパレー
タを介在して渦巻状に捲回した電極群を作製する工程と
を具備する。
【0033】このような方法によれば、高圧下率で圧延
することにより得られたパンチングメタルシートにペー
スト層が被覆されたペースト式負極を正極とそれら負
極、正極の間にセパレータを挟んで渦巻状に捲回する
際、良好な捲回でき、かつ捲回時や得られた電極群を容
器内に収納する工程において前記パンチングメタルシー
トに被覆されたペースト層が剥離するのを防止できるた
め、高密度で信頼性の高いペースト式負極を有する電極
群を備えたニッケル水素二次電池を高歩留まりで製造す
ることができる。
【0034】すなわち、パンチングメタルシートの両面
に水素吸蔵合金を含むペーストを塗付、乾燥した後、一
対の圧延ロールを用いて高圧下率で圧延成形すると、前
記パンチングメタルシートの無孔部と開口部領域との境
界で皺が発生する。その結果、この負極をセパレータを
挟んで正極と共に渦巻状に捲回して電極群を作製するこ
とが困難になる。
【0035】本発明者らは、前記無孔部と開口部領域と
の境界での皺発生について種々検討したところ、前記パ
ンチングメタルシートにおける無孔部と開口部領域との
伸び率が異なる、つまり開口部領域の延びが無孔部に比
べて大きいために、前述した圧延成形時にそれらの境界
で皺が発生することを究明した。
【0036】このようなことから、本発明はペースト層
が形成された帯状のパンチングメタルシートにおいて伸
び率の低い無孔部を含むペースト層の断面厚さを伸び率
の高い開口部領域のペースト層の断面厚さに比べて80
〜95%と少なくする、つまりペーストが充填された状
態での開口部領域と無孔部の延伸度合を同等ないし近似
させることによって、圧延成形に際して前記開口部と無
孔部の境界での皺発生を抑制ないし防止できる。
【0037】その結果、前記圧延後の帯状のパンチング
メタルシートを幅方向に短冊状に裁断することにより作
製されたペースト式負極を正極およびセパレータと共に
渦巻状に捲回する際、前記パンチングメタルシートにお
ける開口部と無孔部の境界での皺の発生が抑制ないし防
止され、かつ巻き始め端部および巻き終わり端部となる
無孔部を含むペースト層の断面厚さを開口部領域のペー
スト層の断面厚さに比べて小さくすると共に、後者の巻
き終わり部の長さを規定し、それら端部での折れ曲性を
高めることによって、これらの相乗作用により前記負極
を含むシートを極めて容易に渦巻状に捲回して電極群を
作製することができる。
【0038】また、巻き始め端部および巻き終わり端部
となる無孔部を含むペースト層の断面厚さを開口部領域
のペースト層の断面厚さに比べて小さくして折れ曲性を
改善することによって、前記捲回工程でのペースト層の
剥離を防止できる。さらに、無孔部を含むペースト層の
断面厚さを小さくすることにより開口部領域のペースト
層に比べて剥離しやすい無孔部上のペースト層の密着性
を高めることができるため、前記渦巻状の電極群を容器
内に収納する工程でのペースト層の剥離を防止できる。
【0039】したがって、高密度で信頼性の高いペース
ト式負極を有する電極群を備えたニッケル水素二次電池
を高歩留まりで製造することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0041】(実施例1) <ペースト式負極の作製>まず、芯材シートである厚さ
50mmのspcc(炭素鋼)シートに両端部に幅6.
5mmの無孔部をそれぞれ残して直径2mmの多数の開
口部を穿設し、さらにニッケルメッキ処理を施して片側
厚さ2μmの防錆皮膜を前記開口部を含むspccシー
ト全面に形成して帯状のパンチングメタルシートを作製
した。
【0042】また、市販のランタン富化したミッシュメ
タルLmおよびNi、Co、Mn、Alを用いて高周波
炉によって、LmNi4.0 Co0.4 Mn0.3 Al0.3
組成からなる水素吸蔵合金を作製した。前記水素吸蔵合
金を機械粉砕し、これを200メッシュのふるいを通過
させた。得られた合金粉末100重量部に対してポリア
クリル酸ナトリウム0.5重量部、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)0.125重量部、ポリテトラフル
オロエチレンのディスパージョン(比重1.5,固形分
60wt%)2.5重量部および導電材としてカーボン
粉末1.0重量部を水50重量部と共に混合することに
よってペーストを調製した。
【0043】次いで、前記パンチドメタルシートの両面
に前記ペーストを無孔部を含むペーストの断面厚さが開
口部領域のペーストの断面厚さに対して80%になるよ
うに塗布、乾燥した。つづいて、前述した図1および図
2に示すようにこのペースト層付パンチングメタルシー
ト3を一対の圧延ロール5a,5b間に通して2000
kg/cmの条件で圧延成形した。圧延後の帯状ペース
ト層付パンチングメタルシート3をその幅方向に短冊状
の裁断することにより前述した図3および図4に示す巻
き始め端部および巻き終わり端部である無孔部1a,1
bの幅が6.5mm、無孔部を含むペースト層41の断
面厚さが開口部1領域のペースト層42の断面厚さに比
べて80%であるペースト式負極6を作製した。
【0044】<ペースト式正極の作製>水酸化ニッケル
粉末90重量部および酸化コバルト粉末10重量部から
なる混合粉体に、前記水酸化ニッケル粉末に対してカル
ボキシメチルセルロース0.3重量部、ポリテトラフル
オロエチレンの懸濁液(比重1.5,固形分60重量
%)を固形分換算で0.5重量部添加し、これらに純水
を45重量部添加して混練することによりペーストを調
製した。つづいて、このペーストをニッケルメッキ繊維
基板内に充填した後、その両表面に前記ペーストを塗布
し、乾燥し、ローラプレスを行って圧延し、さらに正極
リードを取付けることによりペースト式正極を作製し
た。
【0045】次いで、前述した図5に示すように前記ペ
ースト式負極6を正極リード(図示せず)を有する正極
7とそれら負極6および正極7の間にポリプロピレン不
織布からなるセパレータ8を挟んで渦巻状に捲回して最
外周側に前記負極6が位置する電極群9を作製した。こ
のような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHか
らなる電解液を有底円筒状容器に収納し、封口板等を取
付けることによりて前述した図6に示す構造を有するA
Aサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0046】(実施例2〜3および比較例1〜3)パン
チドメタルシートの両面に実施例1と同組成のペースト
を無孔部を含む無ペーストの断面厚さがが開口部領域の
ペーストの断面厚さに対して50%、60%、70%、
90%および95%になるように塗布、乾燥した以外、
実施例1と同様な方法によりペースト式負極をそれぞれ
作製した。つづいて、これら負極を用いて実施例1と同
様に正極およびセパレータと共に渦巻状に捲回し、さら
にこれら電極群およびアルカリ電解液を有底円筒状容器
に収納し、封口板等を取付けることにより前述した図6
に示す構造を有するAAサイズの5種の円筒形ニッケル
水素二次電池を組み立てた。
【0047】得られた実施例1〜3および比較例1〜3
の二次電池1000個について、渦巻状に捲回する工程
および電極群を容器内に収納する工程における負極ペー
スト層の剥離の有無から不良率を求めた。
【0048】また、実施例1〜3および比較例1〜3に
おいて電極群を作製する際の捲回可能個数(1000個
中)を調べた。
【0049】さらに、実施例1〜3および比較例1〜3
の二次電池について容量を測定し、実施例1の二次電池
の容量100としてその相対値で算出した。
【0050】これらの結果を下記表1に示す。なお、電
極群を作製する際の捲回可能数がゼロである例では、負
極ペースト層の剥離の有無の判定、電池容量をそれぞれ
「−」として示した。また、電池容量は電極群が作製さ
れたものを対象とした。
【0051】
【表1】
【0052】前記表1から明らかなように、両側部に所
定幅の無孔部を有し、これらの無孔部より内側に多数の
開口部を有する帯状のパンチングメタルシートの両面に
水素吸蔵合金粉末および結着剤を含むペーストを乾燥状
態で前記無孔部を含むペーストの断面厚さが前記開口部
領域のペースト層の断面厚さに対して80〜95%にな
るように塗布、乾燥し、さらに圧延成形し、裁断するこ
とにより得られた実施例1〜3のペースト式負極は、ペ
ーストの剥離を生じる個数が極めて低減できることがわ
かる。
【0053】また、実施例1〜3の負極は正極およびセ
パレータと共に良好に捲回して渦巻状の電極群を作製で
きることがわかる。
【0054】(実施例4〜8および比較例4,5)両端
部の無孔部の幅(長さ)がそれぞれ0.5mm,1m
m,2mm,3.5mm,5mm,7.5mmおよび1
0mmのパンチングシートを用いた以外、実施例1と同
様な方法によりペースト式負極をそれぞれ作製した。つ
づいて、これら負極を用いて実施例1と同様に正極およ
びセパレータと共に渦巻状に捲回し、さらにこれら電極
群およびアルカリ電解液を有底円筒状容器に収納し、封
口板等を取付けることにより前述した図6に示す構造を
有するAAサイズの5種の円筒形ニッケル水素二次電池
を組み立てた。
【0055】得られた実施例4〜8および比較例4,5
の二次電池1000個について、渦巻状に捲回する工程
および電極群を容器内に収納する工程における負極ペー
スト層の剥離の有無から不良率を求めた。その結果を下
記表2に示す。なお、表2には前述した実施例1を併記
する。
【0056】
【表2】
【0057】前記表2から明らかなように、両側部に無
孔部を有し、かつ巻き終わり端部としての無孔部の長さ
が1〜10mmで、これらの無孔部より内側に多数の開
口部を有する帯状のパンチングメタルシートの両面に水
素吸蔵合金粉末および結着剤を含むペーストを所定の条
件で塗布、乾燥し、さらに圧延成形し、裁断することに
より得られた実施例4〜8のペースト式負極は、前記巻
き終わり端部の無孔部の長さが前記範囲を外れる比較例
4,5の負極に比べてペーストに剥離を生じる個数が極
めて低減できることがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、良
好な捲回特性を有し、かつパンチングメタルシートに被
覆されたペースト層の剥離を抑制し得る高密度の負極を
有する渦巻状の電極群を備えたニッケル水素二次電池を
高歩留まりで製造し得る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池の製造に
おける負極の圧延工程を示す斜視図。
【図2】図1の圧延ロール部付近の縦断面図。
【図3】本発明により作製された負極を示す平面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明方法により作製された電極群を示す横断
面図。
【図6】本発明方法により製造されたニッケル水素二次
電池を示す分解斜視図。
【符号の説明】 1a,1b…無孔部、 2…開口部、 3…パンチングメタルシート、 4…ペースト層 6…負極 7…正極、 8…セパレータ、 9…電極群、 10…容器、 12…封口板、 13…絶縁ガスケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 康紀 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 高橋 達 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H016 AA05 AA08 BB02 BB04 BB05 BB09 CC03 CC06 CC09 EE01 EE05 HH01 HH13 5H017 AA02 AS02 BB06 BB09 BB14 CC01 CC05 CC25 DD08 EE04 HH01 HH03 5H028 AA02 AA05 BB03 BB04 BB05 BB07 CC10 CC13 EE01 EE05 HH01 HH05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側部に無孔部を有し、少なくとも巻き
    終わり端部としての無孔部の幅が1〜10mmで、これ
    らの無孔部より内側に多数の開口部を有する帯状のパン
    チングメタルシートの両面に水素吸蔵合金粉末および結
    着剤を含むペーストを前記無孔部を含むペースト層の断
    面厚さが前記開口部領域のペースト層の断面厚さに対し
    て80〜95%になるように塗布、乾燥する工程と、 前記ペースト付パンチングメタルシートをそのパンチン
    グメタルシートの長さ方向に対して軸が直交するように
    配置した一対の圧延ロール間を通して圧延した後、前記
    パンチングメタルシートの幅方向に沿って短冊状に裁断
    することにより前記各無孔部を巻き始め端部および巻き
    終わり端部とするパンチングメタルシートにペースト層
    を形成したぺースト式負極を作製する工程と、 前記ペースト式負極と正極をそれらの間にセパレータを
    介在して渦巻状に捲回した電極群を作製する工程とを具
    備したことを特徴とするニッケル水素二次電池の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010192193A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型アルカリ蓄電池
JP2012014870A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Gs Yuasa Corp 水素吸蔵合金電極及びその製造方法
JP2021022424A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 株式会社豊田自動織機 蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法

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