JP3463469B2 - ポリアミドペレット - Google Patents

ポリアミドペレット

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JP3463469B2 JP19625996A JP19625996A JP3463469B2 JP 3463469 B2 JP3463469 B2 JP 3463469B2 JP 19625996 A JP19625996 A JP 19625996A JP 19625996 A JP19625996 A JP 19625996A JP 3463469 B2 JP3463469 B2 JP 3463469B2
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polyamide
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pellets
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秀夫 堀
晃 鈴木
武志 浜浦
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミド繊維の艶
消しや不透明性付与などの目的に添加される酸化チタン
の分散を細かくすることにより、製糸操業性や糸品質が
優れた高濃度の酸化チタンを含有する製糸用ポリアミド
ペレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は強度、耐久性、ストレ
ッチ性、染色性に優れているので、スポーツウエア、ス
トッキングなどの衣料用途やカーペットなどの産業用途
に用いられている。これらの用途では、繊維のキラツキ
感をなくしたり、高次加工性を改善するために、白色顔
料として酸化チタンを通常3重量%以下添加する。この
用途に使用する酸化チタン含有ペレットは、一般的には
糸中に含まれる酸化チタン濃度と同一の酸化チタン濃度
を有するペレットをつくり、それをそのまま製糸する方
法が行われている。しかしながら酸化チタンの特徴を生
かした用途によっては、糸中に含まれる酸化チタン濃度
が3重量%以上にする必要があるものがある。
【0003】例えば特開平5ー247723号公報には
下着、肌着、水着など不透明性が必要とされる分野に
は、酸化チタンが5〜30重量%添加されることがある
と記載されている。これ以外に、高濃度の酸化チタンが
添加されるものとして次の用途がある。ポリアミドの静
電気障害の防止を目的に、導電性カーボンブラックを添
加することが知られている。カーボンブラック添加によ
る糸の黒色化を抑制するために、カーボンブラックを糸
の芯部に添加し、鞘部に酸化チタンを5重量%から10
重量%含有したポリアミドを使用する場合がある。
【0004】また酸化チタンは紫外線カット効果がある
ため、高濃度の酸化チタンを含有したポリアミドは、傘
地やテニスウエアーなど清涼感の要求される用途にも好
適である。
【0005】また例えば、糸中の酸化チタン濃度が3重
量%以下であっても、酸化チタン含有ペレットの製造工
程や製糸工程の合理化や、糸中の酸化チタンの濃度が異
なる糸品種の多品種化に対応するため、いわゆるマスタ
ーバッチと呼ばれている高濃度の酸化チタンを含有する
ペレットを製造し、それを酸化チタンを含有しないペレ
ットとブレンドして製糸し、所定量の酸化チタンを含有
する糸品種を製造する方法もある。
【0006】しかしながらこのように酸化チタンを高濃
度に添加したペレットをそのまま、または酸化チタンを
含有しないペレットをブレンドして製糸すると、ペレッ
ト中の酸化チタンの分散不良に基づく異物効果のため、
製糸時の糸切れが増加し、操業性が不良になったり、製
糸出来なくなる場合がある。また糸品質としては、強度
や伸度が低下して実用的に使用出来ない糸となる。その
傾向はペレットや糸中の酸化チタンの濃度が高くなる
程、また製糸速度が大きくなる程、顕著に現れる傾向が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ように高濃度の酸化チタンを含有するポリアミドペレッ
トをそのまま、または酸化チタンを含有しないペレット
とブレンドして製糸しても、糸切れが少なく、製糸性が
良好で、かつ糸強度や伸度が低下しない糸品質の優れた
製糸用ポリアミドペレットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は「酸化
チタンを3重量%から70重量%およびナイロン6を含
有するポリアミドペレットであって、当該ポリアミドペ
レットを、前記ナイロン6を含有するポリアミドによっ
て、酸化チタン濃度を2重量%に希釈して、285℃で
5μmの目開きのフィルターで濾過速度を80g/hr
・cm2として測定した時の濾過圧力の上昇速度が9.
8MPa/hr以下である製糸用ポリアミドペレッ
ト。」および「前記ポリアミドペレットを用いて製糸す
ることを特徴とするポリアミド繊維の製造方法。」から
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について説明する。
【0010】酸化チタンには結晶形態が異なるルチル型
とアナターゼ型がある。ルチル型は硬度が大きいため、
糸の加工時に使用する金属ピンなどを摩耗させるので、
製糸用ポリアミドペレットに添加する酸化チタンとして
はアナターゼ型が通常用いられる。また製糸用酸化チタ
ンには、耐光性を改良したり、分散性を改善するために
Mn、Al、Zn、Siなどの化合物が酸化チタン表面
にコーチングされているものがあるが、本発明に使用す
る酸化チタンは、これらの化合物がコーチングされてい
るものでもいないものでも差し支えない。
【0011】また酸化チタンを含有するペレットを生産
する方法としては次の方法がある。 (1)酸化チタンをそのまま、または分級処理をして、
ポリアミドのモノマーと混合して重合する方法。 (2)酸化チタンをポリアミドの重合途中に重合装置に
添加する方法。 (3)いわゆるアフターダリングと言われている方法
で、酸化チタンをそのまままたは分散剤などとともに、
重合完了した溶融状態のポリアミドに添加する方法。 (4)エクストルーダーなどでポリアミドペレットと酸
化チタンを溶融状態で混練する方法。 などがあるが、本発明の方法はいずれの方法でもよい。
【0012】ここで言うポリアミドとはナイロン6、
イロン6共重合体など繊維形成可能なポリアミドであ
り、酢酸などの粘度安定剤、マンガン化合物などの耐光
剤、銅化合物などの耐熱剤、その他制電剤、分散剤、末
端基量調整剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0013】またポリアミドの重合方法としては一般的
に連続式とバッチ式があるがいずれの方法でもよい。
【0014】本発明の高濃度酸化チタンを含有する製糸
用ポリアミドペレットはそのまま、製糸してもよいし、
他の同種のポリアミドペレットとブレンドし、酸化チタ
ンの濃度が異なる糸を製糸したり、他種のポリアミドペ
レットとブレンドし、特性の改良した糸を製糸してもよ
い。
【0015】本発明の高濃度の酸化チタンを含有する製
糸用ポリアミドペレット中の酸化チタン濃度が70%を
超えると、ペレット中の酸化チタンの分散が不良になっ
たり、溶融粘度が高くなったり、冷却後のストランドの
弾性が小さくなるためペレット化が困難になる。
【0016】また酸化チタンの濃度を2重量%に希釈し
て、285℃で5μmの目開きのフィルタで濾過速度が
80g/hr.cm2 で測定した時の濾過圧力の上昇
速度が9.8MPa/hrをこえると製糸時の糸切れが
増えたり、製糸不能になったり、3000m/min.
以上の高速製糸が不能となる。また糸品質では強度や伸
度が低下する。
【0017】本発明で使用される濾過圧力測定装置の概
略図を図1に示す。測定方法を次に記載する。
【0018】酸化チタン濃度が2重量%になるように、
酸化チタンを含まず、ペレットと同種のポリアミドから
なるペレットと混合した後、乾燥したポリアミドペレッ
トを約1kgチップホッパー1に仕込む。アルミブロッ
クヒータ4を過熱し、熱板3の温度が285℃になるよ
うにする。ピストン2を加圧し、熱板上でポリアミドペ
レットを溶融し、加圧する。ギヤポンプ5を回転し4g
/min.の速度で溶融ポリマを目開き5μm、濾過面
積3cm2 のフィルター6を経由して4時間吐出する
(この条件で濾過速度は80g/hr.cm2 とす
る)。その時の濾過圧力をレコーダー7に記録する。濾
圧上昇速度は、吐出開始後最初の1時間を除いた3時間
について1時間あたりの平均値で表す。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0020】実施例1〜4、比較例1および2 酸化チタンをポリアミドのモノマーと混合して重合する
方法(以下重合添加と略す)およびナイロン6を含有す
ポリアミドペレットと酸化チタンを混合し、エクスト
ルーダーにより、溶融混練りする方法(以下混練添加と
略す)により酸化チタン含有ポリアミドペレットを得
た。実施例1〜4は本発明による方法であり、比較例1
および2はそれぞれの比較のための方法である。
【0021】それぞれのペレットについて、酸化チタン
濃度が2重量%になるように酸化チタンを含まないペレ
ットと混合した後、瀘過圧力測定装置で瀘過圧力上昇速
度をを測定した。
【0022】またペレットを真空乾燥で水分率を0.1
%以下に乾燥した後、プレシャーメルター型の紡糸機
で、120メッシュの濾砂を通過させ、孔径0.3mm
の吐出孔を20孔配する口金から30g/min.で吐
出させた。
【0023】この時の、紡糸温度270℃設定し
た。さらにチムニー風で冷却した後に、紡糸油剤を付与
した。
【0024】この条件で、引き取りローラーを初速10
00m/min.から100m/min.づつ増速し、
3分以内で単糸が切れ始める直前の速度を最高洩糸速度
とした。
【0025】なお実施例中乾式ミル処理とは酸化チタン
をジェットミルで粉砕したものであり、また分散剤とは
酸化チタンに対し、ポリアクリル酸ソーダ0.4重量%
とピロリン酸ソーダ0.15重量%を添加したものであ
る。結果を表1に示した。本発明の実施例は、何れも最
高洩糸速度が3000m/min.以上であり、高速製
糸にも好適なものであった。一方比較例は最高洩糸速度
が1500m/min.以下で高速製糸は出来なかっ
た。
【0026】
【表1】
【0027】
【0028】実施例5〜7、比較例 実施例1、2、3および比較例1のペレットを使用し、
実施例1以外は一般公知の方法で得られた酸化チタンを
含有しないナイロン6ペレットと混合し、酸化チタン量
を5重量%になるようにした。実施例1と同様に乾燥
後、24孔の口金を用い、濾砂120メッシュ、紡糸温
度270℃、吐出量21g/min.の条件でポリマを
吐出し、第1ゴデーローラ速度1020m/min.、
第2ゴデーローラ3200m/min.、ワインダー速
度3080m/min.の巻き取り条件で直接紡糸延伸
を行った。
【0029】結果を表2に示した。実施例は何れも、糸
切れが少なく、得られた繊維の強度や伸度も良好で、製
糸用ポリマに好適なものであった。
【0030】一方、比較例は糸切れが頻発し、連続紡糸
が不可能であった。また得られた繊維の強度や伸度も不
十分なものであった。
【0031】
【表2】
【0032】実施例 実施例2で得られたペレットを芯成分、酸化チタンを含
有しないナイロン6を鞘成分として、芯/鞘比率が35
/65となる条件で50デニール17フィラメントの複
合繊維を紡糸速度4000m/min.で直接紡糸延伸
法にて紡糸した。糸切れも少なく製糸性は良好であっ
た。
【0033】さらに得られた繊維は強度や伸度も良好
で、さらにこれを4本揃え、筒編み地を作成したところ
不透明性に優れた編み地となった。
【0034】
【発明の効果】本発明の酸化チタン含有ポリアミドペレ
ットを使用して製糸すると、製糸時の糸切れが少なく、
かつ高速紡糸が可能となる。また繊維の強度や伸度も低
下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における濾過圧力の上昇速度を測定する
機器を示す概略図。
【符号の説明】
1:チップホッパー 2:ピストン 3:熱板 4:アルミブロックヒーター 5:ギアポンプ 6:フィルター 7:レコーダー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/22 C08L 77/00 - 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンを3重量%から70重量%およ
    ナイロン6を含有するポリアミドペレットであって、
    当該ポリアミドペレットを、前記ナイロン6を含有する
    ポリアミドによって、酸化チタン濃度を2重量%に希釈
    して、285℃で5μmの目開きのフィルターで濾過速
    度を80g/hr・cm2として測定した時の濾過圧力
    の上昇速度が9.8MPa/hr以下である製糸用ポリ
    アミドペレット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製糸用ポリアミドペレッ
    トを製糸することを特徴とするポリアミド繊維の製造方
    法。
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