JP2000127776A - 全方向移動車両、及びその駆動機構制御方法 - Google Patents

全方向移動車両、及びその駆動機構制御方法

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JP2000127776A
JP2000127776A JP10303975A JP30397598A JP2000127776A JP 2000127776 A JP2000127776 A JP 2000127776A JP 10303975 A JP10303975 A JP 10303975A JP 30397598 A JP30397598 A JP 30397598A JP 2000127776 A JP2000127776 A JP 2000127776A
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speed
shaft
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turning
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Akira Takagi
昭 高木
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの数を増加させることなく駆
動車輪の数を増やして、指令通りに安定して動く全方向
移動車両を提供する。 【解決手段】 全方向移動車両1は、2つのアクチュエ
ータ(旋回軸モータ2、車輪軸モータ3)を備え、全て
の車輪(4輪)に対して駆動機構10を備える。2つの
アクチュエータ(旋回軸モータ2、車輪軸モータ3)で
発生するトルクは、旋回軸用トルク分配ギア4、車輪軸
用トルク分配ギア5、旋回軸シャフト6、車輪軸シャフ
ト7等の“伝達機構”を伝わって、全ての駆動機構10
へと分配伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全方向移動車両、
及びその駆動機構制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】全方向移動車両は、例えば、工場等にお
いて部品の自動運搬作業等に用いられている。
【0003】全方向移動車両には、移動や姿勢に関する
加減速方向を変えるために予備動作が必要なもの(非ホ
ロノミック全方向移動車両と呼ばれている)と、予備動
作無しで加減速方向を変えられるもの(ホロノミック全
方向移動車両と呼ばれている)とがある。
【0004】ホロノミック全方向移動車両は、非ホロノ
ミック全方向移動車両に比べて、制御の自由度がより高
いが、車輪等の接地機構に特殊な構造を持たせたホロノ
ミック全方向移動車両の場合は、車輪の構造が複雑とな
る為に可搬質量を大きくできない。
【0005】これに対して、本発明の出願人は、通常の
車輪(転がりと接地点回りの旋回とが可能なもの;空気
圧式タイヤ装着のもの)を装着可能なホロノミック全方
向移動車両を提案している(特願平7−28801
4)。これは、通常の車輪を車体に結合する機構に車軸
中心から転がり方向にオフセットし、走行面と垂直な軸
を中心に旋回する機構を持たせたものである。
【0006】図7は、上記通常の車輪を用いるホロノミ
ック全方向移動車両の構造と動作を示す図である。同図
に示すホロノミック全方向移動車両100は、2組の駆
動機構110と2組の従動輪120(キャスタとして機
能する)とを有する。
【0007】2組の駆動機構110の各々は、車輪11
1と旋回軸112を各々独立して駆動する2つの駆動機
構(特に明確には図示していないが、旋回軸駆動機構、
車輪駆動機構が独立して存在する)を有している。
【0008】各駆動機構110において、上記旋回軸駆
動機構によって旋回軸112が旋回することによる車輪
111の旋回によって駆動力Vgが生じる。この駆動力
Vgは、車輪の転がる方向に垂直な方向に生じる。一
方、不図示の車輪駆動機構(脚113を挟んで車輪11
1と対向する位置に設けられ、モータ、エンコーダ、減
速機等より成り、独立して車輪111を駆動する機構)
によって、車輪の転がる方向の駆動力Vhが作り出され
る。そして、2つの駆動力Vg、Vhの合力が、駆動機
構110の駆動力Vとなる。
【0009】そして、2組の駆動機構110の各駆動力
Va、Vbの合力によって、ホロノミック全方向移動車
両100全体の並進方向の移動力Vhei と旋回方向の移
動力Vsen を作り出すものである。
【0010】上記のように、車両100の移動力自体
は、2組以上の駆動機構110の各駆動力Va、Vbの
合力があれば作り出せるが、車両100が転倒せずに自
立させるためには、3点以上の接地点が一本の直線上に
並ばない位置にあることが必要となる。一般的には、よ
り安定させる為に、4本の接地点を設ける(4輪車)の
が普通である。ところが、アクチュエータ(モータ)を
含む駆動系は、単なる機構に比べて高価である為、駆動
機構110の組は必要最低限の2組のみ使用し、他の接
地点にはキャスタ輪等の全方向移動可能な従動輪120
を、最低1個(一般的には2個以上)使用していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような4点の接
地点をもつが2組のみの駆動機構110を用いるホロノ
ミック全方向移動車両100では、多くの場合、実際に
接地しているのは3点であり、どの3点が接地している
かは走行面の凹凸や加減速の方向等によって刻々と変化
していくものである。
【0012】従って、駆動機構110がある2つの接地
点が常に両方とも接地しているとは限らず、片方が接地
していないときには指令通りの移動ができないという問
題があった。
【0013】この問題点は、駆動機構が接地している点
を増やすこと、すなわち駆動機構を増やすことで解決で
きるが、アンプ等の制御装置を含むアクチュエータまで
増加してしまうという問題が発生する。
【0014】また、接地している駆動機構110におい
ては、アクチュエータからの駆動力に対して、慣性力や
走行面と車輪との間の摩擦等を受けるため、指令に対し
て遅れが生じることになる。そして、この遅れは各駆動
機構110毎にバラツクことになる。上記のようにホロ
ノミック全方向移動車両100の移動は、各駆動機構1
10の同期した動作により実現しているので、上記遅れ
のバラツキから、車体の軌道が歪むという問題が生じ
る。この歪みは、例えば直進時のゆれという形で表れ
る。
【0015】本発明の課題は、アクチュエータの数を増
加させることなく駆動機構の数を増やして、指令通りに
安定して動く全方向移動車両、及びその駆動機構制御方
法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の全方向移動車両
は、車輪駆動用の単一の第1のアクチュエータと、車輪
の旋回軸駆動用の単一の第2のアクチュエータと、前記
第1及び第2のアクチュエータより発生する駆動力を、
各々、全ての車輪の駆動軸及び旋回軸の駆動機構にそれ
ぞれ略均等に分配する駆動力分配手段とを有する。
【0017】このように、本発明の全方向移動車両で
は、2つのアクチュエータのみで、全ての駆動機構に駆
動力を分配して、車両を並進方向に全方向移動させるこ
とができる。
【0018】上記車輪は、例えば通常の空気圧式タイヤ
を装着した車輪である。また、本発明の全方向移動車両
は、更に、上記全方向移動車両上に設けられる、移動対
象物を搭載するための旋回台と、該旋回台を駆動するた
めの第3のアクチュエータとを有する。
【0019】これにより、上記第1、第2、及び第3の
3つのアクチュエータのみで並進/旋回を合わせた3自
由度全てを自由に制御できる全方向移動車両を実現でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は、2つのアクチュエータで
並進方向の全方向移動を実現できるホロノミック全方向
移動車両の構成を示す図である。
【0021】同図に示す全方向移動車両1は、2つのア
クチュエータ(旋回軸モータ2、車輪軸モータ3)を使
用して、4点の接地点全てについて駆動機構10を備
え、並進方向のいかなる方向へも瞬時に加減速可能なも
のである。
【0022】2つのアクチュエータ(旋回軸モータ2、
車輪軸モータ3)で発生するトルクは、旋回軸用トルク
分配ギア4、車輪軸用トルク分配ギア5、旋回軸シャフ
ト6、車輪軸シャフト7等の“伝達機構”を伝わって駆
動機構10へと伝達される。旋回軸シャフト6は、その
一端に旋回軸用入力ギア6aを、他端に旋回軸用出力ギ
ア6bを備えており、車輪軸シャフト7は、その一端に
車輪軸用入力ギア7aを、他端に車輪軸用出力ギア7b
を備えている。
【0023】旋回軸モータ2は、駆動機構10内の旋回
軸11を駆動するためのトルクを発生するモータであ
り、車輪軸モータ3は車輪20(車輪駆動軸12)を駆
動するためのトルクを発生するモータである。各モータ
により発生されるトルクは、4組の駆動機構10の各々
に伝達される。
【0024】すなわち、旋回軸モータ2によって発生す
るトルクは、旋回軸用トルク分配ギア4に伝達される
と、ここから4本の旋回軸シャフト6の各々へ分配伝達
される。そして、上記トルクは、各旋回軸シャフト6に
よって各駆動機構10内の旋回軸入力ギア11aに伝達
され、旋回軸11が回転駆動される。
【0025】詳細には、旋回軸モータ2はその回転軸の
先端にギア2aを有しており、このギア2aは旋回軸用
トルク分配ギア4と噛合している。これより、旋回軸モ
ータ2によって発生するトルクは、ギア2aによって旋
回軸用トルク分配ギア4に伝わり、旋回軸用トルク分配
ギア4が回転する。旋回軸用トルク分配ギア4には、4
本の旋回軸シャフト6の各旋回軸用入力ギア6aが噛合
している。これより、旋回軸用トルク分配ギア4が回転
することにより、上記旋回軸モータ2で発生したトルク
は、4本の旋回軸シャフト6の各々に分配伝達されて、
各旋回軸シャフト6が回転する。各旋回軸シャフト6の
他端に設けられている上記旋回軸用出力ギア6bは、駆
動機構10の旋回軸11が備える旋回軸入力ギア11a
と噛合しており、上記各旋回軸シャフト6の回転によっ
て旋回軸11が回転駆動される。
【0026】このように、旋回軸モータ2によって発生
するトルクは、上記“伝達機構”を介して、4つの駆動
機構10内の各旋回軸11に分配伝達される。一方、車
輪軸モータ3によって発生するトルクは、車輪軸用トル
ク分配ギア5に伝達されると、ここから4本の車輪軸シ
ャフト7の各々へ分配伝達される。そして、上記トルク
は、各車輪軸シャフト7によって各駆動機構10内の車
輪軸入力ギア12aに伝達され、車輪軸12が回転駆動
される。
【0027】尚、トルクが旋回軸入力ギア11aに伝達
されてから旋回軸11が駆動されるまでの機構は特に示
していないが、従来より知られている(例えば特開昭61
-285129 )ので、ここでは特に説明しない。車輪軸入力
ギア12aと車輪軸12についても同様である。
【0028】上述した構成により、2つのアクチュエー
タ(旋回軸モータ2、車輪軸モータ3)だけで4組の駆
動機構を動作させる全方向移動車両を実現できる。この
ように、アクチュエータを増加させることなく(コスト
を増大させることなく)全ての車輪の駆動機構を駆動さ
せることができ、車輪が全て接地していない状況下にお
いても指令通りに動かなくなるようなことがない全方向
移動車両を実現できる。
【0029】図2は、上記全方向移動車両1の動作の一
例を示す図である。上述したようにして2つのアクチュ
エータ(旋回軸モータ2、車輪軸モータ3)によって4
組の駆動機構を駆動すると、4つの駆動機構10の各々
において、車輪軸12を駆動することによって発生する
移動速度Vh (不図示)と、旋回軸11を駆動して車輪
20を時計方向または反時計方向に旋回させることによ
り、車輪20の接地面との摩擦抵抗によって発生する移
動速度Vg (上記Vh と直交する)とが合成された速度
Va 、Vb 、Vc 、Vd が発生し、これらによって全方
向移動車両1本体が速度Vで並進走行する。
【0030】このように、図1の全方向移動車両1で
は、並進方向の移動に関しては自由に制御できるが、4
つの駆動機構を全て同じように動作させている為に、旋
回動作ができない。
【0031】これに対して、以下に、図3を参照して、
並進/旋回を合わせた3自由度の動きを自由に制御でき
る全方向移動車両について説明する。図3は、3自由度
をもつ全方向移動車両の構成を示す図である。
【0032】同図に示す全方向移動車両30は、基本的
には、図1の全方向移動車両1に、旋回台とこの旋回台
を旋回駆動する為の構成を追加したものとなっているの
で、同図においては図1に示す全方向移動車両1の各構
成要素に相当する構成については特に符号は付していな
い。
【0033】同図に示す全方向移動車両30は、3自由
度(並進と旋回)について瞬時に加減速を開始できるも
のとなる。同図において、旋回台31は、3箇所ある支
持部36上を旋回台軸心33を中心に回転可能な構造と
なっている略正方形状の板であり、その下部に略円形状
の旋回台ギア32を備えている。旋回台ギア32は旋回
台モータ34が備える出力ギア35と噛合しており、旋
回台モータ34により旋回台ギア32を駆動することに
より、旋回台31が旋回動作するようになっている。
【0034】図4は、図3に示す全方向移動車両30の
動作の一例を示す図である。同図に示すように、全方向
移動車両30の下部を構成する全方向移動車両1自体
は、図2に示す場合と同じく並進移動のみ行うが、旋回
台モータ34によって旋回台31が旋回動作するので、
車両全体の動きとしては3自由度の動きをすることにな
る。
【0035】尚、車両全体の旋回速度指令に従って旋回
台モータ34を制御することで、車両下部の並進方向の
動作とは独立に、車両上部の旋回動作を制御することが
できる。
【0036】次に、図5、図6を参照して、荷重のかか
った駆動機構を推定して制御する全方向移動車両を説明
する。上記図1などに示す全方向移動車両は、アクチュ
エータで発生する駆動力を各駆動機構10に伝達する機
構(旋回軸用トルク分配ギア4、車輪軸用トルク分配ギ
ア5、旋回軸シャフト6、車輪軸シャフト7等)を持つ
ことになるが、伝達距離が駆動機構内よりも長い距離の
駆動力伝達を行っているため、このような伝達機構は構
造的に弱く、反力を受けた場合の歪みが最も顕著に出る
所になってしまう。そして、上述したように、全ての車
輪が常に接地しているとは限らず、実際に接地している
車輪に対応する駆動機構では、車体の慣性力や走行面と
車輪との間に生じる摩擦力などにより、接地していない
車輪を持つ駆動機構に比べて大きな反力が生じることに
なる。この反力のアンバランスによる伝達機構の歪み
は、駆動機構の動作速度に遅れを生じさせる原因とな
る。この遅れは、最も荷重のかかった駆動機構で最大と
なる。一方、当然、車両の移動軌跡に最も影響する駆動
機構も最も荷重のかかった駆動機構である。
【0037】上述したことより、以下に、図5に示す機
構により検出する駆動機構の検出速度を用いて、図6に
示す方法によりアクチュエータの速度制御を行うことに
より、より精度の高い全方向移動が可能な全方向移動車
両について説明する。
【0038】図5は、駆動機構の速度を検出する機構の
一例を示す図である。図5には、図1、図3に示す全方
向移動車両1、30で用いられている駆動機構10にお
いて、旋回軸の速度検出器41と車輪軸の速度検出器4
2とを取り付けた構成を示してある。
【0039】旋回軸の速度検出器41は、旋回軸入力ギ
ア11aと噛合するギア41aを備えており、旋回軸入
力ギア11aの回転速度を検出する。車輪軸の速度検出
器42は、車輪軸入力ギア12aと噛合するギア42a
を備えており、車輪軸入力ギア12aの回転速度を検出
する。そして、これらの各入力ギア11a、12aの回
転速度の検出値を、それぞれ、旋回軸11の回転速度、
車輪軸12の回転速度とみなしている。
【0040】図6は、上記旋回軸の速度検出器41と車
輪軸の速度検出器42を用いて、荷重の最もかかった駆
動機構を推定して制御を行うための制御系の構成を示す
ブロック図である。
【0041】同図において、座標変換器51は、車両の
並進方向の速度指令Aを旋回軸の速度指令Bと車輪軸の
速度指令Hに変換する(従来より既知である)。次に、
まず、旋回軸に係わる制御としては、上記旋回軸の速度
指令Bと帰還速度算出器52より出力される旋回軸の速
度帰還Cとの差を求め、これを旋回軸トルク指令Dとし
て旋回軸電流制御器53に入力させる。旋回軸電流制御
器53は、上記旋回軸トルク指令Dに基づいて旋回軸モ
ータ2の電流を制御する。この旋回軸モータ2の回転速
度は、旋回軸モータエンコーダ54により検出されて旋
回軸モータ速度Eとして帰還速度算出器52に入力す
る。
【0042】旋回軸モータ2の出力は、“伝達機構”の
旋回軸用トルク分配ギア4を介して、各駆動機構10の
旋回軸入力ギア11aを駆動する。この各ギア11aの
回転速度は、各々の旋回軸の速度検出器41で検出され
て旋回軸検出速度Fとして帰還速度算出器52に入力す
る。
【0043】帰還速度算出器52は、入力する上記旋回
軸モータ速度Eと旋回軸検出速度Fとに基づいて、上記
旋回軸の速度帰還Cを算出する。また、これと共に、旋
回軸検出速度Fを積分して旋回軸現在位置Gを算出し、
この算出した旋回軸現在位置Gを座標変換器51に出力
する。
【0044】一方、車輪軸に係わる制御としては、ま
ず、上記車輪軸の速度指令Hと帰還速度算出器52より
出力される車輪軸の速度帰還Iとの差を求め、これを車
輪軸トルク指令Jとして車輪軸電流制御器55に入力さ
せる。車輪軸電流制御器55は、上記車輪軸トルク指令
Jに基づいて車輪軸モータ3の電流を制御する。この車
輪軸モータ3の回転速度は、車輪軸モータエンコーダ5
6により検出されて車輪軸モータ速度Kとして帰還速度
算出器52に入力する。
【0045】車輪軸モータ3の出力は、“伝達機構”の
車輪軸用トルク分配ギア5を介して、各駆動機構10の
車輪軸入力ギア12aを駆動する。この各ギア12aの
回転速度は、各々の車輪軸の速度検出器42で検出され
て車輪軸検出速度Lとして帰還速度算出器52に入力す
る。
【0046】帰還速度算出器52は、入力する上記車輪
軸モータ速度Kと車輪軸検出速度Lとに基づいて、上記
旋回軸の速度帰還Iを算出する。以下に、帰還速度算出
器52において旋回軸帰還速度C、車輪軸帰還速度Iを
算出する方法について説明する。 (1)まず、旋回軸モータ速度Eと旋回軸検出速度Fと
の差を、各々の駆動機構ごとに積分する。また、車輪軸
モータ速度Kと車輪軸検出速度Lとの差についても、各
駆動機構ごとに積分する。 (2)次に、旋回軸指令速度Bと車輪軸指令速度Hのど
ちらが、車両並進速度により大きく影響するかを求め
る。これは、旋回軸速度指令Bに“伝達機構”と“駆動
機構”10のもつ車輪の旋回に関する速度変換比を乗じ
たものと、車輪軸速度指令Hに“伝達機構”と“駆動機
構”10のもつ車輪軸に関する速度変換比を乗じたもの
とを比較し、絶対値が大きい方がより影響が大きいもの
と判定する。 (3)そして、旋回軸のほうが車両並進速度に対する影
響が大きい場合、上記(1)で求めた駆動機構ごとの積
分値のうち、旋回軸における差の積分の絶対値が最も大
きい駆動機構を、最も荷重のかかった駆動機構とする。
【0047】一方、車輪軸のほうが車両並進速度に対す
る影響が大きい場合、上記(1)で求めた駆動機構ごと
の積分値のうち、車輪軸における差の積分の絶対値が最
も大きい駆動機構を、最も荷重のかかった駆動機構とす
る。 (4)上記のようにして求めた最も荷重のかかった駆動
機構の旋回軸検出速度F、車輪軸検出速度Lを、それぞ
れ、旋回軸帰還速度C、車輪軸帰還速度Iとする。
【0048】上述したように最も偏差の大きい(差の積
分の絶対値が最も大きい/最も負荷のかかった)軸を持
つ駆動機構からの速度帰還を、モータ制御の帰還として
採用することで、制御性が向上するようになる。これに
ついて、以下に詳細に説明する。
【0049】まず、単軸の場合、アクチュエータ側で検
出した速度を帰還させる(セミクローズド)よりも、駆
動機構側で検出した速度を帰還させた(クローズド)ほ
うが、(モータトルクがかなう限り)駆動機構出力がよ
り良く指令に追従する。
【0050】本実施形態の全方向移動車両では、上述し
た様に1つのアクチュエータに対して複数の駆動機構出
力があるが、これらの駆動機構の各々が作用する対象
(床面)が、共通の床面であるとするならば、理想的に
は駆動機構の動作にズレは生じないはずである。しかし
ながら、現実には、駆動システムの動作には何等かのズ
レが生じる。ズレが生じる要因は様々であるが、例え
ば、接地の弱い車輪が滑りを起こしてアクチュエータの
動作によく追従するのに対して、よく接地した車輪は車
両の運動に伴う反力を集中して受けるので、アクチュエ
ータのトルクと運動の反力とによって軸が捩れて、他の
車輪の軸よりも大きく動作のズレが生じる。
【0051】ここで、最も負荷のかかった(上記ズレが
最も大きい/差の積分の絶対値が最も大きい/最も偏差
を持った)軸を持つ駆動機構の車輪が、最もよく接地し
ており、車両の運動を支配しているのであるから、この
車輪を持つ駆動機構の動作ほど、より指令に追従させる
ようにする為に上述した制御を行う。
【0052】このように、上述した制御は、上記最も負
荷のかかった軸を持つ駆動機構の動作を、指令に追従さ
せる制御であるが、この制御を行っていくと他の軸の動
作は指令からズレていくことになるが、上記最も負荷の
かかった軸がよく指令に追従するようになるにつれて、
他の軸の偏差がより制御系への影響力を持つようになる
ので、今度はこちらを指令に対してより追従させるよう
になり、結果的には、最も負荷のかかった(より良く接
地した車輪を動かす)駆動機構に重みを置きながら、全
体の動作を時分割的に指令に追従させる制御となり、こ
れらの駆動機構の動作の平均として、車両全体の動きは
より指令に追従したものとなる。また、よく接地した車
輪が遷移していく場合にも適合させることができる。
【0053】上述したように、本実施形態の全方向移動
車両では、特に最も荷重の掛かった駆動機構を推定して
アクチュエータと駆動機構間の動作のズレを補正するこ
とで制御性を向上させることができる。特定の車輪に荷
重が掛かりアクチュエータと駆動機構の動作にズレが生
じても、これを補正して高精度な全方向移動が実現でき
る。
【0054】尚、精度や動作の滑らかさの必要に応じ
て、荷重の掛かった駆動機構に関する旋回軸シャフト6
及び車輪軸シャフト7の捻じれ量を推定し、既知の方法
でバネ要素を補正した帰還速度を出力するようにしても
よい。
【0055】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
全方向移動車両は、2つのアクチュエータだけで、全て
の(例えば4輪全て)を駆動して、並進方向の全方向移
動を実現できる。更に、旋回台とこの旋回台を駆動する
アクチュエータを加えることで、並進/旋回を合わせた
3自由度の動きを自由に制御できる全方向移動車両を実
現できる。更に、最も荷重の掛かった駆動機構を推定し
てアクチュエータと駆動機構間の動作のズレを補正する
ことで、より精度の高い全方向移動車両の制御が行える
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つのアクチュエータで並進方向の全方向移動
を実現できるホロノミック全方向移動車両の構成を示す
図である。
【図2】図1の全方向移動車両の動作の一例を示す図で
ある。
【図3】3自由度をもつ全方向移動車両の構成を示す図
である。
【図4】図3に示す全方向移動車両の動作の一例を示す
図である。
【図5】駆動機構の速度を検出する機構の一例を示す図
である。
【図6】荷重の最もかかった駆動機構を推定して制御を
行うための制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】通常の車輪の用いるホロノミック全方向移動車
両の従来の構造と動作を示す図である。
【符号の説明】
1 全方向移動車両 2 旋回軸モータ 3 車輪軸モータ 4 旋回軸用トルク分配ギア 5 車輪軸用トルク分配ギア 6 旋回軸シャフト 6a 旋回軸用入力ギア 6b 旋回軸用出力ギア 7 車輪軸シャフト 7a 車輪軸用入力ギア 7b 車輪軸用出力ギア 10 駆動機構 11 旋回軸 11a 旋回軸入力ギア 12 車輪駆動軸 12a 車輪軸入力ギア 20 車輪 30 全方向移動車両 31 旋回台 32 旋回台ギア 33 旋回台軸心 34 旋回台モータ 35 出力ギア 36 支持部 51 座標変換器 52 帰還速度算出器 53 旋回軸電流制御器 54 旋回軸モータエンコーダ 55 車輪軸電流制御器 56 車輪軸モータエンコーダ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪駆動用の単一の第1のアクチュエー
    タと、 車輪の旋回軸駆動用の単一の第2のアクチュエータと、 前記第1及び第2のアクチュエータより発生する駆動力
    を、各々、全ての車輪の駆動軸及び旋回軸の駆動機構に
    それぞれ略均等に分配する駆動力分配手段と、 を有することを特徴とする全方向移動車両。
  2. 【請求項2】 前記車輪は、通常の空気圧式タイヤを装
    着した車輪であることを特徴とする請求項1記載の全方
    向移動車両。
  3. 【請求項3】 前記駆動力分配手段は、 各車輪から略等しい距離に配置され、前記第1のアクチ
    ュエータにより回転駆動される車輪用トルク分配ギア
    と、 該車輪用トルク分配ギアの回転を各車輪へ伝達する車輪
    用伝達手段と、 各旋回軸から略等しい距離に配置され、前記第2のアク
    チュエータにより回転駆動される旋回軸用トルク分配ギ
    アと、 該旋回軸用トルク分配ギアの回転を各旋回軸へ伝達する
    旋回軸用伝達手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の全方向移動車
    両。
  4. 【請求項4】 前記全方向移動車両上に設けられる、移
    動対象物を搭載するための旋回台と、 該旋回台を駆動するための第3のアクチュエータと、 を更に有することを特徴とする請求項1記載の全方向移
    動車両。
  5. 【請求項5】 前記各車輪の駆動軸及び旋回軸の各々の
    駆動速度を検出する速度検出手段と、 該速度検出手段により検出された各車輪の駆動軸の速度
    と前記第1のアクチュエータの出力速度との差を比較す
    ると共に、該速度検出手段により検出された各車輪の旋
    回軸の速度と前記第2のアクチュエータの出力速度との
    差を比較し、該比較結果に基づいて現在最も荷重のかか
    っている前記駆動機構を判定し、該判定結果に基づいて
    前記第1及び第2のアクチュエータによる駆動速度を適
    切に制御する制御手段と、 を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の全方向移動車両。
  6. 【請求項6】 前記制御手段による制御は、現在最も荷
    重が掛っていると判定した駆動機構における前記速度検
    出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のアクチ
    ュエータによる駆動速度を補正する制御であることを特
    徴とする請求項5記載の全方向移動車両。
  7. 【請求項7】 通常の車輪を用いる全方向移動車両にお
    ける駆動機構制御方法において、 各車輪及びその旋回軸の回転速度を検出し、 検出される各車輪の回転速度と該車輪を駆動する車輪軸
    モータの回転速度の差を各々算出して積分すると共に、
    検出される各旋回軸の回転速度と該旋回軸を駆動する旋
    回軸モータの回転速度の差を各々算出して積分し、 車輪軸と旋回軸のいずれの回転速度がより大きく車両並
    進速度に影響するかを求め、 より影響が大きいほうにおいて、前記積分した各値の絶
    対値の中で最も大きな値を持つ駆動機構を、最も荷重の
    かかった駆動機構と判断し、 該判断結果に基づいて所定の制御を行うことを特徴とす
    る駆動機構制御方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の制御は、最も荷重が掛ってい
    ると判断した駆動機構において検出された車輪及び旋回
    軸の回転速度に基づいて前記車輪軸モータ及び前記旋回
    軸モータの回転速度を補正する制御であることを特徴と
    する請求項7記載の駆動機構制御方法。
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