JP2000126635A - 媒体攪拌ミル - Google Patents

媒体攪拌ミル

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JP2000126635A
JP2000126635A JP10301450A JP30145098A JP2000126635A JP 2000126635 A JP2000126635 A JP 2000126635A JP 10301450 A JP10301450 A JP 10301450A JP 30145098 A JP30145098 A JP 30145098A JP 2000126635 A JP2000126635 A JP 2000126635A
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Japan
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mill
stirring
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JP10301450A
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English (en)
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Shinkichi Ito
新吉 伊藤
Satoru Asano
哲 浅野
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CHUO KAKOKI
Chuo Kakohki Coltd
Original Assignee
CHUO KAKOKI
Chuo Kakohki Coltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料(スラリー)輸送動力が相対的に小さく
て済み、しかも、ミル本体占有体積当たりの処理能力も
相対的に大きな媒体攪拌ミルを提供すること。 【解決手段】 媒体(メディア)に垂直回転力を付与し
て渦流的移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する媒
体攪拌ミル。縦形の環状処理室14を構成する環状処理
容器16と、環状処理室14内に垂直回転可能に配設さ
れた筒形の攪拌部材18とを備えている。攪拌部材18
は、周璧に原料流通隙間40を備えている。また、環状
処理容器16は、原料供給口56aを備えるとともに処
理済原料排出口56bを備えている。さらに処理済原料
排出口56bは媒体分離手段58を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な構成の媒体
攪拌ミルに関し、さらに詳しくは、媒体(メディア:ビ
ーズ)に垂直回転力を付与して渦流的移動をさせること
により原料を粉砕攪拌する媒体攪拌ミルに属する発明で
ある。
【0002】
【背景技術】上記タイプの攪拌ミルとしては、槽状の環
状処理容器(ミル)に垂直にバータイプの回転攪拌機を
配設したアトライタ(attritor)方式が主流であった
(特開昭55−97259・157339号、特開昭6
1−61649号、特公平1−44092号公報等)。
アトライタ方式の場合、一般的に遠心力により壁面側の
ビーズ(媒体)の密度が高く、中心側のビーズの密度が
低くなっている。このような状態で、被処理物(スラリ
ー)を送り込むと、スラリーが流れの通過抵抗の少ない
ところを流れてしまう(ショートパス現象が発生す
る。)。このような状態では、粒度分布の狭いもの(シ
ャープ)なものを得難い(ニューケラスシリーズ編集委
員会編「ニューケラス セラミック粉末技術」199
2年 No.114学献社、p100参照)。
【0003】他方、粒度分布の狭いものを得るために、
上記アトライタ方式に代わり、ロータとステータからな
る二重円筒の間の狭い環状空間(ビーズ径の4倍位)を
ミル本体槽とし、ミル本体槽にビーズを充填した構成の
ショートパス現象が発生し難いアニュラ(annular )方
式のものが主流になりつつある(特開昭54−8156
0号、特公平2−60380号公報等参照)。アニュラ
方式の場合、ビーズの循環性が良くないと環状空間内で
ビーズが閉塞現象を発生し易く、また、ミル本体占有体
積に比して処理能力が小さい(同 p100参照)。
【0004】上記問題点を解決するためにアニュラ方式
において、環状処理室を構成する環状処理容器と、前記
環状処理室内に垂直回転可能に配設されたカップ形の攪
拌部材とを備えて、処理室を実質的に二重環状処理室
(半断面U字形)としたいわゆるダブルアニュラ方式の
ものが提案されている(特公平6−28745・653
86号、特開平10−76172号公報等)。このダブ
ルアニュラ方式の材料流れは、ポンプ圧をエネルギー源
として、外側環状空間の上方から材料を流入させて、カ
ップ形攪拌部材と下側隙間を経て内側環状空間を上方へ
移動させ、内側環状空間の内側へ排出して落下させるも
のである。
【0005】上記方式の場合、スラリー(原料)輸送の
ための動力が、相対的に大きなものが要求されることが
分かった。スラリーの輸送のための動力に加えて、ビー
ズを、遠心力による外周側への移動力に抗して外側から
内側に、さらには、外側環状空間における遠心力による
浮上り力に抗して外側で上方から下方へビーズを強制循
環をさせる必要があるためと推定される。
【0006】本発明は、上記にかんがみて、原料(スラ
リー)輸送動力が相対的に小さくて済み、しかも、ミル
本体占有体積当たりの処理能力も相対的に大きな媒体攪
拌ミルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、ビーズ
を強制循環させなくても、ある程度の粒子微細化が可能
であることを見出して、下記構成の媒体攪拌ミルに想到
した。
【0008】媒体(メディア)に垂直回転力を付与して
渦流的移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する媒体
攪拌ミルにおいて、縦形の環状処理室を構成する環状処
理容器と、環状処理室内に垂直回転可能に配設された筒
形の攪拌部材とを備え、攪拌部材は、周璧に原料流通隙
間を備え、環状処理容器は、原料供給口を備えるととも
に処理済原料排出口(以下「原料排出口」という。)を
備えており、また、原料排出口は媒体分離手段を備えて
いることを特徴とする。
【0009】上記構成の媒体攪拌ミルは、原料供給口に
は逆止手段を介して、原料輸送動力源と直接的又は間接
的に接続された原料供給配管が接続可能とされているこ
とが望ましい。
【0010】当該構成の媒体攪拌ミルは、下部に原料供
給口を備えるとともに上部に処理済原料排出口を備えて
いることが望ましい。ここで、原料供給口を内側下部
に、原料排出口を外側上部に備えることがさらに望まし
い。
【0011】上記各構成の媒体攪拌ミルにおいて、少な
くとも前記攪拌部材の下端部及び環状処理容器の溝底部
が耐摩耗性高分子材料でライニングされていることこと
が望ましい。
【0012】上記各構成の媒体攪拌ミルにおいて、少な
くとも前記攪拌部材の下端部壁及び少なくとも環状処理
容器の溝底部壁がそれぞれ熱媒体流路(冷却流路)を備
えていることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を、一実施形態に基
づいて、詳細に説明する。
【0014】本実施形態の媒体攪拌ミルは、媒体(メデ
ィア:ビーズ)12に垂直回転力を付与して渦流的移動
をさせるものである。
【0015】ここで媒体12の材質は、粉砕能力がある
硬さがあれば特に限定されないが、原料(被処理物、通
常、スラリー)が汚染(コンタミ)を嫌う場合は、耐摩
耗性の良好なセラミックからなるもの又は少なくとも表
面がセラミック被覆されたものを使用する。当該セラミ
ックとしては、ガラス、ジルコニア、ジルコン、アルミ
ナ、窒化ケイ素等を挙げることができる。
【0016】また、媒体(ビーズ)の径は、環状空間の
通路の大きさ及び要求される粉砕能(粉砕粒度を含む。
以下同じ)等により異なり、通常、通路幅に対して1/
100〜1/3とする。具体的には0.1〜5.0mm、
より普通には0.3〜3mmである。
【0017】そして、ミル部(粉砕処理室)の実容積に
対する媒体の充填率も、ミルに要求される粉砕能により
異なるが、通常60〜95v%、望ましくは75〜90
v%とする。
【0018】上記媒体に垂直回転力を付与するために、
縦形の環状処理室14を構成する環状処理容器16と、
環状処理室14内に垂直回転可能に配設されたカップ形
(筒形の1種)の攪拌部材18とを備えている(図1〜
2参照)。
【0019】全体構成は、下記の通りである(図1参
照)。
【0020】ベース部20と柱部22とからなり、柱部
22の上端部に横U字形のブラケット24が形成された
片フレーム(架台)に、本実施形態の媒体攪拌ミルM
は、取り付けられている。即ち、環状処理容器16はブ
ラケツト24の下面に取り付けられ、攪拌部材18は、
従動プーリ26の回転軸28に攪拌部材18の上端部に
形成された連結軸部30と連結されている。従動プーリ
26は、原動機(モータ)32の出力軸34に組み付け
られた駆動プーリ36とベルト38連結され、ベルト伝
動可能とされている。このときの攪拌部材18の回転速
度は、ミルに要求される攪拌能により異なるが、通常5
〜20 m/s、望ましくは10〜15 m/sとする。通常、
回転数で500〜2000rpm.となる。
【0021】なお、伝動手段は、他のチェーン伝動、歯
車伝動でもよく、さらには、減速機付き原動機の出力軸
に直接に上記連結軸部を連結させてもよい。
【0022】ここで、攪拌部材18は、周壁に原料(通
常、スラリー状)の原料流通隙間40を備えている。具
体的には図3〜4に示す如く、垂直方向の長孔(原料流
通隙間)40が複数個(図例では8個)断面放射状に形
成されグリル状とされている。ここで、攪拌部材18の
周壁厚みは、通常10〜40mmとし、原料流通隙間40
は、通常、幅1〜30mm、望ましくは10〜25mmとす
る。長孔40の両側壁面は、図4に示す如く放射方向で
なくても、図5に示す如く、攪拌部材18の長孔壁面が
斜切されているグリル断面が断面平行四辺形状や台形状
(二点鎖線表示)であってもよい。この斜切設角度は、
攪拌部材外周壁接線との内角で30〜60°とする。
【0023】図例では、攪拌部材18は、キャップ形で
水平断面円形であるが、上端側で回転軸とスポーク部を
介して連結された上下開放の筒形であってもよく、水平
断面形状も環状処理容器16と干渉せずビーズが咬み込
まない最小隙間を有する範囲で断面多角形状(6〜12
角形)であってもよい。
【0024】また、図6に示す如く、グリルを形成する
丸棒42を中心円周から交互に内側と外側に偏在させて
構成してもよい。この場合、丸棒42を回転自在として
おくことが、丸棒42の摩耗が促進されず望ましい。
【0025】なお、上記長孔の形成方向は垂直方向と限
らず、所要により斜向していてもよい。具体的には、回
転方向に対して上方が傾斜させることが、材料流れ、ビ
ーズ流れが円滑になることが期待できて望ましい。この
ときの垂直方向からの傾斜角度は、通常10〜45°、
望ましくは15〜30°とする。
【0026】さらに、原料流通隙間の孔の形状は、長孔
に限られず、丸孔、三角孔、多角孔を多数個形成した網
状又は多孔板(パンチングプレート)状でもよい。
【0027】なお、攪拌部材18の周壁には、熱媒体
(通常冷却水)を循環可能に、シール手段44を介して
連結軸部30外周に、熱媒体入口46a及び熱媒体出口
46bを備えた第一熱媒体(攪拌部材用)循環路46が
形成されている。上記シール手段としては、図例ではメ
カニカルシールであるが、グランドシール等の他のシー
ル手段であってもよい。
【0028】環状処理容器16は、上下端にフランジ部
48a、48bを備え外周壁を構成する筒体48と、下
端にフランジ部50aを備えた内周壁を構成するキャッ
プ体50とからなる。そして、筒体48の周壁には、上
下端にそれぞれ熱媒体入口52a及び熱媒体出口52b
を備た第二熱媒体(外壁用)循環路52が形成されてい
る。
【0029】また、キャップ体50の周壁にも、フラン
ジ部50aの下面に熱媒体入口54aと熱媒体出口54
bを有しても第三熱媒体(内壁用)循環路54が形成さ
れている。
【0030】さらに環状処理容器16は、内周側下部に
原料供給口56aを備えるとともに外周側上部に処理済
の原料排出口56bを備えて、被処理物(原料)を下方
内側から供給して上方外側から排出する原料流路56が
形成されている。原料排出口56bには、媒体分離手段
58を備えている。媒体分離手段58は、媒体が通過不
能で処理済原料が通過可能なものなら特に限定されず、
例えば、スクリーン(格子状又は網状)とするか又は排
出口56b側の原料流路56を絞って分離可能としても
よい。
【0031】また、原料供給口56aは、逆止手段60
を介して、原料輸送動力源62と直接的又は間接的に接
続される原料供給配管64が接続可能とされている。逆
止手段60としては、例えば、図2に示す如く、コイル
ばね66で閉じ方向に原料供給口56aに配された逆止
弁体66で形成されている。逆止弁体68は、円錐台形
の弁体部68aと弁棒部68bとからなる。
【0032】原料輸送動力源62は、通常、原料供給配
管に直接的に接続するポンプ(スラリーポンプ、ギアポ
ンプ等)とするが、原料排出口56b側の配管に吸引ポ
ンプ等を接続してもよい。このときのポンプの動力は、
ミルの処理能により異なるが、例えばミル実容量20L
(dm3 )の場合、400〜800L(dm3 )/hとす
る。
【0033】上記において、環状処理容器16及び攪拌
部材18は、通常、鋼製(適宜、ビーズとの接触部位を
表面硬化処理したもの)とするが、必要によりセラミッ
クス製としてもよい。環状処理容器の大きさは、要求処
理量により異なるが、通常、外径:100〜800mm、
高さ:100〜1000mmとする。
【0034】そして、必然的ではないが、処理原料が汚
染を嫌う場合、処理容器の前記攪拌部材の処理原料と接
触する面が耐摩耗性高分子材料でライニングすることが
望ましい。
【0035】特に、攪拌部材18の下端部及び環状処理
容器16の溝底部が、攪拌部材18の直下部位には遠心
力及び重力を受けて摩耗が促進され易いためライニング
を施しておくことが望ましい。この際、上記各熱媒体循
環路を、上記ライニング施工部位に形成することが、耐
摩耗性高分子材料の熱劣化を促進させない見地から望ま
しい。
【0036】ライニング原料としては、ウレタンエラス
トマーが耐摩耗性および振動吸収性さらには金属製の容
器・攪拌部材に対する接着性の見地から望ましい。
【0037】具体的には、 引張強さ:200〜400kgf/cm2 (19.6〜39.
2MPa )、望ましくは250〜350kgf/cm2 (24.
5〜34.3MPa )、 破断伸び:350〜600%、望ましくは400〜50
0%、 引裂強さ:25〜100kgf/cm(245〜980N/cm
)、望ましくは30〜80kgf/cm(294〜784N/
cm )、 反発弾性:25〜60%、望ましくは30〜50%とす
る。
【0038】なお、当該エラストマーの他の特性である
線膨張係数は、可及的に小さい方が、熱伝導度は可及的
に大きい方がそれぞれ望ましく、例えば、前者:1.8
×10-4/℃以下、望ましくは1.5×10-4/℃以下
とし、後者:0.20Kcal・mthtc - 以上、望ましくは以
下、望ましくは0.25Kcal・mthtc - 以上とする。
【0039】そして、上記ライニング厚さは、通常、1
〜10mm、望ましくは3〜8mmとする。薄過ぎては、ラ
イニング効果が短期間で消滅するおそれがあり、厚過ぎ
ても、それ以上のライニング持続期間の延長が期待でき
ず無駄であり、さらに、熱媒体を使用して冷却するとき
に、冷却効果を得難くなる。
【0040】ここで、ライニングは、シートを貼着して
行ってもよいが、注型法により行うことが、壁面密着性
が優れたものが得やすくて望ましい。
【0041】なお、上記環状処理容器は、垂直である
が、若干上方拡径のコーン形であってもよい。遠心力に
よる上方への原料・ビーズ移動が容易になる。
【0042】次に、上記実施形態の使用態様を、スラリ
ー原料を連続処理をする場合を例に採り説明する。
【0043】まず、所定径(主通路の幅の1/100〜
1/3の範囲)の媒体(ビーズ)12を環状処理容器1
6と攪拌部材18とから充る判断面U字形の主通路を備
えた環状処理室14に所定の充填率(50〜95v%の範
囲)となるように、充填しておく。
【0044】次に、スラリー原料をポンプ32を起動さ
せて、環状処理容器16、即ち、環状処理室14に、原
料供給口56aを介して下部内周側から流入させる。こ
のとき、逆止弁体68は、ばね付勢により原料供給口5
6aを閉じているが、ポンプ32の輸送圧により開とな
り、スラリー原料は、環状処理室14内に供給される。
そして、スラリー原料とともにビーズ12が環状処理室
14内でポンプ32により運動エネルギーが与えられた
状態で、原動機32を起動させてベルト伝動により攪拌
部材18を所定周速になるように回転させる。このと
き、スラリー原料の濃度は、3〜20wt% 、望ましく
は5〜10wt%とする。濃度が高くなり過ぎると粘度が
上昇して運転が困難となる。
【0045】供給されたスラリー原料中の処理粒子は、
攪拌部材18で攪拌されて運動エネルギーを付与された
ビーズ12、12…間で捕捉されて剪断力を受けて、粉
砕(微細化)される。
【0046】このとき、内側に供給されたスラリー原料
の一部はポンプ62の圧送力により内側環状空間14a
を上昇しながら粉砕され、さらに、攪拌部材18の周壁
に形成された原料流通隙間40から外側環状空間14b
へ押し出される。また、スラリー原料の残部は、攪拌部
材18の下を潜って外側環状空間14bへ押し出され、
やはり、ポンプ62の圧送力により外側環状空間14b
を剪断力を受けて粉砕されながら上昇する。
【0047】そして、外側環状空間14bの上端に到達
した処理済原料は、原料排出口56bから、ポンプ62
の圧送力によりミル本体外側へ連続的に排出される。
【0048】このとき、ビーズは後述の作用・効果の項
で説明する如く、それぞれ内側環状空間14a及び外側
環状空間14bを攪拌部材18の動力により回動循環す
るのみで、ビーズ移動には、原料(スラリー)移送用の
ポンプ62の動力は使用されない。
【0049】したがって、原料(スラリー)輸送動力が
相対的に小さくて済む。また、環状処理容器が、実質的
にダブルアニュラ構造であるため、ミル本体占有体積当
たりの処理能力も相対的に大きい。
【0050】上記において原料のバッチ処理する場合
(特に、原料の微細化がより要求されるようなな場合)
は、原料を環状処理室14に充満させた時点でポンプ6
2の運転を止め、所定時間攪拌するか、若しくは、原料
排出口56bと原料供給口56aとを切替バルブを介し
てミル本体外側で連結させ、原料を繰り返し循環処理さ
せる構成としてよい。
【0051】なお、上記実施形態の説明では、原料供給
口56aを下部内周側に形成したが、攪拌部材18の直
下に配して攪拌部材で分流させながら攪拌させてもよ
い。また、バッチ処理の場合は上方から材料を供給して
下方から排出させる方式としてもよい。この方式とする
ときは、重力が原料等の移動動力となるるため条件(ス
ラリー原料粘度、被処理粒子・ビーズの形態等による)
によっては、ポンプは必然的でなくなる。
【0052】また、下方から材料を供給して下方の別位
置から原料を排出する方式にしてもよい。
【0053】そして、攪拌部材の回転態様は、一方向回
転(順転)のみではなく、所定時間高速回転させた後、
ビーズの外周側への偏在を是正するために、短時間、逆
方向に低速回転させてもよい。
【0054】
【発明の作用・効果】本発明の媒体攪拌ミルは、上記の
如く、媒体(メディア)に垂直回転力を付与して渦流的
移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する媒体攪拌ミ
ルにおいて、縦形の環状処理室を構成する環状処理容器
と、前記環状処理室内に垂直回転可能に配設されたカッ
プ形の攪拌部材とを備え、攪拌部材が周璧に原料流通隙
間を備え、環状処理容器が原料供給口を備えるとともに
処理済原料排出口を備えており、また、原料排出口が媒
体分離手段を備えている構成により下記のような作用・
効果を奏する。
【0055】ビーズが環状処理容器とカップ形の攪拌部
材とで形成される垂直判断面U字形の処理室に、媒体が
略充満(攪拌部材の隙間も含めて容積率で約60%以
上)された状態で、攪拌部材を高速(周速約5m/s以
上)で回転することによりスラリー原料の内側から外側
への移動は行われるが、内側環状空間に存在するビーズ
もほとんど外側環状空間に移動しない。即ち、スラリー
原料は、ポンプ圧によりビーズ隙間を侵入して移動す
る。
【0056】攪拌部材の外側環状空間ではビーズ自体に
遠心力が作用してビーズ自体は外側環状空間を形成する
外側静止空間に付着する見かけ静止ビーズ層が形成され
る。その静止ビーズ層の内側に順次、攪拌部材側へ向か
って増大する速度勾配の運動ビーズ層が形成され、それ
らのビーズ層間で処理粒子が剪断力を受けて、粉砕され
る。
【0057】他方、攪拌部材の内側環状空間では、攪拌
部材の内周壁側に位置するビーズは回転エネルギーを受
けて遠心力にを受けるが、通常、攪拌部材の原料流通隙
間は攪拌部材の周壁面積の半分以下に過ぎずほとんどの
ビーズは攪拌部材の内周壁に捕獲されてて攪拌部材と同
速回転をする。そして、環状処理容器の内周壁側に向か
って減少する速度勾配の運動ビーズ層が形成され、それ
らのビーズ層間で処理粒子が剪断力を受けて、粉砕され
る。
【0058】なお、攪拌部材の隙間に位置するビーズ
は、高速回転により遠心力を受けるが隙間は狭く回転円
運動の接線方向にはすぐ対向壁面が存在するためビーズ
の遠心力による外側への移動は阻止され、ビーズの一部
が攪拌処理容器の外側環状空間へ移動するに過ぎない。
その傾向は、図5に示す如く、外側の一部を斜設した
り、また、先細りにすることにより外側へのビーズの移
動はより防止できる。
【0059】また、攪拌部材にライニングを施すことに
よりビーズの捕捉性はより増大して、ビーズ層の内側か
ら外側への移動は、より抑制されるものと期待できる。
こうして、ビーズは、環状処理容器と攪拌部材で形成
される環状処理室の内側環状空間及び外側環状空間を攪
拌部材の動力により回動循環するのみで、ビーズ移動に
は、原料(スラリー)移送用のポンプの動力は使用され
ない。
【0060】したがって、本発明の媒体攪拌ミルは、原
料(スラリー)輸送動力が相対的に小さくて済む。ま
た、環状処理容器が、実質的にダブルアニュラ構造であ
るため、ミル本体占有体積当たりの処理能力も相対的に
大きい。
【0061】さらに、攪拌部材及び環状処理容器の所定
部位に耐摩耗性高分子材料からなるライニングを施した
場合は、攪拌部材材料や環状処理容器の摩滅粉の混入が
防止できて、汚染を嫌う原料の粉砕に好適である。この
とき、少なくともライニング施工部位に熱媒体循環路を
配して冷却することにより、ライニングの熱劣化防止な
いし相対的な耐熱性の向上を図ることができる。
【0062】なお、この媒体攪拌ミルを、攪拌反応槽、
分散槽として使用するような場合は、各熱媒体循環路に
通す熱媒体は、必ずしも冷却水に限られず、冷媒(液体
窒素等)又は逆に温水、過熱蒸気等であってもよい。さ
らには、各熱媒体循環路を通過させる熱媒体は、必要に
応じて温度差をつけてもよい。
【0063】本発明の媒体攪拌ミルは、従来の媒体攪拌
ミルと同様の分野、例えば、電子セラミックス、構造セ
ラミックス、食品(例えばチョコレート)、一般窯業原
料、医薬品、着色材(染料、顔料、ペイント)、樹脂、
金属化合物、等の微粉砕/分散用機械として使用可能な
ものである。特に金属粉汚染を嫌うファインセラミック
ス(電子セラミックス等)、食品(チョコレート等)、
医薬品、金属化合物等の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の媒体攪拌ミルの全体概略
【図2】同じく媒体攪拌ミルの要部概略断面図
【図3】同じく攪拌部材の半断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】同じく攪拌部材の他の形態を環状処理室ととも
に示す水平断面図
【図6】同じく攪拌部材のさらに他の形態を環状処理室
とともに示す水平断面図
【符号の説明】
12 媒体(ビーズ) 14 環状処理室 14a 内側環状空間 14b 外側環状空間 16 環状処理容器 18、118、218 攪拌部材 40、140、240 原料流通隙間 46 第一熱媒体循環路(攪拌部材用冷却路) 52 第二熱媒体循環路(環状処理容器外周壁用冷却
路) 54 第三熱媒体循環路(環状処理容器内周壁用冷却
路) 56 原料流路 56a 原料供給口 56b 原料排出口 58 媒体分離手段 60 逆止手段 62 原料輸送動力源(ポンプ) 64 原料供給配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体(メディア)に垂直回転力を付与し
    て渦流的移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する媒
    体攪拌ミルにおいて、 縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状
    処理室内に垂直回転可能に配設された筒形の攪拌部材と
    を備え、 前記攪拌部材は、周璧に原料流通隙間を備え、 前記環状処理容器は、原料供給口を備えるとともに処理
    済原料排出口(以下「原料排出口」という。)を備えて
    おり、また、 該原料排出口は媒体分離手段を備えている、 ことを特徴とする媒体攪拌ミル。
  2. 【請求項2】 媒体(メディア)に垂直回転力を付与し
    て渦流的移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する媒
    体攪拌ミルにおいて、 縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状
    処理室内に垂直回転可能に配設された筒形の攪拌部材と
    を備え、 前記攪拌部材は、周璧に原料流通隙間を備え、 前記環状処理容器は、下部に原料供給口を備えるととも
    に上部に原料排出口を備えており、また、 該原料排出口は媒体分離手段を備えており、 さらに、前記原料供給口には逆止手段を介して、原料輸
    送動力源と直接的又は間接的に接続された原料供給配管
    が接続可能とされていることを特徴とする媒体攪拌ミ
    ル。
  3. 【請求項3】 内周側下部に原料供給口を備えるとも
    に、外周側上部に原料排出口を備えていることを特徴と
    する請求項2記載の媒体攪拌ミル。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記攪拌部材の下端部及び環
    状処理容器の溝底部が耐摩耗性高分子材料でライニング
    されていることを特徴とする請求項3記載の媒体攪拌ミ
    ル。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記攪拌部材の下端部壁及び
    少なくとも環状処理容器の溝底部壁がそれぞれ熱媒体流
    路を備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4記載の媒体攪拌ミル。
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