JP2000130350A - ポンプ装置および車両用ブレーキシステム - Google Patents

ポンプ装置および車両用ブレーキシステム

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JP2000130350A
JP2000130350A JP10299821A JP29982198A JP2000130350A JP 2000130350 A JP2000130350 A JP 2000130350A JP 10299821 A JP10299821 A JP 10299821A JP 29982198 A JP29982198 A JP 29982198A JP 2000130350 A JP2000130350 A JP 2000130350A
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pump
motor
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hydraulic
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Eiji Nakamura
栄治 中村
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Toyota Motor Corp
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 それぞれポンプと電動モータとを備えた複数
組のポンプ・モータを含むポンプ装置の改善に関する。 【解決手段】 低圧ポンプ,電動モータを含む低圧ポン
プ・モータと高圧ポンプ,電動モータを含む高圧ポンプ
・モータとを備えた動力液圧源を車両用ブレーキシステ
ムに設け、動力液圧源の液圧をブレーキペダルの踏込力
あるいはホイールシリンダ液圧に応じた高さに制御して
ホイールシリンダに供給し、車輪の回転を抑制する。ホ
イールシリンダ液圧を保持し、あるいは減圧する際に、
目標吐出液圧が低圧ポンプ・モータの制御のみによって
得ることができ、かつ保持あるいは減圧状態が設定時間
以上継続すれば2組のポンプ・モータを交替で作動さ
せ、低圧ポンプ・モータが目標吐出液圧が一定の状態で
作動し続けることを回避する。目標吐出液圧が変化する
際にも、低圧ポンプ・モータ,高圧ポンプ・モータを交
替で作動させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ装置および
ポンプ装置を備えた車両用ブレーキシステムに関するも
のであり、特に、それぞれポンプとそれを駆動する電動
モータとを備えた複数組のポンプ・モータを含むポンプ
装置の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポンプ装置には、例えば、特開平9−2
56960号公報に記載されているように、(A)それ
ぞれポンプとそれを駆動する電動モータとを備えた複数
組のポンプ・モータと、(B)それら複数組のポンプ・
モータの電動モータを制御するモータ制御装置とを含む
装置がある。上記公報に記載のポンプ装置は、ポンプ・
モータを2組備えており、車両用ブレーキ装置に設けら
れ、リザーバから作動液を汲み上げてブレーキシリンダ
に供給する。2組のポンプ・モータの各ポンプの限界吐
出液圧の高低および吐出流量の大小はそれぞれ、互いに
異ならされており、一方のポンプは他方のポンプより限
界吐出液圧が高く、吐出流量が小さくされている。限界
吐出液圧が高いポンプを高圧ポンプと称し、低いポンプ
を低圧ポンプと称する。この車両用ブレーキ装置におい
ては、ブレーキシリンダの液圧が設定値以下の状態では
低圧ポンプが作動させられ、ブレーキシリンダの液圧が
設定値を超える状態では高圧ポンプが作動させられる。
液圧ブレーキ装置には、作動開始当初は大きな流量の作
動液が必要であるが、ブレーキが効き始め、液圧が高い
領域では作動液の流量が小さくて済む性質があるからで
ある。限界吐出液圧および吐出流量が異なる2組のポン
プ・モータは、ブレーキシリンダの液圧、すなわち目標
吐出液圧の大きさに応じて使い分けられ、それぞれの作
動液圧領域において単独で作動して目標吐出液圧を得る
のであり、ポンプ・モータを1組のみ設ける場合に比較
して、ポンプ装置を軽く、安価に構成することができ
る。ポンプ・モータを1組有するポンプ装置により、ブ
レーキシリンダに必要とされるあらゆる大きさの液圧お
よび増圧速度を得るためには、ポンプ・モータを、限界
吐出液圧が高くかつ吐出流量が大きいものとする必要が
あり、ポンプ・モータが重量が大きく、高価なものとな
る。それに対し、低圧ポンプは吐出流量が大きい代わり
に限界吐出液圧が低いため、高速回転あるいは大形とす
る必要があるが、駆動トルクあるいは強度が小さくて済
み、安価に構成し得る。また、高圧ポンプは限界吐出液
圧が高い代わりに吐出流量が小さいため、低速回転ある
いは小形で済み、重量やコストがそれほど大きくなるこ
とはない。結局、ポンプ・モータを2組設けても、1組
で同等の機能を果たし得るポンプ・モータを設ける場合
に比較して、ポンプ装置を軽く、安価に構成することが
できるのである。また、ポンプ・モータを2組設けれ
ば、いずれか一方に異常が生じ、吐出液圧を得ることが
できなくなっても、他方の作動によりブレーキシリンダ
に液圧を得ることができる。さらに、作動液の供給が必
要である間、ポンプ・モータを1組有するポンプ装置を
常に運転するより、2組のポンプ・モータを選択的に運
転する方が、エネルギ消費が少なくて済む利点もある。
なお、上記公報には、1つの電動モータを2つのポンプ
に共用する実施形態においてではあるが、ポンプ装置の
作動開始時に2つのポンプを同時に作動させ、大きな吐
出流量を得ることが記載されている。
【0003】しかしながら、上記公報に記載のポンプ装
置においては、ブレーキシリンダにおいて必要とされる
液圧の高さ、すなわち目標吐出液圧が一定であり、ある
いは目標吐出液圧が、一方の組のポンプ・モータの作動
液圧領域内の液圧であることが続けば、2組のポンプ・
モータのうち、一方のポンプ・モータのみが作動させら
れ続け、寿命が短くなり、あるいは要求寿命を満たすた
めに高価となることを避け得ないという問題があり、あ
るいはポンプ性能が低下するという問題があった。一般
に、低圧ポンプは高圧ポンプに比較して作動頻度が高い
上、連続作動時間が長くなり易い。特定のポンプ・モー
タのみが多く作動させられれば、そのポンプモータの寿
命が短くなることは当然であるが、長時間継続して作動
させられれば、自己発熱による温度上昇に基づくポンプ
性能の低下やポンプおよび電動モータの寿命の低下が生
じ、それを回避するために放熱機構を設けることが必要
となる。例えば、ポンプがギヤポンプであれば、自己発
熱による温度上昇により、ハウジングとギヤとの間の隙
間が大きくなって漏れが多くなり、性能が低下する。ま
た、ポンプおよび電動モータ、特に電動モータは温度上
昇によって寿命が短くなり易いため、耐久性や放熱性の
向上が要求され、その要求を満たすために、体格が大き
くなり、あるいはコストが高くなるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景とし、ポンプ・モータ
を複数組備えたポンプ装置において寿命の低下,コスト
の増大,ポンプ性能の低下および体格の増大の問題のう
ちの少なくとも1つを解決することを課題としてなされ
たものであり、本発明によって、下記各態様のポンプ装
置および車両用ブレーキシステムが得られる。各態様は
請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要
に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これ
は、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わ
せを例示するためであり、技術的特徴や組合わせが以下
のものに限定されると解釈されるべきではない。 (1)前記(A)の複数組のポンプ・モータと、(B)
のモータ制御装置とを含むポンプ装置であって、前記モ
ータ制御装置が、前記複数組のポンプ・モータの各電動
モータを交替で作動させつつ当該ポンプ装置全体として
の吐出液圧を目標吐出液圧に制御する交替作動制御手段
を含むポンプ装置(請求項1)。複数組のポンプ・モー
タは、限界吐出液圧および吐出流量が互いに同じもので
もよく、 (4)項に記載のポンプ装置におけるように互い
に異なるものでもよい。複数組のポンプ・モータの限界
吐出液圧および吐出流量を互いに同じものとする場合、
限界吐出液圧が高く、吐出流量も大きいものとしてもよ
いが、限界吐出液圧が高く、吐出流量が小さいものとす
ることが望ましい。例えば、ブレーキ作動初期の大流量
の作動液が必要である時期や、特に大きな増圧速度が必
要である特殊な場合等には、全部のポンプ・モータを作
動させて必要な大流量を確保し、要求流量が小さい通常
時は、複数のポンプ・モータの一部(1組でも複数組で
もよい)ずつを交替で作動させるのであり、このように
すれば、限界吐出液圧および吐出流量が大きい1組のポ
ンプ・モータを備えたポンプ装置に比較して、ポンプ装
置を軽く構成することができ、あるいは消費エネルギが
少なくて済むからである。複数組のポンプモータの交替
運転は、目標吐出液圧が実質的に一定あるいは増圧速度
が小さい時期にのみ行われるようにしてもよく、時々刻
々変化する時期にも行われるようにしてもよい。本態様
によれば、複数組のポンプ・モータを交替で作動させて
目標吐出液圧を得るため、特定のポンプ・モータのみの
作動頻度が極端に高くなり、あるいは特定のポンプ・モ
ータが長時間作動させられ続けることを回避することが
できる。それにより、複数組のポンプ・モータのうちで
最大の温度上昇が小さくて済み、ポンプ,電動モータの
いずれについても放熱機構の設置が不要となり、あるい
は簡易化できるとともに、構造によってはポンプ性能の
低下も回避することができる。あるいは、電動モータや
ポンプに要求される耐久性が高くなくなり、安価に構成
することができる。あるいは、複数の電動モータの各全
作動時間のうちの最大のものが短くなり、その電動モー
タの寿命が向上して、結局、ポンプ装置全体としての寿
命が向上する。例えば、複数組のポンプ・モータの性能
(例えば、限界吐出液圧および吐出流量)が互いに同じ
である場合には、それらポンプ・モータを、目標吐出液
圧の大きさに関係なく、同じ時間ずつ交替で作動させる
ことにより、ポンプ・モータの寿命、特に電動モータの
寿命を向上させることができる。また、複数組のポンプ
・モータの性能が互いに異なり、それらポンプ・モータ
が目標吐出液圧の大きさに応じて使い分けられる場合で
あっても、目標吐出液圧が、各組のポンプ・モータがそ
れぞれ単独で達成し得る液圧であり、かつ、目標液圧の
増圧速度が各組のポンプ・モータがそれぞれ単独である
いは一部のものが共同して達成し得る場合には、複数組
のポンプ・モータの一部ずつを交替で作動させることに
より、同じポンプ・モータのみが作動させられ続けるこ
とを回避し、電動モータの寿命の向上効果あるいはポン
プ性能の低下回避の効果が得られる。さらに、ポンプ・
モータが複数組設けられているため、いずれかのポンプ
・モータが作動不能となっても、別のポンプ・モータに
よって吐出液圧を得ることができる。 (2)前記交替作動制御手段が、前記目標吐出液圧の増
圧速度が設定速度以下である状態が設定時間以上継続し
た場合に作動するものである (1)項に記載のポンプ装置
(請求項2)。上記設定速度を、運転者がブレーキ操作
力を一定に保っているつもりでいるのに、実際には微小
な変化が生じてしまう程度よりやや大きい速度に設定す
れば、目標吐出液圧が実質的に一定である場合に交替作
動制御が行われることとなる。また、ポンプ装置が低圧
ポンプと高圧ポンプとを含むものである場合に、高圧ポ
ンプの比較的小さい吐出流量でも要求を満たし得る程度
の速度に設定すれば、目標吐出液圧が低圧ポンプの限界
吐出液圧以下である場合に、交替作動制御が行われるこ
とになる。目標吐出液圧が実質的に一定である場合、あ
るいは増圧速度が設定速度以下である場合には、ポンプ
装置の吐出流量がほぼ0あるいは小さくてよく、吐出流
量の小さいポンプ・モータによって目標吐出液圧を一定
に保つことができる。したがって、本態様は、複数組の
ポンプ・モータのうちの少なくとも1つが吐出流量の小
さいもの、例えば、 (4)項に記載のポンプ装置における
ように、複数組のポンプ・モータの限界吐出液圧および
吐出流量が互いに異ならされ、複数組のポンプ・モータ
のうちの1つが限界吐出液圧が高く、吐出流量が小さい
ものとされたポンプ装置に適している。しかし、複数組
のポンプ・モータの限界吐出液圧および吐出流量が同じ
であるポンプ装置にも、本態様を適用することができ
る。いずれにしても、複数組のポンプ・モータを交替で
作動させれば、各ポンプ・モータの温度上昇が少なくて
済み、寿命の向上,ポンプ性能の向上等の効果が得られ
る。特に、発明の実施の形態において説明するポンプ装
置のように、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モ
ータを備え、ポンプ装置が作動する間、原則として低圧
ポンプ・モータが作動し続ける場合、目標吐出液圧が一
定である状態、あるいは増圧速度が設定速度以下である
状態が設定時間以上継続した場合に、低圧ポンプ・モー
タと高圧ポンプ・モータとの交替作動が開始されるよう
にすれば、低圧ポンプ・モータの温度上昇を効果的に抑
制することができる。さらに、目標吐出液圧が一定であ
っても、常時、いずれかのポンプ・モータが作動してい
るため、その状態から吐出液圧を増大させることが必要
となっても、電動モータの起動遅れがなく、応答遅れ少
なく吐出液圧を増大させることができる。なお、目標吐
出液圧の増圧速度が設定速度以下である状態になれば直
ちに交替作動制御手段が作動するようにすることも可能
である。しかし、その状態が短時間しか継続しない場合
には、交替作動制御が開始されて短時間後には終了させ
られてしまう。ポンプ・モータの交替は、例えば、数秒
程度というように比較的長い時間ずつで行われることが
望ましく、交替作動はその交替時間の複数倍程度は継続
して行われなければ効果がない。一方、目標吐出液圧の
増圧速度が設定速度以下である状態が設定時間以上継続
した場合には、その状態がさらに続く可能性が高い。し
たがって、設定速度以下である状態が設定時間以上継続
した場合に、交替作動制御手段が作動を開始するように
することは合理的なことである。 (3)前記複数組のポンプ・モータが2組である (1)項
または (2)項に記載のポンプ装置。 (4)前記複数組のポンプ・モータが、互いに限界吐出
液圧が高低に異なり、かつ、限界吐出液圧が高いものほ
ど吐出流量が小さいものである (1)項ないし (3)項のい
ずれか1つに記載のポンプ装置。本態様のポンプ装置に
よれば、ポンプ装置全体としての吐出液圧の高さに応じ
て複数組のポンプ・モータが使い分けられるとともに、
目標吐出液圧および増圧速度が、複数組のポンプ・モー
タのいずれもが単独で達成し得る高さであるとき、複数
組のポンプ・モータが交替で作動させられて目標吐出液
圧が得られる。複数組のポンプ・モータの各限界吐出液
圧および吐出流量を互いに同じにする場合には、少なく
とも限界吐出液圧を、ポンプ装置に要求されるあらゆる
目標吐出液圧を満たし得るものとしなければならず、ポ
ンプ・モータの強度が高い必要があり、ポンプ装置が重
くなる。それに対し、本態様によれば、限界吐出液圧が
高いのは、複数組のポンプ・モータのうちの一部であ
り、ポンプ装置を全体として軽く構成することができ
る。 (5)前記交替作動制御手段が、前記限界吐出液圧が低
いポンプ・モータの連続作動時間を限界吐出液圧が高い
ポンプ・モータの連続作動時間より短くする連続作動時
間制御手段を含む (4)項に記載のポンプ装置(請求項
3)。限界吐出液圧が低いポンプ・モータは、吐出流量
が大きいため、目標吐出液圧が同じであれば、駆動電流
は、限界吐出液圧が高いポンプ・モータより大きく、作
動時間が同じであれば、限界吐出液圧が低いポンプ・モ
ータの方が温度上昇が大きい。それに対し、本態様によ
れば、限界吐出液圧が低いポンプ・モータの方が連続作
動時間が短くされるため、複数組のポンプ・モータの温
度上昇の差が減少し、あるいは実質的になくなる。 (6)前記交替作動制御手段が、作動中の電動モータへ
の供給電流を漸減させるとともに次に作動させる電動モ
ータへの供給電流を漸増させる電流徐変手段を含む (1)
項ないし (5)項のいずれか1つに記載のポンプ装置。作
動中の電動モータへの供給電流を、目標吐出液圧を得る
のに必要な大きさから瞬間的に0にしても、そのポンプ
・モータの吐出液圧は直ちに0にはならず、停止中の電
動モータに瞬間的に、目標吐出液圧を得るのに必要な大
きさの電流を供給しても、そのポンプ・モータの吐出液
圧が直ちに0から目標吐出液圧にはならない。そして、
停止させられるポンプ・モータの吐出液圧の減少と、作
動を開始させられるポンプ・モータの吐出液圧の増大と
が丁度相殺し合うことは期待し難いので、ポンプ・モー
タの交替時にポンプ装置全体としての吐出液圧が目標吐
出液圧から外れて変動することとなる。それに対し、本
態様によれば、作動中の電動モータおよび次に作動させ
る電動モータへの供給電流の制御により、ポンプ装置全
体としての吐出液圧を目標吐出液圧に保ちつつ、ポンプ
・モータを交替させることができる。 (7)前記ポンプ・モータのポンプがギヤポンプである
(1)項ないし (6)項のいずれか1つに記載のポンプ装
置。ポンプ・モータのポンプはプランジャポンプでもよ
いが、ギヤポンプとすれば、プランジャポンプとする場
合に比較して吐出脈動が少なくて済み、電動モータの制
御によるポンプ装置の吐出液圧制御の精度を向上させる
ことが容易になる。また、ギヤポンプは、逆回転させる
ことにより吐出の向きを逆にできる可逆ポンプであるた
め、正方向の回転により作動液を吐出して作動液を供給
する作動液供給対象装置の液圧を増大させ、逆方向の回
転により、作動液供給対象装置からの作動液の流出を許
容し、その液圧を減少させるようにすることが可能とな
る利点もある。複数組のポンプ・モータの各ポンプがい
ずれもギヤポンプであれば、それらポンプを交替で作動
させて作動液供給対象装置側の液圧を減少させることが
できる。この減圧は、例えば、ポンプ装置と作動液供給
対象装置との間で作動液が直接やりとりされる場合に、
作動液供給対象装置を減圧するために行われてもよく、
あるいはポンプ装置とは別の装置、例えば発明の実施の
形態において説明する増圧用および減圧用の電磁制御弁
を含む液圧制御装置によってポンプ装置と作動液供給対
象装置とが遮断されている場合に、作動液供給対象装置
の液圧が低下させられるのに応じてギヤポンプを逆回転
させ、ポンプ装置と液圧制御装置との間の液圧を下げる
ために行われてもよい。作動液供給対象装置の液圧が低
下させられれば、次に増圧が必要になった場合における
ポンプ装置の吐出液圧も低くてよいため、ポンプの吐出
液圧を高く保って待機している必要はないからである。 (8) (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載のポン
プ装置と、そのポンプ装置に接続されたブレーキシリン
ダにより作動し、車輪の回転を抑制するブレーキと、運
転者により操作されるブレーキ操作部材と、そのブレー
キ操作部材の操作力,操作ストローク等の操作量を検出
し、検出したブレーキ操作量を表すブレーキ操作量情報
を前記モータ制御装置に供給するブレーキ操作量検出装
置とを含み、前記モータ制御装置が、前記ポンプ装置の
吐出液圧を前記ブレーキ操作量情報に応じた高さに制御
するブレーキ操作量対応制御手段を含む車両用ブレーキ
システム(請求項4)。ブレーキシリンダには、ブレー
キ操作量対応制御手段により制御された吐出液圧が供給
され、車輪の回転は、ブレーキ操作部材の操作量に応じ
た力で抑制される。ポンプ装置の吐出液圧の増大と保持
と減少との少なくとも1つがブレーキ操作量対応制御手
段により行われ、複数組のポンプ・モータが交替で作動
させられて1組のポンプ・モータのみが連続して作動さ
せられ続けることが回避される。 (9) (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載のポン
プ装置と、そのポンプ装置に接続されたブレーキシリン
ダにより作動し、車輪の回転を抑制するブレーキと、前
記車輪のスリップ状態を監視し、スリップ状態が適正状
態になるように前記ブレーキシリンダの液圧を制御する
スリップ制御装置とを含み、前記モータ制御装置が、前
記ポンプ装置の吐出液圧を、前記スリップ制御装置によ
り制御される前記ブレーキシリンダの液圧に応じた高さ
に制御するブレーキシリンダ液圧対応制御手段を含む車
両用ブレーキシステム。スリップ制御装置には、例え
ば、車両の減速時における車輪のスリップを適正状態に
保つアンチロック制御装置、車両の加速時における車輪
のスリップを適正状態に制御するトラクション制御装置
等がある。ポンプ装置全体としての吐出液圧の増大と保
持と減少との少なくとも1つがブレーキシリンダ液圧対
応制御手段により行われ、複数組のポンプ・モータが交
替で作動させられて1組のポンプ・モータのみが連続し
て作動させられ続けることが回避される。 (10) (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載のポ
ンプ装置と、そのポンプ装置に接続されたブレーキシリ
ンダにより作動し、車輪の回転を抑制するブレーキと、
車両の走行状態を監視し、その走行状態が適正状態にな
るように前記ブレーキシリンダの液圧を制御するビーク
ルスタビリティ制御装置とを含み、前記モータ制御装置
が、前記ポンプ装置の吐出液圧を、前記ビークルスタビ
リティ制御装置により制御される前記ブレーキシリンダ
の液圧に応じた高さに制御するブレーキシリンダ液圧対
応制御手段を含む車両用ブレーキシステム。ビークルス
タビリティ制御は、車両の操縦安定性を改善する制御で
あり、本態様においても複数組のポンプ・モータが交替
で作動させられて1組のポンプ・モータのみが連続して
作動させられ続けることが回避される。 (11)前記ブレーキシリンダの液圧に応じた高さが、
ブレーキシリンダの液圧と実質的に等しい高さである
(8)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車両用ブレ
ーキシステム。 (12)前記ブレーキシリンダの液圧に応じた高さが、
ブレーキシリンダの液圧に所定の余裕値を加えた高さで
ある (8)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車両用
ブレーキシステム。本態様によれば、例えば、ブレーキ
シリンダの液圧を保持する状態から増大させる必要があ
るとき、ブレーキシリンダの液圧が迅速に増加し始め、
増圧遅れの発生が抑制される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態であるポ
ンプ装置を備え、本発明の実施形態である車両用ブレー
キシステムを図面に基づいて説明する。図1において、
符号10および12はそれぞれ左前輪および右前輪を示
し、符号14および16はそれぞれ左後輪および右後輪
を示す。前輪10,12にはブレーキシリンダとしての
フロントホイールシリンダ(ホイールシリンダを必要に
応じてW/Cと略記する)20,22を備えたブレーキ
が設けられており、フロントW/C20,22に液圧が
供給されることにより作動して、前輪10,12に制動
トルクを加える。後輪14,16にも同様にブレーキシ
リンダとしてのリヤW/C24,26を備えたブレーキ
が設けられている。フロントW/C20,22には、マ
ニュアル液圧源30の液圧と動力液圧源32の液圧とが
択一的に供給され、リヤW/C24,26には必ず動力
液圧源32の液圧が供給される。
【0006】マニュアル液圧源30は、ブレーキ操作部
材としてのブレーキペダル36の操作力に対応した液圧
を発生させるマスタシリンダ(必要に応じてM/Cと略
記する)38を備えている。M/C38はタンデム式で
あり、2つの独立した加圧室に同じ大きさの液圧を発生
させる。M/C38にはマスタリザーバ39が設けられ
ている。ブレーキペダル36がブレーキ非作用位置にあ
り、M/C38内の加圧ピストンが後退端位置にある状
態では、M/C38の2つの加圧室はマスタリザーバ3
9と連通しており、加圧ピストンが後退端位置から僅か
に前進させられると、加圧室がマスタリザーバ39から
遮断される。一方の加圧室は液通路40によりフロント
W/C20、他方の加圧室は液通路42によりフロント
W/C22に接続されている。液通路40,42にはそ
れぞれ常開の電磁開閉弁から成るM/Cカット弁(マス
タシリンダカット弁)44,46が設けられており、そ
れらM/Cカット弁44,46よりフロントW/C2
0,22側の液圧はW/C液圧センサ50,52により
検出され、M/C38側の液圧はM/C液圧センサ54
により検出される。M/C液圧センサ54により検出さ
れるM/C38側の液圧は、ブレーキペダル36の操作
力である踏込力に対応している。
【0007】ブレーキペダル36とM/C38との間に
はストロークシミュレータ55が配設されるとともに、
液通路42のM/Cカット弁46よりM/C38側の部
分にもストロークシミュレータ56が接続されており、
かつ、ブレーキペダル36の踏込ストロークがストロー
クセンサ58によって検出される。上記ストロークシミ
ュレータ55は、スプリング等の弾性部材を備え、弾性
部材の弾性変形によりブレーキペダル36のM/C38
に対する所定量の相対移動を許容する純機械的なもので
あり、ストロークシミュレータ56は、M/Cカット弁
44,46が閉じられた状態で液圧を増大させつつ作動
液を収容することによりM/C38からの作動液の排出
を許容するものであって、2つのストロークシミュレー
タ55,56が共同して、動力液圧源32を有しない通
常の液圧ブレーキ装置におけるブレーキ操作に似た感触
を運転者に与えるものである。
【0008】動力液圧源32は、低圧ポンプ・モータ6
5および高圧ポンプ・モータ67を備えている。低圧ポ
ンプ・モータ65は、電動モータ60により駆動される
低圧ポンプ64を備え、高圧ポンプ・モータ67は、電
動モータ62により駆動される高圧ポンプ66を備えて
いる。低圧ポンプ64はギヤポンプとされており、電動
モータ60および低圧ポンプ64は、図2および図3に
示す構造のものである。詳細は後に説明する。高圧ポン
プ66も、図示は省略するが、低圧ポンプ64と同様に
ギヤポンプとされている。また、高圧ポンプ・モータ6
7は低圧ポンプ・モータ65よりも、限界吐出液圧が高
く、かつ、吐出流量が小さいものとされている。
【0009】低圧ポンプ64および高圧ポンプ66の各
吐出側であって、低圧ポンプ64から吐出された作動液
をW/C20〜26に供給する液通路と、高圧ポンプ6
6から吐出された作動液をW/C20〜26に供給する
液通路とが合流する部分よりも、低圧ポンプ64側およ
び高圧ポンプ66側にそれぞれ、逆止弁68,70が設
けられている。逆止弁68は、高圧ポンプ66の作動時
に、低圧ポンプ64について設けられたリリーフ弁(後
述する)から作動液が漏れることを防止し、低圧ポンプ
64に高圧ポンプ66の高い吐出圧が作用することを防
止し、ギヤポンプである低圧ポンプ64から作動液が漏
れることを防止し、高圧ポンプ66から吐出された高圧
の作動液によって低圧ポンプ64が逆転させられること
を防止する役割を果たす。高圧ポンプ66から吐出され
る高圧の作動液によって低圧ポンプ64が逆転させら
れ、作動液がマスタリザーバ39へ戻ることを防止する
ために、電動モータ60に保持トルクを加えておかなく
てもよいのである。また、逆止弁70は、ギヤポンプで
ある高圧ポンプ66から作動液が漏れることを防止する
とともに、低圧ポンプ64のみが作動する際に、低圧ポ
ンプ64の吐出圧に基づいて高圧ポンプ66が逆方向に
回転させられ、作動液がマスタリザーバ39へ戻ること
が回避される。低圧ポンプ64の作動時であって高圧ポ
ンプ66の非作動時に、高圧ポンプ66を駆動する電動
モータ62に保持トルクを加えておかなくても、高圧ポ
ンプ66の逆回転を防止することができるのである。
【0010】動力液圧源32の液圧は液通路72により
W/C20〜26に供給され、ポンプ液圧センサ74に
より検出される。なお、動力液圧源32には、図示を省
略するが、低圧ポンプ64および高圧ポンプ66のそれ
ぞれに対して、それらに予定されている最高吐出液圧を
リリーフ圧とするリリーフ弁が設けられている。以上の
説明から明らかなように、動力液圧源32は、低圧ポン
プ・モータ65,高圧ポンプ・モータ67および逆止弁
68,70を含むポンプ装置によって構成されているの
であり、ポンプ装置は2組のポンプ・モータを含んでい
る。
【0011】フロントW/C20,22にそれぞれ対応
して、増圧用電磁制御弁76と減圧用電磁制御弁78、
増圧用電磁制御弁80と減圧用電磁制御弁82が設けら
れている。これらは図4に概略的に示す構造を有し、共
に常閉のシート弁である。リヤW/C24,26に対応
して増圧用電磁制御弁84と減圧用電磁制御弁86、増
圧用電磁制御弁88と減圧用電磁制御弁90が設けられ
ている。図5に示すように、増圧用電磁制御弁84,8
8は常閉のシート弁であるが、減圧用電磁制御弁86,
90は常開のシート弁である。これらの構造は後に詳述
する。リヤW/C24,26の液圧はそれぞれW/C液
圧センサ92,94により検出される。
【0012】前記低圧ポンプ64および電動モータ60
は図2および図3に示す構造を有している。電動モータ
60は直流モータであり、それの出力軸100にカップ
リング102によって低圧ポンプ64が接続されてい
る。低圧ポンプ64は、ハウジング104,ギヤケース
106およびカバー108から成る本体内に、2個のギ
ヤ110,112が互いに噛み合わされ、回転可能に配
設されたものである。ギヤ110,112のギヤ軸11
4,116の一方が電動モータ60により回転駆動され
ることによってギヤ110,112が回転し、図3の吸
入ポート118から作動液を吸入し、吐出ポート120
から吐出する。
【0013】前輪10,12側の前記増圧用電磁制御弁
76および減圧用電磁制御弁78は図4に概略的に示す
構造を有している。増圧用電磁制御弁76は、弁座13
0とそれに対して着座,離間可能な弁子132とから成
るシート弁134を備え、弁子132は、付勢装置とし
てのばね136により着座方向に付勢されている。弁子
132と一体的に可動コア138が設けられており、こ
れに対向して固定コア140が設けられている。これら
両コア138,140は上記ばね136により互いに離
間させられているが、コイル142に電流が供給される
ことにより磁化され、可動コア140が固定コア140
側に吸引される。それにより、弁子132が弁座130
から離間させられ、シート弁134が開かれる。増圧用
電磁制御弁76は、それ自身の前後の液圧差が弁子13
2を弁座130から離間させる向きに作用する向きで動
力液圧源32とフロントW/C20とに接続されてい
る。したがって、弁子132は、シート弁134前後の
液圧差に基づく差圧作用力と、可動コア138,固定コ
ア140およびコイル142から成るソレノイド144
の電磁駆動力との和が、ばね136の付勢力と釣り合う
位置で停止することとなり、コイル142への供給電流
の制御による電磁駆動力の制御によって、シート弁13
4の開度を制御することができる。増圧用電磁制御弁7
6の開度を制御することができるのであり、それによっ
て作動液の流量、すなわちフロントW/C20の増圧速
度を制御することができる。また、動力液圧源32の液
圧とフロントW/C20の液圧との差が小さくなり、差
圧作用力と電磁駆動力との和がばね136の付勢力より
僅かに小さくなれば、弁子132が弁座に130に着座
してシート弁134が閉じるため、コイル142への供
給電流の制御により動力液圧源32の液圧とフロントW
/C20の液圧との差を制御することができる。
【0014】減圧用電磁制御弁78の構造は増圧用電磁
制御弁76と同じであるため、互いに対応する構成要素
を同一の符号で示し、説明を省略する。ただし、減圧用
電磁制御弁78は、フロントW/C20の液圧とマスタ
リザーバ39の液圧との差に基づく差圧作用力が、弁子
132を弁座130から離間させる向きに作用する向き
で、フロントW/C20とマスタリザーバ39とに液通
路40と液通路146とにより接続されている。したが
って、コイル142への供給電流の制御により、フロン
トW/C20の減圧速度およびフロントW/C20とマ
スタリザーバ39との差圧を制御することができる。マ
スタリザーバ39の液圧は実質的に体気圧と見なし得る
ため、フロントW/C20とマスタリザーバ39との差
圧の制御は、そのままフロントW/C20の液圧制御と
なる。
【0015】リヤW/C24,26側の増圧用電磁制御
弁84,88は上記フロントW/C20,22側の増圧
用電磁制御弁76,80と同じであるため、図5におい
て、互いに対応する構成要素を同一の符号で示し、説明
を省略する。それに対し、減圧用電磁制御弁86,90
は常開のシート弁であり、構造がやや異なる。弁座13
0,弁子132から成るシート弁134を備えることは
同じであるが、弁子132はばね150により弁座13
0から離間する向きに付勢されている。シート弁134
は、リヤW/C24とマスタリザーバ39との差圧に基
づく差圧作用力が弁子132を弁座130から離間させ
る向きに作用する向きで配設されている。弁子132の
後端部は固定コア152の中央に形成された貫通穴を貫
通して延びており、固定コア152から突出させられる
とともに、可動コア154と一体的に設けられている。
コイル156に電流が供給されれば、固定コア152お
よび可動コア154が磁化され、可動コア154が固定
コア152側に吸引されることにより、弁子132に電
磁駆動力が付与される。固定コア152,可動コア15
4およびコイル156から成るソレノイド158の電磁
駆動力が、上記差圧作用力に抗して弁子132を弁座1
30に着座させる向きに作用するのである。なお、ばね
150の付勢力は、差圧作用力も電磁駆動力も作用しな
い状態で弁子132を弁座130から離間した状態に保
ち得る大きさであればよく、弁子132に作用する力の
釣合を考える際には無視して差し支えない。
【0016】以上説明した各構成要素は図6に示す制御
装置170に接続されている。制御装置170は液圧制
御コンピュータ172を備え、この液圧制御コンピュー
タ172は、PU(プロセッシングユニット)174,
ROM176,RAM178,I/Oポート180を備
えている。I/Oポート180には、前記ストロークセ
ンサ58を始めとする各種検出器が接続されるととも
に、前記電動モータ60を始めとする各種アクチュエー
タがそれぞれ駆動回路184を介して接続されている。
これら駆動回路184と液圧制御コンピュータ172と
により制御装置170が構成されているのである。I/
Oポート180には、車輪スリップ状態監視コンピュー
タ186およびポンプ・モータ交替作動制御コンピュー
タ188が接続されている。ROM176には、図示お
よび説明を省略するメインルーチンを始めとする他の制
御プログラムと共に、図7および図8のフローチャート
で表される液圧制御プログラムが格納され、RAM17
8には、図示は省略するが、フラグF1 およびフラグF
2 が設けられている。ポンプ・モータ交替作動制御コン
ピュータ188は、図示は省略するが、PU,ROM,
RAM,I/Oポートを備えており、I/Oポートに
は、低圧ポンプ・モータ65および高圧ポンプ・モータ
67周辺の雰囲気温度を検出する温度検出センサ190
が接続されている。ポンプ・モータ交替作動制御コンピ
ュータ188のROMには、図10のフローチャートで
表されるポンプ・モータ交替作動制御プログラムが格納
されている。PU174は、ストロークセンサ58を始
めとする各種検出器からの情報と、車輪スリップ状態監
視コンピュータ186およびポンプ・モータ交替作動制
御コンピュータ188からの情報とに基づき、RAM1
78を利用して液圧制御プログラムを実行し、W/C2
0〜26の液圧を制御する。
【0017】アンチロック制御が不要である通常制動時
には、図7のフローチャートで表される通常制動用液圧
制御プログラムが実行される。通常制動時においては、
W/C20〜26の液圧が互いに等しい大きさに制御さ
れる。その際、まず低圧ポンプ64の制御によるW/C
20等の液圧制御が行われ、不足の場合には高圧ポンプ
66の制御が付加され、それでも不足の場合には電磁制
御弁76〜90の制御が行われる。これは、動力液圧源
32(ポンプ装置)に図9に示す性質があるからであ
る。必要な吐出液圧PP が比較的小さい場合には低圧ポ
ンプ64のみで要求を満たし得るが、必要な吐出液圧P
P が大きくなれば高圧ポンプ66でしか要求を満たし得
ない。また、必要な増圧速度dPP /dtが比較的小さ
い場合には低圧ポンプ64のみの吐出流量で実現し得る
が、必要な増圧速度dPP /dtが大きくなれば、低圧
ポンプ64と高圧ポンプ66との両方を作動させること
が必要になる。さらに、低圧ポンプ64においても高圧
ポンプ66においても、吐出液圧PP がそれぞれの限界
近くなれば、回転速度が低下することを避け得ず、吐出
液圧PP が大きい領域では、吐出液圧PP が大きいほど
実現し得る増圧速度dPP /dtが小さくなる。また、
液圧ブレーキ装置には、作動初期にはブレーキクリアラ
ンスを消滅させ、シール部材を弾性変形させる等のため
に、大流量の作動液が必要であり、ブレーキが効き始め
た後は、比較的小流量の作動液で済む性質がある。その
ため、吐出液圧PP が特に小さい領域では、低圧ポンプ
64や高圧ポンプ66によって実現し得る増圧速度dP
P /dtが小さくなることを避け得ない。以上の結果、
図9の領域1においては低圧ポンプ64のみで吐出液圧
P および増圧速度dPP /dtの制御を行い得、領域
2においては低圧ポンプ64と高圧ポンプ66との共同
で制御を行い得、領域3においては両ポンプの共同によ
っても制御を行い得ないことになる。したがって、領域
3に関しては、低圧ポンプ64および高圧ポンプ66を
最大電流によりフル作動させ、W/C20等の液圧制御
は電磁制御弁76〜90により行うことが必要となる。
なお、本実施形態においては、減圧は減圧用電磁制御弁
78,82,86,90によって行われ、低圧ポンプ6
4や高圧ポンプ66の制御によっては行われないが、後
に説明するように、ポンプ待機制御中に目標W/C液圧
の減少につれて目標吐出液圧が減少させられることはあ
る。この場合、実際に吐出液圧が減少させられるわけで
はないため、減圧速度がいかに大きくてもその減圧速度
は低圧ポンプ64によっても高圧ポンプ66によっても
制御可能であるものとする。図9の吐出液圧PPと増圧
速度dPP /dtとの関係を表すポンプ性能テーブルが
前記ROM176に格納されている。
【0018】本液圧ブレーキ装置において、動力液圧源
32,電磁制御弁76〜90および制御装置170のい
ずれかに異常が発生した場合には、電磁開閉弁44,4
6が開いたままに保たれ、M/C38の液圧がフロント
W/C20,22に供給される。動力液圧源32等の故
障時には、前輪10,12のブレーキがマニュアルブレ
ーキと同様に作動させられるのである。それに対し、動
力液圧源32,電磁制御弁76〜90および制御装置1
70が正常な状態で、ブレーキペダル36の踏込みが開
始されれば、電磁開閉弁44,46が閉じられ、M/C
38とW/C20,22との連通が遮断される。したが
って、動力液圧源32等が正常である限り、W/C20
〜26には動力液圧源32からの作動液が増圧用電磁制
御弁76,80,84,88を経て供給される。なお、
ブレーキペダル36の踏込開始は、従来から使用されて
いたストップランプスイッチにより検出されるようにす
ることも可能であるが、本実施形態においては、ストロ
ークセンサ58またはM/C液圧センサ54の検出値が
増大を開始した事実から検出されるようになっている。
両センサ58,54が共に正常である場合には、ストロ
ークセンサ58の検出値増大開始の方がM/C液圧セン
サ54の検出値増大開始より先であるため、通常はスト
ロークセンサ58の検出値増大開始に基づいてブレーキ
ペダル36の踏込開始が検出されるが、ストロークセン
サ58の故障時にはM/C液圧センサ54の検出値増大
開始に基づいてブレーキペダル36の踏込開始が検出さ
れるようになっているのである。これはフェイルセーフ
のためであり、ストロークセンサ58とM/C液圧セン
サ54とのいずれか一方の検出値増大開始に基づいてブ
レーキペダル36の踏込開始が検出されるようにするこ
とも可能である。
【0019】上記正常時においては、W/C20〜26
の液圧は図7のフローチャートに従って制御される。図
7のステップ1(以下S1と記載する。他のステップに
ついても同様)において、W/C液圧の目標値が演算さ
れる。この演算は、原則的にはW/C液圧の目標値がM
/C液圧センサ54により検出されるM/C液圧に比例
するように行われるが、ブレーキペダル36の踏込操作
に対してM/C液圧の上昇が遅れるため、ストロークセ
ンサ58により検出されるブレーキペダル36の踏込ス
トロークも考慮して行われる。本実施形態においては、
W/C液圧の目標値である目標W/C液圧PWCNMがM/
C液圧PMCと踏込ストロークSとの間にPWCNM=γ
(t)・PMC+δ(t)・Sの関係が成り立つように決
定される。ここにおいて、係数γ(t)はブレーキペダ
ル36の踏込開始からの経過時間tが増大するほど大き
くなり、係数δ(t)は経過時間tが増大するほど小さ
くなるものである。ただし、上記式に限らず、一般的に
WCNM=f(t,S,PMC)の関数に基づいて決定され
るようにすることができる。
【0020】S2において、実際のW/C液圧である実
W/C液圧PWCACの上記目標W/C液圧PWCNMに対する
偏差が演算される。通常制動時においては、前述のよう
にW/C20〜26の実W/C液圧PWCACは本来互いに
等しいはずであるが、実際には増圧用電磁制御弁76等
の個体差によって、W/C20〜26の実W/C液圧P
WCACには微小なばらつきが生じる。そのため、S2にお
いては、すべてのW/C20〜26の実W/C液圧P
WCACの目標W/C液圧PWCNMに対する偏差が求められ
る。次いで、S3において、4つのW/Cの液圧のう
ち、最大のW/C液圧がポンプ・モータ交替作動制御コ
ンピュータ188へ出力され、ポンプ・モータ交替作動
制御コンピュータ188が読み込むことができる状態と
される。I/Oポート180に設けられた最大W/C液
圧出力用の出力端子に、最大W/C液圧を表す大きさの
電圧が印加されるのである。出力端子は、ポンプ・モー
タ交替作動制御コンピュータ188のI/Oポートに接
続されており、最大W/C液圧の大きさがアナログ信号
で出力されるのである。このように最大W/C液圧を出
力する理由は、後に述べる。
【0021】そして、S4において、上記偏差のいずれ
かがW/C液圧の増大を必要とするものであるか否か、
すなわち、いずれかのW/Cの実W/C液圧PWCACが目
標W/C液圧PWCNMより小さいか否かが判定される。判
定の結果がYES、すなわち1輪以上のW/Cにおいて
増圧の必要があると判定された場合には、S5が実行さ
れ、フラグF1 ,F2 がリセットされた後、S6が実行
されて交替作動制御の終了が出力される。I/Oポート
180には、交替作動制御の実行あるいは終了を出力す
る出力端子が設けられており、その出力端子の印加電圧
が0にされるのである。S5およびS6を実行する理由
は、後に述べる。
【0022】次いで、S7において、必要な増圧速度が
ポンプ増圧制御限界より小さいか否か、すなわち動力液
圧源32が増圧速度の要求を満たし得るか否かが、前記
ポンプ性能テーブルに基づいて判定される。なお、ここ
で使用される「必要な増圧速度」は、前回の目標W/C
液圧PWCNMと今回の目標W/C液圧PWCNMとの差ΔP
WCNMとして求められる。また、このポンプ性能テーブル
に基づく判定においては、目標W/C液圧PWCNMおよび
必要な増圧速度dPWCNM/dtを達成するために、低圧
ポンプ64のみを作動させればよいか、高圧ポンプ66
も作動させる必要があるかも同時に判明する。
【0023】判定の結果がYESの場合には、S8にお
いてポンプ制御が行われるとともに、S9において増圧
用電磁制御弁76,80,84,88が全開にされ、減
圧用電磁制御弁78,82,86,90が閉じられる。
S8におけるポンプ制御は、実W/C液圧PWCACが目標
W/C液圧PWCNMより低い車輪が1つでもあれば、その
車輪の実W/C液圧PWCACが目標W/C液圧PWCNMと等
しくなるように、電動モータ60への供給電流を増大さ
せるか、電動モータ60への供給電流を最大に保って電
動モータ62への供給電流を増大させることにより行わ
れる。前者は低圧ポンプ64の制御のみでW/C液圧の
制御が行われる場合であり、後者は低圧ポンプ64と高
圧ポンプ66とによりW/C液圧の制御が行われる場合
である。増圧時には、目標W/C液圧PWCNMがポンプ装
置の目標吐出液圧である。この際、電動モータ60また
は電動モータ62への電流の増分ΔIは、式ΔI=C1
・(PWCNM−PWCAC)+C2 ・ΔPWCNMにより決定され
る。電流の増分ΔIは、実W/C液圧PWCACの目標W/
C液圧PWCNMからの偏差(PWCNM−PWCAC)が大きいほ
ど、また、必要な増圧速度ΔPWCNMが大きいほど大きい
値に決定されるのである。なお、C1 ,C2 はポンプの
吐出特性に基づいて決まる定数であり、低圧ポンプ64
と高圧ポンプ66とでは大きさが互いに異なるのが普通
である。
【0024】上記のように、本来互いに等しくなるべき
W/C20〜26の液圧に微小なばらつきがある場合に
は、最も小さい実W/C液圧PWCACが目標W/C液圧P
WCNMに等しくなるように電動モータ60,62への供給
電流が制御されるため、他の実W/C液圧PWCACは目標
W/C液圧PWCNMより大きくなる。しかし、最も大きい
実W/C液圧PWCACと最も小さい実W/C液圧PWCAC
の差は、増圧用電磁制御弁76,80,84,88の個
体差に基づいて生じるものであるから大きくはなく、す
べてのW/C20〜26の液圧が実質的に等しい大きさ
に増圧されることとなる。また、電動モータ60,62
には、実W/C液圧PWCACを目標W/C液圧PWCNMに等
しくするに必要なだけの電流が供給されるのであるた
め、動力液圧源32の液圧が常に上限液圧に保持される
場合に比較して消費エネルギが節減される。
【0025】前記S7の判定の結果がNO、すなわち、
必要な増圧速度がポンプ増圧制御限界より小さくないと
判定された場合には、S10において、低圧ポンプ64
および高圧ポンプ66にそれぞれ最大電流が供給され
て、両ポンプがフル作動させられ、S11において、増
圧用電磁制御弁76,80,84,88によるW/C液
圧の制御が行われる。増圧が必要なW/Cに対応する増
圧用電磁制御弁76,80,84,88に所定の電流が
供給されるのである。この電流の大きさは、ポンプ液圧
センサ74により検出される吐出液圧PP と、目標W/
C液圧PWCNMとに基づいて決定される。吐出液圧PP
目標W/C液圧PWCNMとから、W/C液圧が目標W/C
液圧PWCNMになった場合における差圧作用力が演算さ
れ、その差圧作用力を前記ばね136の付勢力から差し
引いた大きさの電磁駆動力を発生させるのに必要な大き
さに決定されるのである。なお、ここにおいては、理解
を容易にするために、増圧用電磁制御弁76,80,8
4,88の制御は比例成分のみを考慮した単純な比例制
御で行われるものとしたが、さらに微分成分と積分成分
との少なくとも1つを考慮した制御を行うことも可能で
ある。また、フィードバック制御のみならず、フィード
フォワード制御を行うことも可能である。例えば、式I
=C3 +C4 ・(PWCNM−PP )+C5 ・dPWCNM/d
tをフィードフォワード項とするのである。ただし、C
3 ,C4 ,C5 は定数である。
【0026】前記S4の判定において、すべての車輪の
W/Cにおいて増圧の必要がないと判定され、W/C液
圧の保持あるいは減少時には、ポンプ待機制御および電
磁制御弁76〜90の制御が行われる。ポンプ待機制御
は、ポンプ・モータ65,67の制御により動力液圧源
32の液圧、すなわち動力液圧源32を構成するポンプ
装置全体としての吐出液圧を、W/C液圧センサ50,
52,92,94により検出されるW/C20〜26の
液圧のうち、最大のものより予め定められた余裕値だけ
大きい液圧に保つ制御である。ポンプ待機制御時には、
最大W/C液圧に余裕値を加えた値がポンプ装置の目標
吐出液圧となる。ポンプ待機制御時のポンプ装置の目標
吐出液圧をポンプ待機液圧と称する。ポンプ待機液圧が
決定されるまでは、S1において演算された目標W/C
液圧がポンプ装置の目標吐出液圧であり、ポンプ待機制
御が行われる場合には、目標W/C液圧が仮目標吐出液
圧であり、最大W/C液圧に余裕値を加えた値が最終目
標吐出液圧となる。W/C液圧を増大させる場合には、
仮目標吐出液圧が最終目標吐出液圧となる。
【0027】本実施形態においては、2つの態様のポン
プ待機制御が選択的に行われる。ポンプ待機制御の1つ
は、低圧ポンプ・モータ65の電動モータ60と高圧ポ
ンプ・モータ67の電動モータ62とを交替で作動させ
つつ、ポンプ待機液圧を得る交替作動制御であり、別の
1つは、低圧ポンプ・モータ65の電動モータ60と高
圧ポンプ・モータ67の電動モータ62とを同時に作動
させてポンプ待機液圧を得る同時作動制御である。交替
作動制御は、目標吐出液圧が、低圧ポンプ64の制御
のみによって得ることができる大きさであり、保持あ
るいは減圧が行われる状態が設定時間以上継続した場合
に行われる。これら,を交替作動制御実行条件と称
する。交替作動制御実行条件は、低圧ポンプ64の制
御のみによって得ることができる液圧は、高圧ポンプ6
6によっても得ることができるが、高圧ポンプ66のみ
によって得ることができる液圧は、低圧ポンプ64の制
御のみによっては得ることができないことによって必要
になり、同時作動制御は、目標吐出液圧が低圧ポンプ6
4のみの制御では得ることができない大きさである場合
に行われることとなる。
【0028】次に、交替作動制御実行条件について説
明する。ポンプ待機制御は、減圧時あるいは保持時に行
われ、W/Cが減圧されれば、目標吐出液圧であるポン
プ待機液圧が減少するが、減圧時あるいは保持時には、
増圧用電磁開閉弁76,80,84,88が閉じられて
いて作動液はW/C20〜26に供給されず、かつ、逆
止弁68,70の存在によって低圧ポンプ64,高圧ポ
ンプ70側に戻ることも許容されない。したがって、ポ
ンプ待機液圧の減少に伴って電動モータ60,62への
供給電流を減少させても、動力液圧源32の吐出液圧
(逆止弁68,70より増圧用電磁開閉弁側の液圧)は
減少せず、保持あるいは減圧が行われる状態が設定時間
以上継続するということは、実質上、目標吐出液圧が一
定である状態が設定時間以上継続するに等しい。交替作
動制御実行条件が設定された理由は、目標吐出液圧で
あるポンプ待機液圧が一定であれば、増圧速度は0であ
り、吐出流量の小さい高圧ポンプ・モータ67でも得る
ことができ、また、目標吐出液圧が変わらなければ、低
圧ポンプ・モータ65のみが作動し続けることがあるた
め、交替が必要であるためである。
【0029】また、交替作動制御が、保持あるいは減圧
が行われる状態が設定時間以上継続した場合に行われる
のは、次の理由にもよる。低圧ポンプ・モータ65と高
圧ポンプ・モータ67との交替は、本実施形態において
は、数秒あるいは10数秒ずつで行われる。低圧ポンプ
・モータ65と高圧ポンプ・モータ67との交替時に
は、後述するように、電動モータ60,62への供給電
流を漸変(漸減,漸増)させ、ポンプ装置の吐出液圧の
目標吐出液圧からの外れが少なくなるようにするが、外
れを全くなしにすることはできず、多少の圧力変動が生
じ、また、交替時には、停止させていたポンプ・モータ
を起動するため、1組のポンプ・モータを作動させ続け
る場合に比較して余分に電流が必要であって無駄であ
り、モータ起動回数を少なくすることが望ましいため、
交替は数秒あるいは10数秒ずつで行われるのである。
したがって、ポンプ待機制御が行われる状態が、電動モ
ータ60,62の1回の連続作動時間の少なくとも1倍
より長く続かなければ、一方のポンプ・モータが作動す
るのみでポンプ待機制御が終わってしまい、交替作動に
ならない。そのため、ポンプ待機制御が行われる状態が
ある程度継続し、2組のポンプ・モータの交替が少なく
とも1回は行われる可能性があると推測される場合に、
交替作動制御が行われるようにされているのである。
【0030】S12において交替作動制御を行うか、同
時作動制御を行うかの判定が行われる。この判定は、ポ
ンプ待機液圧が低圧ポンプ64の制御のみによって得る
ことができる吐出液圧の最大値(図9のポンプ性能テー
ブルの領域1のうちの最大液圧)以下であるか否かによ
り行われる。これは、W/C液圧が保持される場合で
も、減少させられる場合でも同じである。ポンプ待機液
圧が、低圧ポンプ64の制御のみによって得ることがで
きる吐出液圧の最大値より大きければ、S12の判定結
果はNOとなってS23が実行され、同時作動制御が行
われる。ポンプ待機液圧が得られるように、電動モータ
60,62への供給電流が制御され、低圧ポンプ・モー
タ65および高圧ポンプ・モータ67の両方が作動させ
られるのである。
【0031】次いでS24が実行され、電磁制御弁76
〜90の制御が行われる。電磁制御弁76〜90の制御
は、すべての増圧用電磁制御弁76,80,84,88
を閉じ、減圧が必要なW/Cについては減圧用電磁制御
弁を開き、保持が必要なW/Cについては減圧用電磁制
御弁を閉じる制御である。減圧用電磁制御弁78,82
を開く際の供給電流は、目標W/C液圧PWCNMに基づい
て決定される。減圧用電磁制御弁78,82において
は、シート弁134の前後の差圧は前述のようにW/C
液圧に等しい。したがって、目標W/C液圧PWCNMから
弁子132に作用する差圧作用力を演算し、この差圧作
用力とソレノイド144の電磁駆動力との和がばね13
6の付勢力と等しくなるようにコイル142への供給電
流が決定されるのである。このように決定された供給電
流をコイル142に供給しておけば、W/C液圧が目標
W/C液圧PWCNMに等しくなったとき減圧用電磁制御弁
が閉じ、W/C液圧が目標W/C液圧PWCNMに制御され
ることとなる。
【0032】ポンプ待機液圧が低圧ポンプ64のみの制
御によって得ることができる大きさであれば、S12の
判定結果がYESになってS13が実行され、フラグF
1 がセットされているか否かの判定が行われる。フラグ
1 は図示しないメインルーチンの初期設定においてリ
セットされており、S13の判定結果はNOになってS
14が実行され、設定時間が経過したか否かの判定が行
われる。本実施形態において設定時間は2秒とされてお
り、PU174に設けられたタイマ(図示省略)に基づ
いて計時される。S14の判定結果は当初はNOであ
り、S15が実行されてポンプ制御が行われる。S15
が実行されるのは、S12の判定結果がYESになった
ときであり、ポンプ待機液圧は低圧ポンプ64のみの制
御によって得られる大きさであり、S15においては、
ポンプ待機液圧が得られるように低圧ポンプ・モータ6
5が制御される。
【0033】保持あるいは減圧が行われる状態が設定時
間以上継続すれば、S14の判定結果がYESになって
S16が実行され、フラグF1 がセットされた後、S1
7において設定時間が経過したこと、すなわち交替作動
制御の開始指令が出力される。I/Oポート180に設
けられた交替作動制御の実行あるいは終了を表すための
出力端子に電圧が印加されるのである。電圧は、交替作
動制御が終了するまで(W/Cに増圧が必要になるま
で)印加され続け、交替作動制御の開始後は、交替作動
制御の実行指令が出力され続けることとなる。次いでS
18が実行され、フラグF2 がセットされているか否か
の判定が行われる。フラグF2 は図示しないメインルー
チンの初期設定においてリセットされており、S18の
判定結果はNOになってS19が実行され、フラグF2
がセットされた後、S20において電動モータ60,6
2への供給電流が決定されることを待つ。交替作動制御
時の電動モータ60,62への供給電流および作動時間
は、ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ188に
おいて決定され、液圧制御コンピュータ172は、決定
された供給電流の値を読み込み、その値に従って電動モ
ータ60,62を制御するのであるが、すべての車輪の
W/Cについて増圧の必要がなくなって初めてポンプ待
機制御が行われるときには、供給電流値が決定されてい
ないため、待つのである。この待機のための時間はマイ
クロ秒単位であり、極く短い。ポンプ・モータ交替作動
制御コンピュータ188によって決定された供給電流の
値は、後述するように、ポンプ・モータ交替作動制御コ
ンピュータ188のI/Oポートの出力端子に出力され
る。そのため、S20において設定時間、待った後、S
21が実行されて供給電流値が読み込まれ、S22にお
いて、読み込まれた供給電流値に基づいて電動モータ6
0,62が制御される。S22の実行後、S24が実行
され、電磁制御弁76〜90の制御が行われる。ポンプ
・モータ交替作動制御コンピュータ188から供給電流
値が供給されるようになれば、所定の時間、すなわちS
21が実行されるサイクルタイム毎に供給電流の値が供
給されるため、待つ必要はなく、フラグF2 がセットさ
れていることにより、S19,S20はスキップされ
る。また、S13の判定結果がYESになってS14,
S16,S17がスキップされ、保持あるいは減圧が行
われる間、S12,S13,S18,S21,S22,
S24が繰り返し実行される。
【0034】ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ
188における電動モータ60,62への供給電流の決
定および供給時間の決定を説明する。ポンプ・モータ交
替作動制御コンピュータ188のROMには、図10に
フローチャートで表すポンプ・モータ交替作動制御プロ
グラムが格納されている。このプログラムは車両の電源
がONにされている間、実行されており、まず、S31
において、交替作動制御が開始されるか否かの判定が行
われる。交替作動制御が開始されるか否かの情報は、液
圧制御コンピュータ172のI/Oポート180の出力
端子に出力されており、S31においては、その出力の
内容が読み込まれるとともに、判定が行われる。交替作
動制御が開始されないのであれば、S31の判定結果は
NOになってS40が実行され、終了処理が行われる。
ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ188のI/
Oポートに出力されている出力データのリセットや、電
動モータ60,62への供給電流および作動時間の決定
に用いたメモリのリセット等が行われ、初期状態に戻さ
れるのである。
【0035】交替作動制御が開始されるのであれば、S
31の判定結果がYESになってS32が実行され、W
/C液圧センサ50,52,92,94によって検出さ
れる4個のW/C液圧のうちの最大値が読み込まれる。
この最大値は、前記S3において液圧制御コンピュータ
172のI/Oポート180の出力端子に出力されてお
り、S32ではその出力の内容が読み込まれる。次いで
S33が実行され、目標吐出液圧が設定される。W/C
液圧の最大値に所定の余裕値が加算されて、目標吐出液
圧たるポンプ待機液圧が設定されるのであり、次にS3
4以下のステップが実行され、交替作動制御のための電
動モータ60,62への供給電流および作動時間が決定
される。交替作動制御時には、図13に示すように、低
圧ポンプ・モータ65の電動モータ60と高圧ポンプ・
モータ67の電動モータ62とがそれぞれ、低圧ポンプ
64および高圧ポンプ66の各吐出液圧がポンプ待機液
圧と等しい状態で設定時間ずつ、単独で作動させられ、
設定時間経過後、交替させられる。交替時には、作動中
の電動モータについては供給電流を漸減させて徐々に停
止させ、次に作動する電動モータについては供給電流を
漸増させて徐々に作動させ、ポンプ装置全体としての吐
出液圧を目標吐出液圧に保ちつつ電動モータ60,62
を交替させる。
【0036】S34においては、低圧ポンプ64および
高圧ポンプ66、すなわち電動モータ60,62がそれ
ぞれ単独で作動する作動時間(単独作動時間と称する)
1,t2 および単独で作動する際の供給電流(単独作
動時供給電流と称する)I1,I2 が決定される。単独
作動時供給電流I1 ,I2 は、ポンプ待機液圧の大きさ
に基づいて決定され、ポンプ待機液圧が大きいほど大き
くされる。また、低圧ポンプ64の方が高圧ポンプ66
よりも吐出流量が大きいため、ポンプ待機液圧が同じで
あれば、低圧ポンプ64の電動モータ60への供給電流
の方が高圧ポンプ66の電動モータ62への供給電流よ
り大きくされる。単独作動時間t1 ,t 2 は、電動モー
タ60,62の作動時の発熱量と、作動時および非作動
時における放熱量に基づいて決定される。発熱量は、電
動モータ60,62の負荷、すなわち供給電流I1 ,I
2 に基づいて得られ、放熱量は、電動モータ60,62
に許容される許容最高温度および電動モータ60,62
周辺の雰囲気温度に基づいて取得される。この温度は、
温度検出センサ190により検出される。
【0037】電動モータ60,62の各許容最高温度は
一定であるが、雰囲気温度は変化する。放熱量は一定で
はないのであり、図11(a)および(b)に示すよう
に、複数種類の雰囲気温度毎に、単独作動時供給電流I
1 ,I2 に基づいて単独作動時間t1 ,t2 を決定する
関数t1 =f(I1 ),t2 =f(I2 )を定めたテー
ブルが作成され、ポンプ・モータ交替作動制御コンピュ
ータ188のROMに格納されている。低圧ポンプ・モ
ータ65と高圧ポンプ・モータ67との構造が異なる場
合は勿論、構造は基本的に同じであっても寸法が異なれ
ば発熱,放熱の条件が異なるため、異なる関数によって
単独作動時間が求められる。単独作動時間t1 ,t2
決定する関数は、雰囲気温度が低く、放熱量が大きいほ
ど単独作動時間が長くなり、雰囲気温度が同じであれ
ば、負荷(供給電流)が大きいほど単独作動時間が短く
なるなるように作成されている。一般には、低圧ポンプ
64の単独作動時間の方が高圧ポンプ66のそれよりも
短くなるようにされるべきであることが多く、本実施形
態においても、そのように関数が作成されている。
【0038】次にS35が実行され、ポンプ・モータ交
替作動制御コンピュータ188のI/Oポートに設けら
れ、液圧制御コンピュータ172のI/Oポート180
に接続された2個の供給電流値出力端子のうち、低圧ポ
ンプ・モータ用の供給電流値出力端子に単独作動時供給
電流I1 が出力され(低圧ポンプ・モータ用の供給電流
値出力端子に単独作動時供給電流I1 を表す電圧が印加
され)、高圧ポンプ・モータ用の供給電流値出力端子に
は、電動モータ62への供給電流0が出力される(高圧
ポンプ・モータ用の供給電流値出力端子の印加電圧が0
にされる)。高圧ポンプ・モータ67については、電動
モータ62への供給電流を0にすることが指示されるの
である。交替作動制御が開始されるのは、前述の交替作
動制御実行条件,が成立したときであり、これら条
件が成立したときには、低圧ポンプ・モータ65のみが
作動しているため、交替作動制御は、低圧ポンプ・モー
タ65の作動から始めるのである。高圧ポンプ・モータ
67は、供給電流が0にされることにより停止状態に保
たれる。
【0039】前記S21においては、S35において出
力された単独作動時供給電流I1 および電動モータ62
への供給電流が0であることが読み込まれ、S22にお
いては電動モータ60への供給電流が単独作動時供給電
流I1 に制御される。前記S21において行われる待機
の時間は、上記のようにS31〜S34が実行され、単
独作動時供給電流I1 等が決定されるのに要する時間よ
りやや長い時間に設定されている。
【0040】そして、S36が実行され、単独作動時間
1 が経過したか否かの判定が行われる。単独作動時間
1 が経過するまでの間、低圧ポンプ・モータ用の供給
電流値出力端子には、S34において決定された単独作
動時供給電流I1 が出力され、電動モータ60は供給電
流I1 によって駆動される。高圧ポンプ・モータ用の供
給電流値出力端子の値は0のままであり、高圧ポンプ・
モータ67は停止したままである。
【0041】単独作動時間t1 が経過したならば、S3
6の判定結果がYESになってS37が実行され、作動
するポンプ・モータが低圧ポンプ・モータ65から高圧
ポンプ・モータ67に交替させられる。この交替は、低
圧ポンプ・モータ65の電動モータ60への供給電流を
単独作動時供給電流I1 から0まで漸減させ、高圧ポン
プ・モータ67の電動モータ62への供給電流を0から
単独作動時供給電流I 2 まで漸増させることにより行わ
れる。交替時には、電動モータ60,62への供給電流
が時々刻々変化するのであり、交替時の供給電流を交替
時供給電流と称する。
【0042】交替時供給電流は、単独作動時供給電流I
1 ,I2 に係数kd ,ki を掛けることにより求められ
る。係数ki は、供給電流を0から単独作動時供給電流
へ増大させる場合の供給電流値を決定するための、時間
と共に変化する係数であり、図12(a)に示すよう
に、設定時間t0 の間に、供給電流が0から滑らかに増
大した後、一定の勾配で増大し、増大勾配が滑らかに減
少して、滑らかに単独作動時供給電流に達するように設
定されている。また、係数kd は供給電流を単独作動時
供給電流から0まで減少させる場合の供給電流値を決定
する係数であり、図12(b)に示すように、設定時間
0 の間に、供給電流が単独作動時供給電流から滑らか
に減少し、一定の勾配で減少した後、減少勾配が滑らか
に減少して、滑らかに0になるように設定されている。
【0043】S37においては、設定時間、すなわち電
動モータ60,62を制御するための供給電流の値を読
み込むS21の実行サイクルタイムΔtが経過する毎に
交替時供給電流I1 ´,I2 ´が決定され、出力され
る。図12(a)および(b)の各グラフで表される係
数ki ,kd の各値は、Δt毎に設定されてテーブル化
され、ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ188
のROMに格納されており、Δtが経過する毎に係数k
i ,kd が読み出され、単独作動時供給電流I1,I2
に掛けられることにより交替時供給電流I1 ´,I2 ´
が算出され、それぞれ出力端子に出力される。低圧ポン
プ・モータ65から高圧ポンプ・モータ67への交替時
には、単独作動時供給電流I1 に係数kd が掛けられ、
単独作動時供給電流I2 に係数ki が掛けられる。
【0044】係数ki ,係数kd はいずれも、設定時間
0 の間に0から1へ、1から0へ変化するように設定
されているため、図13に示すように、電動モータ60
への供給電流が0になって低圧ポンプ64が停止したと
き、電動モータ62への供給電流が単独作動時供給電流
2 になって、高圧ポンプ66の吐出液圧が目標吐出液
圧となり、ポンプ・モータの交替が終了し、高圧ポンプ
66のみが作動する状態となる。そのため、高圧ポンプ
66の吐出液圧がポンプ待機液圧に達する前に低圧ポン
プ64が停止して吐出液圧が不足したり、高圧ポンプ6
6の吐出液圧がポンプ待機液圧に達した後も低圧ポンプ
64が作動して無駄が生ずることがない。
【0045】ポンプ・モータの交替が終了すればS38
が実行され、高圧ポンプ・モータ67が単独で作動する
状態が単独作動時間であるt2 時間、継続したか否かの
判定が行われる。この判定結果は当初はNOであり、単
独作動時間t2 が経過するまでS38の判定が繰り返し
実行される。この間、低圧ポンプ・モータ用の供給電流
値出力端子には0が出力され、高圧ポンプ・モータ用の
供給電流値出力端子には単独作動時供給電流I2 が出力
されており、低圧ポンプ・モータ65は停止させられ、
電動モータ62は単独作動時供給電流I2 に従って制御
される。
【0046】単独作動時間t2 が経過すれば、S38の
判定結果がYESになってS39が実行され、作動する
ポンプ・モータが高圧ポンプ・モータ67から低圧ポン
プ・モータ65に交替させられる。この場合にも、低圧
ポンプ・モータ65から高圧ポンプ・モータ67への交
替時と同様に、設定時間Δt毎に係数ki ,係数kd
読み出され、単独作動時供給電流I1 ,I2 に掛けられ
ることにより交替時供給電流I1 ´,I2 ´が算出さ
れ、それぞれ出力端子に出力される。高圧ポンプ・モー
タ67から低圧ポンプ・モータ65への交替時には、単
独作動時供給電流I2 に係数kd が掛けられ、単独作動
時供給電流I1 に係数ki が掛けられる。それにより、
電動モータ60への供給電流は滑らかに漸増させられ、
電動モータ62への供給電流は滑らかに漸減させられて
電動モータ60,62は時間t0 かかって交替させられ
る。
【0047】電動モータ60への供給電流が単独作動時
供給電流I1 となり、電動モータ62への供給電流が0
となって交替が終了すれば、S39の実行が終了し、再
びS31が実行される。この時、更にポンプ待機制御を
行うのであれば、液圧制御コンピュータ172のI/O
ポート180には、交替作動制御の実行指令が出力され
ているため、S31の判定結果がYESになってS32
以下のステップが実行される。この際、W/C液圧の最
大値が変化していれば、目標吐出液圧たるポンプ待機液
圧が新たに設定され、それに基づいて単独作動時供給電
流I1 ,I2 および単独作動時間t1 ,t2 が決定され
る。低圧ポンプ・モータ65および高圧ポンプ・モータ
67の各1回ずつの単独での作動、低圧ポンプ・モータ
65から高圧ポンプ・モータ67への交替および高圧ポ
ンプ・モータ67から低圧ポンプ・モータ65への交替
を1サイクルの交替作動とすれば、この間、目標吐出液
圧は変わらないのである。1サイクルの交替作動の間に
W/C液圧が減少させられ、2サイクル目の交替作動が
行われるとき、最大W/C液圧が1サイクル目の交替作
動制御時よりも小さくなっていれば、ポンプ待機液圧も
小さくなり、電動モータ60,62への供給電流が減少
させられる。減圧,保持時には、前述のように、増圧用
電磁開閉弁76,80,84,88が閉じられており、
かつ、逆止弁68,70により作動液の逆流が阻止され
ているため、動力液圧源32の吐出液圧は減少しない
が、次にW/C液圧を増大させるために増圧用電磁制御
弁76,80,84,88が開かれたとき、吐出液圧が
ポンプ待機液圧まで瞬間的に減少する。
【0048】また、低圧ポンプ・モータ65と高圧ポン
プ・モータ67との交替は、同時に開始して同時に終了
し、交替に要する時間は同じであるが、単独での作動時
間が低圧ポンプ・モータ65の方が高圧ポンプ・モータ
67よりも短くなるようにされているため、低圧ポンプ
・モータ65の連続作動時間の方が短く、大きい駆動電
流を必要とする電動モータ60が過剰に消耗することが
回避される。
【0049】交替作動制御が行われている間に、W/C
液圧の増大が必要になれば、S4の判定結果がYESに
なり、S5においてフラグF1 ,F2 がリセットされる
とともに、S6において交替作動制御の終了が出力さ
れ、ポンプ交替作動制御が終了する。また、ポンプ・モ
ータ交替作動制御においては、S31の判定結果がNO
となり、S40において終了処理が行われる。
【0050】交替作動制御,同時作動制御のいずれが行
われるにしても、W/C20〜26について保持または
減圧が行われている間、動力液圧源32の液圧は、W/
C20〜26の液圧のうち最大のものより予め定められ
た余裕値だけ大きい液圧に保たれているため、いずれか
のW/Cにおいて増圧が必要になった場合には、そのW
/Cに対応する増圧用電磁制御弁を開けば直ちに作動液
が流入し、遅れ少なく増圧が行われる。しかも、動力液
圧源32の液圧が上限液圧に保持される場合に比較し
て、ポンプ64,66を駆動する電動モータ60,62
への供給電流が少なくてよく、消費エネルギを節減する
ことができる。
【0051】以上説明したS9,S11,S24のいず
れかの制御に続いて、S25において、液圧制御を終了
すべきか否かの判定が行われる。この判定は、ブレーキ
ペダル36の踏込みが解除されたか否かを、従来から使
用されていたストップランプスイッチにより検出するこ
とによって行ってもよいが、本実施形態においては、ス
トロークセンサ58によりブレーキペダル36の踏込み
が解除されたことが検出され、かつ、M/C液圧センサ
54によりM/C液圧が0(大気圧)まで低下したこと
が検出されることにより、液圧制御を終了すべきである
との判定が行われる。なお、これらの一方に基づいて判
定が行われるようにすることも可能であり、これらに加
えてストップランプスイッチを使用することも可能であ
る。
【0052】S25の判定結果がYESの場合には、S
26において動力液圧の減圧が行われる。電動モータ6
0,62への供給電流が0にされるとともに、増圧用電
磁制御弁84,88が予め定められた一定時間開かれる
のである。本時実施形態においては、後輪14,16側
の減圧用電磁制御弁86,90が常開弁とされているた
め、動力液圧源32側の作動液が増圧用電磁制御弁8
4,88および減圧用電磁制御弁86,90を経てマス
タリザーバ39へ還流させられ、動力液圧源32の残圧
が完全に抜かれる。また、リヤW/C24,26は開状
態に復帰させられた減圧用電磁制御弁86,90を経
て、フロントW/C20,22は開状態に復帰させられ
た電磁開閉弁44,46を経て、それぞれマスタリザー
バ39に連通させられるため、いずれのW/C20〜2
6にも液圧が残存することはない。
【0053】通常制動時には、以上のようにして、W/
C液圧が運転者のブレーキペダル36の踏込力に比例す
る大きさに制御されるのであるが、そのように制御され
たW/C液圧が路面の摩擦係数との関係において過大で
ある場合には、アンチロック制御が行われる。この場合
のW/C液圧の制御は図8のフローチャートで表される
アンチロック制御用液圧制御プログラムの実行により行
われる。このアンチロック制御用液圧制御プログラムの
実行は、前記通常制動用液圧制御プログラムの実行中
に、前記車輪スリップ状態監視コンピュータ186から
供給される割込信号に応じて開始される。車輪スリップ
状態監視コンピュータ186は、車両のイグニッション
キースイッチがONとなっている間、以下に説明するよ
うに、車輪10,12,14,16のスリップ状態を監
視しているが、スリップ状態がアンチロック制御を必要
とする状態となったとき、本液圧制御コンピュータ17
2に割込信号を供給するのである。
【0054】まず、S51において、各車輪10,1
2,14,16に対応するW/C20,22,24,2
6のW/C液圧の目標値が演算される。このW/C液圧
WCNM目標値は、車輪スリップ状態監視コンピュータ1
86から供給される車輪10,12,14,16のスリ
ップ状態の情報、すなわち、スリップ率SRおよびそれ
の変化率dSR/dtと、W/C液圧センサ50,5
2,92,94により検出される実W/C液圧PWCAC
から演算される。スリップ率SRは車体の移動速度と各
車輪10,12,14,16の周速度とから周知の式で
演算される。車体の移動速度は、ドップラ効果を利用し
て路面と車体との相対移動速度を検出するドップラ式対
地車速センサ等により検出されてもよく、車輪10,1
2,14,16の周速度の最大のものに基づいて周知の
方法で推定されてもよい。各W/Cの目標W/C液圧P
WCNMは、例えば、各W/Cの実W/C液圧PWCACに液圧
変更量ΔPWCを加算することにより求められ、液圧変更
量ΔPWCは、スリップ率の予め定められた基準値である
基準スリップ率SRNM,スリップ率SRおよびスリップ
率の変化率dSR/dtから、ΔPWC=C3 ・(SR−
SRNM)+C4 ・dSR/dtなる式で演算される。C
3 ,C4 はいずれも負の定数であり、スリップ率SRが
基準スリップ率SRNMより大きいほど、また、スリップ
率の変化率dSR/dtが大きいほど、液圧変更量ΔP
WCは絶対値の大きい負の値となる。したがって、目標W
/C液圧PWCNMは現在の実W/C液圧PWCACより小さい
値に決定される。逆に、スリップ率SRが基準スリップ
率SRNMより小さく、スリップ率の変化率dSR/dt
が負の場合には、液圧変更量ΔPWCが正の値となり、目
標W/C液圧PWCNMは現在の実W/C液圧PWCACより大
きい値に決定される。なお、液圧変更量ΔPWCの演算は
上記の式以外の式で行われるようにすることも可能であ
り、また、スリップ率SRおよびスリップ率の変化率d
SR/dtと液圧変更量ΔPWCとの関係を予めテーブル
化しておき、そのテーブルに基づいて液圧変更量ΔPWC
が決定されるようにすることも可能である。さらに、ス
リップ率の代わりにスリップ量を用いることも可能であ
る。
【0055】S52以降の各ステップは前記通常制動用
液圧制御プログラムのS2以降と同様であるが、S58
からS61までの制御は前記S8からS9までの制御と
異なっている。S8のポンプ制御ステップにおいては、
実W/C液圧PWCACが目標W/C液圧PWCNMより低い車
輪が1つでもあれば、その車輪の実W/C液圧PWCAC
目標W/C液圧PWCNMと等しくなるように、電動モータ
60への供給電流を増大させるか、電動モータ60への
供給電流を最大に保って電動モータ62への供給電流を
増大させることにより行われるのであるが、S58にお
いては、動力液圧源32の液圧が目標W/C液圧PWCNM
の最大のものと等しくなるように、電動モータ60への
供給電流を増大させるか、電動モータ60への供給電流
を最大に保って電動モータ62への供給電流を増大させ
ることにより行われるのである。
【0056】S58の実行後に行われる制御も前記S8
の実行後に行われる制御とは異なっている。通常制動用
液圧制御プログラムのS9においては、増圧用電磁制御
弁76,80,84,88が全開とされ、すべてのW/
C20〜26の液圧が動力液圧源32のポンプ吐出液圧
制御により制御されるのであるが、本アンチロック制御
用液圧制御プログラムにおいては、要求最大輪、すなわ
ち目標W/C液圧PWC NMが最も大きいW/Cの液圧のみ
が上記のようにポンプ吐出液圧制御により制御され、他
のW/Cの液圧は電磁制御弁の制御により制御されるの
である。そのために、S59において、各W/C毎にそ
れの目標W/C液圧PWCNMが最大であるかが判定され、
最大であるW/CについてはS60において増圧用電磁
制御弁が全開とされ、最大ではないW/CについてはS
61において増圧用および減圧用の電磁液圧制御弁の制
御による液圧制御が行われる。
【0057】アンチロック制御時にも、通常制動時と同
様にポンプ待機制御が行われる。そのため、いずれかの
W/Cにおいて増圧が必要になった場合には、そのW/
Cに対応する増圧用電磁制御弁が開かれれば直ちに作動
液が流入し、遅れ少なく増圧が行われるのであるが、ア
ンチロック制御時には通常制動時に比較して各W/Cの
液圧の増減が頻繁に行われ、かつ、迅速に行われる必要
があるため、ポンプ待機制御が特に有効である。
【0058】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、M/C液圧センサ54およびストローク
センサ58がブレーキ操作量検出装置を構成している。
また、ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ188
の、低圧ポンプ・モータ65の単独作動時間t1 の方が
高圧ポンプ・モータ67の単独作動時間t2 より短くな
るように設定された関数t1 =f(I1 ),t2 =f
(I2 )に基づいて単独作動時間t1 ,t2 を演算する
S34を実行する部分が連続作動時間制御手段を構成
し、S37,S39を実行する部分が電流徐変手段を構
成し、ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータ188
のS32,S33,S35,S36,S38を実行する
部分および制御装置170のS12〜S14,S16〜
S22,S64〜S66,S68〜S74を実行する部
分と共に交替作動制御手段を構成し、制御装置170の
S8を実行する部分がブレーキ操作量対応制御手段を構
成し、S58を実行する部分がブレーキシリンダ液圧対
応制御手段を構成し、これらがモータ制御装置を構成し
ている。関数t1 =f(I1 ),t2 =f(I2 )は、
供給電流I1 ,I2 の大きさ、すなわち低圧ポンプ・モ
ータ65および高圧ポンプ・モータ67の各負荷の大き
さに応じて単独作動時間t1 ,t2 を決定する関数であ
り、制御装置170のS34を実行する部分は、負荷
(あるいは供給電流)対応作動時間決定手段でもある。
また、関数t1 =f(I1 ),t2 =f(I 2 )は雰囲
気温度に応じて複数種類設定されており、温度検出セン
サ190,雰囲気温度に応じて関数t1 =f(I1 ),
2 =f(I2 )を設定したテーブルおよび制御装置1
70の検出された雰囲気温度に基づいて関数を選択して
単独作動時間を決定する部分(S34を実行する部分)
が、雰囲気温度対応作動時間決定手段を構成している。
雰囲気温度対応作動時間決定手段は、放熱量対応作動時
間決定手段でもある。さらに、スリップ状態監視コンピ
ュータ186,増圧用および減圧用の電磁制御弁76〜
90を含む液圧制御装置,制御装置170のS60,S
61,S63,S76を実行する部分がアンチロック制
御装置を構成している。
【0059】上記実施形態においては、すべてのW/C
が増圧させられない場合に2組のポンプ・モータが交替
で作動させられるとともに、1サイクルの交替作動の間
は目標吐出液圧は変わらないものとされていたが、W/
Cについて増圧,減圧,保持のいずれが行われる場合に
も、2つのポンプ・モータを交替で作動させるととも
に、1サイクルの交替作動の間に目標吐出液圧が変われ
ば、その目標吐出液圧が得られるように2組のポンプ・
モータを交替で作動させるようにしてもよい。
【0060】その例を図14ないし図18に基づいて、
通常制動制御を例に取って説明する。本実施形態におい
て、交替作動制御はすべて液圧制御コンピュータの制御
により行われる。図14に示す通常制動用液圧制御プロ
グラムのS81〜S84は、前記S1,S2,S4,S
7と同様に実行される。なお、S81において目標W/
C液圧が演算されたならば、液圧制御コンピュータのR
AMに設けられた目標吐出液圧メモリに格納される。増
圧速度がポンプ増圧制御限界より小さければ、S85が
実行され、4つの増圧用電磁制御弁がすべて全開にされ
た後、S86においてポンプ制御が行われる。
【0061】すべての車輪のW/Cにおいて増圧の必要
がなければ、S83の判定けっかがNOになってポンプ
待機制御が行われる。S90においては、4つのW/C
液圧のうちの最大値に所定の余裕値を加えた値が求めら
れる。この値が目標吐出液圧であるポンプ待機液圧であ
り、目標W/C液圧に代わって目標吐出液圧メモリに格
納され、S91において電磁制御弁の制御が行われるた
後、S86においてポンプ制御が行われる。ポンプ制御
ステップS86は、増圧時にも減圧時にも保持時にも行
われるのである。
【0062】ポンプ制御ステップS86は、図15に示
すように構成されている。S86においてポンプ制御
は、低圧ポンプ・モータと高圧ポンプ・モータとを交替
で作動させる交替作動制御と、低圧ポンプ・モータを単
独で作動させる単独作動制御と、低圧ポンプ・モータと
高圧ポンプ・モータとの両方を同時に作動させる同時作
動制御とのいずれかによって行われ、いずれの制御を行
うからの判定が行われる(S101,S115)。この
判定は、図16に示すポンプ性能テーブルに基づいて行
われる。2つのポンプ・モータを交替で作動させてW/
C液圧を増大させる場合、目標W/C液圧および必要な
増圧速度(前回の目標W/C液圧と今回のW/C液圧と
の差として求められる)を、低圧ポンプ・モータおよび
高圧ポンプ・モータがそれぞれ単独で達成し得ることが
必要である。これが交替作動制御実行条件である。低圧
ポンプ・モータが単独で制御し得る吐出液圧および増圧
速度の領域は、領域1−1および領域1−2を合わせた
領域であり、この領域のうち、高圧ポンプ・モータも単
独で制御し得る吐出液圧および増圧速度の領域は、領域
1−1である。領域1−2の増圧速度は、高圧ポンプ・
モータでは制御できず、低圧ポンプ・モータのみによっ
て制御可能なのである。前述のように、領域2において
は低圧ポンプ・モータと高圧ポンプ・モータとの共同で
吐出液圧および増圧速度の制御を行い得、領域3におい
ては両ポンプ・モータの共同によっても制御を行い得
ず、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モータを最
大電流によりフル作動させ、W/Cの液圧制御は増圧用
および減圧用の各電磁制御弁により行うべきである。減
圧速度に関しては、それがいかに大きくても低圧ポンプ
・モータによっても高圧ポンプ・モータによっても制御
可能であると見なされることは前記実施形態におけると
同様である。したがって、減圧については、目標吐出液
圧を低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モータがそ
れぞれ単独で達成し得ることが必要であり、これが交替
作動制御実行条件である。単独で達成し得る吐出液圧は
領域1−1内の液圧であり、目標吐出液圧が領域1−1
外の吐出液圧であれば、低圧ポンプ・モータがフル作動
させられるともとに高圧ポンプ・モータの制御により減
圧が行われる。同時作動制御が行われるのである。
【0063】したがって、S101における交替作動制
御を行うか否かの判定は、目標吐出液圧が領域1−1内
の液圧であるか否かおよび増圧速度が領域1−1の制御
限界速度(高圧ポンプ・モータのみの作動による制御限
界速度)以下であるか否かにより行われる。増圧速度
は、前回の目標W/C液圧Pと今回の目標W/C液圧と
の差として求められ、増圧時には正の値となり、保持時
には実質的に0になり、減圧時には負の値となる。減圧
時には、負の増圧速度、すなわち減圧速度は領域1−1
の制御限界速度以下の速度になり、目標吐出液圧が領域
1−1内の液圧であれば、交替作動制御が行われる。保
持時についても同様である。また、増圧時には、目標W
/C液圧および増圧速度が、低圧ポンプ・モータおよび
高圧ポンプ・モータの単独の作動により得られる液圧お
よび速度であれば、すなわち領域1−1内の液圧および
増圧速度であれば、交替作動制御が行われる。交替作動
制御を行うか否かの判定は、目標吐出液圧および必要な
増圧速度が、領域1−1内、あるいは吐出液圧の範囲は
領域1−1と同じであって、増圧速度が0以下である領
域内の液圧および増圧速度であるか否かにより行われる
とも言える。
【0064】交替作動制御実行条件が満たされていなけ
れば、S115において単独作動制御が行われるか否か
が判定されるが、この判定は、目標吐出液圧および増圧
速度が、領域1−2に含まれる大きさであるか否かによ
り行われ、領域1−2に含まれる大きさであれば、単独
作動制御が行われる。したがって、減圧時には、減圧速
度である負の増圧速度は領域1−2には含まれず、ま
た、保持時には増圧速度が実質的に0であって、領域1
−2に含まれず、単独作動制御は行われない。そして、
単独作動制御が行われるのでなければ、同時作動制御が
行われる。増圧時には、目標吐出液圧および増圧速度が
領域2内の大きさである場合に同時作動制御が行われ、
保持時および減圧時には、目標吐出液圧が、領域1−1
の最大吐出液圧より大きい場合に同時作動制御が行われ
ることとなるのである。
【0065】交替作動制御は、その実行条件が成立して
いる間、実行され、その間にW/C液圧の制御態様、す
なわち増圧か減圧か保持かが変わっても実行され続け
る。交替作動制御実行条件が成立している間、目標吐出
液圧が変わり、制御態様が変わっても、低圧ポンプ・モ
ータと高圧ポンプ・モータとが交替で作動して目標吐出
液圧を得るのである。
【0066】S101においては、前述のように、交替
作動制御が行われるか否かの判定が行われ、交替作動制
御が行われるのであれば、判定結果はYESになってS
102が実行され、フラグF11がリセットされているか
否かの判定が行われる。液圧制御コンピュータのRAM
に設けられたフラグF11は図示しないメインルーチンの
初期設定においてリセットされており、S102の判定
結果はYESになってS103が実行される。S103
においてフラグF11がセットされた後、S104が実行
され、液圧制御コンピュータのPUに設けられたタイマ
がリセットされて0にされるとともに計時を開始させら
れる。
【0067】次いでS105において、タイマの計時に
より得られた時間が0以上4秒以下の時間であるか否か
の判定が行われる。本実施形態においては、交替作動制
御の低圧ポンプ・モータの単独作動時間は4秒、高圧ポ
ンプ・モータの単独作動時間は5秒、低圧ポンプ・モー
タから高圧ポンプ・モータへの交替時間および高圧ポン
プ・モータから低圧ポンプ・モータへの交替時間がそれ
ぞれ2秒に設定されている。S105においては、現
在、行われるべき交替作動制御が低圧ポンプ・モータの
単独作動であるか否かが判定されるのである。S105
の判定結果はYESであり、S106が実行され、目標
吐出液圧メモリから目標吐出液圧(増圧時には目標W/
C液圧であり、減圧時および保持時にはポンプ待機液圧
である)が読み出され、その目標出液圧が得られるよう
に低圧ポンプ・モータのみが作動させられる。交替作動
制御が開始されるときには、原則として低圧ポンプ・モ
ータのみが作動させられており、交替作動制御は低圧ポ
ンプ・モータの作動から開始させられるのである。
【0068】交替作動制御の開始後、交替作動制御実行
条件が満たされていれば、S81〜S83,S84,S
85あるいはS90,S91,S101,S102,S
105,S106,S92が繰り返し実行される。この
間、目標吐出液圧が増大したとすれば、低圧ポンプ・モ
ータの電動モータへの供給電流が増大させられ、図17
に示すように、吐出液圧が増大させられる。
【0069】交替作動制御実行条件が満たされた状態が
4秒を超えれば、S105の判定結果がNOになってS
107が実行され、タイマにより計測される時間が4秒
より長く、6秒以下であるか否かの判定が行われる。現
在、実行されるべき交替作動制御がポンプ・モータの交
替であるか否かの判定が行われるのである。この判定結
果はYESであり、S108が実行され、作動するポン
プ・モータが低圧ポンプ・モータから高圧ポンプ・モー
タに交替させられる。
【0070】ポンプ・モータの交替時には、作動中のポ
ンプ・モータである低圧ポンプ・モータの電動モータへ
の供給電流が漸減させられるとともに、次に作動するポ
ンプ・モータである高圧ポンプ・モータの電動モータへ
の供給電流が0から漸増させられる。この際、各ポンプ
・モータへの供給電流はそれぞれ、目標吐出液圧により
決定される単独作動時供給電流,交替開始からの経過時
間および交替のための時間(本実施形態においては2
秒)に基づいて比例計算によって求められる。低圧ポン
プ・モータの電動モータに供給する電流は、図18
(a)に示すように、時間が経過するに従って供給電流
が直線的に減少する直線を規定する式に基づいて演算さ
れる。交替開始時には、供給電流は、目標吐出液圧に基
づいて設定される単独作動時供給電流に等しいが、時間
が経過するに従って直線的に減少させるべく比例計算を
行い、交替時供給電流を演算するのである。高圧ポンプ
・モータの電動モータに供給する交替時供給電流は、図
18(b)に示すように、時間の経過につれて供給電流
が直線的に増大する直線を表す式に基づいて、比例計算
により求められる。交替の途中でも目標吐出液圧が増大
(あるいは減少)すれば、上記比例計算は、その増大
(減少)した目標吐出液圧に基づいて行われる。そのた
め、低圧ポンプ・モータの吐出圧および高圧ポンプ・モ
ータの吐出圧はそれぞれ、供給電流の漸減,漸増によ
り、図17に二点鎖線で示すように直線的に漸減,漸増
させられるが、各吐出圧の和であるポンプ装置全体とし
ての吐出液圧は、図17に実線で示すように増大(ある
いは減少)させられる。交替時間(本実施形態において
は2秒)が経過し、ポンプ・モータの交替が終了したと
きには、高圧ポンプ・モータの電動モータには、交替終
了時の目標吐出液圧が得られる供給電流が供給され、低
圧ポンプ・モータの電動モータへの供給電流は0にな
る。
【0071】交替作動制御実行条件が満たされた状態が
6秒を超えれば、S107の判定結果がNOになってS
109が実行され、タイマによって計測される時間が6
秒より長く、11秒以下であるか否かの判定が行われ
る。現在、行われるべき交替作動制御が高圧ポンプ・モ
ータの単独作動であるか否かが判定されるのである。こ
の判定結果はYESであり、S110が実行され、高圧
ポンプ・モータが単独で作動させられる。目標吐出液圧
に応じて高圧ポンプ・モータの電動モータへの供給電流
が決定され、電動モータが駆動されるのである。低圧ポ
ンプ・モータは停止したままである。
【0072】交替作動制御実行条件が満たされた状態が
11秒を超えれば、S109の判定結果がNOになって
S111が実行され、タイマによって計測される時間が
11秒より長く、13秒以下であるか否かの判定が行わ
れる。現在、行われるべき交替作動制御が高圧ポンプ・
モータから低圧ポンプ・モータへの交替であるか否かが
判定されるのである。この判定結果はYESであり、S
112が実行され、作動するポンプ・モータが高圧ポン
プ・モータから低圧ポンプ・モータに交替させられる。
この交替は、低圧ポンプ・モータから高圧ポンプ・モー
タへの交替と同様に、S112が実行される際の目標吐
出液圧に基づいて決定される供給電流,交替開始からの
時間および交替に要する時間に基づいて比例計算を行
い、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モータへの
各供給電流を決定し、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポ
ンプ・モータの各電動モータを駆動することにより行わ
れる。なお、減圧時には、全部の増圧用電磁制御弁は閉
じられるとともに、低圧ポンプおよび高圧ポンプの各々
について逆止弁が設けられているため、それら増圧用電
磁制御弁と逆止弁との間に作動液が閉じ込められてお
り、低圧ポンプ・モータ,高圧ポンプ・モータの各電動
モータの供給電流を減少させても、ポンプ装置としての
吐出液圧(2つの逆止弁よりも増圧用電磁制御弁側の液
圧)は減少せず、図17に二点鎖線で示すように一定の
大きさに保たれるが、低圧ポンプあるいは高圧ポンプと
それらの各々について設けられた逆止弁との間の液圧は
低下し、図17には、この液圧の減少が図示されてい
る。
【0073】そして、13秒が経過し、交替が終了すれ
ば、S111の判定結果がNOになってS113が実行
され、タイマがリセットされてタイマ値が0にされると
ともに、計時が開始される。そのため、交替作動制御実
行条件が満たされる状態が更に続くのであれば、再度、
S105以降のステップが実行される。
【0074】交替作動制御実行条件が満たされなけれ
ば、S101の判定結果がNOになってS114が実行
され、フラグF11がリセットされる。交替作動制御の途
中で交替作動制御条件が満たされなくなっても、交替作
動制御が終了するようにされているのである。次いでS
115が実行され、目標吐出液圧および増圧速度(減圧
時には負の増圧速度)が、低圧ポンプ・モータの単独作
動制御によって得られるか否かの判定が、図16に示す
ポンプ性能テーブルに基づいて行われる。増圧時であ
り、目標吐出液圧および増圧速度が、領域1−2内の大
きさであれば、S115の判定結果がYESになってS
116が実行され、低圧ポンプ・モータのみが作動させ
られる。吐出液圧が目標吐出液圧となるように低圧ポン
プ・モータの電動モータへの供給電流が決定され、制御
されるのである。
【0075】減圧時あるいは保持時であり、増圧時であ
っても、目標吐出液圧および増圧速度が領域1−2内に
含まれない大きさであれば、低圧ポンプ・モータ単独の
作動では制御できず、S115の判定結果がNOになっ
てS117が実行され、同時作動制御が行われる。低圧
ポンプ・モータの電動モータへの供給電流を最大に保っ
てフル作動させるとともに、高圧ポンプ・モータの電動
モータへの供給電流が目標吐出液圧が得られるように制
御されるのである。
【0076】前記S84において増圧速度がポンプ増圧
制御限界以上であり、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポ
ンプ・モータの両方によって制御し得ない場合には、S
87が実行され、フラグF11がリセットされる。交替作
動制御の途中で増圧速度がポンプ増圧制御限界以上とな
っても、交替作動制御が終了するようにされているので
ある。S88およびS89は、前記実施形態のS10お
よびS11と同様に実行される。図示および説明は省略
するが、アンチロック制御時にも同様にポンプ制御が行
われ、交替作動制御実行条件が成立すれば、低圧ポンプ
・モータと高圧ポンプ・モータとが交替で作動させられ
る。
【0077】なお、図14ないし図18に示す実施形態
においては、減圧時および保持時と増圧時では、同じス
テップにおいて交替作動制御を行うか否かの判定が行わ
れるようにされていたが、減圧時および保持時には、増
圧時とは別に、目標吐出液圧の大きさのみによって交替
作動制御を行うか否かを判定するようにしてもよい。減
圧時および保持時の交替作動制御と増圧時の交替作動制
御とが連続して行われるのであれば、それらを合わせて
交替作動制御の実行時間とされる。また、減圧時には、
単独作動制御を行うか否かの判定を行わず、交替作動制
御の実行条件が成立しなければ、直ちに同時作動制御を
行うようにしてもよい。
【0078】また、上記各実施形態において、ポンプ交
替時間は、目標吐出液圧の大きさに関係なく、一定とさ
れていたが、目標吐出液圧の大きさに応じて変えてもよ
い。例えば、目標吐出液圧が大きいほど、長くするので
ある。
【0079】さらに、図1ないし図13に示す実施形態
において、単独作動時間t1 ,t2は、それぞれ異なる
関数によって求めるようにされていたが、同じ関数によ
って求めるようにしてもよい。目標吐出液圧が同じであ
っても、ポンプ・モータの種類によって負荷の大きさが
異なるため、単独作動時間t1 ,t2 は異なってくる。
また、単独作動時間は、目標吐出液圧の大きさに関係な
く、一定としてもよい。
【0080】さらに、図1ないし図13に示す実施形態
において、交替時供給電流を演算するための係数ki
d はテーブルにより設定されていたが、式により設定
してもよい。図12(a),(b)に示す曲線を規定す
る式を設定してコンピュータのROMに記憶しておき、
設定時間Δt毎に式を用いて係数ki ,kd を取得する
のである。
【0081】また、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポン
プ・モータの各作動時間を求める場合、雰囲気温度、す
なわち放熱量は一定として求めるようにしてもよく、あ
るいは複数種類に切換え可能としてもよい。例えば、寒
冷地用の雰囲気温度,温暖地用の雰囲気温度および平均
の雰囲気温度を設定し、各温度毎に単独作動時間t1
2 を求める関数を作成し、地域によって使用する関数
を選択するようにするのである。季節に応じて複数種類
の関数を作成し、選択して使用するようにしてもよい。
【0082】さらに、図1ないし図13に示す実施形態
において、液圧制御コンピュータ172とポンプ・モー
タ交替作動制御コンピュータ188とを1つのコンピュ
ータで構成することも可能である。例えば、メインルー
チン,液圧制御プログラム等の制御プログラムを実行す
るコンピュータのROMに、ポンプ・モータ交替作動制
御プログラムをも格納し、時分割で実行させるのであ
る。
【0083】また、図1ないし図13に示す実施形態に
おいて交替作動制御は、W/C液圧の保持時あるいは減
圧時に行われるようにされていたが、W/C液圧の保持
時のみに行われるようにしてもよい。交替作動制御実行
条件が設定されることは同じである。この場合、減圧時
のポンプ待機制御は、低圧ポンプ・モータのみの制御あ
るいは低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モータの
両方の制御により行われる。
【0084】また、図1ないし図13に示す実施形態に
おけるように、1サイクルの交替作動制御が行われる
間、目標吐出液圧が一定である交替作動制御を行う際
に、図14ないし図18に示す実施形態と同様に、低圧
ポンプ・モータと高圧ポンプ・モータとの交替時の供給
電流を直線的に漸減,漸増させてもよく、図14ないし
図18に示す実施形態と同様に、1サイクルの交替作動
制御が行われる間に目標吐出液圧が変化する交替作動制
御を行う際に、図1ないし図13に示す実施形態におけ
るように、低圧ポンプ・モータと交替ポンプ・モータと
の交替時の供給電流を曲線的に漸減,漸増させてもよ
い。
【0085】さらに、図14ないし図18に示す実施形
態において、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モ
ータの各単独作動時間は、目標吐出液圧の大きさに関係
なく、一定とされていたが、雰囲気温度(放熱量)や負
荷(目標吐出液圧)の大きさに応じて変えてもよい。
【0086】また、上記実施形態において、ポンプ装置
はリリーフ弁を含むものとされていたが、リリーフ弁を
設けることは不可欠ではない。
【0087】さらに、上記各実施形態において、W/C
液圧を制御する液圧制御装置は、ソレノイドへの供給電
流の大きさの制御に基づいて液圧を制御する増圧用,減
圧用の各電磁制御弁を含み、W/C液圧をリニアに制御
し得るものとされていたが、1つの車輪毎に、ソレノイ
ドの励磁,消磁により開閉させられる電磁開閉弁を2個
ずつ備え、それら電磁開閉弁の開閉の組み合わせによっ
てW/C液圧を増大,減少,保持させるものとしてもよ
い。
【0088】また、複数のポンプの少なくとも1つを可
逆ポンプとし、ポンプの逆回転によってW/C液圧を減
少させるようにしてもよい。例えば、減圧も交替作動制
御で行わせるのであれば、前記実施形態において、逆
止弁68,70を省略し、電動モータ60,62を逆
回転可能なものとし、かつ、電動モータ60,62自
体を保持電流を供給しなくても現在の位置に停止し続け
得るものとするか、あるいは回転伝達装置に、ウォーム
とウォームホイールとの組合わせのように、電動モータ
60,62からはポンプ64,66を駆動できるが、ポ
ンプ64,66からは電動モータ60,62を駆動でき
ないようにする逆駆動防止機構を設けるのである。この
ようにすれば、ポンプ64,66の逆回転によってW/
Cからの作動液の流出を許容し、減圧させることがで
き、目標吐出液圧および減圧速度の大きさに応じて2つ
のポンプ・モータ65,67を交替で作動させてW/C
液圧を減少させることができる。この場合、上記各実施
形態におけるように、W/Cを低圧ポンプ・モータおよ
び高圧ポンプ・モータから切り離してW/C液圧を保
持,減少させ得る増圧用,減圧用の各電磁制御弁を含む
のであれば、W/Cの減圧時に、目標吐出液圧の減少に
応じて、実際の吐出液圧を減少させることが可能であ
る。
【0089】さらに、本発明は、車両用ブレーキシステ
ムを構成するポンプ装置以外のポンプ装置にも適用し得
る。その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるポンプ装置を備え、本
発明の実施形態である車両用ブレーキシステムを示す回
路図である。
【図2】上記ポンプ装置を構成する低圧ポンプおよび電
動モータを示す正面断面図である。
【図3】上記低圧ポンプを示す側面断面図である。
【図4】上記車両用ブレーキシステムを構成し、前輪に
ついて設けられた増圧用電磁液圧制御弁および減圧用電
磁液圧制御弁を示す正面断面図である。
【図5】上記車両用ブレーキシステムを構成し、後輪に
ついて設けられた増圧用電磁液圧制御弁および減圧用電
磁液圧制御弁を示す正面断面図である。
【図6】上記車両用ブレーキシステムに設けられた制御
装置のうち、本発明に関連の深い部分を示す概略的に示
すブロック図である。
【図7】上記制御装置を構成する液圧制御コンピュータ
のROMに格納された通常制動用液圧制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図8】上記液圧制御コンピュータのROMに格納され
たアンチロック制御用液圧制御プログラムを示すフロー
チャートである。
【図9】上記液圧制御コンピュータのROMに格納され
たポンプ性能テーブルを示す図である。
【図10】ポンプ・モータ交替作動制御コンピュータの
ROMに格納されたポンプ・モータ交替作動制御用プロ
グラムを表すフローチャートである。
【図11】上記ポンプ・モータ交替作動制御プログラム
において、低圧ポンプ・モータおよび高圧ポンプ・モー
タの各単独作動時間を決定する関数を温度毎に設定した
テーブルを示す図表である。
【図12】上記ポンプ・モータ交替作動制御プログラム
において、交替時供給電流を決定するための係数を示す
図である。
【図13】上記ポンプ・モータ交替作動制御プログラム
に従って交替作動制御が行われる場合の低圧ポンプ・モ
ータおよび高圧ポンプ・モータへの供給電流と時間との
関係を表すグラフである。
【図14】本発明の別の実施形態であるポンプ装置を備
え、本発明の別の実施形態である車両用ブレーキシステ
ムを構成する液圧制御コンピュータのROMに格納され
た通常制動用液圧制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図15】図14に示す通常制動用液圧制御プログラム
を構成するポンプ制御ステップを表すフローチャートで
ある。
【図16】図14に示す通常制動制御用液圧制御プログ
ラムと共にROMに格納されたポンプ性能テーブルを示
す図である。
【図17】図15に示すポンプ制御ステップの交替作動
制御実行時におけるポンプ装置の吐出液圧の変化を示す
グラフである。
【図18】低圧ポンプ・モータと高圧ポンプ・モータと
の交替時における供給電流を決定するための直線を表す
図である。
【符号の説明】
20,22:フロントホイールシリンダ 24,2
6:リヤホイールシリンダ 32:動力液圧源 3
6:ブレーキペダル 54:マスタシリンダ液圧セン
サ 58:ストロークセンサ 60,62:電動モ
ータ 64:低圧ポンプ 65:低圧ポンプ・モー
タ 66:高圧ポンプ 67:高圧ポンプ・モータ
68,70:逆止弁 170:制御装置 17
2:液圧制御コンピュータ 188:ポンプ・モータ
交替作動制御コンピュータ
フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB00 BB01 BB28 CC02 EE01 FF09 HH02 HH16 HH36 LL23 LL29 LL37 MM13 3D049 BB29 CC02 HH00 HH12 HH20 HH30 HH34 HH53 PP02 RR04 RR13 3H045 AA09 AA16 AA24 AA34 AA36 BA20 BA32 BA39 CA03 CA23 CA25 CA28 CA29 DA01 DA32 DA35 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれポンプとそれを駆動する電動モ
    ータとを備えた複数組のポンプ・モータと、それら複数
    組のポンプ・モータの電動モータを制御するモータ制御
    装置とを含むポンプ装置であって、 前記モータ制御装置が、前記複数組のポンプ・モータの
    各電動モータを交替で作動させつつ当該ポンプ装置全体
    としての吐出液圧を目標吐出液圧に制御する交替作動制
    御手段を含むことを特徴とするポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記交替作動制御手段が、前記目標吐出
    液圧の増圧速度が設定速度以下である状態が設定時間以
    上継続した場合に作動するものである請求項1に記載の
    ポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数組のポンプ・モータが、互いに
    限界吐出液圧が高低に異なり、かつ、限界吐出液圧が高
    いものほど吐出流量が小さいものであり、前記交替作動
    制御手段が、前記限界吐出液圧が低いポンプ・モータの
    連続作動時間を限界吐出液圧が高いポンプ・モータの連
    続作動時間より短くする連続作動時間制御手段を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    のポンプ装置と、 そのポンプ装置に接続されたブレーキシリンダにより作
    動し、車輪の回転を抑制するブレーキと、 運転者により操作されるブレーキ操作部材と、 そのブレーキ操作部材の操作力,操作ストローク等の操
    作量を検出し、検出したブレーキ操作量を表すブレーキ
    操作量情報を前記モータ制御装置に供給するブレーキ操
    作量検出装置とを含み、前記モータ制御装置が、前記ポ
    ンプ装置の吐出液圧を前記ブレーキ操作量情報に応じた
    高さに制御するブレーキ操作量対応制御手段を含むこと
    を特徴とする車両用ブレーキシステム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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