JP2000226730A - 黒原着ポリアミド繊維及びその製造方法 - Google Patents
黒原着ポリアミド繊維及びその製造方法Info
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Abstract
ローラ等の摩耗やこれに起因する製糸工程における糸切
れ、及びカーボンブラックと銅化合物の凝集による紡糸
時、紡糸ノズルの濾圧上昇によるノズル交換回数の増大
にともなう操業性の低下が生じることなく、高強度で、
かつ耐候性、耐久性にも優れた黒原着ポリアミド繊維を
提供する。 【解決手段】 チャンネルタイプのカーボンブラックを
0.1〜1.5重量%、銅化合物を0.01〜0.1重
量%、イミダゾール化合物を0.05〜0.5重量%含
有し、かつ耐候試験後の強力保持率が90%以上であ
る、黒原着ポリアミド繊維。
Description
優れ、工事用ネット、漁網等の産業資材用途に適した黒
原着ポリアミド繊維に関するものである。
用いられる黒原着ポリアミド繊維は、カーボンブラック
粒子を含有させることにより得ることができる。特に、
これらの用途に用いられる繊維としては、より高強度の
繊維が求められている。このような、カーボンブラック
を含有し、かつ高強度の繊維を得るためには、高い延伸
倍率で延伸することが必要となるが、カーボンブラック
は繊維の表面に露出しやすく、しかも、粒子が凝集しや
すいため、製糸工程での糸切れを起こしたり、ガイドや
延伸ローラ等が摩耗するという問題があり、高延伸倍率
での延伸を行うほど、これらの問題が多発する。
は、ファーネスタイプのものであり、そこで、特開平6
−341016号公報には、カーボンブラックとしてチャンネ
ル法で製造されたものを使用することによって、上記の
ような問題を解決して得られた、高強度の黒原着ポリア
ミド繊維が提案されている。
ブラックを用いることによって、カーボンブラックの粒
子が繊維表面に微分散された高強度の繊維となるもので
ある。しかしながら、この繊維は、耐候性を有するが、
カーボンブラック特有の耐候性に起因するものであっ
て、十分ではなく、耐候試験後の強力保持率はせいぜい
70%程度である。したがって、産業資材用途として用い
る場合には、耐久性に劣るという問題がある。
合物を含有するベースポリマーを用い、カーボンブラッ
クとべんがら系着色剤とを含有する淡褐色原着ポリアミ
ド捲縮糸が記載されている。この捲縮糸は、銅化合物を
含有するベースポリマーと耐候性の良好な着色剤を組み
合わせて用いることによって、鮮明な色相に着色され、
かつ耐候性も向上した繊維となるものである。
リアミド繊維に、耐候性を向上させるために銅化合物を
添加することも知られているが、銅化合物は凝集しやす
い性質を持ち、カーボンブラックと併用するとさらに凝
集が起こりやすくなる。上記の捲縮糸は、銅化合物を含
有するベースポリマーとカーボンブラックを含有するポ
リマーとを混合して紡糸して得られるものであるため、
カーボンブラックと銅化合物とが紡糸パック内で凝集し
て濾圧が上昇し、紡糸時に糸切れが発生したり斑のある
繊維となり、高強度の繊維が得られないという問題があ
った。
合物の凝集は、ポリアミドにカーボンブラックを分散さ
せた時により微分散化するカーボンブラック種、例えば
チャンネルタイプのカーボンブラックを用いる場合によ
り顕著となる。
点を解決し、カーボンブラックの凝集によるガイドや延
伸ローラ等の摩耗やこれに起因する製糸工程における糸
切れ、及びカーボンブラックと銅化合物の凝集による紡
糸時の糸切れを生じることがなく、高強度で、かつ耐候
性、耐久性にも優れ、産業資材用途に好適な黒原着ポリ
アミド繊維を提供することを技術的な課題とするもので
ある。
を解決するために鋭意研究の結果、チャンネルタイプの
カーボンブラックを使用することによって、高延伸倍率
での延伸が可能となり、かつイミダゾール化合物を銅化
合物と併用することによって、チャンネルタイプのカー
ボンブラックにおいて特に顕著な銅化合物の凝集を防止
することができ、さらには、カーボンブラックの分散性
もより向上させることができ、強伸度及び耐候性に優れ
た繊維となるということを見出し、本発明に到達した。
を要旨とするものである。 (A)チャンネルタイプのカーボンブラックを0.1 〜1.
5 重量%、銅化合物を0.01〜0.1 重量%、イミダゾール
化合物を0.05〜0.5 重量%含有し、かつ耐候試験後の強
力保持率が90%以上であることを特徴とする黒原着ポリ
アミド繊維。 (B)ポリアミドにチャンネルタイプのカーボンブラッ
ク、銅化合物、イミダゾール化合物を添加するに際し
て、下記(1)又は(2)の方法で添加、混合した後、
溶融紡糸を行う(A)記載の黒原着ポリアミド繊維の製
造方法。 (1)カーボンブラック、銅化合物、イミダゾール化合
物を同時にポリアミドに添加する。 (2)銅化合物とイミダゾール化合物を混合したものに
カーボンブラックを加え、ポリアミドに添加する。
する。本発明の黒原着ポリアミド繊維は、チャンネルタ
イプのカーボンブラックを0.1 〜1.5 重量%、銅化合物
を0.01〜0.1 重量%、イミダゾール化合物を0.05〜0.5
重量%含有するものである。チャンネルタイプのカーボ
ンブラックとは、チャンネル法で製造されたカーボンブ
ラックである。カーボンブラックにはチャンネルタイプ
とファーネスタイプのものがあり、従来、黒原着ポリア
ミド繊維用には、ファーネスタイプのカーボンブラック
が用いられていた。
むポリアミド繊維を製造すると、製糸工程において糸条
が接触する各種ローラやガイド、熱板等がカーボンブラ
ックによって摩耗され、このように摩耗された部分に糸
条が接触することによって、糸切れが多発する。本発明
の黒原着ポリアミド繊維においてチャンネルタイプのカ
ーボンブラックを用いると、その理由は明らかではない
が、カーボンブラックが繊維中に均一に分散されやすい
ため、上記のようなカーボンブラックによる各種ローラ
やガイド、熱板等の摩耗がほとんどなく、操業性よく生
産することができる。特に、カーボンブラックによる各
種ローラやガイド、熱板等の摩耗の発生が多い直接紡糸
延伸法において、チャンネルタイプのカーボンブラック
を用いることは有効である。
カーボンブラックとしては、粒径が0.1 〜0.5 μm程度
のものを用いることが好ましい。
0.1 〜1.5 重量%含有させる必要がある。含有量が0.1
重量%未満であると、繊維が十分に黒に着色されず、含
有量が1.5 重量%を超えると、カーボンブラックが繊維
中に良好に分散されないために、製糸工程においてロー
ラやガイド等の摩耗を引き起こしたり、強度等の糸質性
能が低い繊維となる。
は、銅化合物を0.01〜0.1 重量%含有するものである。
銅化合物は、耐候性に優れた繊維とするために含有させ
るものであり、よう化銅や塩化銅等が好ましく用いられ
る。銅化合物の含有量が0.01重量%未満であると、繊維
の耐候性が十分ではなく、含有量が0.1 重量%を超える
と、カーボンブラックと銅化合物が凝集し、糸切れの原
因となったり、得られる繊維の強度等の性能が低くな
る。
ファーネスタイプのカーボンブラックよりも銅化合物と
の凝集が生じやすい。したがって、本発明においては、
銅化合物とカーボンブラックとの凝集を防ぐために、イ
ミダゾール化合物を0.05〜0.5 重量%含有させる必要が
ある。
繊維において、銅化合物の分散性をよくするためにイミ
ダゾール化合物を加えることは公知である。本発明にお
いては、イミダゾール化合物を加えることによって、銅
化合物の分散性を向上させるのみならず、銅化合物とカ
ーボンブラックとの凝集を防ぐことができ、さらには、
カーボンブラックの分散性をも向上させることができ
る。
アミド繊維は、カーボンブラックと銅化合物がより微分
散されて繊維中に含有されることとなり、チャンネルタ
イプのカーボンブラックと銅化合物を含有する繊維のみ
ならず、チャンネルタイプのカーボンブラックのみを含
有する繊維よりも強伸度に優れた繊維となる。
05重量%未満であると、上記のような効果を奏すること
ができず、一方、イミダゾール化合物の含有量が0.5 重
量%を超えると、イミダゾール化合物と銅化合物とが反
応して化合物を生成し、紡糸時に糸切れが多発したり、
得られる繊維の性能が低下する。イミダゾール化合物と
しては、2-メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられ
る。
ようにチャンネルタイプのカーボンブラック、銅化合物
及びイミダゾール化合物の3者を含有し、それによる相
乗効果により強伸度が向上するとともに耐候試験後の強
力保持率が90%以上、さらに好ましくは、保持率が94%
以上のものとなる。本発明における耐候試験とは、JI
S L−1013 7 17 に基づき、サンシャインウエザーメ
ーターを用いて、63℃で1000時間照射を行ったものであ
る。
と、屋外で使用するうちに強度が低下し、産業資材用と
して十分な耐久性を有しないものとなる。さらに、本発
明の黒原着ポリアミド繊維は、強度が8.0 〜10.0g/
d、伸度が19〜27%程度であり、より産業資材用途に適
するためには、強度が8.4 〜10.0g/dであることが好
ましい。
造方法について説明する。本発明の方法においては、ポ
リアミドにチャンネルタイプのカーボンブラック、銅化
合物、イミダゾール化合物を添加するに際して、下記
(1)又は(2)の方法で混合した後、溶融紡糸を行
う。 (1)カーボンブラック、銅化合物、イミダゾール化合
物を同時にポリアミドに添加する。 (2)銅化合物とイミダゾール化合物を混合したものに
カーボンブラックを加え、ポリアミドに添加する。
においては、エクストルーダ内でポリアミドチップにこ
れらを直接加えて溶融混合する方法と、マスターチップ
を作成し、これにポリアミドチップを混合(ポリアミド
チップで希釈)する方法があるが、これらの化合物の凝
集をより少なくするには、後者の方が好ましい。
ドにチャンネルタイプのカーボンブラックと銅化合物及
びイミダゾール化合物を同時に添加しマスターチップと
し、これにポリアミドチップを加えて溶融混合する。
(2)の方法では、ポリアミドにチャンネルタイプのカ
ーボンブラックを添加しマスターチップとしたものと、
ポリアミドに銅化合物とイミダゾール化合物を添加しマ
スターチップとしたものを混合し、これにポリアミドチ
ップを加えて溶融混合する。
チャンネルタイプのカーボンブラックを添加しマスター
チップとしたものと、ポリアミドに銅化合物を添加しマ
スターチップとしたものを、それぞれポリアミドで希釈
しながら、イミダゾール化合物を添加する方法もある
が、銅化合物はもともと凝集しやすく、マスターチップ
作成時の操業性が低下するため、銅化合物とイミダゾー
ル化合物を同時に添加する上記(1)又は(2)の方法
で行うことが好ましい。中でも、経済性を考慮した場合
(1)の方法がより好ましい。
ーボンブラックと銅化合物を添加し、マスターチップを
作成すると、カーボンブラックと銅化合物の凝集がマス
ターチップ内で生成しやすく、凝集が生じると、後にイ
ミダゾール化合物を添加しても容易に凝集が解消しない
ため、紡糸時、紡糸ノズルでの濾圧上昇を回避すること
ができず、操業性が著しく低下する。また、得られる繊
維は、強伸度、耐候性ともに劣るものとなる。
ドを溶融混合した後、溶融紡糸を行う。溶融紡糸の方法
は特に限定されるものではなく、通常の溶融紡糸装置を
用いて行えばよい。本発明のポリアミド繊維の断面形状
は特に限定されるものではなく、丸断面のみならず、三
角や四角形等の異形断面のものでもよいため、異形断面
形状の繊維とする場合は、そのような形のものが得られ
るような紡糸口金を用いて溶融紡糸を行う。
た後、延伸や熱処理を行い、巻き取る。本発明の方法に
よれば、冷却、固化後の未延伸糸糸条を一旦巻き取った
後、延伸、熱処理を行う二工程法でも、一旦巻き取るこ
となく連続して延伸、熱処理を行う一工程法のどちらを
採用してもよい。
ンブラック、銅化合物ともにポリマー中に微分散されて
いるので、高速での引き取りが行われる一工程法でも、
糸切れ等の発生がなく、操業性よく製造することができ
る。
程度で引き取り、ローラ間で4〜6倍に延伸し、巻き取
ればよく、二工程法の場合は、400〜800m/分程
度で一旦未延伸糸を巻き取った後、ローラ間で4〜6倍
に延伸し、200〜500m/分程度で巻き取ればよ
い。
は、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン46等が挙
げられ、これらを組み合わせた共重合ポリマーやブレン
ドポリマーでもよい。また、結節強度を上げるために、
長鎖アルキル基を有するビスアミド化合物(例えば、メ
タキシリレンビスステアリルアミド、メタキシリレンビ
スオレイルアミド、エチレンビスステアリルアミド)等
の第3成分を加えてもよく、さらには、効果を損なわな
い範囲で艶消剤、難燃剤、顔料等の種々の添加物を添加
してもよい。
する。なお、実施例中の各特性値は、下記の方法で測定
と評価を行った。 (1) 強度、伸度 JIS L−1017に基づいて測定した。 (2) 耐候試験後の強力保持率(%) 前記のような条件で耐候試験を行い、試験前後の繊維の
強度を(1) の方法で測定し、算出した。 (3) ノズル交換回数 30日間連続して紡糸を行った間に、紡糸ノズルの濾圧が
上昇したために糸切れが生じ、ノズルを交換した回数で
ある。
℃で測定した。)3.5のナイロン6に、チャンネルタイ
プのカーボンブラック20重量%、よう化銅0.75重量%、
2-メルカプトベンズイミダゾール2.5 重量%を溶融混合
してマスターチップを製造した。表1に示すような含有
量のカーボンブラック、よう化銅、イミダゾール化合物
を有する繊維となるように、マスターチップとナイロン
6チップの混合量を種々変更して混合しながら、285 ℃
で溶融を行なった。溶融ポリマーを紡糸パック内に配置
した平均孔径20μm程度の金属不織布を通して濾過した
後、孔径0.35mm、孔数210 の口金を用いて紡糸した。
紡糸した糸条を冷却固化させた後、非水系油剤を付与
し、引取ローラ(速度520 m/分)で引き取り、引き続
き、加熱ローラ群で5.2 倍に延伸した後、2700m/分の
速度で巻き取り、1430d/210 fの黒原着ポリアミド繊
維を得た。
銅、イミダゾール化合物を有する繊維となるように、実
施例1と同様のマスターチップとナイロン6チップの混
合量を種々変更して混合し、また、湿結節強度を向上さ
せるために、メタキシリレンビスステアリルアミドも混
合(実施例4:0.2 重量%、実施例5:0.5 重量%)し
た後、270 ℃で溶融を行った。溶融ポリマーを紡糸パッ
ク内に配置した平均孔径20μm程度の金属不織布を通し
て濾過した後、孔径0.70mm、孔数42の口金を用いて紡
糸した。紡糸した糸条を冷却固化させた後、非水系油剤
を付与し、引取ローラ(速度520 m/分)で引き取り、
引き続き、加熱ローラ群で4.5 倍に延伸した後、2330m
/分の速度で巻き取り、1260d/42fの黒原着ポリアミ
ド繊維を得た。
ンブラックを20重量%、よう化銅を0.75重量%溶融混合
してマスターチップを製造した。表1に示すような含有
量のカーボンブラック、よう化銅を有する繊維となるよ
うに、マスターチップとナイロン6チップを混合しなが
ら、285 ℃で溶融を行なった。溶融ポリマーを実施例1
と同様の条件で紡糸、延伸を行い、1430d/210fの黒
原着ポリアミド繊維を得た。
ンブラックを20重量%溶融混合してマスターチップを製
造した。表1に示すような含有量のカーボンブラックを
有する繊維となるように、マスターチップとナイロン6
チップを混合しながら、285 ℃で溶融を行なった。溶融
ポリマーを実施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行い、
1430d/210 fの黒原着ポリアミド繊維を得た。
ンブラックを20重量%、よう化銅を0.75重量%溶融混合
してマスターチップを製造し、これにナイロン6チップ
とイミダゾール化合物を加え、表1に示すような含有量
のカーボンブラック、よう化銅、イミダゾール化合物を
有する繊維となるように混合しながら溶融を行なった以
外は、実施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行い、1430
d/210fの黒原着ポリアミド繊維を得た。
ンブラックを20重量%、よう化銅を0.75重量%溶融混合
してマスターチップを製造した。表1に示すような含有
量のカーボンブラック、よう化銅を有する繊維となるよ
うに、マスターチップとナイロン6チップを混合しなが
ら、285 ℃で溶融を行なった。溶融ポリマーを実施例4
と同様の条件で紡糸、延伸を行い、1260d/42fの黒原
着ポリアミド繊維を得た。
ンブラックを20重量%、よう化銅を0.75重量%溶融混合
してマスターチップを製造し、これにナイロン6チップ
とイミダゾール化合物を加え、表1に示すような含有量
のカーボンブラック、よう化銅、イミダゾール化合物を
有する繊維となるように混合しながら溶融を行なった以
外は、実施例4と同様の条件で紡糸、延伸を行い、1260
d/42fの黒原着ポリアミド繊維を得た。
維の強度、伸度、強力保持率、ノズル交換回数の評価結
果を表1に示す。
得られた本発明の黒原着繊維は、強度が高く、耐候性試
験後の強力保持率も高いものであり、耐久性にも優れた
ものであった。また、ローラやガイド等の摩耗もなく、
ノズル交換回数も少なく操業性にも優れていた。一方、
カーボンブラックの含有量が多過ぎた比較例1の繊維
は、カーボンブラックが良好に分散されなかったため、
ローラやガイド等の摩耗があり、強度の低い繊維となっ
た。比較例2の繊維は、よう化銅の含有量が少な過ぎた
ため、耐候試験後の強力保持率が低いものであった。比
較例3の繊維は、イミダゾール化合物の含有量が多過ぎ
たため、イミダゾール化合物とよう化銅が反応して化合
物を生成し、紡糸時に糸切れが生じ、強度が低くなっ
た。比較例4及び比較例7の繊維は、イミダゾール化合
物を含有しない繊維であったため、カーボンブラックと
銅化合物とが紡糸パック内で凝集して濾圧が上昇し、ノ
ズル交換回数が多く、強度も低いものとなった。比較例
5の繊維は、よう化銅とイミダゾール化合物ともに含有
しない繊維であったため、耐候試験後の強力保持率が低
いものであった。比較例6及び比較例8では、銅化合物
とカーボンブラックとを混合したマスターチップを作成
し、これにイミダゾール化合物を添加したため、銅化合
物とカーボンブラックの凝集が解消されず、濾圧が上昇
し、ノズル交換回数が多く、操業性が悪かった。また、
得られた繊維は強度、強力保持率ともに低いものとなっ
た。
ボンブラック及び銅化合物の分散性に優れているため、
製糸工程において、ガイドや延伸ローラ等の摩耗やこれ
に起因する糸切れがなく、さらには、カーボンブラック
と銅化合物の凝集も生じないので、強伸度特性に優れ、
耐候性にも優れており、特に、耐候後の強力保持率が高
いので、耐久性が要求される産業資材用途に好適に用い
ることができる。そして、本発明の黒原着ポリアミド繊
維の製造方法によれば、カーボンブラックと銅化合物の
凝集を防ぎ、紡糸ノズルの濾圧上昇によるノズル交換回
数の増大にともなう操業性の低下の発生もなく、本発明
のポリアミド繊維を得ることが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 チャンネルタイプのカーボンブラックを
0.1 〜1.5 重量%、銅化合物を0.01〜0.1 重量%、イミ
ダゾール化合物を0.05〜0.5 重量%含有し、かつ耐候試
験後の強力保持率が90%以上であることを特徴とする黒
原着ポリアミド繊維。 - 【請求項2】 ポリアミドにチャンネルタイプのカーボ
ンブラック、銅化合物、イミダゾール化合物を添加する
に際して、下記(1)又は(2)の方法で添加、混合し
た後、溶融紡糸を行う請求項1記載の黒原着ポリアミド
繊維の製造方法。 (1)カーボンブラック、銅化合物、イミダゾール化合
物を同時にポリアミドに添加する。 (2)銅化合物とイミダゾール化合物を混合したものに
カーボンブラックを加え、ポリアミドに添加する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02502399A JP3330098B2 (ja) | 1999-02-02 | 1999-02-02 | 黒原着ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3330098B2 JP3330098B2 (ja) | 2002-09-30 |
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ID=12154328
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
JP (1) | JP3330098B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2010032113A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Toyobo Co Ltd | 偽装材料 |
WO2013150870A1 (ja) * | 2012-04-03 | 2013-10-10 | 東レ株式会社 | ポリアミド黒原着糸、仮撚糸、カバリング弾性糸およびレッグニット |
JP2015071839A (ja) * | 2013-10-02 | 2015-04-16 | 東レ株式会社 | ポリアミド黒原着糸、仮撚糸およびそれよりなるインナーウエア |
JP2016023393A (ja) * | 2014-07-24 | 2016-02-08 | 三信製織株式会社 | 帯状迷彩柄織物 |
WO2018092686A1 (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 東レ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれを含む成形品 |
-
1999
- 1999-02-02 JP JP02502399A patent/JP3330098B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2018092686A1 (ja) * | 2016-11-15 | 2018-11-22 | 東レ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれを含む成形品 |
US11136447B2 (en) | 2016-11-15 | 2021-10-05 | Toray Industries, Inc. | Polyamide resin composition and molded article containing same |
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