JP2000129535A - ポリイミド繊維の製造方法 - Google Patents
ポリイミド繊維の製造方法Info
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Abstract
優れたポリイミド繊維を長時間安定して製造できる方法
を提供する。耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐放射線性及
び力学特性に優れたポリイミド繊維を提供する。 【解決手段】 380 ℃における溶融粘度が5000Pa・s以
下、420 ℃における溶融粘度が 500Pa・s以上のポリイ
ミドを、紡糸温度 380℃〜 420℃、溶融状態での滞留時
間5〜30分間、口金から集束位置までの距離10〜 100cm
として紡糸することを特徴とするポリイミド繊維の製造
方法。
Description
耐薬品性、耐放射線性及び力学特性に優れたポリイミド
繊維の製造方法に関するものである。
学特性等から産業資材等の用途として期待されている。
ポリイミド繊維の製造方法としては、例えばポリイミド
を溶剤又は可塑剤に溶解又は分散し、これを紡糸してフ
ィラメントとする方法が知られいるが、この方法は溶剤
等への溶解、脱溶剤及び溶剤回収等の工程を必要とし、
コストの面でも実用的なものでなかった。また、熱可塑
性ポリイミドを原料として溶融紡糸する方法も知られて
いるが、ポリイミドは融点が高く、溶融粘度も高く、さ
らに、メルトフラクチャーが発生しやすいこと等により
所望のフィラメントを紡糸することは困難であった。特
開平6- 33316号公報には、熱可塑性ポリイミドの紡糸条
件を限定して安定した紡糸を行う方法が開示されている
が、この方法においても安定した紡糸が可能である溶融
粘度の範囲は、700 Pa・s 以下と限定されており、より
耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐放射線性に優れた高粘度
ポリイミドを紡糸することは困難であった。
は、これらの問題点を解消し、耐熱性、難燃性、耐薬品
性及び耐放射線性に優れたポリイミド繊維を長時間安定
して製造できる方法を提供することにある。
を解決すべくポリイミドの溶融紡糸について鋭意研究を
重ねた結果、紡糸温度、滞留時間、集束位置が長時間糸
切れのない安定した紡糸に重要であるという知見を見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、380 ℃に
おける溶融粘度が5000Pa・s以下、420 ℃における溶融
粘度が 500Pa・s以上のポリイミドを、紡糸温度 380℃
〜 420℃、溶融状態での滞留時間5〜30分間、口金から
集束位置までの距離10〜 100cmとして紡糸することを特
徴とするポリイミド繊維の製造方法を要旨とする。
まず、本発明においては、380 ℃における溶融粘度が50
00Pa・s 以下、420 ℃における溶融粘度が 500Pa・s 以
上のポリイミドを溶融紡糸するものであるが、380 ℃に
おける溶融粘度が5000Pa・s を超えるものは粘度が高す
ぎて紡糸パック内での溶融ポリマー流の分配が低下し、
安定した紡出が困難になるので、好ましくなく、一方、
420 ℃における溶融粘度が 500Pa・s 未満のものは十分
な強度を有するフィラメントを得ることが困難になるの
で、好ましくない。ポリイミドとしては、ホモポリマー
の他、共重合体、他のポリマーとの混合物等が挙げら
れ、これらには無機添加物を含有していてもよい。
より押し出すためには、紡糸温度を380℃〜 420℃の範
囲にすることが好ましい。紡糸温度が 380℃未満では、
溶融ポリマーの粘度が5000Pa・sを超えて高くなり過ぎ
るから、紡糸パック内での溶融ポリマー流の分配が低下
し、安定した紡出が困難になる。逆に、溶融温度が 420
℃を超えると、ポリマー又はそれに含有しているオリゴ
マーが分解し、さらには水分のためにガスが発生して安
定した紡出が困難になる。
5〜30分間であることが好ましい。滞留時間が5分間未
満ではポリマーの温度が均一になりにくく、フィラメン
トに斑が発生して十分な強度を得ることが困難になる。
一方、30分間を超えると、ポリマー又はそれに含有して
いるオリゴマーが分解し、さらには水分のためにガスが
発生して安定した紡出が困難になる。
リイミドを紡糸口金から吐出し集束させるとき、その集
束位置は紡糸口金から10〜100cm とする。この距離が10
cmより短いと、紡糸口金から吐出されたポリマーが急激
に集束されるため、ガイドとの抵抗が強く、張力斑が生
じ、糸切れが発生する。逆に 100cmより長いと、空気抵
抗のために張力がかかり糸切れが多くなり長時間安定し
てポリイミド繊維を引き取ることができなくなる。
糸口金から吐出されたポリイミド繊維は 100〜2000m/mi
n 、好ましくは 200〜1500m/min の速度で捲きとること
ができる。捲取速度が100m/min未満では、生産性が低い
だけでなく、強度が3.0g/den以上のポリイミド繊維を得
ることが困難になる傾向がある。逆に、捲取速度が2000
m/min を超えると、糸切れが発生しやすい。なお、捲取
に際しては、ポリイミドが冷却固化した段階でポリイミ
ド繊維に油剤を付与するとよい。本発明によるポリイミ
ド繊維は、それが本来もっている難燃性、耐熱性、耐薬
品性等の性質を生かして、防炎服、結束紐、ロープ、防
炎カーテン等の繊維用途、繊維強化プラスチック等の複
合材料用途、プリント回路基盤等の電気用途など極めて
広い範囲に利用できる。
測定したものである。島津製作所製のフローテスターを
も用いて、試料2g、ノズル寸法を直径1.0mm ,長さ1.
0mm とし、荷重10〜 320kgの条件で種々の剪断速度で溶
融粘度を測定した。次いで、両対数グラフを用いて、粘
度と剪断速度との関係をグラフ化し、剪断速度100sec-1
の溶融粘度を読み取った。
する。なお、実施例における各物性は、下記の方法で測
定したものである。 (a)強伸度 島津製作所製オートグラフDSS-500 型を用いて、試料長
30cm、つかみ間隔5cmで20回/5cmの撚りを加え、引っ張
り速度30cm/minで伸長して得られた切断時荷重値を単位
太さあたりに換算し、その平均値を繊維の強度とした。
また、同時に得られた切断時伸長率の平均値を伸度とし
た(測定回数20回とし平均値を求めた)。 (b)製糸性の良否 連続して24時間紡糸を行い、その間の糸切れ、ローラー
への単糸捲きや複合斑等の状況により次の二段階で評価
した。 ○:良好 ×:不良
溶融粘度が1500Pa・sのポリイミド(三井化学株式会社
製AURUM )のチップを溶融し、表1に記載の溶融粘度と
なし、表1に記載の平均滞留時間、紡糸温度で12ホール
の吐出孔を有する紡糸口金から10.0g/min の吐出量で押
出し、表1に記載の集束位置で集束し、700m/minの速度
で捲取り、その途中の冷却固化した段階で油剤を付与し
て130den/12filのマルチフィラメントを得た。その際の
製糸性並びに得られたフイラメントの強度及び伸度を表
1に示す。
留時間及び集束位置を採用した以外は実施例と同様にし
てマルチフィラメントを得た。その際の製糸性並びに得
られたフイラメントの強度及び伸度を表1に示す。
おいては製糸性、強度ともに良好であった。比較例1〜
2、6においては糸切れが多く製糸性が不良であった。
比較例3はノズル圧が上昇し紡糸が不可能であった。比
較例4〜5は製糸性は良好であったが、十分な強度のフ
イラメントを得ることができなかった。
品性、耐放射線性及び力学特性に優れたポリイミド繊維
を長時間安定して製造することができる。そして、本発
明によって得られたポリイミド繊維は、強化繊維と混繊
したり、単独で織編物等の布帛にしたり、強化繊維と交
織して織物にしたり、強化繊維とともに巻き付けたりす
る方法等により、繊維強化複合体の母材として好適に使
用される。
Claims (1)
- 【請求項1】 380 ℃における溶融粘度が5000Pa・s以
下、420 ℃における溶融粘度が 500Pa・s以上のポリイ
ミドを、紡糸温度 380℃〜 420℃、溶融状態での滞留時
間5〜30分間、口金から集束位置までの距離10〜 100cm
として紡糸することを特徴とするポリイミド繊維の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301892A JP2000129535A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | ポリイミド繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301892A JP2000129535A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | ポリイミド繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129535A true JP2000129535A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17902395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10301892A Pending JP2000129535A (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | ポリイミド繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129535A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107587204A (zh) * | 2017-09-25 | 2018-01-16 | 浙江纳美新材料股份有限公司 | 一种聚酰亚胺原液着色用颜料分散体及其制备方法 |
-
1998
- 1998-10-23 JP JP10301892A patent/JP2000129535A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107587204A (zh) * | 2017-09-25 | 2018-01-16 | 浙江纳美新材料股份有限公司 | 一种聚酰亚胺原液着色用颜料分散体及其制备方法 |
CN107587204B (zh) * | 2017-09-25 | 2020-04-03 | 浙江纳美新材料股份有限公司 | 一种聚酰亚胺原液着色用颜料分散体及其制备方法 |
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