JP2000132349A - 描画処理装置 - Google Patents

描画処理装置

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JP2000132349A
JP2000132349A JP10299306A JP29930698A JP2000132349A JP 2000132349 A JP2000132349 A JP 2000132349A JP 10299306 A JP10299306 A JP 10299306A JP 29930698 A JP29930698 A JP 29930698A JP 2000132349 A JP2000132349 A JP 2000132349A
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JP10299306A
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Masao Morita
雅夫 森田
Kazutaka Hayashi
千登 林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎結合された並列処理システム環境下で描画
処理領域を分割して描画処理を行なうときの描画処理の
スループットを向上させる。 【解決手段】 描画処理装置100は、ネットワーク3
00に接続された分配・回収用処理装置110、描画処
理用処理装置120、130、140から構成されてい
る。分配・回収用処理装置110には出力装置200が
接続されている。分配・回収用処理装置110は、描画
データを受け取って負荷予測を行い、描画処理用処理装
置120、130、140にその処理能力に応じた負荷
を割り当てる。各描画処理用処理装置120、130、
140は割り当てられた領域の描画データを処理して処
理結果を分配・回収用処理装置110に返す。分配・回
収用処理装置110は、このように返された処理結果を
合成して出力装置200に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は描画処理装置に関
し、特に、描画命令を入力として描画処理を行う描画処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ページプリンタでは、Inter
press(米国ゼロックス社の商標)やPostSc
ript(米国アドビ・システムズ社の商標)などのP
DL(ページ記述言語)を入力として印刷を実行してい
る。
【0003】このようなPDLを入力として印刷を実行
する際には、PDL形式のデータからラスタ出力デバイ
スに適した形式のデータに変換するイメージング処理を
行う必要がある。ところが、一般にイメージング処理に
かかる時間は非常に長く、このことは特に高速のページ
プリンタに出力するシステムなどでは問題となってい
た。
【0004】例えば、カラーの高速ページプリンタは毎
分40枚以上の出力能力を持つものがあるにもかかわら
ず、イメージング処理にかかる時間は、10数秒から数
分かかってしまい、高価な高速ページプリンタの能力を
十分に生かせなかった。したがって、イメージング処理
を高速に行うために、並列描画処理を行う必要がある。
【0005】図1は、描画領域を均等に分割して並列描
画を行う場合の図である。この図の描画要素4は、描画
領域の中心部分に要素が多く、かつ重なり合いが複雑に
なっている。そして、このような描画要素4に対して、
領域単位が均等に分割されて各描画処理部1〜3で並列
処理が行われるものとする。
【0006】しかし、上述したように描画要素4の領域
単位を均等に分割して描画処理部1〜3に等しく割り当
てたとしても、描画要素の数や図形同士の重なり合いな
どの描画要素自体の複雑さがあるため、描画処理部1〜
3が担当する負荷の重さはそれぞれ異なるものになる。
【0007】図2は、図1で示した各描画処理部の描画
処理動作タイミングを示す図である。このタイミングが
示す各単位描画領域当りの処理時間は、各領域内に属す
る描画要素の数だけでなく、描画要素同士の重なり具合
などの影響も含めている。図から描画処理部1、2に比
べて複雑な描画要素を担当した描画処理部3に負荷が集
中してしまうことにより、他の描画処理部1、2が待ち
状態に陥っていることがわかる。
【0008】このように、描画領域を均等に分割して並
列描画処理を行うと、重い負荷が割り当てられた描画処
理部の処理が遅くなって、並列描画処理の効果を落とす
という問題があった。
【0009】本出願人は、このような点に鑑みて、負荷
推定値を用いて負荷が均一になるように描画処理範囲を
割り当てて高速な並列描画処理を行う描画処理装置を提
案している(特願平9−114835号)。この提案に
おいては、ページをバンドに分割してバンド毎に並列処
理を行なう際に、ベクター(ディスプレイリスト)の存
在頻度が均等になるように各バンドの高さを調整し、負
荷の均一化を行なっている。このとき、各バンドを担当
する描画処理手段は、単一の描画処理装置内にあること
を想定していた。したがって、処理を高速化するには、
単一の描画処理装置が複数のCPUを持つ必要があっ
た。
【0010】なお、本発明と関連する他の特許文献とし
ては特開平6−168087号公報がある。この文献に
おいては、複数のプロセッサをネットワークを用いて疎
結合して印刷情報の処理を行なうようにすることを開示
している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
考慮してなされたものであり、描画処理装置が複数のC
PUを持たない場合でも他のリソースを利用して高速に
描画処理を行なえるようにすることを目的としている。
本発明は、とくに、処理装置を疎結合してなる並列処理
システムにおいて描画処理のスループットを向上させる
ようにすることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、上述
の目的を達成するために、画像処理装置に、所定数のス
キャンラインで構成されるページに対して描画オブジェ
クトを所定の描画命令で記述してなる描画データを、入
力する入力手段と、前記入力手段に入力された前記描画
データに基づいて、少なくとも前記描画オブジェクトの
輪郭を構成するベクターの前記スキャンライン毎の存在
頻度に応じた負荷推定値を求める負荷推定値算出手段
と、前記描画オブジェクトの描画処理を行う疎結合され
た複数の処理装置と、前記負荷推定値と負荷に関する基
準値と前記複数の処理装置の処理能力とに基づいて、前
記ページを複数の部分描画処理領域に分割し、前記部分
描画処理領域を前記処理装置の各々に割当てる処理領域
割当手段と、前記処理領域割当手段により割当られた前
記部分描画処理領域の描画処理に必要な前記ベクター
を、対応する前記処理装置に転送する転送制御手段と、
前記処理装置の各々により描画処理した処理結果を合成
して出力する出力手段とを設けるようにしている。
【0013】この構成においては、疎結合された複数の
処理装置の処理能力を考慮した上で負荷予測に基づいて
負荷を分散させているため描画処理のスループットを向
上させることができる。
【0014】この構成においては、前記処理領域割当手
段は、ページに含まれるスキャンラインの負荷の合計を
ΣL、処理装置nの処理能力をP(n)、処理装置の処
理の能力を合計した値をΣPとしたときに、処理装置n
に(ΣL/ΣP(n))/P(n)の負荷量に相当する
部分描画処理領域を割り当てるようにすることができ
る。
【0015】また、前記複数の処理装置は、描画処理し
た処理結果を圧縮して前記出力手段に転送するようにし
てもよい。この場合、処理結果の転送コストを少なくす
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0017】図3は、実施例の描画処理装置100の構
成を示しており、この描画処理装置100は種々の処理
装置を疎結合してなる並列処理システムとして構築され
ている。この図において、描画処理装置100は、ネッ
トワーク300に接続された分配・回収用処理装置11
0、3つの描画処理用処理装置120、130、140
から構成されている。分配・回収用処理装置110には
出力装置200が接続されている。分配・回収用処理装
置110は別々の処理装置として構成され、ネットワー
クに別々に接続されていてもよい。この場合、出力装置
200は回収用の処理装置に接続される。描画処理用処
理装置の個数はこの例では3個としたが、2個でもよい
し、4個以上であってもよい。
【0018】分配・回収用処理装置110は、描画デー
タを受け取って負荷予測を行い、描画処理用処理装置1
20、130、140に割り当てる。ページに含まれる
スキャンラインの負荷の合計をΣL、描画処理用処理装
置nの処理能力をP(n)、描画処理用処理装置の処理
の能力を合計した値をΣPとしたときに、描画処理用処
理装置nに(ΣL/ΣP(n))/P(n)の負荷量に
相当する部分描画処理領域を割り当てる。例えば、描画
処理用処理装置120、130、140の処理能力が
1:1:1の場合には図4に示すように負荷を分散さ
せ、1:2:3の場合には図5に示すように負荷を分散
させる。なお、転送時間をも考慮して負荷分散を行なう
ようにしてもよい。この場合、例えば、早く描画データ
を受け取る処理装置ほど負荷が大きくなるようにする。
【0019】なお、描画処理用処理装置120、13
0、140の処理能力は、それぞれに一定量の仕事を処
理させてその処理時間を測定することにより判定するこ
とが出きる。一定量の仕事とは、負荷量が既知の処理で
あれば、どのようなものでもよい。例えば、ディスプレ
イリスト(ベクター)の個数が負荷量を表すのであれ
ば、ディスプレイリストの個数がわかっている処理であ
ればよい。
【0020】処理能力の測定は、コンフィグレーショ
ン時、立ち上げ時などに一度実施する方法、処理結果
を蓄積して随時更新する方法をとることができる。
【0021】の方法では、例えばつぎのようにして処
理能力を測定する。 (1)予め負荷量(=A)のわかっているテストデータ
を用意する。 (2)テストデータを各描画処理用処理装置に送り、そ
の処理時間(=B)を測定する。 (3)処理時間(B)を負荷量(A)で割った値が、求
める処理能力(=C)になる。なお、各描画処理用処理
装置に送るテストデータは、すべて同じでもよいし、異
なってもよい(もちろん負荷量が既知である必要があ
る)。
【0022】の方法では、例えば、つぎのように、実
際に処理すべきデータに基づいて求める。 (1)各描画処理用処理装置に送るデータの負荷量(=
A)を算出する。 (2)描画処理用処理装置にデータを送り、描画処理の
時間(=B)を測定する。 (3)処理時間(B)を負荷量(=A)で割った値が処
理能力(=C)になる。次に処理すべきデータを分割す
るときに、前の処理結果から求めた処理能力Cを利用す
る。なお、処理能力Cの履歴を蓄積しておいて、平均
値、最高値、最低値などを用いてもよい。
【0023】各描画処理用処理装置120、130、1
40は割り当てられた領域の描画データを処理して処理
結果を分配・回収用処理装置110に返す。分配・回収
用処理装置110は、このように返された処理結果を合
成して出力装置200に供給する。処理結果は基本的に
はラスターデータであるが、ネットワーク300を介し
て転送するときにはランレングス符号、LZW符号、J
PEG等で圧縮することが好ましい。処理結果が圧縮さ
れている場合には、出力装置200において伸長して出
力を行なう。
【0024】図6は、図3の描画処理装置の原理図であ
る。図6において、描画処理装置100は、描画データ
入力手段10、描画データ生成手段11、負荷推定値算
出手段12、描画データ格納制御手段13、処理担当範
囲割り当て手段14、複数の描画処理手段15および処
理結果格納制御手段16を含んで構成されている。また
描画処理装置100の出力は出力装置200に供給され
る。
【0025】複数の描画処理手段15の各々は描画処理
用処理装置120、130、140により構成され、他
の構成要素は分配・回収用処理装置110により構成さ
れる。
【0026】描画データ入力手段10は、描画データを
入力する。描画データは、所定数のスキャンラインで構
成されるページに対して描画オブジェクトを所定ページ
記述言語で記述してなるものである。そして、描画デー
タ生成手段11が、描画データから、描画オブジェクト
の輪郭を構成するベクターを生成する。負荷推定値算出
手段12は、ベクターのスキャンライン毎の存在頻度を
負荷推定値として求め、処理担当範囲割当手段14は、
負荷推定値と基準値とに基づいて、ページ内の描画処理
領域を描画処理手段15の各々に割当てる。基準値は、
描画処理手段15に共通としてもよい。描画処理手段1
5の性能、特別なファクタがある場合には個別の基準値
としてもよい。描画データ格納制御手段13は、描画処
理手段15の各々に割り当てられたの描画処理領域の描
画処理に必要なベクターを対応する描画処理手段15に
転送する。描画処理手段15の各々は転送されたベクタ
ーを用いて描画処理を行う。処理結果格納制御手段16
は、描画処理手段15で描画処理した処理結果を合成し
て出力する。そして出力装置200が画像印刷を行う。
【0027】なお、以上の各手段の初期化や処理の開
始、終了、同期などは図示しない制御手段により制御さ
れて動作する。
【0028】図7は、描画処理装置100の全体処理の
流れを示すフローチャートである。ここでは1ページ分
の処理の流れの例を簡略化して示している。
【0029】図7において、描画記述ファイルが入力さ
れると、描画データ格納制御手段13、処理結果格納制
御手段16、処理担当範囲割り当て手段14、描画処理
手段15に対して、初期化命令を発行し初期化処理が行
われる(S10)。そして、入力された描画記述ファイ
ルから描画データを生成するために、描画データ生成手
段11に処理の開始を指示する(S11)。その後、描
画記述の処理が予め定められた描画領域分、あるいは予
め定められた描画記述ファイルのデータ領域分生成し終
えると、描画処理手段15に対して、描画処理の開始を
指示する(S12)。この後、図6で図示してない制御
手段は、複数の描画処理手段15の処理が終了したこと
を、描画処理手段15からの通知を通して知るか、ある
いは未処理の描画領域が無くなったことを処理担当範囲
割り当て手段14からの通知を通して知ると、処理結果
格納制御手段16のデータを出力装置200に対して転
送する(S13)。
【0030】次に、描画処理装置100の各手段につい
て詳しく説明する。
【0031】描画データ生成手段11(図6)は、処理
の開始を指示されるとページ記述言語である描画記述デ
ータを読み込み、描画処理手段15が処理できる形式で
ある描画データに変換して、描画データ格納制御手段1
3に転送する。そして、描画データが入力済かどうかを
判断する。入力済の場合は終了し、そうでない場合は、
次の描画記述データの処理に戻る。
【0032】図8は、描画データ生成手段11で処理さ
れる描画データのデータ構造の一例を示す図である。図
8において「ID」は重ね塗りの順番を表す描画順序で
ある。「X」は現在のスキャンラインを横切るベクター
のX切片の値を示す。「X変位」は次のスキャンライン
に処理が移動した場合のX切片の変化量を示している。
「Y変位」は当該ベクターに影響を受ける残りのスキャ
ンライン数を示している。「向き」は当該ベクターの向
きを示す。
【0033】図8のベクターを図9を用いてより具体的
に説明する。図8において、座標系は図面左上方を原点
とし、従って図面の水平右方向にX座標値は増加し、図
面の垂直下方向にY座標値は増加するものとする。図9
(a)に示すベクターは、始点P1の座標が(100,
100)、終点P2の座標が(200,200)であ
る。このベクターは、「ID」が例えばαとし、スキャ
ンラインでのX切片の値を示す「X」は100、次のス
キャンラインに移動した場合のX切片の変化量「X変
位」は1、残りのスキャンライン数「Y変位」は10
0、となる。ベクターの「向き」は座標系のY方向が増
加する向きを1と定義し、座標系のY方向か減少する向
きをー1と定義している。従って図9(a)でのベクタ
ーの「向き」は1である。この「向き」はワインディン
グ規則で内部/外部判定を行う際に、どの向きでスキャ
ンラインを横切るかを示す情報として用いられる。図9
(b)は、「向き」が−1の場合を示している。
【0034】図8で示した描画領域に関する値以外に
も、色などの描画属性値が図示しない別の領域に格納さ
れている。
【0035】描画データ生成手段11は、このベクター
表現を用いて、図形の外形を表現する描画データを生成
する。図10に三角形を例にとって説明する。図10に
示したように3点P1(0,300),P2(600,
0),P3(300,600)で表現される三角形を例
にとる。この3点から、ベクターの向きを考慮して、P
1P2,P2P3,P3P1の3つのベクターが生成さ
れる。P1P2は、「X」が600、「X変位」が−
2,「Y変位」が300、「向き」が−1となる。他の
ベクターも図10に示したとおりである。
【0036】この3つのベクターが囲む領域が、この図
形の内部領域である。後で説明する「内部状態」とは、
処理の座標が内部領域に入ったことを意味し、「外部状
態」とは処理の座標が内部領域の外にある場合を指す。
内部と外部を判定する方法には複数の種類があるが、図
形毎に内部を判定する方法が指示されており、その指示
に従って内部と外部を判定する。この例では、3つのベ
クターで囲まれる領域が内部と判定されるが、もっと複
雑な形状の図形、例えばドーナツ形状などに代表される
一つの図形の内部に自分自身の形状を指定する別の図形
が存在する場合には、内部判定の方法により、ベクター
によって内部になるか外部になるかが異なってくる。本
実施の形態においては、どのような判定方法を用いるか
は発明の趣旨に影響しないのでこれ以上説明しない。
【0037】なお、本実施例においては、説明の簡単の
ために描画データとしてベクター表現により描画領域を
表現する描画データを用いているが、描画データはベク
ター表現である必要はない。例えば、点列による多角形
表現、曲線を含めた線分列表現、主走査線方向に平行な
2辺を持つ台形表現、描画領域を三角形、矩形やランレ
ングスで分割した表現でも良い。
【0038】次に、負荷推定値算出手段12について説
明する。負荷推定値算出手段12は、負荷の均一化のた
めの推定値を算出する。負荷推定値は、主として描画デ
ータから算出されるが、入力記述データ自身に含まれて
いても良い。負荷推定値算出手段12は、本発明の主要
な特徴であるため、後の実施例で詳しく説明する。
【0039】次に、描画データ格納制御手段13につい
て説明する。図11は、描画データ格納制御手段13の
構成を示す図である。まず、データ格納用インタフェー
ス130は、描画データ生成手段11からの描画データ
を受信する。描画データ存在範囲抽出手段132は、受
信した各描画データから副走査線方向(以降説明の簡単
のため、副走査線方向をY方向、副走査線方向の位置を
示す数値をY座標値、これに対し走査線の方向をX方
向、走査線方向の位置を示す数値をX座標値と呼ぶ。)
に対する存在範囲を検出する。
【0040】描画データ存在範囲集計手段134は、検
出したY方向の存在範囲を集計する。負荷推定値登録手
段131は、描画領域の特定の範囲についての負荷推定
値を格納する。負荷推定基データ用インタフェース13
5は、処理担当範囲割り当て手段14と通信する。描画
データ登録手段133は、Y方向の存在範囲から、Y座
標の最大値、最小の少なくとも一つの座標値をもとに描
画データを抽出できるように登録する。描画データ送信
用インタフェース136は、描画処理手段15との通信
を行う。
【0041】描画データ格納制御手段13は、大きく分
けると少なくとも4種類の処理フェーズを持つ。それら
は、初期化、データの格納、描画データの送出、負荷推
定基データの送出である。
【0042】図12は、描画データ格納制御手段13の
初期化の処理の流れを示したフローチャートである。図
12において、描画データ格納制御手段13は、描画デ
ータ存在範囲集計手段134の初期化と、描画データ登
録手段133の初期化と、負荷推定値登録手段131の
初期化を行う(S20、S21、S22)。
【0043】図13は、描画データ格納制御手段13が
描画データ生成手段11から描画データを受信して格納
する際の処理の流れを示すフローチャートである。図1
3において、描画データ生成手段11と負荷推定値算出
手段12とからデータが送信されると、描画データであ
るか、負荷推定値であるかどうかを判定する(S3
0)。描画データであると、描画データ存在範囲抽出手
段132によりその描画データのY方向の存在範囲を検
出し、この両端を描画データ存在範囲集計手段134に
登録する(S31、S32)。
【0044】例えば、描画データ存在範囲抽出手段13
2が描画データのY方向の座標値の最大値と最小値を抽
出する。そして、最大値に当てはまる個数、最小値に当
てはまる個数をカウントする一組ずつのカウンタが単位
Y座標毎に用意されている描画データ存在範囲集計手段
134の対応するカウンタをインクリメントする。
【0045】以降、ここで例に挙げた様なカウンタのテ
ーブルについて参照する際には、最小値側のカウンタを
進入カウンタ、最大値側のカウンタを退出カウンタと呼
ぶ。
【0046】次に、描画データを描画データ登録手段に
登録する(S33)。例えば、描画方向のY方向の単位
領域に対応する描画データテーブルを用意し、各描画デ
ータをY方向の座標値の例えば最小値に対応する場所
に、描画データを登録することにより実現できる。そし
て、これらの操作は描画データ生成手段11により生成
されるすべての描画データについて行われる。
【0047】一方、負荷推定値であった場合には、負荷
推定値登録手段131にこれを登録する(S34)。こ
の負荷推定値登録手段131も例えば、同様に描画領域
のY方向の単位領域に対応するテーブルを用意し、この
テーブル領域に受け取ったデータを登録することにより
実現できる。
【0048】なお、本実施の形態においては、描画デー
タ格納制御手段13内の描画データ存在範囲集計手段1
34、描画データ登録手段133、負荷推定値登録手段
131等にテーブル形式のデータ構造を使用するが、こ
れは、説明の簡単のためであり、他のデータ構造を用い
てもよい。リスト構造や、ツリー構造、ハッシュ機構な
どさまざまな他のデータ構造を利用しても同様の効果を
得ることは可能である。
【0049】その後、描画データが入力済みであるかど
うかを判断する(S35)。入力済みの場合は終了し、
そうでない場合は次の描画データの処理に戻る。
【0050】図14は、描画データ格納制御手段13か
ら描画処理手段15に描画データを送出する際の処理の
流れを示すフローチャートである。図14において、描
画データ格納制御手段13は、描画データの転送要求を
受け取ると、要求された範囲に登録されている描画デー
タを抽出して、転送要求元の描画処理手段15に送出す
る(S40、S41)。この時、抽出した描画データを
全て送出しても良いし、抽出した描画データの中から、
要求された範囲の片側の端にかからないデータを除いて
から送出することもできる。
【0051】次に、処理担当範囲割り当て手段14につ
いて説明する。処理担当範囲割り当て手段14自体につ
いて説明する前に、この処理担当範囲割り当て手段14
に関連する処理について説明する。図15は、処理担当
範囲割り当て手段14に関連する制御処理の流れを示す
フローチャートである。処理担当範囲割り当て手段14
は、描画処理手段15に対して描画領域を分割して処理
の担当を割り当てる。この描画領域の分割を決定する際
には、分割した描画領域における描画処理の負荷推定値
を計算して分割する。
【0052】以降、Y方向の最小分割単位を単位描画領
域と呼び、処理担当範囲割り当て手段により大きさと位
置を決められて各描画処理手段15に割り当てられる領
域を分配描画領域と呼ぶ。例えば、単位描画領域は走査
線1本から最大で描画処理手段の数までの領域であり、
分配描画領域は数個から数十個程度の大きさの領域とな
る。
【0053】図15において、処理担当範囲割り当て手
段14が分配領域を決定する際には、割り当てる分配描
画領域を各描画処理手段15が処理する場合の負荷推定
値を計算する。この時、負荷推定値を計算する範囲につ
いて、描画データ格納制御手段13に対して、図11で
説明した描画データ存在範囲集計手段134に登録され
ているデータの要求と、図11で説明した負荷推定値登
録手段131に登録されているデータの要求を行なう
(S50、S51)。
【0054】描画データ格納制御手段13は、この要求
に対して描画データ存在範囲集計手段134と負荷推定
値登録手段131とを指定された位置をもとに検索する
ことによりデータを集め、これを負荷推定基データ用イ
ンタフェース135を通して処理担当範囲割り当て手段
14に送出する(S52)。
【0055】つぎに処理担当範囲割り当て手段14につ
いて説明する。図16は、処理担当範囲割り当て手段の
構成を示す図である。図16において、排他的インタフ
ェース140は、描画処理手段15からいずれか一つの
描画処理手段15の要求を受け付ける。すると、分配描
画処理領域決定手段141で決定された分配描画領域の
範囲が通知される。分配描画領域範囲は、この分配描画
領域の負荷推定値が予め定められた基準値に見合うよう
に決定される。
【0056】以下、単位領域の負荷推定値を単位負荷推
定値、分配領域の負荷推定値を分配負荷推定値と呼ぶ。
【0057】この予め定められた基準は分配描画処理領
域決定手段141内に保持されており、図示しない制御
手段により供給される。例えば、順次、分配描画領域の
範囲を広げて行き、分配負荷推定値が予め定めておいた
基準値を越えるところで分配描画領域を決定してもよ
い。また、基準値自身を負荷推定値を用いて予め算出し
てもよい。
【0058】描画範囲判定手段142は、描画処理の進
行に伴い処理すべき描画領域が無くなった状態を判定す
る。未処理位置保持手段143は、Y方向の未処理位置
を保持するための保持手段であり、描画処理手段15は
単位描画処理領域を割り当てる際に更新する。単位負荷
推定値算出手段144は、単位描画領域毎に単位負荷推
定値を算出する。この単位負荷推定値は、単位描画領域
毎に算出された後、例えば加算のような演算により複数
の単位描画領域にわたって結合されて、分配描画領域の
分配負荷推定値が算出される。
【0059】負荷推定基データ保持手段145は、描画
データ格納制御手段13に問い合わせることにより得た
描画データの存在範囲の集計値等から算出した負荷推定
基データが格納される。
【0060】図17は、処理担当範囲割り当て手段の処
理の流れを示すフローチャートである。処理担当範囲割
り当て手段14は、全体の処理の開始時に初期化が行わ
れる他に、描画処理手段から問い合わせがあると以下に
示すような処理を行なう。
【0061】図17において、描画処理手段15からの
要求は、排他的インタフェース140によりアクセスを
制御され、同時に要求を行う複数の描画処理手段15の
うちいずれか1つの描画処理手段15の要求のみを受け
付ける(S60)。担当範囲の割り当て要求があると、
描画範囲判定手段142を参照し、まだ未処理の描画領
域があるかどうかを判断する(S61)。未処理の描画
領域が既になければ、その旨を要求元の描画処理手段1
5に通知し、割り当てる分配領域の判定へ行く(S6
2)。
【0062】未処理の描画領域がまだある場合には、未
処理位置保持手段143に保持されている位置から順
に、単位負荷推定値を算出する(S63)。そして、未
処理位置保持手段143に保持されている位置から順
に、同様の処理により単位負荷推定値を算出して、これ
を累算していき、分配負荷推定値を算出する(S6
4)。そして、累算値が、予め定めておいた値を超える
かどうかを判断する(S65)。値を超えない場合に
は、次の未処理の単位領域の処理に戻る。ただし、予め
定めた値を越えない場合でも負荷の均一化のために処理
を終了することもある。
【0063】そして、割り当てる分配描画領域があるか
どうかを判断する(S66)。無い場合は、分配する描
画領域の無いことを要求元に送信する(S69)。ある
場合は、要求元の描画処理手段15に対して送信して、
未処理位置保持手段143に保持されている位置を次の
未処理位置に更新する(S67、S68)。
【0064】次に、描画処理手段15について説明す
る。複数の描画処理手段15の内部構成はいずれも同じ
なので、一つについて説明する。もちろん、描画処理手
段15をそれぞれ異ならせてもよい。図18は、描画処
理手段15の構成を示す図である。図18において、処
理済み描画位置保持手段151は、処理済の描画位置を
保持する。担当描画範囲保持手段150は、処理担当範
囲割り当て手段14から得られた、担当する描画処理範
囲を保持するための保持手段であり、半導体記憶装置や
磁気ディスク装置等により実現できる。
【0065】描画データ保持手段152は、描画データ
格納制御手段13から得られた描画データを一時保持す
ると共に、先に処理した他の描画領域から引き継がれる
描画データをも保持するための保持手段である。この描
画データ保持手段152も半導体記憶装置等のさまざま
な記憶手段により実現することが可能である。
【0066】描画データ判定・破棄手段153は、描画
機構が処理対象とする描画位置が更新されることに伴
い、描画データ保持手段内の描画データのうち、描画処
理の行われる位置が、その描画データの存在範囲外にな
ってしまったものを描画機構の処理の対象から除いて、
描画機構の処理の効率を上げると共に、描画データ保持
手段の必要記憶容量を削減するためのものである。
【0067】描画機構154は、内部に描画位置を保持
し、描画データ保持手段内のデータを描画処理バッファ
155をワーク領域として利用しながら処理して、担当
描画領域に関して、ラスターイメージデータと対応の取
れる処理結果データに変換する。処理結果データの形式
としては、ラスターイメージデータを代表として、X方
向の範囲と色とにより表現されるランレングスデータ、
これらのデータをデータ圧縮の技術により圧縮したデー
タ等さまざまな形式がありうる。
【0068】描画機構154は、処理結果を単位描画領
域毎に処理結果格納制御手段16に格納してもよい。ま
た、ある程度集めてから処理結果格納制御手段16内に
格納してもよい。
【0069】図19は、描画処理手段15の処理の流れ
を示すフローチャートである。図19において、描画処
理手段15は、描画データ格納制御手段13に予め定め
られた範囲のデータが格納されると、動作の開始を指示
される。処理の開始時には、処理済み描画位置保持手段
151と描画データ保持手段152の初期化が行われる
(S70)。初期化動作が終わると、処理担当範囲割り
当て手段に対して処理を担当する描画領域の範囲の問い
合わせを行なう(S71)。処理を担当する描画領域が
伝えられると、これを担当描画範囲保持手段150に格
納し、描画処理位置を担当描画範囲保持手段150に格
納された範囲の片側の位置に設定する(S72)。
【0070】まず、描画データ判定・破棄手段153が
描画データ保持手段152内に保持されている描画デー
タを検査して、描画位置に影響を与えなくなった描画デ
ータを選び、破棄する(S73)。そして、処理済み描
画位置保持手段151に格納されている位置と描画処理
位置を組み合せたデータとを使用して描画データ格納制
御手段13に描画データの要求を行なう(S74)。こ
の際、描画位置に影響を与えない描画データは読み込ま
れない、あるいは読み込んでから破棄される。そして、
担当する描画領域の処理が終了かどうかを判断し、終了
でなければ描画位置を更新し、そうでなければ終了する
(S76、S77)。
【0071】また、描画機構154により描画データ保
持手段内152に保持されている描画データから、描画
バッファ155を使用して処理が行われ、処理結果デー
タが作成される(S75)。この段階での描画機構とし
ての機能を発揮するものは、さまざまのものが提案され
ているので、それのうち、出力結果データの種類に応じ
たものを用いてもよい。ここでは、描画処理バッファ1
55を処理中のスキャンラインにかかるベクターデータ
と、現在の塗りを表す図形の「ID」と色情報と描画開
始位置と、内部状態にある図形を保持して、X方向に塗
りつぶし・クリップ処理を行なって走査線毎のランレン
グスデータを作成していくとする。この処理の概要を図
20に示す。ここで、描画データ保持手段内に、現在の
処理対象のスキャンラインにかかるベクターがすでに保
持されている。これをアクティブテーブルと呼ぶ。
【0072】図20において、描画処理が始まると、ア
クティブテーブルをチェックし(S80)、空の場合に
は何も処理する必要がないので、空のスキャンラインを
出力し処理を終了する(S89)。アクティブテーブル
が空でない場合には、アクティブテーブル内のベクター
をX方向でソートする(S81)。次に、アクティブテ
ーブルから小さい順または大きい順にベクターを取り出
す(S82)。次に、種別・内部判定処理により、ベク
ターの種類がクリップであるか図形であるかを判別し、
さらにこのベクターによって表される図形が内部状態に
なるかどうかの判別を行い、5つの状態に場合分けされ
る(S83)。1つめの状態は「クリップ領域開始」
(S84)で、種別がクリップでこのベクターで表現さ
れるクリップが内部状態になる場合である。2つめの状
態は「クリップ領域終了」(S85)で、種別がクリッ
プでこのベクターで表現されるクリップが外部状態にな
る場合である。3つめの状態は「図形領域開始」(S8
6)で、種別が図形でこのベクターで表現される図形が
内部状態になる場合である。4つめの状態は「図形領域
終了」(S87)で、種別が図形でこのベクターで表現
される図形が外部状態になる場合である。5つめの状態
は種別に関係なく、このベクターで表現される描画デー
タに何も影響を与えない場合である。この5つの状態毎
に処理が行われる。
【0073】まず、クリップ領域開始処理(S84)で
は、このクリップが影響を与える図形のうち、既に内部
状態にあるものを対象とし、図形の描画データの一部で
ある優先順位「ID」をもとに、最も優先順位の高いも
のを一つ選択する。そして、以前に塗りを開始すると登
録されていた図形の「ID」とこの図形の「ID」を比
較し、今回採用した図形の方が優先順位が高ければ、以
前の図形の色情報を用いて、以前の図形の描画開始位置
とこのベクターのX座標値−1まで塗り処理を行なう。
以前の状態が空の状態の場合には、空の状態の色で塗り
処理する。そして、今回採用した図形の「ID」と色情
報とこのベクターのX座標値を描画開始位置として登録
する。今回採用した図形の方が優先順位が低い場合や、
このクリップが影響を与える図形で、かつ既に内部状態
にあるもののうち、最大の優先順位を持たないものにつ
いては特に何もしない。
【0074】クリップ領域終了処理(S85)では、ま
ず、このクリップが影響を与える図形のうち、既に内部
状態にあるものを全て対象とする。対象とした図形の中
に、以前に塗りを開始すると登録されていた図形が含ま
れていれば、その図形の色情報を用いて、描画開始位置
とこのベクターのX座標値−1まで塗り処理を行なう。
次に、このクリップが影響を与えない図形で内部状態に
なっている図形から、最大の優先順位を持つ図形の「I
D」と色情報、このベクターのX座標値を描画開始位置
として登録する。内部状態である図形がなければ、空の
状態を表すの「ID」と空の状態の色情報とこのベクタ
ーのX座標値を描画開始位置として登録する。
【0075】図形領域開始処理(S86)では、この図
形の影響されるクリップの内部状態を調べ、クリップが
内部状態になっていれば、以前に塗りを開始すると登録
されていた図形の「ID」とこの図形の「ID」を比較
し、この図形の方が優先順位が高ければ、以前の図形の
色情報を用いて、以前の図形の描画開始位置とこのベク
ターのX座標値−1まで塗り処理を行なう。以前の状態
が空の状態の場合には、空の状態の色で塗り処理する。
この図形の方が優先順位が低い場合や、この図形の影響
されるクリップが内部状態になっていなければ、内部状
態にある図形として登録する。
【0076】図形領域終了処理(S87)では、この図
形が以前に塗りを開始すると登録された図形の場合に
は、その図形の色情報を用いて、描画開始位置とこのベ
クターのX座標値−1まで塗り処理を行なう。次に、内
部状態からこの図形を取り除く。取り除いた後で、内部
状態になっている図形から、最大の優先順位を持つ図形
の「ID」と色情報、このベクターのX座標値を描画開
始位置として登録する。内部状態である図形がなけれ
ば、空の状態を表すの「ID」と空の状態の色情報とこ
のベクターのX座標値を描画開始位置として登録する。
【0077】領域継続処理では、特に何もしない。
【0078】5つの状態を処理した後で、処理終了の判
定として、アクティブテーブル内にまだベクターがある
かどうかを調べ、残っている場合には、処理を継続しア
クティブテーブルからベクターを取得する処理に戻る。
残っていなければ、塗り処理していない残りのスキャン
ラインを処理結果格納制御手段16に転送して処理を終
了する。
【0079】描画機構154は、処理結果を処理結果格
納制御手段16に転送すると、処理済み描画位置保持手
段151に処理の終わった描画位置を記録した後、描画
位置を進める。描画位置が担当している描画領域内であ
れば、描画データ保持手段152内のデータの整理から
繰り返して同様の処理を行なう。
【0080】描画処理手段15の処理の過程において、
例外的な動作をする場合は、処理担当範囲割り当て手段
14により描画領域内に担当すべき未処理領域が無いこ
とを告げられた場合である。この時、描画処理手段15
は処理を終了して停止する。
【0081】次に、具体的な例を用いてより詳細な説明
を行なう。
【0082】ここでは、図21に示すような凹形状の図
形を描画する場合を例に上げて説明する。この実施例で
は、負荷推定値算出手段12は、図形データとして、図
8で説明したベクター形式の図形データを用いて負荷推
定値を算出するものとして説明する。
【0083】図22は、図21の図形を図8で説明した
ベクター形式の図形データを生成した場合の概念図であ
る。図22にあるとおり、図21に示した図形は8つの
ベクターD1からD8によって構成される。図22の右
側は、生成された描画データを描画データ格納制御手段
内に登録した状態を表している。単位描画領域としてR
1からR16の領域があり、各描画データが始点の存在
する単位描画領域に結び付けられて保存されている。
【0084】次に、この描画データから負荷推定値を生
成する方法について説明する。負荷推定値の生成方法
は、図25で説明すフローチャートにしたがって行われ
る。まず、描画データが生成されると、処理担当範囲割
り当て手段が処理を割り当てるために用いる軸(ここで
はY軸とする)上での最小値と最大値を算出する(S9
0)。次に、単位負荷推定値テーブルの最小値と最大値
の間の数値をインクリメントする(S91)。そして、
インクリメントした単位領域の個数を負荷合計値に足す
(S92)。
【0085】図23は、各描画データが入力された直後
の単位負荷推定値テーブルの値の変化を示す。まず、初
期状態では、全ての単位領域と全ての単位領域の負荷合
計値が0に初期化されている。最初の描画データD1が
入力されると、Y軸上での最小値R1と最大値R2が求
まる。そして、R1からR2まで単位領域毎に数値をイ
ンクリメントしていく。結果としてD1に対応する全て
の単負荷推定値が1になる。そして、負荷合計値にR1
からR2の単位領域数である2を足し、現在の負荷合計
値として2が求まる。
【0086】次に、描画データD2が入力されると、最
小値R3、最大値R12が求まる。そして、R3からR
12まで単位領域毎に数値をインクリメントし、結果と
してD2に対応する全ての単負荷推定値が1になる。そ
して、負荷合計値にR3からR12の単位領域数である
10を足し、現在の負荷合計値として12が求まる。
【0087】以下同様にして、全ての描画データD3か
らD8を入力すると、単位領域R1からR4までの単位
負荷推定値は2、単位領域R5からR12までの単位負
荷推定値は4、単位領域R13からR16までの単位負
荷推定値は2となる。また、負荷合計値は48であるこ
とが求まる。
【0088】この単位負荷推定値テーブルと負荷合計値
を用いて、処理担当範囲割り当て手段14は、実施例1
と同様に、総負荷数48を描画処理手段15の数で割
り、一つの描画処理手段15が担当する負荷量を算出し
た後、単位描画領域R1から順に単位負荷推定値を足し
ながら、一つの描画処理手段15が担当する負荷量に達
するまで単位描画領域の処理を順次割り当てていく。
【0089】描画処理手段15を3個とすると、一つの
描画処理手段15の担当は負荷量16である。処理担当
範囲割り当て手段14が担当範囲を各描画処理手段15
に割り当てた結果を図24に示す。結果として、R1か
らR6までを描画処理手段A、R7からR10までを描
画処理手段B、R11からR16を描画処理手段Cに割
り当てる。
【0090】このように、図形データの形式を、ベクタ
ー形式の表現とすることで、凹形状の図形が入力された
場合でも正確に負荷を表現できるようになる。
【0091】ここでは、説明の簡単のために単一の負荷
推定値テーブルを用いたが、進入テーブルや退出テーブ
ルを用いて単位負荷推定値を計算しても良い。また、図
形一つで説明したが、複数の図形が同様の図形データ形
式で表現されていれば、図形が何個あっても正しく負荷
を表現できることは言うまでも無い。
【0092】以上で本発明の実施態様の説明を終える。
なお、本発明は上述の詳細な記述に限定されるものでは
なく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であ
る。例えば、上述では描画要素を中心に説明したが、そ
の他のファクタをあわせて考慮し描画処理のディスパッ
チを行うようにできる。このファクタとしては描画処理
に影響を与えるものであればよく、クリップ要素(クリ
ップオブジェクト)を考慮することができる。
【0093】なお、疎結合の並列処理システムとして
は、図3に示すも構成のほか種々のものを採用できる。
例えば、図26に示すように、出力装置200をネット
ワークに接続する構成でもよい。この場合、回収した処
理結果をネットワーク300を介して出力装置200に
転送する。この場合も、分配用の処理装置と回収用の処
理装置とを別々にしてもよい。また、図27に示すよう
に描画データを転送するネットワーク300Aとラスタ
ーデータまたはその圧縮データを転送するネットワーク
300Bとを別々にしてもよい。この場合、分配用処理
装置110Aと回収用処理装置100Bとは別々にな
る。またこの場合にも図28に示すように出力装置20
0を回収用処理装置110Bから分離して構成してもよ
い。
【0094】ネットワークは、LANでもよいし、広域
ネットワークでもよい。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負荷推定値を用いて描画処理領域を分割することによ
り、各処理装置における負荷が均一化され、待ち状態が
低減され、しかも疎結合された処理装置の処理能力に応
じて負荷を分散しているので、疎結合の並列処理環境に
置いても描画処理を高いスループットで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 均等分割における並列処理の概念図である。
【図2】 均等分割における並列処理のタイミングチャ
ートである。
【図3】 本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 実施例における負荷の分割例を説明する図で
ある。
【図5】 実施例における負荷の他の分割例を説明する
図である。
【図6】 実施例の描画処理装置の原理図である。
【図7】 本発明の描画処理装置の処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図8】 ベクター形式の説明図である。
【図9】 ベクターの例を説明する図である。
【図10】 ベクターによる図形の表現例を示す図であ
る。
【図11】 描画データ格納制御手段の構成図である。
【図12】 描画データ格納制御手段の初期化処理の流
れを示すフローチャートである。
【図13】 描画データ格納制御手段のデータ格納処理
の流れを示すフローチャートである。
【図14】 描画データ格納制御手段のデータ送出処理
の流れを示すフローチャートである。
【図15】 処理担当範囲割り当て手段の処理概要を示
すフローチャートである。
【図16】 処理担当範囲割り当て手段の構成図であ
る。
【図17】 処理担当範囲割り当て手段の処理の流れを
示すフローチャートである。
【図18】 描画処理手段の構成図である。
【図19】 描画処理手段の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図20】 描画機構の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図21】 描画図形のサンプルを示す図である。
【図22】 ベクターデータの描画データ格納制御手段
への登録例を示す図である。
【図23】 単位負荷推定値テーブルの値の変化を示す
図である。
【図24】 分割と処理割り当て結果の例を示す図であ
る。
【図25】 負荷推定値作成処理のフローチャートであ
る。
【図26】 上述実施例の変更例を示すブロック図であ
る。
【図27】 上述実施例の他の変更例を示すブロック図
である。
【図28】 上述実施例のさらに他の変更例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
10 入力手段 11 描画データ生成手段 12 負荷推定値算出手段 13 描画データ格納制御手段 14 処理担当範囲割り当て手段 15 描画手段 16 処理結果格納制御手段 100 描画処理装置 110 分配・回収用処理装置 120、130、140 描画処理用処理装置 200 出力装置 300 ネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C061 AP01 BB10 HJ10 HK11 HN05 HQ06 HQ17 HR01 2C087 AB06 BA01 BD13 BD40 BD41 BD46 5B021 AA01 AA02 BB01 BB02 BB12 EE01 5B080 CA03 CA05 DA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理装置を疎結合してなる画像処
    理装置において、 所定数のスキャンラインで構成されるページに対して描
    画オブジェクトを所定の描画命令で記述してなる描画デ
    ータを、入力する入力手段と、 前記入力手段に入力された前記描画データに基づいて、
    少なくとも前記描画オブジェクトの輪郭を構成するベク
    ターの前記スキャンライン毎の存在頻度に応じた負荷推
    定値を求める負荷推定値算出手段と、 前記描画オブジェクトの描画処理を行う疎結合された複
    数の処理装置と、 前記負荷推定値と負荷に関する基準値と前記複数の処理
    装置の処理能力とに基づいて、前記ページを複数の部分
    描画処理領域に分割し、前記部分描画処理領域を前記処
    理装置の各々に割当てる処理領域割当手段と、 前記処理領域割当手段により割当られた前記部分描画処
    理領域の描画処理に必要な前記ベクターを、対応する前
    記処理装置に転送する転送制御手段と、 前記処理装置の各々により描画処理した処理結果を合成
    して出力する出力手段とを有することを特徴とする描画
    処理装置。
  2. 【請求項2】 前記処理領域割当手段は、ページに含ま
    れるスキャンラインの負荷の合計をΣL、処理装置nの
    処理能力をP(n)、処理装置の処理の能力を合計した
    値をΣPとしたときに、処理装置nに(ΣL/ΣP
    (n))/P(n)の負荷量に相当する部分描画処理領
    域を割り当てる請求項1記載の描画処理装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の処理装置は、描画処理した処
    理結果を圧縮して前記出力手段に転送する請求項1また
    は2記載の描画処理装置。
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