JPH10305639A - 印刷処理装置および印刷処理方法 - Google Patents

印刷処理装置および印刷処理方法

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JPH10305639A
JPH10305639A JP9114542A JP11454297A JPH10305639A JP H10305639 A JPH10305639 A JP H10305639A JP 9114542 A JP9114542 A JP 9114542A JP 11454297 A JP11454297 A JP 11454297A JP H10305639 A JPH10305639 A JP H10305639A
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unit
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JP9114542A
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English (en)
Inventor
Koki Uetoko
弘毅 上床
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像出力速度を使用者が指定できるととも
に、処理時間の予測結果を使用者に通知し、それをもと
に印字速度を再設定できるといった、インタラクティブ
な機能を備え、使用者の要求に柔軟に対応できる印刷処
理装置および印刷処理方法を提供する。 【解決手段】 展開処理部における中間データから印字
データへの展開処理において、展開処理部の展開処理時
間を予測し、予測結果と指定した画像出力速度に応じた
画像出力時間とを比較し、時間の短い方を出力手段の画
像出力速度に設定する。また、指定した出力時間が短い
場合は、中間データ生成手段へ中間データの再生成を指
示し、データ量を少なくした中間データ、あるいは、よ
り抽象度の低い中間データを再生成し、展開処理時間の
短縮を行い指定時間での出力を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像などのカラー
情報を印字する印刷処理装置において、記録速度を変更
することが可能な印刷処理装置および印刷処理方法に関
し、さらに詳細には、印刷データを画像出力手段で出力
可能なデータ構造に展開する展開処理手段における展開
処理時間を調節し、設定された出力速度による印刷を実
行することを可能とした印刷処理装置および印刷処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】小型、高速のデジタル印刷に適した電子
写真方式のページプリンタの開発に伴い、従来の文字情
報中心の印刷から発展した印刷方式として、画像、図
形、文字など異なる印刷データを同様に取り扱い、図
形、文字等の拡大、回転、変形などが自由に制御できる
記述言語を用いる印刷処理装置が一般に普及してきた。
この記述言語の代表例として、PostScript
(米国アドビシステムズ(Adobe System
s)社商標)、Interpress (米国ゼロック
ス(Xerox)社商標)、Acrobat(米国アド
ビシステムズ(Adobe Systems)社商
標)、GDI (Graphics DeviceIn
terface、米国マイクロソフト(Microso
ft)社商標)等が知られている。
【0003】記述言語で作成されている印刷データは、
ページ内の任意の位置の画像、図形、文字を表現する描
画命令が任意の順で構成されており、本発明に係わるペ
ージプリンタで印字するためには、印字前に印刷データ
をラスタ化しなければならない。ラスタ化というのは、
印刷データをページ又はページの一部を横切る一連の個
々のドットまたは画素へ展開してラスタ走査線を形成
し、そのページの下へ引き続く走査線を次々に発生する
過程である。ラスタ化に要する時間は、印刷データに含
まれる描画命令の種類や圧縮された画像データの解像度
などによって変化するが、従来のページプリンタは印字
速度が一定であるため、印字前にページ全体の印刷デー
タをラスタ化し、このラスタデータをページバッファメ
モリに記憶していた。しかしながら、ページ全体に対す
るラスタデータを記憶するためには、大量のメモリを必
要とする。特に、最新の電子写真方式のカラーページプ
リンタでは、C(Cyan),M(Magenta),
Y(Yellow),BK(Black)の4色のトナ
ーに対応するラスタデータを必要とするとともに、白黒
ページプリンタ以上に画質が要求されるため、1画素当
たり複数のビット情報を持つのが一般的であり、さらに
大量のメモリを必要とする。
【0004】ページ当たりのデータ量増加に伴う印刷装
置の大容量のメモリの必要性に対し、コスト低減の観点
からメモリ容量を低減させる技術として、近年、バンド
メモリ技術が登場してきた。バンドメモリ技術は、ペー
ジプリンタの印字前に1ページ分の印刷データを全てラ
スタ化するのではなく、記述言語で作成されている印刷
データを、まずラスタ化可能な比較的簡単な中間データ
に変換する。さらに、印刷対象となるページを複数の領
域(バンド)に分割し、各バンドに対応する中間データ
を記憶した後、この中間データをラスタ展開処理部に順
次転送し、バンドに対応するバッファメモリに展開す
る。このような構成を有するバンドメモリ技術は、中間
データを記憶するためのメモリは新たに必要となるが、
従来必要としていた1ページ分のラスタデータを記憶す
るための大容量バッファメモリは削減することができ
る。しかし、一般的なバンドメモリ技術では、あるバン
ドのラスタデータの印字が終了するまでに、次のバンド
に対する中間データからラスタデータへの展開を終了さ
せることが必要となる。これは、一般的な印刷装置にお
いては、同一ページにおける印字速度は一定であり、あ
るバンドの印字が終了すると印字装置は、順次後続のバ
ンドの印字データをバンドメモリから読み出し、連続し
て印字を行う構成となっているためである。従って、印
刷データ中に複雑な図形描画命令や扱うデータ量の大き
い画像描画命令が含まれている場合、あるいは1ページ
内の特定のバンドに複雑な図形描画命令や画像描画命令
が含まれている場合等、特定のバンドに対する中間デー
タからラスタデータへの展開が間に合わない状況が発生
する可能性がある。
【0005】また、従来の一般的な印刷処理装置におい
ては、印字速度が一定であるために、さほど画像の品質
を重要視しない印刷処理の場合であっても、印字までの
時間を高速化できないなど、印字する情報の内容に柔軟
に対応できないといった欠点があった。
【0006】このような問題に対し、特開平4−249
182号公報に記載されている印刷処理装置では、印字
速度を高速と低速の2段階で制御する手段を備え、印字
内容がテキスト情報かイメージ情報かを判別し、処理の
速いテキスト情報では高速に、処理の遅いイメージ情報
では低速に印字を行えるようにしている。この機構によ
り、印字に際しての画像情報を格納するバッファメモリ
の容量を大幅に減少させることができ、これまでのよう
にページメモリを用意する必要がなくなり、複数のライ
ンメモリを使用するだけで画像の印字が可能になるとし
ている。また、使用者が複数の印字速度のいずれかを指
定できるようにもしている。このように、要求される画
像品質や印字時間に応じて印字機能を切り替えることの
できる機構を提供している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の印刷処理装置では、使用者が一旦印字速度を
指定すると、実際の処理時間がどれほどであるかにかか
わらず、指定した速度でしか印字されなくなる。また、
印字内容がイメージ情報であった場合、実際の処理時間
はそれほどかからなかったとしても、低速でしか印字さ
れないという欠点があった。
【0008】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、ページプリンタの画像出力速度が可変であ
る印刷処理装置において、画像出力速度を使用者が指定
でき、印刷データのラスタデータへの展開処理時間を予
測して、使用者の指定速度による出力時間とと予測展開
処理時間を比較し、その結果に応じて展開処理に要する
時間を短縮するための中間データの再生成を実行し、使
用者の要求に応じた印刷速度で印刷処理を実行する印刷
処理装置および印刷処理方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】本発明は、さらに、ページプリンタの画像
出力速度が可変である印刷処理装置において、画像出力
速度を使用者が指定できるとともに、処理時間を予測し
てその結果を使用者に通知し、それをもとに印字速度を
再設定できるといった、インタラクティブな機能を備え
ることで、使用者の要求に柔軟に対応できる印刷処理装
置および印刷処理方法を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる印刷処理
装置は、少なくとも文字、図形又は画像のいずれかを有
し、所定の描画命令で記述されている印刷データを入力
する印刷データ入力手段と、印刷データ入力手段に入力
された印刷データを出力する画像出力手段と、印刷デー
タを画像出力手段で出力可能なデータ構造に展開する展
開処理手段と、展開処理手段で展開するデータ構造より
抽象度が高く、少なくとも一種類の基本図形を含む形式
で表現される中間データを印刷データから生成する中間
データ生成手段と、中間データ生成手段で生成された中
間データを構成する基本図形の数および大きさを検出す
る検出手段と、検出手段で検出された基本図形の数およ
び大きさに基づいて、展開処理手段での印刷データの展
開時間を予測する展開時間予測手段と、展開時間予測手
段で予測された予測展開時間に応じて、画像出力手段の
画像出力速度を設定する画像出力制御手段と、画像出力
モードを指定する画像出力モード指定手段とを備えてい
ることを特徴とする。
【0011】また、本発明の印刷処理装置における画像
出力モード指定手段は、少なくとも画像出力手段の最高
画像出力速度と最低画像出力速度との間の複数の画像出
力速度から一つの出力速度を選択指定する第一のモード
と、画像出力手段の画像出力速度を指定しない第二のモ
ードとを備えていることを特徴とする。
【0012】また、本発明の印刷処理装置において、画
像出力モード指定手段において第一のモードを指定した
場合には、画像出力モード指定手段によって指定した画
像出力速度に応じた画像出力時間と、展開時間予測手段
により予測された予測時間とを比較し、時間の短い方を
出力手段の画像出力速度に設定することを特徴とする。
【0013】また、本発明の印刷処理装置において、画
像出力モード指定手段において指定した画像出力速度に
応じた画像出力時間と、展開時間予測手段により予測さ
れた予測展開時間とを比較した結果、画像出力モード指
定手段により指定した画像出力速度が短く、該指定した
画像出力速度が画像出力制御手段により設定された場合
は、展開時間予測手段から中間データ生成手段へ中間デ
ータの再生成を指示し、中間データ生成手段は展開処理
データ量を少なくした中間データを再生成することを特
徴とする。
【0014】また、本発明の印刷処理装置において、画
像出力モード指定手段において指定した画像出力速度に
応じた画像出力時間と、展開時間予測手段により予測さ
れた予測展開時間とを比較した結果、画像出力モード指
定手段により指定した画像出力速度が短く、該指定した
画像出力速度が画像出力制御手段により設定された場合
は、展開時間予測手段から中間データ生成手段へ中間デ
ータの再生成を指示し、より抽象度の低い中間データを
再生成することを特徴とする。
【0015】また、本発明の印刷処理装置において、画
像出力モード指定手段において第二のモードを指定した
場合には、展開時間予測手段により予測された予測展開
時間に応じて、画像出力制御手段において画像出力手段
の画像出力速度を決定することを特徴とする。
【0016】また、本発明の印刷処理装置は、展開時間
予測手段により予測された予測展開時間と画像出力モー
ド指定手段によって指定した画像出力速度に応じた画像
出力時間との比較結果を通知し、比較結果を基に画像出
力モード指定手段において画像出力速度を再指定する手
段を備えていることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明の印刷処理方法は、少なく
とも文字、図形又は画像のいずれかを有し、所定の描画
命令で記述されている印刷データを印刷する印刷処理方
法において、少なくとも一種類の基本図形を含む形式で
表現される中間データを印刷データから生成する中間デ
ータ生成ステップと、中間データ生成ステップで生成さ
れた中間データを構成する基本図形の数および大きさを
検出する検出ステップと、検出ステップで検出された基
本図形の数および大きさに基づいて、画像出力手段で出
力可能なデータ構造に展開する展開処理手段での印刷デ
ータの展開時間を予測する展開時間予測ステップと、指
定した画像出力速度に応じた画像出力時間と、展開時間
予測ステップにより予測された予測展開時間とを比較す
るステップと、指定した画像出力速度に応じた画像出力
時間が予測展開時間より短い場合、展開処理時間を短縮
することが可能な中間データを再生成する中間データ再
生成ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明の印刷処理方法における中間
データ再生成ステップは、展開処理データ量を減少させ
た中間データを生成するステップを有することを特徴と
する。
【0019】また、本発明の印刷処理方法における中間
データ再生成ステップは、抽象度を低下させた中間デー
タを生成するステップを有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明に係わ
る印刷処理装置および印刷処理方法の実施の形態につい
て説明する。
【0021】
【実施例】
[実施例1]図1は本発明の印刷処理装置の実施の形態
を示すブロック図である。図1において、印刷処理装置
は、印刷データ作成部1と、印刷データ入力部2と、生
成処理部3と、展開処理部4と、選択モード指示部5
と、展開時間予測部6と、出力制御部7と、出力部8と
から構成されている。さらに、生成処理部3は、字句解
析部30と、中間データ生成部31とから構成されてい
る。
【0022】印刷データ作成部1は、パーソナルコンピ
ュータやワークステーション内において、文書作成や編
集等を処理するアプリケーションプログラムで生成され
た文書データから記述言語で記述された印刷データを作
成する機能を備えたものである。本実施例で対象とする
記述言語は、例えばGDIであるが、Acrobatで
代表されるPDF(Portable Documen
t Format)、PostScriptで代表され
るページ記述言語であってもよい。
【0023】印刷データ入力部2は、印刷データ作成部
1で生成された印刷データを入力するための通信機能、
あるいは生成処理部3へ出力されるまでの間印刷データ
を一時記憶する機能等を備えたものである。
【0024】生成処理部3は、印刷データ入力部2より
入力された印刷データから展開処理部4における印字デ
ータへの展開処理可能な中間データを生成するものであ
り、字句解析部30と、中間データ生成部31とからな
る。
【0025】字句解析部30は、印刷データ入力部2よ
り入力された印刷データを定められた記述言語のシンタ
ックスに従ってトークンとして切り出し、そのトークン
を中間データ生成部31に出力するものである。
【0026】中間データ生成部31は、字句解析部30
から出力されるトークンを受け取って解釈し、描画命令
を実行し、各描画命令に対する台形を基本単位としたデ
ータを生成し、それらを中間データとしてバンド毎に管
理し記憶する。これらのデータは、必要に応じて展開処
理部4や展開時間予測部6から読み出される。中間デー
タを生成する目的は、展開処理部での高速な展開処理を
可能にすることと展開時間予測部6での予測を単純にす
ることである。そのため、中間データは単純な図形(台
形)の集合で表され、バンド単位に分類されている。
尚、中間データ生成部31と展開処理部4との間の接続
は、転送帯域を保証するリアルタイムデータ転送が使用
される。リアルタイムデータ転送のため、例えば、IE
EE1394ハイ・パフォーマンス・シリアル・バスの
アイソクロナス転送モードが使用される。
【0027】展開処理部4は、生成処理部3に記憶され
た中間データをバンド単位に読み出し、展開処理部4内
のバンドバッファメモリに印字データを作成する。この
処理は展開処理部4内の2つのバンドバッファメモリに
交互に蓄積される。尚、後述するように本実施例で利用
される出力部8は、カラーページプリンタであり、バッ
ファメモリに交互に蓄積される印字データは出力部8で
印字している記録色の印刷データに対応している。続い
て、バンドバッファメモリに蓄積された印字データは、
出力部8の印字データ要求に応じて、出力部8に交互に
出力される。
【0028】選択モード指示部5は、パーソナルコンピ
ュータやワークステーション内において作成した文書の
印刷指示を行う時に、出力部8の記録速度の指定や、指
定速度に印刷データの展開処理が間に合わなかった場合
にどのレベルの画質までなら劣化してもよいかを示す画
質許容レベルなど、使用者から指示された内容を入力
し、展開時間予測部6へ出力するための通信機能、ある
いは展開時間予測部6から出力された展開処理予測時間
を指定内容に基づいて使用者に通知するための通信機能
を備えたものである。
【0029】展開時間予測部6は、生成処理部3によっ
て生成された中間データを読み出し、中間データのタイ
プや各台形の面積から、加重加算によりバンド毎の展開
処理予測時間を得るものである。さらに、選択モード指
示部5より出力部8の記録速度の指定がある場合には、
指定時間と展開処理予測時間との比較を行い、比較結果
を一旦選択モード指示部5に返す、あるいは、短い方の
時間を出力制御部7に出力し、指定時間が出力された場
合には中間データ生成部にも中間データの再生性を指示
する機能を備えたものである。
【0030】出力制御部7は、出力部8の起動タイミン
グ及び記録速度等を制御するものである。更に特徴的に
は、展開時間予測部6から入力されたページ単位のバン
ド毎の展開処理予測時間あるいは使用者が指定した画像
出力時間に基づき、出力部8の出力がバンド毎の展開処
理予測時間あるいは指定時間を超えないように、出力部
8の記録速度を制御するものである。
【0031】出力部8は、出力制御部7の制御に基づ
き、展開処理部4のバンドバッファメモリから出力され
る印字データを受け取って、記録用紙に印字し出力する
ものである。更に、詳しくは、C、M、Y、BK(シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラック)カラーの色毎に露
光、現像、転写を繰り返すことによりフルカラー画像を
出力できるレーザー走査方式の電子写真方式を用いたカ
ラーページプリンタである。
【0032】次に上述したように構成された印刷処理装
置における印刷データの流れについて説明する。
【0033】印刷データ作成部1で作成された印刷デー
タは、印刷データ入力部2を介して、生成処理部3の字
句解析部30に入力される。一方使用者から画像出力速
度の指定あるいは展開処理予測時間の通知指示があった
場合、その内容は選択モード指示部5に入力される。字
句解析部30において印刷データから切り出されたトー
クンは、中間データ処理部31に入力される。中間デー
タ処理部31により生成された中間データは展開時間予
測部6と展開処理部4へ入力される。展開時間予測部6
では、中間データを受け取って、中間データのタイプや
各台形の面積から、加重加算によりバンド毎の展開処理
量Rを求める。さらに、求められた展開処理量Rと展開
処理を実行する処理資源の処理能力に基づいてに展開処
理時間を予測する。
【0034】展開処理量Rの計算について、図2のフロ
ーチャートを用いて説明する。尚、入力される台形デー
タは、図3(b)に示すデータ構造により記述されてい
るものとする。例えば図3(a)に示す太線で示された
多角形のベクターは、4つの台形により描画領域が示さ
れる。これらの台形は出力装置のスキャンラインに平行
な2辺を持った台形であり、1つの台形は図3(b)に
示すように(sx,sy,x0,x1,x2,h)の6
つのデータで表現される。
【0035】図2のフローチャートの初めのステップ1
1において、展開処理量Rを0に設定する。
【0036】次にステップ12において、処理すべき台
形データが残っているかどうかを判定し、もし残ってい
ないならばステップ18に移って展開処理量Rを評価テ
ーブルに出力して処理を終了し、台形データが残ってい
る場合はステップ13以降の処理に移る。
【0037】次にステップ13において、バンド単位の
台形データ群の中から次の処理すべき台形について、図
3(b)に示す台形データ(sx,sy,x0,x1,
x2,h)の読み込みを実行する。
【0038】次にステップ14において、台形データか
らその台形の面積Sを計算する。面積Sは図3(b)の
台形データを用いて、ステップ14に記載の式により求
めることができる。
【0039】次にステップ15において、この台形のタ
イプが文字/図形か画像かを判定する。台形のタイプ
が、もし文字/図形ならばステップ16に、画像ならば
ステップ17に移る。
【0040】ステップ16では、台形データとステップ
14で求めた台形の面積Sとからステップ16に記載の
式による計算を行って展開処理量Rを更新し、ステップ
2に制御を移す。同様にステップ17では、台形データ
とステップ14で求めた台形の面積Sとからステップ1
7に記載の式による計算を行って展開処理量Rを更新
し、ステップ12に制御を移す。
【0041】上記の説明において、台形の展開処理量
は、図2のステップ16及びステップ17に示すように
台形の高さhと台形の面積Sを加重加算して求められて
いるが、これは台形の描画処理方式に依存して定められ
るものであり、実行する描画処理方式に基づいて適切な
計算方法を決定することが必要である。
【0042】図2に示すフローチャートに記載の計算に
ついて説明すると、DDA(デジタル・ディファレンシ
ャル・アナライザ)などによって台形の左辺/右辺座標
を求める処理の1行分の展開処理量をaとすると、高さ
hの台形の左辺/右辺座標の計算に必要な展開処理量は
ahとなる。また、台形内部を描画する処理の1画素分
の展開処理量をbとすると、面積Sの台形の描画に必要
な展開処理量はbSとなる。この1画素当たりの展開処
理量bは、同一の画素値を描画する文字/図形データの
場合と、原画像データを参照しながら1画素毎に異なっ
た画素値を描画する画像データの場合では大きく異なる
ので、ステップ15において文字/図形と画像を判定し
て、画像の場合には異なる係数cを用いるように構成し
ている。これらの係数a,b,cは、予め係数テーブル
に設定されており、必要に応じて読み出されて使用され
る。
【0043】次に展開処理量Rに基づいて展開処理時間
Tの予測を行う方法について説明する。展開時間予測部
6では、展開処理するバンド単位の処理量と、展開処理
部4での処理構成に基づいて、各バンド毎の展開時間を
予測するものである。展開処理部4での処理構成が、各
記録色独立に均等に割当てられているとすれば、展開予
測時間Tは、記録色毎、バンド毎の処理量Rに対して、
次の式(1)で算出される。
【0044】
【数1】T=a×R .....(1)
【0045】ここで、aは処理量1単位に対する独立し
た1ケの展開処理資源の展開処理時間である。一方、展
開処理部4での処理構成が、特定色に対して複数の展開
処理資源が割当てられ並列に動作するとすれば、展開予
測時間Tは、記録色毎、バンド毎の処理量Rに対して、
次の式(2)で算出される。
【0046】
【数2】T=a×R×c/p .....(2)
【0047】ここで、aは処理量1単位に対する独立し
た1ケの展開処理資源の展開処理時間、pは並列に動作
する展開処理資源、例えばLSIあるいはプロセッサの
数、cは並列動作における各展開処理資源の待ちによっ
て生じる並列動作性能の低下を示す補正係数である。上
記補正係数cは、統計的に算出される。尚、補正係数c
の値を小さくするためには、印刷データの基本図形のサ
イズを一定に揃えることは有効である。
【0048】このような手順によって求められたバンド
ごとの展開処理予測時間は、ページ単位に集計され出力
制御部7に出力される。ただし、選択モード指示部5に
使用者からの出力時間に関する指示が入力されている場
合にはその内容に基づき、上述の展開処理予測時間と指
定出力時間との比較、および比較結果の通知等の処理が
行われる。さらに、この展開処理予測時間と指定出力時
間との比較結果に基づいて、バンド毎の展開処理予測時
間あるいは指定出力時間の一方が、ページ単位に集計さ
れ出力制御部7に出力される。出力制御部7では、展開
時間予測部6から出力された展開処理予測時間あるいは
指定出力時間に基づき出力部8の記録速度を決定し、出
力部8を起動するとともに、決定された記録速度で出力
部を動作させる。
【0049】一方展開処理部4では、中間データを受け
取って出力部8で最初に記録される印字データでバンド
バッファメモリが満たされるまで展開処理が行われる。
出力部8のサイクルアップが完了すると、バンドバッフ
ァメモリから出力部8に、出力部8の記録速度に応じて
印字データが1ライン毎に転送され、印字が行われる。
1つのバンドバッファメモリの印字データが印字されて
いる間に、片側のバンドバッファメモリが印字データで
満たされるまで展開処理が実行される。上記展開処理部
4の印字データへの展開及び出力部での印字は、1ペー
ジ分の印刷データが処理されるまで、色毎に繰り返され
る。さらに、上記印刷データが複数ページで構成される
場合は、全ページの出力が終了するまで繰り返される。
【0050】以上、本発明の印刷処理装置の概要につい
て記述した。次に、この印刷処理装置の主要部の詳細に
ついて説明する。
【0051】初めに、中間データ生成部31について詳
細を説明する。中間データ生成部31は、図4に示すよ
うに、トークン解釈部310と、命令実行部311と、
画像処理部312と、描画状態記憶部313と、ベクタ
ーデータ生成部314と、フォント管理部315と、マ
トリックス変換部316と、ショートベクター生成部3
17と、台形データ生成部318と、バンド分解部31
9と、台形データ管理部320と、台形データ記憶部3
21とから構成される。
【0052】トークン解釈部310は、字句解析部30
から入力されたトークンを解釈し、内部命令に変換して
命令実行部311へ送る。命令実行部311は、トーク
ン解釈部310から送られてきた命令に応じて画像処理
部312,描画状態記憶部313,ベクターデータ生成
部314へ転送する。画像処理部312は、入力された
画像ヘッダと画像データをもとに各種の画像処理を行っ
て出力画像ヘッダと出力画像データを生成し、台形デー
タ管理部320へ転送する。
【0053】
【表1】
【0054】描画状態記憶部313は、命令実行部31
1の命令によって与えられる描画に必要な情報、例えば
表1に示すアンダーラインの無い情報についての値の設
定をを行い、それらを記憶する。ベクターデータ生成部
314は、命令実行部311の命令とそれに付加された
情報、描画状態記憶部313からの情報、フォント管理
部315からの情報を使用して描画すべきベクターデー
タを生成し、マトリックス変換部316へ転送する。
【0055】フォント管理部315は、各種フォントの
アウトラインデータを管理記憶し、要求に応じて文字の
アウトラインデータを提供する。
【0056】マトリックス変換部316は、ベクターデ
ータ生成部314から入力されたベクターデータを描画
状態記憶部313の変換マトリックスによってアフィン
変換し、ショートベクター生成部317へ転送する。ア
フィン変換は、アプリケーションの解像度(座標系)か
らプリンタの解像度(座標系)に変換することが主な目
的である。変換マトリックスには、下式(3)に示すよ
うな3×3のものが使われ、入力ベクターデータ(X
n,Yn)は、出力ベクターデータ(Xn’,Yn’)
に変換され、ショートベクター生成部317へ送られ
る。
【0057】
【数3】
【0058】ショートベクター生成部317は、入力さ
れたベクター中の曲線に対するベクターを複数の直線の
ベクター集合(ショートベクター)で近似し、台形デー
タ生成部318へ送る。
【0059】例えば、曲線のベクターには、図5に示す
4つの制御点で表現されるベジエ曲線が使われる。この
場合ショートベクター化の処理は、図5に示す通りベジ
エ曲線を再帰的に分割し、高さ(距離d)がフラットネ
スで与えられた値より小さくなった時点で分割を終了す
る。従って、このフラットネス値を調整することによ
り、ベジエ曲線の再帰的分割を制御することができる。
つまり、フラットネス値を大きく設定すると、曲線の分
割数は減少し、ショートベクタ数も減少する。また、フ
ラットネス値を小さく設定すると、曲線の分割数は増大
し、ショートベクタ数も増大する。展開処理部4におけ
る展開処理時間は、このベクタ数に依存するので、この
フラットネス値により、展開処理時間をある程度調節で
きる。例えば、フラットネス値を大きく設定すれば、展
開処理時間を短縮することが可能となる。
【0060】台形データ生成部318は、入力されたシ
ョートベクターから描画する台形データを生成して、バ
ンド分解部319へ転送する。バンド分解部319は、
入力された台形データ又は座標データのうち複数のバン
ドにまたがるデータをそれぞれのバンドのデータに分割
し、バンド単位に台形データ管理部320へ送る。台形
データ管理部320では、バンド単位に入力された台形
データに、管理情報と描画状態記憶部313や画像処理
部312から入力された色情報とを付加し、中間データ
として台形データ記憶部321へ書き込む。台形データ
記憶部321は、台形データ管理部320で生成された
中間データをバンド単位に記憶し、展開処理部4や展開
時間予測部6の要求に応じて中間データを転送する。
尚、上記に説明したトークン解釈部310から台形デー
タ記憶部321への書き込みまでの処理は、描画命令が
入力されるたびに繰り返し行われる。また台形データ記
憶部321からの展開処理部4,展開時間予測部6への
中間データの転送は、1ページ分の中間データが記憶さ
れた後に行われる。
【0061】以下では、展開時間予測部6から展開時間
短縮の指示があった場合の中間データ生成部の動作につ
いて説明する。
【0062】展開時間予測部6からの展開時間短縮命令
および画質レベルは命令実行部に入力される。命令実行
部は画質レベルを描画状態記憶部に出力し、描画状態記
憶部に記憶されている現在処理中の描画命令に関する情
報を画質レベルに応じて変更する。そして、命令実行部
に記憶させておいた描画命令を改めて実行し、展開処理
部4で処理するデータ量を少なくした中間データを生成
する。
【0063】データ量を少なくする内容としては、例え
ば画像描画に関する情報では、解像度を落とす、階調を
低くして色数を減らすなど、図形描画に関する情報で
は、例えば上述したフラットネス値を再設定し、曲線の
直線近似の精度を荒くすることによって直線の数を減ら
す、あるいは描画色を減らすなどが挙げられる。もちろ
ん、他にもデータ量を少なくできる情報があれば、それ
を変更して指定のレベルに落としても構わない。
【0064】次に、選択モード指示部5について詳細に
説明する。選択モード指示部5で指示する内容には、速
度優先モード1と画質優先モード2があり、さらに速度
優先モード1には、速度指定と画質許容レベル指定があ
る。速度指定は、出力部が駆動できる最高出力速度と最
低出力速度の間の複数画像出力速度から希望の画像出力
速度を指定するものである。画質許容レベル指定は、印
刷データの展開処理が指定時間に間に合わない場合に、
どのレベルまでなら画質を落として指定時間に展開処理
を間に合うようにしてもよいかを指定するものである。
画質劣化の程度は、指定時間と展開処理予測時間との差
に相関があり、差が大きいほど画質劣化の程度は大きく
なり、画質レベルは下がる。画質許容レベルを指定する
場合、使用者が任意のレベルを指定するモードと、自動
判別モードとがあり、画質許容レベルがn段階(nは2
以上の整数)あり、レベルnが画質劣化なしの状態であ
るとすると、自動判別モードでの画質許容レベルは例え
ばn/2(小数になる場合は切上げ)に自動設定され
る。自動判別モードでない場合には、使用者がn段階の
中から任意のレベルを選択し指定する。
【0065】次に、展開時間予測部6について詳細に説
明する。図6は、本実施例における展開時間予測部6の
構成例を示すブロック図である。展開時間予測部6は、
中間データ生成部31の出力を受け取ってそこから展開
時間を予測する予測処理部60と、選択モード指示部5
からの指示を受け取って予測時間と指示時間を比較する
展開時間比較部61とから構成されている。
【0066】中間データ生成部31でバンド単位の台形
データに変換された印刷データは、各バンド単位に予測
処理部60に入力され、台形毎に展開時間の予測が行わ
れて積算され、バンド当たりの展開処理予測時間が得ら
れる。この展開処理予測時間は、展開時間比較部61に
入力され、選択モード指示部5からの指示内容との比較
を行う。展開時間比較部61について、図7のフローチ
ャートを参照して詳細に説明する。
【0067】展開時間比較部61は、予測処理部から展
開処理予測時間T’を入力し、初めにステップ1で選択
モード指示部5から指示されたモードが速度優先モード
1か画質優先モード2かを判別する。もし画質優先モー
ド2ならば、ステップ9に移って展開処理予測時間T’
を出力制御部7に出力して処理を終了し、速度優先モー
ド1ならばステップ2以降の処理に移る。
【0068】ステップ2では、選択モード指示部5から
の指定処理時間T1を設定し、ステップ3で指定処理時
間T1と展開処理予測時間T’とを比較する。展開処理
予測時間T’の方が短い場合は、ステップ9に移って展
開処理予測時間T’を出力制御部7に出力して処理を終
了する。指定処理時間T1の方が短い場合は、指定処理
時間T1と展開処理予測時間T’との値の差から指定処
理時間T1で出力した場合の画質レベルを求めてステッ
プ4に移る。
【0069】ステップ4では、選択モード指示部5から
画質許容レベルの指定があるかどうかの判別を行い、画
質許容レベルの指定がない場合には、ステップ10に移
って中間データ生成部に処理短縮命令とステップ3で求
められた画質レベルを通知し、さらにステップ11にお
いて指定処理時間T1を出力制御部7に出力して処理を
終了する。ステップ4において、画質許容レベルの指定
がある場合には、ステップ5に移る。
【0070】ステップ5では、まず、画質許容レベルの
指定が自動判別モードならば、画質許容レベルをn/2
に設定し、自動判別モードでないならば、指定レベルを
画質許容レベルに設定する。そして、ステップ3で求め
られた画質レベルと画質許容レベルとを比較する。も
し、画質レベルが画質許容レベルを下回らない場合に
は、ステップ10に移って中間データ生成部に処理短縮
命令とステップ3で求められた画質レベルを通知し、さ
らにステップ11において指定処理時間T1を出力制御
部7に出力して処理を終了する。ステップ5において、
画質レベルが画質許容レベルを下回る場合には、ステッ
プ6に移る。
【0071】ステップ6では、指定処理時間T1に対し
て指定した画質レベルでは展開処理が間に合わない可能
性のある旨と、指定された画質許容レベル内で展開処理
の間に合う処理時間T2とを使用者に通知する。
【0072】ステップ7では、展開時間比較部61より
通知された内容を見て、使用者が処理時間の指定を再設
定するかどうか判断し、もし再指定しない場合は、ステ
ップ10に移って中間データ生成部に処理短縮命令とス
テップ3で求められた画質レベルを通知し、さらにステ
ップ11において指定処理時間T1を出力制御部7に出
力して処理を終了する。再指定する場合には、ステップ
8に移って中間データ生成部に処理短縮命令と指定され
た画質許容レベルを通知し、次にステップ12に移って
提示された処理時間T2を設定し、ステップ13におい
て指定処理時間T2を出力制御部7に出力して処理を終
了する。
【0073】[実施例2]本発明の第2の実施例につい
て説明する。第1の実施例では、使用者が指定した画像
出力速度に印刷データの展開処理が間に合わない場合、
印刷データのデータ量を減らして画質のレベルを落とす
ことで展開処理を間に合わせるようにしていた。しか
し、画像出力速度を高速に指定しても、得られた画像の
画質レベルが極端に低くなった場合には、結局得られた
画像に価値がなくなる恐れがある。また、例えば一種類
の印刷データを複数部数出力する場合には、画質レベル
の低い画像を高速に複数部得られるよりも、画質レベル
を落とさないように印字データの生成までは時間を掛け
て、画像出力時の印字速度のみを高速駆動させた方が、
トータルの処理時間としてはさほど差がなく、結果的に
画質レベルの高い画像を高速に得られるというケースも
ある。そこで、本発明の第2の実施例は、指定時間に展
開処理が間に合わない場合、中間データ生成部で生成す
る中間データの抽象度を下げることで、最終的に出力さ
れる画像の画質レベルを劣化させることなく展開処理部
での展開処理量を減少させ、指定出力時間に間に合わせ
ようというものである。
【0074】図8および図9を用いて、第2の実施例に
ついて詳細に説明する。初めに、図8について説明をす
る。図8は、図6の展開時間比較部61の処理フローに
ついて説明したものである。ステップ4での分岐以外は
先の実施例1の図7での説明と同じものであるため、こ
こでは説明を省略する。
【0075】ステップ4において、選択モード指示部5
から画質許容レベルの指定があるかどうかの判別を行
う。画質許容レベルの指定がある場合には、先の実施例
1での説明と同様の処理を行っていく。画質許容レベル
の指定がない場合には、指定処理時間T1と展開処理予
測時間T’との値の差から、展開処理部4での展開処理
が指定処理時間T1に間に合うための中間データの抽象
度レベルを求め、ステップ14に移って中間データ生成
部に抽象度変換命令と、抽象度レベルを通知し、さらに
ステップ11において指定処理時間T1を出力制御部7
に出力して処理を終了する。
【0076】すなわち、ステップ4からステップ14、
ステップ11へ進む処理は、展開処理予測時間T’が指
定処理時間T1より大である場合に、指定処理時間T1
以内での展開処理を可能とするため、展開処理以前に生
成される中間データを一部あるいは全て、より抽象度の
低いデータにあらかじめ変換し、その後の展開処理時間
の短縮を図るものである。変換されるデータは、具体的
には、台形データの座標データ、あるいは、座標データ
から生成されるラスタデータである。
【0077】展開処理以前に、予め座標データ、あるい
はラスタデータが与えられれば、一般的な展開処理であ
る台形データからラスタデータの生成処理ステップが省
略され、結果として展開処理に要する時間は短縮される
ことになる。展開処理予測時間T’が指定処理時間T1
に比較して大であればあるほど、展開処理以前に準備さ
れるべき変換データは多くなる。すなわち、中間データ
の抽象度レベルは小となる。
【0078】したがって、抽象度レベルは、展開処理予
測時間T’と指定処理時間T1との差に基づいて設定さ
れる。例えば抽象度レベルがn段階(nは2以上の整
数)用意されており、最も低い抽象度が1で、最も高い
抽象度がnとして設定されている場合、展開処理予測時
間T’と指定処理時間T1との差が大であればあるほ
ど、展開処理時間をより短縮することが必要となり、そ
のために多くの変換データが必要となる。この場合、設
定される抽象度レベルは、低い抽象度レベル(より1に
近い)となる。一方、展開処理予測時間T’と指定処理
時間T1との差が小さければ、展開処理時間の短縮時間
は少なくて済み、高い抽象度の中間データ、すなわち元
々の中間データである台形データに対して変換すべき加
工データは少なくなり、この場合、高い抽象度レベル
(よりnに近い)が設定される。
【0079】次に、図9に示す本実施例の構成図につい
て説明をする。図9において、中間データ生成部31
は、トークン解釈部310と、命令実行部311と、画
像処理部312と、描画状態記憶部313と、ベクター
データ生成部314と、フォント管理部315と、マト
リックス変換部316と、ショートベクター生成部31
7と、台形データ生成部318と、座標データ生成部3
22と、ラスタデータ生成部323と、バンド分解部3
19と、台形データ管理部320と、中間データ記憶部
321とから構成される。
【0080】上記の構成の内、トークン解釈部310、
命令実行部311、画像処理部312、描画状態記憶部
313、ベクターデータ生成部314、フォント管理部
315、マトリックス変換部316、ショートベクター
生成部317、バンド分解部319、ならびに台形デー
タ管理部320は、先の実施例1での構成と同じもので
あるため、ここでは説明を省略する。
【0081】座標データ生成部322は、中間データ記
憶部321に記憶されている台形データを読み出し、台
形の左右両端のエッジの座標計算を行い、座標値をラス
タデータ生成部323あるいは中間データ記憶部321
に出力する。ラスタデータ生成部323は座標データ生
成部322から入力された座標値により、台形のx軸に
平行な直線を描画する。中間データ記憶部321は、台
形データ管理部320で生成された中間データ、あるい
は座標データ生成部322で生成された座標データ、あ
るいはラスタデータ生成部323で生成された描画デー
タをバンド単位に記憶し、展開処理部4や展開時間予測
部6の要求に応じて各種データを転送する。
【0082】以下では、展開時間予測部6から中間デー
タの抽象度変換の指示があった場合の中間データ生成部
の動作について説明する。
【0083】展開時間予測部6からの抽象度変換命令お
よび抽象度レベルは座標データ生成部322およびラス
タデータ生成部323に入力される。例えば、抽象度レ
ベルがn段階(nは2以上の整数)ある場合、ラスタデ
ータ生成部323は抽象度レベルがm(0<m<n)以
下の時に動作する様に予め定められている。まず、座標
データ生成部322は展開時間予測部6から抽象度変換
命令を受けると、中間データ記憶部321に記憶されて
いる台形データを読み出し、台形の左右両端のエッジの
座標計算を行う。この時、抽象度レベルの値によって座
標計算を行う台形データの割合は変化し、抽象度レベル
がmならば、すべての台形データについて座標計算を行
う。そして、展開時間予測部6から入力された抽象度レ
ベルがm以上の場合は、座標データ生成部322で算出
した座標値は中間データ記憶部321に書き戻される。
一方、抽象度レベルがmより低い場合は、座標データ生
成部322で計算された座標値はラスタデータ生成部3
23に入力され、ラスタデータ生成部323は座標デー
タ生成部322から入力された座標値により、台形のx
軸に平行な直線を描画し、その描画データを中間データ
記憶部321に書き出す。この時、座標データ生成部3
22と同様に抽象度レベルの値によって生成される描画
データの割合は変化し、抽象度レベルが1、つまりもっ
とも抽象度の指示が低い場合は、すべての描画データを
生成する。
【0084】このようにして再生成された中間データは
展開処理部4へ転送され、展開処理部4では、入力され
たデータが台形データならば座標計算から、座標データ
ならば描画データ生成から展開処理を開始し、描画デー
タならばバンドバッファへ直接入力することで印字デー
タを作成して出力部に印字データを転送する。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ページプ
リンタの画像出力速度が可変である印刷処理装置におい
て、画像出力速度の使用者による指定を可能とするとと
もに、指定された出力速度と、画像出力に要する印刷デ
ータの展開処理時間の予測結果とを比較し、指定された
出力速度が展開処理予測時間を上回る場合は、展開処理
時間を短縮するために、中間データのデータ量を減少さ
せる、あるいは中間データの抽象度を予め低下させる等
により、展開処理に要する時間の短縮を達成し、指定時
間での出力を可能とした。
【0086】また、画質許容レベルについても、使用者
が指定可能であり、処理時間の予測結果から指定した画
像出力速度では画質許容レベルを下回る場合には、その
結果を使用者に通知し、それをもとに印字速度を再設定
できるといった、インタラクティブな機能を備えること
で、使用者の要求に柔軟に対応できる印刷処理装置およ
び印刷処理方法を提供することができる。
【0087】また、中間データの抽象度を下げて展開処
理部での展開処理量を減少させる機構により、画質を劣
化させることなく指定出力速度で印字データを出力する
印刷処理装置および印刷処理方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印刷処理装置の構成図である。
【図2】 本発明の印刷処理装置における展開処理量
を求める手順を示すフローチャートである。
【図3】 台形データを説明する図である。
【図4】 本発明の第1実施例における中間データ生
成部を示すブロック図である。
【図5】 ベジエ曲線の再帰的な分割を説明する図で
ある。
【図6】 展開時間予測部を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第1実施例における展開時間比較
部の動作を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第2実施例における展開時間比較
部の動作を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の第2実施例における中間データ生
成部を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 印刷データ作成部 2 印刷データ入力部 3 生成処理部 4 展開処理部 5 選択モード指示部 6 展開時間予測部 7 出力制御部 8 出力部 30 字句解析部 31 中間データ生成部 60 予測処理部 61 展開時間比較部 310 トークン解釈部 311 命令実行部 312 画像処理部 313 描画状態記憶部 314 ベクターデータ生成部 315 フォント管理部 316 マトリックス変換部 317 ショートベクター生成部 318 台形データ生成部 319 バンド分解部 320 台形データ管理部 321 台形データ記憶部 322 座標データ生成部 323 ラスタデータ生成部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも文字、図形又は画像のいずれ
    かを有し、所定の描画命令で記述されている印刷データ
    を入力する印刷データ入力手段と、 前記印刷データ入力手段に入力された印刷データを出力
    する画像出力手段と、 前記印刷データを前記画像出力手段で出力可能なデータ
    構造に展開する展開処理手段と、 前記展開処理手段で展開する前記データ構造より抽象度
    が高く、少なくとも一種類の基本図形を含む形式で表現
    される中間データを前記印刷データから生成する中間デ
    ータ生成手段と、 前記中間データ生成手段で生成された中間データを構成
    する前記基本図形の数および大きさを検出する検出手段
    と、 前記検出手段で検出された前記基本図形の数および大き
    さに基づいて、前記展開処理手段での前記印刷データの
    展開時間を予測する展開時間予測手段と、 前記展開時間予測手段で予測された予測展開時間に応じ
    て、前記画像出力手段の画像出力速度を設定する画像出
    力制御手段と、 画像出力モードを指定する画像出力モード指定手段とを
    備えていることを特徴とする印刷処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画像出力モード指定手段は、少なく
    とも前記画像出力手段の最高画像出力速度と最低画像出
    力速度との間の複数の画像出力速度から一つの出力速度
    を選択指定する第一のモードと、前記画像出力手段の画
    像出力速度を指定しない第二のモードとを備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の印刷処理装置。
  3. 【請求項3】 前記画像出力モード指定手段において前
    記第一のモードを指定した場合には、前記画像出力モー
    ド指定手段によって指定した画像出力速度に応じた画像
    出力時間と、前記展開時間予測手段により予測された予
    測時間とを比較し、時間の短い方を前記出力手段の画像
    出力速度に設定することを特徴とする請求項2に記載の
    印刷処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像出力モード指定手段において指
    定した画像出力速度に応じた画像出力時間と、前記展開
    時間予測手段により予測された予測展開時間とを比較し
    た結果、前記画像出力モード指定手段により指定した画
    像出力速度が短く、該指定した画像出力速度が前記画像
    出力制御手段により設定された場合は、前記展開時間予
    測手段から前記中間データ生成手段へ中間データの再生
    成を指示し、前記中間データ生成手段は展開処理データ
    量を少なくした中間データを再生成することを特徴とす
    る請求項3に記載の印刷処理装置。
  5. 【請求項5】 前記画像出力モード指定手段において指
    定した画像出力速度に応じた画像出力時間と、前記展開
    時間予測手段により予測された予測展開時間とを比較し
    た結果、前記画像出力モード指定手段により指定した画
    像出力速度が短く、該指定した画像出力速度が前記画像
    出力制御手段により設定された場合は、前記展開時間予
    測手段から前記中間データ生成手段へ中間データの再生
    成を指示し、より抽象度の低い中間データを再生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の印刷処理装置。
  6. 【請求項6】 前記画像出力モード指定手段において前
    記第二のモードを指定した場合には、前記展開時間予測
    手段により予測された予測展開時間に応じて、前記画像
    出力制御手段において前記画像出力手段の画像出力速度
    を決定することを特徴とする請求項2に記載の印刷処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記展開時間予測手段により予測された
    予測展開時間と前記画像出力モード指定手段によって指
    定した画像出力速度に応じた画像出力時間との比較結果
    を通知し、前記比較結果を基に前記画像出力モード指定
    手段において画像出力速度を再指定する手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の印刷処理装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも文字、図形又は画像のいずれ
    かを有し、所定の描画命令で記述されている印刷データ
    を印刷する印刷処理方法において、 少なくとも一種類の基本図形を含む形式で表現される中
    間データを前記印刷データから生成する中間データ生成
    ステップと、 前記中間データ生成ステップで生成された中間データを
    構成する基本図形の数および大きさを検出する検出ステ
    ップと、 前記検出ステップで検出された前記基本図形の数および
    大きさに基づいて、画像出力手段で出力可能なデータ構
    造に展開する展開処理手段での前記印刷データの展開時
    間を予測する展開時間予測ステップと、 指定した画像出力速度に応じた画像出力時間と、前記展
    開時間予測ステップにより予測された予測展開時間とを
    比較するステップと、 前記指定した画像出力速度に応じた画像出力時間が前記
    予測展開時間より短い場合、展開処理時間を短縮するこ
    とが可能な中間データを再生成する中間データ再生成ス
    テップと、を有することを特徴とする印刷処理方法。
  9. 【請求項9】 前記中間データ再生成ステップは、 展開処理データ量を減少させた中間データを生成するス
    テップを有することを特徴とする請求項8記載の印刷処
    理方法。
  10. 【請求項10】 前記中間データ再生成ステップは、 抽象度を低下させた中間データを生成するステップを有
    することを特徴とする請求項8記載の印刷処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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