JP2000129252A - 可逆熱変色性組成物 - Google Patents

可逆熱変色性組成物

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JP2000129252A
JP2000129252A JP10324518A JP32451898A JP2000129252A JP 2000129252 A JP2000129252 A JP 2000129252A JP 10324518 A JP10324518 A JP 10324518A JP 32451898 A JP32451898 A JP 32451898A JP 2000129252 A JP2000129252 A JP 2000129252A
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裕 柴橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発色状態においては蛍光性を有する赤みの少
ない黄色を呈し、消色時には鋭敏に黄色から無色に変化
する特性を有する可逆熱変色性組成物を提供する。 【構成】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物として下
記一般式(1)で示されるピリジン誘導体と、前記電子
供与性呈色性有機化合物に対して電子受容性である化合
物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反
応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体で
ある化合物とからなる可逆熱変色性組成物。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2
は炭素数1〜6のアルキル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色性組成物
に関する。更に詳細には、発色時には蛍光性を有する黄
色の色調を呈し、消色過程において鋭敏に無色となる可
逆熱変色性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、(イ)電子供与性呈色性有機化合
物、(ロ)前記電子供与性呈色性有機化合物に対して電
子受容性である化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分
による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起
させる反応媒体である化合物からなる可逆熱変色性組成
物の(イ)電子供与性呈色性有機化合物としてピリジン
系化合物を用いることが開示されている(特開平7−1
86540号公報、特開平8−127768号公報)。
前記した従来の可逆熱変色性組成物は、発色時には高発
色濃度と明るさに富む蛍光性を有する黄色を呈し、消色
時には色残りがなく無色になる可逆熱変色性組成物を提
供することができるものであるが、前記した従来のピリ
ジン系化合物を用いると、発色時の蛍光性を有する黄色
は吸収波長が若干高波長側に位置し、僅かに赤みを有す
る。また、昇温時の消色過程において黄色から無色に変
化する際、徐々に消色するため変色感度が鋭敏でなく、
利用が制約されるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の問題を解消するものであって、即ち、発色状態にお
いては蛍光性に優れた赤みの少ない黄色を呈し、且つ、
降温時の消色過程においては、鋭敏に黄色から無色に変
化する実用性の高い可逆熱変色性組成物を提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(イ)電
子供与性呈色性有機化合物としてピリジン系化合物を用
いる可逆熱変色性組成物の電子授受反応による発色系に
ついて、前記ピリジン系化合物を更に追求したところ、
一般式(1)で示されるピリジン誘導体を用いることに
より前記した問題を解消できることを見出した。即ち、
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物として下
記一般式(1)で示されるピリジン誘導体、(ロ)前記
電子供与性呈色性有機化合物に対して電子受容性である
化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受
反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体
である化合物の3成分を必須成分とする相溶体からなる
可逆熱変色性組成物を要件とする。
【化1】(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜6のアルキル基を示す) 更には、前記(ロ)成分がフェノール性水酸基を有する
化合物、及びそれらの金属塩から選ばれる化合物であ
り、(ハ)成分がアルコール類、エステル類、ケトン
類、エーテル類、及び、酸アミド類から選ばれる化合物
であること、紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素消
光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光
剤、赤外線吸収剤から選ばれる一種又は二種以上の光安
定剤を添加してなること、前記可逆熱変色性組成物がマ
イクロカプセルに内包されてなること等を要件とする。
【0005】以下に前記各成分について具体的に説明す
る。前記(イ)成分のピリジン誘導体としては、 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジペンチルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジヘキシルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジペンチルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジヘキシルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリ
ジン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジペンチルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリ
ジン 2,6−ビス(2’,4’−ジヘキシルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジプロピルアミノフェニル)−ピリ
ジン 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジペンチルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジヘキシルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジブチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 等が挙げられる。前記一般式(1)で示されるピリジン
誘導体のR1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2
は炭素数1〜6のアルキル基を示すが、R1 は炭素数が
長くなると発色状態の黄色の色調がやや赤みを有する。
従って、R1 は炭素数が1または2のアルキル基である
ことが好ましい。また、R2 に関しては、アルキル基が
長くなると発色状態の黄色の色調にやや青みを有すると
共に、変色感度が悪くなる傾向にある。従って、R2
炭素数が1〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0006】従って、好適に用いられるピリジン誘導体
としては、 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジメチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジエチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン 2,6−ビス(2’,4’−ジプロピルオキシフェニ
ル)−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジ
ン 2,6−ビス(2’,4’−ジブチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン が挙げられる。
【0007】前記変色感度について、図1の可逆熱変色
性組成物の変色特性を示すグラフにより説明する。図1
において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。
温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。
ここで、Aは完全消色状態に達する最低温度T4 (以
下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であ
り、Bは完全呈色状態を保持できる最高温度T3 (以
下、最高保持温度と称す)における濃度を示す点であ
り、Cは完全消色状態を保持できる最低温度T2 (以
下、最低保持温度と称す)における濃度を示す点であ
り、Dは完全呈色状態に達する最高温度T1 (以下、完
全呈色温度と称す)における濃度を示す点である。温度
A においては呈色状態E点と消色状態F点の2相が共
存する状態にある。この温度TA を含む、呈色状態と消
色状態が共存できる温度域が変色の保持可能な温度域で
あり、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度
であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステ
リシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔH
と記す)であり、このΔH値が大きい程、変色前後の各
状態の保持が容易となる。変色感度については、最低保
持温度T2 と完全呈色温度T1 の温度差、及び最高保持
温度T3 と完全消色温度T4 の温度差が小さいほど、鋭
敏に変色して変色感度が良好となる。本発明の可逆熱変
色性組成物は、最高保持温度T3 と完全消色温度T4
温度差が小さく、消色過程において鋭敏に黄色から無色
になる。
【0008】前記(ロ)成分の電子受容性化合物として
は、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群
〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分
(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合
物群等がある。活性プロトンを有する化合物を例示する
と、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノ
フェノール類からポリフェノール類があり、さらにその
置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルボキシル及びそのエステル又
はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、
トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹
脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有す
る化合物の金属塩であってもよい。
【0009】以下に具体例を挙げる。フェノール、o−
クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェ
ノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノ
ール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノー
ル、4−〔4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホ
ニル〕フェノール、4−(4−ブチルオキシフェニル)
スルホニルフェノール、4−(4−ペンチルオキシフェ
ニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘキシルオキ
シフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘプチ
ルオキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−
オクチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、p−
ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香
酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,
2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,
4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェ
ニル−1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−
メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,
1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロ
ピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、等が
ある。前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有
効な熱変色特性を発現させることができるが、それらの
金属塩や、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族
カルボン酸及びそれらの金属塩、カルボン酸金属塩、酸
性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−ト
リアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であっ
てもよい。更に、フルオロアルコール化合物を用いるこ
ともでき、以下に例示する。2−ヒドロキシヘキサフル
オロイソプロピルベンゼン、1、3−ビス(2−ヒドロ
キシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1、4−
ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベ
ンゼン、1、3−ビス(2−ヒドロキシメチル−ヘキサ
フルオロイソプロピル)ベンゼン、1、3−ビス(3−
ヒドロキシ−1、1−ビストリフルオロメチルプロピ
ル)ベンゼン、1、4−ビス(2−ヒドロキシメチル−
ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1、4−ビス
(3−ヒドロキシ−1、1−ビストリフルオロメチルプ
ロピル)ベンゼン、2−ヒドロキシメチル−ヘキサフル
オロイソプロピルベンゼン、3−ヒドロキシ−1、1−
ビストリフルオロメチルプロピルベンゼン、等がある。
【0010】前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反
応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の
(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分として
は、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル
類、酸アミド類が挙げられる。前記各化合物を用いてマ
イクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子
量のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するの
で、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数1
0以上の化合物が好適に用いられる。アルコール類とし
ては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが
有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシル
アルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、
ドコシルアルコール等が挙げられる。
【0011】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、
ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチ
ル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、
パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パル
ミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ス
テアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、
ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、
ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロ
ピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸
ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息
香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジス
テアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、
マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジ
ラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラ
ウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オ
クタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチ
レングリコールジミリステート、プロピレングリコール
ジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、
ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタ
ンジオールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリ
オールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ
ミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キ
シレングリコールジステアレート等が挙げられる。
【0012】又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールの
エステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有す
る飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂
肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリ
ル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効
である。具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン
酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシ
ル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,
5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリ
メチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリ
ル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、
パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エ
チルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン
酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシ
ル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−
メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプ
リン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペン
チル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2
−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステ
アリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチ
ル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチ
ルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸
1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチ
ル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1
−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、
ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−
メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ス
テアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘ
キシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリス
チン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7
−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオ
クチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン
酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステア
リル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチル
オクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリ
ル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステア
リル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチ
ル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2
−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリ
スチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステア
リル、酪酸ベヘニル等が挙げられる。
【0013】更には、色濃度−温度曲線に関し、大きな
ヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプ
ロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側
から高温側へ変化させる場合とで異なり、両曲線を合体
するとループ状を示す)を示して変色する、温度変化に
依存して色彩記憶性熱変色性を与えるためには、先に本
出願人が提案した、特公平4−17154号公報に開示
した、5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示
すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳
香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含
むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエ
ステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エ
ステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコー
ル又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と
分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳
香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、
ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン
酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリ
スチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリ
ル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、
ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0014】炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコー
ルと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪
酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘ
プチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族
カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸
エステル化合物も有効である。具体的には、酢酸n−ペ
ンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシ
ル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデ
シル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノ
ニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリ
デシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−
ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウン
デシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペ
ンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−
ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウン
デシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペ
ンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸
n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸
n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリス
チン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、
パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、
パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデ
シル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n
−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸
n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイ
コサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エ
イコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデ
シル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシ
ル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタ
デシル等が挙げられる。
【0015】ケトン類としては、総炭素数が10以上の
脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカ
ノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカ
ノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデ
カノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカ
ノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テト
ラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノ
ン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘ
プタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノ
ン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイ
コサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノ
ン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等が挙げられ
る。更には、総炭素数が12乃至24のアリールアルキ
ルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−
ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n
−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、
4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノ
ン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフ
ェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカ
ノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカ
ノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノ
ナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−
オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、
4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert
−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−
n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニル
ケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチル
アセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチ
ルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナ
フトン、シクロペンチルフェニルケトン等が挙げられ
る。
【0016】エーテル類としては、総炭素数10以上の
脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、
ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチル
エーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウ
ンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシル
エーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエ
ーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエー
テル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジ
オールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエ
ーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカン
ジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチ
ルエーテル等が挙げられる。
【0017】酸アミド類としては、アセトアミド、プロ
ピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプ
リル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、
ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン
酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エル
カ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプ
リル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニ
リド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、
ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン
酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N−メチル
アミド、カプリル酸N−メチルアミド、カプリン酸N−
メチルアミド、ラウリン酸N−メチルアミド、ミリスチ
ン酸N−メチルアミド、パルミチン酸N−メチルアミ
ド、ステアリン酸N−メチルアミド、ベヘニン酸N−メ
チルアミド、オレイン酸N−メチルアミド、エルカ酸N
−メチルアミド、ラウリン酸N−エチルアミド、ミリス
チン酸N−エチルアミド、パルミチン酸N−エチルアミ
ド、ステアリン酸N−エチルアミド、オレイン酸N−エ
チルアミド、ラウリン酸N−ブチルアミド、ミリスチン
酸N−ブチルアミド、パルミチン酸N−ブチルアミド、
ステアリン酸N−ブチルアミド、オレイン酸N−ブチル
アミド、ラウリン酸N−オクチルアミド、ミリスチン酸
N−オクチルアミド、パルミチン酸N−オクチルアミ
ド、ステアリン酸N−オクチルアミド、オレイン酸N−
オクチルアミド、ラウリン酸N−ドデシルアミド、ミリ
スチン酸N−ドデシルアミド、パルミチン酸N−ドデシ
ルアミド、ステアリン酸N−ドデシルアミド、オレイン
酸N−ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリス
チン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸
アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、
トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、ト
リステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク
酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロ
ン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、
コハク酸N−メチルアミド、アジピン酸N−メチルアミ
ド、グルタル酸N−メチルアミド、マロン酸N−メチル
アミド、アゼライン酸N−メチルアミド、コハク酸N−
エチルアミド、アジピン酸N−エチルアミド、グルタル
酸N−エチルアミド、マロン酸N−エチルアミド、アゼ
ライン酸N−エチルアミド、コハク酸N−ブチルアミ
ド、アジピン酸N−ブチルアミド、グルタル酸N−ブチ
ルアミド、マロン酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−
オクチルアミド、アジピン酸N−ドデシルアミド等が挙
げられる。
【0018】本発明の可逆熱変色性組成物は、前記
(イ)、(ロ)、(ハ)成分を必須成分とする相溶体で
あり、各成分の割合は、濃度、変色温度、変色形態や各
成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得ら
れる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.
1〜100、好ましくは0.1〜50、(ハ)成分5〜
100の範囲である(前記割合はいずれも重量部であ
る)。
【0019】前記光安定剤は、(イ)、(ロ)、(ハ)
成分からなる可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するた
めに含有され、0.3〜24重量%、好ましくは0.8
〜16重量%の割合で含有される。又、前記光安定剤の
うち、紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効
果的にカットして、(イ)成分の光反応による励起状態
によって生ずる光劣化を防止する。又、酸化防止剤、一
重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オ
ゾン消光剤等は、酸化反応を抑制する。前記光安定剤は
単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよ
い。
【0020】次に本発明に適用される光安定剤〔(ニ)
成分〕について具体的に例示する。紫外吸収収剤として
は、 2,4−ヒドロキシベンゾフェノン 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン 2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス
ルホン酸 2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイ
ルフェニル)−メタン2−〔2’−ヒドロキシ−3’−
5’−ジ−t−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン 2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ−ベンゾフェノン
〔商品名:シーソーブ103、シプロ化成(株)製〕 2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノ
ン 2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤。
【0021】サリチル酸フェニル サリチル酸パラ−t−ブチルフェニル サリチル酸パラオクチルフェニル 2−4−ジ−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベン
ゾエート 1−ヒドロキシベンゾエート 1−ヒドロキシ−3−t−ブチル−ベンゾエート 1−ヒドロキシ−3−t−オクチルベンゾエート レゾシーノールモノベンゾエート等のサリチル酸系紫外
線吸収剤。
【0022】エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニ
ルアクリレート 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニ
ルアクリレート 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3−フェニールシン
ナート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤。
【0023】2−〔5−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン−P
S、チバガイギー社製〕 2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾ
トリアゾール 2−〔2、ヒドロキシ−3,5−ビス(a,a−ジメチ
ルベンジル)フェニル〕−2Hベンゾトリアゾール 2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル〕−ベンゾトリアゾール 2−〔3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール 2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル〕−5−クロロベンゾトリアゾール 2−〔3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン328、
チバガイギー社製〕 メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プ
ロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300
〔商品名:チヌビン1130、チバガイギー社製〕 2−〔3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェ
ニル〕ベンゾトリアゾール メチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プ
ロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300 2−〔3−t−ブチル−5−プロピルオクチレート−2
−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾー
ル 2−〔2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,
1’−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾト
リアゾール 2−〔2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル〕−
2H−ベンゾトリアゾール 2−〔3−t−ブチル−5−オクチルオキシルボニルエ
チル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール
〔商品名:チヌビン384、チバガイギー社製〕 2−〔2−ヒドロキシ−5−テトラオクチルフェニル〕
−ベンゾトリアゾール 2−〔2−ヒドロキシ−4−オクトオキシ−フェニル〕
−ベンゾトリアゾール 2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”4”5”6”−
テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェ
ニル〕−ベンゾトリアゾール 2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−ベ
ンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤。
【0024】エタンジアミド−N−(2−エトキシフェ
ニル)−N’−(4−イソドデシルフェニル) 2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル
−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20
−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−
21−オン等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げら
れる。
【0025】酸化防止剤(老化防止剤)としては、 コハク酸ジメチル−1−(2、ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6,テトラメチルピペリジ
ン重縮合物 ポリ〔「6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
イミノ−1,3,5−トリアジン−2−4−ジイル」
「(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ」〕 2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル) N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタペチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物 ビス〔1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル〕セバシン酸 4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート 8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラ
メチル−1,3,8−トリアザスピロ「4・5〕デカン
−2,4−ジオン等のヒンダードアミン系酸化防止剤。
【0026】2,6、ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール 2−t−ブチル−4−メトキシフェノール 2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート 2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール) 4,4−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール) 2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール) 4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール) 3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5・5〕−ウンデカン 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕−メタン 2,2−エチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール) ビス〔3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t
−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕−グリコール
エステル 1,3,5−トリス(3’5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6
−(1H,3H,5H)−トリオン トコフェノール 1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプ
ロピオネート) トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕 1,6−ヘキサジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 2,2−チオエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド) トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレイト 2,2,4−トリメチル−1,2−ハイドロキノン スチレートフェノール 2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4、ピペリジ
ル)セバケート等のフェノール系酸化防止剤。
【0027】ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ
ート ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート ステアリルチオプロピルアミド等の硫黄系酸化防止剤。
【0028】トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイト ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイト 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホ
スファネート−ジエチルエステル トリフェニルホスファイト ジフェニルイソデシルホスファイト フェニルイソデシルフォスファイト 4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニルジトリデシル)ホスファイト オクタデシルホスファイト トリス(ノニルフェニル)ホスファイト ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト 9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン 10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホス
ファフェナントレン−10−オキサイド 10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン サイクリックネオペンタテトライルビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6,−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト 2,2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト 2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン オクチル化ジフェニルアミン等のリン酸系酸化防止剤等
が挙げられる。
【0029】一重項酸素消光剤としては、カロチン類、
色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、ス
ルフィド類等が挙げられ、例えば、1・4−ジアザビシ
クロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、β−カロ
チン、1・3−シクロヘキサジエン、2−ジエチルアミ
ノメチルフラン、2−フェニルアミノメチルフラン、9
−ジエチルアミノメチルアントラセン、5−ジエチルア
ミノメチル−6−フェニル−3・4−ジヒドロキシピラ
ン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニッケル3
・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルO−エ
チルホスホナート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルO−ブチルホスホナート、ニッ
ケル〔2・2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラ
ート)〕(n−ブチルアミン)、ニッケル〔2・2’−
チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)〕(2−
エチルヘキシルアミン)、ニッケルビス〔2・2’−チ
オ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)〕、ニッケ
ルビス〔2・2’−スルホン−ビス(4−オクチルフェ
ノラート)〕、ニッケルビス〔2−ヒドロキシ−5−メ
トキシフェニル−N−n−ブチルアルドイミン)、ニッ
ケルビス(ジチオベンジル)、ニッケルビス(ジチオビ
アセチル)等ある。
【0030】スーパーオキシドアニオン消光剤として
は、スーパーオキシドジスムターゼとコバルト、及びニ
ッケルの錯体等が挙げられる。
【0031】オゾン消光剤としては、4,4’−チオビ
ス(6−t−ブチル−m−クレソール)、2,4,6−
トリ−t−ブチルフェノール、1,4−ジアザビシクロ
〔2・2・2〕オクタン、N−フェニル−β−ナフチル
アミン、α−トコフェロール、4,4’−メチレン−ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、P,P’−
ジアミノジフェニルメタン、2,2’−メチレン−ビス
(6−t−ブチル−P−クレゾール)、N,N’−ジフ
ェニル−P−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニ
ルエチレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0032】赤外線吸収剤としては、700〜2000
nmの近赤外領域に極大吸収を持ち、400〜700n
mの可視領域にはあまり吸収を持たない性質を有する化
合物であり、例えば、
【化2】 但し、式中のR1 、R2 、R3 、R4 はアルキル基、X
はハロゲン又は水素原子のいずれか、Meはニッケル、
パラジウム、白金のいずれかを示す。
【化3】 但し、式中のR1 、R2 、R3 、R4 はアルキル基、X
はハロゲン又は水素原子のいずれか、Meはニッケル、
パラジウム、白金のいずれか、Xは炭素、酸素、硫黄原
子のいずれかを示す。
【化4】 但し、式中のR1 、R2 、R3 、R4 はアルキル基、X
はハロゲン又は水素原子のいずれか、Meはニッケル、
パラジウム、白金のいずれか、Xはハロゲン、又は水素
原子を示す。
【化5】 但し、Rは水素原子、アルキシ基、フェニル基、アルキ
ル又はアルコキシ置換フェニル基、チエニル基のいずれ
か、Meはニッケル、パラジウム、白金のいずれかを示
す。
【化6】 但しRはアルキル基、Xは陰イオンとして過塩素酸塩
(ClO4 - )、フッ化ホウ素酸塩(BF4 - )、トリ
クロロ酢酸塩(Cl3 COO- )、トリフルオロ酢酸塩
(CF3 COO- )、ピクリン酸塩〔(NO3 3 6
2 - 〕、ヘキサフルオロ砒酸塩(AsF6 - )、ヘ
キサクロロアンチモン酸塩、(SbCl6 - )、ヘキサ
フルオロアンチモン酸塩(SbF6 - )、ベンゼンスル
ホン酸塩(C6 5 SO3 - )、アルキルスルホン酸塩
(RSO3 - )、リン酸塩(PO4 3- )、硫酸塩(SO
4 2- )、塩化物(Cl- )、臭化物(Br- )のいずれ
かを示す。等が挙げられる。
【0033】前記した可逆熱変色性組成物は、そのまま
の適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包した
マイクロカプセル顔料として使用することが好ましい。
これは、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は
同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することがで
きるからであり、例えば、酸性物質、塩基性物質、過酸
化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触し
ても、その機能を低下させることがないことは勿論、耐
熱安定性も保持できる。前記マイクロカプセルに内包さ
せることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成で
き、粒子径0.1〜100μm、好ましくは1〜50μ
m、より好ましくは2〜30μmの範囲が実用性を満た
す。尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重
合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液
からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷
却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があ
り、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセ
ルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設
けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用
に供することもできる。尚、前記マイクロカプセル中に
可逆熱変色性組成物を内包する場合、前記光安定剤は可
逆熱変色性組成物と共にマイクロカプセルに内包しても
よいし、マイクロカプセルに内包しない場合は色材とし
て適用される際に用いられるビヒクル中に添加される。
又、前記光安定剤をマイクロカプセルに内包すると共
に、ビヒクル中にも添加することができる。
【0034】前記可逆熱変色性組成物は、樹脂バインダ
ーを含むビヒクル中に分散されて着色層を形成する。
尚、非熱変色性有色染料又は顔料の適宜量を混在させて
着色層の色変化を多彩に構成することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の可逆熱変色性組成物は、
各種ビヒクルに分散して、印刷インキ、塗料の形態とし
て、紙、布帛、皮革、プラスチック等の支持体に印刷或
いは塗装して印刷物或いは塗装物を得ることができる。
又、筆記用インキ、クレヨン等の固形筆記具、絵の具等
の形態として、支持体上に文字や図形を描くこともでき
る。更に、樹脂中に分散した後、成形して、各種成形
体、フィルム、シート、フィラメント等の形態とするこ
とができる。かくして、玩具、装飾、教材、文具、繊維
製品、家庭用品、スポーツ用品、屋内外装置品、衣料、
各種印刷物等、多様な分野に用いられる。
【0036】
【実施例】以下の表に実施例1〜12として、各
(イ)、(ロ)、(ハ)成分の組成、色変化、及び変色
温度を示す。尚、表中の( )内の数字は重量部を示
す。
【0037】
【表1】
【0038】なお、実施例1、3、5乃至7、9につい
ては(ニ)成分として光安定剤を添加してなり、以下の
表に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例13 可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセルの作成 実施例1の組成物70部中にエポン828〔エポキシ樹
脂、油化シェルエポキシ(株)製〕10部を100℃で
加温溶解し、これを10%ゼラチン水溶液100部中に
滴下し、微小滴になるように攪拌する。別に用意した硬
化剤エピキュアU〔エポキシ樹脂のアミン付加物、油化
シェルエポキシ(株)製〕5部を水45部に溶解させた
溶液を前記攪拌中の溶液中に徐々に添加し、液温を80
℃に保って、約5時間攪拌を続け、マイクロカプセル懸
濁液を得た。遠心分離して得られた感温変色性色彩記憶
性マイクロカプセルは実施例1の組成物と同様に15℃
以下では明るい蛍光性黄色を呈し、常温域に戻しても蛍
光性黄色は維持され、前記色調及び色濃度は26℃を超
えると消色し始め(T3 )、32℃以上になると完全に
無色に変化した。この無色の状態は常温域において維持
され、前記変化を繰り返し再現することができた。
【0041】実施例14 可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセルの作成 実施例2の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル
化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。得られた
マイクロカプセルは実施例2の組成物と同様に47℃以
下では明るい蛍光性黄色を呈し、前記色調及び色濃度は
49℃を超えると消色し始め(T3 )、50℃以上にな
ると完全に無色に変化した。前記変化は繰り返し再現す
ることができた。
【0042】実施例15 可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセルの作成 実施例3の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル
化して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセルを得た。
得られたマイクロカプセルは、実施例3の組成物と同様
に15℃以下では明るい蛍光性黄色を呈し、常温域に戻
しても蛍光性黄色は維持され、前記色調及び色濃度は2
9℃を超えると消色し始め(T3 )、32℃以上になる
と完全に無色に変化した。この無色の状態は常温域にお
いて維持され、前記変化を繰り返し再現することができ
た。
【0043】実施例16 可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセルの作成 実施例4の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル
化して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセルを得た。
得られたマイクロカプセルは、実施例3の組成物と同様
に15℃以下では明るい蛍光性黄色を呈し、常温域に戻
しても蛍光性黄色は維持され、前記色調及び色濃度は2
6℃を超えると消色し始め(T3 )、32℃以上になる
と完全に無色に変化した。この無色の状態は常温域にお
いて維持され、前記変化を繰り返し再現することができ
た。
【0044】比較例1 (イ)2,6−ビス(2’−ヘキシルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン3
部、(ロ)2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)ステアリン酸ネオ
ペンチル50部、(ニ)8−アセチル−3−ドデシル−
7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ
スピロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオン0.5部、2
−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール1部を混合し、120℃で加温、溶融した
後、放冷して可逆熱変色性組成物を得た。更に、前記組
成物を実施例13と同様の方法でカプセル化してマイク
ロカプセルを得た。前記のようにして得られるマイクロ
カプセルは、実施例13のマイクロカプセルの吸収波長
が440μmであるのに対して448μmを示し、発色
状態でやや赤みを有する黄色を呈する。また発色時の色
調は蛍光性に乏しい。しかも、実施例13のマイクロカ
プセルの最高保持温度T3 が26℃であるのに対して2
3℃になるため変色感度が悪く、また、図2に示すよう
に15℃から加温していくと23℃に達する前に色濃度
が薄くなるものであった。
【0045】比較例2 (イ)2,6−ビス(2’−ブチルオキシフェニル)−
4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン3
部、(ロ)2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)n−ステアリルア
ルコール50部を混合し、120℃で加温、溶融した
後、放冷して可逆熱変色性組成物を得た。更に、前記組
成物を実施例13と同様の方法でカプセル化してマイク
ロカプセルを得た。前記のようにして得られるマイクロ
カプセルは、実施例14のマイクロカプセルの吸収波長
が438μmであるのに対して460μmを示し、発色
状態でやや赤みを有する黄色を呈する。また発色時の色
調は蛍光性に乏しい。しかも、実施例14のマイクロカ
プセルは最高保持温度T3 が49℃であるのに対して4
7℃になるため変色感度が悪く、また、図2に示すよう
に47℃から加温していくと徐々に色濃度が薄くなるも
のであった。
【0046】比較例3 (イ)2,6−ビス(2’−オクチルオキシフェニル)
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン3
部、(ロ)2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)ステアリン酸ネオ
ペンチル50部、(ニ)ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート0.5部、2−
(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール1部、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート 部を混合し、120℃で加温、
溶融した後、放冷して可逆熱変色性組成物を得た。更
に、前記組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化
してマイクロカプセルを得た。前記のようにして得られ
るマイクロカプセルは、実施例15のマイクロカプセル
の吸収波長が434μmであるのに対して436μmを
示し、発色状態で黄色を示すものの、その色調は蛍光性
に乏しいものであった。しかも、実施例15のマイクロ
カプセルは最高保持温度T3 が29℃であるのに対して
20℃になるため変色感度が悪く、また、図2に示すよ
うに15℃から加温していくと20℃に達する前に色濃
度が薄くなるものであった。
【0047】応用例1 実施例15の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル
を、公知のエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法
でマイクロカプセル化した熱変色性顔料20部、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点10
0℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、
押出成形機を用いてシリンダー温度165℃、ゲート温
度160℃の条件で成形し、常法により2〜3mmの熱
変色性ペレットを得た。
【0048】前記熱変色性ペレットを用い、射出成形機
にてシリンダー温度170℃でミニチュアカーのボディ
ーを成形した。前記ボディーは15℃以下では蛍光性黄
色を呈し、32℃以上になると無色に変化した。再び1
5℃以下に冷却すると、蛍光性黄色を呈し、繰り返し使
用することができた。
【0049】応用例2 実施例16の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル、
シアン←→無色(低温側変色点15℃、高温側変色点3
2℃)の変化を示す熱変色性色彩記憶性マイクロカプセ
ルA、マゼンタシアン←→無色(低温側変色点15℃、
高温側変色点32℃)の変化を示す熱変色性色彩記憶性
マイクロカプセルB、黒色←→無色(低温側変色15
℃、高温側変色点32℃)の変化を示す熱変色性色彩記
憶性マイクロカプセルCを各々スクリーンインキ化し、
風景写真を4色刷りに写真分解したスクリーン版で、白
色アート紙にスクリーン印刷を行ない、天然色印刷物を
得た。前記印刷物を15℃以下にすると、風景の天然色
写真が現れ、常温域(18〜28℃)で天然色写真が維
持された。次に32℃以上に加温すると、天然色写真が
消え白色に変化し、この白色状態は常温域で維持され、
何回でも前記変化を繰り返し再現することができた。
【0050】尚、前記熱変色性色彩記憶性マイクロカプ
セルA,B,Cについては、以下の組成を実施例13と
同様の方法によってカプセル化して得た。
【0051】マイクロカプセルA 3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−フタリド 2
部 2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
6部 ステアリン酸ネオペンチル 50部
【0052】マイクロカプセルB 1,2−ベンツ−6−ジチルアミノフルオラン 1.5
部 2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
6部 ステアリン酸ネオペンチル 50部
【0053】マイクロカプセルC 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン 3部 2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
6部 ステアリン酸ネオペンチル 50部
【0054】
【発明の効果】本発明の可逆熱変色性組成物は、発色時
には蛍光性を有する赤みの少ない黄色を呈し、消色時に
は鋭敏に黄色から無色に変化する特性を有し、従来の熱
変色性組成物に新たな実用性のある色材を加え、多彩な
応用展開を可能とする。更に、他の熱変色性組成物、例
えば、青色、緑色、橙色、桃色等と混合することにより
明るい蛍光性のある緑色、橙色、朱色、赤色等が得られ
る。又、暗所で紫外線を照射することにより、蛍光色で
の色変化を視覚させることができる。また、前記可逆熱
変色性組成物をマイクロカプセルに内包させることによ
り、印刷インキ、塗料、その他の色材として好適に使用
される。又、熱可塑性プラスチック材に溶融ブレンドし
て各種の成形体を与えることも可能である。更に、光安
定剤を添加することによって、可逆熱変色性組成物中の
電子供与性呈色性有機化合物の耐光性の向上を図ること
ができ、変色機能を永続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線
におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【図2】従来の可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線
におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【符号の説明】 T1 完全呈色温度 T2 最低保持温度 T3 最高保持温度 T4 完全消色温度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物とし
    て下記一般式(1)で示されるピリジン誘導体、(ロ)
    前記電子供与性呈色性有機化合物に対して電子受容性で
    ある化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子
    授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応
    媒体である化合物の3成分を必須成分とする相溶体から
    なる可逆熱変色性組成物。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2
    は炭素数1〜6のアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】 前記(ロ)成分がフェノール性水酸基を
    有する化合物、及びそれらの金属塩から選ばれる化合物
    であり、(ハ)成分がアルコール類、エステル類、ケト
    ン類、エーテル類、及び、酸アミド類から選ばれる化合
    物である請求項1記載の可逆熱変色性組成物。
  3. 【請求項3】 (ニ)紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重
    項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾ
    ン消光剤、赤外線吸収剤から選ばれる一種又は二種以上
    の光安定剤を添加してなる請求項1又は2記載の可逆熱
    変色性組成物。
  4. 【請求項4】 マイクロカプセルに内包されてなる請求
    項1乃至3記載のいずれかの可逆熱変色性組成物。
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