JP2000133189A - 電子顕微鏡装置 - Google Patents

電子顕微鏡装置

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JP2000133189A
JP2000133189A JP11342406A JP34240699A JP2000133189A JP 2000133189 A JP2000133189 A JP 2000133189A JP 11342406 A JP11342406 A JP 11342406A JP 34240699 A JP34240699 A JP 34240699A JP 2000133189 A JP2000133189 A JP 2000133189A
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electron microscope
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JP11342406A
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Inventor
Takayoshi Kimoto
高義 木本
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National Research Institute for Metals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温および高温環境下でも高分解能で試料の
観察を行なうことのできる、新しい電子顕微鏡装置を提
供する。 【解決手段】 被観察試料の温度制御が行われる電子顕
微鏡装置において、前記試料を冷却する冷却物質の流通
手段とともに、冷却物質調整手段、たとえば循環制御装
置(29)が備えられており、冷却物質調整手段により
冷却物質の流量が調整されて、試料の温度制御が行なわ
れるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、電子顕微
鏡装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願
の発明は、低温および高温環境下でも、高分解能で試料
の観察を行なうことのできる、被観察試料の温度制御が
行われる電子顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、電子顕微鏡を用い
た試料の顕微像観察では、高い分解能での観察を行なう
ために、たとえば写真フィルムへの撮影に、通常2〜4
秒程度の時間を必要としていた。しかしながら、低温ま
たは高温環境下において電子顕微鏡像を観察すると、試
料のわずかな温度変動に起因する試料のドリフトや試料
を冷却するための液体ヘリウムの蒸発やヘリウムの循環
に起因する試料の振動が生じてしまう。このため、2〜
4秒程度もの撮影時間で撮影していたのでは、ドリフト
や振動の影響により撮影像の分解能が室温環境下での分
解能に比べて著しく低い、たとえば約1/10以下とな
ってしまい、低温下での試料の顕微像観察を高分解能で
行なうことは困難であるといった問題があった。
【0003】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、低温および高温環境下でも、高分解能で試料の
観察を行なうことのできる、新しい電子顕微鏡装置を提
供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、被観察試料の
温度制御が行われる電子顕微鏡装置において、前記試料
を冷却する冷却物質の流通手段とともに、冷却物質調整
手段が備えられており、冷却物質調整手段により冷却物
質の流量が調整されて、試料の温度制御が行なわれるこ
とを特徴とする電子顕微鏡装置を提供し、第2には、冷
却物質調整手段は、冷却物質の循環のオン・オフを断続
的に切り替え、そのオン・オフの時間間隔を調整するこ
とにより冷却物質の流量を調整する電子顕微鏡装置を、
第3には、冷却物質が液体ヘリウムまたは液体窒素であ
る電子顕微鏡装置を提供する。
【0005】また、この出願の発明は、第4には、被観
察試料の温度制御が行われる電子顕微鏡装置において、
レーザー照射手段とレーザー強度調整手段とが備えられ
ており、レーザー強度調整手段により強度調整されたレ
ーザーがレーザー照射手段により試料に照射されて、試
料の温度制御が行なわれることを特徴とする電子顕微鏡
装置を提供し、第5には、前記1ないし第3のいずれか
の発明の電子顕微鏡装置において、レーザー照射手段と
レーザー強度調整手段とが備えられており、レーザー強
度調整手段により強度調整されたレーザーがレーザー照
射手段により試料に照射されて、試料の温度制御が行な
われることを特徴とする電子顕微鏡装置を提供する。
【0006】そしてまた、この出願の発明は、以上のと
おりの第1ないし第5のいずれかの発明の電子顕微鏡装
置について、第6には、パルス電圧印加手段、マイクロ
チャネルプレート、およびCCD撮影機が備えられてお
り、パルス電圧印加手段によりマイクロチャネルプレー
トに短時間幅のパルス電圧が印加され、マイクロチャネ
ルプレートに入力された電子顕微鏡像が印加パルス電圧
の短時間幅で連続して出力され、この短時間幅での連続
電子顕微鏡像がCCD撮影機により順次撮影されること
を特徴とする電子顕微鏡装置を提供し、第7には、パル
ス電圧印加手段、マイクロチャネルプレート、CCD撮
影機、撮影像取込手段、位置ズレ計算手段、補正手段、
および重合手段が備えられており、パルス電圧印加手段
によりマイクロチャネルプレートに短時間幅のパルス電
圧が印加され、マイクロチャネルプレートに入力された
電子顕微鏡像は印加パルス電圧の短時間幅で連続して出
力され、この電子顕微鏡像がCCD撮影機により順次撮
影され、撮影像取込手段により撮影像が順次コンピュー
タのRAMに取り込まれ、位置ズレ計算手段によりRA
Mに記憶された撮影像間の位置ズレが計算され、補正手
段により位置ズレを相殺補正した補正像が得られ、重合
手段により補正像を重ね合わせた重合像が得られ、続け
て位置ズレ計算手段により重合像と連続する他の撮影像
間の位置ずれが計算され、補正手段により位置ズレを相
殺補正した補正像が得られ、重合手段により補正像を重
ね合わせた重合像が順次得られる電子顕微鏡装置を、第
8には、パルス電圧印加手段、マイクロチャネルプレー
ト、CCD撮影機、位置ズレ計算手段、シフト制御手
段、電源部、およびイメージシフト用偏向電磁石が備え
られており、パルス電圧印加手段によりマイクロチャネ
ルプレートに短時間幅のパルス電圧が印加され、マイク
ロチャネルプレートに入力された電子顕微鏡像は印加パ
ルス電圧の短時間幅で連続して出力され、この電子顕微
鏡像がCCD撮影機により順次撮影され、位置ズレ計算
手段により任意の二枚の撮影像間の位置ズレが計算さ
れ、シフト制御手段により、位置ズレを相殺するように
電子顕微鏡像をシフトさせる電流をイメージシフト用偏
向電磁石に流すように電源部が制御され、イメージシフ
ト用偏向電磁石により電源部からの電流に従って電子顕
微鏡像がシフトされる電子顕微鏡装置を提供する。
【0007】また、この出願の発明は、上記の第8の発
明の装置において、第9には、電子顕微鏡像がシフトさ
れた後直ちに、再び、パルス電圧印加手段によりマイク
ロチャネルプレートに短時間幅のパルス電圧が印加さ
れ、マイクロチャネルプレートに入力された電子顕微鏡
像は印加パルス電圧の短時間幅で連続して出力され、こ
の電子顕微鏡像がCCD撮影機により順次撮影される電
子顕微鏡装置を、第10には、撮影像取込手段、位置ズ
レ計算手段、補正手段、および重合手段が備えられてお
り、撮影像取込手段により撮影像が順次コンピュータの
RAMに取り込まれ、位置ズレ計算手段によりRAMに
記憶された撮影像間の位置ズレが計算され、補正手段に
より位置ズレを相殺補正した補正像が得られ、重合手段
により補正像を重ね合わせた重合像が得られ、続けて位
置ズレ計算手段により重合像と連続する他の撮影像間の
位置ずれが計算され、補正手段により位置ズレを相殺補
正した補正像が得られ、重合手段により補正像を重ね合
わさせた重合像が順次得られる電子顕微鏡装置を提供す
る。
【0008】さらに、この出願の発明は、第11には、
以上の第6ないし第10のいずれかの発明の装置におい
て、パルス電圧印加手段は、ドリフト中の試料の格子像
を撮影できる程度に短い時間幅のパルス電圧を印加する
電子顕微鏡装置を、第12には、CCD撮影機の撮影制
御手段が備えられており、撮影制御手段により、パルス
電圧の短時間幅と同調させて撮影するように、または一
定時間内に所望の枚数を撮影するようにCCD撮影機が
制御されている電子顕微鏡装置を、第13には、位置ズ
レ計算手段は、一撮影像または一重合像において注目領
域を指定し、次の撮影像において検索領域を指定し、検
索領域内において注目領域と同一な領域を検索し、注目
領域に対する同一領域の位置ズレを計算することで撮影
像間または重合像と撮影像間の位置ズレを計算する電子
顕微鏡装置を、第14には、位置ズレ計算手段は、検索
領域を指定する際に、一回目は注目領域の中心位置と同
一の中心位置となるように、二回目以降は同一領域の中
心位置と同一の中心位置となるように指定する電子顕微
鏡装置をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に沿って実施
例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく
説明する。
【0010】
【実施例】この出願の発明の被観察試料の温度制御が行
われる電子顕微鏡装置については、まず、添付した図面
の図9、図11および図12をもって説明する。図12
は、この出願の発明の一実施例を示した要部分解斜視図
である。図9は、電子顕微鏡装置の構成の概要を示して
おり、図中の符号は次のものに該当している。すなわ
ち、試料(2)、冷却物質(22)、モータ(23)、
電子線(18)、イメージシフト用偏向電極(19)、
電源部(20)、電子増倍手段(4)、YAG蛍光板
(7)、CCD撮影機(6)等である。
【0011】たとえば図9および図11にも例示したよ
うに、従来一般の電子顕微鏡では、試料(2)を冷却す
るために冷却物質(22)、たとえば液体ヘリウムが用
いられており、この冷却物質(22)をポンプなどの循
環装置(26)により循環路(27)を介して循環させ
て、試料(2)を冷却する。そして、温度調整装置(2
4)およびTilt調整装置(25)などにより調節し
ながら、循環冷却物質(22)をヒータ(23)で加熱
して、その温度を調整することにより、試料(2)の温
度を調整している。
【0012】しかしながら、このように冷却物質(2
2)を加熱する方式では、冷却物質(22)が蒸発する
場合があり、冷却物質(22)の循環そのものによる振
動とこの蒸発による振動とにより、試料(2)が振動し
てしまうことがあった。この振動も、ドリフトとともに
電子顕微鏡像の撮影像を悪化させる要因となっている。
そこで、この発明の装置では、このような冷却媒質(2
2)の蒸発に起因する試料(2)の振動を防ぐために、
ヒータ(23)を用いず、冷却物質(22)の流量を調
整する冷却物質調整手段が備えられており、この冷却物
質調整手段による流量調整によって試料(2)の温度制
御を行う。
【0013】冷却物質(22)の流量調整は、たとえば
冷却物質(22)の循環のオン・オフを断続的に切り替
え、そのオン・オフの時間間隔を調整することにより行
うことができる。たとえば、この冷却物質調整手段とし
ては、図11に例示したような既存の循環装置(26)
に対し、たとえばガス流量計(28)との間に、図12
のように循環制御装置(29)を連結し、この循環制御
装置(29)により、所望の時間間隔で循環装置(2
6)のオン・オフを制御して、冷却物質(22)の流量
のオン・オフを断続的に切替えて、試料(2)の温度を
調整できるようにすることができる。
【0014】ヘリウム等の冷却物質(22)の流量をオ
フにし(たとえばオフ時間を55±5秒間とする)、そ
の流れを遅くすれば(=低流量時)、試料(2)の振動
が抑制されるようになる。したがって、流量のオフ制御
時に、前述した短時間連続撮影を行うことにより、振動
の影響が抑制された高分解能の撮影像を得ることができ
る。
【0015】もちろん、冷却物質(22)をヒータ(2
3)で加熱する場合に比べて、冷却物質(22)の蒸発
が抑制されるので、容器内の冷却物質(22)をより長
時間保持することができる。ヘリウム等の冷却物質(2
2)の注入作業は大変であり、温度の再調整も必要とな
り、また冷却物質(22)がなくなると温度が急激に上
昇して観察領域が汚れてしまうといったことが発生する
ので、冷却物質(22)の流量制御は、試料(2)の振
動抑制だけではなく、冷却物質(22)の長時間保持の
利点をも有している。また、ヒータ(23)を使用しな
いことにより冷却物質(22)の急激な蒸発に伴う試料
(2)の振動も抑制でき、この場合の振動抑制は、15
0Kから室温までの比較的高温環境下において特に有効
である。
【0016】なお、流量をオフするという表現を用いて
いるが、これは完全に流量を遮断することではなく、流
れを振動が起こらない程度に少量にするということを意
味している。図13(a)(b)は、各々、循環制御装
置(29)により循環装置(26)をオンおよびオフし
た場合それぞれにおける試料(2)の電子顕微鏡像
(3)の撮影像を例示したものであり、これら図13
(a)(b)から明らかなように、試料(2)の振動が
抑制されて、より鮮明な撮影像が得られたことがわか
る。
【0017】なお、このような冷却物質(22)の流量
調整による試料(2)の温度調整では、試料(2)の振
動は抑制できるが、試料(2)の温度変動が大きくな
り、試料(2)のドリフトの速さがより速くなってしま
う恐れもあるが、前述した位置ズレ計算手段(49)、
シフト制御手段(50)、電源部(51)およびイメー
ジシフト用偏向電磁石(19)などによるリアルタイム
の試料(2)のドリフト抑制調整を組み合わせることに
より、試料(2)の振動およびドリフトの影響を排除す
ることができる。
【0018】また、試料(2)の温度調整としては、上
述した冷却物質(22)の流量調整だけでなく、たとえ
ば図9に例示したように、レーザー発生器や各種光学系
から成るレーザー照射手段(51)およびレーザー強度
調整手段(図示していない)とが備えられ、レーザー照
射手段(51)により試料(2)に照射されるレーザの
照射強度をレーザー強度調整手段により調整することに
より試料の温度制御を行なうこともできる。
【0019】このレーザー照射手段(51)およびレー
ザー強度調整手段を用いたレーザー照射による試料温度
制御は、単独でも効果的に試料(2)の振動を抑制する
ことができ、また上述したこの発明の装置に組み込まれ
ても、さらに効果的に試料(2)振動抑制を実現するこ
とができる。以上のようなこの出願の発明の特徴のある
構成は、さらに以下に例示する電子顕微鏡の構成におい
て有効となる。
【0020】図1は、この出願の発明の一実施例である
電子顕微鏡装置を例示した要部構成図である。この図1
においては、上記説明のとおりの温度制御のための諸手
段は図中への表示としては省略している。この図1に例
示した電子顕微鏡装置では、電子銃(1)からの電子線
(18)が各種レンズ等を通って試料(2)に照射さ
れ、試料(2)を透過した電子線(18)が各種レンズ
等を通って電子レンズにより結像されて、試料の電子顕
微鏡像(3)が得られる従来の透過型電子顕微鏡(=T
EM)が利用されており、この透過型電子顕微鏡におけ
る電子顕微鏡像(3)の出力側には、図2にも例示した
ようなマイクロチャネルプレート(=MCP)(4)が
備えられ、このマイクロチャネルプレート(4)の出力
側にはCCD撮影機(6)が備えられている。
【0021】また後述する図3(b)に例示したような
パルス電圧印加手段(36)も備えられている。また、
図1に示した例では、マイクロチャネルプレート(4)
と電子顕微鏡像(3)の出力側との間に鉛製筒状のX線
遮蔽手段(5)が設けられており、またマイクロチャネ
ルプレート(4)とCCD撮影機(6)との間にはYA
G蛍光板(7)、プリズム(8)、および投影レンズ
(9)が配設されている。CCD撮影機(6)の周辺機
器としては、CCD撮影機(6)の撮影を制御する撮影
制御手段(16)およびCCD撮影機(6)を冷却する
冷却水等の物質を循環させる冷却物質循環器(17)が
備えれられている。
【0022】このような構造を有する電子顕微鏡装置に
おいて、電子顕微鏡(3)はX線遮断手段(5)を通っ
てマイクロチャネルプレート(4)に入力される。この
マイクロチャネルプレート(4)では、たとえば図3
(a)に例示したように、その両端に順方向の電圧を印
加した場合にのみ入力された電子の個数が増幅されなが
ら通過する。したがって、図3(b)に例示したように
パルス電圧印加手段(36)により、マイクロチャネル
プレート(4)の両端に順方向の短時間幅パルス電圧が
印加されると、入力された電子顕微鏡像(3)はマイク
ロチャネルプレート(4)から印加パルス電圧の短時間
幅で連続して出力するようになる。
【0023】そして、マイクロチャネルプレート(4)
から短時間幅で出力した連続電子顕微鏡像(3)は、Y
AG蛍光板(7)を通り、プリズム(8)によって分光
され、投影レンズ(9)を通ってCCD撮影機(6)に
入射し順次撮影される。このようにして電子顕微鏡像
(3)を短時間間隔で撮影、つまり高速撮影することが
でき、よって高温または低温環境下においても試料の電
子顕微鏡像(3)の撮影分解能を向上することができ
る。
【0024】ここで、パルス電圧印加手段(36)は、
ドリフト中の試料の格子像を撮影できる程度に短い時間
幅のパルス電圧を印加することが好ましく、この短時間
幅は、たとえば50ナノ秒等のように極めて短時間であ
り、短ければ短いほどよい。また、CCD撮影機(6)
は、撮影制御手段(16)により、パルス電圧の短時間
幅と同調させて撮影するように、または一定時間内に所
望の枚数を撮影するように制御されていることが好まし
い。
【0025】このような短時間幅のパルス電圧印加およ
び撮影制御によって、電子顕微鏡像(3)の撮影分解能
をさらに向上させて、ドリフト中の試料から格子像の撮
影を実現することができる。また、図1に示した例で
は、エアーシリンダ(10)が、その可動部がマイクロ
チャネルプレート(4)とYAG蛍光板(7)とプリズ
ム(8)とを固定した設置台(11)(図2においては
内蔵器)に接続されて、備えられており、このエアーシ
リンダ(10)の可動部を引き出し・格納させることで
任意に設置台(11)(または内蔵器)、つまりマイク
ロチャネルプレート(4)とYAG蛍光板(7)とプリ
ズム(8)を電子顕微鏡像(3)の出力側に設けること
ができ、電子顕微鏡像(3)の高速撮影を必要時、たと
えば高温または低温環境下での観察時において任意に行
えるようになっている。
【0026】なお、図1においては、プリズム(8)に
より分光された電子顕微鏡像(3)の他方が、シャッタ
ー(30)、YAG蛍光板(31)、および光ファイバ
ープレート(32)を介してCCD撮影機(33)によ
って撮影され、その撮影像が撮影機コントローラ(3
4)を介してコンピュータ本体(13)に送られ、コン
ピュータ本体(13)により電子顕微鏡像(3)の回折
強度が計測されるようにもなっている。
【0027】また、CCD撮影機(6)としては、CC
DカメラやCCDビデオカメラなどを用いることができ
るが、電子顕微鏡像(3)の撮影をより高速に行う観点
からCCDカメラの方が好ましい。CCDカメラは、画
像の蓄積と高速読込の両方が可能なデュアルモードのも
のがより好ましく、この場合短時間撮影時には高速読込
モードを使用する。
【0028】ところで、上述のように高速撮影された電
子顕微鏡像(3)は、結像に寄与する電子の個数が少な
い、つまりS/N比が低いために、画像の低下が生じる
恐れがある。そこで、この発明の装置では、以下のよう
にして撮影像のS/N比の向上を図ることができる。す
なわち、たとえば図4に例示したように、撮影像取込手
段(37)、位置ズレ計算手段(38)、補正手段(3
9)、および重合手段(40)が備えられ、まず、撮影
像取込手段(37)によりCCD撮影機(6)により撮
影された連続撮影像が順次コンピュータ本体(13)の
RAM(41)に取り込まれる。次いで、位置ズレ計算
手段(38)によりRAM(41)に記憶された撮影像
間の位置ズレが計算され、補正手段(39)により位置
ズレを相殺補正した補正像が得られ、重合手段(40)
により補正像を重ね合わせた重合像が得られ、続けて位
置ズレ計算手段(37)により重合像と連続する他の撮
影像間の位置ずれが計算され、補正手段(38)により
位置ズレを相殺補正した補正像が得られ、重合手段(3
9)により補正像を重ね合わさせた重合像が順次得られ
る。そして、最終的に得られた一枚の重合像がS/N比
の良好な撮影像となる。
【0029】この場合さらに説明すると、図1に例示し
た装置では、記憶手段(12)と、CPUやRAMメモ
リ等を備えたコンピュータ本体(13)と、モニタ(1
4)およびプリンタ(15)等の周辺装置とによりなる
コンピュータシステムが接続されており、このコンピュ
ータシステムにおいて、撮影像取込手段(37)、位置
ズレ計算手段(38)、補正手段(39)、および重合
手段(40)はそれぞれ、図4に例示したように上述の
各処理を行うソフトウェアとされている。また、コンピ
ュータ本体(13)内のRAM(41)は、複数の撮影
像を記憶することのできる容量(たとえば一枚2MBの
撮影像を160枚記憶できる容量)を有するものが用い
られており、記憶手段(12)は、磁気ディスクや光デ
ィスクなどのデータ記憶媒体とすることができる。この
記憶手段(12)は、図1に例示したように別体ではな
く、コンピュータ本体(13)に内蔵されていてもよ
い。CCD撮影機(6)による撮影像は、コンピュータ
本体(13)のRAM(41)に記憶させるためにデジ
タルデータである必要があり、たとえば撮影制御手段
(16)にA/D変換器を内蔵させて、このA/D変換
器により撮影像をデジタルデータに変換することができ
る。
【0030】このようなコンピュータシステムにおい
て、ソフトウェアである撮影像取込手段(37)、位置
ズレ計算手段(38)、補正手段(39)、および重合
手段(40)がそれぞれコンピュータ本体(13)のC
PU等により実行されると、まず、撮影像取込手段(3
7)により撮影像が順次コンピュータ本体(13)のR
AM(41)に記憶される。この記憶は、たとえば毎秒
5枚の速さで行うことができる。
【0031】次いで、位置ズレ計算手段(38)によ
り、RAM(41)に記憶された一枚目の撮影像に対す
る二枚目の撮影像の位置ズレが計算され、補正手段(3
9)によりその位置ズレを相殺するように二枚目の撮影
像が補正されて補正像が得られ、この補正像が、重合手
段(40)により一枚目の撮影像に重ね合わされて重合
像が得られる。
【0032】続いて、位置ズレ計算手段(38)により
重合像に対する三枚目の撮影像の位置ずれが計算され、
補正手段(39)により三枚目の撮影像が位置ズレを相
殺するように補正され、得られた補正像が重合手段(4
0)により重合像に重ね合わされて次の重合像が得られ
る。そして、この一連の位置ズレ計算、位置ズレ補正お
よび画像重合せ処理が、重合像および連続する他の撮影
像に順次施されて、最終的に一枚の重合像が得られる。
【0033】ここで、位置ズレ計算手段(38)による
位置ズレ計算処理をより具体的に説明する。まず、図5
(a)に例示したように一枚目の撮影像において任意範
囲の注目領域K(Kernel Areaとも呼ぶ)を
指定し、図5(b)に例示したように二枚目の撮影像に
おいて検索領域I(Search Areaとも呼ぶ)
を指定する。検索領域Iは、注目領域Kの中心位置と同
じ中心位置であり、注目領域Kの範囲よりも大きな範囲
を有するものである。この中心位置(図中x印)とは、
各領域における対称軸の交点の位置のことである。
【0034】この検索領域I内において注目領域Kと同
一な領域(同一領域Sと呼ぶ)が検索される。たとえ
ば、まず検索領域Iにおいて注目領域Kと同範囲な領域
(同範囲領域Rと呼ぶ)を一画素ずつずらし、各位置に
おける同範囲領域R内の画像強度と注目領域K内の画像
強度との差分の総和が計算される。この計算は、たとえ
ば次式により行われる。
【0035】
【数1】
【0036】但し、K(i,j)およびI(i,j)は
それぞれ、注目領域Kおよび検索領域Iそれぞれにおけ
る各画素(i,j)の強度値である。なお、強度値は、
電子顕微鏡像が濃淡画像であるのでその輝度値(濃度
値)である。次いで、この数1の計算により得られた差
分総和=o(n,m)が最小となる(n,m)が検索さ
れる。つまり、差分総和が最も小さくなる同範囲領域R
が注目領域Kと同一な領域Sであるとして検索される。
【0037】そして、検索された同一領域Sの注目領域
Kに対する位置ズレ、たとえば中心位置のズレ距離およ
びズレ方向が計算されて、この位置ズレが撮影像間の位
置ズレとされる。図5(c)に例示した同一領域Sは、
図5(a)における注目領域Kと比べて右上方向にずれ
ており、そのズレ方向およびズレ距離と同じ方向および
距離だけ、図5(c)の撮影像全体も図5(a)の撮影
像に対してずれていることがわかり、このズレが、コン
ピュータにより、上述した位置ズレ計算手段(38)の
一連の処理が実行されて自動認識されるのである。
【0038】このような位置ズレ計算の後、補正手段
(39)により二枚目の撮影像に位置ズレの相殺補正が
施される。この相殺補正は、たとえば二枚目の撮影像の
中心位置が、ズレ方向とは反対方向にズレ距離分だけず
らされて、一枚目の撮影像の中心位置と一致するように
行われる。そして、このように位置ズレ相殺補正されて
得られた補正像が、重合手段(40)により、一枚目の
撮影像に重ね合わされて重合像が得られる。この重ね合
わせは、両撮影像における対応する各画素の強度値が加
算されることにより行われる。
【0039】続いて、上述の一連の各処理が重合像と連
続する他の撮影像とに対して施すのであるが、位置ズレ
計算手段(38)は、検索領域Iを指定する際に、一回
目の位置ズレ計算では注目領域Kの中心位置と同一の中
心位置となるように指定し、二回目以降の計算では順
次、図5(d)に例示したように前回の計算時に検索さ
れた同一領域Sの中心位置と同一の中心位置となるよう
に指定することが好ましい。このように二回目以降にお
ける検索領域Iを順次ずらしていくことにより(範囲は
同じまま)、検索時間を大幅に削減することができる。
【0040】以上のようにして得られた一枚の重合像
は、複数枚の撮影層がそれぞれの位置が揃えられて重ね
合わされて成るものなので、高いS/N比を有してお
り、したがって、S/N比の向上が実現され、画質の良
い撮影像で試料の電子顕微鏡像を観察することができる
ようになる。なお、以上の説明では、便宜上、撮影像を
一枚目、二枚目・・・としているが、RAMに記憶され
た連続する撮影像において、必ず一枚目の撮影像から処
理する必要はなく、任意の一撮影像を一枚目の撮影像と
して選ぶことができ、それ以降の撮影像も、連続して二
枚目、三枚目・・・としても、任意の枚数毎に二枚目、
三枚目・・・としてもよい。
【0041】また、位置ズレ計算手段(38)による位
置ズレ計算処理の前には、公知のフラットフィールディ
ング処理を各取込撮影像に施して、さらなるS/N比の
向上を図るようにされていてもよい。さらにまた、重合
像には、公知のフーリエ変換によるノイズ除去を施して
も、S/N比をより高くすることができる。図1に例示
した装置におけるコンピュータシステムにおいては、位
置ズレ計算手段(38)、補正手段(39)、および重
合手段(40)による一連の各処理が実行される際、図
6に例示したような処理表示がモニタ(14)に現れる
ようになっている。この図6に例示した処理表示におい
て、読込画像表示部(42)には位置ズレ計算処理およ
び位置ズレ補正処理が施される撮影像が表示され、重合
像表示部(43)には重ね合わせ処理により得られた重
合像が表示され、さらに実寸表示部(44)には注目領
域Kおよび重合像が実寸で表示される。検索領域Iの範
囲については、スライド式選択部(45)により、注目
領域Kよりどの程度大きなものとするかを、たとえば注
目領域Kの周りのピクセル量をもって、任意に選択でき
るようになっている。
【0042】各手段による各処理は、撮影像リスト表示
部(46)に表示される撮影像のリストの中から、開始
撮影像指定部(47)および終了撮影像指定部(48)
において開始撮影像および終了撮影像を選択するだけ
で、開始撮影像から終了撮影像までの全ての撮影像が位
置ズレ補正され、全ての補正像が重ね合わされて最終重
合像が得られるまで、全て自動でコンピュータにより行
なわれるようになっている。さらにまた、この全自動処
理だけでなく、一部手動処理も可能となっている。すな
わち、位置ズレ計算および補正処理の度に、読込画像表
示部(42)においてRAM(41)に記憶された撮影
像が順次読み込まれて表示され、各撮影像を実際に確認
し、たとえば鮮明でないものなどを省きながら、それら
の処理を施すに好ましい選択像を操作者が手動選択で
き、さらに重合処理により得られた重合像を実際に重合
像表示部(48)で確認し、十分なS/N比を得られた
とした場合に処理の継続を任意に終了することができる
ようになっている。
【0043】ここで、この発明の装置を用いて、実際に
試料(2)の電子顕微鏡像(3)を撮影したのでその結
果を例示する。図7(a)は、一枚目の撮影像を拡大例
示したもの、図7(b)は、一枚目の撮影像の撮影時か
ら6秒経過した時の30枚目の撮影像を拡大例示したも
のであり、そして図7(c)は、図7(a)の一枚目の
撮影像から図7(b)の30枚目の撮影像までの各連続
撮影像29枚を位置ズレ補正して重ね合わせた最終重合
像を拡大例示したものである。各撮影像の撮影時間は
0.1秒である。これら図7(a)(b)と比較して図
7(c)の最終重合像は、画質が明らかに向上している
ことがわかる。なお、図7(a)における矢印bおよび
cは、それぞれ、この実施例において試料(2)として
用いたBi2223と呼ばれる酸化物高温超伝導体(結
晶)の結晶b軸方向およびc軸方向を示している。
【0044】また、図8(a)(b)は、各々、従来通
りに撮影時間1秒および100m秒で電子顕微鏡像を一
回撮影した際の撮影像を拡大例示したものであり、図8
(c)は、図7(c)の最終重合像において位置ズレ補
正・重合により発生した画像右端・上端部のズレ部分を
削除した重合像を例示したものである。これら図8
(a)(b)(c)に例示した各撮影像における1画素
のS/N比(×√30)は、順に9.5、3.0、1
6.4となっており、この発明による図8(c)の最終
重合像は、格段にS/N比が高く、良い画質となってい
ることがわかる。
【0045】ところで、上述した高速撮影や画像調整な
どは、電子顕微鏡像(3)の撮影および撮影像の画質調
整に関するものである。しかしながら、撮影像をより効
果的に鮮明なものとして、低温および高温環境下での電
子顕微鏡像(3)のより優れた観察を実現するために
は、電子顕微鏡像(3)自体に対してドリフトの影響を
抑制する対応を施すことが望ましい。
【0046】そこで、この発明の装置は、図9および図
10に例示したように、パルス電圧印加手段(36)、
マイクロチャネルプレート(4)およびCCD撮影機
(6)の他に、位置ズレ計算手段(49)、シフト制御
手段(50)、電源部(20)およびイメージシフト用
偏向電磁石(19)を備え、位置ズレ計算手段(49)
により任意の二枚の撮影像間の位置ズレが計算され、シ
フト制御手段(50)により、位置ズレを相殺するよう
に電子顕微鏡像(3)をシフトさせる電流をイメージシ
フト用偏向電磁石(19)に流すように電源部(20)
が制御され、イメージシフト用偏向電磁石(19)によ
り電源部(20)からの電流に従って電子顕微鏡像
(3)がドリフト発生前の位置にシフトされるようにな
っている。
【0047】この場合さらに説明すると、位置ズレ計算
手段(49)およびシフト制御手段(50)は、コンピ
ュータシステムにおいて、上述の処理を行うソフトウェ
アとされている。その他のパルス電圧印加手段(3
6)、マイクロチャネルプレート(4)およびCCD撮
影機(6)は、前述した図1〜図3に例示したものと同
じものが用いられる。また、コンピュータ本体(13)
と電源部(20)とはA/D変換器(21)を介して接
続されており、電源部(20)はイメージシフト用偏向
電磁石(19)に接続されている。
【0048】このような構成を有する電子顕微鏡装置に
おいては、まず、予め電流とその電流による実際の電子
顕微鏡像(3)のシフトとの関係を求めておくコイルキ
ャリブレーションを行っておく必要がある。すなわち、
まず、イメージシフト用偏向電磁石(19)に流すX方
向とY方向の電流制御用の電圧値と、その電圧値に従っ
たイメージシフト用偏向電磁石(19)により実際に移
動する電子顕微鏡像(3)の移動方向および移動量との
キャリブレーションを行う。パルス電圧印加手段(3
6)、マイクロチャネルプレート(4)およびCCD撮
影機(6)により上述したように電子顕微鏡像(3)の
3枚の撮影像を短時間撮影する。一枚目は電流を流さず
イメージシフトを働かせない場合の撮影像、二枚目はX
方向に一定電圧を印加してイメージシフトを働かせた場
合の撮影像、三枚目はX方向に一定電圧を印加してイメ
ージシフトを働かせた場合の撮影像とする。一定電圧の
印加は電源部(20)により行われる。
【0049】これら3枚の撮影像に対して、位置ズレ計
算手段(49)により位置ズレ計算処理を施す。この位
置ズレ計算処理は、前述したように位置ズレ計算手段
(38)により行われた処理と同様にして、一枚目の撮
影像において注目領域Kを指定し、二枚目および三枚目
それぞれにおいて検索領域Iを指定し、それぞれの検索
領域I内において注目領域Kと同一な領域Sを検索し、
この同一領域Sと注目領域Kとの位置ズレを計算するこ
とにより、一枚目の撮影像と二枚目および三枚目それぞ
れの撮影像との位置ズレが計算される。この位置ズレに
より、X方向およびY方向それぞれへの一定電圧により
どれだけの位置ズレ、つまり電子顕微鏡像(3)のイメ
ージシフトが実現されるかが求められる。さらに、この
キャリブレーションを電子顕微鏡の倍率毎に行ってお
く。
【0050】このようなコイルキャリブレーションは、
実際のイメージシフトを効果的に実現させるために極め
て重要な準備事項であり、キャリブレーションに用いた
3枚の撮影像は、室温状態であって、電子顕微鏡像
(3)のドリフトがほとんどない状態において、短時間
に連続的に撮影されることが好ましい。そして、コイル
キャリブレーションの結果、つまり倍率毎におけるX方
向およびY方向の一定電圧と位置ズレ値との関係は、低
温または高温環境下での電子顕微鏡像(3)の観察時に
使用できるように記憶される。
【0051】さて、低温または高温環境下での電子顕微
鏡像(3)の観察では、まず、パルス電圧印加手段(3
6)、マイクロチャネルプレート(4)およびCCD撮
影機(6)により上述したように得られる電子顕微鏡像
(3)の短時間幅での連続撮影像の中から、二枚の撮影
像が任意に選択され、これらの撮影像間の位置ズレが位
置ズレ計算手段(49)により計算される。この位置ズ
レ計算は、前述した位置ズレ計算手段(38)による計
算と同様にして行われる。
【0052】次いで、シフト制御手段(50)により、
位置ズレ方向および位置ズレ距離などの位置ズレ値に基
づき、それらを相殺するように電子顕微鏡像(3)をシ
フトさせる電流、つまり電子顕微鏡像(3)を静止させ
る電流をイメージシフト用偏向電磁石(19)に流すよ
うに電源部(20)が制御される。具体的には、予め記
憶されている上述のコイリキャリブレーションの結果を
用いて、計算された位置ズレ値に対応する一定電圧値を
イメージシフト用偏向電磁石(19)に印加するように
電源部(20)が制御される。シフト制御手段(50)
からの制御信号は、A/D変換器(21)を介して電源
部(20)に送られる。
【0053】そして、イメージシフト用偏向電磁石(1
9)により、電源部(20)からの印加電圧による電流
に従って電子顕微鏡像(3)が、ドリフトが発生する前
の位置にシフトされる。つまり電子顕微鏡像(3)自体
からドリフトによるシフト影響を取り除くことができ
る。以上のシフト後直ちに、再びパルス電圧印加手段
(36)、マイクロチャネルプレート(4)およびCC
D撮影機(6)を用いて前述したように電子顕微鏡像
(3)の高速撮影を行うことにより、ドリフトの影響が
除去されたさらに鮮明な撮影像を得ることができるよう
になる。
【0054】このように、この発明の装置では、リアル
タイムに、コンピュータにより電子顕微鏡像(3)に対
してドリフトの影響を除去するイメージシフトを働かせ
つつ、短時間露出の高速撮影を連続的に行うことによ
り、試料(2)が低温・高温環境下においてドリフトし
ても、電子顕微鏡像(3)はドリフトせず、よってドリ
フト影響のない撮影像を観察することができ、さらに高
分解能で低温・高温環境下での試料の観察が実現され
る。
【0055】なお、以上の位置ズレ計算、イメージシフ
ト制御などの一連の各処理は、コンピュータにより連続
して行われるようになっていてもよい。この場合では、
たとえば、まずモニタ(14)に撮影像が順次表示され
るとともに、モニタ(14)上の撮影像には注目領域K
と検索領域Iとが常に表示されており、操作者が、この
モニタ(14)上の連続撮影像を見ながら、なるべく明
瞭で小さなマーク(たとえば格子像)が注目領域Kの中
に入った瞬間に、たとえばモニタ(14)上に表示され
ているスタートボタンをマウスやキーボード等の入力に
より選択する。
【0056】このスタートボタンの選択を持って、コン
ピュータが上述の一連の処理を行う。ところで、すでに
説明したことを再度繰り返すが、この出願の発明では、
より効果的に、被観察試料の温度制御が行われることに
なる。すなわち、たとえば図9および図11にも例示し
たように、従来一般の電子顕微鏡では、試料(2)を冷
却するために冷却物質(22)、たとえば液体ヘリウム
が用いられており、この冷却物質(22)をポンプなど
の循環装置(26)により循環路(27)を介して循環
させて、試料(2)を冷却する。そして、温度調整装置
(24)およびTilt調整装置(25)などにより調
節しながら、循環冷却物質(22)をヒータ(23)で
加熱して、その温度を調整することにより、試料(2)
の温度を調整している。
【0057】しかしながら、このように冷却物質(2
2)を加熱する方式では、冷却物質(22)が蒸発する
場合があり、冷却物質(22)の循環そのものによる振
動とこの蒸発による振動とにより、試料(2)が振動し
てしまうことがあった。この振動も、ドリフトとともに
電子顕微鏡像の撮影像を悪化させる要因となっている。
そこで、この発明の装置では、このような冷却媒質(2
2)の蒸発に起因する試料(2)の振動を防ぐために、
ヒータ(23)を用いず、冷却物質(22)の流量を調
整する冷却物質調整手段が備えられており、この冷却物
質調整手段による流量調整によって試料(2)の温度制
御を行う。
【0058】冷却物質(22)の流量調整は、たとえば
冷却物質(22)の循環のオン・オフを断続的に切り替
え、そのオン・オフの時間間隔を調整することにより行
うことができる。たとえば、この冷却物質調整手段とし
ては、図11に例示したような既存の循環装置(26)
に対し、たとえばガス流量計(28)との間に、図12
のように循環制御装置(29)を連結し、この循環制御
装置(29)により、所望の時間間隔で循環装置(2
6)のオン・オフを制御して、冷却物質(22)の流量
のオン・オフを断続的に切替えて、試料(2)の温度を
調整できるようにすることができる。
【0059】ヘリウム等の冷却物質(22)の流量をオ
フにし(たとえばオフ時間を55±5秒間とする)、そ
の流れを遅くすれば(=低流量時)、試料(2)の振動
が抑制されるようになる。したがって、流量のオフ制御
時に、前述した短時間連続撮影を行うことにより、振動
の影響が抑制された高分解能の撮影像を得ることができ
る。
【0060】もちろん、冷却物質(22)をヒータ(2
3)で加熱する場合に比べて、冷却物質(22)の蒸発
が抑制されるので、容器内の冷却物質(22)をより長
時間保持することができる。ヘリウム等の冷却物質(2
2)の注入作業は大変であり、温度の再調整も必要とな
り、また冷却物質(22)がなくなると温度が急激に上
昇して観察領域が汚れてしまうといったことが発生する
ので、冷却物質(22)の流量制御は、試料(2)の振
動抑制だけではなく、冷却物質(22)の長時間保持の
利点をも有している。また、ヒータ(23)を使用しな
いことにより冷却物質(22)の急激な蒸発に伴う試料
(2)の振動も抑制でき、この場合の振動抑制は、15
0Kから室温までの比較的高温環境下において特に有効
である。
【0061】なお、流量をオフするという表現を用いて
いるが、これは完全に流量を遮断することではなく、流
れを振動が起こらない程度に少量にするということを意
味している。図13(a)(b)は、各々、循環制御装
置(29)により循環装置(26)をオンおよびオフし
た場合それぞれにおける試料(2)の電子顕微鏡像
(3)の撮影像を例示したものであり、これら図13
(a)(b)から明らかなように、試料(2)の振動が
抑制されて、より鮮明な撮影像が得られたことがわか
る。
【0062】なお、このような冷却物質(22)の流量
調整による試料(2)の温度調整では、試料(2)の振
動は抑制できるが、試料(2)の温度変動が大きくな
り、試料(2)のドリフトの速さがより速くなってしま
う恐れもあるが、前述した位置ズレ計算手段(49)、
シフト制御手段(50)、電源部(51)およびイメー
ジシフト用偏向電磁石(19)などによるリアルタイム
の試料(2)のドリフト抑制調整を組み合わせることに
より、試料(2)の振動およびドリフトの影響を排除す
ることができる。
【0063】また、試料(2)の温度調整としては、上
述した冷却物質(22)の流量調整だけでなく、たとえ
ば図9に例示したように、レーザー発生器や各種光学系
から成るレーザー照射手段(51)およびレーザー強度
調整手段(図示していない)とが備えられ、レーザー照
射手段(51)により試料(2)に照射されるレーザの
照射強度をレーザー強度調整手段により調整することに
より試料の温度制御を行なうこともできる。
【0064】このレーザー照射手段(51)およびレー
ザー強度調整手段を用いたレーザー照射による試料温度
制御は、単独でも効果的に試料(2)の振動を抑制する
ことができ、また上述したこの発明の装置に組み込まれ
ても、さらに効果的に試料(2)振動抑制を実現するこ
とができる。もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、低温および高温環境下でも、高分解能で試料の観
察を行なうことのできる、新しい電子顕微鏡装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子顕微鏡装置を例示した要部構成図である。
【図2】マイクロチャネルプレート(4)の一例を示し
た拡大斜視図である。
【図3】(a)(b)は、各々、マイクロチャネルプレ
ート(4)への電圧印加を例示した概念図である。
【図4】コンピュータシステムにおける各手段の一構成
例を示したブロック図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)は、各々、位置ズレ
計算手段(38)による位置ズレ計算処理の一例を示し
た概念図である。
【図6】位置ズレ計算手段(38)、補正手段(3
9)、および重合手段(40)の実行に伴うコンピュー
タシステムのモニタにおける処理表示の一例を示した図
である。
【図7】(a)(b)は、各々、この発明の装置による
一枚目および30枚目の撮影像を拡大例示した図面に代
わる写真であり、(c)は、最終重合像を拡大例示した
図面に代わる写真である。
【図8】(a)(b)は、各々、従来通りに撮影時間1
秒および100m秒で電子顕微鏡像を一回撮影した際の
撮影像を拡大例示した図面に代わる写真であり、(c)
は、この発明の装置により得られた最終撮影像を拡大例
示した図面に代わる写真である。
【図9】この発明の別の一実施例である電子顕微鏡装置
を例示した要部構成図である。
【図10】コンピュータシステムにおける各手段の一構
成例を示したブロック図である。
【図11】従来の冷却物質加熱方式の一例を示した要部
構成図である。
【図12】この発明の電子顕微鏡装置における冷却物質
循環制御方式の一例を示した要部構成図である。
【図13】(a)(b)は、各々、循環制御装置(2
9)により循環装置(26)をオンおよびオフした場合
それぞれにおける試料(2)の電子顕微鏡像(3)の撮
影像を例示した図面に代わる写真である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 試料 3 電子顕微鏡像 4 電子倍増手段 5 X線遮蔽手段 6 CCD撮影機 7 YAG傾向板 8 プリズム 9 投射レンズ 10 エアーシリンダ 11 設置台 12 記憶手段 13 コンピュータ本体 14 モニタ 15 プリンタ 16 撮影制御手段 17 冷却水循環器 18 電子線 19 イメージシフト用偏向電磁石 20 電源部 21 A/D変換器 22 冷却物質 23 ヒータ 24 温度調整装置 25 Tilt調整装置 26 循環手段 27 循環路 28 ガス流量計 29 循環制御装置 30 シャッター 31 YAG蛍光板 32 光ファイバープレート 33 CCD撮影機 34 撮影機コントローラ 35 冷却水循環器 36 パルス電圧印加手段 37 撮影像取込手段 38 位置ズレ計算手段 39 補正手段 40 重合手段 41 RAM 42 読込画像表示部 43 重合像表示部 44 実寸表示部 45 スライド式選択部 46 撮影像リスト表示部 47 開始撮影像表示部 48 終了撮影像表示部 49 位置ズレ計算手段 50 シフト制御手段 51 レーザー照射手段

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被観察試料の温度制御が行われる電子顕
    微鏡装置において、前記試料を冷却する冷却物質の流通
    手段とともに、冷却物質調整手段が備えられており、冷
    却物質調整手段により冷却物質の流量が調整されて、試
    料の温度制御が行なわれることを特徴とする電子顕微鏡
    装置。
  2. 【請求項2】 冷却物質調整手段は、冷却物質の循環の
    オン・オフを断続的に切り替え、そのオン・オフの時間
    間隔を調整することにより冷却物質の流量を調整する請
    求項1の電子顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 冷却物質が液体ヘリウムまたは液体窒素
    である請求項1または2の電子顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 被観察試料の温度制御が行なわれる電子
    顕微鏡装置において、レーザー照射手段とレーザー強度
    調整手段とが備えられており、レーザー強度調整手段に
    より強度調整されたレーザーがレーザー照射手段により
    試料に照射されて、試料の温度制御が行なわれることを
    特徴とする電子顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかの電子顕微
    鏡装置において、レーザー照射手段とレーザー強度調整
    手段とが備えられており、レーザー強度調整手段により
    強度調整されたレーザーがレーザー照射手段により試料
    に照射されて、試料の温度制御が行なわれることを特徴
    とする電子顕微鏡装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの電子顕微
    鏡装置において、パルス電圧印加手段、マイクロチャネ
    ルプレート、およびCCD撮影機が備えられており、パ
    ルス電圧印加手段によりマイクロチャネルプレートに短
    時間幅のパルス電圧が印加され、マイクロチャネルプレ
    ートに入力された電子顕微鏡像が印加パルス電圧の短時
    間幅で連続して出力され、この短時間幅での連続電子顕
    微鏡像がCCD撮影機により順次撮影されることを特徴
    とする電子顕微鏡装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかの電子顕微
    鏡装置において、パルス電圧印加手段、マイクロチャネ
    ルプレート、CCD撮影機、撮影像取込手段、位置ズレ
    計算手段、補正手段、および重合手段が備えられてお
    り、パルス電圧印加手段によりマイクロチャネルプレー
    トに短時間幅のパルス電圧が印加され、マイクロチャネ
    ルプレートに入力された電子顕微鏡像は印加パルス電圧
    の短時間幅で連続して出力され、この電子顕微鏡像がC
    CD撮影機により順次撮影され、撮影像取込手段により
    撮影像が順次コンピュータのRAMに取り込まれ、位置
    ズレ計算手段によりRAMに記憶された撮影像間の位置
    ズレが計算され、補正手段により位置ズレを相殺補正し
    た補正像が得られ、重合手段により補正像を重ね合わせ
    た重合像が得られ、続けて位置ズレ計算手段により重合
    像と連続する他の撮影像間の位置ずれが計算され、補正
    手段により位置ズレを相殺補正した補正像が得られ、重
    合手段により補正像を重ね合わさせた重合像が順次得ら
    れる電子顕微鏡装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかの電子顕微
    鏡装置において、パルス電圧印加手段、マイクロチャネ
    ルプレート、CCD撮影機、位置ズレ計算手段、シフト
    制御手段、電源部およびイメージシフト用偏向電磁石が
    備えられており、パルス電圧印加手段によりマイクロチ
    ャネルプレートに短時間幅のパルス電圧が印加され、マ
    イクロチャネルプレートに入力された電子顕微鏡像は印
    加パルス電圧の短時間幅で連続して出力され、この電子
    顕微鏡像がCCD撮影機により順次撮影され、位置ズレ
    計算手段により任意の二枚の撮影像間の位置ズレが計算
    され、シフト制御手段により、位置ズレを相殺するよう
    に電子顕微鏡像をシフトさせる電流をイメージシフト用
    偏向電磁石に流すように電源部が制御され、イメージシ
    フト用偏向電磁石により電源部からの電流に従って電子
    顕微鏡像がシフトされる電子顕微鏡装置。
  9. 【請求項9】 電子顕微鏡像がシフトされた後直ちに、
    再び、パルス電圧印加手段によりマイクロチャネルプレ
    ートに短時間幅のパルス電圧が印加され、マイクロチャ
    ネルプレートに入力された電子顕微鏡像は印加パルス電
    圧の短時間幅で連続して出力され、この電子顕微鏡像が
    CCD撮影機により順次撮影される請求項8の電子顕微
    鏡装置。
  10. 【請求項10】 撮影像取込手段、位置ズレ計算手段、
    補正手段、および重合手段が備えられており、撮影像取
    込手段により撮影像が順次コンピュータのRAMに取り
    込まれ、位置ズレ計算手段によりRAMに記憶された撮
    影像間の位置ズレが計算され、補正手段により位置ズレ
    を相殺補正した補正像が得られ、重合手段により補正像
    を重ね合わせた重合像が得られ、続けて位置ズレ計算手
    段により重合像と連続する他の撮影像間の位置ずれが計
    算され、補正手段により位置ズレを相殺補正した補正像
    が得られ、重合手段により補正像を重ね合わさせた重合
    像が順次得られる請求項9の電子顕微鏡装置。
  11. 【請求項11】 パルス電圧印加手段は、ドリフト中の
    試料の格子像を撮影できる程度に短い時間幅のパルス電
    圧を印加する請求項6ないし10のいずれかの電子顕微
    鏡装置。
  12. 【請求項12】 CCD撮影機の撮影制御手段が備えら
    れており、撮影制御手段により、パルス電圧の短時間幅
    と同調させて撮影するように、または一定時間内に所望
    の枚数を撮影するようにCCD撮影機が制御されている
    請求項6ないし11のいずれかの電子顕微鏡装置。
  13. 【請求項13】 位置ズレ計算手段は、一撮影像または
    一重合像において注目領域を指定し、次の撮影像におい
    て検索領域を指定し、検索領域内において注目領域と同
    一な領域を検索し、注目領域に対する同一領域の位置ズ
    レを計算することで撮影像間または重合像と撮影像間の
    位置ズレを計算する請求項7ないし12のいずれかの電
    子顕微鏡装置。
  14. 【請求項14】 位置ズレ計算手段は、検索領域を指定
    する際に、一回目は注目領域の中心位置と同一の中心位
    置となるように、二回目以降は同一領域の中心位置と同
    一の中心位置となるように指定する請求項13の電子顕
    微鏡装置。
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